JP2009260724A - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】デジタル信号を取得する際のフィルタ処理により生じる画像の歪みを除去すること。
【解決手段】フィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、撮像信号と取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と、注目撮像画素値の予測に用いる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と、前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と、を備える画像処理装置を提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムに関する。
従来、実世界の光を撮像して画像信号を得る過程で生じる様々な信号の変化を、デジタル処理によって復元あるいは補正するための様々な技術が提案されている。例えば、下記特許文献1では、画像読取装置の個体差を考慮し、読取の際のエラーを最小化する画像処理装置が開示されている。下記特許文献2では、スキャナで読み取られた画像信号の放射ノイズレベルを低減して画像品質を向上させる技術が提案されている。
さらに、下記特許文献3では、例えば画像信号に含まれる動きボケを補正することのできる信号処理装置が開示されている。下記特許文献4では、デジタルスチルカメラのオートフォーカス機能により生じるボケを、真の値と観測値の関係を表すモデルを考慮して修正する画像信号処理装置が開示されている。
特開平11−266363号公報 特開2003−8845号公報 特開2001−250119号公報 特開2005−63097号公報
しかしながら、実世界の光を撮像して得られた画像信号に対してデジタル処理を行う場合には、処理の前提としてアナログ信号をデジタル信号へと変換(以下、AD変換という。)する際に、画像信号に歪みが生じる場合がある。例えば、AD変換におけるサンプリングに伴う折り返し雑音の遮断を目的として多くの撮像装置に実装されているアンチエイリアシングフィルタを通すことによって、画像中の境界部分の周辺にリンギングと呼ばれる歪みが発生することが知られている。
こうした画像信号の歪みは、実世界により近い画像を得るためのデジタル処理が用いるモデルに影響を与える。即ち、実世界の状況に即して定義されたモデルをAD変換後の画像信号に対して適用すると、前述の画像信号の歪みがモデルに対する誤差となり、期待されたデジタル処理の効果が得られないといった状況が生じ得る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、デジタル信号を取得する際のフィルタ処理により生じる画像の歪みを除去することのできる、新規かつ改良された画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と、前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と、前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と、前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と、を備える画像処理装置が提供される。
かかる構成によれば、入力手段は、実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する。検出手段は、入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する。そして、第1の構築手段は、前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する。さらに、係数取得手段は、前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する。そして、第1の演算手段により、取得された前記第1の予測係数と前記第1の予測タップの値との積和演算の結果、前記撮像信号に相当する第1の出力信号が生成される。
また、前記画像処理装置において、前記撮像信号は実世界の光から取得された原画像信号に対する積分効果により生成された信号であり、前記原画像信号のうちの注目原画素値の予測に用いる複数の撮像画素からなる第2の予測タップを、前記撮像信号に相当する前記第1の出力信号から構築する第2の構築手段と、前記第2の予測タップの値との積和演算により前記注目原画素値を予測するために前記撮像信号の生成時の積分効果のモデルに基づいて生成された第2の予測係数と前記第2の構築手段から出力された前記第2の予測タップの値との積和演算を行って、前記原画像信号に相当する第2の出力信号を生成する第2の演算手段と、をさらに備えてもよい。
また、前記係数取得手段は、前記特性パラメータに基づいて生成した前記撮像信号と前記取得信号との間の関係式、及び画像の近傍相関の性質に基づいて生成した拘束条件式を用いて、前記第1の予測係数を算出する係数生成手段であってもよい。
また、前記入力手段は、前記取得信号のヘッダに含まれる前記特性パラメータを取得してもよい。
また、前記検出手段は、前記特性パラメータと前記位相シフト量とを関連付けて保持しているテーブルから前記位相シフト量を取得して検出してもよい。
また、前記係数取得手段は、予め保持される撮像標本信号と前記特性パラメータとに基づいて前記撮像標本信号に対する取得信号に相当する取得標本信号を計算し、前記撮像標本信号と計算された前記取得標本信号とを用いて生成された方程式から前記第1の予測係数を算出する係数生成手段であってもよい。
また、前記入力手段は、利用者の操作に応じて前記特性パラメータを入力装置から取得してもよい。
また、前記検出手段は、予め保持される撮像標本信号と前記特性パラメータとに基づいて前記撮像標本信号に対する取得信号に相当する取得標本信号を計算し、前記取得標本信号を所定の画素数分シフトさせた複数のシフト済み信号のうち、前記撮像標本信号との間の差分が最小となるシフト済み信号に対応するシフトさせた画素数を、前記位相シフト量として検出してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、実世界の光を撮像して撮像信号を生成する撮像手段と、前記撮像手段により生成された前記撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と、前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と、前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と、前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と、を備える撮像装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力する入力ステップと、入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出ステップと、前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築ステップと、前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得ステップと、取得された前記第1の予測係数と前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算ステップと、を含む画像処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、画像処理装置を制御するコンピュータを、実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と、前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と、前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と、前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と、として機能させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、及びプログラムによれば、デジタル信号を取得する際のフィルタ処理により生じる画像の歪みを除去することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、実世界の光が撮像され、デジタルデータに変換された信号が取得されるまでの処理の概略を一例として示した模式図である。
図1を参照すると、実世界の被写体からの光が光学ローパスフィルタ10を経由して撮像部20に入力される。撮像部20は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサに該当する。本明細書では、光学ローパスフィルタ10を経由して撮像部20に入力される信号を、原画像信号と称する。
撮像部20に入力された原画像信号は、例えば撮像部20において電荷として蓄積され、アナログ形式の電気信号である撮像信号として出力される。その後、撮像部20から出力された撮像信号は、アンチエイリアシングフィルタ30に入力される。アンチエイリアシングフィルタ30は、デジタル変換時のサンプリングに伴う折り返し雑音を遮断するために使用されるフィルタである。アンチエイリアシングフィルタ30は、典型的にはアナログのローパスフィルタ(低域通過フィルタ)を用いて構成される。
