JP2009256274A - 5員複素環化合物を有効成分とする抗ガン剤および新規5員複素環化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、下記構造式等で示されるチオフェン誘導体が知られているが、抗ガン剤としては知られていない(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
さらに、下記構造式で示される化合物が抗ガン剤として知られている(例えば、特許文献1、非特許文献4参照。)。しかし、本発明で使用される化合物とは、フェニル基が置換基を有していない点で異なっている。
そのためさらなる治療の進歩が必要であるが、類似の化学構造を持つ抗ガン剤は、抗腫瘍スペクトラム、抗ガン剤耐性スペクトラムも類似するため、新規の化学構造式を持つ抗ガン剤の開発は重要である。
化合物ライブラリーのスクリーニングでは、スクリーニング手法を変えることで、生物学的活性、化学構造の相違した化合物が選択されると考えられるが、実際には共通の化学構造を持ち、類似の生物学的活性を持つ抗ガン剤が多く存在している。
このような問題に鑑み、本発明者らは、肺ガン株PC−9とPC−9から樹立した抗ガン剤耐性株(ゲフィティニブ耐性株)を同時に用いた感受性試験をスクリーニング系に用い、それぞれの化合物の細胞毒性を特徴づけた。また、同時に選択された化合物の一部の化合物での新規性を確認した。PC−9細胞は上皮増殖因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor; EGFR)を発現し、その生存はEGFRからのシグナルに強く依存している。一方、PC−9/ZDはその依存度が著しく減弱した細胞である。この開発により既存抗ガン剤とは違う特徴を有する抗ガン剤を開発することができる。
本発明の課題は、このような背景のもとになされたものであって、新しい生物学的活性を持つ新規抗ガン剤および新規化合物を提供することにある。
(1) 式(I)
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR6(式中、R6は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基または置換若しくは非置換のアロイル基を表す)、NR7R8(式中、R7およびR8は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基またはR7およびR8が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、N(R9)C(=Q1)NR10R11(式中、Q1は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基を表し、R9は、水素原子または置換若しくは非置換のアルキル基を表し、R10およびR11は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR10およびR11が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR12(式中、R12は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、C(=Q2)NR13R14(式中、Q2は、酸素原子または硫黄原子を表し、R13およびR14は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR13およびR14が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、S(O)jR15(式中、R15は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、jは、0、1または2を表す)、SO2NR16R17(式中、R16およびR17は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR16およびR17が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を表すか、または、R2およびR3は、一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく(以下、R2およびR3が結合して環を形成する際のR2およびR3の結合をZという);
R5は、R2およびR3が結合して環を形成する際の、当該環の置換基を表し、該置換基は、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR18(式中、R18は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基または置換若しくは非置換のアロイル基を表す)、NR19R20(式中、R19およびR20は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基またはR19およびR20が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、N(R21)C(=Q3)NR22R23(式中、Q3は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基を表し、R21は、水素原子または置換若しくは非置換のアルキル基を表し、R22およびR23は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR22およびR23が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR24(式中、R24は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、C(=Q4)NR25R26(式中、Q4は、酸素原子または硫黄原子を表し、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR25およびR26が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、S(O)kR27(式中、R27は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、kは、0、1または2を表す)、SO2NR28R29(式中、R28およびR29は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR28およびR29が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基を表し;
mは、0〜5の整数を表し、mが2以上の場合、R5は、同一または異なっていてもよく;
ここで、
Xが、硫黄原子を表すとき、
R1とR2およびR3とR4が結合している炭素原子間は、二重結合を表し、
R4と炭素原子との結合は、単結合を表し、ここで、
R1は、NR1aR1b(式中、R1aおよびR1bは、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基、または、R1aおよびR1bが一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)を表し、
R4は、COR4a[式中、R4aは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR30(式中、R30は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、NR31R32(式中、R31およびR32は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR31およびR32が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR33(式中、R33は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)または式(II)
で表される基を表す]、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表すか、
または、
Xが、−N=C(R34)(R35)(式中、R34は、置換アリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、R35は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)を表すとき、
R1とR2およびR3とR4が結合している炭素原子間は、単結合を表し、
R4と炭素原子との結合は、二重結合を表し、ここで、
