〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図10に基づいて説明すると以下の通りである。
〔システムの概要〕
図2は、遠隔操作システム100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、遠隔操作システム100は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300を備えている。遠隔操作システム100は、操作対象装置200を遠隔操作装置300にて操作するシステムである。ここでは、遠隔操作装置300が携帯電話機であり、操作対象装置200がテレビジョン受像機であることを想定している。
なお、遠隔操作システム100は、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作可能なシステムであればよく、この例に限定されない。例えば、遠隔操作装置300は、操作信号を送信して操作対象装置200を操作する機能を備えていればよく、PDA(Personal Digital Assistance)、PHS(Personal handy Phone System)、ノート型パソコン、携帯型ゲーム機等であってもよい。もちろん、遠隔操作装置300は、操作対象装置200を操作するための専用リモコンであってもよい。また、操作対象装置200は、遠隔操作装置300が送信する操作信号を受信して動作制御されるものであればよく、例えばパーソナルコンピュータ、録画装置、音楽プレーヤー、エアーコンディショナー等であってもよい。
〔操作対象装置200の構成〕
操作対象装置200は、図示のように、チューナ201、音声出力部202、操作対象装置制御部203、表示部204、操作部205、一時記憶部206、操作対象装置記憶部207、被操作側第1通信部208、及び被操作側第2通信部209を備えている。
チューナ201は、操作対象装置制御部203が指定するチャンネルの放送波を選択して受信し、これを所定の信号に変換して出力する。操作対象装置200は、この信号にデコード等の処理を施すことによって、受信したチャンネルの映像や音声を出力する。なお、チューナ201は、放送波の受信及び受信した放送波の所定の信号への変換機能を備えていればよく、例えば地上デジタルチューナ、BS、CSチューナ等、必要に応じて従来の一般的なものを適用することもできる。
音声出力部202は、チューナ201の出力及び操作対象装置制御部203の指示に基づいて音声を操作対象装置200の外部に出力する。音声出力部202は、例えばスピーカで構成することができる。
操作対象装置制御部203は、操作対象装置200の動作を統括して制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成することができる。操作対象装置制御部203は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一時記億部107を作業領域として動作する。なお、操作対象装置制御部203が行う処理の詳細については、後に詳しく説明する。
表示部204は、チューナ201の出力及び操作対象装置制御部203の指示に基づいて映像を表示する表示装置である。例えば、LC(Liquid Crystal)表示パネルやEL(Electro Luminescence)表示パネル、CRT(cathode-ray tube)表示装置等を表示部204として適用することができる。
操作部205は、ユーザが操作対象装置200に操作入力を行うためのものである。操作部205は、ユーザが所望の操作入力を行えるものであればよく、特に限定されない。ここでは、操作部205として各種操作入力に対応する操作キーが設けられていることを想定している。具体的には、チャンネルの変更、音量の増減、操作対象装置200の電源のオン/オフ等の操作入力用の操作キーがそれぞれ設けられていることを想定している。
操作対象装置記憶部207は、図示のように、プログラム及びデータを格納している。操作対象装置200は、操作対象装置記憶部207に格納されているプログラムを、操作対象装置制御部203が一時記憶部206に読み出して実行することによって予め定められた動作を実行する。
被操作側第1通信部208及び被操作側第2通信部209は、操作対象装置200が外部の機器と通信を行うためのものである。被操作側第1通信部208は、操作側第1通信部301と通信可能に構成されており、被操作側第2通信部209は、操作側第2通信部302と通信可能に構成されている。被操作側第1通信部208及び被操作側第2通信部209の詳細については後述する。
〔遠隔操作装置300の構成〕
遠隔操作装置300は、図示のように、操作側第1通信部301、操作側第2通信部302、電話・Web通信部303、音声入力部304、音声出力部305、遠隔操作装置制御部306、表示部307、操作部308、一時記憶部309、及び遠隔操作装置記憶部310を備えている。
操作側第1通信部301及び操作側第2通信部302は、遠隔操作装置300が外部の機器と通信を行うためのものである。操作側第1通信部301は、被操作側第1通信部208と通信可能に構成されており、操作側第2通信部302は、被操作側第2通信部209と通信可能に構成されている。操作側第1通信部301及び操作側第2通信部302の詳細については後述する。
電話・Web通信部303は、携帯電話網等を介して、他の携帯電話機や一般電話機と通話を行ったり、インターネットに接続して通信を行ったりするためのものである。これらの機能は図示しない電話網通信部及び携帯回線部によって実現される。電話・Web通信部303は、少なくとも通話機能を備えているものであればよく、従来の携帯電話機等で使用されているものを適用することもできる。
音声入力部304は、例えば通話時等において遠隔操作装置300に音声信号を入力するためのものであり、音声出力部305は、通話時等において電話・Web通信部303が受信した音声信号等に基づいて音声を出力するためのものである。また、音声出力部305は、電話やメール等の着信を示す音声等も出力する。音声入力部304及び音声出力部305は、それぞれ音声の入力及び出力ができるものであればよく、従来の携帯電話機等で使用されているものを適用することもできる。
遠隔操作装置制御部306は、遠隔操作装置300の動作を統括して制御するものであり、例えばCPU等で構成することができる。遠隔操作装置制御部306は、例えばRAM等で構成される一時記億部129を作業領域として動作する。なお、遠隔操作装置制御部306が行う処理の詳細については、後に詳しく説明する。
表示部307は、遠隔操作装置制御部306の指示に従って画像を表示するものであり、図示していないが、遠隔操作装置制御部306と表示部307との間には、VDP(Video Display Processor)及びVRAM(video RAM)等の画像を表示するために必要な構成が適宜設けられている。表示部307は、例えばLC表示パネルやEL表示パネル等で構成することができる。
操作部308は、遠隔操作装置300のユーザが遠隔操作装置300に操作入力を行うためのものであり、ユーザが所望の操作入力を行えるものであれば特に限定されない。なお、ここでは、操作部308は、遠隔操作装置300の本体表面に設けられた操作キーであることを想定している。具体的には、操作キーとして、メールに関連するメニュー画面やインターネット接続に関するメニュー画面等を表示部307に表示させる各種メニューキーや、表示部307に表示される項目を選択するための上下左右の方向キー、選択された項目を決定する決定キー、数字や文字を入力するための文字入力キー等を含む複数の操作キーを備えていることを想定している。
遠隔操作装置記憶部310は、図示のように、プログラム及びデータを格納している。遠隔操作装置300は、遠隔操作装置記憶部310に格納されているプログラムを、遠隔操作装置制御部306が一時記憶部309に読み出して実行することによって予め定められた動作を実行する。また、例えば電話・Web通信部303が受信したメール等のデータや、遠隔操作装置300のユーザが記録した電話番号やメールアドレス等のデータが遠隔操作装置記憶部310に格納されるようになっている。
〔遠隔操作システム100で使用する通信手段〕
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301が被操作側第1通信部208と通信可能に構成されている。また、操作側第2通信部302が被操作側第2通信部209と通信可能に構成されている。すなわち、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで形成される第1の通信経路と、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とで形成される第2の通信経路とを用いて通信を行うことができるようになっている(図2参照)。
操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで形成される第1の通信経路は、遠隔操作装置300が操作対象装置200を遠隔操作の対象として特定するために使用される。より詳細には、遠隔操作装置300は、第1の通信経路で通信可能な操作対象装置200を遠隔操作の対象として特定する。
例えば、遠隔操作装置300にて、2台のテレビを操作できるようにした場合には、2台のテレビのうち、遠隔操作装置300が第1の通信経路で通信可能な機器が遠隔操作の対象となる。なお、例えばテレビと録画装置のように、カテゴリが異なる装置は、赤外線リモコン用のコマンドが別に定義されているので、通常は混信することはない。
遠隔操作の対象を特定するためには、例えば第1の通信経路に指向性の強い通信手段を用いればよい。すなわち、第1の通信経路には、近接して配置される電子機器の何れか一方のみと通信可能となるように、比較的狭い通信可能領域を有する通信手段を適用することが好ましい。
ここでは、第1の通信経路に赤外線通信を適用することを想定している。すなわち、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301が発する赤外線信号が、被操作側第1通信部208に受信された場合に、遠隔操作装置300の通信相手が操作対象装置200に特定されるようになっている。
なお、ここでは、遠隔操作装置300側から通信相手となる操作対象装置200を特定するために第1の通信経路を使用することを想定しているので、操作側第1通信部301が赤外線発光部であり、被操作側第1通信部208が赤外線受光部であることを想定している。なお、操作側第1通信部301は、赤外線発光部の他に赤外線受光部を持ち、さらに被操作側第1通信部208は、赤外線受光部の他に赤外線発光部を持つ構成としてもよい。
第1の通信経路では、遠隔操作の対象が特定できればよいので、第1の通信経路は容量の大きいデータの送受信ができるようになっている必要は無い。したがって、操作側第1通信部301及び被操作側第1通信部208としては、従来の一般的な赤外線リモコンで使用されている赤外線発光装置及び赤外線受光装置を適用することもできる。このように、遠隔操作装置300及び操作対象装置200は、現在、広く普及している赤外線リモコンの構成を流用できるので、その製造コストを低く抑えることができる。
なお、第1の通信経路では、遠隔操作の対象が特定できればよく、操作側第1通信部301及び被操作側第1通信部208の構成は、上記の例に限られない。例えば、FeliCa(登録商標)等を適用することもできる。
一方、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とで形成される第2の通信経路は、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでデータの送受信を行うために使用される。また、第2の通信経路では、通信相手をアドレスで指定できるようになっている。
第2の通信経路は、データの送受信に用いられるので、第1の通信経路と比べて容量の大きいデータを高速で送受信できることが好ましい。また、操作対象装置200と遠隔操作装置300との相対的位置関係が変化した場合であっても通信が維持できるように、第2の通信経路は、指向性が低い(通信可能領域が広い)ことが好ましい。
そこで、ここでは第2の通信経路には、Bluetooth(登録商標)通信を適用することを想定している。すなわち、被操作側第2通信部209及び操作側第2通信部302は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行うことのできる通信部である。なお、第2の通信経路は、通信相手をアドレスで指定して通信が行えるものであればよく、無線LANを始めとするIEEE802.11無線を適用することもできるし、ZigBee(登録商標)等を適用することもできる。
〔発明の要点〕
上述のように、遠隔操作システム100では、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とで赤外線通信を行うことができるようになっていると共に、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とでBluetooth通信を行うことができるようになっている。
ここで、赤外線通信は、指向性通信であるから、操作側第1通信部301が発信する赤外線信号が被操作側第1通信部208に受信されるように、操作側第1通信部301と被操作側第1通信部208とを対向させることで通信を行うことができる。
一方、Bluetooth通信は、無指向性通信であるから、操作側第2通信部302と被操作側第2通信部209とでBluetooth通信を行う場合には、ユーザの意図しない機器が誤って操作されることがないように、予めBluetooth通信の通信先機器を登録するペアリング処理を行う必要がある。
