JP2009256103A - デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法及びシステム - Google Patents
デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法及びシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、少なくとも1つのシート経路を画定する複数のニップ・ローラを備えた印刷エンジンを準備するステップと、この印刷エンジンに近接して少なくとも1つの印刷媒体シート供給機を配置するステップと、各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、印刷媒体を推進させるステップと、経路における各媒体シートの位置を感知し、これを示すシート位置信号をもたらすステップと、この信号に反応するコントローラを準備し、供給機からエンジンへシートを決められた時間に供給し、選択されたニップ・ローラを通る所望の経路及び到達時間を決定するステップと、感知した媒体シート位置をマッピングし、これに基づいて各モータに対する速度制御信号を生成し、モータを所望の速度で駆動することによって、所望の位置にシートを位置決めするステップとから成る。
【選択図】図1
【解決手段】この方法は、少なくとも1つのシート経路を画定する複数のニップ・ローラを備えた印刷エンジンを準備するステップと、この印刷エンジンに近接して少なくとも1つの印刷媒体シート供給機を配置するステップと、各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、印刷媒体を推進させるステップと、経路における各媒体シートの位置を感知し、これを示すシート位置信号をもたらすステップと、この信号に反応するコントローラを準備し、供給機からエンジンへシートを決められた時間に供給し、選択されたニップ・ローラを通る所望の経路及び到達時間を決定するステップと、感知した媒体シート位置をマッピングし、これに基づいて各モータに対する速度制御信号を生成し、モータを所望の速度で駆動することによって、所望の位置にシートを位置決めするステップとから成る。
【選択図】図1
Description
本開示は、印刷媒体シートへのデジタル写真複写及び印刷に関し、詳細には、媒体シートが、少なくとも1つのトレイ又は給紙機から連続的に供給され、1つ又は複数のマーキング・エンジンを通るいくつかの選択経路のいずれも通過し得るような、デジタル写真複写及び印刷処理に関する。このような写真複写及び印刷において、媒体シートは、一般的に、非常に多くのニップ・ローラ及びゲートを通過する。これらのニップ・ローラ及びゲートでは、搬送速度が変更可能であり、シートが多数のカーブを曲がって導かれると共に両面印刷(即ち、媒体シートの両側への印刷)に向けて反転され得る。
従来、デジタル写真複写/印刷、詳細には、静電写真複写機を用いたデジタル写真複写/印刷において、媒体シート経路は、ユーザが印刷ジョブ要求を入力すると、電子プログラマによって選択される。シートが、供給され、マーキング・エンジンを通して搬送され、シート経路に沿って配置されたセンサによってシート位置が時折又はたまに読み取られることにより、媒体シートがマーキング・エンジン内に供給されるタイミング及び媒体シートがマーキング・エンジンを通って進行する具合を修正するための基準がもたらされる。このように、媒体シートのマーキング・エンジンを通る進行は、基本的に開ループ制御によって行われてきた。
媒体シートが、複数のニップ・ローラ、カーブ、及びゲートから成る複雑な搬送経路を通って進行する場合、印刷シート媒体の様々な特性(例えば、様々な長さ)による経路長さのばらつき、ニップ・ローラの表面速度のばらつき、シートが通過するカーブのばらつきによってシート位置決め誤差が生じ、これにより、衝突、位置合わせミス、及び紙詰まりが生じる結果となった。このような問題は、複数のマーキング・エンジンを通る並列経路において大きなドキュメントが高速で印刷される構造で特に深刻であった。シート速度が速く且つシート経路が長くて複雑である場合、衝突、位置合わせミス、及び紙詰まりを防止するには、経路に沿ったシート位置のタイミングにおける大きなばらつきは許容されない。
本発明は、位置合わせミス及び紙詰まりを回避する又は最小限に抑えるように、デジタル印刷における媒体シートの制御及びマーキング・エンジンを通した搬送を改善する方法又は手段を提供する。