R1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR6(式中、R6は、前記と同義である)、NR7R8(式中、R7およびR8は、前記と同義である)、N(R9)C(=Q1)NR10R11(式中、R9、R10、R11およびQ1は、前記と同義である)、COOR12(式中、R12は、前記と同義である)、C(=Q2)NR13R14(式中、R13、R14およびQ2は、前記と同義である)、S(O)jR15(式中、R15およびjは、前記と同義である)、SO2NR16R17(式中、R16およびR17は、前記と同義である)、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表し、
R4は、酸素原子または硫黄原子を表す}
で表される5員複素環誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗ガン剤や、
(2) 式(I)で表される化合物が、下記式(Ia)
で表されるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(1)記載の抗ガン剤や、
(3) 式(Ia)で表される化合物が、下記式(Iaa)
で表されるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(1)または(2)のいずれか記載の抗ガン剤や、
(4) R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R2aは、水素原子またはCOOR12a(式中、R12aは、アルキル基を表す)を、R3aは、アルキル基またはNR7aR8a(式中、R7aおよびR8aは、同一または異なって、アルキル基を表す)を、R4aは、アリール基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(3)記載の抗ガン剤や、
(5) Zが、−(CH2)n−Y−[式中、Yは、単結合または−N(R0)−(式中、R0は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基または置換若しくは非置換のアリールスルホニル基を表す)を表し、nは、2〜6の整数を表す]で表される5員複素環誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(1)または(2)いずれか記載の抗ガン剤や、
(6) Yが単結合を、nが3〜5の整数である式(Ia)で表される化合物が、下記式(Iab)
(7) R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R4aが置換若しくは非置換のアリール基またはOR30a(式中、R30aはアルキル基を表す)であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(6)記載の抗ガン剤や、
(8) Yが−N(R0)−を、nが2〜4の整数である式(Ia)で表される化合物が、下記式(Iac)
(9) R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基または置換若しくは非置換のアロイル基を、R4aが置換若しくは非置換のアリ−ル基を、R0がアルキル基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(9)記載の抗ガン剤や、
(10) 式(Ia)で表される化合物が、下記式(Iad)
(11) R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を表し、R2は、COOR12a(式中、R12aは、前記と同義である)を、R3がアルキル基を表すか、または、Zがトリメチレン基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(10)記載の抗ガン剤や、
(12) m=0またはR5が、置換若しくは非置換のアルキル基若しくは置換若しくは非置換のアリール基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(1)、(2)または(5)〜(11)のいずれか記載の抗ガン剤や、
(13) 式(I)で表される化合物が、下記式(Ib)
(14) R1およびR2aが水素原子を、R3aがハロゲン原子を、R4が酸素原子を、R34が置換アリール基を、R35が非置換アリール基であるγ−ラクタム誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする上記(13)記載の抗ガン剤に関する。
(15) 式(IA)
(16) RAがフェニル基、4−クロロフェニル基またはナフチル基を表し、RBおよびRCがメチル基を表し、RDがフェニル基であることを特徴とする上記(15)記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
(17) 式(IB)
(18) RAおよびRDがフェニル基であることを特徴とする上記(17)記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
(19) 式(IC)
(20) RAがメチル基、フェニル基またはベンゾイル基を表し、RDがフェニル基を表し、REがメチル基またはエチル基であることを特徴とする上記(19)記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
(21) 式(ID)
(22) RAがフェニル基を表し、RFがメトキシカルボニル基を、RGがメチル基であるか、または、ZAがトリメチレン基であることを特徴とする上記(21)記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
さらに、本発明は、
(23) 式(IE)
(24) RHが臭素原子を表し、RJが2−クロロフェニル基を表し、RKがフェニル基であることを特徴とする上記(23)記載のγ−ラクタム誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
アロイル基は、炭素数7〜15のアロイル、例えば、ベンゾイル、フタロイル、ナフトイル等を挙げることができる。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
脂環式炭化水素環としては、Yが単結合を、nが3〜5の整数である下記式(III)
で表される化合物が好ましく、また、含窒素複素環としては、Yが−N(R0)−を、nが2〜4の整数である下記式(IV)
で表される化合物が好ましい。
で表されるチオフェン誘導体が好ましく使用される。
で表される化合物が好ましく、さらには、R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R2aは、水素原子またはCOOR12a(式中、R12aは、アルキル基を表す)を、R3aは、アルキル基またはNR7aR8a(式中、R7aおよびR8aは、同一または異なって、アルキル基を表す)を、R4aは、アリール基で表される化合物が、より好ましく使用される。
で表される化合物は、新規化合物であり、本発明の抗ガン剤として好適に使用することができる。
で表される化合物が抗ガン剤として好ましく、さらには、R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R4aが置換若しくは非置換のアリール基またはOR30a(式中、R30aはアルキル基を表す)である化合物が、より好ましく使用される。
で表される化合物は、新規化合物であり、本発明の抗ガン剤として好適に使用することができる。
また、化合物(Ia)において、下記式(Iac)
で表される化合物が抗ガン剤として好ましく、さらには、R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基または置換若しくは非置換のアロイル基を、R4aが置換若しくは非置換のアリ−ル基を、R0がアルキル基である化合物が、より好ましく使用される。
で表される化合物は、新規化合物であり、本発明の抗ガン剤として好適に使用することができる。
で表される化合物が抗ガン剤として好ましく、さらには、R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を表し、R2は、COOR12a(式中、R12aは、前記と同義である)を、R3はアルキル基を表すか、または、Zがトリメチレン基である化合物が、より好ましく使用される。
で表される化合物は、新規化合物であり、本発明の抗ガン剤として好適に使用することができる。
で表されるγ−ラクタム誘導体が抗ガン剤として好ましく、さらに、化合物(Ib)において、R1およびR2aが水素原子を、R3aがハロゲン原子を、R34が置換アリール基を、R35が非置換アリール基である化合物が、より好ましく使用される。
