JP2009261561A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】キーシリンダの交換作業が終了するまでの間に、フロントドアに不用意なロックがかかってしまうのを簡易な構成によって防止する。
【解決手段】フロントドア2を施錠するロック機構60を備えるパチスロ1であって、ロック機構60は、フロントドア2に設けられるシリンダ錠54と、鍵体53による開錠又は施錠の回動操作に連動するリンク62と、リンク62に連結され、当該リンク62の動作に連動することによってキャビネット1aの係止片66,66に係合又は離脱し、フロントドア2を施錠又は解錠状態にするフック64,64と、フック64,64を係止片66,66に係合させた状態を維持するように付勢すると共に、当該付勢を解除された場合には、フック64,64が係止片66,66と離脱するのを許容する引張コイルばね63とを有し、引張コイルばね63は、一端をリンク62に接続し、他端をシリンダ錠54に接続している。
【選択図】図3

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(以下、「メダル等」という)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
この遊技機は、前面に開口を有するキャビネットと、このキャビネットと回動可能に連結して前記開口を開閉するフロントドアと、このフロントドアをキャビネットに対して閉じた状態で施錠するロック機構と、を備えている。
このような遊技機は、遊技者の手の届かないキャビネット内部に備えられた制御基板により制御されており、この制御基板に装着されたROMを入れ替える等の不正を防止するために、ロック機構に加え、フロントドアの開放を検知する光学式の検知センサを備えた遊技機も種々提供されている。
上記従来のロック機構としては、例えば、特許文献1に開示されている。すなわち、特許文献1に係るロック機構は、フロントドアに回転自在に設けられ、キャビネットに傾斜面で係止すると共に、フロントドアの開動に伴って傾斜面を摺動させて回転し、キャビネットとの係止を解除するフックプレートと、フロントドアに設けられ、キャビネットに係止したフックプレートに係止してフックプレートの回転を規制するラッチと、フロントドアに設けられ、解錠回転によってラッチの規制を解除するシリンダー錠と、キャビネットに固設され、フロントドアの閉動に伴ってフックプレートを押圧してフックプレートをキャビネット係止方向に回転させる押込み金具と、を備えて構成されている。
特開2004−238890号公報
ところで、新規の遊技機を導入する遊技店では、不正開錠を防止するために、遊技機のキーシリンダを別のキーシリンダに交換していることが多い。このようなキーシリンダの交換作業が完了する前(予め備えられていたキーシリンダを取り外した後であって、新規なキーシリンダを取り付ける前等)に、フロントドアを不用意に閉めてしまうと、ロック機構の一部である付勢手段(例えば、引張コイルばね)の付勢力によって、フックプレートがロック位置でロックしたままとなってしまうという事態が生じていた。
このような場合には、キャビネットの一部に穴を開ける等してロックを強引に解除するしかなかった。すなわち、作業者は、キーシリンダの交換作業が終了するまで、多大な緊張感を強いられると共に、一度、フロントドアを不用意に閉めてしまうと、新規な遊技機を壊すことになり、遊技店も多大な損害を被ってしまうという事態が生じていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、キーシリンダの交換作業が終了するまでの間に、フロントドアに不用意なロックがかかってしまうのを簡易な構成によって防止できる遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(1) 前面に開口を有するキャビネットと、このキャビネットと回動可能に連結して前記開口を開閉するフロントドアと、を備える遊技機であって、前記フロントドアを前記キャビネットに対して閉じた状態で施錠するロック機構を備え、前記ロック機構は、前記フロントドアに設けられ、回動操作によって開錠又は施錠するキーシリンダと、前記フロントドアに設けられ、前記キーシリンダの開錠又は施錠の回動操作に連動する平板状の作動体と、前記作動体に連結され、当該作動体の動作に連動することによって前記キャビネットに設けられた係止片に係合又は離脱し、前記フロントドアを施錠状態又は解錠状態にするフックと、前記フックを前記係止片に係合させた状態を維持するように付勢すると共に、当該付勢を解除された場合には、前記フックが前記係止片と離脱するのを許容する付勢手段と、を有し、前記付勢手段は、一端を前記作動体に接続し、他端を前記キーシリンダに接続していることを特徴とする遊技機。
このように、(1)の発明による遊技機は、フックを係止片に係合させた状態を維持するように付勢すると共に、当該付勢を解除された場合には、フックが係止片と離脱するのを許容する付勢手段と、を備え、付勢手段は、一端を作動体に接続し、他端をキーシリンダに接続している。
すなわち、キーシリンダをフロントドアから取り外す場合には、付勢手段も同時に取り外す必要がある。付勢手段が取り外されれば、フックと係止片との係合状態は維持されず、またフックが係止片と離脱するのを許容されるため、仮にフロントドアが不用意に閉じられても、ロックされてしまうことがない。
したがって、(1)の発明による遊技機は、キーシリンダの交換作業が終了するまでの間に、フロントドアに不用意なロックがかかってしまうのを簡易な構成によって防止できる。
