[実施の形態1]
‐概要‐
以下に説明する実施の形態1では、操作機器として公衆網に繋がる携帯電話を、被操作機器としてネットワークに繋がる録画機器を、サーバコンピュータとして録画機器に録画予約サービスを提供する番組情報サービスプロバイダのサーバを例としてあげる。以下の説明では、サーバがTV番組表を携帯電話に表示する。携帯電話のユーザは、携帯電話に表示された番組表中の録画予約リンクを選択する。この操作により、被操作機器である録画機器に録画予約するサービスにこのユーザのアカウントが作成される。その後、録画機器と当該アカウントとを関連付ける処理を行なった後、携帯電話を用いて当該録音機器に対する録画予約が可能となる。
携帯電話は、ウェブブラウザ及びメールソフトを内蔵したタイプのものを用いるものとする。なお、後述するように本実施の形態のシステムは、携帯電話に限らずパーソナルコンピュータ、携帯情報端末など、ネットワークに接続可能な装置を使用して利用することもできる。最近の携帯電話には、IrDAといわゆるリモコンIrとの双方の機能を有する製品も登場しているので、携帯電話によって録画機器のリモートコントローラの機能を実現させることも可能である。
図1は、本発明の一実施の形態にかかるシステム100のブロック図である。図1を参照して、このシステム100は、ネットワーク104に接続された録画機器106と、ネットワーク104及び無線ネットワーク105に接続され、電子的番組情報サービスを提供する番組情報サービスプロバイダサーバ102と、無線ネットワーク105を介して番組情報サービスプロバイダサーバ102に接続可能な携帯電話112とを含む。録画機器106はリモートコントローラを有し、さらにTVモニタ110に接続される。このシステム形態は、図42に示した従来のものと類似しているが、番組情報サービスプロバイダサーバ102、携帯電話112、及び録画機器106の各々において、従来のものと異なる方式が採用されている。以下、最初にこのシステム100で行なわれるシステム加入時のシステムの動作、及び録画予約の際のシステムの動作について、その概略を説明し、その後にそれら動作を実現する各装置の構成、及び個々の動作の詳細について説明する。
図2に、システム加入時のシステム100の動作の概略を示す。図2を参照して、最初に、番組情報サービスプロバイダサーバ102は後述するようにWWWサーバを持ち、携帯電話112のブラウザに対してサービス申込み画面(図示せず)を提供することができる。このためには例えば、携帯電話から所定のURL(http://EPGservice/login/)にアクセスする。このとき、携帯電話でユーザが携帯電話キャリアの提示する課金条件画面に暗証番号を入力して有料サービスに加入することに同意するステップを設けてもよい。
申込み画面には、サービス申込みのためのボタンが表示され、そのボタンを押すことにより携帯電話112から番組情報サービスプロバイダサーバ102に対してサービス申込みが行なわれる。このとき、後述するようにサーバ102では、偽の申込みを排除できるような工夫を行なっている。番組情報サービスプロバイダサーバ102は携帯電話112から申込みを受けると、携帯電話112の識別情報を取得した上で携帯電話にアカウントを識別する識別情報としての一意なアカウント番号を発行する。同時に番組情報サービスプロバイダサーバ102のメールサーバ部にメールアカウントを作成し、このメールサーバにアクセスする際に使用するアクセス情報などを含むアカウント情報などを番組情報サービスプロバイダサーバ102内に保持する。このアカウント情報を、録画機器から番組情報サービスプロバイダサーバ102にアクセスするための設定情報とも呼ぶ。
番組情報サービスプロバイダサーバ102はさらに、申込んだ携帯電話だけがログインできるURLを返信メールで発行し、当該メールで上記したアカウント番号をユーザに通知する(図12のアカウント通知を行なう画面120を参照)。
ユーザ114は、携帯電話112に表示されたアカウント番号を目視し(線142で示す。)、そのアカウント情報をリモートコントローラ108を用いて録画機器106に入力する(線144で示す。)。アカウント番号は、本実施の形態では全て数字であるものとする。そのため、リモートコントローラ108のキーが数字のみである場合でもリモートコントローラ108により入力可能である。もちろん、録画機器106に対し数字以外のキーを容易に入力できるのであれば、アカウント番号が数字のみである必要はない。録画機器106はネットワーク104を介して番組情報サービスプロバイダサーバ102に接続し、ユーザ114により入力されたアカウント番号を通知する。
番組情報サービスプロバイダサーバ102は、この通知に応答して、当該アカウント番号に対応する情報を録画機器106に通知する。録画機器106は、この情報を受信し、サービス利用情報として設定する。その結果、録画機器106は、これ以後、該当携帯電話112からのリモートコントロール操作により番組情報サービスプロバイダサーバ102が発行する制御情報を受信可能になる。
図3に、このサービスを利用して携帯電話112から録画機器106の録画予約を行なう場合のシステム100の概略動作を示す。図3を参照して、最初に携帯電話112が、サービス加入時に番組情報サービスプロバイダサーバ102から通知されたURLにアクセスする(160)。これに対し番組情報サービスプロバイダサーバ102は、加入者ごとに予め準備していたお勧め情報を編集してHTML文書を作成し、携帯電話112に返信する(162)。その結果、携帯電話112の画面にはお勧め番組の一覧画面164が表示される。もちろん図3に示す画面は一例である。
ユーザは、お勧め番組の一覧画面164のリンクをたどることで、番組説明の画面166に移動できる。この画面166にはメール録画のためのリンクが設けられている。メール録画のリンクをクリックすることで、携帯電話112から録画機器106宛てへの録画予約メールが番組情報サービスプロバイダサーバ102中のメールサーバに送信される。
録画機器106は、所定のイベントが発生すると、例えば所定のタイミングで定期的に、番組情報サービスプロバイダサーバ102の自分のメールボックスをアクセスし(180)、電子メールが着信しているか否かを調べる。録画予約の電子メールが着信している場合、録画機器106はその内容にしたがって録画予約をする。録画機器106はさらに、録画予約を完了した旨を示す携帯電話112宛ての電子メールを番組情報サービスプロバイダサーバ102のメールサーバに発信する。
この電子メールを受信した携帯電話112は、録画予約完了画面168に表示する。本実施の形態では、録画予約完了画面168には他の録画予定を一覧するためのリンクが設けられており、それをクリックすると録画予約一覧画面170が表示される。録画予約一覧画面170により、録画機器106における録画予約を一覧することができる。一覧の形式については後述する。
‐構成‐
[携帯電話112]
最初に、携帯電話112の構成について説明する。携帯電話は、図4のような論理ブロック構成を有する。図4を参照して、携帯電話112は、公衆網である無線ネットワーク及び他のネットワーク機器への接続を提供するネットワークインタフェース(I/F)部192と、ユーザによる入力を受けるためのキー入力部190と、文字及びグラフィクス等を表示する液晶表示装置からなる表示部202と、サーバ等から送信されるHTML文書を表示するためのHTMLブラウザ部194と、番組情報サービスプロバイダサーバ102から送信されてくるログイン用URLを記憶するためのURL記億部196と、ネットワークI/F部192を介して電子メールを送受信するためのメール送受信部198と、メール送受信部198により受信された電子メールを記憶するためのメール記憶部200とを含む。
HTMLブラウザ部194及びメール送受信部198は、図4には図示しない不揮発性メモリに書き込まれたソフトウェアによりHTMLブラウザ及び電子メールソフトを起動することによりそれぞれ実現される。こうしたソフトウェアは、後述するようにCPU(中央演算処理装置)で実行される。
図5は、図4に示す携帯電話112のハードウェアブロック図である。図5を参照して、携帯電話112は、無線ネットワークI/O220と、無線ネットワークI/O220に接続されたバス210とを含む。携帯電話112はさらに、いずれもバス210を介して互いに接続されたCPU212と、ブラウザ及び電子メールソフト等のソフトウェアを記憶した不揮発メモリ222と、作業領域などとして使用されるメモリ214と、表示部216と、キー入力部224と、IrDAによる赤外線通信を行なうためのIr送受信部218とを含む。
図5に示す各部のうち、無線ネットワークI/O220及びIr送受信部218が図4のネットワークI/F部192に相当する。また不揮発メモリ222及びCPU212が図4のHTMLブラウザ部194及びメール送受信部198に相当する。図5のメモリ214が図4のURL記億部196及びメール記憶部200に相当する。さらに、図5の表示部216及びキー入力部224がそれぞれ図4の表示部202及びキー入力部190に相当する。
CPU212が実行するソフトウェアは、無線ネットワークI/O220を通じて外部から受信して不揮発性メモリ222またはメモリ214に書込み、実行できる。不揮発メモリ222又はメモリ214に記憶されたソフトウェアはCPU212で実行され、キー入力部224からのキー入力を受付けて処理するとともに、表示部216に文字及びグラフィクスを表示できる。Ir送受信部218を用いれば、外部の録画機器に対してIrDAによる双方向データ通信が可能である。
図4に示すHTMLブラウザ部194及びメール送受信部198はそれぞれ、ネットワークI/F部192を介してサーバと接続できる。またカーソルキーを含むキー入力部190によりメール送受信部198、HTMLブラウザ部194を操作できる。メール送受信部198で受信されたメールはメール記憶部200に記憶される。
携帯電話112では、メール送受信部198はHTMLブラウザ部194と連動する。すなわち、電子メール本文に「http://」で始まるURLがあれば、ユーザがカーソルキー選択操作により当該URLを選択すれば、HTMLブラウザ部194によるHTMLブラウザに切替わり、当該URLをネットワークI/F部192を通じて表示部202に表示する。
URL記億部196の存在により、携帯電話112はURLを選択し、記憶しておき、再利用することができる。つまり、例えば番組情報サービスプロバイダサーバ102から電子メールで送付されるログイン専用のURLをURL記億部196に記憶しておき、その後、所望のときにそのURLにアクセスできる。もちろん、ログイン用ユーザ名とパスワードとを発行して、毎回ユーザにユーザ名とパスワードとを入力させてもよいが、上記したように専用URLを用いた方がユーザにとっては便利である。
[番組情報サービスプロバイダサーバ102]
図1〜図3に示す番組情報サービスプロバイダサーバ102は、広くは、ネットワークに接続可能な携帯電話のHTMLブラウザに対して電子番組表の閲覧を可能にするサービスの提供者とそのサーバとを包含する概念である。狭くは、番組情報サービスプロバイダサーバ102は、上記したサービスを提供するためのサーバコンピュータシステムを指す。