ペアリングを行うことによって、操作対象装置200と遠隔操作装置300とでBluetooth通信用のアドレスが互いに登録されるので、このアドレスを指定してBluetooth通信を行うことによって、ユーザの意図しない機器が誤って操作されることを防ぐことができる。
本発明は、このペアリング処理の実行方法に主な特徴点がある。これについて、図3に基づいて説明する。図3は、本発明の遠隔操作システム100の概要を示す図である。図示のように、遠隔操作装置300は、操作対象装置200にペアリング処理を開始させるペアリング開始信号を赤外線通信で送信する。
そして、遠隔操作装置300は、ペアリング開始信号を送信すると共に、ペアリング処理を実行可能なペアリングモードへと移行する。そして、ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200もペアリングモードへと移行する。このようにして、遠隔操作装置300及び操作対象装置200の両方がペアリングモードに移行した状態にて、Bluetooth通信でペアリングが実行される。
上記の構成によれば、ペアリング開始信号が赤外線通信にて送信されるので、遠隔操作装置300の操作側第1通信部301を向けた操作対象装置200のみがペアリングモードに移行する。すなわち、上記の構成によれば、ユーザは、操作側第1通信部301を向けることによって、ペアリング相手となる機器を特定することができる。
そして、上記の構成によれば、ペアリング開始信号を送信した遠隔操作装置300と該ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200とがペアリングモードに移行する。したがって、ペアリング処理をBluetooth通信で行う際に、Bluetooth通信の通信範囲内に他の電子機器が存在していた場合であっても、ユーザの意図しない電子機器とペアリングがなされてしまうおそれがない。
また、ペアリング開始信号は、操作対象装置200がペアリング処理を開始するトリガとなるものであればよく、Bluetooth通信に用いるアドレス情報等を含んでいる必要がない。したがって、ペアリング開始信号の情報量を非常に少なく抑えることができるので、従来から広く用いられている赤外線通信手段をそのまま用いることができる。
これに対し、上記〔背景技術〕に示した特開平9−215064号公報の技術では、赤外線通信にてアドレス情報を交換している。しかしながら、従来から広く用いられている家電製品協会が規定する赤外線リモコン用の信号フォーマットでは、アドレス情報のような比較的情報量の大きなデータを送受信することが想定されていないので、従来から広く用いられている赤外線通信手段をそのまま用いることは困難である。
さらに、上記の構成によれば、ペアリング処理が無指向性のBluetooth通信にて行われるので、ペアリング開始信号の送信後は、遠隔操作装置300を移動させた場合であっても、確実にペアリング処理が実行される。これに対し、上記特許文献1の技術では、アドレス情報の交換中にリモコンが赤外線通信範囲外に移動した場合や、リモコンとテレビとの間を人が通るなどして赤外線信号が遮断された場合に、ペアリング処理が正常に行われないおそれがある。
〔リモコンアプリ〕
遠隔操作装置300は、通常は携帯電話機として動作するが、所定のアプリケーションプログラム(以下、リモコンアプリと称する)を起動することによって操作対象装置200を操作することができるようになる。このように、リモコンアプリを様々な電子機器にインストールすることによって、様々な電子機器で操作対象装置200の遠隔操作を行うことが可能になる。
特に、携帯電話機は、データの送受信手段として赤外線通信手段やBluetooth通信手段を備えているものが広く普及している。したがって、遠隔操作装置300のように携帯電話機を適用した場合には、これらの通信手段を遠隔操作用の通信手段として流用することができるので好ましい。
ここでは、リモコンアプリ起動時の表示画面例について、図4及び図5に基づいて説明する。図4は、リモコンアプリを起動したときに表示部307に表示される画面の一例を示す図である。
図示の例では、接続する機器の種別を「テレビ」、「レコーダ」、及び「PC」の中から選択するように促す画面が表示されている。すなわち、図示の例では、遠隔操作装置300にて「テレビ」、「レコーダ」、及び「PC」の3種類の機器の操作が可能である場合の例を示している。なお、「レコーダ」はテレビ番組等を録画する録画装置であり、「PC」はパーソナルコンピュータである。
また、図3で説明したように、遠隔操作システム100では、赤外線通信にてペアリング開始信号を送信することによってペアリング処理が開始される。赤外線通信は指向性通信であるから、操作対象機器(遠隔操作システム100では操作対象装置200)に遠隔操作装置300を向けて操作する必要があるため、図示の例では、操作対象機器の選択操作を当該操作対象機器に向けて行うように促すメッセージが表示されている。
ここで、遠隔操作装置300(より詳細には操作側第1通信部301)を操作対象装置200(より詳細には被操作側第1通信部208)に向けて、図4の「テレビ」を選択する操作を行うことにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でペアリングが行われていない場合には、図3に示すようにしてペアリングが行われる。
ペアリングが行われることによって、Bluetooth通信の通信範囲内に他の電子機器が存在している場合であっても、遠隔操作装置300にて「テレビ」のみを確実に操作できるようになる。なお、遠隔操作装置300と「テレビ」との間ですでにペアリングが行われている場合に、図4の「テレビ」を選択する操作を行ったときには、ペアリングは実行されない。
そして、ペアリングが完了すると、図5に示すような画像が表示部307に表示される。図5は、図4の表示状態において、「テレビ」を選択したときに表示部307に表示される画像の一例を示す図である。図示の画像は、ソフトウェアキーボード表示(以下、ソフトキー表示と称する)と呼ばれるものである。ソフトキー表示では、操作部308に含まれる各操作キーの配置と、各操作キーに割り当てられた機能とが表示される。
すなわち、操作部308には、図5と同じ配置で操作キーが配列しており、操作部308において、表示部307に表示されているキーに対応する操作キーの入力を行うことによって、表示されている機能に対応する処理が実行される。例えば、図5において、「音↑」と表示されているキーに対応する、操作部308の操作キーに入力を行うことによって、テレビの音量が上がるようになっている。
このように、ソフトキー表示を行うことによって、操作部308の操作キーに任意のリモコン操作を割り当てることができ、これにより携帯電話機の機能を有する遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作することが可能になる。
なお、遠隔操作装置300は、遠隔操作の入力ができるようになっていればよく、上記の例に限られない。例えば、遠隔操作装置300の表示部307及び操作部308をタッチパネルで構成して表示部307に遠隔操作用の画面を表示し、表示された画面に応じた遠隔操作の入力を受け付けるようにしてもよい。
〔一般的なリモコンを適用する場合の例〕
本実施形態では、携帯電話機の機能を有する遠隔操作装置300について説明しているが、本発明の遠隔操作装置としては、従来の一般的なリモコンを適用することもできる。図6は、本発明の遠隔操作装置として、従来の一般的なリモコンを適用した場合の例を示している。
同図に示す遠隔操作装置には、電源のON/OFF切り換えを行う「電源ボタン」、チャンネル等の切り換えに用いられる1〜12までの数字が付された「数字ボタン」、音量を増減させるための「音量ボタン」、メニュー画面を表示させるための「メニューボタン」、上下左右の「方向ボタン」、処理の決定時等に使用する「決定ボタン」、処理の終了時等に使用する「終了ボタン」、画面表示を1つ前の状態に戻すための「戻るボタン」が表示されている。
また、同図に示す遠隔操作装置には、遠隔操作装置の操作対象をテレビ、レコーダ、及びPCで切り換える切り換えスイッチが設けられている。図示の例では、切り換えスイッチがテレビに合わされているので、図示の状態にて上記各ボタン操作を行うことによって、テレビの動作制御(電源のON/OFF切り換え、チャンネル変更等)を行うことができる。
本発明の遠隔操作装置を図示のような一般的なリモコンの形態とした場合には、上記切り換えスイッチを切り換えたタイミングでペアリング処理を開始するようにすればよい。また、すでにペアリング済みである場合には上記のタイミングで再接続処理を開始するようにすればよい。例えば、図示の状態から、切り換えスイッチを「レコーダ」に合せたときには、レコーダとのペアリングまたは再接続を試みるようにすればよい。
なお、図示の状態から、切り換えスイッチを「PC」に合せるときには、切り換えの途中で切り換えスイッチが「レコーダ」に合わさることになる。したがって、この場合には、ユーザが「PC」の操作を行いたいにも関わらず、「レコーダ」にペアリングまたは再接続が試みられるおそれがある。このような事態は、例えば切り換えスイッチが一定時間以上同じ操作対象機器に合わさっている場合にペアリングまたは再接続を試みるように設定することで回避することができる。
また、図示のようにすでに切り換えスイッチが「テレビ」に合わさっている場合に、テレビと接続を行うときには、例えばリモコン上の任意のボタン(例えば電源ボタン)を押下したときにテレビにペアリングまたは再接続を試みるようにすればよい。これにより、ユーザがテレビの操作を行いたいタイミングでリモコンとテレビとのペアリングまたは再接続が行われる。
〔操作対象装置200のより詳細な構成〕
続いて、図1に基づいて操作対象装置200及び遠隔操作装置300のより詳細な構成について説明する。図1は、操作対象装置200及び遠隔操作装置300の要部構成を示すブロック図である。図示のように、操作対象装置制御部203には、被操作側ペアリング実行部(被操作側ペアリング実行手段)1、被操作側接続先管理部2、及び被操作側通信制御部3が含まれており、操作対象装置記憶部207には、接続先管理テーブル4が格納されている。
被操作側ペアリング実行部1は、操作対象装置200におけるペアリング処理の実行を制御する。具体的には、被操作側ペアリング実行部1は、遠隔操作装置300からペアリング開始信号を受信したときに、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信を行うために互いのアドレスを登録し合うペアリング処理を実行する。
被操作側通信制御部3は、ペアリング済みの遠隔操作装置300との通信を制御する。具体的には、被操作側通信制御部3は、被操作側第2通信部209に、接続先管理テーブル4に格納されている機器情報を用いてBluetooth通信を行わせる。また、被操作側通信制御部3は、複数の遠隔操作装置300からの制御を受ける場合に、各遠隔操作装置300に許可する制御内容に制限を付けるリモコン制限設定処理を行う。
被操作側接続先管理部2は、被操作側第2通信部209を介した通信、すなわちBluetooth通信の通信相手機器に関する情報を管理する。また、被操作側接続先管理部2は、現在Bluetooth通信接続中の通信相手機器を管理する。具体的には、被操作側接続先管理部2は、ペアリング処理において遠隔操作装置300から送られてくるアドレスやサービス情報等を接続先管理テーブル4に格納する。
また、被操作側接続先管理部2は、ペアリング済みの機器のそれぞれにIDを割り当てる。このIDも接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200が接続する相手機器の識別や上記リモコン制限設定処理に用いられる。
接続先管理テーブル4は、例えば下記の表1に示すようなデータ構造とすることができる。表1は、接続先管理テーブル4の一例を示す表である。表1では、1つの遠隔操作装置について、リモコンID、機器情報、及びサービス情報を対応付けて格納する例を示している。
すなわち、表1は、リモコンIDが「0x01」、機器情報(Bluetooth通信用のアドレス)が「00:11:22:33:66:AA」、そしてサービス情報が「0x0001111」である第1の遠隔操作装置と、リモコンIDが「0x02」、機器情報が「00:11:22:33:55:AA」、そしてサービス情報が「0x0001111」である第2の遠隔操作装置とが操作対象装置200とペアリング済みである場合に接続先管理テーブル4に格納されるデータの一例を示している。
なお、リモコンIDは操作対象装置200とペアリング済みの機器に付与される識別情報であり、機器情報はBluetooth通信を行うためのアドレスであり、サービス情報は該ペアリング済みの機器が操作対象装置200に提供するサービスを示している。ここでは、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を遠隔操作することを想定しているので、サービス情報は何れもリモコンサービスとなっている。
操作対象装置200には、遠隔操作装置300以外にもヘッドホン等様々な電子機器をBluetooth接続できるようになっているので、操作対象装置200はペアリング済みの機器がどのようなサービスを提供するものであるかを把握しておく必要がある。そのため、表1の例では、接続先管理テーブル4にサービス情報が含まれている。
なお、接続先管理テーブル4には、少なくとも機器情報が含まれていればよく、リモコンID及びサービス情報は必ずしも接続先管理テーブル4に格納されていなくてもよい。しかしながら、リモコンIDが格納されていることで複数の遠隔操作装置に対応することが可能になり、サービス情報が格納されていることで複数種類の外部機器をBluetooth接続することが可能になるので、接続先管理テーブル4には、リモコンID及びサービス情報が含まれていることが好ましい。
〔遠隔操作装置300のより詳細な構成〕
