JP2009257946A - 圧力センサおよび圧力検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低い圧力であっても、従来の圧力測定フィルムでは検知できなかった微小領域に加わる圧力を検知できる圧力センサ、および該圧力センサが圧力を検知した微小領域を検出できる圧力検知方法を提供する。
【解決手段】表面に微細凹凸構造を有し、該微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである圧力センサ10;および、圧力センサ10に圧力が加わることによって微細凹凸構造が変化した領域を、圧力センサからの散乱光、反射光または透過光を測定することにより検出する圧力検知方法。
【選択図】図1
【解決手段】表面に微細凹凸構造を有し、該微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである圧力センサ10;および、圧力センサ10に圧力が加わることによって微細凹凸構造が変化した領域を、圧力センサからの散乱光、反射光または透過光を測定することにより検出する圧力検知方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサおよび圧力検知方法に関する。
光学部品(光学フィルム等)や電子部品(半導体素子等)の製造においては、これら部品に接触する製造装置の部材に高い平滑性、平行性等が要求されることがある。例えば、光学フィルムやその原反フィルムを搬送または加工するロール、ベルト等の表面に、キズ等の微細な凹凸が存在したり、歪みが発生したりした場合、それらは光学フィルムの欠陥となって現れる。
平滑性、平行性等を評価する方法としては、圧力測定フィルムを用いる方法が知られている(例えば特許文献1、2)。
該圧力測定フィルムは、発色剤を入れたマイクロカプセルを含む発色剤層を支持体に塗布したフィルムを、顕色剤を支持体に塗布したフィルムに重ね、加圧部位のマイクロカプセルを破壊させることにより発色剤を顕色剤に吸着させ、化学反応により発色させるものである。
該圧力測定フィルムは、発色剤を入れたマイクロカプセルを含む発色剤層を支持体に塗布したフィルムを、顕色剤を支持体に塗布したフィルムに重ね、加圧部位のマイクロカプセルを破壊させることにより発色剤を顕色剤に吸着させ、化学反応により発色させるものである。
マイクロカプセルの粒径は数μm〜数十μmであるが、マイクロカプセルの粒径が小さいと、マイクロカプセルが破壊されにくくなるため、低い圧力を検知するためには、圧力測定フィルムに用いるマイクロカプセルの粒径は数十μmにする必要がある。
しかし、該圧力測定フィルムは、マイクロカプセルの破壊により圧力を検知しているため、マイクロカプセルの粒径より小さい領域(以下、微小領域と記す。)に加わる圧力を検知できない問題がある(特許文献3の段落[0003]、[0006])。
特開昭50−126479号公報
特開平06−331467号公報
特開2000−321156号公報
しかし、該圧力測定フィルムは、マイクロカプセルの破壊により圧力を検知しているため、マイクロカプセルの粒径より小さい領域(以下、微小領域と記す。)に加わる圧力を検知できない問題がある(特許文献3の段落[0003]、[0006])。
本発明は、低い圧力であっても、従来の圧力測定フィルムでは検知できなかった微小領域に加わる圧力を検知できる圧力センサ、および該圧力センサが圧力を検知した微小領域を検出できる圧力検知方法を提供する。
本発明の圧力センサは、表面に微細凹凸構造を有し、該微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであることを特徴とする。
前記微細凹凸構造は、複数の凸部を有し、該凸部間の平均間隔が400nm以下であることが好ましい。
前記微細凹凸構造は、複数の凸部を有し、該凸部間の平均間隔が400nm以下であることが好ましい。
本発明の圧力検知方法は、本発明の圧力センサに圧力が加わることによって前記微細凹凸構造が変化した領域を、圧力センサからの散乱光、反射光または透過光を測定することにより検出することを特徴とする。
本発明の圧力センサは、低い圧力であっても、従来の圧力測定フィルムでは検出できなかった微小領域に加わる圧力を検出できる。
本発明の圧力検知方法によれば、本発明の圧力センサが圧力を検知した微小領域を検出できる。
本発明の圧力検知方法によれば、本発明の圧力センサが圧力を検知した微小領域を検出できる。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、活性エネルギー線は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
<圧力センサ>
図1は、本発明の圧力センサの一例を示す断面図である。圧力センサ10は、フィルム状の基材12と、基材12の表面に形成された、微細凹凸構造を有する硬化樹脂膜14とを有する。
図1は、本発明の圧力センサの一例を示す断面図である。圧力センサ10は、フィルム状の基材12と、基材12の表面に形成された、微細凹凸構造を有する硬化樹脂膜14とを有する。
(基材)
基材12は、光を透過できるフィルムである。
基材12の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
基材12は、光を透過できるフィルムである。
基材12の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
(硬化樹脂膜)
硬化樹脂膜14は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の凸部16を有する。
硬化樹脂膜14は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の凸部16を有する。
微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の凸部16が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造が好ましい。凸部16間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで特に有効な反射防止の手段となることが知られている。よって、圧力センサ10においては、凸部が変形せず、かつ破壊されずに、もとの形状のままで微細凹凸構造(モスアイ構造)が存在する領域と、圧力が加わって凸部が変形する、および/または破壊されることによって微細凹凸構造(モスアイ構造)が変化した領域とでは、散乱光、反射光および透過光の輝度に差が生じる。
凸部16間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましい。陽極酸化アルミナのモールドを用いて凸部16を形成した場合、凸部16間の平均間隔は100nm程度となることから、200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。
凸部16間の平均間隔は、凸部16の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。