(2) 前記キャビネットの開閉側の内側面には、前記係止片を備え、前記フロントドアの開閉側の内面には、上下に延在する形で固定された折曲げブラケットを備え、前記折曲げブラケットには、前記作動体としてのリンクが上下動自在にすべり結合されていると共に、前記キーシリンダが前記フロントドアの表裏を貫通させて固定され、前記リンクの端部には、当該リンクの上下動に連動して回動可能な前記フックを備え、前記キーシリンダの回転軸の端部には、鍵穴に挿入された鍵体の回動操作によって作動し、前記リンクを上下動させる作用片を備え、前記付勢手段は、引張コイルばねであり、一端を前記リンクに接続し、他端を前記キーシリンダに接続していることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように、(2)の発明による遊技機は、引張コイルばねの一端をリンクに接続し、他端をキーシリンダに接続すればよく、従来の汎用的なロック機構に僅かな設計変更を加えるだけでよい。
したがって、(2)の発明による遊技機は、キーシリンダの交換作業が終了するまでの間に、フロントドアに不用意なロックがかかってしまうのをきわめて簡易な構成によって防止できる。
本発明による遊技機は、キーシリンダの交換作業が終了するまでの間に、フロントドアに不用意なロックがかかってしまうのを簡易な構成によって防止できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。図1は、本実施の形態におけるパチスロ1の機能フローを示す説明図である。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、ランプ14により行う光の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロの構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
<パチスロの外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
(リールと表示窓)
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容するキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域21L,21C,21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域21L,21C,21Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域21L,21C,21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面5aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓)21L,21C,21Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓21L,21C,21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓21L,21C,21Rの上段を組合せてなるトップライン8b、各表示窓21L,21C,21Rの中段を組合せてなるセンターライン8c、各表示窓21L,21C,21Rの下段を組合せてなるボトムライン8d、左表示窓21Lの上段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン8e、左表示窓21Lの下段、中表示窓21Cの中段及び右表示窓21Rの上段を組合せてなるクロスアップライン8aの5つを入賞判定ラインとして設けている。
(操作装置)
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
(その他装置)
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L,9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、後述のメダル払出装置40(後述の図3参照)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
<パチスロの内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す斜視図である。すなわち、図3には、フロントドア2が開放され、フロントドア2の裏面側の構造及びキャビネット1a内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット1a内部の上方には、主制御回路71(後述の図5参照)が形成された基板(以下、主基板71A)が設けられている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。各リール3L,3C,3Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ49L,49C,49R(後述の図5参照)が接続されている。
3つのリール3L,3C,3Rの左側には、副制御回路72(後述の図5参照)が形成された基板(以下、副基板72A)が設けられている。副制御回路72は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路72の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー)40が設けられている。ホッパー40の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置43が設けられている。
フロントドア2裏側の中央、表示窓21L,21C,21Rの下方には、セレクタ42が設けられている。セレクタ42は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口10に受け入れられた適正なメダルをホッパー40へ案内する。尚、セレクタ42内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ42S(後述の図5参照)が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
(ロック機構)