[化合物(Iaa)の製造法]
化合物(Iaa)は、下記製造工程に従い、製造することができる。
ここで、アルキル基およびハロゲン原子は、前記と同義である。
チオキソ化合物(2)は、常法により、ケトン(1)と五硫化リン等のチオ化剤とを適当な不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒中反応させることにより得ることができる。なお、化合物(1)は、試薬として、あるいは、例えば、R3aがNR7R8である化合物は、アミン(R7R8NH)を、常法によりアシル化することにより、入手可能である。
アルキルチオ化合物(3)は、化合物(2)とヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチル、ジメチル硫酸、ヨウ化エチル等のアルキル化剤とをトリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、適当な不活性溶媒、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒中、反応させることにより得ることができる。
エナミノチオ化合物(5)は、化合物(3)とイソチオシアナート(4)とを、適当な不活性溶媒,例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒中反応させることにより得ることができる。
目的のチオフェン(Iaa)(R1b=H)は、非特許文献1または2に記載の方法に準じて、化合物(5)とアシルメチルハライド(6)とをトリエチルアミン等の塩基の存在下、適当な不活性溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒もしくはこれらの混合溶媒中、反応させることにより得ることができる。なお、化合物(6)は、試薬として入手可能であり、また、対応するアセトフェノン誘導体を、例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、臭素等のハロゲン化剤を用い、酸化的ハロゲン化により得ることもできる。
該製造法で得られる化合物(Iaa)の具体例を表1に示す。
[化合物(Iab)の製造法]
化合物(Iab)は、下記製造工程に従い、製造することができる。
エナミン(9)は、ケトン(7)に二級アミン(8)を反応し得ることができる。反応は、無水ベンゼン、トルエンなどの炭化水素の溶媒中、水分離器を付して水が生成しなくなるまで加熱還流する。なお、化合物(7)は試薬として入手可能であり、また、例えば、ジカルボニル化合物から縮合、脱炭酸して得ることもできる。
エナミノチオアミド(10)は、化合物(9)と化合物(4)を反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程cの方法に準じて行うことができる。
目的のチオフェン(Iab)(R1b=H)は、化合物(10)と化合物(6)とを反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程dの方法に準じて行うことができる。
該製造法で得られる化合物(Iab)の具体例を表2に示す。
[化合物(Iac)の製造法]
化合物(Iac)は、下記製造工程に従い、製造することができる。
環状チオアミド(12)は、環状アミド(11)にチオ化剤を反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程aの方法に準じて行うことができる。
なお、化合物(11)は、例えば、4−置換アミノ酪酸、5−置換アミノ吉草酸から分子内閉環して合成できる。あるいは、試薬として入手可能である。
環状エナミノチオアミド(13)は、化合物(12)とアルキル化剤とを反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程bの方法に準じて行うことができる。
チオアミド(14)は、化合物(13)に化合物(4)を反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程cの方法に準じて行うことができる。
目的のチオフェン(Iac)(R1c=H)は、化合物(14)と化合物(6)とを反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程dの方法に準じて行うことができる。
[化合物(Iad)の製造法]
化合物(Ia)において、特に、化合物(II)が2個結合したビス体(Iad)は、下記製造工程に従い、製造することもできる。
目的のビス体(Iad)は、化合物(15)と化合物(6a)とを反応することにより得ることができる。反応は、前記した工程dの方法に準じて行うことができる。化合物(15)は、製造法1で得られる化合物(5)や、製造法2で得られる化合物(10)や、製造法3で得られる化合物(14)等を使用することができる。
該製造法で得られる化合物(Iad)の具体例を表4に示す。
[化合物(Ib)の製造法]
化合物(Ib)は、下記製造工程に従い、製造することができる。
目的のピロール(Ib)は、特許文献1或いは非特許文献3または4に記載の方法に準じて、ヒドラゾン化合物(17)を反応に不活性な溶媒、例えば、ジクロロメタン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなど中、相関移動触媒として第四級アンモニウム塩、例えば、トリエチルベンジルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩などの触媒量存在下に、水酸化ナトリウム−ジクロロメタンの二相溶液または例えば、10〜50%水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強塩基の存在下に、攪拌しながら酸ハロゲン化合物(16)を滴下し反応することにより得ることができる。
該製造法で得られる化合物(Ib)の具体例を表5に示す。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な有機溶媒に溶解もしくは懸濁させ、酸または塩基を加えて通常の方法により塩を形成させればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明の抗ガン剤として使用することができる。
化合物(I)またはそれらの薬理学的に許容される塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤とすることが望ましく、該医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種もしくは二種以上の担体と混合し、製剤学の常法により製造することができる。
投与経路としては、経口投与または吸入投与、静脈内投与などの非経口投与が挙げられる。
なお、構造決定に用いた1Hならびに13C−NMR スペクトル測定は、JEOL JNM-AL300(300MHz)を使用し、chemical shiftはテトラメチルシラン(TMS)を内部標準としたδ値(ppm)で示し、J値はHzで示した。マススペクトルの測定は、FAB−MSスペクトルはJEOL JMS-DX303HF Mass Spectrometerを、EI−MSスペクトルはJEOL JMS-BU20(GC-mate)を使用した。
(工程1)
3−ジメチルアミノ−3−メチルスファニル−N−フェニルチオアクリルアミド(化合物A:化合物(5)において、R1a=フェニル、R2a=H、R3a=NMe2、R36=Meである化合物)の合成
無水ベンゼン40mLに五硫化リン10g(45mmole)とジメチルアミド22.2g(0.23mole)を加え、50〜60℃に加熱した。このまま2時間保ち、冷却後、ヨウ化メチル43.4g(0.30mol)を加え、30分間還流した。ベンゼンを留去後、残渣にフェニルイソチオシアネート(34.5g,0.25mol)を溶解したジクロロメタン50mlを加え、12時間攪拌した。溶媒留去後、水100mLを加え、ついで、ジクロロメタン100mL x2で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で処理し、化合物Aを55g(収率31%)得た。
mp 64-66℃、
Mass (EI) 252 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) d: 2.20 (s, CH3, 3H), 2.50 (s, CH3 x 2, 6H), 4.2 (s, CH, 1H), 5.2 ((br, NH, 1H), 6.43-6.63 (m, CH x 3, 3H), 6.98-7.04 (m, CH x 2, 2H).
