JP2009257665A - 冷却装置 - Google Patents

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勝利 端野
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Abstract

【課題】 従来の冷却装置の問題点を解決し、蒸発器の目詰まりや凍結破損のしがたい冷却装置を提供する。
【解決手段】 冷却装置1は、冷却塔2とチラーユニット3を有し、外部機器を冷却した被冷却流体を冷却塔2とチラーユニット3の蒸発器33を通過させて冷却し、再び外部機器へ被冷却流体を送水するものである。蒸発器33の被冷却流体入口と被冷却流体出口との間に第一バイパス回路30dを設け、第一バイパス管路30dと蒸発器33とを通過する管路との第一切替手段(38b、38c)を付設する。そして、外部機器へ送水する被冷却流体の出口温度(T1)が所定の温度以下になったときに、蒸発器33を通過させず、第一バイパス管路30dを通過させて被冷却流体を送水する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷却すべき機器から戻る被冷却流体を冷却した後、前記機器に被冷却流体を送り出す冷却装置に関し、特に冷却装置を構成するチラーユニットの蒸発器のスケール付着や目詰まりの発生を低減させ、被冷却流体が凍結して、蒸発器が破損することを防止した冷却装置に関する。
一般に冷却を必要とする各種機械設備では、15から30℃に冷却された被冷却流体を供給し、熱交換させ各種機械設備を冷却することが行われている。特に精度を必要とする機械設備に被冷却流体を供給するために、18℃から29℃程度の中低温域の被冷却流体を供給する装置として、伝熱(冷却)パイプを複数層に重ねて形成した冷却部と冷却部に散水する散水装置及び冷却部に通風する冷却ファンとを有する密閉蒸発式冷却塔と、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有しかつこの順に冷媒を循環させる冷却器とを同一の筐体内に上下に一体的に設け、冷却部と蒸発器とを被冷却流体が通過するように接続し、被冷却流体をまず前記冷却部、次に前記蒸発器の順に通過させて外部に送り出すように設けるとともに、被冷却流体の温度によって冷却塔及び冷却器の運転、停止を制御する温度調節器を備えた冷却装置が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、冬期の凍結破損防止を目的とし、被冷却流体の凍結する恐れのある温度以下になったら循環ポンプ(又は別途設けた小型循環ポンプ)を起動させ、バイパス管を経由させて冷却塔と蒸発器との間に被冷却流体を循環することが記載されている。
特公平5−70069号公報 特開平10−103840号公報(第2頁から第3頁、図2、及び図3参照)
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術によれば、冷却装置の冷水経路は冷却塔と蒸発器を通過させるものであるので、必ずチラーユニットの蒸発器を通過する経路であり、冷却すべき機器又はそれに至る配管内で発生した錆、異物、スケール等が蒸発器内に侵入し、蒸発器内で目詰まりさせ、冷却性能を著しく低下させたり、水流が滞り、凍結破損に至ったりする恐れがある。
従って本発明の目的は、従来の冷却装置の問題点を解決し、蒸発器の目詰まりや凍結破損の発生しがたい冷却装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の冷却装置は、冷却塔とチラーユニットからなり、外部機器を冷却した被冷却流体を冷却塔とチラーユニットの蒸発器を通過させて冷却し、再び外部機器へ被冷却流体を送水する冷却装置において、前記蒸発器の被冷却流体入口と被冷却流体出口との間に第一バイパス回路を設け、該第一バイパス管路と前記蒸発器とを通過する管路との第一切換手段を付設し、外部機器へ送水する被冷却流体の出口温度が所定の温度以下になったときには、前記蒸発器を通過させず、第一バイパス管路を通過させて被冷却流体を送水することを特徴とするものである。
また本発明の冷却装置は、前記冷却塔を迂回する第二バイパス管路と、該第二バイパス管路と前記冷却塔を通過する管路との第二切換手段を付設し、
前記被冷却流体の前記冷却塔入口温度が前記冷却塔出口温度よりも低いときは前記冷却塔を通過する管路を閉として前記第二バイパス管路を開とし、前記被冷却流体の前記冷却塔入口温度が前記冷却塔出口温度よりも高いときには前記冷却塔を通過する管路を開として前記第二バイパス管路を閉とするように前記第二切換手段を制御することができる。
