JP2009258283A - 半導体集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】アドレスパルスの遅延時間を簡単に設定して、薄型表示装置の隣接ビット間容量に起因する電力消費を低減できる半導体集積回路を提供する。
【解決手段】半導体集積回路は、プラズマディスプレイなどを駆動するためのアドレスパルスを生成するものであって、ラッチ信号LATによって動作するD−FF回路1,2と、データセレクト部3、データ検出部4、およびデータ保持部5からなるラッチ回路部を備え、アドレスドライバを構成するシフトレジスタ回路12から読み出されたデータ信号DAが、1ビット分のアドレス信号Qnに変換され、このアドレス信号Qnがゲート回路14を介して遅延/レベルシフト回路15に供給される。ラッチ信号LATは、その立ち上がりのタイミングでアドレス信号QnのLレベルからHレベルへ遷移するタイミングを、立下りのタイミングでアドレス信号QnのHレベルからLレベルへ遷移するタイミングを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイなどの薄型表示装置を駆動するためのアドレスパルスを生成する半導体集積回路に関し、とくに多数の出力端子を備えて構成され、ラッチ信号とクロック信号により各出力端子へのビット信号用のデータが保持され、データ信号により保持されていたデータをレベル変換してビット信号として出力するようにした半導体集積回路に関する。
近年、テレビジョン受信機などの表示装置は大型化、薄型化の傾向にあり、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel以下、PDPという。)や有機ELディスプレイなどの薄型表示装置が広く利用されている。これらの薄型表示装置を駆動する表示駆動装置として、出力段にMOS(Metal Oxide Semiconductor)型FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)を用いた半導体集積回路(Integrated Circuit:以下、ICという。)が提案されている(たとえば、特許文献1、あるいは特許文献2参照)。
PDPは、通常3種類の電極を備え、その画面縦方向のアドレス電極と、横方向のスキャン電極およびサステイン電極を制御するPDP駆動装置によって駆動される。このPDP駆動装置は、これらの電極間に高電位差をつけることにより、PDPのガラスセル内でプラズマを発生させて画像を表示している。
図12は、PDP駆動装置の概略の構成例を示す図である。
図12に示すPDP駆動装置は3電極のPDP100を駆動するもので、複数のスキャンドライバScD1〜ScDn(nは正整数)とサステイン回路SuC、および複数のアドレス(データ)ドライバAD1〜ADm(mは正整数)を有している。スキャンドライバScD1〜ScDnはそれぞれ複数本のスキャン電極を駆動し、アドレスドライバAD1〜ADmはそれぞれR(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応するPDP100の複数本のアドレス電極を駆動し、サステイン回路SuCはそれぞれサステイン電極にサステインパルスを出力する。スキャン電極とアドレス電極は、PDP100の表面で互いに垂直になるように格子状に配置され、それらの交点には図示しない放電セルが配置されている。
上記構成のPDP駆動装置においては、スキャンドライバScD1〜ScDnとアドレスドライバAD1〜ADmとによって、アドレス電極からのアドレスパルスを各放電セルにスキャン電極毎に走査して書き込んだ後、サステイン回路SuCからサステイン電極にサステインパルスを出力して、各放電セルで所定時間だけ放電を維持することによりPDP100に画像表示を行う。
こうしたPDP100では、アドレスドライバAD1〜ADmがそれぞれ多数のアドレスパルス(たとえば、256本のアドレス電極に対応するビット信号O1〜O256)を出力する高耐圧出力端子を備えたアドレスドライバICとして構成されている。アドレスドライバICは、PDP100の各アドレス電極に出力されるビット信号O1〜O256を互いに異なる論理レベル(H:HighまたはL:Low)で変化させて、所定の放電セルを選択駆動できる。