本開示は、印刷シート媒体がデジタル・マーキング・エンジンにおける複雑な又は複数の経路を通過するのを制御する方法について説明する。特定のユーザが要求した印刷ジョブに対し、電子コントローラによってシートが経路を通って進行することにより、各ニップ・ローラが、それぞれの変速モータによって駆動されると共に、経路における各カーブ及びゲートに配置されたシート位置センサが、シートがそのセンサ・ステーションに到達するとコントローラに情報を提供する。次に、コントローラは、修正アルゴリズムを適用して、近接したニップ・ローラのモータ駆動に対する制御信号を生成し、選択媒体経路を通る計画プログラムに関してシート位置のあらゆる誤差を修正することにより、位置合わせミス及び紙詰まりを防止する。このように、各ニップ・ローラに対してそれぞれの変速駆動を行うことにより、コントローラは、マーキング・エンジン内における位置決め誤差の位置に関係なく、シートの位置合わせミスを修正することができ、これにより、システム(特に、媒体経路)内に基本的に閉じたループ制御がもたらされる。
本発明の請求項1の態様は、内部に少なくとも1つのシート経路を画定する複数の媒体シート・ニップ・ローラを備えた、デジタル印刷エンジンを準備するステップと、前記印刷エンジンに近接して、少なくとも1つの印刷媒体シート供給機を配置するステップと、前記各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、前記少なくとも1つの経路を通して印刷媒体を推進させるステップと、前記経路における各媒体シートの位置を感知し、前記シートの位置を示すシート位置信号を既知の時間にもたらすステップと、前記シート位置信号に反応するコントローラを準備し、前記供給機から前記エンジンへシートを決められた時間に供給し、前記ニップ・ローラのうちの選択されたものを通る所望の経路及び到達時間を決定するステップと、前記感知した媒体シート位置をマッピングし、前記感知した媒体シート位置に基づいて前記各モータに対する速度制御信号を生成し、前記モータを所望の速度で駆動することによって、選択された前記経路における所望の位置にシートを位置決めするステップと、を含む、デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法である。
本発明の請求項2の態様は、請求項1の態様において、前記速度制御信号を生成するステップが、所望のニップ速度信号sdsを、sds=Kp(xd−xhat)+vd(式中、sdsは所望のニップ表面速度であり、xdは経路における現在の所望のシート位置であり、xhatは推定シート位置であり、Kpはコントローラの比例ゲインであり、vdは所望のシート位置の速度である)に従って生成することを含む。
本発明の請求項3の態様は、印刷エンジンに近接して配置されると共に、前記印刷エンジンへシートを決められた時間に供給する、媒体シート供給機と、前記エンジン内の進行ステーションに配置されて、前記エンジンを通るシート媒体経路を画定する、複数のニップ・ローラと、選択された前記ニップ・ローラを通る所望の媒体シート経路を画定する、印刷ジョブ・コントローラと、前記選択されたニップ・ローラのステーションに近接して配置されると共に、媒体シート位置を感知して前記媒体シート位置を示す信号をもたらす、センサと、前記各センサから前記信号を受信するように配置された、ニップ・コントローラと、それぞれが前記ニップ・ローラのうちの1つを個別に駆動するように配置された、複数の変速モータと、を備える、デジタル印刷エンジンにおいてシート媒体を制御するシステムであって、前記ニップ・コントローラが、前記センサ信号に反応し、前記シート位置をマッピングして前記各モータを駆動し、感知した媒体シートを前記経路における所望の位置まで動かすのに十分なニップ速度をもたらす、前記システム。
本発明の請求項4の態様は、請求項3の態様において、前記ニップ・コントローラが、所望のニップ(シート)速度sdsを、sds=Kp(xd−xhat)+vd(式中、Kpはコントローラの比例ゲインであり、xdは現在の基準経路位置であり、xhatは現在の推定シート位置であり、vdは所望のシート位置の速度である)に従ってもたらす。