図1に示すように、遠隔操作装置制御部306には、ペアリング開始部(ペアリング開始手段)11、操作側ペアリング実行部(操作側ペアリング実行手段)12、操作側接続先管理部13、及び操作側通信制御部14が含まれており、遠隔操作装置記憶部310には、接続先格納部15及び識別情報格納部16が含まれている。
ペアリング開始部11は、ペアリングの開始タイミングを制御する。具体的には、ペアリング開始部11は、操作部308に所定の入力操作が行われたときに、操作側第1通信部301に指示してペアリング開始信号を送信させると共に、操作側ペアリング実行部12に指示して遠隔操作装置300をペアリングモードに移行させる。
なお、上記所定の入力操作とは、遠隔操作装置300のユーザが該遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作である。例えば、図4の例では、接続する機器を選択する操作が上記所定の入力操作に相当する。また、図6の例では、切り換えスイッチを接続対象機器に合せる操作、または切り換えスイッチが接続対象機器に合わされた状態における電源ボタン等の任意の入力ボタンへの入力操作が上記所定の入力操作に相当する。
これらの例のように、遠隔操作装置300のユーザが該遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作をトリガとしてペアリングを開始することにより、ユーザがペアリングを行うために特別な操作を行う必要が無くなるので好ましい。
例えば、従来は、操作対象装置をペアリングモードに移行させるために操作対象装置に設けられたペアリングボタンを押す必要があった。そして、操作対象装置をペアリングモードにした状態で遠隔操作装置に設けられたペアリングボタンを押すことによってペアリングを行う必要があった。
これに対し、本実施形態のように、遠隔操作装置300のユーザが該遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作をトリガとしてペアリングを開始する場合には、ユーザはペアリングのための特別な操作を何ら行う必要が無く、従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚でペアリングを行うことができる。
なお、遠隔操作装置300にペアリング実行用のキーを設け、該ペアリング実行用のキーに対して入力操作が行われたときに、ペアリング開始部11がペアリング開始信号を送信させるようにしてもよい。しかしながら、操作用のキーが増えるとユーザの操作性が低下するので、上記のように、遠隔操作装置300をリモコンとして使用するときに行なわれる入力操作をトリガとしてペアリング開始信号を送信させることが好ましい。
無論、ペアリング開始信号を送信させる入力操作を行うための画面を表示して、該画面表示にしたがってユーザが入力操作を行うことによってペアリング開始信号が送信されるようにしてもよい。
操作側ペアリング実行部12は、遠隔操作装置300におけるペアリング処理の実行を制御する。具体的には、操作側ペアリング実行部12は、ペアリング開始部11から指示を受けたときに、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信を行うために互いのアドレスを登録し合うペアリング処理を実行する。
操作側接続先管理部13は、操作側第2通信部302を介した通信、すなわちBluetooth通信の通信相手機器に関する情報を管理する。具体的には、操作側接続先管理部13は、ペアリング処理において操作対象装置200から送られてくるアドレスを接続先格納部15に格納する。
また、操作側接続先管理部13は、操作対象装置200の被操作側接続先管理部2が遠隔操作装置300に割り当てた識別情報、すなわちリモコンIDを管理する。具体的には、遠隔操作システム100では、操作対象装置200がペアリング相手にリモコンIDを送信するようになっているので、操作側接続先管理部13は、このリモコンIDを受信して識別情報格納部16に格納する。
操作側通信制御部14は、ペアリング済みの操作対象装置200との通信を制御する。具体的には、操作側通信制御部14は、操作部308への入力操作に応じた命令を生成する。そして、操作側通信制御部14は、第2通信部に指示して、上記生成した命令を接続先格納部15に格納されているアドレスに対して送信させる。
また、操作側通信制御部14は、ペアリング済みの操作対象装置200との通信を開始するときに、操作対象装置200との通信を開始するための接続開始信号を生成し、送信する。このとき、操作側通信制御部14は、識別情報格納部16に格納されている自装置のIDに基づいて、操作対象装置200が上記接続開始信号の送信元を識別できるような接続開始信号を生成する。例えば、自装置のIDを接続開始信号に組み込むことによって、操作対象装置200は上記接続開始信号の送信元を識別することが可能になる。
これにより、操作対象装置200が複数の機器とペアリングしている場合であっても、操作対象装置200は、何れの遠隔操作装置から接続開始信号を受信したかを認識することができ、接続開始信号の送信元の機器と確実に接続することができる。
〔遠隔操作システム100における処理の流れ(遠隔操作装置300側)〕
以上の構成を備える操作対象装置200と遠隔操作装置300とを含む遠隔操作システム100における処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、遠隔操作システム100における処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず遠隔操作装置300が実行する処理の流れについて説明し、その後で操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。
上述のように、遠隔操作装置300は、リモコンアプリを起動することにより、遠隔操作装置300を遠隔操作することが可能になる。リモコンアプリが起動されると、ペアリング開始部11は、接続開始操作の有無を確認する(S1)。接続開始操作は、遠隔操作装置300にて、操作対象装置200の遠隔操作を開始するための入力操作であり、図4の例における機器の種別を選択する操作に相当する。
そして、接続開始操作があったことを確認する(S1でYES)と、ペアリング開始部11は、初回の接続であるか否かを確認する(S2)。なお、初回の接続とは、ペアリングが行われていない状態における接続である。例えば、接続先格納部15にペアリング済み機器のアドレスが記憶されているか否かによって、初回に接続したか否かの判定をすることができる。
初回の接続ではなかった場合(S2でNO)には、ペアリングを行う必要が無いので、処理はS11に進み、ペアリング済みの機器とBluetooth通信接続を行う再接続処理が実行される。一方、初回の接続であった場合(S2でYES)には、ペアリングを行う必要があるので、ペアリング開始部11は、操作側ペアリング実行部12を機器情報要求受け入れモードに設定する(S3)。
なお、機器情報要求受け入れモードとは、遠隔操作装置300がペアリング可能となる状態(ペアリングモード)であり、機器情報要求受け入れモードの状態で受信したアドレスが、遠隔操作装置300のBluetooth通信の相手機器として接続先格納部15に登録される。
また、ペアリング開始部11は、操作側ペアリング実行部12を機器情報要求受け入れモードに設定すると共に、操作側第1通信部301に指示してペアリング開始信号を送信させる(S4)。遠隔操作装置300では、ペアリング開始信号を指向性のある赤外線通信にて送信するので、遠隔操作装置300を向けた操作対象装置200のみとペアリングを行うことができる。
ペアリング開始信号は、例えば下記の表2に示すようなデータ構造とすることができる。なお、ペアリング開始信号は、当該信号がペアリングを開始させる指示であることを操作対象装置200が認識できる信号であればよく、表2の例に限られない。ただし、ペアリング開始信号は、家電製品協会が定めたフォーマットに従ったデータ形式であることが好ましい。ペアリング開始信号を、家電製品協会が定めたフォーマットに従ったデータ形式とすることにより、操作側第1通信部301として従来の一般的な赤外線リモコンで使用されている構成をそのまま適用することができる。
S4にてペアリング開始信号を送信することにより、該ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200と遠隔操作装置300との間でペアリング処理が実行される(S5)。詳細については後述するが、ペアリング処理によって遠隔操作装置300の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先格納部15に格納される。
そして、ペアリング開始部11は、ペアリングの成否を確認する(S6)。ペアリングが失敗していた場合(S6でNO)には、S2の処理に戻る。一方、ペアリングが成功していた場合(S6でYES)には、ペアリング開始部11は、操作側接続先管理部13に指示して、リモコンIDを受信したか否かを確認させる(S7)。そして、リモコンIDを受信したことを確認する(S7でYES)と、ペアリング開始部11は、操作側接続先管理部13に指示して、上記受信したリモコンIDを識別情報格納部16に格納させる(S8)。
以上のS1〜S8の処理によって、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されるので、遠隔操作装置300にて操作対象装置200を操作できるようになり、S9のデータ送受信処理(詳細は後述)を行うことが可能になる。
また、上記S1〜S8の処理は、接続開始操作を行うだけで実行される。接続開始操作は、例えば図4の例では接続機器の種別を選択する操作であり、図6の例では切り換えスイッチの切り換え操作、または任意の操作ボタンに対する操作である。したがって、遠隔操作装置300のユーザは、ペアリングを全く意識せずに、従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚で操作対象装置200を操作することができる。
〔遠隔操作システム100における処理の流れ(操作対象装置200側)〕
続いて、遠隔操作システム100において操作対象装置200が実行する処理の流れについて説明する。まず、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受ける(S21)。
ペアリング開始信号以外の信号を受信した場合(S21でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側通信制御部3に指示して再接続処理を実行させる(S28)。一方、ペアリング開始信号の受信が確認された場合(S21でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を開始する(S22)。
ペアリング処理によって遠隔操作装置300の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に格納され、操作対象装置200の機器情報(Blutooth通信用アドレス)が操作対象装置200の接続先格納部15に格納される。
ペアリング処理が終了すると、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリングが成功したか否かを確認する(S23)。ペアリングが失敗していた場合(S23でNO)には、処理はS21に戻る。一方、ペアリングが成功していた場合(S23でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側接続先管理部2に指示してリモコンIDを生成させる(S24)。
なお、リモコンIDは、ペアリングが成功した相手機器を識別できるものであればよく、その生成方法及びデータ内容は特に限定されない。ここでは、表1に示すように、ペアリングが行われた順に末尾の数字が増加する16進数4桁のデータをリモコンIDとして生成することを想定している。すなわち、表1の例では、操作対象装置200が最初にペアリングを行った相手機器には、「0x01」とのリモコンIDが付与され、次にペアリングを行った相手機器には、「0x02」とのリモコンIDが付与される例を示している。
続いて、被操作側接続先管理部2は、上記生成したリモコンIDを、被操作側第2通信部209を介して遠隔操作装置300へと送信する(S25)。次に、被操作側接続先管理部2は、上記送信したリモコンIDに対応する遠隔操作装置300の操作内容に必要に応じて制限を加えるリモコン制限設定処理を行う(S26)。そして、リモコン制御設定の終了後、被操作側通信制御部3がデータ送受信処理を行う(S27)。なお、リモコン制限設定処理及びデータ送受信処理の詳細については後述する。
〔再接続処理(遠隔操作装置300側)〕
上述のように、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで初めて接続する場合には、ペアリングが行われる(図7のS2等参照)。これにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、互いにアドレスを指定してBluetooth通信を行うことができる。
ここでは、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで2回目以降、すなわちペアリング済みの状態にて接続する場合に実行される再接続処理について図8に基づいて説明する。図8は、再接続処理の一例を示すフローチャートである。再接続処理は、図7のフローチャートにおけるS11及びS28の処理に対応している。ここでは、まず図7のS11にて遠隔操作装置300に実行される再接続処理について説明し、続いてS28にて操作対象装置200に実行される再接続処理について説明する。
なお、本発明は、ペアリングの実行方法に特徴点を有するものであり、ペアリングの終了後に行われる再接続処理としては、図8の例に限られず、一般的なペアリング済み機器間の接続処理方法を用いることもできる。