アンチエイリアシングフィルタ30を通して取得されたアナログ信号は、AD変換部40によってサンプリングされ、デジタル信号に変換される。本明細書では、アンチエイリアシングフィルタ30を通した後に取得される画像信号を、取得信号と称する。
図2は、撮像部20の動作の一例として、CCDにより原画像信号が撮像信号に変換されて出力される様子を示した模式図である。図2には、9つの画素を有するCCDの動作が時系列的に6つの図(a)〜(f)に分けて示されている。
図2(a)を参照すると、CCDは、3×3の行列状に配置された9つの受光領域22、受光領域22の各列に隣接する3つの垂直転送部24、各垂直転送部24に接続される水平転送部26、及び水平転送部26に接続される増幅器28を有している。
このようなCCDの構成において、入力された原画像信号は、まず各受光領域22に電荷として蓄積される(図2(a))。次に、蓄積された電荷は垂直転送部24に移動される(図2(b))。その後、垂直転送部24の電荷が水平転送部26に向けて1行分ずつ移動される(図2(c))。そして、水平転送部26内の電荷が水平方向に移動され、増幅器28で増幅された上で出力される(図2(d))。続いて、次の1行分の電荷が水平転送部26に移動される(図2(e))。そして、水平転送部26内の電荷が同様に水平方向に移動され、増幅器28で増幅された上で出力される(図2(f))。
ここで見たように、CCDを用いて撮像部20を構成した場合、二次元の画像信号は一次元の水平方向の電気信号に変換された上で、撮像信号として出力される。また、例えばCMOSを用いて撮像部20を構成した場合にも、二次元の画像信号は同様に一次元の電気信号に変換された上で出力される。
図1に関連して述べたように、撮像部20から出力された一次元の電気信号である撮像信号は、AD変換器40に入力される前に、アンチエイリアシングフィルタ30によって処理される。このとき、フィルタ処理の結果として出力される取得信号に画像の歪みや劣化などが生じる場合がある。
図3は、アンチエイリアシングフィルタによる信号への影響の例を、等価なIIR(Infinite Impulse Response)フィルタを用いてシミュレーションした結果を示した説明図である。
図3(A)はIIRフィルタに入力された撮像信号、図3(B)はIIRフィルタが出力した取得信号を示している。図3(A)及び図3(B)の横軸は画素位置、縦軸は画素位置に対する画素値を表す。
図3(A)を参照すると、画素位置6〜8にかけて立下りエッジが存在する。この領域は、例えば実世界における被写体と背景の境界部分に該当する。これに対し、図3(B)を参照すると、立下りエッジから一定間隔を置いた画素位置10、11付近に、撮像信号には無い山の部分が存在している。これは、アンチエイリアシングフィルタと等価なIIRフィルタによって一部の周波数成分が除去されたことにより生じる、リンギングと呼ばれる画像の歪みである。
このような画像の歪みや劣化は、例えば取得信号を画像データとして拡大表示すると、利用者に視覚的に大きな歪みとして認知される。また、取得信号に対して原画像信号に近い画像を得るための補正処理などを行う際に、このような画像の歪みや劣化が存在していると、処理のモデルに誤差が生じ、期待された効果が得られないという状況が生じ得る。
そこで、以下に説明する本発明の第1〜第4の実施形態により、フィルタ処理に伴う画像の歪みや劣化を除去する。
〔1〕第1の実施形態
図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置100の構成の概略を示したブロック図である。図4を参照すると、画像処理装置100は、パラメータ入力部110及び画像処理部120を備える。
パラメータ入力部110は、画像処理部120に接続され、実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを、画像処理部120へ入力する。例えば、図1に示したように、撮像信号に対してアンチエイリアシング処理が施される場合には、アンチエイリアシングフィルタの特性を示す特性パラメータが、パラメータ入力部110から画像処理部120へ入力される。
ここで、アンチエイリアシングフィルタを例にとり、特性パラメータについて説明する。特性パラメータは、通常はカメラなどの撮像機器の部品の種類などから一意に決定される。
前述したように、アンチエイリアシングフィルタは、アナログのローパスフィルタである。そのため、デジタル処理においては、ローパスフィルタの特性に合わせた等価なIIRフィルタによって、アンチエイリアシングフィルタの特性を表すことができる。IIRフィルタの特性は、フィルタへ入力される撮像信号をA、フィルタから出力される取得信号をBとすると、式(1)によって表現される。
Figure 2009260724
ここで、nはIIRフィルタの次数、aは撮像信号Aに乗算される係数、bは再帰される取得信号Bに乗算される係数である。アンチエイリアシングフィルタでは、このような演算が、例えば図2に示した増幅器28から出力される撮像信号に対して、水平方向に順次行われる。
例えば、ローパスフィルタが、次数4、正規化されたカットオフ周波数0.5のバタワース型IIRフィルタで近似できるとすると、係数aは、a=0.0940、a=0.3759、a=0.5639、a=0.3759、a=0.0940となる。また、係数bは、b=0.0000、b=0.4860、b=0.0000、b=0.0177となる。なお、正規化されたカットオフ周波数とは、ナイキスト周波数を1としてフィルタの利得応答が√(1/2)となる周波数を指す。
図5に、次数4の場合の式(1)に基づくIIRフィルタの演算の様子を概略的に示している。図5(A)において水平方向に並べられた円形はそれぞれ、時系列でフィルタに入力される撮像信号Aを表している。一方、図5(B)において水平方向に並べられた円形はそれぞれ、フィルタでの演算の結果出力される取得信号Bを表している。時系列の各信号は、水平方向の左から右へ行くに従って新しい信号となる。
図5を参照すると、最新の取得信号Bは、最新の入力信号Aを含む過去5回分の撮像信号A(0≦i≦4)と、過去4回分の取得信号B(1≦i≦4)とを用いて、式(1)に従って計算されることが理解される。
図4の説明に戻ると、パラメータ入力部110は、このようなフィルタの特性を模した特性パラメータとして、IIRフィルタの次数n、正規化されたカットオフ周波数ω、撮像信号に対する係数a、及び取得信号に対する係数bを、画像処理部120へ入力する。
パラメータ入力部110は、例えば利用者から特性パラメータの入力を受け付ける手段であってもよい。例えば、画像処理装置100がボタンやスイッチ、キーボードなどの入力装置と液晶ディスプレイなどの表示装置とを有している場合には、特性パラメータを決定するための選択肢を表示装置に表示させ、一の選択肢を入力装置を介して利用者に選択させてもよい。
また、例えば特性パラメータを変えながら、後述する画像処理部120の処理結果として出力される画像を表示し、適切な画像を利用者に選択させてもよい。そうした場合には、特性パラメータが利用者にとって既知でない場合にも、適切な特性パラメータに基づいて処理された画像を得ることができる。
また、特性パラメータが利用者にとって既知である場合には、特性パラメータの値を利用者に入力させてもよい。このような選択肢または画像の表示、及び利用者による選択や情報の入力は、例えば後に説明する図30における出力部914または入力部912を介して行うことができる。
その代わりに、パラメータ入力部110は、例えば入力される取得信号のヘッダ領域に予め記録された特性パラメータを取得し、画像処理部120へ入力してもよい。例えば、図1に示したAD変換部40により取得信号がデジタル信号に変換された後、取得信号に特性パラメータを含むヘッダ領域を付加することができる。そうした場合には、画像処理装置100自体に利用者からの入力を受け付ける手段を設けなくても、画像処理装置100は特性パラメータ情報を取得することができる。ヘッダを利用した特性パラメータの入力については、後述する第4の実施形態においてさらに説明する。
一方、図4に示した画像処理部120は、入力信号としてAD変換後の取得信号を受け取り、前述の特性パラメータを用いて以下に詳述する一連の処理を行った後、出力信号を生成する。本実施形態における画像処理部120の出力信号は、アンチエイリアシングフィルタによる画像の歪みを除去して復元された撮像信号に相当するデジタル信号となる。
図6は、本実施形態に係る画像処理部120の詳細な構成を示したブロック図である。図6を参照すると、画像処理部120は、位相シフト量検出部130、予測タップ構築部150、係数生成部160、及び予測演算部180を備える。
位相シフト量検出部130は、パラメータ入力部110により入力される前述の特性パラメータに基づいて、撮像信号と、撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量sを検出して出力する。
ここで、位相シフトとは、時間軸上での一連の信号の移動を意味する。位相シフト量とは、そうした信号の移動量である。例えば、アナログ信号をローパスフィルタに通すと、フィルタ処理後の信号において、フィルタ処理前の信号との間で信号パターンに時間軸上でのずれが生じることが知られている。図2を用いて説明したように、本実施形態に係る画像処理部120に入力される撮像信号は、二次元の画像信号を一次元の電気信号に変換して時系列に取り出した信号である。そのため、本実施形態で扱う撮像信号と取得信号との間にも位相シフトが生じ、単純に式(1)に基づく信号の演算を行うだけでは正しい結果が得られない場合がある。そこで、本実施形態に係る画像処理部120では、撮像信号に施されたフィルタ処理による信号のずれを位相シフト量として検出し、検出した位相シフト量を考慮して信号を補正しながら演算を行う。
以下、図7〜図10を用いて位相シフト量検出部130の2つの構成例について説明する。
