JP2009262130A - 樹脂付き基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機充填材を含む塗布液を基材に積層しても、樹脂のはじきや、塗りむらの発生することのない樹脂付き基材の製造方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程を含む、樹脂付き基材の製造方法:(a)少なくとも無機充填材、樹脂、および添加剤を含む混合物を攪拌する工程、(b)以下の(i)〜(iii)より選択される少なくとも1の手段を用いて前記混合物中の無機充填材を分散させ、塗布液を得る工程、(i)高速せん断分散、(ii)超音波分散、(iii)メディア衝突分散、(c)前記工程(b)で得られた前記塗布液を、希釈率1倍以上、20倍以下に調製し、フィルターを透過させ、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程、(d)前記所定の値以上の粒子径を有する粒子が検知されない場合には、得られた前記塗布液を基材に塗布して、樹脂付き基材を得る工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂付き基材の製造方法に関する。
従来、多層プリント回路板を製造する場合、ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸して半硬化させたプリプレグシートが用いられていた。このような多層プリント回路板は、まず、回路が形成された内層回路基板上にプリプレグシートを1枚以上重ね、さらにその上に銅箔を重ね、熱板プレスにて加圧一体成形し、これを複数回繰り返すことにより製造される。このような方法では、プリプレグシートと銅箔とを積層する工程が複数回繰り返される。そのため、各工程中に異物が混入することがあった。
近年、これらの問題を解決するため、RCC(Resin Coated Copper)といわれる材料が、既存のプレス設備を用いる多層プリント回路板の製造に用いられている。RCCとは、ガラスクロスを用いずに、銅箔に直接絶縁樹脂層を積層した材料である。これにより、薄型化された多層プリント配線板の製造が可能となったことから、近年、ますますRCCの需要が増えてきている(例えば特許文献1)。
また、搭載部品との半田接続信頼性をより向上させるために、多層プリント配線板の低線膨張率化が検討されている。低線膨張性を付与する手法のひとつとして、基材に塗布する樹脂組成物に無機充填材を配合する手法が挙げられる(例えば、特許文献2)。しかし、無機充填材の添加量を増やすことにより、樹脂組成物中の無機充填材の分散性が悪くなり、例えば基材として、銅箔に、このような樹脂組成物を塗布したとき、分散性の悪い個所が生じ、ここで樹脂のはじきや、塗りむらが発生することがあった。
特開2000−244114号公報 特開2005−290029号公報
従来、樹脂付き基材は、塗布液として高分散の無機充填材スラリーを得て、これを基材に塗布することにより、製造されている。ここでは、塗布液中の無機充填材等の粒子の分散状態を判断して、高分散の無機充填剤スラリーを得るために、レーザー回折散乱法による粒度分布測定が用いられていた。しかしながら、レーザー回折散乱法による粒度分布測定を用いて高分散の無機充填材スラリーを得ても、これを基材に塗布した場合、依然として、樹脂のはじきや、塗りむらが発生することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無機充填材を含む塗布液を基材に塗布しても、樹脂のはじきや、塗りむらの発生することのない樹脂付き基材の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、以下の工程を含む、樹脂付き基材の製造方法が提供される:
(a)少なくとも無機充填材、樹脂、および添加剤を含む混合物を攪拌する工程、
(b)以下の(i)〜(iii)より選択される少なくとも1の手段を用いて前記混合物中の前記無機充填材を分散させ、塗布液を得る工程、
(i)高速せん断分散、
(ii)超音波分散、
(iii)メディア衝突分散、
(c)前記工程(b)で得られた前記塗布液を、希釈率1倍以上、20倍以下に希釈し、フィルターを透過させ、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程、
(d)前記所定の値以上の粒子径を有する粒子が検知されない場合には、得られた前記塗布液を基材に塗布して、樹脂付き基材を得る工程。
この樹脂付き基材の製造方法は、塗布液をフィルターに通し、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程と、所定の値以上の粒子径を検知しない場合には、得られた塗布液を基材に塗布する工程を含む。これにより、無機充填剤の凝集が少なく、高度に一次分散した塗布液を基材に塗布することができる。したがって、樹脂のはじきや塗りむらの発生が抑制された基材を得ることができる。
本発明によれば、無機充填材を含む塗布液を基材に塗布しても、樹脂のはじきや、塗りむらの発生することのない樹脂付き基材の製造方法が提供される。