凸部16間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部16間の間隔(凸部16の中心から隣接する凸部16の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部16間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部16間の間隔(凸部16の中心から隣接する凸部16の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部16の高さは、圧力センサ10に検知させる圧力の大きさに応じて適宜設定すればよい。凸部16の高さは、圧力センサ10の反射率および取扱性の点からは、80〜500nmが好ましく、150〜300nmがより好ましい。凸部16の高さが80nm以上であれば、反射率が十分に低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部16の高さが500nm以下であれば、凸部16の耐擦傷性が良好となる。
凸部16の高さは、電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、凸部16の最頂部と、凸部16間に存在する凹部の最底部との間の距離を測定した値である。
凸部16の高さは、電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、凸部16の最頂部と、凸部16間に存在する凹部の最底部との間の距離を測定した値である。
凸部16のアスペクト比(凸部16の高さ/凸部16間の平均間隔)は、圧力センサ10に検知させる圧力の大きさに応じて適宜設定すればよい。凸部16のアスペクト比は、圧力センサ10の反射率および取扱性の点からは、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。凸部16のアスペクト比が1.0以上であれば、反射率が十分に低くなる。凸部16のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部16の耐擦傷性が良好となる。
凸部16の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部16の断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部16の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
<圧力センサの製造方法>
圧力センサ10は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のような光インプリント法にて製造される。
表面に微細凹凸構造(図示略)を有するロール状モールド22と、ロール状モールド22の表面に沿って移動する帯状の基材12との間に、タンク24から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する。
圧力センサ10は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のような光インプリント法にて製造される。
表面に微細凹凸構造(図示略)を有するロール状モールド22と、ロール状モールド22の表面に沿って移動する帯状の基材12との間に、タンク24から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する。
ロール状モールド22と、空気圧シリンダ26によってニップ圧が調整されたニップロール28との間で、基材12および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、基材12とロール状モールド22との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド22の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ロール状モールド22の下方に設置された活性エネルギー線照射装置30から、基材12を通して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることによって、ロール状モールド22の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂膜14を形成する。
剥離ロール32により、表面に硬化樹脂膜14が形成された基材12を剥離することによって、圧力センサ10を得る。
剥離ロール32により、表面に硬化樹脂膜14が形成された基材12を剥離することによって、圧力センサ10を得る。
活性エネルギー線照射装置30としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が好ましく、この場合の光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cm2が好ましい。
(ロール状モールド)
ロール状モールド22は、表面に陽極酸化アルミナを有するモールドである。表面に陽極酸化アルミナを有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
ロール状モールド22は、表面に陽極酸化アルミナを有するモールドである。表面に陽極酸化アルミナを有するモールドは、大面積化が可能であり、作製が簡便である。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、表面に複数の細孔(凹部)を有する。
表面に陽極酸化アルミナを有するモールドは、例えば、下記(a)〜(e)工程を経て製造できる。
(a)ロール状のアルミニウムを電解液中、定電圧下で陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)ロール状のアルミニウムを電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)前記(c)工程と(d)工程を繰り返し行う工程。
(a)ロール状のアルミニウムを電解液中、定電圧下で陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)ロール状のアルミニウムを電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)前記(c)工程と(d)工程を繰り返し行う工程。
(a)工程:
図3に示すように、アルミニウム34を陽極酸化すると、細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸等が挙げられる。
図3に示すように、アルミニウム34を陽極酸化すると、細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸等が挙げられる。
シュウ酸を電解液として用いる場合:
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、周期が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、周期が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合:
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
(b)工程:
図3に示すように、酸化皮膜38を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点40にすることで細孔の規則性を向上することができる。
図3に示すように、酸化皮膜38を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点40にすることで細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
(c)工程:
図3に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム34を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
陽極酸化は、(a)工程と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
図3に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム34を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
陽極酸化は、(a)工程と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
(d)工程:
図3に示すように、細孔36の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
図3に示すように、細孔36の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
(e)工程:
図3に示すように、(c)工程の陽極酸化と、(d)工程の細孔径拡大処理を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔36を有する陽極酸化アルミナが形成され、表面に陽極酸化アルミナを有するモールド(ロール状モールド22)が得られる。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて製造された硬化樹脂膜14の反射率低減効果は不十分である。
図3に示すように、(c)工程の陽極酸化と、(d)工程の細孔径拡大処理を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔36を有する陽極酸化アルミナが形成され、表面に陽極酸化アルミナを有するモールド(ロール状モールド22)が得られる。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて製造された硬化樹脂膜14の反射率低減効果は不十分である。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂膜14との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シランカップリング剤またはフッ素含有シリコーン系シランカップリング剤をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔36の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔36間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましい。細孔36間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。
細孔36間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましい。細孔36間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。
細孔36の深さは、100〜400nmが好ましく、150〜300nmがより好ましい。
細孔36のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
図3に示すような細孔36を転写して形成された硬化樹脂膜14の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
細孔36のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
図3に示すような細孔36を転写して形成された硬化樹脂膜14の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
R11 xSi(OR12)y ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
R11 xSi(OR12)y ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
R21O[Si(OR23)(OR24)O]zR22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
R21O[Si(OR23)(OR24)O]zR22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。重合開始剤の量が0.1質量部未満では、重合が進行しにくい。重合開始剤の量が10質量部を超えると、硬化膜が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
以上説明した圧力センサ10にあっては、表面の微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであるため、圧力が加わることによって微細凹凸構造の凸部が変形しやすい、または破壊されやすい。そして、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成された凸部の間隔は、従来の圧力測定フィルムのマイクロカプセルの粒径に比べてはるかに小さいため、従来の圧力測定フィルムでは検知できなかった微小領域に加わる圧力を微細凹凸構造の変化により検知できる。
なお、本発明の圧力センサは、図示例の圧力センサ10に限定はされない。例えば、微細凹凸構造は、圧力センサ10においては、圧力センサ10の硬化樹脂膜14の表面に形成されているが、硬化樹脂膜14を設けることなく基材12の表面に直接形成されていてもよい。
また、後述の圧力検知方法において、圧力センサが圧力を検知した微小領域を透過光により検出しない場合、基材12は透明でなくてもよい。また、微細凹凸構造を熱インプリント法で形成する場合も、基材12は透明でなくてもよい。
また、後述の圧力検知方法において、圧力センサが圧力を検知した微小領域を透過光により検出しない場合、基材12は透明でなくてもよい。また、微細凹凸構造を熱インプリント法で形成する場合も、基材12は透明でなくてもよい。
(圧力検知方法)