再接続処理は、ペアリング開始部11が初回の接続ではないと判断した場合に実行される(図7のS2及びS11参照)。ペアリング開始部11は、初回の接続ではないと判断した場合に、操作側通信制御部14を接続要求受け入れモードに設定する(S31)。操作側通信制御部14は、接続要求受け入れモードに設定されることにより、Bluetooth通信を行うことができる状態となり、接続要求受け入れモードに設定された後に、操作対象装置200から接続要求を受信した場合には、再接続処理が続行される。
接続要求受け入れモードに設定された操作側通信制御部14は、操作側第1通信部301に指示して接続開始信号を自装置の外部に送信させる(S32)。このように、遠隔操作装置300では、接続開始信号を指向性のある赤外線通信にて送信する。したがって、遠隔操作装置300では、遠隔操作装置300を向けた機器のみと接続して通信することができる。
なお、操作側通信制御部14は、接続開始信号を受信した操作対象装置200が、何れの遠隔操作装置300からの操作信号を受信したのかを判別できるように、遠隔操作装置300に割り当てられた識別情報(リモコンID)を含む接続開始信号を送信する。接続開始信号は、例えば下記の表3のようなデータとすることができる。
表3は、リモコンIDが「0x01」、「0x02」、及び「0x03」の3つの遠隔操作装置がそれぞれ送信する接続開始信号(1)〜(3)のデータ例を示している。表3の例では、接続開始信号のデータの末尾2文字がリモコンIDの末尾2文字と一致している。したがって、操作対象装置200は、接続開始信号(1)〜(3)の何れを受信したかによって、リモコンIDが「0x01」、「0x02」、及び「0x03」の何れの遠隔操作装置から接続開始信号が送られてきたのかを認識することができる。
操作側第1通信部301に接続開始信号を送信させた操作側通信制御部14は、ペアリング済み機器から接続要求があったか否かを確認する(S33)。ここでは、操作対象装置200から送られてくる接続要求に操作対象装置200のアドレスが含まれており、これにより操作側通信制御部14がペアリング済み機器から接続要求があったか否かを確認することを想定している。なお、接続要求は、該接続要求の送信元を遠隔操作装置300にて特定できる信号であればよく、この例に限られない。
接続要求が確認できない場合(S33でNO)には、操作側通信制御部14は、図7のS2の処理に戻る。一方、接続要求が確認された場合(S33でYES)には、操作側通信制御部14は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200へと接続許可を発信させて(S34)、再接続処理を終了する。再接続処理の終了により、処理は図7のS9へと移行してデータ送受信処理が行われる。
なお、接続要求及び接続許可は、例えば下記の表4に示すようなデータとすることができる。表4は、接続要求及び接続許可のデータの一例を示している。表4に示すように、接続要求及び接続許可には、当該接続要求及び接続許可の送信元端末のアドレス及び送信先端末のアドレスが含まれている。これにより、接続要求を受信した遠隔操作装置300は、接続要求の送信元の操作対象装置200に対して接続許可を返すことができる。
〔再接続処理(操作対象装置200側)〕
続いて、図7のフローチャートのS28にて操作対象装置200に実行される再接続処理について図8に基づいて説明する。まず、被操作側通信制御部3は、接続開始信号を受信したか否かを確認する(S41)。接続開始信号の受信が確認できない場合(S41でNO)には、被操作側通信制御部3は、図7のS21の処理に戻る。一方、接続開始信号の受信が確認された場合(S41でYES)には、被操作側通信制御部3は、操作側第2通信部302に指示して接続要求を送信させる(S42)。
ここでは、表3に示すように、接続開始信号にリモコンIDの一部が組み込まれていることを想定している。また、表1に示すように、接続先管理テーブル4には、リモコンIDと機器情報(アドレス)とが対応付けて格納されていることを想定している。したがって、被操作側通信制御部3は、受信した接続開始信号から、該接続開始信号を送信した機器のアドレスを特定することができ、このアドレスに対して接続要求を送信することができる。
なお、再接続処理では、遠隔操作装置300が接続要求受け入れモードに移行する(図8のS31)ため、接続開始信号にリモコンIDを組み込まなくとも、操作対象装置200と遠隔操作装置300とでBluetooth通信を確立することが可能である。
そして、接続要求の送信指示を出した被操作側通信制御部3は、接続許可の受信を待ち受ける(S43)。所定の時間が経過しても接続許可の受信が確認されない場合(S43でNO)には、被操作側通信制御部3は、図7のS21の処理に戻る。一方、接続許可の受信が確認された場合(S43でYES)には、被操作側通信制御部3は、再接続処理を終了する。再接続処理の終了により、処理は図7のS26へと移行してデータ送受信処理が行われる。
〔ペアリング処理(操作対象装置200側)〕
次に、図7のフローチャートにおけるS5及びS22にて実行されるペアリング処理の詳細について、図9に基づいて説明する。図9は、ペアリング処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、まず図7のフローチャートのS22にて操作対象装置200に実行されるペアリング処理について説明し、次に図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300に実行されるペアリング処理について説明する。
操作対象装置200の被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を確認すると、ペアリング処理を開始する。具体的には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して機器情報要求を送信させる(S51)。なお、機器情報要求は、該機器情報要求の送信元端末、すなわち操作対象装置200のアドレスを含む情報である。したがって、機器情報要求を受信した遠隔操作装置300は、操作対象装置200をBluetooth通信相手端末として登録することができる。
また、機器情報要求は、操作対象装置200のBluetooth通信範囲内の全機器に対してブロードキャストされる。ここで、遠隔操作装置300は、機器情報要求受け入れモードとなっている(図7のS3)ので、操作対象装置200は、確実に遠隔操作装置300に機器情報要求を受信させることができる。
機器情報要求を送信させた被操作側ペアリング実行部1は、遠隔操作装置300から機器情報が送信されるのを待ち受ける(S52)。所定の時間内に機器情報の受信が確認できない場合(S52でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。
一方、所定の時間内に機器情報の受信が確認された場合(S52でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して遠隔操作装置300に向けてPINコード要求を送信させ(S53)、PINコードの受信を待ち受ける(S54)。所定の時間内にPINコードの受信が確認できない場合、または受信したPINコードが予め定めた値と異なっている場合(S54でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。
一方、受信したPINコードが予め設定している値と一致している場合(S54でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して、遠隔操作装置300に向けてサービス情報要求を送信させ(S55)、サービス情報の受信を待ち受ける(S56)。
なお、PINコードは、操作対象装置200がユーザの意図しない遠隔操作装置300の制御を受けないようにするために設定されるコードである。すなわち、操作対象装置200では、該操作対象装置200の制御を許可する遠隔操作装置300に対してPINコードが予め設定されている。そして、接続しようとする遠隔操作装置300から送られてくるPINコードと操作対象装置200に設定されているPINコードとが一致した場合に、当該遠隔操作装置300との接続が許可されるようになっている。
所定の時間内にサービス情報の受信が確認できない場合、または受信したサービス情報が適切ではない場合(S56でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング失敗と判断されて、S21の処理に戻る。なお、サービス情報の適否は、当該サービス情報に操作対象装置200が対応しているか否かによって判断される。
受信したサービス情報が適切である場合(S56でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、上記S52にて受信を確認した遠隔操作装置300の機器情報、及びS56にて受信を確認したサービス情報を記憶して処理を終了する(S57)。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S22からS23に進み、S23にてペアリング成功と判断されて、S24の処理に進む。
なお、上記機器情報要求、PINコード要求、サービス情報要求、機器情報、PINコード、及びサービス情報は、例えば下記の表5に示すデータとすることができる。表5に示すように、Bluetooth通信では、基本的に、データと共に該データの送信元のアドレス及び送信先のアドレスを送信する。これにより、Bluetooth通信範囲内に他のBluetooth対応機器が存在している場合であっても、遠隔操作装置300と操作対象装置200とで通信を行うことができる。
〔ペアリング処理(遠隔操作装置300側)〕
続いて、図7のフローチャートのS5にて遠隔操作装置300が実行するペアリング処理について図9に基づいて説明する。すなわち、遠隔操作装置300の操作側ペアリング実行部12は、機器情報要求を待ち受ける(S61)。所定の時間内(例えば30秒以内)に機器情報の受信が確認できない場合(S61でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、機器情報要求受け入れモードを解除し、ペアリング処理を終了する。これによって、遠隔操作装置300とユーザが意図しない電子機器とのペアリングが行われることを防ぐことができる。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、機器情報の受信が確認できた場合(S61でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、操作側第2通信部302に指示して遠隔操作装置300の機器情報(アドレス)を送信させ(S62)、その後PINコード要求の受信を待ち受ける(S63)。
所定の時間内にPINコード要求の受信が確認できない場合(S63でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、PINコード要求の受信を確認した場合(S63でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、遠隔操作装置記憶部310に予め記憶されているPINコードを読み出し、操作側第2通信部302に指示して上記読み出したPINコードを操作対象装置200に送信させる(S64)。
被操作側ペアリング実行部1は、PINコードの照合に成功した場合には、S56の処理にてサービス情報要求を送信するようになっている。そこで、操作側ペアリング実行部12は、S64にてPINコードの送信指示を出した後に、サービス情報要求を受信したか否かを確認する(S65)。サービス情報要求の受信が確認できない場合(S65でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、そのまま処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、サービス情報要求の受信を確認した場合(S65でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200に対してサービス情報を送信させる(S66)。そして、最後に操作側ペアリング実行部12は、上記S61にて受信した機器情報要求に含まれている操作対象装置200の機器情報(アドレス)を接続先格納部15に記憶して処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S5からS6に進み、S6にてペアリング成功と判断されて、S7の処理に進む。
以上のように、ペアリング処理では、操作対象装置200の機器情報(アドレス)が遠隔操作装置300の接続先格納部15に記憶され、遠隔操作装置300の機器情報(アドレス)が操作対象装置200の接続先管理テーブル4に記憶される。これにより、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、以後互いにアドレスを指定してBluetooth通信を行うことが可能になる。
なお、ペアリング処理は、操作対象装置200の機器情報が遠隔操作装置300に記憶され、遠隔操作装置300の機器情報が操作対象装置200に記憶されるものであればよく、上述の例に限られない。
例えば、上記では、操作対象装置200が遠隔操作装置300に自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信し、機器情報要求を受信した遠隔操作装置300が自装置の機器情報(通信アドレス)を操作対象装置200に送信する例について説明したが、遠隔操作装置300が操作対象装置200に自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信するようにしてもよい。