図7は、第1の構成例に係る位相シフト量検出部130aの構成を示したブロック図である。図7を参照すると、位相シフト量検出部130aは、標本信号保持部132、係数演算部134、シフト信号生成部136、差分演算部138、及び最小差分判定部140を備える。
標本信号保持部132は、位相シフト量検出部130aが有する記憶領域であって、任意の撮像信号のサンプル値である撮像標本信号IMaを保持している。標本信号保持部132は、位相シフト量の検出にあたり、撮像標本信号IMaを係数演算部134及び差分演算部138へ出力する。
係数演算部134は、標本信号保持部132から取得した撮像標本信号IMaに対し、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータを用いて前述の式(1)の計算を行って、撮像標本信号IMaに対する取得信号に相当する取得標本信号IMbを出力する。
シフト信号生成部136は、係数演算部134から出力された取得標本信号IMbについて、所定の画素数分だけ取得標本信号IMbの位相をシフトさせた複数のシフト済み信号IMb(d=1、2…)を生成する。ここで、所定の画素数分とは、例えば−5以上+5以下の画素数の範囲とすることができる。シフト信号生成部136において、−5以上+5以下の画素数の範囲でシフト済み信号を生成した場合、シフトされない信号も含めて11通りのシフト済み信号IMbが出力される。
また、シフト信号生成部136は、シフト済み信号IMbを差分演算部138に出力すると同時に、シフトさせた画素数s(d=1、2…)を最小差分判定部140へ出力する。このとき、例えばシフトさせたそれぞれの画素数sは、図5における水平方向(右方向)を正の方向とすると、正の方向に2画素シフトさせた場合は「2」、負の方向に2画素シフトさせた場合は「−2」などとなる。
差分演算部138では、標本信号保持部132から取得した撮像標本信号IMaと、シフト信号生成部136から出力された各シフト済み信号IMbとの間の差分値を計算する。差分演算部138にて計算される差分値としては、例えば各画像信号のうち注目画素の周囲の一定領域内の画素についての、画素値の差分絶対値総和などを用いることができる。差分演算部138は、そのように各シフト済み信号IMbについて計算した差分値v(d=1、2…)を、最小差分判定部140へ出力する。
最小差分判定部140は、シフト信号生成部136から出力されるシフトさせた画素数sと差分演算部138から出力される差分値vを一時的に対応付けて保持し、差分値vの最小値を判定する。そして、最小値であると判定された差分値vに対応するシフトさせた画素数sを、フィルタ処理により生じた位相シフト量sとして出力する。
なお、ここでは位相シフト量検出部130aにおいて撮像標本信号IMaを用いたが、撮像標本信号IMaは画像データでなくてもよい。例えば、位相シフト量を検出できるデータであれば任意の一次元データを撮像標本信号IMaとして用いてもよい。
図8は、第1の構成例に係る位相シフト量検出部130aによる位相シフト量検出処理の流れを示したフローチャートである。
図8を参照すると、まず係数演算部134が、標本信号保持部132から取得した撮像標本信号IMaについて、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータを用いて係数演算を行い、取得標本信号IMbを出力する(S804)。
次に、シフト信号生成部136により、取得標本信号IMbを所定の画素数分シフトさせた複数のシフト済み信号IMbが生成される(S808)。このとき、シフト済み信号IMbが差分演算部138へ出力されると同時に、シフトされた画素数sが最小差分判定部140へ出力される。
その後、差分演算部138により、シフト済み信号IMbについて撮像標本信号IMaとの差分計算が順次行われ、各シフト済み信号IMbに対応する差分値vが最小差分判定部140へ出力される(S812)。このとき、全てのシフト済み信号IMbについて差分計算が終了していれば処理はS820へ移動し、差分計算が終了していないシフト済み信号IMbが残っていれば処理はS808に戻って繰り返される(S816)。
そして、最小差分判定部140により、最も小さい差分値vの得られたシフトされた画素数sが、位相シフト量sとして検出、出力される(S820)。
第1の構成例に係る位相シフト量検出部130aによれば、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータに応じて、撮像標本信号を用いて位相シフト量を検出することができる。それにより、撮像信号に施されたフィルタ処理により生じた位相シフトを適宜補正しながら後述する撮像信号の予測処理を行うことで、予測の精度が向上される。
次に、図9は、第2の構成例に係る位相シフト量検出部130bの構成を示したブロック図である。図9を参照すると、位相シフト量検出部130bは、位相シフトテーブル142を備える。
位相シフトテーブル142は、フィルタの特性を表す特性パラメータと各フィルタにより生じる位相シフト量とを関連付けて保持する参照テーブルである。位相シフト量は、通常は特性パラメータが決まると一意に定まる。よって、パラメータ入力部110から入力される特性パラメータの候補が既知であれば、特性パラメータとそれに対応する位相シフト量とを関連付けて位相シフトテーブル142に保持しておくことが可能である。
図10は、位相シフトテーブル142の構成を示した説明図である。図10を参照すると、位相シフトテーブル142は、各列がフィルタ次数nの値、各行が正規化されたカットオフ周波数ωの値に対応する二次元の表形式で構成されている。図10の例では、フィルタ次数nとして4、5、6の3つの値、カットオフ周波数ωとして0.1単位で0.5〜0.8の4つの値が定義され、3×4=12通りの位相シフト量が保持されている。ここで例示した位相シフト量の値は、各フィルタ次数及びカットオフ周波数を有するバタワース型のIIRフィルタで近似されたフィルタによる位相シフト量である。
図9に示した第2の構成例に係る位相シフト量検出部130bは、パラメータ入力部110からの特性パラメータの入力を受け、図10に示した位相シフトテーブル142を参照し、入力された特性パラメータに対応する位相シフト量を取得して出力する。それにより、特性パラメータが入力される都度位相シフト量検出のための演算を行うことなく、位相シフト量を取得することができる。
なお、図7〜図10を用いて説明を行った2つの構成例を組み合わせて、位相シフト量検出部130を構成してもよい。例えば、入力された特性パラメータが既知のパラメータであった場合には第2の構成例に従って位相シフトテーブル142から位相シフト量を取得し、既知でないパラメータであった場合には第1の構成例に従って位相シフト量を計算してもよい。このとき、第1の構成例に従って計算した位相シフト量を位相シフトテーブル142に追加することにより、同じ特性パラメータが再度入力された場合に、位相シフト量を再計算することなく位相シフトテーブル142から位相シフト量を取得することができる。
次に、図6に戻り、本実施形態に係る画像処理部120の構成の説明を継続する。
予測タップ構築部150は、位相シフト量検出部130から出力される位相シフト量sを用いて取得信号xの位相をシフトさせ、撮像信号のうち注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる予測タップxを、位相シフトさせた取得信号から抽出して構築する。ここで、注目撮像画素値とは、撮像信号の予測を行う対象となる画素位置に対応した撮像信号の画素値を意味するものとする。
図11は、予測タップ構築部150における処理の様子を概念的に描いた模式図である。前述の式(1)から理解されるように、フィルタ処理を行った後の取得信号の各画素値は、当該画素の周囲に位置する画素値との間で相関を持つ。よって、注目撮像画素の周囲に位置する複数の画素値を用いて、注目撮像画素値の予測を行う。予測タップとは、こうした注目撮像画素値の予測に用いる複数の画素値の配列のことである。
図11の上部には、予め設定される予測タップの一例として、注目画素Bを中心とするB〜Bの7つの画素が示されている。予測タップの画素数は、典型的には予測タップ構築部150の内部で予め定義される。図11では予測タップの画素数を7としているが、予測タップの画素数は、これに限らず任意の値であってよい。
この予め設定される予測タップに対し、予測タップ構築部150は、前述の位相シフトを考慮して予測タップの構築を行う。例えば、位相シフト量検出部130から入力された位相シフト量s=−1であったとする。これは、撮像部20から出力された撮像信号が、フィルタ処理によって1画素分遅延して得られたことを意味する。そこで、予測タップ構築部150は、注目撮像画素値の予測に用いる予測タップを、予め設定される予測タップから1画素分先にシフトさせた上で抽出する。
図11を参照すると、図の下部には、予測タップ構築部150によって抽出される予測タップが示されている。ここでは、位相シフト量検出部130から入力された位相シフト量s=−1に基づいて、予め設定される予測タップB〜Bから1画素分先(図における右方向)にシフトされた予測タップB〜Bが抽出されている。
再び図6に戻り、本実施形態に係る画像処理部120の構成の説明を継続する。
係数生成部160は、予測タップ構築部150から出力される予測タップxとの積和演算により注目撮像画素値を予測するために用いられる予測係数wを、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量sに応じて生成して取得する。
以下、図12〜図15を用いて係数生成部160の2つの構成例について説明する。
図12は、第1の構成例に係る係数生成部160aの構成を示したブロック図である。係数生成部160aは、係数近似部162、拘束条件設定部164、行列生成部166、及び係数算出部168を備える。
係数近似部162は、パラメータ入力部110から入力されるフィルタの特性パラメータを用いて、取得画素値と撮像画素値との間の関係式の係数の近似値を算出する。