番組情報サービスプロバイダサーバ102は、Webサーバ及びメールサーバを含むソフトウェアが動作するサーバコンピュータ(以下単に「サーバ」と呼ぶ。)である。番組情報サービスプロバイダサーバ102の機能的ブロック構成を図6に示す。
図6を参照して、番組情報サービスプロバイダサーバ102は、録画機器管理部244と、録画予約データベース(DB)部246と、ユーザアカウント情報蓄積部248と、ユーザアカウント管理部250と、番組情報管理部242と、番組情報記憶部240と、WWW(World Wide Web)WWWサーバ258と、メール処理部252と、メールサーバ部254と、メールサーバ部254が処理する、録画予約情報を含む電子メールをメールアカウントごとに蓄積し、録画予約の対象となる録画機器に受け渡すための領域を提供するデータ保存装置としての、メールボックスからなるメール蓄積部256とを含む。メールサーバ部254はネットワーク104を経由して録画機器106に接続される。WWWサーバ258は、無線ネットワーク105を経由して携帯電話112に接続される。
図7に、図6のユーザアカウント情報蓄積部248に蓄積される、ユーザごとのアカウント情報280の概略を示す。図7に示すように、アカウント情報280は、サービス加入処理を行なった携帯電話のメールアドレスと、録画機器に録画予約をするための電子メールを送信する際のメールアカウントと、録画予約メールをメール蓄積部256から読み出す際の録画メール読み出し用パスワードと、録画POPメールサーバ名と、録画メールアドレス名と、録画予約用のSMTPサーバ名と、このサービスのサービス名と、録画予約する際に電子メールに含ませるべき録画予約用のパスワードと、この携帯電話に対して発行されたアカウント番号と、被制御機器の個体識別情報と、携帯電話のログイン専用URLとを含む。
図6に示すユーザアカウント管理部250は、申込みメールを受付けるとその発信元の携帯メールアドレスに対応付けられた録画機器制御用アカウントとアカウント情報構造体とを生成する。録画機器制御用アカウントは、録画機器との通信に使用される認証情報及び制御命令を伝達するための記憶領域を確保するためのものである。アカウント情報構造体の構成については後述するが、これらの情報の集合体である。アカウント情報構造体はアカウント番号に関連付けられており、アカウント番号から参照できる。本実施の形態では、番組情報サービスプロバイダサーバ102は申込みメールの送信元の携帯電話に、そのアカウント番号を送信する。携帯電話はこれを表示し、ユーザはそれを目視し、録画機器に入力する。アカウント機器の入力を受けた録画機器は、アカウント番号をもとにサーバ102にアクセスする。サーバ102はアカウント番号の認証を行ない、認証後アカウント情報構造体のうち録画機器に渡すべきものを録画機器に送信する。
録画機器には、このようにしてアカウント情報が設定される。したがって、以後録画機器とサーバ102との間の通信が確立でき、サーバ102による制御を受け入れることができる。したがって携帯電話でサーバ102のサービスを介して録画機器が制御できるようになる。
図7に示す例では、例えば、携帯電話のメールアドレスはpapa@isp1であり、録画予約のためのメールアカウントはa12345であり、以下同様である。
録画機器制御用アカウントの具体的例をあげると、携帯メールアドレスごとに異なる録画予約用メールアカウントを図6のメールサーバ部254に生成する。アカウント情報構造体はこのメールアカウントの情報を図6のユーザアカウント情報蓄積部248に記憶したものである。
すなわち、サービス加入の申込みがあると、図6に示すメールサーバ部254に対して、録画メールアカウント名、録画メールパスワード、録画メールPOPサーバ名、録画メール送信用SMTPサーバ名、及び録画メールアドレスで録画予約メールの送受信ができるようメールアカウントを新規に設定する。
メール録画予約方式では、サーバ側と録画機器側で録画予約用のパスワードを決めておき、メールの録画命令に含められた録画予約用のパスワードがこれと一致していればメールを正規の録画命令として認証する方式が一般的に利用されている。本実施の形態では、録画予約用のパスワードは、過去の発行分と重複しないように8桁程度の乱数として生成するものとする。そして図7に示すようなアカウント構造体に含め、図6のユーザアカウント情報蓄積部248に記憶する。これらのアカウント情報は後述するメールによる録画予約においてサーバと録画機器で共有することが必要な情報である。
その他、本実施の形態では、図7のアカウント情報構造体は、このサービスを識別するための文字列をサービス名として含む。また、アカウント情報構造体が、サーバのサービスを識別する画像へのURLアドレスを含んでいてもよい。図7の例では“テレビナビゲーション”という文字列がサービス名を表している。
また、後で説明するように、申し込みに使われた携帯電話からの携帯電話ログイン用のURLも記憶される。このURLに当該携帯電話からのアクセスがあれば、このアカウントに関連づけた情報を携帯電話に提供する。
このような複雑多岐にわたるアカウント情報は、録画予約制御を実現するためにサーバと録画機器の間で共有しなければならない。しかし、このアカウント情報を携帯電話に表示させ、ユーザに録画機器に正確に設定させることになれば、ユーザに対する心理的な負担は大きくなる。また、録画機器のリモートコントローラによる入力操作を前提とすれば、間違いを誘発するおそれが大きく、その上、間違っていてもそれを発見するのが困難である。
そこで、本実施の形態では、サーバ102でアカウント情報を識別するアカウント番号を生成し、これらのアカウント情報をアカウント番号で代表させることとする。アカウント番号を携帯電話に表示し、録画機器に入力させることで録画機器はそのアカウント番号に基づいてサーバからアカウント情報を取得する。
望ましくは、アカウント番号として多数桁、例えば16桁の数字を発生させる。本実施の形態では、アカウント番号の数字列は3つの領域からなる。すなわち、数字の上位2桁はサーバのサービスプロバイダ識別番号、中12桁は乱数、下位2桁は上位14桁の合計値(チェックサム)である。
サービスプロバイダ識別番号はサーバの最大数を100としてその区別のための番号である。サービスプロバイダ識別番号は統一された機関により各サービスプロバイダ業者に割当てられるものとする。録画機器106は、サービスプロバイダ番号からサービスプロバイダのサーバのDNS(Domain Name Service)名に変換するテーブルを内蔵しているものとする。
チェックサムにより以下のような効果が得られる。例えば、サーバのサービスプロバイダ識別番号が32、発生した乱数が140938232145であるものとする。このとき、チェックサムは47である。結果として“3214093823214547”がアカウント番号となる。このアカウント番号を受信した録画機器が上位14桁を加算し下2桁のチェックサムと比較すれば、間違いなく入力されているかどうか容易に確認できる。チェックサムはメッセージダイジェストMD5など、チェックサムとして適切なものであればどのようなアルゴリズムで発生してもよい。
でたらめなアカウント番号により不正にサーバのアカウント情報を取得できないように、本実施の形態では中12桁部に対し以下のような工夫を行う。すなわち、ユーザアカウント管理部250では、過去に発行した番号を記憶しておき、これと重複しない乱数を採用して第3桁目から第14桁目までの12桁分を生成する。12桁のアカウントの取り得る数は1兆通りある。100万アカウントを乱数で生成しても推測したアカウント番号が偶然一致する確率は100万分の1である。したがって、このアカウント番号はユーザ名とパスワードのように個人を識別する認証データと等価である。すなわち、第三者がでたらめにアカウント番号を生成しユーザアカウント管理部250にアクセスしても、アカウント情報取得できないという利点がある。
図6に示す番組情報サービスプロバイダサーバ102がサービス申込みのために用意したHTML文書の例を図8に示す。図8を参照して、このHTML文書には、電子メールプログラムを起動するためのタグである「mailto」が含まれている。この文書は、ユーザからの申込みがこのHTML文書からの電子メール送信で行なわれることを期待しているものである。
mailtoタグのパラメータとして、番組情報サービスプロバイダサーバ102のサービス管理者の電子メールアドレスである「master@EPGservice」が設定され、さらに本文(「body=」以下の部分)にはサービスへの申込みを行なう電子メールであることを示す「join」という文字と、32ビット整数の乱数に基づいて生成したワンタイム文字列である「9734567123」という文字列とを含む。このワンタイム文字列は、文字通り一度だけ発生され、一定期間だけ番組情報サービスプロバイダサーバ102により記憶される。
ワンタイム文字列“9734567123”がmailtoタグの本文指定部分に含まれており、mailtoタグの性質から、ユーザがこのタグにリンクされた『申し込む』リンクを選択すると、携帯電話のメール送受信部が、メール本文にワンタイム文字列を含む『join9734567123』と書かれた加入申し込み携帯メールが番組情報サービスプロバイダサーバ102の管理者に送信される。メールの差出人は携帯電話メールのアドレスとなる。
サービス申込みメールの本文にこのようにワンタイム文字列を含ませておき、番組情報サービスプロバイダサーバ102において受信したサービス申込みメールに、自己が記憶してあるワンタイム文字列が含まれるか否かを判定する。これにより、サービス申込みメールが真正なものか否かを判定でき、悪意で番組情報サービスプロバイダサーバ102に申込みメールが送信されたときに、それを不正と判定し排除することができる。
真正と判定された申込みメールを受信すると、番組情報サービスプロバイダサーバ102では後述するように当該携帯電話のメールアドレスに基づいた録画予約のためのアカウントを作成し、あわせてサービス利用のためのそのアカウント専用のURLを作成し、電子メールで申込みメールの差出人宛てに返信する。その返信メールの形式の例を図9に示す。図9に示す例において、「http://EPGservice/login」の部分がログイン処理のためのプログラムを指定する情報であり、その後の「?」以下の部分が当該プログラムに渡される情報である。図9に示す例では、プログラムにはユーザID(アカウント情報)が渡される。このアカウント情報により、以後の処理を制御する。
図6に示す番組情報サービスプロバイダサーバ102は、コンピュータハードウェアとその上で動作するソフトウェアとにより実現される。番組情報サービスプロバイダサーバ102のハードウェア構成を図10に示す。
図10を参照して、番組情報サービスプロバイダサーバ102は、インターネットサービスを行なうサーバとして標準的な構成を有する。すなわち、番組情報サービスプロバイダサーバ102は、バス300を中心として、いずれもパス300に接続されたCPU302、メモリ304、ネットワークI/O306、及びストレージI/O308を含む。番組情報サービスプロバイダサーバ102はさらに、ストレージI/O308を介して@300に接続されるハードディスク310を含む。
この番組情報サービスプロバイダサーバ102の動作原理は通常のコンピュータと同様であるので、ここではその詳細は繰り返さない。