本発明の請求項5の態様は、内部に少なくとも1つのシート経路を画定する複数の媒体シート・ニップ・ローラを備えた、デジタル印刷エンジンを準備するステップと、前記印刷エンジンに近接して、印刷媒体シート供給機を配置するステップと、前記各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、前記経路を通して印刷媒体を推進させるステップと、選択した前記ニップ・ローラに近接したステーションにセンサを配置し、既知の時間にシート位置を感知するステップと、コントローラを準備し、前記供給機から前記エンジンへシートを決められた時間に供給し、前記選択されたニップ・ローラを通る所望の経路及び到達時間を、前記経路において供給される複数のシートのそれぞれに対して決定するステップと、前記感知したシート位置をマッピングし、前記複数のシートのそれぞれの前記感知した位置に基づいて前記各モータに対する速度制御信号を生成し、前記各モータを駆動することによって、選択された前記経路における所望の位置に且つ前記所望の到達時間に各シートを位置決めするステップと、を含む、デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法である。
本発明の請求項6の態様は、印刷エンジンに近接して配置されると共に、前記印刷エンジンへシートを決められた時間に供給する、媒体シート供給機と、前記エンジン内の進行ステーションに配置されて、前記エンジンを通るシート媒体経路を画定する、複数のニップ・ローラと、選択された前記ニップ・ローラを通る所望の媒体シート経路を画定する、印刷ジョブ・コントローラと、複数の前記選択されたニップ・ローラのステーションのそれぞれに近接して配置されると共に、媒体シート位置を感知して前記媒体シート位置を示す信号をもたらす、センサと、前記センサからオリジナルの前記信号を受信する、複数のシート・コントローラと、それぞれが前記ニップ・ローラのうちの1つを個別に駆動するように配置された、複数の変速モータと、を備える、デジタル印刷エンジンにおいてシート媒体を制御するシステムである。
図1を参照すると、参照番号10で概略的に示されている写真複写機/プリンタの構造は、複数の画像マーキング・エンジン12、14、16、18を含み、これらの画像マーキング・エンジンは、少なくとも1つの給紙機20から媒体シートを受け取り、参照番号24で概略的に示されている仕上げ機へ印刷シートを出力するように構成されている。当然のことながら、これらのマーキング・エンジンはそれぞれ、印刷媒体シート上に所望のマーキング(例えば、片面又は両面印刷)を行うための様々な処理経路及びエンジン間搬送経路を含むため、デジタル印刷分野では周知のシート反転機を必要とし得る。
マーキング・エンジン12、14、16、18はそれぞれ、複数組のニップ・ローラ26及び複数のセンサ28によって決定された中間経路を中に有し、これらのニップ・ローラ26及びセンサ28は、以下でより詳細に説明するように、印刷ジョブに対しコントローラによって決定された所定経路に沿ったシート媒体の動きを画定及び監視するために、この中間経路に沿って配置されている。
図2を参照すると、参照番号30で概略的に示されている媒体経路コントローラは、シート・コントローラ32、ニップ・セレクタ34、ニップ・コントローラ36、シート基準軌道ジェネレータ38、及びシート・オブザーバ40を含む。ニップ・コントローラは、uで示されている電圧信号を、参照番号42で示されている用紙経路に沿って、ニップ・ローラ・モータに提供する。センサは、参照文字「s」で示されているニップ速度出力信号をライン44に沿ってシート・オブザーバ40の入力に、「センサ」で示されているシート存在センサ信号をライン46に沿って軌道ジェネレータ38及びシート・オブザーバ40の入力に提供する。シート基準軌道ジェネレータ38は、印刷ジョブに対するユーザ入力(図示せず)に基づいた経路プランナ48からの入力命令も受信する。
シート基準軌道ジェネレータ38は、基準シート位置xdの出力をライン52に沿って、基準シート速度vdの出力をライン54に沿って、シート・コントローラ32に提供する。
この図2を参照すると、シート基準軌道ジェネレータ38は、プランナ48からの情報を用いて、システムに入る各シートの位置xd及び速度vdを含む所望のシート軌道を生成する。この基準軌道は、媒体経路における様々な位置間に適合する所望の速度を提供するように設計され、例えば、オンランプ位置とハイウェイ位置に関しては、オンランプ軌道はプリンタ出口速度で始まりハイウェイ速度で終わる。
シート・オブザーバ40は、推定シート位置xhatの出力をライン56に沿ってシート・コントローラ32に提供する。シート・コントローラ32は、所望シート速度vd,sheetの入力をライン58に沿ってニップ・セレクタ34に提供し、このニップ・セレクタ34は、所望ニップ速度sdの出力をライン60に沿ってニップ・コントローラ36に提供する。