圧力センサ10が圧力を検知した領域(すなわち、微細凹凸構造の凸部が変形し、および/または破壊され、微細凹凸構造が変化した領域)は、非常に小さいため、目視で確認することが困難な場合がある。その場合、圧力センサ10が圧力を検知した領域を目視以外で検出する必要がある。
圧力センサ10が圧力を検知した領域(すなわち、微細凹凸構造の凸部が変形し、および/または破壊され、微細凹凸構造が変化した領域)は、非常に小さいため、目視で確認することが困難な場合がある。その場合、圧力センサ10が圧力を検知した領域を目視以外で検出する必要がある。
圧力センサ10は、反射率が十分に低いため、圧力センサ10おいては、凸部が変形せず、かつ破壊されずに、もとの形状のままで微細凹凸構造が存在する領域と、圧力が加わって凸部が変形し、および/または破壊されることによって微細凹凸構造が変化した領域とでは、散乱光、反射光および透過光の輝度に差が生じる。
例えば、もとの形状のままで微細凹凸構造が存在する領域では、光の反射率は十分に低いが、微細凹凸構造が変化した領域では、光の反射率が高い。また、もとの形状のままで微細凹凸構造が存在する領域では、光の反射が少ないため光の透過率は十分に高いが、微細凹凸構造が変化した領域では、光の反射により光の透過率は低くなる。
そこで、散乱光、反射光または透過光の輝度の差を利用して、圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出する。
具体的には、圧力センサからの反射光または透過光を、CCDカメラ等の画像センサで読みとり、画像センサの各画素からの出力電圧を測定し、該電圧の差から圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出する。
具体的には、圧力センサからの反射光または透過光を、CCDカメラ等の画像センサで読みとり、画像センサの各画素からの出力電圧を測定し、該電圧の差から圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(陽極酸化アルミナの細孔)
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔の間隔、細孔の深さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
(硬化樹脂膜の凸部)
硬化樹脂膜の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
硬化樹脂膜の破断面にプラチナを10分間蒸着し、陽極酸化アルミナと同様に断面を観察し、凸部の間隔、凸部の高さを測定した。各測定は、それぞれ50点について行い、平均値を求めた。
(加重平均反射率)
圧力センサについて、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角5°、波長380〜780nmの範囲で硬化樹脂膜の表面の相対反射率を測定し、JIS R3106に準拠して算出した。
圧力センサについて、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角5°、波長380〜780nmの範囲で硬化樹脂膜の表面の相対反射率を測定し、JIS R3106に準拠して算出した。
〔ロール状モールドの製造〕
純度99.99%のアルミニウムからなるロールを、過塩素酸/エタノール混合溶液(1/4体積比)中で電解研磨した。
(a)工程:
該ロールについて、0.5Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
(b)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
純度99.99%のアルミニウムからなるロールを、過塩素酸/エタノール混合溶液(1/4体積比)中で電解研磨した。
(a)工程:
該ロールについて、0.5Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
(b)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
(c)工程:
該ロールについて、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
(d)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
該ロールについて、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
(d)工程:
酸化皮膜が形成されたロールを、32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
(e)工程:
前記(c)工程および(d)工程を合計で5回繰り返し、平均間隔:100nm、深さ:220nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状モールドaを得た。
ロール状モールドaを、オプツールDSX(ダイキン化成品販売社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、酸化皮膜表面のフッ素化処理を行った。
前記(c)工程および(d)工程を合計で5回繰り返し、平均間隔:100nm、深さ:220nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状モールドaを得た。
ロール状モールドaを、オプツールDSX(ダイキン化成品販売社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾して、酸化皮膜表面のフッ素化処理を行った。
〔活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の調製〕
表1、表2に示す割合で各成分を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物A、Bを調製した。
表1、表2に示す割合で各成分を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物A、Bを調製した。
表中の略号は下記の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM400)、
M260:ポリエチレングリコールジアクリレートn=13〜14(東亞合成社製、アロニックスM260)、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM400)、
M260:ポリエチレングリコールジアクリレートn=13〜14(東亞合成社製、アロニックスM260)、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
表中の略号は下記の通りである。
TAS:トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル、
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