各アドレスドライバAD1〜ADmを構成するアドレスドライバICには、3.3〜0V振幅のアドレスデータが入力され、Hレベルが60〜70V程度であって、Lレベルが0Vに変換されたビット信号O1〜O256が出力される。こうしたアドレスドライバICから出力されるビット信号O1〜O256は、入力されるアドレスデータに応じてその出力レベルが決定される。
アドレスドライバICの通常動作では、アドレスデータはクロック信号の立ち上がりや立下りのタイミングで取り込まれ、シフトレジスタ回路によって各高耐圧出力端子へと転送される。その後に、各ビット信号O1〜O256がラッチ信号に同期して出力される。このとき、ビット信号の論理レベルが遷移するために必要な時間は50〜300ns程度であって、これはPDP100の容量と、アドレスドライバICの出力電流の能力によって決定される。
図13は、一般的なアドレスドライバICを示すブロック図である。
アドレスドライバIC10では、8ポートの入力端子に入力されたアドレスデータA1〜A8が入力バッファ回路11を介してシフトレジスタ回路12に取り込まれ、パラレルデータとしてHレベルまたはLレベルのデータ信号がラッチ回路13に出力される。その後、データ信号はラッチ回路13から、ゲート回路14を介して遅延/レベルシフト回路15に出力され、MOSFETQ1、Q2からなるプッシュプル回路16を制御する。こうして、アドレスドライバIC10の高耐圧出力端子から高圧変換されたアドレスパルスO1〜O256が、プッシュプル回路16からそれぞれのアドレス電極に対するビット信号としてPDP100に出力される。
つぎに、PDP100に対して256個のアドレスパルスO1〜O256を出力するアドレスドライバIC10の動作について説明する。
図14は、アドレスドライバICの動作波形を示すタイミングチャートである。
同図(a)はクロック信号CLK、同図(b)はデータ信号としてアドレスドライバIC10に供給されるアドレスデータA1〜A8、同図(c)はラッチ回路13に供給されるラッチ信号LAT、同図(d)はビット信号O1〜O256である。アドレスデータA1〜A8は、クロック信号CLKの立ち上がり、立下り時の双方のタイミングでシフトレジスタ回路12に取り込まれる。
ここで、アドレスドライバIC10の8つのポートには、それぞれ32ビットのシフトレジスタ回路12が備えられているとすると、クロック信号CLKの16クロック分の時間で全てのシフトレジスタ回路12にデータが行き渡る。その後、ラッチ回路13からラッチ信号LATが供給されると、そのタイミングに応じてPDP100のそれぞれのアドレス電極にHレベルまたはLレベルのビット信号O1〜O256が出力される。
図15は、単位ビットの出力回路の具体的な構成を示すブロック図である。
ラッチ回路13から出力されたデータ信号DAは、ゲート回路14を介して遅延/レベルシフト回路15の2つの遅延回路151,152に供給される。INV1〜INV4はいずれもインバータ回路である。ここで、ゲート回路14は2つの直列接続されたナンド(NAND)ゲート141,142から構成されており、これらのナンドゲート141,142は、HBLK,LBLK端子から供給されるHレベル固定信号HBLK,LBLKで制御される。ゲート回路14では、これらのHレベル固定信号HBLK,LBLKを制御して、プッシュプル回路16から出力されるアドレスパルスO1〜O256の信号レベルを制御できる。
遅延/レベルシフト回路15では、一方の遅延回路151からの出力信号により、4つのトランジスタQ3〜Q6からなるレベルシフト回路を制御して、プッシュプル回路16の上側MOSFETQ1をオンオフ制御する。他方の遅延回路152から出力される信号は、下側MOSFETQ2のオンオフを制御する。すなわち、2個の遅延回路151,152によって、MOSFETQ1,Q2間での貫通電流を防ぐように、それぞれがオンオフするタイミングを制御している。具体的には、遅延回路151,152の出力信号によってどちらか一方のMOSFETQ1またはQ2を先にオフし、その後、所定の時間が経過してから他方のMOSFETQ2またはQ1をオンするように制御する。
ところで、プッシュプル回路16での貫通電流を防ぐために必要な遅延時間は、MOSFETなどの出力ゲート容量などに依存している。そのため、一般にPDP100のアドレスドライバIC10は、貫通電流を防ぐために必要な遅延時間として10〜50ns程度が必要とされ、この遅延時間がアドレスドライバIC10内で予め特定された時間長として設計される。