工程1で得られる化合物Aの50mg(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド(2mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(1a)を0.39g(収率61%)得た。
mp 175-176 ℃、
IR νmax (cm-1) 3252 (NH)、
Mass (EI), 322 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ:2.87 (t, CH3x2, 6H), 6.21 (s,CH, 1H)、6.96 (t, CHx2, 2H, J=7.2 Hz), 7.16 (d, CHx2, 2H, J=8.1 Hz), 7.31 (t, CHx2, 2H, J=7.7 Hz), 7.37-7.48 (m, CHx3, 3H), 7.61 (d, CHx2, 2H, J=7.2 Hz),9.71 (s, NH, 1H)、
元素分析( C19H18N2OS)計算値: C, 70.78; H, 5.63; N, 8.69. 実測値: C, 71.11; H, 5.88; N, 8.39.
実施例1の工程1に準じて製造したN−(4−クロロフェニル)−3−ジメチルアミノ−3−メチルスルファニルチオアクリルアミド(化合物B:化合物(5)において、R1a=4−クロロフェニル、R2a=H、R3a=NMe2、R36=Meである化合物)57mg(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド(2mmol)を徐々に加え、10時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(2a)を0.40g(収率56%)得た。
mp 208-209 ℃、
IR νmax (cm-1) 3249 (NH)、
Mass (EI), 356 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.87 (t, CH3 x2, 6H), 6.25 (s,CH, 1H)、7.17 (d, CHx2, 2H, J=8.6 Hz), 7.33 (d, CHx2, 2H, J=8.6 Hz), 7.31 (t, CHx2, 2H, J=7.7 Hz), 7.41-7.49 (m, CHx3, 3H), 7.63 (d, CHx2, 2H, J=7.1 Hz), 9.80 (s, NH, 1H)、
元素分析(C19H17ClN2OS)計算値:C, 63.95; H, 4.80; N, 7.85. 測定値: C, 63.55; H, 4.55; N, 8.17.
実施例1の工程1に準じて製造したN−(4−ナフチル)−3−ジメチルアミノ−3−メチルスルファニルチオアクリルアミド(化合物C:化合物(5)において、R1a=β−ナフチル、R2a=H、R3a=NMe2、R36=Meである化合物)60mg(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド(2mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(3a)を0.42g(収率56%)得た。
mp 206-207 ℃、
IR νmax (cm-1) 3249 (NH)、
Mass (EI), 372 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.85 (t, CH3x2, 6H), 6.25 (s,CH, 1H)、7.10-7.52 (m, arom, 12H), 9.71 (s, NH, 1H)、
元素分析( C23H20N2OS): 計算値C, 74.16; H, 5.41; N, 7.52. 実測値 C, 73.88; H, 5.14; N, 7.20.
実施例1の工程1に準じて製した2−カルボメトキシ−3−メチル−3−モルホリノ−N−フェニルチオアクリルアミド(化合物D:化合物(5)において、R1a=フェニル、R2a=COOMe、R3a=Me、SR35=モルホリノである化合物)640mg(2mmol)のジクロロメタン溶液20mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド308mg(2mmol)を徐々に加え、10時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(4a)を0.36g(収率51%)得た。
mp 138-140℃、
IR νmax (cm-1) 3355 (NH)、1630(C=O),
Mass (EI), 351 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.78 (s, CH3, 3H), 3.93 (s, CH3, 3H),7.21―7.46(m, arom, 10H), 10.63 (s, NH, 1H)
実施例1の工程1に準じて製造した2−モルホリン−4−イル−シクロペンタ−1−エンカルボチオ酸 フェニルアミド(化合物E:化合物(10)において、R1a=フェニル、(R5)m=H、NR37R38=モルホリノ、p=1である化合物)0.45g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2mmol)を徐々に加え、10時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(1b)を40mg(収率62%)得た。
mp 223-224℃、
IR νmax (cm-1) 3270 (NH)、
UVλ406.0 nm、
Mass (EI) 319 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.94-3.01 (m, CH2 x 2, 4H), 3.81 (t, CH2, 2H, J=8.1 Hz), 7.46-7.61 (m、CH x 6, 6H),7.68 (t, CHx2, 2H, J=6.6. Hz), 7.88 (t, CHx2, 2H, J=6.6. Hz), 11.22 (s, NH, 1H)、
元素分析( C20H17NOS)計算値: C, 75.21; H, 5.37; N; N, 4.39. 実測値: C, 75.15; H, 5.44; N, 4.26.