樹脂付き樹脂フィルムおよび樹脂付き金属箔の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の樹脂付き基材の製造方法について、説明する。
本発明の樹脂付き基材の製造方法は、以下の工程を含む:
(a)少なくとも無機充填材、樹脂、および添加剤を含む混合物を攪拌する工程、
(b)以下の(i)〜(iii)より選択される少なくとも1の手段を用いて上記混合物中の無機充填材を分散させ、塗布液を得る工程、
(i)高速せん断分散、
(ii)超音波分散、
(iii)メディア衝突分散、
(c)上記工程(b)で得られた上記塗布液を、希釈率1倍以上、20倍以下に希釈し、フィルターを透過させ、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程、
(d)上記所定の値以上の粒子径を有する粒子が検知されない場合には、得られた上記塗布液を基材に塗布して、樹脂付き基材を得る工程。
以下、各工程について説明する。
本発明では、少なくとも無機充填材、樹脂、および添加剤を含む混合物を攪拌して、無機充填材を高度に分散させるために、(i)高速せん断分散、(ii)超音波分散、および(iii)メディア衝突分散より選択される少なくとも1の手段を用いる。上記攪拌手段は、所望の分散度合いによって適宜選択することができる。例えば、塗布液となる混合物中に比較的大きな凝集物が認められる場合には、メディア衝突分散を用いることが好ましく、凝集物サイズが比較的小さい場合には、超音波分散を用いることが好ましい。
ここで、高速せん断分散とは、撹拌羽根が回転する際の剪断力を用いる分散方法である。本発明において、分散は、回転数2000〜4000rpmで、30〜60分間撹拌することにより実施することが好ましい。
超音波分散とは、ポンプ等により塗布液を照射室に送り、超音波を照射することにより塗布液中の凝集物を解砕、微粒子化する方法である。分散条件は、周波数15K〜30KHz、振幅20〜40μmが好ましい。また、塗布液を照射室へ送る回数は、好ましくは、5〜10回である。
メディア衝突法とは、ベッセル中でビーズミルにて分散処理を行う方法である。より詳細には、ビーズを充填したベッセルの中に塗布液を入れ、ベッセル中央の回転軸を回転させることによりビーズに動きを与え、塗布液をビーズですりつぶすことにより分散させる方法である。ビーズ径は、好ましくは、200〜1000μmであり、回転数は、好ましくは、1000〜4000rpmである。
上記の分散処理後、得られた塗布液をフィルターに透過させる。この工程は、必要に応じて、超音波をかけながら行ってもよい。次いで、フィルター残を観察することにより、塗布液中に所定値以上の粒子径を有する粒子、例えば、無機充填材の凝集物が存在するか否かの判断を行う。ここで、本発明で用いられるフィルターは、所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知するためのものであり、好ましくは10μm以上の粒子径を有する粒子を検知できるものである。このようなフィルターとして、比較的微細メッシュのフィルターが用いられ、好ましくは、1,000メッシュ以上、5,000メッシュ以下、さらに好ましくは、2,300メッシュ以上、4,300メッシュ以下のフィルターが用いられる。
上記のように塗布液をフィルターに透過させた後、フィルター残を観察し、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子の存在の有無を確認する。好ましくは所定の値として、10μm以上の粒子径を有する粒子の存在の有無を確認する。具体的には、フィルター残の観察は顕微鏡等を用いて行う。
また、本発明において、通常、塗布液は希釈してフィルターに透過させる。塗布液の希釈率は、1倍以上、20倍以下であることが好ましく、2倍以上、10倍以下であることがより好ましい。本発明において、塗布液の希釈率が非常に低いため、精度よく凝集物の検知を行うことができる。
フィルター残の観察により、所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知した場合、得られた塗布液をさらに分散処理に供することが好ましい。すなわち、無機充填材の分散工程に戻り、上記分散手段(i)〜(iii)より選択される少なくとも1の手段を再度用いて、塗布液を得る。得られた塗布液を希釈した後、再度フィルターに透過させ、所定の値以上の粒子径を有する粒子の検知を行う。
フィルター残の観察後、所定の値以上の粒子径を有する粒子が検出されない場合には、その塗布液には無機充填材が高度に一次分散されているものと判断できる。すなわち、無機充填材が、凝集せずに、塗布液中に高分散していると判断できる。この場合、次の工程に移り、分散処理して得られた塗布液を基材に塗布する。このようにして、樹脂付き基材を得ることができる。