本発明によれば、チラーユニットを稼動させないで、冷却塔のみで冷却制御されるときには、被冷却流体を蒸発器に通過させないので、被冷却流体管路内の錆、異物等を蒸発器に持ち込ませることなく、またスケールの付着も防止できる。従って、蒸発器の冷却性能を著しく低下させたり、凍結破損に至ったりすることを抑制することができる。
以下本発明の詳細を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる冷却装置の機器構成を示す概略断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係わる冷却装置の運転フローの一部を示すチャート図である。
冷却装置1は、ケース(筐体)10の内部に収容された冷却塔2とその下方に配置されたチラーユニット3とを有し、ケース10の側部には外気を取り込むために通風孔(ルーバー)11が設けられている。冷却塔2は、上から順に、モータ20aにより駆動される冷却ファン(送風機)20bと、底面に散水孔21aを有する散水槽21と、内周側が入口ヘッダー22に接続され外周側が出口ヘッダー23に接続された密閉蒸発式の冷却ユニット24と、冷却ユニット24に散水される散布水を補給する補給用水栓27とストレーナ26aを有する受水槽26を備えている。受水槽26と散水槽21とを接続する連結管28の途中には散水ポンプ29が設けられている。
冷却ユニット24は、銅管コイルを渦巻き状に巻回して形成された冷却パイプから構成されている。冷却パイプは中心側から外周側に向けて若干の上り勾配となっており、出口ヘッダーの上部に設けられた空気抜き弁25から内部の空気を排出するようになっている。また、冷却ユニット24の内周面にはエリミネータ40が設けられており、散布水のキャリーオーバを防止している。入口ヘッダー22には、冷却ユニット24内に被冷却流体を流入させるために往き管30aが接続され、出口ヘッダー23には、冷却ユニット24から流出する被冷却流体を蒸発器33a、33bに流すために戻り管30bが接続され、さらに蒸発器には、被冷却流体を外部機器(不図示)に戻すためにチラー部配管30eが接続されている。
チラーユニット3は、複数の圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁から構成されており、例えば各一対の圧縮機31a、31b、凝縮器32a、32b、蒸発器33a、33b及び膨張弁34a、34b及び冷媒が循環する冷媒管路35a、35bを含む。凝縮器32a、32bは、渦巻き状に巻回して形成された伝熱パイプを有し、各伝熱パイプは入口ヘッダー36a、36bを介して一対の圧縮機31a、31bに接続され、また出口ヘッダー37a、37bを介して一対の膨張弁34a、34bに接続されている。さらにチラーユニット3においては、冷却ユニット24の上流側に設けられた往き管30aの途中(X1)からバイパス管30cが分岐され、このバイパス管30cは冷却ユニット24の下流側に設けられた戻り管30bとその出口(X2)で合流しかつ蒸発器33a、33bを通過するチラー部配管30eに接続されている。また、戻り管30bの途中(X3)からバイパス管30dが分岐され、このバイパス管30dはチラー配管30eとその出口(X4)で合流している。
バイパス管30c、戻り管30b及びバイパス管30dの途中にはそれぞれ被冷却流体の流路を切替る方向切換弁(二方弁)38a、38b及び38cが設けられている。また往き管30aの入口付近、チラー部配管30dの出口付近、戻り管30bの途中及び受水槽26の周囲には、各々被冷却流体の入口温度を検出する温度センサ39a、被冷却流体の出口温度を検出する温度センサ39b、冷却ユニット24を通過後の被冷却流体の温度を検出する温度センサ39c及び外気湿球温度を検出する温度センサ39dが設置されている。
上記冷却装置1の運転方法の一例を図2を用いて説明する。まず初期状態における方向切換弁38a、38b、38cは、方向切換弁38a、38bが「閉」、方向切換弁38cが「開」である。
冷却装置1の運転を開始すると、温度センサ39bにて被冷却流体の出口温度T1を検知し、シーケンサ(不図示)に記憶された設定温度T0と比較する(S1)。通常は被冷却流体が外部機械設備で熱交換されるので、T1>T0である。外部機器(図示せず)で熱交換された高温の被冷却流体は往き管30aを経由して冷却塔2の内部に導入され、冷却塔2の上部に配置された散水槽12の底面に設けた多数の小孔から散布水が冷却ユニット24に均一に散布され、その冷却コイルの中を通過する被冷却流体が冷却される。この場合、散水された散布水は冷却パイプの外周面に水膜を作りながら順に下方の冷却パイプに落下し、冷却パイプがそこに散水された水の蒸発潜熱で冷却され、冷却パイプ内の被冷却流体が冷却される。送風機20bは図示しないインバータで回転数を制御されており、送風機20bの送風量を増加することが可能かを判断する(S2)。そして、送風量の増加が可能であれば、送風量を増加させ(S3)、冷却塔2のみで運転を継続する。