次に、図2、図3及び図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備えるロック機構の構成を説明する。図4は、ロック機構の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、フロントドア2の開閉側の外面には、鍵穴54aが設けられている。また、図3に示すように、フロントドア2は、キャビネット1aとヒンジ(図示せず)で開閉する形で回転結合している。キャビネット1aの開閉側の内側面には、一対の係止片66,66が固定されている。
図3に示すように、フロントドア2の開閉側の内側面には、ロック機構60(図4参照)が配置されている。ロック機構60は、鍵穴54aに挿入された鍵体53(図2参照)の回転変位操作で作動する二つのフック64,64を備えている。二つのフック64,64が連動して一対の係止片66,66に係合離脱することで、フロントドア2を施錠状態或いは解錠状態にできる。
次に、ロック機構60の構成を図4により更に詳細に説明する。図4に示すように、折曲げブラケット61の一片は、上下に延在する形でフロントドア2の内側に固定されている。折曲げブラケット61の一片の略中央には、鍵穴54aをもつシリンダ錠(キーシリンダ)54が取り付けられている。シリンダ錠54に設けられた回転軸54bの端部には、カム54dが取り付けられている。カム54dには、リンク(作動体)62を作動させる作用片54cを形成している。
また、折曲げブラケット61の他片61aは、リンク62を上下動自在にすべり結合している。リンク62は、引張コイルばね(付勢手段)63の一端を係止する係止爪62cを有している。一方、シリンダ錠54は、引張コイルばね63の他端を係止する係止爪55を有している。
そして、引張コイルばね63は、係止爪55,62cによって両端を係止されている。すなわち、リンク62は、引張コイルばね63によって下方向(図4の矢印D方向)に移動する力を付勢されている。
また、鍵体53(図2参照)の変位操作でカム54dが回転すると、作用片54cに連結するリンク62の係止片62bが押し上げられるように構成されている。すなわち、リンク62は、図4の矢印Uの方向に移動するようになっている。
リンク62の上下端部は、二つのフック64,64が軸62aで回転結合している。フック64の支点は、折曲げブラケット61の他片61aと軸64cで回転結合している。フロントドア2が閉じられた状態では、フック64に形成された凹溝64aの底部が係止片66(図3参照)の下面に当接し、フロントドア2をロックするようになっている。
一方、鍵体53の回転変位操作により、引張コイルばね63の力に抗してリンク62を押し上げると、フック64の作用端64bが、図4の矢印Rの方向に回転するように構成されている。その結果、凹溝64aと係止片66の係合状態が解消され、フロントドア2を開くことができる。
また、フロントドア2を閉じようとすると、係止片66の下端がフック64の作用端64bの傾斜面に当接するように構成されている。更に、フロントドア2をキャビネット1a側に押すと、フック64は引張コイルばね63の力に抗して矢印Rの方向に回転するように構成されている。そして、係止片66が凹溝64aに入ると、フック64が矢印L方向に回転復帰し、フロントドア2が施錠状態となるように構成されている。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図5及び図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示すブロック図である。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(後述の図7参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
図6は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示すブロック図である。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ14による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R及びランプ14が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図7を参照して、メインROM32に記憶されている図柄配置テーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図7は、図柄配置テーブルを示す説明図である。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図8を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図8は、メインCPU31の基本制御を示すメインフローチャートである。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、メインCPU31は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う(S2)。この処理では、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール3L,3C,3Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理によってステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。
次に、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール3L,3C,3Rの回転が停止される。
次に、メインCPU31は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU31は、メダル払出処理を行う(S11)。この処理では、決定された払出枚数に基づいて、ホッパー40の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。この処理では、払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU31は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を行う(S15)。この処理では、ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