図3を参照すると、媒体若しくは用紙経路42が、この経路に沿って示されているそれぞれ組になったニップ・ローラ126、226、326、426、526、626、726、826、926、1026並びにゲート27−1及び27−2を備えたモジュールに関して示されている。各組のニップ・ローラには、センサが配置されている。この図3を参照すると、各組のニップ・ローラは、それぞれの駆動モータ29によって駆動される(この図3では、明瞭に図示するために駆動モータが1つしか示されていないが、当然のことながら、モータは、各組のニップ・ローラに対してそれぞれ設けられ、ニップ・コントローラ36に接続される)。各組のニップ・ローラ及びゲートには、それぞれ128、228、328、428、528、628、728、828、928、1028で示されているセンサが近接して配置されており、これらのセンサは、近くのニップ・ステーションの媒体位置及び速度を感知する。
図3を参照すると、27−1及び27−2で示されているゲートは、電磁操作されることにより、モジュール若しくは経路セグメントに対して左上方のニップ・ローラ126から入り下方のニップ・ローラ1026から出る媒体の出口経路を選択し、この出口経路は、ソレノイド27−1を作動させるかソレノイド27−2を作動させるか選択することによって決定される。
図4を参照すると、別の媒体経路の一部43が、参照番号58、60、62で示されている複数の媒体シートと共に示されている。
図4に関し、ニップ・ローラ26−1〜26−8の各組には、その入力側に近接してセンサ28が配置されており、これらのセンサは、ニップ・ローラの各組にシートの先端が到達するのを感知する。
この図4を参照すると、ニップ・ローラ26−7と26−8との間に示されているシート62は基準シート速度vd1を有し、これらのニップ・ローラは所望ニップ速度sd7及びsd8を有する。ニップ・ローラ26−1〜26−6を通過するシート60は基準シート速度vd2を有し、これらのニップ・ローラはそれぞれsd1〜sd6で示されている所望ニップ速度を有する。ニップ・ローラ26−1に入ろうとしているシート58は、図4にvd3で示されている基準シート速度を有する。当然のことながら、ニップ・ローラ26−1〜26−8の各組はそれぞれの駆動モータ(例えば、図3のモータ29)によって駆動され、これにより、各組のニップ・ローラの表面速度を個別に制御することができる。
この図4に示されている媒体経路において、シートに触れているニップ・ローラにはそのシートの所望速度が与えられる一方、空いているニップ・ローラにはこれから入ってくる若しくは上流のシートの所望速度が与えられる。図4に関しては、以下の式が当てはまる。
sd1=sd2=vd3
sd3=sd4=sd5=sd6=vd2
sd7=sd8=vd1
sd1=sd2=vd3
sd3=sd4=sd5=sd6=vd2
sd7=sd8=vd1
このように、空いているニップ・ローラのニップ速度に上流の若しくはこれから入ってくるシートの所望シート速度を当てることによって、シートが各組のニップ・ローラに入る際に曲がったり、詰まったり、破れたりする可能性を軽減することができる。
図5を参照すると、コントローラ30の動作がブロック流れ図で示されており、ステップ70においてユーザ印刷ジョブ要求が経路プランナ48(図2参照)に入力され、ステップ72においてコントローラ30がシート経路計画命令を受信し、ステップ74においてコントローラ30が媒体経路エントリ・センサと媒体経路を出入りする全てのシートに関するエントリ事象を監視する。コントローラは、ステップ76に進み、全てのシート・センサ及びニップ・ローラ速度センサを読み取る。次に、このシステムは、ステップ78に進み、本開示のアルゴリズムを適用して、媒体経路における各シートに対して以下のように計算を行う。システムは、ステップ82に進み、推定位置xhat及び速度vhatを算出する。このステップ82における算出が終わると、システムは、ステップ84に進み、基準位置xd及び速度vdを算出する。
シート・オブザーバ40は、モデルベース推定器を用いると共に、全ての制御信号(例えば、モータ電圧、モータ電流、ステップ・モータ・パルス、ゲート作動信号)並びに全てのセンサ信号(例えば、光学的若しくは機械的ポイント・センサ又はアレイ・センサから得られるエンコーダ、タコメータ、及びシート・センサ信号)を利用して、媒体経路における全てのシートの推定位置xhat及び速度vhatをもたらす。
シート・コントローラ32は、所望シート速度vd,sheetに対する制御信号を生成することにより、確実に全てのシートが順調に経路を進みそれぞれの基準軌道に従うようにする。制御は、基準軌道並びにシート・オブザーバ40によって決定される実際のシート位置及び速度の関数として決定される。このシステムは、速度フィードフォワードによる比例制御を用いることによって、安定性を高めたり、追従誤差をゼロ状態にしたり、調整を容易にしたりすることができる。