ここで、前述の式(1)に示したIIRフィルタの演算式を取得画素値B(i=1〜4)に適用すると、式(2)〜式(5)が導かれる。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
これらの式から、取得画素値Bを順次展開していくと、注目取得画素値Bを決定する項として、Bから負の方向に無限個の撮像画素値A(0≦i)が現れる。そこで、係数近似部162では、無限個の撮像画素値Aのうち、注目取得画素値Bに有意な影響を与える近傍の有限個の撮像画素値Aのみを用いて取得画素値Bを表すように、撮像画素値Aと取得画素値Bとの関係を近似する。
一例として、ここでは撮像画素値A(0≦i≦6)を用いて近似を行う。まず、取得画素値Bを順次展開して式(1)に代入すると、式(6)が導かれる。
Figure 2009260724
ここで、αとβは取得画素値Bを順次展開し式(1)に代入して得られる、各A及びBの項にかかる係数を一括して表す値である。さらにA(0≦i≦6)の項のみを抽出して近似することにより、式(7)が導かれる。
Figure 2009260724
ここで、係数a’(以下、近似係数という。)は、特性パラメータa、bに基づいて計算されるαを用いて、式(8)で表される。
Figure 2009260724
図13は、式(7)の近似式を概念的に表した模式図である。図13(A)には、例えばCCDなどに該当する撮像部20に電荷として蓄積された撮像信号の各画素値A(0≦i≦6)が示されている。図13(B)は、撮像信号の各画素値Aに掛けられる近似係数a’を、ゼロを基準とする棒グラフの形式で示している。図13(C)は、撮像信号の各画素値Aに係数a’を掛けて積算した結果得られる取得信号の画素値Bを示している。
なお、図13(B)に示しているように、近似係数a’は負の値をとる場合もある。よって、実際には図13のように全ての電荷を加算するわけではない。しかし、図13(C)では、説明の便宜上、全ての電荷を積み上げて表している。
図12に戻り、第1の構成例による係数生成部160aの説明を継続する。
行列生成部166は、係数近似部162で生成した近似係数a’を用いて、予測タップ構築部150から入力される予測タップxに含まれる画素数に応じて予測係数を算出するための行列式を作成する。
予測タップxに含まれる画素数をm、近似係数の数をkとすると、以下の式(9)で表される撮像信号と取得信号との間の関係式がm個成立する。
Figure 2009260724
ここで、lは0以上m−1以下の整数である。式(9)で表されるm個分の関係式を行列形式で表記すると、式(10)が導かれる。
Figure 2009260724
また、撮像信号の行列をA、近似係数の行列をa’、取得信号の行列をBとすると、式(10)で表された撮像信号と取得信号との間の関係式を、式(11)のように表すこともできる。
Figure 2009260724
行列生成部166は、式(10)または式(11)に示した行列式を生成する。しかし、この関係式を解くためには、方程式の次数が不足している。そこで、さらに拘束条件設定部164において、Aを算出するための拘束条件式を設定し、不足している方程式の次数を補う。
拘束条件設定部164は、係数近似部162から入力される近似係数の数k及び予測タップxに含まれる画素数mから、以下に説明する撮像画素値Aについての拘束条件式を設定する。拘束条件式としては、撮像画素値Aに所定の拘束条件係数cを乗算し、それらの和または差を用いて定義される関係式を用いるのが好適である。拘束条件式は、撮像画素値Aの画素間の適切な関係を表す式であれば任意のものを用いてよいが、ここでは、画像の近傍相関の性質を表す式を用いる例について説明する。
画像の近傍相関の性質を表す式として、例えば、隣り合う画素の画素値は等しいことを表す式(12)の関係式を用いることができる。
Figure 2009260724
式(12)を行列形式で表記すると、次式が導かれる。
Figure 2009260724
または、画像の近傍相関の性質を表す式として、例えば、隣り合う画素間の変化量は一定であることを表す式(14)の関係式を用いてもよい。
Figure 2009260724
式(14)を行列形式で表記すると、次式が導かれる。
Figure 2009260724
さらに、後述する係数算出部168において、予測係数を算出する際に拘束条件式の影響を調整し得るようにするために、式(13)または式(15)の代わりに式(16)または式(17)を用いてもよい。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
式(16)または式(17)を用いた場合、拘束条件式の影響を強くする場合にはwを大きい値に、拘束条件式の影響を弱くする場合にはwを小さい値に設定する。
これら拘束条件式の左辺をO、拘束条件係数の行列をc、撮像信号の行列をAとすると、式(13)、式(15)、式(16)または式(17)を次式のように表すことができる。
Figure 2009260724
拘束条件設定部164は、式(18)の行列式を拘束条件式として行列生成部166へ出力する。
再び図12に戻り、第1の構成例による係数生成部160aの説明を継続する。
行列生成部166は、式(10)または式(11)に示した撮像信号と取得信号との間の関係式、及び式(18)に示した拘束条件式を組み合わせて以下の式(19)を生成する。
Figure 2009260724
式(19)は、撮像信号と取得信号との間の関係式で不足していた次数が拘束条件式によって補われたことにより、予測係数の解を求めるために十分な次数を有する。行列生成部166の生成した式(19)は、係数算出部168へ出力される。
係数算出部168は、行列生成部166から出力された式(19)を解くことにより、取得信号から撮像信号を予測するための予測係数を算出する。
式(19)を式(20)のように表すと、予測係数は、式(21)のEを最小とする係数として求めることができる。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
式(21)のEを最小とする係数は、式(22)を満たす値として算出することができる。
Figure 2009260724
よって、予測係数を各要素とする予測係数行列Wは、式(23)のように算出される。
Figure 2009260724
ここで、tは行列の転置、−1は行列の逆行列を表す。さらに、式(19)、式(20)及び式(23)より次式が導かれる。
Figure 2009260724
即ち、予測係数行列Wは、撮像信号の画素値を表す行列Aの全ての要素を、取得信号の画素値を表す行列Bから予測するための係数を与える行列である。予測係数行列Wの第1行目は撮像画素値Aを予測する係数、第2行目は撮像画素値Aを予測する係数、以下、第i行目は撮像画素値Ai−1を予測する係数となる。
このように算出した予測係数行列Wから、係数算出部168は、予測タップ構築部150により構築された予測タップの注目画素位置に対応する予測係数wを抽出し、係数生成の結果として出力する。なお、予測係数行列Wからの予測係数wの抽出時には、位相シフト量検出部130から出力される位相シフト量sが考慮される。例えば、図11に示したように位相シフト量s=−1である場合には、水平方向の右端の画素から4番目のBが注目画素の位置となるため、予測係数行列Wの第4行目の係数が予測係数wとして出力される。
図14は、第1の構成例に係る係数生成部160aによる係数生成処理の流れを示したフローチャートである。
図14を参照すると、まず係数近似部162により、撮像信号と取得信号との間の関係式の近似係数が、特性パラメータに基づいて生成される(S1404)。
次に、拘束条件設定部164により、係数近似部162から入力される近似係数の数及び予測タップに含まれる画素数から、S1404で生成した関係式の次数を補うための拘束条件式が生成される(S1408)。
その後、行列生成部166により、S1404で生成された近似係数を用いる撮像信号と取得信号との間の関係式と、S1408で生成された拘束条件式とを用いて、予測係数算出用の行列式が生成される(S1412)。
そして、係数算出部168において、S1412で生成された行列式を解くことにより予測係数行列が算出され、注目撮像画素値を計算するための予測係数が抽出、出力される(S1416)。
ここまで、図12〜図14を用いて係数生成部160の第1の構成例について説明を行った。係数生成部160の第1の構成例によれば、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータに基づいて生成した撮像信号と取得信号との間の関係式、及び画像の近傍相関の性質に基づいて生成した拘束条件式を用いて、注目撮像画素値を予測するための予測係数を計算して取得することができる。
次に、図15及び図16を用いて、係数生成部160の第2の構成例について説明する。図15は、第2の構成例に係る係数生成部160bの構成を示したブロック図である。係数生成部160bは、標本信号保持部170、係数演算部172、予測タップ抽出部174、正規方程式生成部176、及び係数算出部178を備える。
標本信号保持部170は、係数生成部160bが有する記憶領域であって、任意の撮像信号のサンプル値である撮像標本信号INaを保持している。標本信号保持部170は、予測係数の生成にあたり、撮像標本信号INaを係数演算部172及び正規方程式生成部176へ出力する。
係数演算部172は、標本信号保持部170から入力された撮像標本信号INaに対し、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータを用いて前述の式(1)で表されるフィルタ演算を行う。そして、係数演算部172は、撮像標本信号INaに対する取得信号に相当する取得標本信号INbを予測タップ抽出部174へ出力する。