このように、アドレスドライバIC10では、ラッチ信号LATの入力タイミングからMOSFETQ1,Q2の遷移開始までの遅延時間を制御することが可能となる。すなわち、従来の遅延/レベルシフト回路15では、遅延時間は外部信号により制御することができず、アドレスドライバIC10に固有の遅延時間となる。
なお、図15に示したアドレスドライバIC10は、上側MOSFETQ1がPチャネル、下側MOSFETQ2がNチャネルのプッシュプル回路16として構成したが、上下ともにNチャネルMOSFETによるトーテムポール回路として構成することも可能である。
ところが、アドレスドライバIC10によって駆動制御されるPDP100は、隣接するアドレス電極の間に寄生容量が発生する。そのため、アドレスパルスO1〜O256の立ち上がりと立下りのタイミングが重なると、こうした寄生容量によって消費される電力が増大する。そこで、このような問題を解決するために、上述した特許文献2ではアドレスドライバIC内で遅延回路の時間を調節して、アドレスパルスの立ち上がりと立下りのタイミングを適宜にずらすようにした表示装置が提案されている。
特開平10−187093号公報(段落番号[0002]〜[0009]、図22) 特許第3447185号(段落番号[0028]〜[0068]、図1〜図3)
上述した特許文献1,2では、薄型表示装置の隣接ビット間におけるアドレスパルスの立下り、立ち上がりの波形の重なりをなくし、または重なりのポイントをできるだけ高圧電源電圧、または接地電圧に近づけることで、薄型表示装置における消費電力を低減するための方法が提示されている。そのため、アドレスドライバICはビット信号の立ち上がり、立下りの開始までに所定の時間差(所定の遅延時間)を持たせている。
ところが、こうした遅延時間の設定方法には以下の2つの問題が指摘されている。
第1は、アドレスパルスの立ち上がり、立下り時間は、薄型表示装置の寄生容量に依存することである。そのため、薄型表示装置毎にアドレスドライバIC内で所定の遅延時間を変える必要が出てくる。ところが、薄型表示装置の種類やサイズなどその仕様が異なる場合、それぞれ遅延時間の異なるアドレスドライバICが必要となる。
第2に、アドレスドライバICから出力されるアドレスパルスのレベル遷移時間は50〜300ns程度であるが、隣接するアドレス電極に関して、アドレスパルスの立ち上がり、立下りのどちらか一方の遷移が終わった後にもう一方の遷移を開始させるためには、スイッチング遅延時間をそれぞれアドレスパルスの遷移時間と同等か、あるいはそれ以上の時間に設定することが必要になる。ところが、こうしたスイッチングの遅延時間を長くするほど、アドレスドライバIC内部で遅延回路の占有面積が増大するため、アドレスドライバICのチップサイズが大きくなるという問題もあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、アドレスパルスの遅延時間を簡単に設定して、薄型表示装置の隣接ビット間容量に起因する電力消費を低減でき、しかも回路規模を抑えて小型化したアドレスドライバ用の半導体集積回路を提供することを目的とする。
本発明では、上記問題を解決するために、薄型表示装置を駆動するためのアドレスパルスを生成する半導体集積回路が提供される。この半導体集積回路は、クロック信号およびラッチ信号を供給する外部端子と、HレベルまたはLレベルのデータ信号を前記クロック信号により読み込んでシフトするシフトレジスタと、前記シフトレジスタの各段から前記データ信号を前記ラッチ信号の立ち上がりのタイミングで読み込んで保持する第1のラッチ手段と、前記シフトレジスタの各段から前記データ信号を前記ラッチ信号の立下りのタイミングで読み込んで保持する第2のラッチ手段と、前記ラッチ信号が変化するタイミングで前記第1、第2のラッチ手段から前記データ信号を読み出して電圧変換し、前記アドレスパルスをHレベルまたはLレベルのビット信号として出力する出力手段と、から構成される。
この半導体集積回路では、外部端子からクロック信号およびラッチ信号が供給される。シフトレジスタは、HレベルまたはLレベルのデータ信号をクロック信号により読み込んでシフトする。第1のラッチ回路は、シフトレジスタの各段からデータ信号をラッチ信号の立ち上がりのタイミングで読み込んで保持する。第2のラッチ回路は、シフトレジスタの各段からデータ信号をラッチ信号の立下りのタイミングで読み込んで保持する。出力手段は、ラッチ信号が変化するタイミングで第1、第2のラッチ手段からデータ信号を読み出して電圧変換し、アドレスパルスをHレベルまたはLレベルのビット信号として出力する。