図5を参照すると、システムは、ステップ86に進み、ステップ82及び84の算出に基づいて、シート位置及び速度誤差を算出する。
次に、システムは、ステップ88に進み、以下のアルゴリズムに従って、所望シート速度を算出する。
vd,sheet=Kp(xd−xhat)+vd
上記式中、Kpはコントローラ比例ゲイン定数であり、xdは現在の基準軌道位置であり、xhatは現在の推定シート位置であり、vdは現在の基準軌道速度である。
vd,sheet=Kp(xd−xhat)+vd
上記式中、Kpはコントローラ比例ゲイン定数であり、xdは現在の基準軌道位置であり、xhatは現在の推定シート位置であり、vdは現在の基準軌道速度である。
次に、システムは、ステップ90に進み、選択された媒体経路における各組のニップ・ローラに対する所望ニップ速度sdに、所望シート速度vd,sheetをマッピングする。
ステップ90から得られた所望ニップ速度、及び、ニップ・モータ・センサ若しくはステップ・モータ・パルスから得られた実際の又は推定したニップ速度を用いて、各ニップ・コントローラ36は、ニップ・モータ制御信号u(例えば、電圧、電流、又はステップ・モータ・パルス)を生成することにより、確実にニップ速度sが所望ニップ速度sdを追従するようにする。次に、システムは、ステップ92に進み、媒体経路にある全てのシートが処理されたかどうか尋ね、処理された場合には、ステップ94に進み、媒体経路における各ニップに関して、そのニップが空いている場合には、ステップ96において、そのニップの所望速度が上流のニップ速度となるようにすると共に、媒体経路における各ゲートに関して、そのゲートに到達する次のシートを見越してそのゲートを所望位置に作動させるような作動電圧/ステップ・モータ・パルスを生成し、これにより、シートは媒体経路の的確な部分へ向けられる。
次に、システムは、ステップ98に進み、アクチュエータ(例えば、ニップ・モータ29のうちの1つ、又は、ゲート・ソレノイド27−1及び27−2のうちの1つ)に対する所望の制御信号を計算し、ステップ100において、この所望の制御信号をアクチュエータに適用する。
一方、ステップ92において、媒体経路にある全てのシートが処理されていない場合には、システムはステップ82に戻る。
次に、システムは、ステップ102に進み、経路における全てのニップが処理されたかどうか尋ね、処理された場合には、ステップ104に進み、経路にまだシートがあるかどうか或いは更にシートが経路に到達するかどうか尋ねる。ステップ102において、経路における全てのニップが処理されていない場合には、システムはステップ96に戻る。
ステップ104において、経路にまだシートがある或いは更にシートが経路に到達する場合には、システムはステップ74に戻る。一方、ステップ104において、経路にもうシートがない或いは更にシートが経路に到達しない場合には、ステップ106において、印刷ジョブは完了したものと考えられる。
図6を参照すると、図1に示されている画像マーキング・エンジンのオンランプ部分において経路を通過するシートに関して、推定シート位置xhat及び基準シート位置xdを測定した。これらxhat及びxd両方のデータを時間の関数として描画し、でき上がった描画がこの図6に示されている(この図6において、xhatの値は実線でxdの値は破線で描かれていることに留意されたい)。約14.85秒及び約15.22秒においてセンサが制御アルゴリズムを更新した場合、その後のシート先端の実際の位置が所望の基準軌道位置xdに合わせられたことに留意されたい。
図7を参照すると、図3に示されているモジュールのセンサ128における入口からセンサ628のほんの少し上流までのシート追従誤差(基準位置xdと推定位置xhatとの差)が描画されている。センサ628は媒体経路における第2カーブにあり、この第2カーブはシートに更なる障害を引き起こす、ということに留意されたい。この第2カーブを過ぎると、シートは出力モジュールから出て、全ての制御動作が終了するため、これらの誤差が除去されない可能性がある。シートが通過するこの媒体経路は、90°のカーブが1つあり、長さがおよそ0.6メートルである。これらの試験結果が下の表1にまとめられており、この表1は、比較目的で行われた3つの印刷ジョブに関する平均追従誤差及びその範囲を示している。
図7は、追従誤差を時間の関数として描画したものを示しており、制御アルゴリズムが作動して追従誤差を除去し始める時点が約26.8秒として示されている。