本発明では、樹脂付き基材を製造するために、無機充填材、樹脂、および添加剤を混合および攪拌して得られる塗布液を用いる。従来では、攪拌羽根等による攪拌により高分散の塗布液を得て、これを基材に塗布することにより、樹脂付き基材を得ていた。従来、塗布液中の粒子の分散状態を判断するために、レーザー回折散乱法による粒度分布測定が用いられていた。かかる方法により、一定の粒子径以上の粒度分布を有しないことを確認し、高分散の無機充填材スラリーを得ていた。しかしながら、このような高分散の無機充填材スラリーを得ても、依然として、樹脂のはじきや、塗りむらが発生するという問題があった。
そこで、本発明者らは、原因究明のため、レーザー回折散乱法により一定の粒子径以上の粒度分布を有しない塗布液について、粒子画像処理装置を用いた観察により評価を行った。その結果、レーザー回折散乱法では検出されなかった無機充填材の凝集物が発見された。すなわち、凝集物がないと思われていた塗布液中に、大きな凝集物が確認され、レーザー回折散乱法による粒度分布の観察では十分に凝集物の存在が確認できていなかったことが明らかになった。この理由は、レーザー回折散乱法を用いる場合、塗布液を約5,000倍程度に薄めて分析する必要があり、このような大幅な希釈により、無機充填材の粒度分布が正確に測定できていなかったものと考えられる。そのため、従来の分散方法で得られた塗布液を基材に塗布した場合、樹脂のはじきや塗りむらが発生していたと考えられる。これに対し、粒子画像処理装置で測定する場合では、塗布液の希釈率は1倍以上、20倍以下程度でよい。そのため、凝集物検知の精度もより高くなると考えられる。
そこで本発明の方法では、塗布液中の所定値以上の粒子径を有する凝集物を排除するため、従来と比較して高分散を実現できる攪拌手段を用いるとともに、凝集物の有無を検知するための新規な検査工程をさらに設けた。そして、かかる方法により、所定値より小さい粒子径を有する無機充填材が高分散されている塗布液を確保できることを見出した。本発明では、無機充填材の攪拌手段として、(i)高速せん断分散、(ii)超音波分散、および(iii)メディア衝突分散より選択される少なくとも1の手段を用い、さらに所定のフィルターを用いて所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程を含む。かかる手段により得られた塗布液を基材に塗布したところ、樹脂のはじきや、塗りむらの発生が抑制された。したがって、本発明によれば、無機充填材を含む塗布液を基材に積層しても、樹脂のはじきや、塗りむらの発生することのない塗布液および樹脂層付き基材を提供することができる。
次に、塗布液を調製するために用いる各成分について説明する。
本発明の方法で用いられる樹脂は、エポキシ樹脂を含んでもよい。エポキシ樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂が挙げられる。この中でも特に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、得られる樹脂付き基材の吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、用いられる樹脂成分全体の10重量%以上、90重量%以下が好ましく、特に25重量%以上、75重量%以下が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であると、得られる塗布液の硬化性が良好となり、得られる樹脂付き基材の耐湿性も良好となる。また、エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、得られる樹脂付き基材が良好な低熱膨張性および耐熱性を有する。
樹脂は、シアネート樹脂を含んでもよい。シアネート樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱してプレポリマー化することにより得られるシアネート樹脂が挙げられる。具体的には、ノボラック型シアネート樹脂、およびビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂等が挙げられる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂が好ましい。このような樹脂を用いることにより、得られる樹脂付き基材の耐熱性を向上させることができる。
シアネート樹脂は、プレポリマー化されたシアネート樹脂をさらに含んでもよい。プレポリマー化されたシアネート樹脂とは、例えば、シアネート樹脂を加熱して3量化することで得られるシアネート樹脂をいう。プレポリマー化されたシアネート樹脂は、塗布液の成形性および流動性を調整するために好ましく使用される。プレポリマー化されたシアネート樹脂として、例えば、3量化率が20重量%以上、50重量%以下のプレポリマー化シアネート樹脂を用いた場合、良好な成形性および流動性を発現できる。シアネート樹脂は単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用するか、またはシアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用してもよい。
シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、用いられる樹脂成分全体の10重量%以上、90重量%以下が好ましく、特に25重量%以上、75重量%以下が好ましい。シアネート樹脂の含有量が上記下限値以上であると、樹脂付き基材の製造の際、樹脂層の形成が容易となり、上記上限値以下であると樹脂層の強度が良好となる。
本発明の方法で用いられる樹脂は、エポキシ樹脂およびシアネート樹脂の両方を含んでいてもよい。エポキシ樹脂およびシアネート樹脂は、上述した樹脂を用いてよい。それぞれの樹脂の含有量は、特に限定はされないが、エポキシ樹脂100重量%としたとき、シアネート樹脂は50重量%以上、300重量%以下が好ましい。
本発明の塗布液に用いられる無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも特に、シリカが好ましく、溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。また、破砕状、球状等のシリカが存在するが、塗布液の溶融粘度を抑制できる点で、球状シリカが好ましい。無機充填剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
球状シリカは、予め処理剤で表面処理されていることが好ましい。処理剤は、官能基含有シラン類、環状オリゴシロキサン類、オルガノハロシラン類、およびアルキルシラザン類からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、上記処理剤の中でも、オルガノハロシラン類およびアルキルシラザン類を用いて球状シリカを表面処理することが好ましい。これらはシリカ表面を疎水化するのに好適である。また、このような表面処理により、樹脂中における球状シリカの分散性が良好となる。通常の官能基含有シラン類を、オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類と組合せて使用する場合、いずれを先に用いて表面処理を行ってもよい。しかしながら、オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類を先に用いることが好ましい。これは、オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類により、球状シリカ表面に有機物親和性を与えることができるため、続く官能基含有シラン類による表面処理が効果的に実施できるからである。ここで用いる通常の官能基含有シラン類と、オルガノハロシラン類またはアルキルシラザン類との使用量の比は、特に限定されないが、500/1〜50/1(重量比)であることが好ましい。上記範囲内において、良好な機械的強度が得られる。
官能基含有シラン類は、特に限定されないが、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシランなどのエポキシシラン化合物;3−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、および3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)アクリルシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカトプロピルトリエトキシシラン、および3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプトシラン;N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、およびN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、およびビニルトリクロロシランなどのビニルシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネートシラン;3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、および3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイドシラン;(5−ノルボルネン−2−イル)トリメトキシシラン、(5−ノルボルネン−2−イル)トリエトキシシラン、および(5−ノルボルネン−2−イル)エチルトリメトキシシランなどの(5−ノルボルネン−2−イル)アルキルシラン;ならびにフェニルトリメトキシシランなどのフェニルシランが挙げられる。
環状オリゴシロキサン類は、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オリタメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
オルガノハロシラン類は、特に限定されないが、例えばトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシランおよびメチルトリクロロシランなどが挙げられる。これらの中で、ジメチルジクロロシランがより好ましい。