この場合には、遠隔操作装置300は、図7のS3の処理を行わず、ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200が機器情報要求受け入れモードに移行する。そして、遠隔操作装置300は、機器情報要求受け入れモードに移行した操作対象装置200に対して自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信することによって、操作対象装置200の機器情報を取得する。このような構成であっても、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、ペアリングを行うことができる。
また、この場合には、操作対象装置200は、機器情報要求を待ち受け状態となった後、所定の時間内(例えば30秒以内)に機器情報の受信が確認できないときには、機器情報要求受け入れモードを解除し、ペアリング処理を終了してもよい。これによって、操作対象装置200とユーザが意図しない電子機器とのペアリングが行われることを防ぐことができる。
〔リモコン制限設定〕
ここでは、図7のフローチャートのS26にて実行されるリモコン制限設定の詳細について説明する。上述のように、遠隔操作システム100では、複数の遠隔操作装置で1つの操作対象装置200を操作することができるようになっているが、この場合には、複数の遠隔操作装置が送信する命令の競合が起こるおそれがある。例えば、ある遠隔操作装置でチャンネルを「8」に変更する命令を送信した時に、他の遠隔操作装置からチャンネルを「10」に変更する命令が送信されると、操作対象装置200の出力チャンネルが目まぐるしく変化するので好ましくない。
そこで、操作対象装置200の被操作側通信制御部3は、複数の遠隔操作装置とBluetooth通信接続している場合に、各遠隔操作装置が制御可能な処理に制限を設けるリモコン制限設定を行う。
具体的には、被操作側通信制御部3は、遠隔操作装置から命令を受信した場合に、被操作側接続先管理部2に指示して、上記命令の送信元の遠隔操作装置が現在接続中の遠隔操作装置の中で最も優先度が高いか否かを確認する。なお、優先度の高低は、例えば接続順に基づいて設定してもよいし、ユーザが予め設定するようにしてもよい。
そして、上記命令の送信元の遠隔操作装置が現在接続中の遠隔操作装置の中で最も優先度が高い場合には、被操作側通信制御部3は、当該遠隔操作装置からの全ての命令を有効にする。すなわち、この場合には、上記遠隔操作装置からの命令に制限は設けられず、操作対象装置200は、遠隔操作装置からの命令にそのまま従って動作する。
一方、上記命令の送信元の遠隔操作装置よりも優先度の高い遠隔操作装置が接続中である場合には、被操作側通信制御部3は、当該遠隔操作装置からの命令の少なくとも一部が操作対象装置200にて実行されないようにする。これにより、複数の遠隔操作装置が送信する命令の競合が起こることを防ぐことができる。
なお、ここでは、遠隔操作装置300が送信する命令には、該命令の送信元である遠隔操作装置300のアドレスが付加されていることを想定している。これにより、操作対象装置200は、命令の送信元の遠隔操作装置300を特定し、該命令に制限を付けるか否かを判断することができる。
被操作側通信制御部3は、チャンネル変更、音量変更等の、操作対象装置200の出力を変化させる命令に制限を設けることが好ましい。一方、現在出力中のテレビ番組の内容や、テレビ番組表等の操作対象装置200が保持している情報を遠隔操作装置300に送信させる命令のように、操作対象装置200の出力を変化させない命令には特に制限を設ける必要は無い。また、同時に接続している複数の遠隔操作装置のそれぞれに設定する制限は、操作対象装置200の操作時に各遠隔操作装置間で競合が起こらないようになっていればよく、必要に応じて適宜設定することができる。
〔データ送受信処理(送受信されるデータについて)〕
以上のように、遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とがペアリングされていない場合には、ペアリング後にBluetooth通信にて接続され、ペアリングされている場合には、再接続処理にてBluetooth通信にて接続される。そして、Bluetooth通信にて接続された状態において、データ送受信処理が実行される。以下では、データ送受信処理について説明する。
データ送受信処理では、遠隔操作装置300が「コマンド」または「データ送信リクエスト」を送信することによって、操作対象装置200を操作するようになっている。ここでは、「コマンド」及び「データ送信リクエスト」について説明する。
コマンド及びデータ送信リクエストは、何れも遠隔操作装置300の操作部308に所定の入力操作を行うことによって生成され、操作側第2通信部302を介して操作対象装置200に送信される命令である。ここでは、その命令を、データ構造の違いによってコマンドとデータ送信リクエストとに分類している。
すなわち、コマンドは、コマンド名、コマンドの内容を示すパラメータ、コマンドを受信した機器(この場合は操作対象装置200)に返答を要求するか否かを示す返答フラグ、コマンドの送信元及び送信先のアドレスからなるデータ構造を有する。例えば、コマンドは下記の表6に示すようなデータとすることができる。
表6では、操作対象装置200の出力チャンネル変更を行うためのコマンドの一例を示している。操作対象装置200は、コマンド名を参照することによって何に関する命令が送られてきたのかを判断することができ、パラメータを参照することによってどのような処理を実行すればよいかを判断することができる。そして、コマンドの送信元のアドレスから当該コマンドの送信元を特定することができる。すなわち、表6のコマンドを受信した操作対象装置200は、チャンネルを6チャンネルに変更させる命令が遠隔操作装置300から送信されたと判断することができる。
チャンネル変更等のように、操作対象装置200の音声や影像の出力を変化させる命令が「コマンド」に分類される。「コマンド」は操作対象装置200の音声や影像の出力を変化させる命令であるから、複数の遠隔操作装置からの制御を全て有効にした場合に処理の競合が起こる可能性がある。したがって、操作対象装置200では、「コマンド」を上記リモコン制限処理の対象となる命令としている。
また、ここでは、チャンネル変更や音量変更等の一般的な操作制御用のコマンドに加えて、終了コマンドという特別なコマンドを使用することを想定している。終了コマンドとは、遠隔操作装置300による操作対象装置200の操作を終了するためのコマンドである。終了コマンドを送信することによって、遠隔操作装置300は、操作対象装置200を操作する機能(リモコンアプリ)を終了し、通常の携帯電話機としての機能に戻る。終了コマンドのデータ構造は、例えばコマンド名を「END」とし、パラメータにはデータが含まれないようにし、返答フラグを「0」とすればよい。
なお、返答フラグは、該返答フラグが付されているコマンドの操作対象装置200における実行可否を遠隔操作装置300に通知することの要否を示すデータである。すなわち、受信したコマンドの返答フラグが、返答が必要であることを示している場合には、操作対象装置200では、当該コマンドを実行可能か否かが判断される。そして、実行可能であるときには遠隔操作装置300に実行可能であることを示す返答が返され、通信制限処理によって実行不可になっているときには実行不可であることを示す返答が返される。なお、コマンドの実行可否は、上記リモコン制限設定によって決定される。
返答は、例えば下記の表7に示すようなデータとすることができる。表7は、返答フラグが、返答が必要であることを示しているコマンドを操作対象装置200が受信した場合に、操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信される返答のデータの一例を示している。すなわち、表7の例では、受信したコマンドを操作対象装置200が実行可能である場合には、「RES_ACCEPT」とのデータが操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信され、受信したコマンドを操作対象装置200が実行不可である場合には、「RES_DENY」とのデータが操作対象装置200から遠隔操作装置300へと送信される。
一方、データ送信リクエストは、リクエストの送信元に何らかのデータを送信するように要求する命令である。リクエストは、リクエスト名及びデータ名を含むデータ構造である。例えば、データ送信リクエストは、下記の表8に示すようなデータとすることができる。表8は、データ送信リクエストの一例を示している。
表8に示すデータ送信リクエストによれば、リクエスト名「REQ_DATA」からデータ送信要求であることがわかり、データ名「NOW_PROGRAM」から現在の番組情報を要求していることがわかる。また、送信元のアドレスから当該データ送信リクエストの送信元を特定することができる。なお、番組情報とは、テレビ番組の番組名、出演者等の情報である。また、現在の番組情報の他に、ユーザの指定した時刻及びチャンネルの番組情報、及びテレビ番組表の送信要求等の命令がデータ送信リクエストに分類される。
表8に示すようなデータ送信リクエストを受けた操作対象装置200は、例えば下記の表9に示すようなデータを返す。表9は、操作対象装置200が送信する現在の番組情報の一例を示している。このように、番組情報は遠隔操作装置300に送信されるので、遠隔操作装置300のユーザは、これを表示部307に表示させて閲覧することができる。
「データ送信リクエスト」は、操作対象装置200の出力する音声及び映像を変化させない命令である。したがって、複数の遠隔操作装置から「データ送信リクエスト」が同時に行われたとしても、操作対象装置200は「データ送信リクエスト」の送信元に順次データを送信すればよく、処理の競合を回避することができる。そのため、操作対象装置200では、「データ送信リクエスト」を上記リモコン制限処理の対象としていない。
〔データ送受信処理(遠隔操作装置300側の処理)〕
続いて、図7のフローチャートのS9及びS27にて実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。図10は、データ送受信処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここではまず図7のS9にて遠隔操作装置300に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明し、次に図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて説明する。
操作側通信制御部14は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されると、コマンド操作またはリクエスト操作を待ち受ける(S71)。コマンドまたはリクエスト操作があった場合(S71でYES)には、操作側通信制御部14は、操作側第2通信部302に指示して、上記コマンド操作またはリクエスト操作に対応するコマンドまたはリクエストを操作対象装置200に送信させる(S72)。
ここで、操作側通信制御部14は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間のBluetooth通信が切断されたか否か、または遠隔操作装置300に終了操作がなされたか否かを確認する(S73)。Bluetooth通信が切断されている、または遠隔操作装置300に終了操作が行われたことが確認された場合(S73でYES)には、操作側通信制御部14は、データ送受信処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S9からS10に進み、通信切断されていたときにはS2の処理に戻り、終了操作がなされていたときにはリモコンアプリを終了する。
一方、Bluetooth通信接続が切断されておらず、かつ遠隔操作装置300に終了操作がなされていない場合(S73でNO)には、操作側通信制御部14は、上記S72にてコマンドを送信したか否かを確認する(S74)。そして、操作側通信制御部14は、S72にてコマンドを送信していない場合(S74でNO)には、S72にてリクエストを送信したか否かを確認する(S75)。
S72にてリクエストを送信したことが確認できなかった場合(S75でNO)には、操作側通信制御部14は、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。一方、S72にてリクエストを送信したことが確認できた場合(S75でYES)には、操作側通信制御部14は、S72にてリクエストしたデータを受信する(S76)。
このとき、受信したデータが番組情報等のユーザに提示する必要のあるデータである場合には、操作側通信制御部14は、受信したデータを表示部307に表示してもよい。これにより、ユーザは、リクエストしたデータを即座に確認することができる。また、受信したデータを表示するか否かをユーザに選択させるようにしてもよい。S76の処理が終了すると、操作側通信制御部14は、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。
ここで、S74にてコマンドを送信したことが確認された場合には、操作側通信制御部14は、送信したコマンドが返答付きであるか否かを確認する(S77)。ここでは、表6に示すように、返答付きのコマンドの返答フラグを1に設定することを想定しているので、操作側通信制御部14は、返答フラグが1であった場合に返答付きでコマンドを送信したと判断し、返答フラグが0であった場合に返答なしでコマンドを送信したと判断する。
返答付きでコマンドを送信していた場合(S77でYES)には、コマンドを受信した操作対象装置200から返答が返ってくるので、操作側通信制御部14は、この返答を受信する(S78)。
ここで、受信した返答が、コマンド実行に成功したことを示すものである場合には、操作側通信制御部14は、その旨をユーザに通知する必要はない。しかし、受信した返答が、コマンド実行に失敗したことを示すものである場合には、操作側通信制御部14は、その旨を表示部307に表示する等してユーザに通知することが好ましい。これにより、ユーザは、コマンド実行に失敗したことを認識することができ、必要に応じて再度入力操作を行うなどの処置を講じることができる。