予測タップ抽出部174は、図11を用いて説明した予測タップ構築部150の処理と同様にして、取得標本信号INbから係数生成用の予測タップを抽出し、正規方程式生成部176へ出力する。
なお、予測タップ抽出部174において取得標本信号INbから係数生成用の予測タップを抽出する代わりに、位相シフト量sに応じて係数演算部172から出力される取得標本信号INbの位相を元に戻してもよい。その場合には、予測タップ構築部150において構築された予測タップxの位相も元に戻すことが必要となる。
正規方程式生成部176は、標本信号保持部170から入力された撮像標本信号INaと予測タップ抽出部174から入力された係数生成用の予測タップを用いて、以下の予測式を生成する。
Figure 2009260724
ここで、Aは撮像標本信号INaの注目画素位置kにおける画素値、Bkiは取得標本信号INbから抽出された係数生成用の予測タップiの注目画素位置kにおける画素値、mは予測タップに含まれる画素数、wは予測係数を表す。そして、予測式の生成に用いる画素数をNとすると、予測係数wは式(26)のEを最小とする係数として求めることができる。
Figure 2009260724
式(26)のEを最小とする係数は、式(27)を満たす値として算出することができる。
Figure 2009260724
式(26)を展開すると、次に示す式(28)及び式(29)を用いて、式(30)が導かれる。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
式(30)は、一般に正規方程式と呼ばれる方程式である。正規方程式生成部176は、式(30)に示した正規方程式を生成し、係数算出部178へ出力する。
係数算出部178は、正規方程式生成部176から入力された式(30)の正規方程式を、掃き出し法(ガウスの消去法またはガウス−ジョルダンの消去法)などによりwについて解き、予測係数wを出力する。
図16は、第2の構成例に係る係数生成部160bによる係数生成処理の流れを示したフローチャートである。
図16を参照すると、まず係数演算部172が、標本信号保持部170から取得した撮像標本信号について、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータを用いて係数演算を行い、取得標本信号を出力する(S1604)。
次に、予測タップ抽出部174により、係数演算部172から入力された取得標本信号の中から予測係数の算出に用いる予測タップが抽出される(S1608)。
その後、正規方程式生成部176により、標本信号保持部170から取得された撮像標本信号とS1608で取得標本信号から抽出された予測タップとを用いて、予測係数算出用の正規方程式が生成される(S1612)。
そして、係数算出部178において、S1612で生成された正規行列式を解くことにより予測係数行列が算出され、注目撮像画素値を計算するための予測係数が取得、出力される(S1616)。
ここまで、係数生成部160の第2の構成例について説明を行った。係数生成部160の第2の構成例によれば、予め保持される撮像標本信号とパラメータ入力部110から入力された特性パラメータとに基づいて、撮像標本信号に対する取得信号に相当する取得標本信号が計算される。そして、撮像標本信号と計算された取得標本信号から抽出される予測タップとを用いて生成された方程式から、撮像画素値を予測するための予測係数が計算して取得される。
再び図6に戻り、本実施形態に係る画像処理部120の構成の説明をさらに継続する。
係数生成部160により取得された予測係数wは、予測演算部180へ入力される。予測演算部180は、入力された予測係数wと予測タップxとの間で積和演算を行って、撮像信号に相当する出力信号yを生成する。予測演算部180における積和演算は、次式で表される。
Figure 2009260724
ここで、yは出力信号の注目画素位置kにおける画素値、xkiは取得信号から構築された注目画素位置kの予測タップのi番目の画素値、mは予測タップに含まれる画素数、wは予測係数を表す。
式(31)の結果生成された出力信号Yは、本実施形態に係る画像処理部120の処理結果として、予測演算部180から出力される。
図17は、本実施形態に係る画像処理部100の処理の流れを示したフローチャートである。
図17を参照すると、まずパラメータ入力部110から画像処理部120へ撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータが入力される(S1704)。
次に、位相シフト量検出部130により、パラメータ入力部110から入力された特性パラメータに基づいて、撮像信号と、撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量が検出される(S1708)。ここで検出された位相シフト量は、予測タップ構築部150及び係数生成部160へ出力される。
その後、予測タップ構築部150により、撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる予測タップが、位相シフトされた取得信号から構築される(S1712)。ここで構築された予測タップは、係数生成部160及び予測演算部180へ出力される。
さらに、係数生成部160により、注目撮像画素値を予測するための予測係数が、特性パラメータ及び位相シフト量に応じて生成、取得される(S1716)。ここで取得された予測係数は、予測演算部180へ出力される。
そして、予測演算部180において、係数生成部160によって取得された予測係数と予測タップ構築部150から出力された予測タップとの間の積和演算により、注目撮像画素値が算出される(S1720)。
このとき、全ての注目撮像画素について処理が終了していなければ、次の注目撮像画素に対してS1720の処理が繰り返される(S1724)。全ての注目撮像画素について処理が終了していれば、本実施形態に係る画像処理部100の処理は終了する。
ここまで、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置100について説明を行った。第1の実施形態に係る画像処理装置100によれば、画像処理装置100に入力される特性パラメータに基づいて取得信号から撮像信号を予測して出力することにより、撮像信号に施されたフィルタ処理により生じる画像の歪みを除去することができる。
なお、通常は、画像処理装置100に入力される取得信号の内容が変わったとしても、フィルタの種類が変わらなければ、取得信号から撮像信号を予測するための予測係数は変化しない。そのため、以下に本発明の第2の実施形態として説明するように、一旦生成した予測係数を記憶しておき、フィルタの種類が変わらない場合には記憶されている予測係数を適宜取得して撮像信号の予測に用いることもできる。
〔2〕第2の実施形態
図18は、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置200の構成の概略を示したブロック図である。図18を参照すると、画像処理装置200は、パラメータ入力部110及び画像処理部220を備える。
パラメータ入力部110は、画像処理部220に接続され、第1の実施形態と同様に、フィルタ処理の特性を示す特性パラメータを、画像処理部220へ入力する。
画像処理部220は、パラメータ入力部110から入力される特性パラメータを用いて、取得信号xから予測した撮像信号に相当する出力信号yを生成する。
図19は、本実施形態に係る画像処理部220の詳細な構成を示したブロック図である。図19を参照すると、画像処理部220は、位相シフト量検出部130、予測タップ構築部150、予測演算部180、係数算出部290、記憶部292、及び係数取得部294を備える。以下、各構成要素について、第1の実施形態に係る画像処理部120の構成要素と異なる部分を中心に説明を行う。
係数算出部290は、予測タップ構築部150から出力される予測タップxとの積和演算により注目撮像画素値を予測するために用いられる予測係数wを、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量sに応じて生成する。係数算出部290による予測係数の生成は、図12〜図14を用いて説明した係数生成部160の第1の構成例に基づく方法、または図15及び図16を用いて説明した係数生成部160の第2の構成例に基づく方法によって行うことができる。そして、係数算出部290は、いずれかの方法により生成した予測係数wを、予測演算部180へ出力する代わりに、記憶部292の所定の記憶領域へ格納する。
記憶部292は、任意の記憶領域であって、例えばフラッシュメモリやハードディスクなどの記憶手段により構成される。記憶部292には、係数算出部290により算出された予測係数が、例えば特性パラメータと対応付けて格納される。なお、記憶部292は、後に説明する図30の記憶部916と同一の記憶領域であってもよい。
係数取得部294は、取得信号xから撮像信号に相当する出力信号yを予測演算する際に、使用すべき予測係数を記憶部292を参照して取得する。使用すべき予測係数とは、例えば入力された特性パラメータと対応付けて記憶部292に格納された予測係数などである。その代わりに、記憶部292に算出された最新の予測係数のみを格納し、係数取得部294では当該最新の予測係数を取得するようにしてもよい。
図20は、本実施形態に係る係数算出部290による係数算出処理の流れを示したフローチャートである。
図20を参照すると、まずパラメータ入力部110から特性パラメータが入力される(S2004)。次に、位相シフト量検出部130によって特性パラメータから検出された位相シフト量が取得される(S2008)。その後、図14または図16を用いて説明した係数生成が実行され、取得信号から撮像信号を予測するための予測係数が算出される(S2012)。そして、算出された予測係数が記憶部294に格納される(S2016)。
このような係数算出処理は、取得信号が入力される都度ではなく、特性パラメータに変更が生じた時点で一度行えばよい。