この半導体集積回路は、外部端子から供給されるラッチ信号の変化するタイミングでシフトレジスタに保持されていたデータ信号を電圧変換してHレベルまたはLレベルのビット信号を生成することができる。
本発明によれば、薄型表示装置を駆動するためのアドレスドライバ用のビット信号に遅延時間を設定して、薄型表示装置の隣接ビット間容量に起因する電力消費を低減できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。
図1のアドレスドライバを構成する半導体集積回路(アドレスドライバIC)は、ラッチ信号LATによって動作するD型フリップフロップ(以下、D−FF回路という。)1,2と、データセレクト部3、データ検出部4、およびデータ保持部5からなるラッチ回路部を備え、アドレスドライバを構成するシフトレジスタ回路12から読み出されたデータ信号DAが、1ビット分のアドレス信号Qnに変換され、このアドレス信号Qnがゲート回路14を介して遅延/レベルシフト回路15に供給される。ここでは、シフトレジスタ回路12は図13に示すアドレスドライバIC10のシフトレジスタ回路12に対応するものであって、1ビットのアドレス信号Qnに対応する回路のみを図示しているが、実際のアドレスドライバICは、シフトレジスタ回路12以降の回路ブロックが、各アドレスパルスO1〜O256に対応するビット分だけ設けられている。
以下では、ラッチ信号LATの立ち上がりのタイミングでアドレス信号QnのLレベルからHレベルへ遷移するタイミングが制御され、ラッチ信号LATの立下りのタイミングでアドレス信号QnのHレベルからLレベルへ遷移するタイミングが制御される場合について説明する。
シフトレジスタ回路12のデータ信号DAが前回のラッチ動作後と、今回のラッチ動作とで変化しない場合には、ビット信号Outの出力状態は保持される。ここで、一回のラッチ動作とは、ラッチ信号LATの立ち上がり、立下りの動作が各一回行われることをいう。通常、ラッチ信号LATの立ち上がりと立下りの間では、シフトレジスタ回路12は動作せず、この間にD−FF回路1,2に入力するデータ信号DAに変更はないものとする。なお、ラッチ信号LATの立ち上がりエッジによって制御されるD−FF回路1の出力データをS1、ラッチの立下りエッジによって制御されるD−FF回路2の出力データをS2とする。
データセレクト部3は、2つのアナログスイッチ(以下、スイッチという。)SW1,SW2とインバータ回路INV5から構成されている。このビット回路構成では、シフトレジスタ回路12によって保持されたデータ信号DAが2つのD−FF回路1,2に転送される。各ビットのD−FF回路1,2からは、データセレクト部3およびデータ検出部4にそれぞれラッチ信号LATの立ち上がり、立下りエッジで入力されたデータ信号DAをラッチデータS1,S2として出力する。
データ検出部4は、ラッチデータS1,S2によって決定される検出信号DDとその反転信号を出力する。データ保持部5は、データ検出部4の検出信号DDによって制御され、直前のラッチ動作(今回のラッチ動作の以前)によりゲート回路14に出力されたアドレス信号Qnを保持している。データ保持部5からは、アドレス信号Qnがデータセレクト部3へのセレクト信号DSとして出力される。データセレクト部3では、このセレクト信号DSによって2つのスイッチSW1,SW2をオンオフし、ラッチデータS1あるいはS2のいずれか一方を選択して、新たなアドレス信号Qnをゲート回路14に出力するようにしている。
図2は、図1のデータ検出部の構成例を示すブロック図である。
データ検出部4は、排他的論理和ゲート(EX−NOR)41とインバータ回路INV6とから構成されている。EX−NOR41にはラッチデータS1,S2が入力されていて、これらのラッチデータS1,S2が同じレベルであればHレベルの検出信号DDが出力される。また、ラッチデータS1,S2が異なる信号レベルとなるのは、前回のラッチデータS1,S2と異なる場合であって、かつラッチ信号LATの立ち上がりか立下りのどちらか一方の動作のみが行われた後の状態であり、立ち上がり、および立下りの両方の動作が完結した場合には、ラッチデータS1,S2は同じ信号レベルとなり、データ検出部4から出力される検出信号DDはHレベルとなる。