一方、返答付きでコマンドを送信していなかった場合(S77でNO)には、操作側通信制御部14は、S71に戻ってコマンドまたはリクエスト操作を待ち受ける。
〔データ送受信処理(操作対象装置200側の処理)〕
次に、図7のS27にて操作対象装置200に実行されるデータ送受信処理の流れについて図10に基づいて説明する。被操作側通信制御部3は、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間でBluetooth通信接続が確立されると、遠隔操作装置300が送信する信号を待ち受ける。そして、被操作側通信制御部3は、Bluetooth通信接続が切断されたか否か、また遠隔操作装置300から受信した信号が終了コマンドであるか否かを確認する(S81)。
Bluetooth通信接続が切断されていた場合、または終了コマンドを受信していた場合(S81でYES)には、被操作側通信制御部3は、データ送受信処理を終了する。この場合には、図7のフローチャートにおいて、S27からS21の処理に戻る。一方、Bluetooth通信が切断されておらず、かつ終了コマンドを受信していない場合(S81でNO)には、被操作側通信制御部3は、受信した信号がコマンドであるか否かを確認する(S82)。
そして、被操作側通信制御部3は、コマンドを受信したことが確認されなかった場合(S82でNO)には、リクエストを受信したか否かを確認する(S83)。リクエストを受信したことを確認した場合(S83でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したリクエストに対応する動作を実行し(S84)、被操作側第2通信部209に指示してリクエストされたデータを遠隔操作装置300に送信させる(85)。そして、データ送信指示を出した被操作側通信制御部3は、再度S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。
一方、S82にてコマンドを受信したことが確認された場合(S82でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドが実行可能であるか否かを確認する(S86)。具体的には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに付加されている該コマンドの送信元アドレスに基づいて、上記コマンドの送信元端末を特定する。
そして、被操作側通信制御部3は、被操作側接続先管理部2に、現在操作対象装置200とBluetooth接続中の機器のうち、上記コマンドの送信元端末の優先度が最も高いか否かを確認する。そして、優先度が最も高い場合に上記コマンドを実行可能であると判断し、より優先度の高い端末が接続中の場合には上記コマンドを実行不可であると判断する。
実行可能である場合(S86でYES)には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに対応する動作を実行する(S87)。ここで、S86にて受信したコマンドが実行できないと判断した場合、及びS87にてコマンドの実行を行った後には、被操作側通信制御部3は、受信したコマンドに返答が必要であるか否かを確認する(S88)。
返答が必要である場合(S88でYES)には、被操作側通信制御部3は、被操作側第2通信部209に指示して遠隔操作装置300に返答を送信させる(S89)。そして、返答の送信指示を出した被操作側通信制御部3は、S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。また、返答が不要である場合(S88でNO)にも、被操作側通信制御部3は、S81の処理に戻って遠隔操作装置300からの信号の受信を待ち受ける。
遠隔操作システム100では、以上のようにしてデータの送受信が行われる。データの送受信は、Bluetooth通信にて行われるので、赤外線通信と比べて大容量のデータを高速に送受信することができる。また、Bluetooth通信は、無指向性であるから、データの送受信中に遠隔操作装置300を移動させたり、遠隔操作装置300と操作対象装置200との間に遮蔽物が割り込んだりした場合であっても通信接続状態を維持することができる。
なお、上記の例は、データ送受信処理の一例を示すものであり、ペアリング終了後、または再接続処理終了後のデータ送受信は、どのように行われるものであってもよい。また、ペアリング終了後、または再接続処理終了後に送受信されるデータはどのようなものであってもよく、表4〜表9に示した例に限られない。
〔実施の形態2〕
上記実施形態で示したように、本発明のペアリング方法によれば、ユーザが何ら特別な操作を行うことなくペアリングが実行される。このように、ペアリングが容易に行える方法を用いることにより、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行うことも可能になる。
本実施形態では、Bluetooth通信接続を行う度にペアリングを行う例について図11に基づいて説明する。接続の度に毎回ペアリングを行うことにより、PINコードが変更される場合にも対応することができ、遠隔操作システム100のセキュリティを向上させることができる。なお、上記実施形態と同一の構成及び処理については、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図11は、毎回ペアリングを行う遠隔操作システム100における処理の一例を示すフローチャートである。遠隔操作装置300にてリモコンアプリを起動させると、ペアリング開始部11は、接続開始操作を待ち受ける(S1)。そして、ペアリング開始部11は、接続開始操作があったことを確認した場合(S1でYES)に、操作側ペアリング実行部12に指示して機器情報要求受け入れモードに移行させる(S3)。また、ペアリング開始部11は、操作側第1通信部301に指示してペアリング開始信号を送信させる(S4)。
続いて、操作側ペアリング実行部12は、ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200とペアリング処理を行い(S5)、Bluetooth通信を行うために、互いのアドレスを登録し合う。
S5のペアリング処理が成功していた場合(S6でYES)には、操作側通信制御部14は、接続要求受け入れモードに移行し(S31)、ペアリング済み機器からの接続要求を待ち受ける(S33)。なお、S5のペアリング処理が失敗していた場合(S6でNO)には、処理はS1に戻る。
接続要求の受信を確認し、かつ該接続要求の送信元がペアリング済みの機器であることが確認された場合(S33でYES)には、操作側通信制御部14は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200に対して接続許可を発信させる(S34)。この接続許可が操作対象装置200に受信されることによって、遠隔操作装置300と操作対象装置200とでBluetooth通信接続が確立される。
Bluetooth通信接続が確立されると、データ送受信処理が行われ(S9)、データ送受信処理が通信切断にて終了した場合(S10でNO)には、S1の処理に戻り、データ送受信処理が終了操作にて終了した場合(S10でYES)には、リモコンアプリを終了する。
一方、操作対象装置200の被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受け(S21)、ペアリング開始信号の受信を確認した場合(S21でYES)に、ペアリング処理を実行する(S22)。
ここで、ペアリングが失敗した場合(S23でNO)には、S21の処理に戻り、成功した場合(S23でYES)には、被操作側通信制御部3は、操作側第2通信部302に指示して遠隔操作装置300に対して接続要求を送信させる。そして、接続要求を送信させた被操作側通信制御部3は、接続許可の受信を待ち受ける(S43)。
接続要求を送信させた後、所定の時間内に接続許可の受信が確認できない場合(S43でNO)には、S21の処理に戻る。一方、接続要求を送信させた後、所定の時間内に接続許可の受信が確認できた場合(S43でYES)には、被操作側通信制御部3は、リモコン制限設定を行い(S26)、続いてデータ送受信処理を行う(S27)。
以上のように、本実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とをBluetooth通信で接続する場合には、毎回ペアリングが行われる。毎回ペアリングを行う本方式であっても、ユーザが接続開始操作を行うだけでBluetooth通信接続が確立される。したがって、遠隔操作装置300のユーザは、ペアリングを全く意識せずに、従来の一般的な赤外線リモコンと同じ感覚で操作対象装置200を操作することができる。
また、図9のフローチャートで説明したように、ペアリング処理では、PINコードの認証が行われる。したがって、本実施形態の遠隔操作システム100では、遠隔操作装置300と操作対象装置200とをBluetooth通信で接続する場合には、毎回PINコードの認証が行われることになる。ゆえに、PINコードが変更される場合にも対応することができ、システムのセキュリティを向上させることができる。
さらに、本実施形態の遠隔操作システム100では、Bluetooth通信接続するときに毎回ペアリングが行われるので、図7のS11で行っていた再接続処理は不要になる。したがって、本実施形態の遠隔操作システム100は、接続開始信号を送信するステップを含まず、そのためリモコンIDの送信及び記憶のステップも不要となる。
なお、上記では、操作対象装置200が遠隔操作装置300に自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信し、機器情報要求を受信した遠隔操作装置300が自装置の機器情報(通信アドレス)を操作対象装置200に送信する例について説明したが、遠隔操作装置300が操作対象装置200に自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信するようにしてもよい。
この場合には、遠隔操作装置300は、図11のS3の処理を行わず、ペアリング開始信号を受信した操作対象装置200が機器情報要求受け入れモードに移行する。そして、遠隔操作装置300は、機器情報要求受け入れモードに移行した操作対象装置200に対して自装置の通信アドレスと共に機器情報要求を送信することによって、操作対象装置200の機器情報を取得する。このような構成であっても、遠隔操作装置300と操作対象装置200とは、ペアリングを行うことができる。
〔実施の形態3〕
上記実施形態の構成によれば、ペアリング処理を行う際に、操作対象装置200は、遠隔操作装置300にPINコード要求を送信し、遠隔操作装置300は、該PINコード要求に対してPINコードを送信する。そして、操作対象装置200において、PINコードの照合を行うことによって、ユーザの意図しない機器とペアリングが行われることを防いでいる。
本実施形態では、操作対象装置200は、ペアリング開始信号を受信したときに表示部204にパスキーを表示する。そして、表示されたパスキーを遠隔操作装置300のユーザが入力することによって認証が行われる。
したがって、操作対象装置200は、表示部204を見ることのできるユーザのみとペアリングを行うことができる。また、操作対象装置200は、表示部204に表示するパスキーを所定のタイミングで変更または無効とするので、パスキーを知得した第三者によって、操作対象装置200とのペアリングが行われることも防ぐことができる。
以下では、操作対象装置200が表示するパスキーを用いて認証を行う例について、図12から図14に基づいて説明する。なお、本実施形態における操作対象装置200及び遠隔操作装置300の構成は、上記実施形態と同様(図1、図2参照)である。
ただし、操作対象装置200の被操作側ペアリング実行部1が、パスキーを生成して出力するパスワード出力手段としての機能と、遠隔操作装置300から受信したパスキーと、生成して出力したパスキーとが一致するか否かを判断するパスワード照合手段としての機能とを有している点等が異なっている。
また、遠隔操作装置300の操作側ペアリング実行部12が、ユーザのパスキーの入力を受け付けて、入力されたパスキーを操作対象装置200に送信する機能を有している点等が異なっている。
図12は、本実施形態において操作対象装置200及び遠隔操作装置300が実行する処理の一例を示すフローチャートであり、図13は、図12の処理の際に遠隔操作装置300の表示部307に表示される画面例を示し、図14は、図12の処理の際に操作対象装置200の表示部204に表示される画面例を示している。
〔処理の流れ(遠隔操作装置300側)〕
まず、ペアリング開始部11は、接続開始操作の有無を確認する(S161)。上述のように、接続開始操作は、操作対象装置200の遠隔操作を開始するための入力操作である。ここで、接続開始操作が行われたことを確認した場合(S161でYES)には、ペアリング開始部11は、操作対象装置200の電源をONにする入力操作が行われるのを待ち受ける(S162)。
S162の処理を行うときには、ペアリング開始部11は、例えば図13(a)のような画像を表示部307に表示させる。図13(a)に示す画面の最上部には、「機器登録(1/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、1番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。なお、機器登録は、ペアリングのことを指す。
また、図示のように、画面の中央上側には、機器登録の開始をユーザに伝えると共に、ユーザに機器登録の相手となる操作対象装置200の電源が入っていることの確認を促すメッセージが表示されている。これは、操作対象装置200の電源が入っていない状態では、ペアリングを行うことができないためである。