その後、画像処理装置200に取得信号xが入力されると、係数取得部294によって、事前に算出された予測係数が記憶部292から取得され、各撮像画素値を計算して出力する予測演算処理が行われる。
図21は、本実施形態に係る画像処理装置200による予測演算処理の流れを示したフローチャートである。
図21を参照すると、まずパラメータ入力部110から特性パラメータが入力される(S2104)。そして、特性パラメータに変更が生じたかどうかが判定される(S2108)。このとき、特性パラメータに変更が生じていれば、図20を用いて説明した係数算出部290による係数算出処理が再度実行され、新しい予測係数が記憶部292に格納される。
その後、係数取得部294により、予測係数が記憶部292から取得される(S2116)。また、位相シフト量検出部130によって位相シフト量が計算され、または位相シフトテーブルから取得される(S2120)。さらに、予測タップ構築部150によって、取得信号から位相シフト量を考慮した予測タップが構築される(S2124)。
そして、予測演算部180において、係数取得部294によって取得された予測係数と予測タップ構築部150から出力された予測タップとの間の積和演算により、注目撮像画素値が算出される(S2128)。
このとき、全ての注目撮像画素について処理が終了していなければ、次の注目撮像画素に対してS2128の処理が繰り返される(S2132)。全ての注目撮像画素について処理が終了していれば、本実施形態に係る画像処理部200による予測演算処理は終了する。
ここまで、図18〜図21を用いて、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置200について説明を行った。第2の実施形態に係る画像処理装置200によれば、特性パラメータに変更が生じた時点で算出した予測係数を記憶しておくことにより、取得信号が入力される都度撮像信号を予測するための予測係数を生成する処理を行う必要が無くなり、画像処理に掛かる負荷が軽減される。
〔3〕第3の実施形態
これまで説明を行った第1及び第2の実施形態では、撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータに基づいて取得信号から予測された出力信号が、画像処理装置100または200から出力される。これら出力信号は、取得信号からフィルタ処理による画像の歪みを除去して復元された撮像信号に相当し、実世界の状況に即して定義されたモデルに基づく様々な画像処理に適している。そこで、第3の実施形態として、さらに撮像信号から原画像信号を予測する第2の予測演算処理を行う画像処理装置について説明する。
図22は、第3の実施形態において処理の対象とする範囲を表した模式図である。図22を参照すると、図1を用いて説明した実世界の光が撮像されてデジタル信号が取得されるまでの処理の概略があらためて示されている。
さらに、図22の下部には、第1の予測演算処理及び第2の予測演算処理を表す2つの矢印が示されている。このうち、第1の予測演算処理は、これまでに説明した第1及び第2の実施形態における予測演算処理に該当し、取得信号から撮像信号を予測するものである。一方、第2の予測演算処理は、撮像信号に相当する第1の予測演算処理の出力信号(第1の出力信号)から、撮像部20に入力される原画像信号を予測するものである。第3の実施形態では、このような第1及び第2の予測演算処理を行い、原画像信号に相当する第2の出力信号を最終的に出力する。
図23は、本実施形態に係る画像処理装置300の構成の概略を示したブロック図である。図23を参照すると、画像処理装置300は、パラメータ入力部110、第1の画像処理部120、及び第2の画像処理部320を備える。
パラメータ入力部110は、第1の実施形態と同様に、フィルタ処理の特性を示す特性パラメータを、第1の画像処理部120へ入力する。
第1の画像処理部120は、第1の実施形態において説明した画像処理部120と同一の処理部である。即ち、第1の画像処理部120は、パラメータ入力部110から入力される特性パラメータに基づいて取得信号xから撮像信号に相当する信号を予測演算により生成し、第1の出力信号yとして出力する。なお、画像処理装置300の構成は、図23に示した構成に限定されない。例えば、第2の実施形態に係る画像処理部220を、本実施形態の第1の画像処理部120の代わりに用いてもよい。
第2の画像処理部320は、第1の画像処理部120から出力される第1の出力信号yに対し、原画像信号を予測するための後述するモデルに基づく第2の予測演算を行った後、第2の出力信号zを出力する。図22を用いて説明したように、第2の出力信号zは、撮像信号に相当する第1の出力信号yから予測される、原画像信号に相当する信号である。
ここで、図24及び図25を用いて、第2の画像処理部320における第2の予測演算処理で扱う、デジタルスチルカメラのオートフォーカス機能によるボケを修正するためのモデルについて説明する。
デジタルスチルカメラのオートフォーカス機能によるボケとは、利用者が本来撮影したい被写体ではなく背景にフォーカスが合った状態で撮影が行われた結果、被写体のエッジが不鮮明な状態の撮像信号が得られる現象のことである。こうしたボケにおいて、撮像信号からボケの無い原画像信号を予測する場合には、ボケによる積分効果のモデルが利用される。
図24は、オートフォーカス機能によるボケの積分効果を表す模式図である。図12(A)には、光学ローパスフィルタ10を経由して撮像部20に入力される原画像信号Z(0≦i≦6)が示されている。図24(B)には、注目撮像画素値が決まる際の近傍の画素値の寄与の重みを表す係数uが、ゼロを基準とする棒グラフの形状で示されている。ここでの注目画素は、図24(A)の画素列の中央にあたるi=3の画素である。
図24(c)には、原画像信号Zと係数uの積和によって与えられる注目撮像画素値Aが示されている。図24(c)から理解されるように、オートフォーカス機能によるボケが生じた場合、フォーカスが被写体の前後にずれることにより、ボケの生じた撮像画素値は、近傍の原画像信号の画素値に所定の係数で表される重みを掛けて積算した値となる。これは、撮像時の空間的な積分効果の一種である。
なお、図24では便宜的に一次元の画素列を用いて説明を行っているが、ボケのモデルにおいては、実際には二次元の受光面上で注目画素から近傍に位置する画素値が、当該注目撮像画素値に寄与する。
図25は、二次元平面上での撮像信号と原画像信号との間の関係を表す模式図である。図25を参照すると、二次元平面がx軸とy軸によって表現されている。ここで、xy座標によって表される各マスは、撮像部20における各受光領域に該当する。
図25に示した二次元の受光面を有する撮像部20においてオートフォーカス機能によるボケが生じると、撮像信号の画素値Axyは、例えば近傍の5×5=25個分の原画像信号の画素値Zxyによって決定される。
図25の例では、例えば撮像信号の画素値A22は、Z44を含む枠aに囲まれた25個の原画像信号の画素値から決定される。同様に、例えば原画像信号の画素値Z44を撮像信号から予測する際には、A22を含む枠bに囲まれた25個の撮像信号の画素値を考慮すべきことも理解される。
図24及び図25に示したボケのモデルに基づく撮像信号と原画像信号の関係は、例えば式(32)〜式(35)により表される。なお、ここでは予測タップとして8×8=64個(x方向8個×y方向8個)の画素が用いられている。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
ここで、Aは二次元の撮像信号を行ごとに取り出して一列に並べた列ベクトル、Wは注目画素からの相対位置で表される画素ごとの係数行列、Zは注目画素からの相対位置で表される原画像信号の画素値行列である。
式(35)において、係数行列Wの逆行列を求めることができれば、撮像信号から原画像信号を予測することができる。即ち、ボケの発生した撮像信号を修正してボケの無い原画像信号を得ることができる。
しかしながら、式(32)〜式(35)に示した行列式は、撮像信号の画素数に対して原画像信号の画素数が多く、このままでは逆行列を求めることができない。そこで、原画像信号の予測においても、前述の画像の近傍相関の性質を利用した拘束条件式を導入することにより、不足する行列式の次数を補う。
画像の近傍相関の性質を利用した拘束条件式としては、例えば式(36)〜式(39)により表される関係式を用いることができる。
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
Figure 2009260724
これらは、二次元平面において上下左右方向に隣り合う画素値は等しいとする関係式である。ここで、係数U〜Uは、式(36)〜式(39)の各拘束条件の影響を調整し得るようにするために導入される係数である。これら係数U〜Uの値は、例えば前述の特許文献4において開示された手法により適宜設定される。
このように、式(35)の関係式に加えて式(36)〜式(39)の拘束条件式を導入することにより、式(40)に示される係数行列Wの逆行列W −1を求めることが可能となる。
Figure 2009260724
本実施形態に係る第2の画像処理部320では、このような積分効果のモデルに基づいて、前述の原画像信号に相当する第2の出力信号を生成する。
図26は、第2の画像処理部320の構成を示したブロック図である。図26を参照すると、第2の画像処理部320は、第2の予測タップ構築部350、記憶部360、第2の係数取得部370、及び第2の予測演算部380を備える。
第2の予測タップ構築部350は、撮像信号に相当する第1の出力信号yから、原画像信号のうちの注目原画素値の予測に用いられる複数の画素を抽出し、第2の予測タップAを構築する。
記憶部360は、予め計算された予測係数行列W −1を記憶している記憶領域である。予測係数行列W −1は、第2の予測タップAの値との積和演算によって注目原画素値を予測するために、前述の積分効果のモデルに基づいて計算される。