図6に示す番組情報サービスプロバイダサーバ102の各機能は、図10に示すハードウェアと、その上で実行されるソフトウェアとにより実現される。図11に、番組情報サービスプロバイダサーバ102に準備されたサービス入口URLへのアクセスが携帯電話からあったときに番組情報サービスプロバイダサーバ102により実行されるプログラムの処理フローを示す。
図11を参照して、サービス入口URLへのアクセスがあると番組情報サービスプロバイダサーバ102は、32ビット乱数によるワンタイム文字列を作成する(ステップ330)。続いて、このワンタイム文字列を含む申込み画面のためのHTMLテキスト(図8参照)を作成する(ステップ332)。最後に、このHTMLテキストを、最初にアクセスがあった携帯電話に対して返送し(ステップ334)、処理を終了する。
携帯電話においてこのHTMLテキストを処理することで、サービス申込み画面が表示される。この申込み画面中の「申し込む」というテキストに関連付けられたリンクをクリックすることで、上記したワンタイム文字列を本文中に含む電子メールが所定のアドレスに送信され、当該サービスへの加入申込みが済んだことになる。加入申込みに応答して番組情報サービスプロバイダサーバ102が携帯電話に返信する電子メールが図9に示すものである。
ユーザから自己のアカウント番号表示の要求があった場合、番組情報サービスプロバイダサーバ102は当該ユーザのアカウント番号を含むHTMLテキストを当該ユーザの携帯電話に返信する。この場合の携帯電話での表示を図12に示す。
図12を参照して、このとき、携帯電話112の画面120には、アカウント番号340が表示される。このアカウント番号を録画機器106に入力することにより、前述したとおり録画機器106に番組情報サービスプロバイダサーバ102を利用した録画予約サービスを使用するための設定が自動的に行なわれる。
図13は、図9に示したサービス加入時に番組情報サービスプロバイダサーバ102から携帯電話112に送信される専用ブックマークを含むHTMLテキストを作成するために、番組情報サービスプロバイダサーバ102で実行されるプログラムのフローチャートである。
図13を参照して、まずステップ350で、番組情報サービスプロバイダサーバ102に付属するメールサーバの、サービス管理者の電子メールアドレスである「master@EPGservice」のメールボックスをアクセスし、電子メールを一通読み出す。ステップ352でこの電子メールの本文に最近発行のワンタイム文字列が含まれているか否かを判定する。ワンタイム文字列が含まれている場合には制御はステップ354に進む。さもなければステップ350に戻る。
ステップ354では、このユーザのためのアカウント情報を図6に示すユーザアカウント情報蓄積部248に作成する。このとき、アカウントを一意に識別するためのアカウント番号を生成する。
続いてステップ356で、このユーザのためのメールアカウントを、番組情報サービスプロバイダサーバ102に付属するメールサーバに作成する。さらにステップ358で、番組情報サービスプロバイダサーバ102がこのアカウントに割当てたユニークな携帯電話ユーザログイン用URLを含む確認メールを作成し(ステップ358)、加入申込みをしてきた携帯電話のアドレスに送信する(ステップ360)。送信が完了したら制御はステップ350に戻り、以上の処理を繰り返す。
携帯電話ユーザログイン用URLは図7のアカウント情報構造体に含まれている。この例では携帯電話ユーザログイン用URLには引き数としてアカウント番号が含まれている。
ユーザがこのユーザログイン用URLへのリンクをクリックするとブラウザが起動され、申込みを行った携帯電話のユーザに固有のサービス画面が表示される。その中でアカウント番号を知らせる画面(図12)が提供される。また単に上記アカウント番号が記載され、申し込み確認を知らせるメールでもよい。
図14は、ユーザログイン用URLに携帯電話からアクセスがあったときに番組情報サービスプロバイダサーバ102において実行されるプログラムのフローチャートである。まずステップ380で、ユーザログイン用URLに含まれる、ユーザのアカウント番号を抽出する。続いてステップ382でこのアカウント番号を表示するためのHTMLテキストを作成し、ステップ384でこのHTMLテキストを携帯電話に返送する。この結果、ユーザの携帯電話には図12に示すようなアカウント番号メッセージが表示される。ユーザは、この情報を目視して、録画機器106にアカウント番号を入力する。その結果、録画機器106はこのアカウント番号に基づいて、アカウント情報取得要求を作成し番組情報サービスプロバイダサーバ102に送る。このアカウント情報取得要求には、ユーザにより入力されたアカウント番号と、この録画機器106の個体識別情報とが含まれる。
図15は、このアカウント情報取得要求に応答して番組情報サービスプロバイダサーバ102で実行されるプログラムのフローチャートである。図15を参照して、まずステップ400において、アカウント情報取得要求を受信する。続いてステップ402で、ユーザアカウント管理部250に対して問合せを行ない、受信したアカウント情報取得要求に含まれるアカウント番号が既に発行済みのものか否かを判定する。発行済みであれば制御はステップ404に進む。さもなければこのプログラムを終了する。
ステップ404においては、正規のアカウント情報取得要求に含まれるアカウント番号に対応するアカウント情報をユーザアカウント情報蓄積部248(図6参照)から読出し、要求を発行した録画機器106に対して返送する。送信されるアカウント情報は、携帯メールアドレス、録画メールアドレス、録画メールパスワード、録画POPメールサーバ名、録画メールSMTPサーバ名、サービス名、録画予約用パスワード、アカウント番号を含む。これらがセットになって図17に示すアカウント管理部464を通じてアカウント情報記憶部470に記憶される。サービス名は可読性を上げるための識別文字列である。さらに、録画機器106からのアカウント情報取得要求には、当該録画機器106の個体識別情報が含まれているので、アカウント情報にこの個体識別情報を追記(ステップ406)して処理を終了する。アカウントは複数の録画機器に設定できるので、ひとつのアカウント情報構造体に複数の個体識別情報が追記されてもかまわない。すなわち例えば、papa@isp1というメールアドレスをもつユーザが、どの製造会社の、何というモデルの製造番号の、何の録画機器をもっているか、それらがいくつあるか、という情報がサーバ102に記録されることになる。
さらに、アカウント情報生成には有効期限を持たせ、アカウント情報生成後一定期間内に録画機器106からのアカウント情報取得要求がなければアカウント情報を無効にすることもできる。アカウント情報は消去する。これによりアカウント作成だけ行ないサービスを受ける装置で利用しないような方法で無駄なアカウント作成を行なわせるような悪意ある攻撃に対して、アカウント番号という有限な資源を守ることもできる。
図16は、ユーザが専用URLを用いてサービスにログインしたときに、当該ユーザに対するお勧め情報を番組情報サービスプロバイダサーバ102から送信するためのプログラムである。この専用URLには、ユーザのアカウント番号が含まれている。そこで、まずステップ420において、ログインURLからユーザのアカウント番号を抽出する。続いてステップ422において、このアカウント番号が発行済みのものか否かを判定する。アカウントが発行済みの場合には制御はステップ424に進む。さもなければこのプログラムを終了する。
ステップ424では、番組情報サービスプロバイダサーバ102はアカウント番号に基づいてお勧め情報を作成する。このお勧め情報は、番組名と、その番組名にリンクされた、その番組の録画予約をするための電子メールアドレスとを含む。ステップ426でこのお勧め情報を返送し、処理を終了する。
以上が番組情報サービスプロバイダサーバ102の構成及び番組情報サービスプロバイダサーバ102の各機能部を実現するプログラムの構成である。
[録画機器106]
続いて、録画機器106の構成について説明する。図17は、録画機器106の機能ブロック図である。図17を参照して、録画機器106は、ネットワークI/F部452と、アンテナ440を介して放送を受信するための、チューナからなる放送受信部442と、放送受信部442の出力する放送波を受けるビデオエンコーダ・デコーダ部444と、ビデオエンコーダ・デコーダ部444により外部から取り込まれたビデオ信号を録画してデータを蓄積するための録画済ビデオデータ蓄積部446とを含む。ビデオエンコーダ・デコーダ部444はまた、録画済ビデオデータ蓄積部446に蓄積された録画済みデータをデコードし再生する機能も持つ。
録画機器106はさらに、録画予約等の際に使用される、現在時刻を与えるタイマー部462と、ネットワークI/F部452、録画済ビデオデータ蓄積部446、及びタイマー部462に接続され、所定のイベントの発生に応答して、例えば定期的な録画予約のスケジュールにしたがって録画予約を受けたり、録画予約にしたがって所定のチャンネルを選択してビデオエンコーダ・デコーダ部444の出力を録画済ビデオデータ蓄積部446に録画したりする処理を行なうための録画管理部450と、録画管理部450が受信する録画予約情報を管理するための番組予約情報管理部456と、番組予約情報管理部456に接続され、録画予約及び録画済みリストを蓄積するための録画予約DB454と、録画管理部450に接続され、録画管理部450及びネットワークI/F部452を介して番組情報サービスに接続する処理を行なうための番組情報サービス接続部460と、アカウント番号の一部に基づいて、接続すべき番組情報サービスサーバを特定するために番組情報サービスサーバに関するデータを記録するための番組情報サービスサーバDB458とを含む。
録画機器106はさらに、録画予約情報を受取るための設定に必要なアカウント情報を管理するためのアカウント管理部464と、アカウント管理部464に接続され、リモートコントローラ108からの信号の受信及び携帯電話112とのIrDAによる通信をそれぞれ管理するためのリモコン管理部466及びIrDA管理部468と、アカウント管理部464からアカウント番号を含むアカウント情報を受け、記憶するためのアカウント情報記憶部470と、ビデオエンコーダ・デコーダ部444の出力及びアカウント管理部464の出力に接続され、リモートコントローラ108による操作などに対応していずれか適切な表示信号を選択してTVモニタ110に与えるための表示管理部448とを含む。リモコン管理部466およびIrDA管理部468は、いずれもこの録画機器106を録画予約サービス利用のために設定する際、アカウント番号をリモートコントローラ108または携帯電話112から受信するためのものである。
なお、本実施の形態では近距離無線通信を行なうために、赤外線通信を使用するものを示したが,微弱な電波を用いるものであってもよい。
図18は、録画機器106のハードウェア構成を示す。図18を参照して、録画機器106は、バス480を中心とした構成で、いずれもバス480に接続されたCPU482,メモリ484、表示部486、Ir送受信部488、ネットワークI/O490、ビデオエンコーダ・デコーダ部494、及びチューナ部496を含む。チューナ部496が複数のチューナを含んでいてもよい。録画機器106はさらに、ディスクI/O492を介してバス480に接続された不揮発性メモリであるハードディスク498を含む。またチューナ部496は、アンテナ440に接続されている。