アルキルシラザン類は、特に限定されないが、例えばヘキサメチルジシラザン、1,3 −ジビニル1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザンおよびへキサメチルシクロトリシラザンなどが挙げられる。これらの中でヘキサメチルジシラザンがより好ましい。
このような処理剤を用いる球状シリカの表面処理は、公知の方法により行うことができる。例えば、球状シリカをミキサーに入れ、窒素雰囲気下で、撹拌しながら処理剤を噴霧する。所定温度で一定時間保持することにより、球状シリカの表面処理が施される。噴霧する処理剤は予め溶剤に溶かしておいてもよい。あるいは、球状シリカと処理剤とをミキサーに入れ、さらに溶剤を添加して撹拌してもよく、シリカ表面のシラノールとカップリング剤との反応を促進するために、加温したり、少量の水を添加したり、酸やアルカリを用いてもよい。
処理時の温度は、処理剤の種類によるが、処理剤の分解温度以下で行うことが必要である。また、処理温度が低すぎると処理剤と球状シリカの結合力が低く、処理の効果が得られない場合がある。よって処理剤に合わせた適切な温度で処理を行う。さらに、保持時間は、処理剤の種類または処理温度により適宜調製してよい。
本発明に係る攪拌する工程においては、無機充填材に代えて、無機充填材が分散されたスラリー組成物を用いることができる。このとき、本発明に係るスラリー組成物に用いられる溶媒としては、有機溶媒または無機溶媒を使用することができる。この溶媒としては、非極性溶媒が好ましい。
非極性溶媒としては、例えば、20℃における水に対する溶解度が、10g/水100g以下である溶媒を用いることができる。これにより、本発明に係るスラリー組成物中における無機充填材の分散性を良好にすることができる。
このような非極性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノールなどのアルコール類;メチルプロピルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。これらの溶媒は、単独または二種以上混合して用いることができる。
上記非極性溶媒の中でも、芳香族炭化水素類であるトルエン、キシレン、ケトン類であるメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンを好適に用いることができ、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを特に好適に用いることができる。
無機充填材の平均粒子径は、好ましくは、0.01μm以上、10.0μm以下、さらに好ましくは、0.01μm以上、5.00μm以下、なおさらにさらに好ましくは0.1μm以上、2.0μm以下である。無機充填材の平均粒子径が上記下限値以上であると、塗布液の粘度が高くなりすぎるのが抑制される。その結果、樹脂付き基材を製造する際の作業性が良好となる。一方、上記上限値以下であると、塗布液中における無機充填材の沈降現象が抑制される。無機充填材の平均粒子径を上記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れた塗布液を得ることができる。
また無機充填材は、平均粒子径が単分散性であるか、または平均粒子径が多分散性であり得る。無機充填剤は、平均粒子径が単分散性および多分散性のもののいずれかを単独で用いてもよいし、これらの混合物を用いてもよい。
無機充填材の含有量は、特に限定されないが、塗布液全体の40重量%以上、85重量%以下が好ましい。上記範囲内であれば、得られた塗布液を硬化して得られる樹脂硬化物の線熱膨張係数を好適な範囲に調製できる。好ましくは、得られる樹脂硬化物の線熱膨張係数は15ppm以上、21ppm以下である。さらに、低吸水性を付与する観点から、無機充填材の含有量は55重量%以上、75重量%以下であることが好ましい。
無機充填材が予め表面処理された球状シリカを含む場合、その含有量は、特に限定されないが、無機充填材の全重量に基づいて、5重量%以上、50重量%以下であることが好ましい。これにより、得られる樹脂付き基材を成形性および機械強度に優れたものとすることができる。上記下限値以上であると、得られる樹脂付き基材の機械強度が良好となる。また、上記上限値以下であると、無機充填材の凝集が抑制され、成形性が向上する。
次に、樹脂層付き基材について説明する。
上記の無機充填材、樹脂成分、および添加剤を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール等の有機溶剤中で、攪拌を行い塗布液を作成した後、さらに、高速せん断分散、超音波分散、およびメディア衝突分散より選択される少なくとも1の手段を用いて、各種混合機を用いて溶解、混合、および撹拌して塗布液を作製する。
上記塗布液中の樹脂成分の含有量は、特に限定されないが、45〜85重量%が好ましく、特に55〜75重量%が好ましい。
凝集物を検知する工程を経て、得られた塗布液を、各種塗工装置を用いて、基材上に塗工する。基材としては、例えば樹脂フィルムおよび金属箔が挙げられる。その後、これを乾燥する。または、塗布液をスプレー装置により樹脂フィルムまたは金属箔に噴霧塗工した後、これを乾燥する。これらの方法により樹脂層付き樹脂フィルムまたは金属箔を作製することができる。