さらに、図示のように、画面の中央下側には、テレビ(操作対象装置200)の電源をONにするための選択項目と、機器登録の次の工程に進むための選択項目とが表示されている。
ペアリング開始部11は、上記電源をONにするための選択項目を選択する入力操作を検出したとき(S162でYES)には、操作対象装置200の電源をONにするためのコマンドを生成し、操作側第1通信部301を介して送信する(S164)。そして、ペアリング開始部11は、S163の処理を終えると、S164の処理に進む。
一方、ペアリング開始部11は、次の工程に進むための選択項目を選択する入力操作を検出したときには、操作対象装置200の電源をONにする入力操作が行われなかった(S162でNO)と判断し、S163の処理を飛ばしてS164の処理に進む。
また、図示のように、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。ペアリング開始部11は、「戻る」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、S161の処理に戻って接続開始操作を待ち受ける。なお、この処理については、簡単のため図12には示していない。
S164では、ペアリング開始部11は、ユーザの所定の入力操作を検出したときに、操作側第1通信部301を介してペアリング開始信号を送信する。ペアリング開始部11は、例えば、図13(b)のような画像を表示部307に表示させることによって、ユーザの入力操作を促すようにしてもよい。
図13(b)の画面の最上部には、「機器登録(2/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、2番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、テレビ(操作対象装置200)にパスキー(上記実施形態におけるPINコードに対応)を表示する旨をユーザに伝えると共に、パスキーを表示するために、遠隔操作装置300を操作対象装置200に向けて「パスキー表示」ボタンを押すことを促すメッセージが表示されている。
さらに、図示のように、画面の中央下側には、「パスキー表示」との選択項目、すなわち「パスキー表示」ボタンと、機器登録の次の工程に進むための選択項目とが表示されている。また、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。
ペアリング開始部11は、上記「パスキー表示」ボタンを選択する入力操作を検出したときには、ペアリング開始信号を送信し、S165の処理に進む。一方、上記次の工程に進むための選択項目を選択する入力操作を検出したときには、ペアリング開始部11は、ペアリング開始信号を送信せずにS165の処理に進む。
また、図示のように、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。ペアリング開始部11は、「戻る」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、S162の処理に戻って図13(a)の画像を表示し、操作対象装置200の電源をONにする入力操作を待ち受ける。なお、この処理については、簡単のため図12には示していない。
続いて、ペアリング開始部11は、操作側ペアリング実行部12に機器検索の実行指示を送信する。機器検索とは、操作側第2通信部302とBluetooth通信が可能な機器を検索する処理である。機器検索によって、操作側第2通信部302とBluetooth通信が可能な機器のBluetooth通信アドレス及び当該機器の機種名(デバイス名)が取得される。
つまり、上記実施形態1及び2では、遠隔操作装置300は、操作対象装置200のアドレスを含む機器情報要求(図9のS51、S61、表5参照)によって、操作対象装置200のアドレスを取得していた。これに対し、本実施形態では、遠隔操作装置300は、機器検索において、自装置(遠隔操作装置300)のアドレス(機器情報)を含む機器情報要求を送信する。そして、該機器情報要求に対するレスポンスとして操作対象装置200が送信した操作対象装置200のアドレスを取得する。
無論、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、機器検索を行わずに機器情報要求のみを用いて操作対象装置200の通信アドレスを取得してもよい。また、上記実施形態において、機器検索等によって操作対象装置200の通信アドレスを取得するようにしてもよい。
ここで、ペアリング開始部11から機器検索の実行指示を受けた操作側ペアリング実行部12は、指示を受けた後すぐに機器検索を行ってもよいが、図13(c)に示すような画面を表示して、機器検索の可否をユーザに問い合わせてもよい。
図13(c)の画面の最上部には、「機器登録(3/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、3番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、テレビ(操作対象装置200)にパスキーが表示されていることをユーザに確認させると共に、これから機器検索を行うことをユーザに伝えるメッセージが表示されている。さらに、図示のように、画面の中央下側には、「開始」との選択項目が表示されており、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。
図示のような画面を表示してユーザの入力操作を受け付ける場合には、操作側ペアリング実行部12は、「開始」の選択項目を選択する入力操作を検出したときに、機器検索を行う(S165)。なお、操作側ペアリング実行部12は、「戻る」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、処理はS164に戻り、図13(b)の画面が再び表示される。この処理については、簡単のため図12には示していない。
機器検索には、ある程度の時間を要するので、操作側ペアリング実行部12は、機器検索を行っている間に、例えば図13(d)に示すような画面を表示して、ユーザが機器検索を中断することができるようにすることが好ましい。
図13(d)の画面の最上部には、「機器登録(4/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、4番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、登録機器(操作対象装置200)を検索中であることをユーザに伝えるメッセージが表示されている。さらに、図示のように、画面の中央下側には、「キャンセル」との選択項目が表示されており、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。
図示のような画面を表示してユーザの入力操作を受け付ける場合には、操作側ペアリング実行部12は、「キャンセル」の選択項目を選択する入力操作を検出したときに、機器検索を中断してS166の処理に進む。また、操作側ペアリング実行部12は、「戻る」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、S165の処理に戻り、図13(c)の画面を再び表示して、ユーザに機器検索の実行を促す。なお、この処理については、簡単のため図12には示していない。
機器検索が終了または中断されたときには、操作側ペアリング実行部12は、機器検索によって検出した機器の中から、ペアリングを行う相手機器をユーザに選択させる(S166)。機器を選択させるときには、例えば図13(e)に示すような画面を表示すればよい。
図13(e)の画面の最上部には、「機器登録(5/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、5番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、登録機器の候補が一覧表示されている。さらに、図示のように、画面の中央下側には、「再検索」との選択項目が表示されており、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。
図示のような画面を表示してユーザの入力操作を受け付ける場合には、操作側ペアリング実行部12は、一覧表示した機器の1つを選択する入力操作を検出したときに、当該機器がペアリングの相手機器として選択されたと判断し(S166でYES)、S167の処理に進む。
一方、「戻る」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、操作側ペアリング実行部12は、機器の選択が行われなかったと判断して(S166でNO)、S165の処理に戻る。これにより、再び図13(c)の画面が表示される。また、操作側ペアリング実行部12は、「再検索」の選択項目を選択する入力操作を検出したときには、再度機器検索を実行する(S165)。これにより、図13(d)の画面が再び表示される。なお、この処理については、簡単のため図12には示していない。
ペアリングの相手機器が選択されたときには、操作側ペアリング実行部12は、ユーザにパスキーを入力させる(S167)。パスキーを入力させるときには、例えば図13(f)に示すような画面を表示すればよい。
図13(f)の画面の最上部には、「機器登録(6/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、6番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、機器登録にはパスキーの入力が必要であることを示すと共に、パスキーの入力を促すメッセージが表示されている。さらに、図示のように、画面の中央下側には、パスキーを入力するためのテキストボックスが表示されており、画面の最下部には、「サブメニュー」との選択項目が表示されている。
図示のような画面を表示してユーザのパスキーを受け付ける場合には、操作側ペアリング実行部12は、表示したテキストボックスに対してパスキーの入力操作及び入力したパスキーの決定操作を検出したときに、パスキーが入力されたと判断し(S167でYES)、S168の処理に進む。
なお、「サブメニュー」の選択項目が選択されたことを検出した場合には、操作側ペアリング実行部12は、パスキー入力のためのサブメニューを表示する。サブメニューでは、例えばパスキーを入力するときの文字種別(カナ入力、アルファベット入力、数字入力等)を切り換えるための選択項目等が表示される。この処理については、簡単のため図12には示していない。
S168では、操作側ペアリング実行部12は、入力されたパスキーをS166で選択された機器に操作側第2通信部302を介して送信する。つまり、パスキーは、Bluetooth通信にて送信される。これは、上述のように、機器検索によってペアリング相手となる機器の通信アドレスが取得されるためである。
パスキーの送信後は、ユーザが操作を行わなくともペアリング処理が行われて機器登録がなされる。すなわち、操作側ペアリング実行部12は、機器情報要求受け入れモードに移行し(S169)、パスキーの送信先機器(この場合、操作対象装置200)とペアリング処理を行う。
ペアリング処理では、操作対象装置200がサービス情報要求を送信する(S55)ので、操作側ペアリング実行部12は、サービス情報要求を受信したか否かを確認する(S65)。サービス情報要求の受信が確認できない場合(S65でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、ペアリングを行わずに処理を終了する。この場合には、図7のS6に進み、S6でペアリング失敗と判断されて、S2の処理に戻る。
一方、サービス情報要求の受信を確認した場合(S65でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、操作側第2通信部302に指示して操作対象装置200に対してサービス情報を送信させる(S66)。続いて、操作側ペアリング実行部12は、機器検索を行った際に受信した操作対象装置200の機器情報(アドレス)を接続先格納部15に記憶してペアリング処理を終了する。なお、サービス情報及びサービス情報要求は、例えば表5に示すデータとすることもできる。
そして、ペアリング処理の終了後は、図7のS6の処理に進む。なお、遠隔操作装置300で行われるペアリング処理は、操作対象装置200のアドレスを取得して登録すると共に、遠隔操作装置300のアドレスを操作対象装置200に送信して登録させるものであればよく、この例に限られない。
図7のS6では、ペアリングの成否が確認されるが、操作側ペアリング実行部12は、このときに、例えば図13(g)のような画面を表示してもよい。図13(g)の画面の最上部には、「機器登録(7/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、7番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。また、図示のように、画面の中央には、機器登録を行った旨のメッセージが表示されている。
また、図13(g)の表示後、しばらく時間をおいて、操作側ペアリング実行部12は、例えば図13(h)のような画面を表示して機器登録の完了をユーザに知らせ、また遠隔操作装置300において登録した機器を管理するときに用いる名称を入力させるようにしてもよい。
図13(h)の画面の最上部には、「機器登録(8/8)」と表示されている。これにより、ユーザは、機器登録のための画面が表示されていること、及び8行程の処理のうち、8番目の行程の処理を行っていることを認識することができる。