図18に示す表示部486は図17の表示管理部448に相当する。Ir送受信部488は図17のリモコン管理部466及びIrDA管理部468に相当する。ビデオエンコーダ・デコーダ部494は図17のビデオエンコーダ・デコーダ部444に相当する。チューナ部496は図17の放送受信部442に相当する。さらに、メモリ484及びハードディスク498が、録画済ビデオデータ蓄積部446、番組情報サービスサーバDB458、録画予約DB454、及びアカウント情報記憶部470に相当する。
図17に示す録画管理部450、番組情報サービス接続部460、番組予約情報管理部456、アカウント管理部464等は、図18に示すCPU482及びCPU482により実行されるプログラムにより実現される。
図19に、図17の番組情報サービスサーバDB458の内容を示す。図19を参照して、番組情報サービスサーバDB458は、番組情報サービスのサーバ名を、それら番組情報サービスに割当てられた番号(サービス番号)と組み合わせて記憶している。本実施の形態では、サービス番号は2桁である。各アカウント番号の上位2桁は、そのアカウントが利用している番組情報サービスのサービス番号と一致している。したがって、アカウント番号の上位2桁を用いて番組情報サービスサーバDB458をサーチすることにより、当該アカウント番号が利用している番組情報サービスサーバを特定できる。
図20は、録画機器106において、ユーザによるアカウント番号の入力を受けて、当該アカウント番号に対応する番組情報サービスサーバに自動的にアクセスし、アカウント情報を取得する際に実行されるプログラムのフローチャートである。図20を参照して、このプログラムは、ステップ510で始まり、ステップ510ではリモコン操作を受信しアカウント入力画面となっているか否かを判定する。アカウント入力画面となるまでこの判定を繰り返す。すなわち、録画機器のTVモニタ表示においてリモートコントローラ108の操作待ちとなり、アカウント登録メニューをユーザがリモートコントローラ108の操作によって選択すると、図17のアカウント管理部464によりアカウント情報記憶部470から読み出された現状のアカウント登録状況が表示管理部448を通じてTVモニタ110に表示される。入力フィールドにフォーカスがあたり入力待ちとなる。制御はステップ512に進む。このときの画面の例を図21に示す。
図21を参照して、TVモニタ110のアカウント設定画面122には、本実施の形態では3つのアカウント入力部124A、124B及び124Cが表示される。したがって、本実施の形態では最大で3つのアカウントが一台の録画機器106に設定できる。図21に示すように、各アカウント入力部124A,124B及び124Cの左端にはチェックボックス530,532,及び534が表示されている。設定が終了しているアカウントについては、後述するようにアカウント有効無効フィールドが有効にセットされ、その場合にはこのチェックボックスにチェックが入る。有効、無効の切替えもできる。図21に示す例では第1のアカウントが設定済みである。入力時には、リモコンを用いてアカウント入力部124A、124B及び124Cのいずれかにフォーカスをあてる(いずれかのフィールドを入力の対象とする。)。
アカウント入力画面には複数の入力フィールドがあり、ユーザは録画機器リモコンの上下キーを使ってフォーカスを移動しどれかひとつを選択できるように表示制御し、テレビモニタに表示する。
図21においては、既に入力済みのフィールドには、登録済の携帯メールアドレスが表示されている。すでに設定済みのアカウントにフォーカスを合わせ、アカウント番号入力を行うと、上書き記憶される。
以上のようにして録画機器106はIr送受信部(図17のリモコン管理部466)からアカウント番号を受信すると、チェックサムの確認を行ない、間違いなく数字が録画機器に入力されたことを確認する。エラーがあればTVモニタ110に表示して再入力を促す。アカウント番号は16桁程度の数字であるから、家電製品用リモコンフォーマットなど低速で無手順の通信方式でも確実に伝送できる。
再び図20を参照して、ステップ512では、フォーカスのあたっているアカウントで入力待ちの状態となる。何か入力がされると、ステップ514でアカウント番号入力が完了したか否かを判定する。完了した場合には制御はステップ516に進む。さもなければ制御はステップ512に戻る。
次に録画機器106はサーバ102に自らの素性を明かしながらアカウント情報の提供を求める。サーバ102は録画機器106の素性を以下の手順で識別する。
すなわち、ステップ516では、図19に示す番組情報サービスサーバDB458を参照し、入力されたアカウント番号の上位2桁から、番組情報サービスサーバ名を検索する。続くステップ518では、検索された番組情報サービスサーバの録画機器管理部244(図6参照)に接続し、ステップ512で入力されたアカウント番号と録画機器106の個体識別情報とを送信する。
続くステップ520では、ステップ518で送信したアカウント番号に応答して、当該サーバからエラー無しでアカウント情報が返送されてきたか否かを判定する。エラー無しでアカウント情報の返送があったときには制御はステップ524に進む。さもなければ制御はステップ522に進む。
ステップ524では、ステップ520で取得したアカウント情報を、図17に示すアカウント情報記憶部470に記憶させる。さらに、前述したアカウント有効無効フィールドを有効にセットして処理を終了する。
一方、アカウント番号の送信に対してサーバからエラーが返って来た場合、ステップ522で当該エラーに対応するエラーメッセージを表示し、再度アカウント番号の入力をユーザに促す。制御はステップ512に戻る。
以上の処理を実行することにより、新たなアカウント番号の入力と、当該アカウント番号に対応するアカウント情報を番組情報サービスサーバから取得する処理が終了する。アカウント情報に含まれるモデル名や製造番号は、録画機器106自体の内部のハードディスクなどの不揮発性メモリに製造時に書込まれた情報である。この個体識別情報は、図7のサーバ102のアカウント情報構造体に追加記憶されるので、サーバ102はアカウントが設定された録画機器106の個体を識別できる。この通信はSSL(Secure Socket Layer)などの暗号化通信を使って盗聴や改ざんの危険なく安全に行なうようにしてもよい。
録画機器106は、電源投入時に又は定期的にアカウント情報を録画機器管理部から取得するようにして、最新性をたもつようにしてもよい。
このように、本実施の形態のシステムでは、携帯電話に表示されるアカウント番号をユーザが録画機器106に入力することにより、後は自動的に録画機器106が番組情報サーバをアクセスして自己を適切に設定するためのアカウント情報を取得することができる。多岐にわたる情報をユーザが調査し事前に準備する必要はない。また、アカウント情報の設定は自動的に行なわれるので、ユーザはアカウント情報の内容について詳細を知らなくても、正しく動作可能な設定が速やかに行なえる。
この手順において、アカウント番号以外に録画機器の個体識別情報をサーバ102の録画機器管理部244に送っている。このため録画機器管理部244は、以後の制御において録画機器106の機種依存機能を利用した録画制御を行うことができる利点がある。例えば、MAKER1−HDD9000という製品では画質や音質、記録先(ハードディスクかDVDか)などの選択ができるとすれば、サーバ102の録画機器管理部244では、携帯電話ブラウザの録画予約画面において画質、音質、記録先の選択肢をユーザに選択させて、それをメール録画予約コマンドに拡張機能として送出することができる。例えば録画予約コマンドが「Open 264575 TV SC503 1300 1330 1031 “VS A1 SH”」のときVideo画質はSP(高画質モード)、AudioはD1音質、記録先はハードディスク(H)と指定するオプションをメール録画予約コマンドに追加すればよい。
また、録画機器管理部244は、製造番号も含まれるため製品の種別だけでなく録画機器106の個体そのものを認識できる。したがって複数の携帯電話からそれぞれ同じ録画機器にアカウントを設定していても、同じ録画機器への録画予約であることがサーバ側で区別できる。
図22は、録画機器106が、ユーザから電子メールにより行なわれた番組録画予約の有無をチェックし、電子メールによる録画予約がある場合には、その内容にしたがって録画予約の設定を行なう処理を実行するプログラムのフローチャートである。
図22を参照して、まずステップ550で予定時刻に番組情報サービスプロバイダサーバ102のPOPサーバにアクセスし、接続が成功したか否かを判定する。接続が成功すれば制御はステップ552に進む。さもなければ制御はステップ550に戻る。
ステップ552では、以下の処理の繰返しを制御する繰返し制御変数iに初期値である0を設定する。以下、この繰返し制御変数iを用いた繰返し処理である。
ステップ554で、繰返し変数iが、当該録画機器106に設定されているアカウント番号の数(これを「N」とする。本実施の形態ではN=3である。)と一致しているか否かを判定する。一致している場合には制御はステップ550に戻る。一致していなければ制御はステップ556に進む。
ステップ556では、i番目のアカウントを取出し、ステップ558で当該アカウントが有効か否かを判定する。有効であれば制御はステップ560に進む。さもなければ制御はステップ554に戻る。
ステップ560では、i番目のアカウントのメールボックスから電子メールを読出す。続くステップ562では、読み出した電子メールに含まれる録画予約用パスワードが録画機器106に記憶されたアカウント情報の録画予約用パスワードと一致しているか、かつ録画条件が満足されているか否かについての判定が行なわれる。判定結果がYESであれば制御はステップ564に進み、さもなければ制御はステップ568に進む。
ステップ562の判定では、メールの本文1行目にメール録画コマンドが記載してあり、“Open”で始まり、録画予約用パスワードが一致し、録画予約時刻に他の予約と重なっておらず、チャンネルも重なっておらず、かつハードディスクの残量が録画に足りていること、または既に同じ番組で予約があること、などの録画条件を満足するか否かについての判定する。
録画予約用パスワードはユーザアカウントごとに乱数で作られる。したがって、アカウントが異なれば録画予約用パスワードが偶然一致することはないとみなせる。したがって、録画予約用パスワードが一致した場合は、録画予約データにアカウント番号及び携帯メールアドレスが関連付けられる。
ステップ564では、読み出された電子メールに記載された録画予約の内容を、図17に示す録画予約DB454に追記登録する。さらに、読み出した電子メールをメールサーバから削除する。
続くステップ566では、当該アカウントに対し登録されているメールアドレスに、録画予約成功の電子メールを発行する。この後,制御はステップ570に進む。
一方、ステップ562における判定結果がNOであった場合、制御はステップ568に進む。ステップ568では、読み出した電子メールを既読とする。さらに、このアカウントに対し登録されているメールアドレスに、録画予約不可の電子メールを発信する。この後、制御はステップ570に進む。