上記塗工装置は、特に限定されないが、例えば、ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーターおよびカーテンコーターなどを用いることができる。これらの中でも、ダイコーター、ナイフコーター、およびコンマコーターを用いる方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な厚みの樹脂層を有する樹脂付き基材を効率よく製造することができる。
図1は、本発明の樹脂付き基材の一例として、樹脂付き樹脂フィルム(図1(a))または樹脂付き金属箔(図1(b))を模式的に示す断面図である。樹脂付き樹脂フィルム1または樹脂付き金属箔2は、塗布液から得られた樹脂層で構成される絶縁樹脂層3を、樹脂フィルム4または金属箔5上に積層してなるものである。これらの樹脂付き基材は、例えば多層プリント回路板の製造に用いられる。上記樹脂層で構成される絶縁樹脂層3は、樹脂層に「はじき」や「塗りスジ」のない樹脂層となる。したがって、回路段差の埋め込み性、埋め込み後の平坦性、およびレーザー加工性に優れる。
樹脂付き樹脂フィルム1または樹脂付き金属箔2の絶縁樹脂層3の厚さは、特に限定されないが、1μm以上、60μm以下が好ましく、特に5μm以上、40μm以下が好ましい。絶縁樹脂層3の厚さは、絶縁信頼性を向上させる上で上記下限値以上が好ましく、多層回路板における目的の一つである薄膜化を達成する上で上記上限値以下が好ましい。これより、多層プリント回路板を製造する際に、内層回路の凹凸を充填して成形することができるとともに、好適な絶縁樹脂層の厚みを確保することができる。
樹脂フィルム4は、絶縁樹脂層を積層して用いるため積層時の取扱いが容易であるものを選択することが好ましい。また、絶縁樹脂付き樹脂フィルム1を内層回路に積層後、樹脂フィルム4を剥離することから、この樹脂フィルム4は、内層回路板に積層後、剥離が容易であることが好ましい。このような樹脂フィルム4として、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることが好ましい。これら樹脂フィルムの中でも、ポリエステルで構成される樹脂フィルムが最も好ましい。これにより、絶縁樹脂層3から適度な強度で剥離することが容易となる。
金属箔5は、樹脂フィルム4と同様、内層回路に樹脂付き金属箔2を積層後、剥離して用いてもよいし、金属箔5をエッチングし導体回路として用いてもよい。かかる観点から、金属箔5としては銅やアルミニウムを用いることが好ましい。
樹脂フィルム4または金属箔5の厚さは、特に限定されないが、1μm以上、100μm以下が好ましく、特に3μm以上、50μm以下が好ましい。樹脂フィルム4または金属箔5の厚さが上記範囲内であると、取扱いが容易で、絶縁樹脂層3の平坦性に優れる。
以下、本発明の塗布液および樹脂付き基材の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記の成分を、以下に記載の量(重量%)で混合して、塗布液を得た。
(1)ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン(株)製、プリマセットPT−30、重量平均分子量約700):25.7重量%
(2)ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製,NC−3000H、エポキシ当量275):14.4重量%
(3)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「エピクロンN−690」エポキシ当量210):6.3重量%
(4)イミダゾール(2−エチル−4−メチルイミダゾール):0.06重量%
(5)エポキシシラン型カップリング剤(GE東芝シリコーン(株)製,A−187):0.13重量%
(6)溶融球状シリカ((株)アドマテックス社製、球状シリカ、SO−25R、平均粒径0.5μm、65%スラリー溶液(溶媒:メチルエチルケトン)):40.9重量%
(7)溶媒(メチルエチルケトン):12.6重量%
下記の実施例および比較例において、上で得られた塗布液について、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置および粒子画像処理装置を用いて評価を行った。また、この塗布液を使用し、上で説明した方法を使用して樹脂付き基材を作製し、塗りむらおよびスジについて評価を行った。
(1)レーザー回折・散乱法による塗布液の粒度分布測定
塗布液を、堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いて、粒度分布を測定した。なお、塗布液は、メチルエチルケトンを用いて5000倍に希釈して測定した。
(2)粒子画像処理装置による塗布液の粒子径測定
塗布液を、粒子画像処理装置(シスメックス株式会社製、FPIA−3000S)を用いて、以下の条件で測定した。
対物レンズ:標準レンズ(10倍)
光学システム:明視野
シース液:メチルエチルケトン
試料の希釈倍率:5倍