また、図示のように、画面の中央上側には、登録機器の名称変更を促すメッセージと、名称を入力するためのテキストボックスとが表示されている。そして、このテキストボックスには、S166で選択された機器の機種名が表示されている。さらに、図示のように、画面の中央下側には、機器登録を完了することをユーザに伝えるメッセージと、「完了」との選択項目が表示されており、画面の最下部には、「戻る」との選択項目が表示されている。
図示のような画面を表示してユーザの入力操作を受け付ける場合には、操作側ペアリング実行部12は、テキストボックスに対する入力操作を検出したときに、ユーザに当該テキストボックスに表示される文字列の編集を行わせる。これにより、ユーザは、テキストボックスに所望の文字列を入力することができる。
そして、操作側ペアリング実行部12は、「完了」の選択項目を選択する入力操作を検出したときに、上記テキストボックスに表示されている文字列を、登録した機器の名称として記憶して、機器登録(ペアリング)を終了する。これにより、ユーザは、所望の名称で登録済み機器を管理することができる。
一方、S167において、パスキーの入力が確認されない場合には、操作側ペアリング実行部12は、パスキーを入力させる画面(例えば図13(f))を表示した後、所定の時間が経過したか否かを確認する(171)。
ここで、所定時間が経過していない場合(S171でNO)には、操作側ペアリング実行部12は、S167の処理に戻ってパスキーの入力を待ち受ける。一方、所定時間が経過している場合(S171でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、S165の処理に戻って機器検索を再度実行する。
なお、所定時間が経過している場合(S171でYES)には、操作側ペアリング実行部12は、ペアリング失敗と判断し、S164に遷移して図13(b)の画面を表示してもよい。
上記では、図7及び図9の例と同様に、操作対象装置200が遠隔操作装置300に機器情報要求を送信し、機器情報要求を受信した遠隔操作装置300が自装置の機器情報(通信アドレス)を操作対象装置200に送信する例について説明した。
しかしながら、遠隔操作装置300は、機器検索によって操作対象装置200の通信アドレスを取得することができるので、遠隔操作装置300が操作対象装置200に機器情報要求を送信するようにしてもよい。この場合には、機器情報要求受け入れモードに設定するS169の処理を省略することができる。
〔処理の流れ(操作対象装置200側)〕
次に、本実施形態において操作対象装置200が実行する処理の一例について、図12及び図14に基づいて説明する。なお、操作対象装置200の電源がOFFになっている場合には、図12のS181から処理が始まり、操作対象装置200の電源がONである場合には、図12のS182から処理が始まる。
操作対象装置200は、遠隔操作装置300から電源をONにするコマンドを受信すると、電源をONにし(S181)、放送を受信して出力する(S182)。なお、操作対象装置200は、S183以下の処理を行うときに電源がONになっていればよく、操作対象装置200の電源をONにする処理は特に限定されない。
操作対象装置200の電源がONになると、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング開始信号の受信を待ち受ける(S183)。ここで、ペアリング開始信号の受信が確認できない場合(S183でNO)には、S182の処理に戻る。すなわち、この場合には、放送が引き続き出力される。
一方、ペアリング開始信号の受信を確認した場合(S183でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、パスキーを生成して表示部204に表示させる(S184)。パスキーは、第三者に知得され難く、ユーザが入力しやすいものとすることが好ましい。例えば、ランダムに選択した4桁の数字をパスキーとして用いることもできる。
パスキーを表示させる画面は、例えば図14(a)のようにしてもよい。図14(a)の画面の最上部には、「機器登録」と表示されている。また、画面の中央部には、機器登録を行う旨、携帯電話機(遠隔操作装置300)で操作を行う必要がある旨、及びパスキーが表示されている。そして、画面の最下部には、「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録を終了する旨のメッセージが表示されている。
これにより、ユーザは、これから機器登録を行うこと、及び携帯電話機による操作で機器登録を行うこと、及び機器登録に必要なパスキーを認識することができる。また、操作対象装置200の本体または専用リモコンに設けられている「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録を終了することができることを認識することができる。
また、ペアリング開始信号の受信を確認した場合(S183でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、機器情報要求受け入れモードに移行する(S185)。そして、被操作側ペアリング実行部1は、遠隔操作装置300が機器検索を行ったときに送信される機器情報(遠隔操作装置300のアドレス)及び機器情報要求の受信を待ち受ける(S186)。
ここで、所定の時間内(たとえば30秒以内)に機器情報及び機器情報要求の受信が確認できない場合(S186でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、機器情報要求受け入れモードを解除する。そして、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を終了し、処理はS182に戻る。
このように、ペアリングが可能な期間を所定の時間内に制限することによって、操作対象装置200とユーザが意図しない電子機器とのペアリングが行われることを防ぐことができる。
一方、機器情報及び機器情報要求の受信を確認した場合(S186でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、被操作側第2通信部209に指示して操作対象装置200の機器情報(アドレス)を遠隔操作装置300に送信させる(S187)。
また、S184で表示したパスキーを見た遠隔操作装置300のユーザが、遠隔操作装置300にパスキーを入力すると、遠隔操作装置300から操作対象装置200にパスキーが送信される。そこで、被操作側ペアリング実行部1は、まず、パスキーを表示した後に、所定の時間が経過しているか否かを確認する(S188)。
ここで、所定の時間が経過していることが確認された場合(S188でYES)には、処理はS182に戻り、表示部204には再び受信した放送の映像が表示出力される。つまり、この場合には、S184で生成して表示したパスキーは無効となり、新たにペアリング開始信号の受信が確認されるまで、パスキーの生成は行われないことになる。
このように、所定の時間が経過している場合に、パスキーの表示を終了する理由は、パスキーを表示した後、パスキーを受信しないということは、ユーザに機器登録を行う意思がないと考えられ、また、パスキーを表示し続けることは、第三者にパスキーを知得する機会を与えることにも繋がるからである。上記所定の時間は、必要に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば5分程度とすることが適当である。
一方、S188において、所定の時間の経過が確認されるまでの間にパスキーを受信した場合(S188でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、受信したパスキーと表示したパスキーとの照合を行い、両者が一致するか否かを確認する(S189)。
ここで、受信したパスキーと表示したパスキーとが一致した場合、すなわちパスキーの照合に成功した場合(S189でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリング処理を行う。
すなわち、被操作側ペアリング実行部1は、まず、被操作側第2通信部209に指示して、遠隔操作装置300に向けてサービス情報要求を送信させ(S55)、サービス情報の受信を待ち受ける(S56)。なお、サービス情報及びサービス情報要求は、例えば表5に示すデータとすることもできる。
所定の時間内にサービス情報の受信が確認できない場合、または受信したサービス情報が適切ではない場合(S56でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、ペアリングを行わずに処理を終了する。上述のように、サービス情報の適否は、当該サービス情報に操作対象装置200が対応しているか否かによって判断される。
受信したサービス情報が適切である場合(S56でYES)には、被操作側ペアリング実行部1は、S186にて受信を確認した遠隔操作装置300の機器情報、及びS56にて受信を確認したサービス情報を記憶してペアリング処理を終了する(S57)。
そして、ペアリング処理の終了後、図7のS23の処理に進む。図7のS23において、ペアリングが成功したと判断したときには、被操作側ペアリング実行部1は、例えば図14(b)のような画面を表示して、機器登録(ペアリング)の成功をユーザに通知するようにしてもよい。
図14(b)の画面の最上部には、「機器登録」と表示されている。また、画面の中央部には、機器登録が完了した旨及び機器登録を行った相手機器の機種名が表示されている。そして、画面の最下部には、「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録を終了する旨のメッセージが表示されている。
これにより、ユーザは、機器登録が完了したことを確認することができると共に、自身の操作する遠隔操作装置300と機器登録が行われているか否かを確認することができる。また、操作対象装置200の本体または専用リモコンに設けられている「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録を終了することができることを認識することができる。
なお、操作対象装置200で行われるペアリング処理は、遠隔操作装置300のアドレスを取得して登録すると共に、操作対象装置200のアドレスを遠隔操作装置300に送信して登録させるものであればよく、この例に限られない。
一方、受信したパスキーと表示したパスキーとが一致しなかった場合、すなわちパスキーの照合に失敗した場合(S189でNO)には、被操作側ペアリング実行部1は、S184の処理に戻ってパスキーを再表示する。パスキーを再表示するときには、被操作側ペアリング実行部1は、パスキーを再度生成することが好ましい。
このように、パスキーの照合に失敗したときにパスキーを生成して、ユーザが入力すべきパスキーを変化させることにより、操作対象装置200の表示部204を見ていない第三者がパスキーを知得して操作対象装置200を操作する危険性を大幅に低減することができる。
パスキーの照合に失敗したときには、被操作側ペアリング実行部1は、例えば図14(c)のような画面を表示して、ユーザにパスキーの照合失敗をユーザに通知すると共に、新しいパスキーを提示するようにしてもよい。
図14(c)の画面の最上部には、「機器登録」と表示されている。また、画面の中央部には、機器登録が失敗した旨、及び機器登録には再度の機器登録操作が必要である旨を示すメッセージ、並びに新しく生成されたパスキーが表示されている。そして、画面の最下部には、「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録を終了する旨のメッセージが表示されている。
これにより、ユーザは、機器登録が失敗したことを認識することができると共に、機器登録には、再度機器登録の操作を行う必要があることを認識することができる。そして、再度機器登録を行うときに必要なパスキーを確認することができる。また、操作対象装置200の本体または専用リモコンに設けられている「メニュー」の選択項目を選択することによって機器登録の終了が可能であることを認識することができる。
なお、パスキーの照合に失敗した場合の処理は上記の例に限られない。例えば、被操作側ペアリング実行部1は、パスキーの照合に失敗した場合(S186でNO)に、表示していたパスキー(図14(a)参照)を無効として、S183に遷移し、ペアリング開始信号の受信待ちの状態となってもよい。
つまり、被操作側ペアリング実行部1は、パスキーの照合に失敗した場合(S186でNO)にも、パスキーを表示した後、所定時間内にパスキーの受信が確認されなかった場合(S188でYES)と同様に、新たにペアリング開始信号を受信するまで、パスキーの生成及び表示の処理(S184)を行わないようにしてもよい。
これにより、被操作側ペアリング実行部1は、パスキーの照合に失敗した後は、新たにペアリング開始信号を受信するまで、パスキーの生成を行わないことになり、ペアリングも行われないことになる。したがって、パスキーが解読される危険性を低減して、操作対象装置200のセキュリティを向上することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、遠隔操作装置300及び操作対象装置200の各ブロック、特に遠隔操作装置制御部306及び操作対象装置制御部203は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、遠隔操作装置300及び操作対象装置200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである遠隔操作装置300及び操作対象装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記遠隔操作装置300及び操作対象装置200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、遠隔操作装置300及び操作対象装置200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。