ステップ570では、繰返し変数iに1を加算する。この後制御はステップ554に戻る。
以上の処理をステップ554における判定結果がYESとなるまで繰り返すことで、所定時刻において、登録されている全てのアカウントに対する録画予約の有無のチェックと録画予約があったときの処理が完了する。
図23は、図17に示す録画予約DB454の構造を示す。図23を参照して、録画予約DB454は、アカウントごと及び録画予約ごとの録画予約レコード590、592などを記憶している。本実施の形態では、各レコードは、アカウント番号と、携帯メールアドレスと、録画予約の内容を示す情報(時刻及びチャンネル)と、録画済みか否かを示すフラグとを含む。
上記のように実施の形態1では、携帯電話に関連づけられたアカウント情報を録画機器106に簡単に作ることができ、携帯電話とサービスと録画機器とが関連付けられる。したがってそれをもとに録画機器のユーザインターフェイスを改善することができる。すなわち、本実施の形態のシステムでは、アカウント別録画データを表示することができる。
以下の説明では1台の録画機器に2つの携帯電話のアカウントが設定され、2人のユーザから録画予約が入っているものとする。趣味嗜好の違うユーザの録画予約が混在すると操作性が低下するおそれがある。しかし本実施の形態では、携帯メールアドレスを識別情報として利用し、予約情報を分類して表示する。
図25及び図26は、録画機器106がTVモニタ110に表示する録画データ表示一覧である。図25では、papa@isp1に関連付けられた録画一覧が表示されている。リモコンの上下キーでフォーカスを移動し、決定キーを押すと選択されたデータがテレビモニタに表示される。右キーを押すと、mama@isp1に関連づけられた録画一覧が図26のように表示される。
いずれも、アカウント別にソートして見易さが向上しており、別人が録画予約したものは個別に仕分けされて表示される。このようにアカウントごとに録画予約を管理できるので、アカウントごとに録画データを一括して消去できる機能を搭載することも容易である。
図24に、録画機器106に対しユーザから録画済一覧表示の要求があったときに録画機器106で実行されるプログラムのフローチャートである。図24を参照して、まずステップ600で、図17に示すアカウント管理部464を介して、アカウント情報記憶部470から全てのアカウント情報を取出し、使われている全ての携帯メールアドレスを読出す。そして、変数Mに、これら全ての携帯メールアドレスの最大数を設定する。
続いてステップ602で、メモリ上の配列mailadr[M]に、録画予約に使用されている携帯メールアドレスを格納する。
ステップ604で、以後の繰返し処理の繰返し制御変数Jに初期値0を代入する。以下、ステップ606〜610が繰返し処理である。
ステップ606では、変数Jの値が変数Mより小さいか否かについての判定が行なわれる。判定結果がYESであれば制御はステップ608に進む。さもなければこの処理を終了する。
ステップ608では、図17に示すアカウント管理部464から録画済みレコードであってかつその携帯電話メールアドレスがmailadr[J]と一致するものを抽出する。
ステップ610では、ステップ608で抽出した録画済みレコードに基づいて録画済み一覧を作成し、携帯電話メールアドレスmailadr[J]とともに表示する。さらに、変数Jの値に1を加算してステップ606に戻る。このとき、録画予約に関連付けられている録画時間、チャンネル、及び録画データから抽出されたサムネイル画像もともに表示される。これが図25,図26に示されるものである。
以上の処理を、ステップ606における判定がNOとなるまで繰り返すことにより、携帯電話メールアドレスごとに、録画済み一覧を表示させることができる。
また、上記した処理のステップ608で取出すデータを、録画済みレコードでなく未録画レコードとすることにより、録画予約一覧も容易に作成・表示できる。さらに、変数Jの値を携帯電話メールアドレスの数の範囲内の任意のものに設定することにより、特定の携帯電話メールアドレスのアカウントによる録画予約等の一覧表示することもできる。
図25及び図26は録画予約一覧表示の例である。図25を参照して、この一覧表示画面640には、携帯電話メールアドレス「papa@isp1」及び「mama@isp1」による録画予約の一覧が表示される。ただしこの例では、「papa@isp1」の録画予約一覧はタブ642により、「mama@isp1」による録画予約一覧はタブ644により、それぞれ選択するようになっている。
一覧表示画面640には、左右方向の一組の矢印ボタン646及び648が表示されており、これらボタンを押すことにより、タブの表示を切替えることができる。また同じく上下方向の矢印ボタン650及び652が表示されており、一覧表示されている録画予約の件数が多い場合、これらボタンを操作して表示をスクロールできる。
‐動作‐
以上において構成を説明したこのシステム100は以下のように動作する。最初に、ユーザが番組情報サービスプロバイダサーバ102のサービスに加入する場合の手順及び各部の動作について説明する。
図27に、この場合に番組情報サービスプロバイダサーバ102、携帯電話112、及び録画機器106の間で通信される信号ダイアグラムを示す。図27を参照して、まず最初に、ユーザが携帯電話112を用いて番組情報サービスプロバイダサーバ102のサービス入口画面にアクセスする(670)。番組情報サービスプロバイダサーバ102はこのアクセスを処理し、ワンタイム文字列を作成して(672)、このワンタイム文字列を含むサービス申込み画面のHTMLテキストを携帯電話112に送信する(674)。サービス申込み画面の例を図28に示す。
図28に示すように、携帯電話112のサービス申込み画面700には、番組情報サービスプロバイダサーバ102の管理用メールアドレスへのリンク702が含まれている。
再び図27を参照して、携帯電話112のユーザがこのサービス申込み画面700のリンク702をクリックすることにより、前述したワンタイム文字列を含む申込みメールが番組情報サービスプロバイダサーバ102の管理メールアドレスに送信される(676)。送信メールのテキスト例を図29に示す。
図29に示すように、この申込みメール710の本文部分に、申込みメールであることを示す「join」とワンタイム文字列とからなる文字列712が含まれている。
再び図27を参照して、番組情報サービスプロバイダサーバ102は、この申込みメールを受けると、その本文に最近作成したワンタイム文字列が含まれているか否かを判定し、含まれていればアカウント情報を作成し(678)、アカウント番号通知画面を携帯電話112に送信する(680)。ユーザは、携帯電話112に表示されたアカウント番号を目視し、録画機器106のアカウント設定画面に入力する(682)。
録画機器106は、アカウント番号が設定されると、その上位2桁に基づいて番組情報サービスプロバイダサーバを選択し、アカウント情報及び自己の個体識別情報をこの番組情報サービスプロバイダサーバ102に通知する(684)。番組情報サービスプロバイダサーバ102は、録画機器106から通知されたアカウント番号に対応するアカウント情報があるか否かを判定し(686)、あればそのアカウント情報を録画機器106に返信する(688)。番組情報サービスプロバイダサーバ102はまた、当該アカウント情報に、録画機器106から通知された個体識別情報を書込む。
アカウント情報を受信した録画機器106は、番組情報サービスプロバイダサーバ102への接続のために必要なアカウント情報構造体の各項目をこのアカウント情報に基づいて設定する(690)。
以上でユーザによる番組情報サービスプロバイダサーバ102の提供するサービスへの申込み処理が完了する。
図30及び図31に、録画機器106に記憶されるアカウント情報構造体の例を示す。図30に示すアカウント情報構造体730と、図31に示すアカウント情報構造体732とは同じ構造を持つ。アカウント情報構造体730は、携帯メールアドレス「mama@isp1」に対応するものであり、アカウント情報構造体732は、携帯メールアドレス「papa@isp1」に対応するものである。
携帯電話ユーザは、表示された携帯電話ログイン用URLを、図4に示す携帯電話112のURL記億部196に記憶しているものとする。サーバ102の録画機器管理部244はこのURLのアクセスを受けると、ユーザアカウント管理部250を検索し、アカウントが存在するかどうか調べる。存在すれば図3のように携帯電話ユーザ向けにHTMLブラウザでアクセス可能な番組情報ページを表示する。この携帯電話ログイン用URLを知らない他のユーザはこのURLにアクセスできないので安全である。
特定のユーザが番組情報表示をブラウザで閲覧して[メール録画]というリンクを選択すると、携帯電話からサーバの録画機器管理部にこの要求が伝えられる。ユーザに応じて所定の録画メールアドレスに対して録画予約メールが発信される。これはCGI(Common Gateway Interface)などを用い、ウェブページのリンクから特定のサーバ機能を起動することと同じであり、通常行われている処理である。したがってその詳細は省略する。
本方式では、サーバ102から携帯電話メールアドレスへ番組お勧め情報を送ることができ、そこから簡単な操作で録画機器に録画予約できる。
サーバはユーザの携帯メールアドレスを取得済である。したがって、ユーザに番組お勧めメールを送ることができる。その場合メール内に携帯電話ユーザログインURLを含めておけば図3の画面164のようなメールとなる。ユーザはメール文の該当URLリンクを選択することによりサーバ102をアクセスする。サーバ102はユーザアカウント管理部によりユーザ認証し、図3のように携帯電話のHTMLブラウザで番組お勧め情報を表示できる。ユーザは[メール録画]というリンクを選択すればサーバ102の録画機器管理部244に該当番組の録画予約制御要求が伝えられる。サーバ102はユーザに応じて所定の録画メールアドレスに対して録画機器管理部244から予約メールを発信することができる。
操作の具体例を示す。携帯電話ブラウザが番組紹介ページをアクセスし図3の画面164を表示する。ユーザが番組リンクをクリックし、表示された録画メール予約リンク[メール録画]をクリックすれば携帯電話ブラウザからは録画予約メール発行要求がサーバ102に発行され、サーバ102は予め登録された録画メールアドレスに録画予約メール180を発行し、メール蓄積部256に蓄積される。
サーバ102と録画機器106の間で使用する録画予約メールによる録画予約の動作原理について説明する。サーバ102が発行する録画予約メールの本文の1行目には、例えば図43に記載のものと同様に、“Open 264575 TV SC503 1300 1330 1023 <改行>お父さんのためのニュースショウ”などと記述されている。
第1引数がOpenでありかつ第2引数の録画予約用パスワード“264575”が予め録画機器106に登録された録画予約用パスワードと一致すれば、該受信メールは認証され、第3引数の“TV”コマンドにより第4引数に記載されたチャンネル(SCで始まる放送局コード)にチューニングする。さらに、第5引数の時間から第7引数の時間まで録画を行なう。次の行は番組名文字列である。