測定原理:試料チャンバに試料が注ぎ入れられると、サンプルシリンダーより試料が引き込まれ、扁平な試料流が形成される。試料流にストロボ光が照射され、フラットシースフローを通過中の粒子が、対物レンズを通してCCDカメラで静止画像として撮像される。撮像された粒子像は画像解析され、投影面積と周囲長から、円相当径、円形度等の各種解析結果が算出される。
(3)樹脂付き基材の塗りむら、スジの評価
基材に、塗布液をコンマコーターを用いて塗布し、乾燥させて樹脂付き基材を得た。樹脂塗布面を目視にて観察し、塗りむら、スジの発生状況を観察した。
(実施例1)
上で得られた塗布液をメチルエチルケトンで2倍に希釈し、2300メッシュのフィルターに通し、フィルター残を確認した。フィルター残が、100個以上あったので、ビーズミル装置(三井鉱山製、SCミル)を用いるメディア衝突分散法により分散処理を行った。ビーズ径は500〜1000μm、回転数は、3600rpmである。その後2300メッシュのフィルターを通し、フィルター残がないことを確認した。
10μm以上の粒子径を有する粒子が検知されなくなった段階で、塗布液に含まれる無機充填材の粒子径についてレーザー回折散乱法および粒子画像処理装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
得られた塗布液を銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂厚さが10μmとなるように塗工し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させ樹脂付き金属箔を得た。
得られた樹脂付き金属箔について、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
得られた塗布液をメチルエチルケトンで15倍に希釈し、2300メッシュのフィルターに通し、フィルター残を確認した。
フィルター残が、100個以上あったので超音波分散装置を用いて、ポンプにより塗布液を照射室に送り、超音波を照射することにより塗布液中の凝集物を解砕、微粒子化した。分散条件は、周波数20KHz、振幅30μmであった。また、塗布液を照射室へ送る回数は5回であった。その後、2300メッシュのフィルターを通し、フィルター残がないことを確認した。
10μm以上の粒子径を有する粒子が検知されなくなった段階で、塗布液に含まれる無機充填材の粒子径についてレーザー回折散乱法および粒子画像処理装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
得られた塗布液を銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂厚さが15μmとなるように塗工し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させ樹脂付き金属箔を得た。
得られた樹脂付き金属箔について、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
得られた塗布液をメチルエチルケトンで5倍に希釈し、2300メッシュのフィルターに通し、フィルター残を確認した。
フィルター残が、100個以上あったので高速せん断攪拌装置を用いて攪拌を行った。攪拌条件は、回転数3600rpm、40分撹拌させた。その後2300メッシュのフィルターを通し、フィルター残がないことを確認した。
10μm以上の粒子径を有する粒子が検知されなくなった段階で、塗布液に含まれる無機充填材の粒子径についてレーザー回折散乱法および粒子画像処理装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
得られた塗布液を銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂厚さが15μmとなるように塗工し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させ樹脂付き金属箔を得た。
得られた樹脂付き金属箔について、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
得られた塗布液をメチルエチルケトンで2倍に希釈し、4300メッシュのフィルターに通し、フィルター残を確認した。
フィルター残が、1000個以上あったのでメディア衝突分散法により分散処理を行った。ビーズミル装置は、三井鉱山製のSCミルを用いた。ビーズ径は500〜1000μm、回転数は、3600rpmである。その後2300メッシュのフィルターを通したが、フィルター残が100個以上あったので、次に、超音波分散装置を用いて、ポンプにより塗布液を照射室に送り、超音波を照射することにより塗布液中の凝集物を解砕、微粒子化した。分散条件は、周波数20KHz、振幅30μmであった。また、塗布液を照射室へ送る回数は5回であった。その後4300メッシュのフィルターを通し、フィルター残がないことを確認した。
10μm以上の粒子径を有する粒子が検知されなくなった段階で、塗布液に含まれる無機充填材の粒子径についてレーザー回折散乱法および粒子画像処理装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