実施例1の工程1に準じて製造した2−モルホリン−4−イル−シクロヘキサ−1−エンカルボチオ酸 フェニルアミド(化合物F:化合物(10)においてR1a=フェニル、(R5)m=H、NR37R38=モルホリノ、p=2である化合物)0.48g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g (2mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(2b)を0.35g(収率53%)得た。
mp 194-195℃、
IR νmax (cm-1) 3250 (NH)、
UVλ 402.5 nm、
Mass (EI) 333 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ:1.63-1.87 (m, CH2x2, 4H), 2.49 (t, CH2, 2H, J=6.1 Hz), 2.95 (t, CH2, 2H, J=6.1 Hz),6.19 (s, NH, 1H), 6.63-7.81 (m, aromx2, 10H)、
元素分析(C21H19NOS)計算値: C, 75.64; H, 5.74; N, 4.20. 実測値: C, 75.73; H, 5.80; N, 4.08.
実施例1の工程1に準じて製造した2−モルホリン−4−イル−シクロヘプタ−1−エンカルボチオ酸 フェニルアミド(化合物G:化合物(10)においてR1a=フェニル、(R5)m=H、NR37R38=モルホリノ、p=3である化合物)0.48g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2mmol)を徐々に加え、13時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(3b)を0.35g(収率51%)得た。
mp 113-115℃、
IR νmax (cm-1) 3250 (NH)、
Mass (EI) 347 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ:2.91( m, CH2x3, 6H), 2.56 (t, CH2, 2H, J=5.5 Hz), 2.93 (t, CH2, 2H, J=5.5 Hz), 7.13 (s, NH, 1H), 6.76-7.91 (m, aromx2, 10H)、
元素分析( C22H21NOS)計算値: C, 76.05; H, 6.10; N, 4.0. 実測値: C, 76.02, H, 6.15; N, 3.81,
実施例1の工程1に準じて製造した化合物Eの576mg(2mmol)のジクロロメタン溶液20mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、エチル3−ブロモ−2−オキソプロパノエート390mg(2mmol)を徐々に加え、10時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(4b)を0.31g(収率49%)得た。
mp 138-140℃、
IR νmax (cm-1) 3252 (NH)、1723, 1615 (C=O),
Mass (EI), 315 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.39 (t, CH3, J= 7.6Hz, 3H), 2.43 (t, CH2, J=7.0Hz, 2H), 2.56-2.58 (m, CH2, 2H), 2.96 (t, CH2, J=6.9Hz, 2H), 4.35 (q, CH2, J=7.3 Hz, 2H), 6.59 (s, NH, 1H), 7.08 (t, CH,J=7.3Hz, 1H), 7.21-7.39 (m, arom, 4H)
実施例1の工程1に準じて製造した化合物Gの316mg(1mmol)、エチル3−ブロモ−2−オキソプロパノエート195mg(1mmol)より化合物(5b)を0.18g(収率52%)得た。
mp 149-150℃、
IR νmax (cm-1) 3248 (NH)、1730, 1618 (C=O),
Mass (EI), 343 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.17-1-71 (m, CH2x2, 4H), 1.32 (t, CH3, J= 7.1Hz, 3H), 2.59 (t, CH2, J=6.3 Hz, 2H), 3.08 (t, CH2, 2H), J=6.3 Hz, 2H), 4.27 (q, CH2, J=7.1 Hz, 2H), 6.38 (s, NH, 1H), 7.01 (t, CH,J=7.1 Hz, 1H), 7.19-7.31 (m, arom, 4H).
実施例1の工程1に準じて製造した1−メチル−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボチオ酸 フェニルアミド(化合物H:化合物(14)においてR1a=フェニル、(R5)m=H、R36=R0=Me、q=1である化合物)0.53g(2mmol)のジクロロメタン溶液10ml にトリエチルアミン0.7ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(1c)を0.29g(収率54%)得た。
mp 167-168℃、
IR νmax (cm-1) 3260 (NH)、
Mass (EI) 334 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.71 (t, CH2, 2H, J=8.2 Hz), 2.96 (s, N-CH3, 3H), 3.81 (t, CH2, 2H, J=8.1 Hz), 6.91 (t, CH, 1H ,J=7.1 Hz), 7.08 (d, CHx2, 2H, J=8.1 Hz), 7.26 (t, CHx2, 2H, J=7.8 Hz), 7.39-7.49 (m, CHx3, 3H), 7.60 (t, CHx3, 3H, J=6.6 Hz), 9.01 (s, NH, 1H)、
元素分析( C20H18N2OS)計算値: C, 71.83; H, 5.42; N, 8.38. 実測値: C, 72.13, H, 5.49, N; 7.98.