録画機器は以下のようにしてメール読み出しを行なう。図3の録画機器106は、特定のサーバ102のメールアカウントに対しメール読出しを定期的に行う。読出したメールの文に録画命令が記述してあれば、録画機器106は録画命令通りの時刻から、指定時間分、特定チャンネルに対してチューニングして録画を行なう。
このようなメールによる録画予約は、チャンネルと放送時刻、時間がわかっていれば外出先からでも携帯電話から“Open 264575 TV SC503 1300 1330 1023”と書いたテキストを作ってメール発信すれば録画予約が可能であるので利便性が大きい。
上記したような録画予約メール方式では、メールサーバからのメールの読み出しにはPOPプロトコルを使用している。POPはパーソナルコンピュータでも標準的に使われるメールプロトコルである。録画機器106はアカウント情報からメールサーバのアドレスやメールアカウント、パスワードを取得し、サーバのメールサーバ部に接続し、メールを読出す。予めアカウント情報に記録されている録画予約用パスワードと一致する録画予約用パスワードを含むメールがあれば、録画予約しようとする。録画予約が成功すれば該当メールをメールサーバにおいて既読とする。
次に録画機器106は、一定時間ごとに録画メールアドレスからメールを読み出す。複数アカウントが録画機器に設定されているときは、アカウントごとに順次サーバにメール読み出しを行なう。
録画機器106は図17に示す通り、タイマー部462を内蔵している。タイマー部462により所定の時刻になると、アカウント管理部464の管理するアカウント情報記憶部470をアクセスし、複数のアカウント情報から順番に一つを取り出す。
所定の時刻とは例えば1分おきであるとか、1日に3回11時40分、15時30分、18時30分等とするものである。この値は録画機器の利用者が変更できる。
サーバの負荷分散のためタイマ起動時刻を次のように設定することもできる。録画機器106のタイマ時刻は、サービス側の録画機器管理部244(図6)に設定を保持し、POP接続時に取得するようにして、随時サービス側から変更できるように実装してもよい。これにより、番組情報サービスプロバイダサーバ102の負荷分散を図ることや、ユーザ毎の望む時間に起動することができる利点がある。
録画機器106はサーバ102から以下のようにしてメールを読出す。図17に示す録画機器106の録画管理部450は、アカウント管理部464からアカウント情報を取出し、複数アカウントあればそれぞれのアカウントごとにネットワークI/F部452を通じてアカウント情報に記憶されたサーバのPOPメールサーバに接続し、録画メールアカウント、録画メールパスワードを使って、メールを読み出す。
サーバへのメール読み出し接続に失敗すれば、一定時間後再度接続を複数回繰り返してもよい。
同じアカウントが複数の録画機器に設定されていてもPOPサーバはそのプロトコルの性質により、同じメールアカウントでは同時にログインすることはできず排他制御される。したがって、複数の録画機器から同じメールアカウントを読出すことが可能である。これにより同じアカウントで複数の録画機器を制御でき、録画予約はいずれか一台の録画機器で予約が成功するよう処理される。録画機器全体としてのハードディスクの効率的な利用や、同時に異なるチャンネルの番組を録画できるなどの利点がある。この詳細は後述する。
またタイマ起動時間を設定できる場合は、複数の録画機器106の起動時刻に1分程度の時間差を設ける。時間差を持ってサーバに接続することにより、先にタイマ起動される録画機器が優先的に録画予約できる。
録画予約の失敗時には以下のような処理を行なう。この処理により、複数録画機器が同じメールアカウントから録画予約メールを読出し、先に取得しかつ予約に成功した録画機器で録画するような制御を実現できる。すなわち複数台の録画機器への処理分散が実現する。
図17を参照して、録画管理部450は録画予約時刻に他の予約が既にあるとき、記憶媒体の残量が録画に足りないとき等、録画予約できない場合は、エラー情報を含んだ録画予約返事メールをアカウント情報にある録画用SMTPサーバに対して発信する。このときメールサブジェクトには『Subject:[予約失敗]お父さんのためのニュースショウ』などと番組名と状態を含ませる。
また、該当メールについては、アカウント管理部464を通じてアカウント情報記憶部470にアカウントごとのメールのメールサーバ側での個別メール特定情報(POPプロトコルにおいてメールサーバ側で個別のメール文に割当てられるユニークなUIDL番号)を既読として記録するが、メールサーバからは削除しない。
複数の録画機器106がメールサーバをアクセスした場合、POPのプロトコルはサーバへの接続を排他制御する。したがって、上記したような制御により、録画予約メールは複数の録画機器で順番に読出すことになる。録画予約に成功しないメールだけはメールサーバに残される。したがって次の録画機器が当該メールを読出した時に録画予約することができる。
なお、全ての録画機器で録画予約に失敗したメールはメールサーバに残るが、予約対象の番組の放送期日を過ぎていればメールサーバから削除する等の制御を加えれば、当該メールがメールサーバに残り続けることはない。
録画予約の成功、失敗はサーバ102に通知してもよい。これにより、サーバ102は、複数個の録画機器があってもどの録画機器で予約されたかを把握できる。メールの代わりにサーバの録画機器管理部244(図6)にHTTPSプロトコルにより接続し、状態を安全にサーバに通知してもよい。この情報は録画予約DB部246(図6)に記憶される。
なおサーバ102への接続は、アカウント番号を使って認証してから接続されるので、第三者が不正に情報を通知することはできない。
このとき、録画機器の個体識別情報をメールに付加して通知してもよい。この場合、サーバはどの録画機器で録画成功したか認識できる。したがってサーバは図33の『他のユーザの録画予約』リンクをクリックした時のように、個体識別情報をもとに、複数の携帯電話からの録画予約状況全般を録画機器単位で集約的に把握でき、録画予約状況を個別の携帯に通知できる利点がある。例えば二つの携帯電話からのアカウントによる録画予約がサーバに集約管理されることで、一方のアカウントのユーザは、他方のアカウントのユーザの録画予約状況も含めて携帯電話で確認できる。
サーバ102は、その情報をもとに録画済や録画予約成功一覧リストを作成して、携帯電話用番組情報提供ページの番組情報ページでユーザに提示してもよい。したがってサーバ102は、ユーザが携帯電話から録画予約する際に、すでに録画予約済の番組を予約しようとすると録画できないことを判定してエラー表示できる。
録画機器106からサーバ102への予約情報の送信には、予約の削除やリモコン操作による予約情報も含めてよい。この場合サーバ側は、録画機器の予約状況を完全に把握できる。サーバ102が録画機器の予約状況を完全に把握できていれば、携帯電話からチャンネルが異なるのに録画時間が重なっている予約をいれようとした段階でエラー表示できるなどの利点がある。
録画予約は以下のように処理される。図17に示すタイマー部462が録画予約時間になると録画管理部450を起動し、放送受信部442のチャンネルを制御して、ビデオエンコーダ・デコーダ部444を制御して録画ビデオデータを作成する。録画管理部450は、録画予約DB454にてアカウント情報と関連付けられた予約情報の録画済フラグをオンにする。
さらに本実施の形態において、複数の携帯電話がそれぞれサーバに申し込みをし、得たアカウント番号を1台の録画機器に登録しておけば、図33に示すように一台の録画機器106に対して複数の携帯電話112A、112Bからそれぞれ録画予約操作できる。したがって1台の録画機器106を家族で各自の保有する携帯電話を使ってそれぞれのアカウントをサーバに作成し、録画予約を入れることが簡単にできる。
なお、本実施例では、録画機器の個体識別情報をサーバの録画機器管理部に送信している。したがって、異なる携帯端末から異なるアカウント番号でサービスに加入していても、録画機器管理部244(図6参照)はそれらが同一の録画機器106を用いるサービスであることが判別できる。
したがって、番組情報提供サービスにおいて異なるアカウントのサービスそれぞれに番組表を表示する際に、すでに録画予約が入っているかどうかを録画機器単位で表示し、重複録画を避けることができる。すなわち、二つの携帯電話を利用して同一録画機器を使う場合でも、一方のアカウントが入れた予約を他方のアカウントの携帯電話からみることも可能になる。
録画機器106の故障時には以下のような処理が行なわれる。なお、録画機器106が故障した場合、あらたな録画機器を用意すれば携帯電話112のメールに保存されたアカウント番号を入力するだけでその新たな録画機器にアカウント情報の設定が行なえる。その結果、サービスがすぐに受けられる。このときサーバの個体識別情報は更新されるとする。
1台の録画機器106について、別々の番組情報サービスによる録画予約サービスを受けることもできる。その場合、以下のような動作が行なわれる。
図32のように複数の携帯電話112A,112Bが複数のサーバ102A,102Bの録画機器管理部244を通じてユーザアカウント管理部250にアカウントを作成し、1台の録画機器106にそれぞれのアカウント番号を登録する。この操作により、1台の録画機器106の中で別々の番組情報サービスのサービスを受けることができる。
以上を組み合わせてもよい。この場合も、それぞれの携帯電話に対応した複数のアカウントが設定でき、それぞれの携帯電話とサーバごとの組合せに応じたサービスを受けられる。
このシステムでは、複数の番組情報サービスプロバイダサーバを利用して、複数の携帯電話から同一の録画機器106を制御することができる。その例を図32に示す。
図32を参照して、このシステムは、TVモニタ110が接続され、リモートコントローラ108を持つ録画機器106を含む。録画機器106はネットワーク104に接続可能である。このシステムはさらに、いずれもネットワーク104を介して録画機器106と通信可能な二つの番組情報サービスプロバイダサーバ102A及び102Bと、番組情報サービスプロバイダサーバ102Aを利用するユーザの携帯電話112Aと、番組情報サービスプロバイダサーバ102Bを利用するユーザの携帯電話112Bとを含む。携帯電話112A及び112Bは、無線ネットワーク105を介してそれぞれ番組情報サービスプロバイダサーバ102A、102Bと通信可能とする。
番組情報サービスプロバイダサーバ102Aは、第1の番組情報サービスプロバイダによるサービスを提供するものであり、番組情報サービスプロバイダサーバ102Bは、第2の番組情報サービスプロバイダによるサービスを提供するものである。これらのサービスは同種のものであるが、録画機器106との通信内容を除き、互いに異なる方式で携帯電話と通話するものでもよい。
このシステムでは、アカウント番号に基づき複数のサーバのうちどれかを選ぶことができる。すなわち、図27を参照して説明したように、録画機器106にアカウント番号を設定すると、録画機器106はアカウント番号の上位2桁に基づいて対応する番組情報サービスプロバイダサーバを選択し、当該サーバに対してアカウント情報を要求する。このサーバの選択時には、図17に示す番組情報サービスサーバDB458を参照する。本実施の形態では、番組情報サービスサーバDB458は、例えば番組情報サービス業界が共同で管理するディレクトリサーバに保持し、それをネットワーク経由で録画機器106にダウンロードしておくものとする。