図3は、図1のデータ保持部の構成例を示すブロック図である。
このデータ保持部5では、その検出信号DDがHレベルのときにアドレス信号Qnをセレクト信号DSに移す構成となっている。データセレクト部3からデータ保持部5に入力するアドレス信号Qnは、検出信号DDとアドレス信号Qnの切り替わりのタイミングを考慮して、遅延バッファ51を介してデータ保持部5に入力されることが好ましい。これは、データ信号DAが切り替わる際に、データ保持部5の論理が検出信号DDにより確定された後にアドレス信号Qnを入力させるためである。
図4は、実施の形態1の動作信号を示すタイミングチャートである。
ここには、特定のビット信号Outのデータ信号DA(同図(a))がL⇒H⇒Lへと遷移する場合の、図1の各回路ブロックからの信号タイミング(同図(b)〜(i))と、ビット信号Outの遷移開始タイミング(同図(j))が示されている。
図4において、たとえばシフトレジスタ回路12からHレベルのデータ信号DAが供給された後、アドレス信号Qnは、最初のラッチ信号LATが立ち上がるタイミングで変化し(同図(i))、所定時間T1の経過後にビット信号Outの遷移が開始される。また、ラッチ信号LATの立ち上がりでラッチデータS1,S2が異なる信号レベルになり、データ検出部4の検出信号DDは、同図(e)に示すようにLレベルになる。ところが、この時点ではデータセレクト部3の状態は、先行するアドレス信号Qnがデータ保持部5によって保持されている(同図(g)、(h))。したがって、データ信号DAのレベル変化(L⇒Hへの遷移)がデータ保持部5に到達するよりも先に検出信号DDがLレベルとなって、その時点では、同図(f)に示すようにセレクト信号DSは変化しない。
このように図1に示すアドレスドライバIC10では、ラッチ信号LATの立ち上がりによりビット信号OutがLレベルからHレベルに遷移するタイミングが制御される。また、データ信号DAがLレベルになると、ラッチ信号LATの立下りのタイミングでアドレス信号Qnが立下って、その所定時間T1の経過後にビット信号OutのHレベルからLレベルへの遷移が開始される。しかも、H⇒HやL⇒Lのように、特定のビット信号Outを規定するデータ信号DAのレベルが変わらない場合は、アドレス信号Qnはラッチ信号LATの変化するラッチ動作の前後で変わらないために、ビット信号Outの状態も変わらない。そのため、アドレスドライバIC10を構成する半導体集積回路の外部から、一つのラッチ信号LATの立ち上がりと立下りのタイミングを制御して供給することによって、隣接するビット信号Outの信号同士で立ち上がりと立下りの遷移時間が重ならないように制御できる。
図5は、実施の形態1の図4とは異なるタイミングの動作信号を示すタイミングチャートである。
ここでは、シフトレジスタ回路12からHレベルのデータ信号DAが供給された後、立下りから始まるタイミングでラッチ信号LATが供給された場合の、図1の各回路ブロックからの信号タイミング(同図(b)〜(i))と、ビット信号Outの遷移開始タイミング(同図(j))を示している。ラッチ信号LATが立下りから始まったとしても、ラッチ信号LATの立ち上がりのタイミングでビット信号OutのLレベルからHレベルへの遷移を制御するとともに、ラッチ信号LATの立下りのタイミングでビット信号OutのHレベルからLレベルへの遷移を制御することができる。この場合でも、ラッチ動作の前後でデータ信号DAが変わらなければ、ビット信号Outの状態に変化はない。
図6は、2つの隣接ビットのビット信号を示すタイミングチャートである。
ここでは、ラッチ動作がラッチ信号LATの立ち上がりのタイミングにより開始される場合を示している。すなわち、ラッチ信号LATのラッチ動作の幅(立ち上がりから立下りまでの間隔)を調整することによって、それぞれのアドレスパルスOn、O(n+1)の遷移開始の時間をずらすことができる。これにより、互いに隣接するnビットとn+1ビットでの遷移時間における重なりを避けるようにした。
なお、ここにはビット信号Outのnビットとn+1ビットの関係が示されているが、特定のビット信号Outだけに限られるものではない。すなわち、ビット信号Outの状態がH⇒LまたはL⇒Hへ遷移する場合に、常に図6と同じタイミングで状態遷移が起こる。
図7は、図6とは異なるタイミングで制御される2つの隣接ビットのビット信号を示すタイミングチャートである。