実施例1の工程1に準じて製造したN−(1−メチル−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボチオイル)フェニルアミド(化合物I:化合物(14)において、R1a=ベンゾイル、(R5)m=H、R36=R0=Me、q=1である化合物)0.53g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.7ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(2c)を36g(収率54%)得た。
mp 167-168℃、
IR νmax (cm-1) 3260 (NH)、Mass (EI) 334 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.71 (t, CH2, 2H, J=8.2 Hz), 2.96 (s, N-CH3, 3H), 3.81 (t, CH2, 2H, J=8.1 Hz), 6.91 (t, CH, 1H,J=7.1 Hz), 7.08 (d, CHx2, 2H, J=8.1 Hz), 7.26 (t, CHx2, 2H, J=7.8 Hz), 7.39-7.49 (m, CHx3, 3H), 7.60 (t, CHx3, 3H, J=6.6 Hz), 9.01 (s, NH, 1H)、
元素分析(C20H18N2OS )計算値: C, 71.83; H, 5.42; N, 8.38. 実測値: C, 72.13, H, 5.49, N; 7.98.
実施例1の工程1に準じて製法した1−エチル−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボチオ酸 フェニルアミド(化合物J:化合物(14)において、R1a=フェニル、(R5)m=H、R36=Me、R0=Et、q=1である化合物)0.56g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.7ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2mmol)を徐々に加え、11時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(3c)を40mg(収率57%)得た。
mp 173-174 ℃、
IR νmax (cm-1) 3245(NH)、
Mass (EI) 348 (M+) 、
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.99 (t, CH 3 CH2, 3H, J=7.1 Hz), 2.71 (t, CH3 CH 2 , 2H, J=8.1 Hz), 3.57 (t,CH2, 2H, J=8.1 Hz)、3.86 (t, NCH2, 2H, J=7.1 Hz), 6.89 (t, CH, 1H, J=7.2 Hz), 7.06 (t, CH, 1H, J=7.2 Hz), 7.24 (t, CHx2, 2H, J=7.8 Hz), 7.38-7.46 (m, CHx3, 3H), 7.58 (d, CHx2, 2H, J=6.8 Hz), 8.98 (s, NH, 1H)
13C-NMR (DMSO-d6) δ: CH3 (12.06), CH2 (23.91, 43.93, 57.91), CH (94.47, 117.38, 121.39, 127.62, 129.19), -C- (128.03, 130.41, 141.88, 143.87,) C=O (159.99)
元素分析(C22H21NOS)計算値: C, 76.05; H, 6.10; N, 4.0. 実測値: C, 76.32, H, 6.15; N, 3.81.
実施例1の工程1に準じて製造した1−エチル−2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−カルボチオ酸 メチルアミド(化合物K:化合物(14)において、R1a=R36=Me、(R5)m=H、R0=Et、q=1である化合物)0.53g(2mmol)のジクロロメタン溶液10mlにトリエチルアミン0.7ml(2mmol)を加え、攪拌下、ベンゾイルメチルクロリド0.31g(2 mmol)を徐々に加え、12時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(10mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(4c)を0.33g(収率57%)得た。
mp 167-168 ℃、
IR νmax (cm-1) 3270 (NH)、
Mass (EI) 286 (M+)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.97 (t, CH2 CH 3 ,3H, J=7.1 Hz), 2.49-2.70 (m, N-CH3+ CH2, 5H), 3.55 (t, CH2, 2H, J=7.0 Hz), 3.79 (t, N-CH2, 2H, J=8.3 Hz), 6.83 (d, NH, 1H, J=4.8 Hz), 7.38-7.44 (m,CHx3, 3H)、7.53-7.56 (m, CHx2, 2H)、
元素分析(C21H18N2OS)計算値: C, 67.10; H, 6.33; N, 9.78. 測定値:C, 66.80; H, 6.73; N, 10.09.
実施例1の工程1に準じて製造した化合物D320mg(1mmol)、1,4−ブロモエタン−2,3−ジオン121mg(0.5mmol)より化合物(1d)を0.26g(収率47%)得た。
mp 175-176℃、
IR νmax (cm-1) 3233 (NH)、1665 (C=O),
Mass (EI), 549 (M+)
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.78-1.80 (d, CH3 x 2, J= 5.4 Hz, 4H), 2.45-2.47 (d, CH2 x 2, J=5.4 Hz, 4H), 3.11 (s, CH2x 2, 4H), 6.40 (s, NH, 1H), 7.04-7.09 (m, CHx2, 2H), 7.26-7.39 (m, arom, 8H).
実施例1の工程1に準じて製した化合物Eの576mg(2mmol)のジクロロメタン溶液20mlにトリエチルアミン0.28ml(2mmol)を加え、攪拌下、1,4−ブロモエタン−2,3−ジオン486mg(2mmol) を徐々に加え、10時間、室温で攪拌した。反応後、水洗し(20mlx2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去し、残渣をエタノール−ベンゼンの混合溶媒で再結晶し、化合物(2d)を0.24g(収率49%)得た。
mp 210-211℃、
IR νmax (cm-1) 3332 (NH)、1663 (C=O),
FAB-Mass: m/z 487 (M+1)、
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.78-1.80 (d, CH3 x 2, J= 5.4 Hz, 4H), 2.45-2.47 (d, CH2x 2, J=5.4 Hz, 4H), 3.11 (s, CH2 x 2, 4H), 6.40 (s, NH, 1H), 7.04-7.09 (m, CHx2, 2H), 7.26-7.39 (m, arom, 8H).