他のどのような手段を用いて番組情報サービスサーバDB458をセットアップするようにしてもよいことはいうまでもない。ただし、番組情報サービスサーバDB458の内容は、共通の規格に基づいてサービスを提供する番組情報サービス業界の中では、常に整合した状態に保たれ、複数のサービス業者のサーバが混同されるようなことがないようにする必要がある。
またこのシステムでは、複数の携帯電話112A、112Bがそれぞれ異なるサーバのサービスに加入することが可能である。ひとつの録画機器106に複数のアカウントを設定し、サーバ102A,102Bと録画機器106がそれぞれのアカウント情報を使って通信しながら、録画機器106内のI/Oを排他制御し利用する。その具体的な方法は、公知のマルチユーザOSを利用すれば容易に実現できるので、ここではその詳細は述べない。
本実施の形態にかかる録画機器106、番組情報サービスプロバイダサーバ102、及び携帯電話112を利用したシステムでは、複数の携帯電話112を用い、一つの番組情報サービスプロバイダサーバ102を利用して、一つの録画機器106を利用することもできる。その利用形態を図33に示す。
図33に示す番組情報サービスプロバイダサーバ102においては、図34に示すように、録画予約DB部246の録画予約レコード750、752等は録画機器の個体識別情報、及び携帯メールアドレスを含んでいる。したがって番組情報サービスプロバイダサーバ102は、アカウント別、個体識別情報別、又は携帯メールアドレス別のいずれの方法によっても録画予約レコード750、752等を管理できる。
例えば、このシステムによれば、同一の録画機器106を複数の携帯電話112と関係付けることが可能である。例えば、携帯電話112Aを使用するユーザに対しては、携帯電話112Aの携帯メールアドレスを持つアカウント情報に基づき、録画予約レコードを抽出して一覧表示できる。同様に他の携帯電話112Bのユーザに対しても携帯電話112Bの携帯メールアドレスを持つアカウント情報に基づき、録画予約一覧などの表示を行なうことができる。
また、同一の録画機器106と関連付けられた複数の携帯電話112について、それらに対応するアカウント情報と録画予約レコードとを抽出できる。したがって、図33の携帯電話112Aの表示画面に示すように、あるアカウントのユーザの録画予約状況だけではなく、このアカウントと同じ録画機器を使用する別のユーザによる録画予約状況を表示することも容易に実現できる。
さらに、本実施の形態に係る番組情報サービスプロバイダサーバ102、録画機器106及び携帯電話112によれば、番組情報サービスプロバイダサーバ102の録画予約レコードにはアカウント番号が含まれる。したがって、複数台の録画機器106を、1台の携帯電話112に対応するアカウントにより制御できる。
すなわち、あるアカウントを番組情報サービスプロバイダサーバ102に作ってしまうと、新たな録画機器を利用しようとする場合、その録画機器に既存のアカウント番号を設定する。すると、そのアカウント番号に対応する携帯電話によって、その新たな録画機器も自動的に制御することが可能になる。
例えば、図35に示すように、システムが複数の録画機器106A及び106Bを含み、これらを制御するための複数の携帯電話112A及び112Bが使用されるものとする。録画機器106A及び106Bの双方にアカウント番号「3259 1131 1324 4140」と「3124 0938 2321 4547」とが登録されているものとする。このうち前者は携帯電話112Bに対応するものであり、後者は携帯電話112Aに対応するものとする。
すると、番組情報サービスプロバイダサーバ102はアカウント番号と録画機器の個体識別情報とによって制御の相手を選択するので、いずれの携帯電話112A、112Bからも録画機器106A、106Bのいずれの制御を行なうこともできる。携帯電話を用いて録画機器を制御するので、2台目の録画機器についても1台目と同様のサービスを実現することができる。なお図35に示す形態では、録画機器106A及び106Bがいずれも定期的に番組情報サービスプロバイダサーバ102のメールサーバ部に接続して録画予約メールを受信する。この際、録画予約メールの受信を開始するためのタイマ起動時刻をずらしておくとよい。すると、先にメールサーバ部にアクセスできる録画機器に対して優先的に録画予約が行なわれる。
優先された録画機器のハードディスク容量が一杯になっていたり、既に同じ時間に他のチャンネルの予約が入っていたりした場合には、1台目の録画機器を用いた録画予約はできない。したがって録画予約メールは番組情報サービスプロバイダサーバ102のメールサーバ部から削除されない。2台目の録画機器によってこの録画予約メールが処理される。その結果、実質的に複数チューナをもつ1台の録画機器と同様の機能が番組情報サービスプロバイダサーバ102により実現できる。
このとき、録画容量も複数台録画機器のディスク容量の合計に相当する。しかも、予約の成功、不成功などに関するメールが、いずれの録画機器に予約ができた場合でも同一の携帯メールアドレスに返送される。したがってユーザは、複数の録画機器を一つの携帯電話で統一的・集中的に管理できる。
次に本実施の形態にかかる番組情報サービスプロバイダサーバ102、録画機器106、及び携帯電話112を用いると、一つの携帯電話112を用いて複数のアカウントを管理することができる。すなわち、図36を参照して、システムにおいて使用可能な携帯電話112が一つであるものとする。この携帯電話112の携帯メールアドレス(例えばpapa@isp1)でスポーツ専門の番組情報サービスと芸能専門の番組情報サービスとに別々に加入した場合を考える。図36では、番組情報サービスプロバイダサーバ102を単一のものとして示してあるが、複数でもよい。
携帯電話112のユーザが番組情報サービスプロバイダサーバ102に加入する場合、そのときに割当てられるアカウント番号は例えば図36のアカウント番号通知画面782で示されるものとなる。別の番組情報サービスプロバイダサーバに加入する場合、割当てられるアカウント番号は別のものとなる。例えば図36のアカウント番号通知画面780で示されるようなものとなる。
この場合、これまでの説明から明らかなように、一つの携帯電話112でそれぞれのサービスを受けることが可能になる。図36の例では、このユーザは『スポーツ』と『芸能』のそれぞれのサービスに加入しており、サーバのユーザアカウント管理部からは異なるアカウント番号が発行されている。
なお、アカウント情報のサービス名の項目には、ユーザの加入時に、加入したサービスの名称が文字列として番組情報サービスプロバイダサーバ102により格納されるものとする。
携帯電話112のユーザは、それぞれのサービスのアカウント番号を取得し、録画機器106に登録することができる。この登録により、携帯電話からそれぞれのサービスにログインし、同一の録画機器106に対し、別々のサービスを利用して録画予約できる。さらに、これら録画予約した番組は、図36において携帯電話112の画面に表示するサービス名770、772で区別して表示できる。
なお、本実施の形態では、サービス名フィールドは文字列であるものとする。しかし本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではなく、これをネットワーク上の画像の所在を示すURLで置き換えてもよい。または、サービス名に加えサービス用画像というフィールドを図7に示すアカウント情報に追加してもよい。サービス用画像フィールドは画像を示すURL文字列であるので、録画予約データを表示する際にサービス用画像を付随させて表示することにより、録画予約データのカテゴリの識別を容易にすることができる。
また、サービス名フィールドにURLが格納されている場合、録画予約データを表示する際には、通常のHTML書類を表示するブラウザと同様、当該URLから転送したデータをどのように表示するかを決めることができる。例えばURLにより指定されるデータがテキストデータであれば、通常の文字列として表示すればよい。また、当該URLにより指定されるデータが画像ファイルであれば、その拡張子により判断できる画像形式にしたがってデータをデコードし表示すればよい。
本実施の形態によれば、予約の成功、不成功などは携帯メールアドレスに返送される。したがって、あるユーザが複数のサービスに加入していても、ユーザは一つの携帯電話で統一的・集中的に管理できる。また、録画データをサービス名称で区別して表示することも可能である。
本実施の形態に係る番組情報サービスプロバイダサーバ102、録画機器106を用いたシステムは、操作端末である携帯電話が加入したサーバ以外からも利用可能である。そのために、携帯電話のユーザから要求があれば、番組情報サービスプロバイダサーバ102はその携帯電話に対応するアカウント情報を携帯電話に返信し、携帯電話のHTMLブラウザに表示させるようにする。
図37に、アカウント情報のうち録画メールアドレスと録画予約用パスワードとを携帯電話112の画面796に表示した例を示す。この情報は、携帯電話112にアカウント情報要求の画面790を表示させ、「はい」の部分をクリックすることにより、アカウント情報の要求792が番組情報サービスプロバイダサーバ102に送られる。番組情報サービスプロバイダサーバ102は、この要求に応答して、アカウント情報794を携帯電話112に返信する。携帯電話112がこのアカウント情報を画面796として表示する。
この情報をユーザ800が目視し(802)、第3者の番組情報サービスプロバイダの録画予約メールサービスに登録することで、該第3者のサーバは録画メールアドレスに対して録画予約用パスワード入りの録画予約メールを発行し、もともと加入していた録画メールアドレスにメールが送信される。したがって、第3者の録画予約サービスを経由して、元の録画予約サービスを利用できる。
このように、要求に応じて番組情報サービスプロバイダサーバ102が携帯電話112に対してアカウント情報を送信し表示させることで、操作機器として携帯電話以外のもの、例えばパーソナルコンピュータ798を使用することができる。例えばパーソナルコンピュータ用のログイン画面806を番組情報サービスプロバイダサーバ102で準備しパソコン789に送信し(814)表示させる。パーソナルコンピュータ798から上記アカウント情報のうち録画メールアカウントと録画予約用パスワードをログイン名フィールド810及びパスワードフィールド812に入力しサーバ102に送信(816)する。これにより、サーバ102のWEB版番組情報サービスにパーソナルコンピュータ798からログインするようにできる。その結果、パーソナルコンピュータ798の画面にログイン後の画面820が表示される。