ここでは、ラッチ信号LATの立下りのタイミングでラッチ動作が開始される場合を示している。ラッチ動作がラッチ信号LATの立下りで開始されるときでも、図6の場合と同様に、隣接ビットの遷移時間の重なりを避けることができる。
以上のように、実施の形態1のアドレスドライバICは、図4、あるいは図5のタイミングチャートに示すように回路外部から一つのラッチ信号LATを、その立ち上がりと立下りのタイミングを制御して供給することで、立ち上がりと立下りの遷移時間が隣接するビット信号Outの信号同士で重ならないように制御できる。しかも、ラッチ信号LATの信号波形を変化させることによってラッチ動作の間隔を制御でき、ビット信号Outの遷移時間における重なりの程度を自由に調整できる。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。図1の構成と対応する部分には同一の符号を付け、それらの説明は省略する。
実施の形態1のアドレスドライバICでは、ラッチ信号LATの立ち上がりによって、ビット信号OutをLレベルからHレベルに遷移させるタイミングを決定し、ラッチ信号LATの立下りにおいてビット信号OutをHレベルからLレベルへと遷移させるタイミングを決定するようにしていた。ここでは、D−FF回路1,2の動作論理を入れ替え、ラッチデータS1,S2の出力タイミングをラッチ信号LATの立下りと立ち上がりのタイミングにそれぞれ同期させている。データ検出部4、データ保持部5の構成は、それぞれ図2、図3に示す回路を用いることができる。
図9は、実施の形態2の動作信号を示すタイミングチャートである。
ここでは、シフトレジスタ回路12からHレベルのデータ信号DAが供給された後、立ち上がりから始まるタイミングでラッチ信号LATが供給された場合の、図8の各回路ブロックからの信号タイミング(同図(b)〜(i))と、ビット信号Outの遷移開始タイミング(同図(j))を示している。ここでは、ラッチ信号LATの立下りに同期させてビット信号OutをLレベルからHレベルへと遷移させるタイミングが決定され、ラッチ信号LATの立ち上がりに同期させてビット信号OutをHレベルからLレベルに遷移させるタイミングが決定される。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。
ここでは、シフトレジスタ回路12から読み出されるデータ信号DAがラッチ信号LATのタイミングに応じて規定され、データ信号DAが供給された後に、ラッチ動作の順序が最初に立ち上がり、つぎに立下りと決まっている場合に使用可能な半導体集積回路について説明する。この実施の形態3のアドレスドライバICは、2つのラッチデータS1,S2の論理和信号としてアドレス信号Qnをオアゲート31からゲート回路14に出力している。このため、実施の形態1,2では必要とされたデータセレクト部3、データ検出部4、およびデータ保持部5からなるラッチ回路部が不要となる。
図11は、実施の形態3の動作信号を示すタイミングチャートである。ここでは、ラッチ動作が立ち上がり動作で始まり、かつラッチ信号LATの立ち上がりエッジでビット信号OutのL⇒Hの遷移タイミングを制御し、ラッチ信号LATの立下りエッジでビット信号OutのH⇒Lの遷移タイミングを制御することができる。
なお、ラッチ動作が最初に立下り、つぎに立ち上がりの順序である場合には、図10の回路のうち、D−FF回路1,2から出力される2つのラッチデータS1,S2の論理、およびその他の論理を調整することによって対処できる。また、図10のオアゲート31をアンドゲートに変更することによって、ラッチ信号LATの立ち上がりエッジでH⇒Lの遷移タイミングを制御し、ラッチ信号LATの立下りエッジでL⇒Hの遷移タイミングを制御できる。
以上、本発明の半導体集積回路によれば、外部から入力されるラッチ信号LATの立ち上がりエッジ、立下りエッジによって、アドレスパルスO1〜O256の遷移開始のタイミングを制御することができ、これによりPDPの容量やアドレスドライバの出力電流の能力に拘らず隣接電極間で出力波形の重なりを確実に制御して、その消費電力を低減することができる。また、パネルの容量に応じてラッチ信号LATのタイミングを調整するだけで、アドレスパルスO1〜O256の遷移開始のタイミングを最適化することができるから、一種類のアドレスドライバICによって種類の異なる多様な薄型表示装置に対応できる。