[(2−クロロフェニル)−フェニル−メチレン]ヒドラジン(化合物L:化合物(17)において、R34=2−クロロフェニル、R35=フェニルである化合物)1.15g(5mmol)をCH2Cl230mLおよび5%NaOH4mLの混合溶媒に溶解し、氷冷下、激しく攪拌しながら、2,4−ジブロモ酪酸クロリド(化合物M:化合物(16)において、R1=R2a=H、R3a=Q0a=Br、Q0b=Cl)1.32g(5mmol)を徐々に滴下し、さらに5%NaOH(8mL)およびベンジルエチルアンモニウムクロライド(BTEAC)(10mg)を加え、室温下5時間攪拌し、反応後、残渣をエタノールから再結晶し、化合物(1e)を1.66g(収率85%)得た。
mp152-153 ℃、
IR νmax (cm-1) 1650 (C=O)、
Mass (EI) 390 (M+), 392, 394、
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.16 (m, CH 2 x2, 4H), 3.77 (m, CH2, 2H), 4.38 (m, CH, 1H) 7.18-7.7.76 (m, arom, 9H)、
元素分析(C18H16N2OBrCl)計算値: C, 55.20; H, 4.12; N, 7.15. 実測値: C, 55.10; H, 4.21; N, 7.19.
[(4−クロロフェニル)−フェニル−メチレン]ヒドラジン(化合物N:化合物(17)において、R34=4−クロロフェニル、R35=フェニル)1.15g (5mmol)をCH2Cl230mLおよび5%NaOH4mLの混合溶媒に溶解し、氷冷下、激しく攪拌しながら、2,4−ジブロモ酪酸クロリド1.32g(5mmol)を徐々に滴下し、さらに5%NaOH(8mL)およびBTEAC(10mg)を加え、室温下5時間攪拌し、反応後、残渣をジクロロメタン−ヘキサンから再結晶し化合物(2e)を1.17g(収率60%)得た。
mp119-120 ℃、
IR νmax (cm-1) 1650 (C=O)、
Mass (EI) 390 (M+), 392, 394、
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.16 (m, CH 2 x2, 4H), 3.62 (m, CH2, 2H), 4.42 (m, CH, 1H) 7.29-7.61 (m, arom, 9H)、
元素分析(C18H16N2OBrCl)計算値: C, 55.20; H, 4.12; N, 7.15. 実測値:C, 55.30; H, 4.14; N, 7.22.
ヒト肺ガン株PC−9およびPC−9/ZDを、それぞれ96ウェルのマイクロプレートに1ウェルあたり1000個播種した。培地の量は1ウェルあたり135μLとした。その後、CO2インキュベーターで、CO2 濃度5.0%で、37.0℃で24時間培養した。
試験化合物は、最高濃度が200μ/mlとなるように細胞培養液で希釈調整し、その後3倍希釈により調整した試験化合物調整液15μLを各ウエルに加え、試験化合物濃度が0〜20μg/mlになるように培地全量を150μLとし、CO2インキュベーターで、72時間培養した。その後、各ウェルに20μLの燐酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈した5%の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)溶液を加え、さらに4時間培養した。培養後、上清を取り除き、各ウェルに200μLのDMSO溶液を加えて発色させ、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices社製)を用いて、570nmにおける吸光度を測定することにより、細胞株の生存率を測定した。
各試験化合物の吸光度の平均値をコントロールの平均値で割ることにより、各試験化合物における増殖抑制率を計算し、これから50%細胞増殖抑制濃度(IC50)を算出した。それぞれの試験化合物のIC50値を表6に示す。
Claims (24)
- 式(I)
R2およびR3は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR6(式中、R6は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基または置換若しくは非置換のアロイル基を表す)、NR7R8(式中、R7およびR8は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基またはR7およびR8が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、N(R9)C(=Q1)NR10R11(式中、Q1は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基を表し、R9は、水素原子または置換若しくは非置換のアルキル基を表し、R10およびR11は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR10およびR11が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR12(式中、R12は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、C(=Q2)NR13R14(式中、Q2は、酸素原子または硫黄原子を表し、R13およびR14は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR13およびR14が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、S(O)jR15(式中、R15は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、jは、0、1または2を表す)、SO2NR16R17(式中、R16およびR17は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR16およびR17が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を表すか、または、R2およびR3は、一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく(以下、R2およびR3が結合して環を形成する際のR2およびR3の結合をZという);
R5は、R2およびR3が結合して環を形成する際の、当該環の置換基を表し、該置換基は、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR18(式中、R18は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基または置換若しくは非置換のアロイル基を表す)、NR19R20(式中、R19およびR20は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基またはR19およびR20が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、N(R21)C(=Q3)NR22R23(式中、Q3は、酸素原子、硫黄原子またはイミノ基を表し、R21は、水素原子または置換若しくは非置換のアルキル基を表し、R22およびR23は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR22およびR23が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR24(式中、R24は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、C(=Q4)NR25R26(式中、Q4は、酸素原子または硫黄原子を表し、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR25およびR26が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、S(O)kR27(式中、R27は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、kは、0、1または2を表す)、SO2NR28R29(式中、R28およびR29は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR28およびR29が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる基を表し;