録画メールアカウント名と録画メールパスワードによりアカウント情報が特定され、録画予約用パスワード、録画予約メールアドレス及びPOP/SMTPメールサーバも特定される。したがってユーザはパーソナルコンピュータ798を介してHTML番組表から携帯電話同様録画予約メールを発行することも可能になる。図37の画面820に表示された『メール録画予約』をクリックすると、携帯電話による操作時と同様、録画予約メールがパーソナルコンピュータ798からサーバ102のメールサーバ部に送信される(818)。このメールはさらに、録画機器106による録画予約メールのチェック時に、録画機器106に送信される(820)。
パーソナルコンピュータは携帯電話に比べ画面が大きく解像度も高い。したがって、携帯電話よりも多くの情報を表示できる。例えば詳しい番組情報も画像入りで表示できる。本実施の形態によれば、新たなメールアカウントの取得、録画予約用パスワードの設定等の手間をかけることなく、パーソナルコンピュータを用いて番組情報サービスを利用することができる。
なお、図38を参照して、前述したとおり図17に示す録画機器106の録画管理部450は、図22のステップ566にて録画予約返事メールを携帯メールアドレスに出す。このとき、発信者メールアドレスはアカウント管理部から取出したアカウント情報にある録画メールアドレスであり、受取りメールアドレスは携帯メールアドレスである。またメールサブジェクトは、状態と番組名を含む。例えば『Subject:[予約完]お父さんのためのニュースショウ』とする。
これにより図38に示すように、受信した携帯電話112では受信メールの一覧840において、ユーザ800は当該録画予約が完了したことが即時に判断でき、さらに番組名も確認できる。
以上のように携帯電話を使うことにより、録画機器制御のための複雑なアカウント設定は録画機器106がネットワークを経由してサーバ102から代行取得し設定できる。このため、携帯電話メールアドレスと関連付けたアカウントの設定を誤りなく行なえるという利点がある。
サーバ102は、パーソナルコンピュータのメールアドレスではなく、ユーザが常時身に付けている携帯電話のメールアドレスを誤りなく収集できる。したがって、ユーザにお勧め番組をメールで知らせたり、電子商取引市場への案内等のセールス活動にこの情報を活用したりできる。
以上の実施の形態では、携帯電話112と録画機器106との間では特別な通信手段は必要ない。ユーザが携帯電話112に表示されたアカウント番号を録画機器106に入力するだけであり操作が簡単である。
例えば上記した実施の形態では、ひとつの録画機器106には最大3つのアカウントが登録可能である。したがって家族内の複数人の携帯電話112でそれぞれ登録操作を行なえばよい。携帯電話を変更した場合は、前のアカウントは放置し、新しいアカウントで上書きすることもできる。
以上の仕組みにより、携帯電話と、サーバと、録画機器が簡単な操作で関連付けられるという利点がある。なおアカウント情報は数字であるものとして実施の形態を説明したが、リモートコントローラにキーが存在するのであれば、アルファベットキーが使用されていてもかまわない。数字に限定して解釈されるべきではない。
本実施の形態によると、さらに以下のような波及効果が得られる。すなわち、携帯電話によるウェブブラウザでは、携帯網側で用意された認証システムを利用して有料サービスに加入できる。有料サービスのサーバは携帯網のゲートウェイ管理者と契約すればよい。このアカウントは、携帯電話に対するサーバのサービスを起点にしており、番組情報サービスが有料サービスであれば、本実施の形態により開示された簡単な手順により、その有料サービスを録画機器で受けることが可能になる。
価格の異なるサービスが同一のサーバコンピュータで行われていても、本実施の形態の方法で携帯電話からそれぞれの有料サービスに加入し、アカウント番号を録画機器に入力することで、そのサービスを簡単に録画機器106で受けられる。したがって録画機器106には何らの課金機構もいらない。
次に本実施の形態では、録画機器106がサーバの存在するインターネットに対しNAT(Network Address Translation)ルータを介して接続されていてもよい。すなわち、本実施の形態では、録画機器106からサーバ102に向かってHTTP及びSMTP/POP等のTCP/IPコネクションを張るアーキテクチャである。したがって録画機器106はインターネットのプライベートアドレス空間のネットワークからNAT(ネットワークアドレス変換)ルータを介しても録画予約、携帯電話へのメール通知およびサーバへの情報更新が可能である。
なお、本実施の形態では、録画予約情報をサーバ102から録画機器106に受渡すための手段として、サーバのメールサーバ部を使用し、録画機器106との間でメールプロトコルであるPOPプロトコルを使用した。しかし、本発明はそうした実施の形態に限定されるものではなく、HTTPプロトコルの基本認証プロトコルでも実施できる。この場合は、録画機器106はサーバで認証されて録画予約情報を得るので、録画予約用パスワードは不要である。HTTPプロトコルの基本認証プロトコルではサーバに対して録画機器106側からはアカウント名とパスワードとを使ってアクセスし、サーバはそれをもとに録画機器106を認証してから録画予約情報を提供すればよい。
また、本実施の形態によれば、録画予約に関するアカウント情報はサーバが生成している。そのため、録画予約サービスを利用してユーザの録画予約した番組をサーバが記録できる。その結果、ユーザの録画予約する番組の嗜好を抽出して、ユーザの嗜好にマッチした録画予約候補を携帯電話に提示することも容易であり、そこから録画予約をワンクリックで行なうような応用も容易である。
以上の実施の形態では、録画機器を例に説明したが、ネットワークに接続され表示装置を有するネットワーク機器であれば本発明は録画機器に限定されるものではない。録画機器はサービスプロバイダから録画命令により制御されているが、ネットワーク機器が録画命令の代わりに特定のURLの指定を受け、それをネットワーク機器に搭載したブラウザによりアクセスしTV画面に表示するような利用例においても、本発明の携帯機器とネットワーク機器とによるサービスの連携技術は有効である。この場合にも、携帯電話を操作するだけで、ネットワーク機器に情報表示することが可能になる。
[実施の形態2]
上記した実施の形態1では、携帯電話に表示されたアカウント番号をユーザが目視し、それを録画機器106に改めて入力している。この方法によれば、多数の情報を入力することなく、録画機器106の設定を行なうことができる。しかし、本発明はそのような実施の形態に限定されるわけではない。アカウント情報を録画機器に設定する際には、この実施の形態2のような方法を採ることもできる。
この実施の形態2では、携帯電話112に赤外線データ通信機能など、近接無線通信機能を備えていることが前提となる。最近の携帯電話は多機能化が著しく、そうした機能を備えたものも多い。また、録画機器106もそうした機能を持つことが通常である。そのような機能を利用すると、アカウント番号をユーザが録画機器106に手入力するのではなく、携帯電話から直接上記した通信機能を用いて録画機器106に入力することができる。
それだけではなく、アカウント情報そのものも番組情報サービスプロバイダサーバ102から携帯電話に送信し、携帯電話からそれら情報を全て録画機器106に伝送することも可能である。図39にそうした機能を用いたシステムの構成例を示す。またこのときに携帯電話112で実行されるプログラムのフローチャートを図40に示す。
本実施の形態では、予め携帯電話112と番組情報サービスプロバイダサーバ102との間の手続きにより、既に番組情報サービスプロバイダサーバ102にアカウント情報が設定されているものとする。ただし、録画機器106と番組情報サービスプロバイダサーバ102との間の通信はまだ行なわれていないので、録画機器106の個体識別情報についてはアカウント情報には設定されていないものとする。
番組情報サービスプロバイダサーバ102は、携帯電話112が赤外線通信によって録画機器106と通信する機能を実装したアカウント情報設定ソフトウェアを用意する。そしてそのソフトウェアの所在を示すURLを携帯電話112宛てのメールに書込み送信する。携帯電話112の画面850でこの電子メールを表示し、該当URLへのリンクをクリックすることで、そのソフトウェアが携帯電話112にダウンロードされる(852)。ダウンロード後当該ソフトウェアを自動的に起動し、録画機器と赤外線通信することでユーザの手作業を省略し安全かつ間違いなくアカウント情報を録画機器106に入力できる(854)。
赤外線データ通信の規格としてはIrDAによるものが携帯電話に標準的に搭載されており、これを使用するのが簡単である。また海外の携帯電話であれば他の規格を用いるものもあり、それらを使用することで携帯電話と録画機器間で通信できる。
なお、アカウント情報を受信した録画機器106は、その情報にしたがって自己を設定した後、自己の個体識別情報を番組情報サービスプロバイダサーバ102に送信する(856)。これにより、番組情報サービスプロバイダサーバ102のアカウント情報に録画機器106の個体識別情報を設定できる。
図40に、本実施の形態における携帯電話112において実行されるプログラムのフローチャートを示す。図40を参照して、まずステップ870において、番組情報サービスプロバイダサーバ102からの確認メール850(図39参照)を受信する。続いてステップ872において、このメールに含まれるURLからアカウント情報設定制御ソフトウェアをロードし、起動する。以後、このアカウント情報設定制御ソフトウェアを実行した後、このプログラムは終了する。
図41に、このアカウント情報設定制御ソフトウェアのフローチャートを示す。図41を参照して、ステップ874において、番組情報サービスプロバイダサーバ102の録画機器管理部に接続し、番組情報サービスプロバイダサーバ102からこの携帯電話112のユーザのアカウント情報を取得する。ステップ876において、録画機器106をアカウント情報設定画面とさせるよう、ユーザに指示するメッセージを携帯電話112の画面に表示する。さらに、ステップ878において、携帯電話112のIrDAインタフェースを使用して、録画機器106のIr送受信部を介して録画機器106のアカウント管理部にアカウント情報を転送する。最後に、ステップ880で録画機器106を制御して、番組情報サービスプロバイダサーバ102に接続し、録画機器106に設定されたアカウント番号と、録画機器106の個体識別情報を送信する。これにより、録画機器106から番組情報サービスプロバイダサーバ102に対し、当該アカウント番号のアカウント情報が番組情報サービスプロバイダサーバ102に設定されたことが通知される。
以上の実施の形態2にかかるシステムによれば、番組情報サービスプロバイダサーバ102で準備したプログラムを用いて、アカウント情報を携帯電話112から録画機器106に自動的に転送し、設定することができる。ユーザが目視でアカウント番号を録画機器106に入力する必要はない。そのため、ユーザにとってはより簡単な処理でアカウント番号を録画機器106に設定できる。アカウント情報自体も番組情報サービスプロバイダサーバ102から携帯電話112を介して録画機器106に転送されるため、アカウント情報に誤りが生ずることもない。さらに、最終的に録画機器106から番組情報サービスプロバイダサーバ102に対してアカウント情報登録完了の通知がされるため、録画機器106にアカウント情報が登録されたことについて、番組情報サービスプロバイダサーバ102が容易に確認できる。