得られた塗布液を銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂厚さが15μmとなるように塗工し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させ樹脂付き金属箔を得た。
得られた樹脂付き金属箔について、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
得られた塗布液をメチルエチルケトンで100倍に希釈し、2300メッシュのフィルターに通し、フィルター残を確認した。
フィルター残が、100個以上あったので、高速せん断攪拌装置を用いて攪拌を行った。攪拌条件は、回転数3600rpm、40分撹拌させた。その後2300メッシュのフィルターを通し、フィルター残がないことを確認した。
10μm以上の粒子径を有する粒子が検知されなくなった段階で、塗布液に含まれる無機充填材の粒子径についてレーザー回折散乱法および粒子画像処理装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
得られた塗布液を銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂厚さが10μmとなるように塗工し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させ樹脂付き金属箔を得た。
得られた樹脂付き金属箔について、上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2009262130
実施例および比較例のいずれにおいても、レーザー回折散乱法による粒度分布測定では10μm以上の粒子径を有する粒子は検知されなかった。しかしながら、粒子画像処理装置による観察では、比較例1においてのみ、10μm以上の粒子径を有する凝集物が多数確認された。
実施例1〜4は、塗工した樹脂面に塗りむら塗スジのない樹脂付き金属箔が得られた。一方、比較例1では、塗工した樹脂面に塗りむら塗スジが発生した。
1 樹脂付き樹脂フィルム
2 樹脂付き金属箔
3 絶縁樹脂層
4 樹脂フィルム
5 金属箔

Claims (11)

  1. 以下の工程を含む、樹脂付き基材の製造方法:
    (a)少なくとも無機充填材、樹脂、および添加剤を含む混合物を攪拌する工程、
    (b)以下の(i)〜(iii)より選択される少なくとも1の手段を用いて前記混合物中の前記無機充填材を分散させ、塗布液を得る工程、
    (i)高速せん断分散、
    (ii)超音波分散、
    (iii)メディア衝突分散、
    (c)前記工程(b)で得られた前記塗布液を、希釈率1倍以上、20倍以下に希釈し、フィルターを透過させ、フィルター残から所定の値以上の粒子径を有する粒子を検知する工程、
    (d)前記所定の値以上の粒子径を有する粒子が検知されない場合には、得られた前記塗布液を基材に塗布して、樹脂付き基材を得る工程。
  2. 前記工程(c)において、前記所定の値以上の粒子径を有する粒子が検知された場合には、前記工程(b)が再度行われる、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  3. 前記工程(c)において、前記フィルターは1000メッシュ以上、5000メッシュ以下である、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  4. 前記工程(c)において、希釈した前記塗布液を前記フィルターに通過させる前記工程は、超音波をかけながら行われる、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  5. 前記工程(c)において、前記所定の値が10μmである、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  6. 前記工程(d)で用いる前記塗布液は、粒子画像処理装置で測定した場合、10μm以上の粒子径を有する無機充填材を含まない、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  7. 前記樹脂は、エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  8. 前記樹脂は、シアネート樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  9. 前記無機充填材の含有量は、前記塗布液の全量に対して40重量%以上、85重量%以下である、請求項1に記載の樹脂付き基材の製造方法。
  10. 前記攪拌する工程において、前記無機充填材に代えて、前記無機充填材が分散されたスラリー組成物を用いる、請求項1から9のいずれかに記載の樹脂付き基材の製造方法。
  11. 前記スラリー組成物が非極性溶媒を含む、請求項10に記載の樹脂付き基材の製造方法。
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