被冷却流体の出口温度T1が設定温度T0以下に低下すると、送風機20bの送風量を減少させ(S4)、被冷却流体の出口温度T1の温度制御を行いつつ、冷却塔2のみで運転を継続する。例えば冬期など外気湿球温度が10℃位に低下しているときには、冷却塔2のみの運転で十分に温度制御することが出来る。
このとき、方向切換弁38a、38bが「閉」、方向切換弁38cが「開」であるので、被冷却流体は、蒸発器33a、33bを通過することがなく、冷却水管路内の錆、異物等を蒸発器に持ち込ませることなく、またスケールの付着も防止できる。
ここで、上記冷却ユニット24に散水される散布水は、補給用水栓27から受水槽26に供給されるとともに、受水槽26の下部に設けられたストレーナ26aで挟雑物が除去された後、散水ポンプ29で汲み上げられて散水槽21に給送される。さらに冷却ユニット24は散布水に加えて、送風機20bにより導入された外気によって冷却される。
続いて、外気温度が上昇したり、外部機器からの熱負荷が上昇したりすると、冷却塔2の冷却能力では冷却不足になってくる。そこで、チラーユニット3の運転を開始する。このとき方向切換弁38bを「開」とし、方向切換弁38cを「閉」とすることによって、被冷却流体を蒸発器33a、33bに導入する(S5)。
そこで冷却ユニット24で冷却された被冷却流体は、出口ヘッダー23からチラーユニット3に給送され、そこで冷却媒体に吸熱された後、外部機器に給送される。チラーユニット3においては、圧縮機31a、31bで圧縮された冷媒を、凝縮器32a、32bで放熱し、膨張弁34a、34bを介して蒸発器33a、33b内で膨張蒸発して吸熱するサイクルが繰り返される。凝縮器32a、32bにおいては、圧縮機31a、31bで圧縮された冷媒と、散水手段の一部である受水槽26から給送される散布水及び冷却塔2の内部に導入される外気とが熱交換される。
次に、夏期又は夏期と冬期の中間期のように外気温度が高い(例えば20℃以上)の場合は、散布水の温度は20〜30℃になるため、被冷却流体は次の手順で冷却される。即ち温度センサ39aで検知した冷却塔入口水温T2よりも温度センサ39cで検知した冷却塔出口水温T3の方が高い場合(S6)である。
この場合、シーケンサから方向切換弁38aを開弁し、方向切換弁38bを閉弁する信号を出力することにより、冷却装置1内に流入した高温の被冷却流体は、冷却ユニット2を通らずにバイパス管30cに給送されて第二バイパス運転が行われる(S7)。
これによって被冷却流体は冷却塔1を通さずにチラー3による蒸発器33a、33bでのみ冷却される。即ち入口水温T2と出口水温T3を直接比較して冷却塔1を通過することによる不必要な加熱や、冷却塔1を運転することによる不必要な電力損失を除去している。
またS8で、上記の冷却塔運転からバイパス運転に切替った時の入口温度T2−湿球温度T4(T4は温度センサ39dの検出値))=ΔTaを記憶しておき、引き続き第二バイパス運転が行われる。そして、第二バイパス運転中は常時、冷却塔1への入口温度T2−湿球温度T4)の値(ΔTb)が、前記S8で記憶したΔTa+2℃の値より大きいかどうかを比較している(S9)。ΔTa+2℃よりも大きくなったら第二バイパス運転が解除され、冷却塔1へ導く運転に切換えられる。このとき方向切換弁38bが「開」に、方向切換弁38aが「閉」に動作する(S10)。上記の入口温度T2−湿球温度T4がΔTa+2℃大きいかどうかの比較で、ΔTa+2℃を設けているのは、冷却塔1へと第二バイパス運転との切換えが交互に発生するチャタリング現象が生じるのを防止するためである。このステップS5の制御により、運転中の入口温度T2−湿球温度T4が、第二バイパス運転に切換えられた際のΔTaと比較しているから、冷却塔1で確実に冷却できる条件になった際に冷却塔での運転に切換えられ、正確な冷却塔での運転と、第二バイパス運転によるチラーのみによる冷却との切換え制御が行われる。
また再び外気温度が低下し、被冷却流体の出口温度T1が設定温度T0以下になったとき(S1)には、チラーユニット3の運転を停止する(S11)。チラーユニット3が停止すると、タイマtがカウントアップを開始し、所定の保持時間t0(例えば5分間)になるまで、この状態を保持する(S12)。これは負荷変動による頻繁な切り替え(チャタリング)を防止するためである。そして、t≧t0になると、方向切換弁38cを「開」に、方向切換弁38aを「閉」に動作させる第一バイパス運転を行う(S13)。この第一バイパス運転においては、被冷却流体は、蒸発器33a、33bを通過することがなく、冷却水管路内の錆、異物等を蒸発器に持ち込ませることなく、またスケールの付着も抑制できる。