mは、0〜5の整数を表し、mが2以上の場合、R5は、同一または異なっていてもよく;
ここで、
Xが、硫黄原子を表すとき、
R1とR2およびR3とR4が結合している炭素原子間は、二重結合を表し、
R4と炭素原子との結合は、単結合を表し、ここで、
R1は、NR1aR1b(式中、R1aおよびR1bは、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基、置換若しくは非置換のアリールスルホニル基、または、R1aおよびR1bが一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)を表し、
R4は、COR4a[式中、R4aは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR30(式中、R30は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)、NR31R32(式中、R31およびR32は、同一または異なって、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基またはR31およびR32が一緒になって、置換若しくは非置換の含窒素複素環基を表す)、COOR33(式中、R33は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)または式(II)
で表される基を表す]、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表すか、
または、
Xが、−N=C(R34)(R35)(式中、R34は、置換アリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表し、R35は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基または置換若しくは非置換の芳香族複素環基を表す)を表すとき、
R1とR2およびR3とR4が結合している炭素原子間は、単結合を表し、
R4と炭素原子との結合は、二重結合を表し、ここで、
R1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、OR6(式中、R6は、前記と同義である)、NR7R8(式中、R7およびR8は、前記と同義である)、N(R9)C(=Q1)NR10R11(式中、R9、R10、R11およびQ1は、前記と同義である)、COOR12(式中、R12は、前記と同義である)、C(=Q2)NR13R14(式中、R13、R14およびQ2は、前記と同義である)、S(O)jR15(式中、R15およびjは、前記と同義である)、SO2NR16R17(式中、R16およびR17は、前記と同義である)、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン原子を表し、
R4は、酸素原子または硫黄原子を表す}
で表される5員複素環誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する抗ガン剤。 - 式(Ia)で表される化合物が、下記式(Iaa)
で表されるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の抗ガン剤。 - R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R2aは、水素原子またはCOOR12a(式中、R12aは、アルキル基を表す)を、R3aは、アルキル基またはNR7aR8a(式中、R7aおよびR8aは、同一または異なって、アルキル基を表す)を、R4aは、アリール基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項3記載の抗ガン剤。
- Zが、−(CH2)n−Y−[式中、Yは、単結合または−N(R0)−(式中、R0は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の脂環式複素環基、置換若しくは非置換の芳香族複素環基、置換若しくは非置換のアルカノイル基、置換若しくは非置換のアロイル基、置換若しくは非置換のアルキルスルホニル基または置換若しくは非置換のアリールスルホニル基を表す)を表し、nは、2〜6の整数を表す]で表される5員複素環誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項1または2いずれか記載の抗ガン剤。
- R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を、R4aが置換若しくは非置換のアリール基またはOR30a(式中、R30aはアルキル基を表す)であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項6記載の抗ガン剤。
- R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基または置換若しくは非置換のアロイル基を、R4aが置換若しくは非置換のアリ−ル基を、R0がアルキル基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項9記載の抗ガン剤。
- R1aおよびR1bは、一方が水素原子を、他方が置換若しくは非置換のアリール基を表し、R2は、COOR12a(式中、R12aは、前記と同義である)を、R3がアルキル基を表すか、または、Zがトリメチレン基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項10記載の抗ガン剤。
- m=0またはR5が、置換若しくは非置換のアルキル基若しくは置換若しくは非置換のアリール基であるチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項1、2または5〜11のいずれか記載の抗ガン剤。
- R1およびR2aが水素原子を、R3aがハロゲン原子を、R4が酸素原子を、R34が置換アリール基を、R35が非置換アリール基であるγ−ラクタム誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする請求項13記載の抗ガン剤。
- RAがフェニル基、4−クロロフェニル基またはナフチル基を表し、RBおよびRCがメチル基を表し、RDがフェニル基であることを特徴とする請求項15記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩。
- RAおよびRDがフェニル基であることを特徴とする請求項17記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩。
- RAがメチル基、フェニル基またはベンゾイル基を表し、RDがフェニル基を表し、REがメチル基またはエチル基であることを特徴とする請求項19記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩。
- RAがフェニル基を表し、RFがメトキシカルボニル基を、RGがメチル基であるか、または、ZAがトリメチレン基であることを特徴とする請求項21記載のチオフェン誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩。
- RHが臭素原子を表し、RJが2−クロロフェニル基を表し、RKがフェニル基であることを特徴とする請求項23記載のγ−ラクタム誘導体またはそれらの薬理学的に許容される塩。
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JP2007507530A (ja) * | 2003-10-03 | 2007-03-29 | アンフォラ ディスカバリー コーポレーション | Atp利用酵素阻害活性を示すチオフェンベース化合物、組成物、およびその使用 |
-
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