X−22−1602:ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製)、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
TAS:トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル、
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
X−22−1602:ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製)、
Ir184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、イルガキュア184)。
〔フィルムの製造〕
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、1,3−ブタジエンおよびメタクリル酸アリルを重合してなるゴム含有多段重合体の75質量部、およびアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、BR80)の25質量部をあらかじめ溶融押し出しした後、製膜して、厚さ200μmのアクリル樹脂フィルムを得た。
メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、1,3−ブタジエンおよびメタクリル酸アリルを重合してなるゴム含有多段重合体の75質量部、およびアクリル樹脂(三菱レイヨン社製、BR80)の25質量部をあらかじめ溶融押し出しした後、製膜して、厚さ200μmのアクリル樹脂フィルムを得た。
〔実施例1〕
図2に示す製造装置を用いて、圧力センサ10を製造した。
ロール状モールド22としては、前記ロール状モールドaを用いた。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを用いた。
基材12としては、前記アクリル樹脂フィルムを用いた。
基材12側から、積算光量3200mJ/cm2の紫外線を、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの塗膜に照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った。
得られた圧力センサ10について、凸部間の平均間隔、凸部の高さ、加重平均反射率を測定した。結果を表3に示す。
図2に示す製造装置を用いて、圧力センサ10を製造した。
ロール状モールド22としては、前記ロール状モールドaを用いた。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを用いた。
基材12としては、前記アクリル樹脂フィルムを用いた。
基材12側から、積算光量3200mJ/cm2の紫外線を、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの塗膜に照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った。
得られた圧力センサ10について、凸部間の平均間隔、凸部の高さ、加重平均反射率を測定した。結果を表3に示す。
圧力センサ10の表面に針を接触させ、直径およそ5μmの領域にて微細凹凸構造の凸部16を変形させ、または破壊し、微細凹凸構造を変化させた。
浜松ホトニクス社製のQRCA−HRを用いて圧力センサ10の硬化樹脂膜の表面の反射光をCCDカメラで読みとり、画像センサの各画素からの出力電圧を測定したところ、微細凹凸構造が変化した領域と、これに隣接する、もとの形状のままで微細凹凸構造が存在する領域とで、出力電圧に差が生じ、圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出できた。
浜松ホトニクス社製のQRCA−HRを用いて圧力センサ10の硬化樹脂膜の表面の反射光をCCDカメラで読みとり、画像センサの各画素からの出力電圧を測定したところ、微細凹凸構造が変化した領域と、これに隣接する、もとの形状のままで微細凹凸構造が存在する領域とで、出力電圧に差が生じ、圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出できた。
〔実施例2〕
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、圧力センサを得た。得られた圧力センサ10について、凸部間の平均間隔、凸部の高さ、加重平均反射率を測定した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様にして評価したところ、圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出できた。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、圧力センサを得た。得られた圧力センサ10について、凸部間の平均間隔、凸部の高さ、加重平均反射率を測定した。結果を表3に示す。また、実施例1と同様にして評価したところ、圧力センサ10が圧力を検知した微小領域を検出できた。
本発明の圧力センサは、光学部品(光学フィルム等)や電子部品(半導体素子等)の製造において、これら部品に接触する製造装置の部材の平滑性、平行性等を評価する手段として有用である。
10 圧力センサ
12 基材
12 基材
Claims (3)
- 表面に微細凹凸構造を有し、
該微細凹凸構造が、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものである、圧力センサ。 - 前記微細凹凸構造が、複数の凸部を有し、該凸部間の平均間隔が400nm以下である、請求項1に記載の圧力センサ。
- 請求項1または2に記載の圧力センサに圧力が加わることによって前記微細凹凸構造が変化した領域を、圧力センサからの散乱光、反射光または透過光を測定することにより検出する、圧力検知方法。
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JP2008107721A JP2009257946A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | 圧力センサおよび圧力検知方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015146035A1 (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-01 | 富士フイルム株式会社 | 接触検知センサおよび接触検知方法 |
-
2008
- 2008-04-17 JP JP2008107721A patent/JP2009257946A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015146035A1 (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-01 | 富士フイルム株式会社 | 接触検知センサおよび接触検知方法 |
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