第2の係数取得部370は、原画像信号の予測に際し、記憶部360に記憶されている予測係数行列W −1を取得する。そして、第2の係数取得部370は、予測係数行列W −1の中から注目原画素値の予測に用いられる行を第2の予測係数wとして抽出し、第2の予測演算部380に出力する。
第2の予測演算部380は、第2の係数取得部370から出力された第2の予測係数wと、第2の予測タップ構築部350から出力された第2の予測タップAの値との積和演算を行って、原画像信号に相当する第2の出力信号zを生成、出力する。
図27は、本実施形態に係る第2の画像処理部320による予測演算処理の流れを示したフローチャートである。
図27を参照すると、まず係数取得部370により、第2の予測係数が記憶部360から取得される(S2704)。次に、第2の予測タップ構築部350によって、撮像信号に相当する第1の出力信号から第2の予測タップが構築される(S2708)。そして、第2の予測演算部380において、取得された第2の予測係数と構築された第2の予測タップとの間の積和演算により、注目原画素値(注目画素における原画像信号の画素値)が算出される(S2712)。
このとき、全ての注目原画素値について処理が終了していなければ、次の注目原画素に対してS2712の処理が繰り返される(S2716)。全ての注目原画素について処理が終了していれば、本実施形態に係る第2の画像処理部320による予測演算処理は終了する。
ここまで、図22〜図27を用いて、本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置300について説明を行った。第3の実施形態に係る画像処理装置300によれば、取得信号から撮像信号に相当する第1の出力信号が生成された後、さらに積分効果のモデルに基づいて原画像信号に相当する第2の出力信号が生成される。このとき、第1の画像処理部120において、例えば図3を用いて説明したリンギングなどの画像の歪みが除去されているため、積分効果のモデルの誤差が低減され、第2の画像処理部320による原画像信号の予測処理の精度を向上させることができる。
なお、第3の実施形態に係る画像処理装置300において扱うことのできる積分効果のモデルは、前述のオートフォーカス機能によるボケのモデルに限られない。例えば、被写体または撮像者が移動しながら撮像を行った場合に生じる動きボケについても、これを積分効果のモデルで表現することができる。
図28は、動きボケの積分効果を表す模式図である。図28(A)には、被写体が、時刻t=1〜5の時間において、画素位置i=1〜fで表される受光面内を移動した場合の、撮像部20に入力される原画像信号Zitの変化の様子が示されている。図28(A)の各画素を表すマスの内部に示された文字“F”は、当該画素に前景(即ち被写体)が映っていることを表している。一方、文字“B”は、当該画素に背景が映っていることを表している。
図28(A)において、時刻t=1の時点で画素位置i=3〜7に映っていた被写体は、時刻が1進むごとに、画素位置の正の方向(図の右方向)に1ずつ移動し、時刻t=5の時点では画素位置i=7〜bに位置している。このとき、例えば撮像部20において時刻t=1〜5の間に渡って露光が行われると、図28(A)に示した同一画素位置の時間軸上の5つの画素の画素値の平均が、撮像の結果得られる撮像画素値となる。
図28(B)には、そのようにして得られた撮像信号の各画素値Aを、画素値の大きさを示す棒グラフで示している。なお、ここでは便宜的に、前景の原画像信号の画素値Zit=F、背景の原画像信号の画素値Zit=0としている。
図28(B)を参照すると、露光時間の間常に前景が映っていた画素位置i=7では、撮像信号の画素値A=Fとなっている。これに対し、露光時間の間に被写体が移動して前景と背景が写り込んだ画素位置i=7の周囲の画素(3≦i≦6及び8≦i≦b)では、撮像画素値は、0以上F未満の中間的な値となっている。図28(B)における撮像信号の各画素値Aは、次式で与えられる。
Figure 2009260724
式(41)で表された動きボケは、撮像時の時間的な積分効果の一種である。しかしながら、図28(A)から理解されるように、動きボケの生じた状況において、任意の時刻での原画像信号の画素値は、その前後の時刻に近傍の他の画素に入力される画素値にほぼ等しいと言える。例えば、時刻t=5、画素位置i=7における原画像信号の画素値Z75は、移動した被写体の左端部にあたる画素値Z64、Z53、Z42、及びZ31と等しい。よって、動きボケについても、撮像信号の複数の画素から予測タップを構築し、所定の予測係数と予測タップの画素値との積和演算を行うことにより、動きボケを除去した原画像信号に相当する出力信号を得ることができる。
このとき、フィルタ処理に伴うリンギングなどの画像の歪みを含む取得信号から予測した撮像信号に対して動きボケの除去処理を行うと、前述の動きボケのモデルに誤差が生じ、除去の効果が十分得られない。しかしながら、本発明の第3の実施形態を適用することにより、フィルタ処理に伴う画像の歪みを除去した上でさらに動きボケを除去できるため、動きボケの除去を効果的に行うことができる。
ここまで、本発明の第1〜第3の実施形態について説明を行った。各実施形態は、取得信号から撮像信号または原画像信号を予測する画像処理装置についての実施形態である。これに対し、以下に第4の実施形態として説明するように、第1〜第3の実施形態に係る画像処理装置100〜300と撮像手段とを組み合わせて、撮像装置を構成してもよい。
〔4〕第4の実施形態
図29は、第1の実施形態に係る画像処理装置100と撮像手段とを組み合わせた撮像装置400の構成を示すブロック図である。図29を参照すると、撮像装置400は、光学ローパスフィルタ10、撮像部20、アンチエイリアシングフィルタ30、AD変換部40、信号統合部50、パラメータ入力部110、及び画像処理部120を備える。
撮像装置400に入力された光信号は、光学ローパスフィルタ10を経由して原画像信号となり、撮像部20に入力される。撮像部20に入力された原画像信号は、電荷として蓄積され、アナログ形式の撮像信号として出力される。撮像部20から出力された撮像信号は、アンチエイリアシングフィルタ30に入力される。アンチエイリアシングフィルタ30では、撮像信号に含まれる折り返し雑音の原因となる所定の周波数成分が除去される。アンチエイリアシングフィルタ30を通して取得されたアナログ信号は、AD変換部40によってデジタル信号に変換される。
本実施形態では、AD変換部40によってデジタル信号に変換された取得信号は、信号統合部50へ入力される。信号統合部50では、取得信号にフィルタの特性パラメータを含むヘッダが付加される。そして、ヘッダの付加された取得信号は、画像処理部120及びパラメータ入力部110に入力される。
パラメータ入力部110は、入力された取得信号のヘッダから特性パラメータを取得し、画像処理部120へ入力する。なお、第1の実施形態において例示したように、パラメータ入力部110において利用者から特性パラメータを入力させる場合には、本実施形態のように取得信号にヘッダを付加する信号統合部50を設けなくてもよい。その場合、AD変換部40によってデジタル信号に変換された取得信号は、直接画像処理部120へと入力される。
画像処理部120は、デジタル信号に変換された取得信号とパラメータ入力部110から入力される特性パラメータとに基づいて、前述した予測演算処理を行い、画像の歪みが除去された出力信号を出力する。
本発明の第4の実施形態によれば、撮像手段と画像の歪みを除去する画像処理手段が一体として利用者に提供され、画像の歪みの除去に係る前述の効果が広く利用者に享受される。
なお、本明細書において説明した第1〜第4の実施形態に係る一連の処理をハードウェアで実現するかソフトウェアで実現するかは問わない。一連の処理をソフトウェアで実行させる場合には、ソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ、または例えば図30に示した汎用コンピュータなどを用いて実行される。
図30において、CPU(Central Processing Unit)902は、汎用コンピュータの動作全般を制御する。ROM(Read Only Memory)904には、一連の処理の一部または全部を記述したプログラムまたはデータが格納される。RAM(Random Access Memory)906には、CPU902が演算処理に用いるプログラムやデータなどが一時的に記憶される。
CPU902、ROM904、及びRAM906は、バス908を介して相互に接続される。バス908にはさらに、入出力インタフェース910が接続される。
入出力インタフェース910は、CPU902、ROM904、及びRAM906と、入力部912、出力部914、記憶部916、通信部918、及びドライブ920とを接続するためのインタフェースである。
入力部912は、例えばボタン、スイッチ、レバー、マウスやキーボードなどの入力装置を介して、利用者からの指示や情報入力を受け付ける。出力部914は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)などの表示装置、またはスピーカーなどの音声出力装置を介して利用者に対して情報を出力する。
記憶部916は、例えばハードディスクドライブまたはフラッシュメモリなどにより構成され、プログラム、プログラムデータ、画像データなどを記憶する。通信部918は、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどのネットワークを介する通信処理を行う。ドライブ920は、必要に応じて汎用コンピュータに設けられ、例えばドライブ920にはリムーバブルメディア922が装着される。