また、遷移開始のタイミングをアドレスドライバICの外部から制御することができるため、アドレスドライバICで設定すべき遅延時間はアドレスパスルの遷移時間以下の時間ですみ、回路規模を抑制してチップサイズを小型化できる。
実施の形態1に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。 図1のデータ検出部の構成例を示すブロック図である。 図1のデータ保持部の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1の動作信号を示すタイミングチャートである。 実施の形態1の図4とは異なるタイミングの動作信号を示すタイミングチャートである。 2つの隣接ビットのビット信号を示すタイミングチャートである。 図6とは異なるタイミングで制御される2つの隣接ビットのビット信号を示すタイミングチャートである。 実施の形態2に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態2の動作信号を示すタイミングチャートである。 実施の形態3に係るアドレスドライバを構成する半導体集積回路の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態3の動作信号を示すタイミングチャートである。 PDP駆動装置の概略の構成例を示す図である。 一般的なアドレスドライバICを示すブロック図である。 アドレスドライバICの動作波形を示すタイミングチャートである。 単位ビットの出力回路の具体的な構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,2 D−FF回路(D型フリップフロップ)
3 データセレクト部
4 データ検出部
5 データ保持部
10 アドレスドライバIC
11 入力バッファ回路
12 シフトレジスタ回路
13 ラッチ回路
14 ゲート回路
15 遅延/レベルシフト回路
16 プッシュプル回路
100 PDP(プラズマディスプレイパネル)
DA データ信号(アドレスデータA1〜A8)
DD 検出信号
LAT ラッチ信号
Out ビット信号(アドレスパルスO1〜O256)
Qn アドレス信号
SW1,SW2 スイッチ(アナログスイッチ)
S1,S2 ラッチデータ

Claims (4)

  1. 薄型表示装置を駆動するためのアドレスパルスを生成する半導体集積回路において、
    クロック信号およびラッチ信号を供給する外部端子と、
    HレベルまたはLレベルのデータ信号を前記クロック信号により読み込んでシフトするシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタの各段から前記データ信号を前記ラッチ信号の立ち上がりのタイミングで読み込んで保持する第1のラッチ手段と、
    前記シフトレジスタの各段から前記データ信号を前記ラッチ信号の立下りのタイミングで読み込んで保持する第2のラッチ手段と、
    前記ラッチ信号が変化するタイミングで前記第1、第2のラッチ手段から前記データ信号を読み出して電圧変換し、前記アドレスパルスをHレベルまたはLレベルのビット信号として出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 前記出力手段は、前記ビット信号がHレベルまたはLレベルからLレベルまたはHレベルの状態に遷移する際に、前記ラッチ信号の立ち上がり、または立下りによって前記ビット信号の遷移開始のタイミングを制御するラッチ回路部によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
  3. 前記ラッチ回路部では、前記ラッチ信号の立ち上がりのタイミングで前記ビット信号のLレベルからHレベルへの遷移開始が制御され、前記ラッチ信号の立下りのタイミングで前記ビット信号のHレベルからLレベルへの遷移開始が制御されることを特徴とした請求項2記載の半導体集積回路。
  4. 前記ラッチ回路部では、前記ラッチ信号の立ち上がりのタイミングで前記ビット信号のHレベルからLレベルへの遷移開始が制御され、前記ラッチ信号の立下りのタイミングで前記ビット信号のLレベルからHレベルへの遷移開始が制御されることを特徴とした請求項2記載の半導体集積回路。
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