ところで、上述したように蒸発器33a、33bは、冷媒を膨張蒸発させて被冷却流体の熱を冷媒に吸熱させる装置であるが、蒸発器33a、33bの冷却水路には、ストレーナを取り付けたとしても捕獲できないごみ、配管内部の錆、又は被冷却流体に含まれるカルシウム等が流入してしまい、冷却水路内面にスケールとして付着しやすい。このスケール付着に気づかず冷却装置の運転を続けると、冷却水路が閉塞(目詰まり)し冷媒の吸熱作用によって凍結することによって、破損してしまう虞があるために、洗浄剤などを用いた定期的な洗浄作業が必要である。
しかしながら、密閉型のチラーユニットでは配管内部を直接観察することが困難であるために、スケールの影響を判断することに難があった。
図3は、蒸発器近傍配管を示す模式図、図3(a)は斜視図、図3(b)は下方分岐部の拡大断面図である。
図3(a)に示すように、蒸発器33a〜33eは複数台(図中では5台)設けられ、出口(X2)側から流入した被冷却流体は、主管30fから分岐された分岐管30gを経由して蒸発器33a〜33eに流入する。そして蒸発器33a〜33eの出口には分岐管30hがそれぞれ接続され、被冷却流体は主管30iを経由してチラー部配管30eへ流出する。
主管30fには下方を向くように下方分岐部61が設けられ、更にその下方には開閉弁63を接続させている。図3(b)に示すように、ストレーナ26aで捕獲できなかったごみや錆は冷却水と比較して比重が大きいので、主管30fの下内面を流れ、下方側の蒸発器33d、33eに流入される。分岐部61をそれらの手前に設けることで、内部に捕獲され、蒸発器への流入を軽減することができる。
また、定期的に開閉弁63を開け、下方分岐部61の捕獲物を確認することによって、容易に洗浄作業の時期を決めることができる。
本発明の実施の形態に係わる冷却装置の機器構成を示す概略断面図である。 図1の冷却装置の運転フローの一部を示すチャート図である。 蒸発器近傍配管を示す模式図である。
符号の説明
1:冷却装置、10:筐体、11:ルーバー、
2:冷却塔、20a:モータ、20b:送風機、21:散水槽、22:入口ヘッダー、23:出口ヘッダー、24:冷却ユニット、25:空気抜き弁、26:受水槽、26a:ストレーナ、27:補給用水栓、28:連結管、29:ポンプ、
3:チラーユニット、30a:往き管、30b:戻り管、30c:バイパス管(第二バイパス管路)、30d:バイパス管(第一バイパス管路)、30e:チラー部配管、
31a、31b:圧縮機、32、32a、32b:凝縮器、33a、33b、33c、33d、33e:蒸発器、34a、34b:膨張弁、35a、35b:冷媒管路、36、36a、36b:入口ヘッダー、37、37a、37b:出口ヘッダー、38a、38b、38c:方向切換弁(切換手段)、39a、39b、39c、39d:温度センサ、
40:エリミネータ、
61:下方分岐部、63:開閉弁、

Claims (3)

  1. 冷却塔とチラーユニットからなり、外部機器を冷却した被冷却流体を冷却塔とチラーユニットの蒸発器を通過させて冷却し、再び外部機器へ被冷却流体を送水する冷却装置において、
    前記蒸発器の被冷却流体入口と被冷却流体出口との間に第一バイパス回路を設け、該第一バイパス管路と前記蒸発器とを通過する管路との第一切換手段を付設し、
    外部機器へ送水する被冷却流体の出口温度が所定の温度以下になったときには、前記蒸発器を通過させず、第一バイパス管路を通過させて被冷却流体を送水することを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷却塔を迂回する第二バイパス管路と、該第二バイパス管路と前記冷却塔を通過する管路との第二切換手段を付設し、
    前記被冷却流体の前記冷却塔入口温度が前記冷却塔出口温度よりも低いときは前記冷却塔を通過する管路を閉として前記第二バイパス管路を開とし、
    前記被冷却流体の前記冷却塔入口温度が前記冷却塔出口温度よりも高いときには前記冷却塔を通過する管路を開として前記第二バイパス管路を閉とするように前記第二切換手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記蒸発器の被冷却流体入口に下方に向けた分岐部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷却装置。
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