第1〜第4の実施形態に係る一連の処理をソフトウェアで実行する場合には、例えば図30に示したROM904、記憶部916、またはリムーバブルメディア922に格納されたプログラムが、実行時にRAM906に読み込まれ、CPU902によって実行される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、ここまで説明した各実施形態に係る画像処理を、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って実行しなくてもよい。第1〜第3の実施形態に係る画像処理装置、及び第4の実施形態に係る撮像装置における各処理ステップは、並列的あるいは個別に独立して実行される処理を含んでもよい。
実世界の光を撮像したデジタル信号が取得されるまでの処理の一例を示した模式図である。 原画像信号の一次元の撮像信号への変換の一例を示した模式図である。 アンチエイリアシングフィルタによる信号への影響の一例を示した説明図である。 第1の実施形態に係る画像処理装置の構成を示したブロック図である。 IIRフィルタによるフィルタ演算の一例を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る画像処理部の構成を示したブロック図である。 位相シフト量検出部の第1の構成例を示したブロック図である。 位相シフト量検出部の第1の構成例による位相シフト量検出処理の流れを示したフローチャートである。 位相シフト量検出部の第2の構成例を示したブロック図である。 位相シフトテーブルの構成の一例を示した説明図である。 第1の実施形態に係る予測タップ構築部の処理の一例を説明するための説明図である。 係数生成部の第1の構成例を示したブロック図である。 撮像信号と取得信号との間の関係を説明するための説明図である。 係数生成部の第1の構成例による係数生成処理の流れを示したフローチャートである。 係数生成部の第2の構成例を示したブロック図である。 係数生成部の第2の構成例による係数生成処理の流れを示したフローチャートである。 第1の実施形態に係る画像処理装置による処理の流れを示したフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像処理装置の構成を示したブロック図である。 第2の実施形態に係る画像処理部の構成を示したブロック図である。 第2の実施形態に係る係数算出部の処理の流れを示したフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像処理装置の予測演算処理の流れを示したフローチャートである。 第3の実施形態の処理対象範囲を表す模式図である。 第3の実施形態に係る画像処理装置の構成を示したブロック図である。 オートフォーカス機能によるボケの積分効果を表す模式図である。 二次元平面における撮像信号と原画像信号の関係を表す模式図である。 第3の実施形態の第2の画像処理部の構成を示したブロック図である。 第3の実施形態に係る第2の予測演算処理の流れを示したフローチャートである。 動きボケの積分効果を表す模式図である。 第4の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 汎用コンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
100、200、300 画像処理装置
400 撮像装置
110 パラメータ入力部
130 位相シフト量検出部
150 予測タップ構築部
160、294 係数生成部、係数取得部
180 予測演算部
350 第2の予測タップ構築部
380 第2の予測演算部
20 撮像部

Claims (11)

  1. 実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と;
    前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と;
    前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と;
    前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と;
    前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と;
    を備える画像処理装置。
  2. 前記撮像信号は実世界の光から取得された原画像信号に対する積分効果により生成された信号であり;
    前記原画像信号のうちの注目原画素値の予測に用いる複数の撮像画素からなる第2の予測タップを、前記撮像信号に相当する前記第1の出力信号から構築する第2の構築手段と;
    前記第2の予測タップの値との積和演算により前記注目原画素値を予測するために前記撮像信号の生成時の積分効果のモデルに基づいて生成された第2の予測係数と、前記第2の構築手段から出力された前記第2の予測タップの値との積和演算を行って、前記原画像信号に相当する第2の出力信号を生成する第2の演算手段と;
    をさらに備える、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記係数取得手段は、前記特性パラメータに基づいて生成した前記撮像信号と前記取得信号との間の関係式、及び画像の近傍相関の性質に基づいて生成した拘束条件式を用いて、前記第1の予測係数を算出する係数生成手段である、請求項1または請求項2のいずれかに記載の画像処理装置。
  4. 前記入力手段は、前記取得信号のヘッダに含まれる前記特性パラメータを取得する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記検出手段は、前記特性パラメータと前記位相シフト量とを関連付けて保持しているテーブルから前記位相シフト量を取得して検出する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 前記係数取得手段は、予め保持される撮像標本信号と前記特性パラメータとに基づいて前記撮像標本信号に対する取得信号に相当する取得標本信号を計算し、前記撮像標本信号と計算された前記取得標本信号とを用いて生成された方程式から前記第1の予測係数を算出する係数生成手段である、請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記入力手段は、利用者の操作に応じて前記特性パラメータを入力装置から取得する、請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記検出手段は、予め保持される撮像標本信号と前記特性パラメータとに基づいて前記撮像標本信号に対する取得信号に相当する取得標本信号を計算し、前記取得標本信号を所定の画素数分シフトさせた複数のシフト済み信号のうち、前記撮像標本信号との間の差分が最小となるシフト済み信号に対応するシフトさせた画素数を、前記位相シフト量として検出する、請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 実世界の光を撮像して撮像信号を生成する撮像手段と;
    前記撮像手段により生成された前記撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と;
    前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と;
    前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と;
    前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と;
    前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と;
    を備える撮像装置。
  10. 実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力する入力ステップと;
    入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出ステップと;
    前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築ステップと;
    前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得ステップと;
    取得された前記第1の予測係数と前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算ステップと;
    を含む、画像処理方法。
  11. 画像処理装置を制御するコンピュータを:
    実世界の光を撮像して生成された撮像信号に対して施されるフィルタ処理の特性を示す特性パラメータを入力する入力手段と;
    前記入力手段により入力された前記特性パラメータに基づいて、前記撮像信号と、前記撮像信号に対するフィルタ処理の結果取得される取得信号との間の位相シフト量を検出する検出手段と;
    前記撮像信号のうちの注目撮像画素値の予測に用いる複数の取得画素からなる第1の予測タップを、前記検出手段により検出された前記位相シフト量を用いて位相シフトされた前記取得信号から構築する第1の構築手段と;
    前記第1の予測タップの値との積和演算により前記注目撮像画素値を予測するために、前記特性パラメータ及び前記位相シフト量に応じて生成された第1の予測係数を取得する係数取得手段と;
    前記係数取得手段により取得された前記第1の予測係数と前記第1の構築手段から出力された前記第1の予測タップの値との積和演算を行って、前記撮像信号に相当する第1の出力信号を生成する第1の演算手段と;
    として機能させるための、プログラム。
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