(ロック機構の作用等)
次に、図2から図4を参照して、パチスロ1に係るロック機構60の作用及び効果について説明する。鍵体53(図2参照)の変位操作でカム54dが回転すると、作用片54cに連結するリンク62の係止片62bが押し上げられる。すなわち、リンク62は、図4の矢印Uの方向に移動する。
リンク62の上下端部は、フック64が軸62aで回転結合しており、フック64の支点は、折曲げブラケット61の他片61aと軸64cで回転結合している。フロントドア2が閉じられた状態では、フック64に形成された凹溝64aの底部が係止片66(図3参照)の下面に当接し、フロントドア2をロックする。
一方、鍵体53の回転変位操作により、引張コイルばね63の力に抗してリンク62を押し上げると、フック64の作用端64bが、図4の矢印Rの方向に回転する。その結果、凹溝64aと係止片66の係合状態が解消され、フロントドア2を開くことができる。
また、フロントドア2を閉じようとすると、係止片66の下端がフック64の作用端64bの傾斜面に当接する。更に、フロントドア2をキャビネット1a側に押すと、フック64は、引張コイルばね63の力に抗して矢印Rの方向に回転する。そして、係止片66が凹溝64aに入ると、フック64は矢印L方向に回転復帰し、フロントドア2は施錠状態となる。
上述したように、新規のパチスロ1を導入する遊技店では、不正開錠を防止するために、パチスロ1のシリンダ錠54を別のシリンダ錠に交換していることが多い。本実施の形態に係るパチスロ1によれば、ロック機構60が上述のように構成されているので、予め設けられているシリンダ錠54をフロントドア2から取り外す場合には、シリンダ錠54に一端を係止されている引張コイルばね63の他端を、リンク62の係止爪62cから同時に取り外す必要がある。
引張コイルばね63がリンク62から取り外されれば、引張コイルばね63の付勢力はリンク62に及ばなくなる。したがって、フック64と係止片66との係合状態は維持されず、またフック64が係止片66と離脱するのを許容されるため、仮にフロントドア2が不用意に閉じられても、ロックされてしまうことがない。
以上のように、本実施の形態によるパチスロ1は、シリンダ錠54の交換作業が終了するまでの間に、フロントドア2に不用意なロックがかかってしまうのをきわめて簡易な構成によって防止できる。このため、作業者は、シリンダ錠54の交換作業が終了するまで、多大な緊張感を強いられることもない。
また、引張コイルばね63の一端をリンク62に接続し、他端をシリンダ錠54に接続するための係止爪62c,55を設ければよく、従来の汎用的なロック機構に僅かな設計変更を加えるだけでよい。
本実施の形態におけるパチスロ1の機能フローを示す説明図である。 本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す斜視図である。 本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す斜視図である。 ロック機構60の構成を示す斜視図である。 本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示すブロック図である。 本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示すブロック図である。 図柄配置テーブルを示す説明図である。 メインCPU31の基本制御を示すメインフローチャートである。
符号の説明
1 パチスロ(遊技機)
1a キャビネット
2 フロントドア
54 シリンダ錠(キーシリンダ)
60 ロック機構
62 リンク(作動体)
63 引張コイルばね(付勢手段)
64 フック
66 係止片

Claims (2)

  1. 前面に開口を有するキャビネットと、このキャビネットと回動可能に連結して前記開口を開閉するフロントドアと、を備える遊技機であって、
    前記フロントドアを前記キャビネットに対して閉じた状態で施錠するロック機構を備え、
    前記ロック機構は、
    前記フロントドアに設けられ、回動操作によって開錠又は施錠するキーシリンダと、
    前記フロントドアに設けられ、前記キーシリンダの開錠又は施錠の回動操作に連動する平板状の作動体と、
    前記作動体に連結され、当該作動体の動作に連動することによって前記キャビネットに設けられた係止片に係合又は離脱し、前記フロントドアを施錠状態又は解錠状態にするフックと、
    前記フックを前記係止片に係合させた状態を維持するように付勢すると共に、当該付勢を解除された場合には、前記フックが前記係止片と離脱するのを許容する付勢手段と、
    を有し、
    前記付勢手段は、一端を前記作動体に接続し、他端を前記キーシリンダに接続していることを特徴とする遊技機。
  2. 前記キャビネットの開閉側の内側面には、前記係止片を備え、
    前記フロントドアの開閉側の内面には、上下に延在する形で固定された折曲げブラケットを備え、
    前記折曲げブラケットには、前記作動体としてのリンクが上下動自在にすべり結合されていると共に、前記キーシリンダが前記フロントドアの表裏を貫通させて固定され、
    前記リンクの端部には、当該リンクの上下動に連動して回動可能な前記フックを備え、
    前記キーシリンダの回転軸の端部には、鍵穴に挿入された鍵体の回動操作によって作動し、前記リンクを上下動させる作用片を備え、
    前記付勢手段は、引張コイルばねであり、一端を前記リンクに接続し、他端を前記キーシリンダに接続していることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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