上の表1を参照すると、図3のモジュールのセンサ位置128、228、328、428、528、628に関して、比較目的で行われた3つの印刷ジョブのデータが示されている。ジョブ1に用いられた媒体は、75g/m2の標準紙「4024」から成り、ジョブ2及び3に用いられた媒体は、60g/m2の紙が2枚、75g/m2の「4024」が2枚、90g/m2の紙が2枚、199g/m2の光沢のあるカード用紙が2枚、及び216g/m2の光沢のないカード用紙が2枚の、混合媒体から成る。ジョブ1及び2は既存の開ループ制御を用いて行われ、ジョブ3は本開示の新しい制御アルゴリズムを用いて行われた。
図8を参照すると、追従誤差(xd−xhat)が経路位置の関数として描画されており、追従誤差は、最初、センサ128において約40mmであるが、シートの先端がセンサ628に到達するときまでには、5mm未満に減少していることが示されている。
図9及び図10を参照すると、既存の開ループ制御を用いたジョブ1及び2の追従誤差は、同じ経路を通る動きに関して、図らずも最初の40mmから20mmに減少したことを示しているが、アクティブ制御を行わず、ランダム障害のみがシートに作用しているため、追従誤差は60mmまで増加する可能性もあり、従って、表1と比較すると、ここに開示したアルゴリズムを用いてニップ駆動を制御した方が、追従誤差を実質的により大きく減少させることが分かる。
10 写真複写機/プリンタ
26、26−1〜26−8、126、226、326、426、526、626、726、826、926、1026 ニップ・ローラ
27−1、27−2 ゲート
28、128、228、328、428、528、628、728、828、928、1028 センサ
29 駆動モータ
30 媒体経路コントローラ
42、43 用紙/媒体経路
44、46、52、54、56、58、60 ライン
58、60、62 媒体シート
26、26−1〜26−8、126、226、326、426、526、626、726、826、926、1026 ニップ・ローラ
27−1、27−2 ゲート
28、128、228、328、428、528、628、728、828、928、1028 センサ
29 駆動モータ
30 媒体経路コントローラ
42、43 用紙/媒体経路
44、46、52、54、56、58、60 ライン
58、60、62 媒体シート
Claims (6)
- 内部に少なくとも1つのシート経路を画定する複数の媒体シート・ニップ・ローラを備えた、デジタル印刷エンジンを準備するステップと、
前記印刷エンジンに近接して、少なくとも1つの印刷媒体シート供給機を配置するステップと、
前記各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、前記少なくとも1つの経路を通して印刷媒体を推進させるステップと、
前記経路における各媒体シートの位置を感知し、前記シートの位置を示すシート位置信号を既知の時間にもたらすステップと、
前記シート位置信号に反応するコントローラを準備し、前記供給機から前記エンジンへシートを決められた時間に供給し、前記ニップ・ローラのうちの選択されたものを通る所望の経路及び到達時間を決定するステップと、
前記感知した媒体シート位置をマッピングし、前記感知した媒体シート位置に基づいて前記各モータに対する速度制御信号を生成し、前記モータを所望の速度で駆動することによって、選択された前記経路における所望の位置にシートを位置決めするステップと、
を含む、デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法。 - 前記速度制御信号を生成するステップが、所望のニップ速度信号sdsを、sds=Kp(xd−xhat)+vd(式中、sdsは所望のニップ表面速度であり、xdは経路における現在の所望のシート位置であり、xhatは推定シート位置であり、Kpはコントローラの比例ゲインであり、vdは所望のシート位置の速度である)に従って生成することを含む、請求項1に記載の方法。
- 印刷エンジンに近接して配置されると共に、前記印刷エンジンへシートを決められた時間に供給する、媒体シート供給機と、
前記エンジン内の進行ステーションに配置されて、前記エンジンを通るシート媒体経路を画定する、複数のニップ・ローラと、
選択された前記ニップ・ローラを通る所望の媒体シート経路を画定する、印刷ジョブ・コントローラと、
前記選択されたニップ・ローラのステーションに近接して配置されると共に、媒体シート位置を感知して前記媒体シート位置を示す信号をもたらす、センサと、
前記各センサから前記信号を受信するように配置された、ニップ・コントローラと、
それぞれが前記ニップ・ローラのうちの1つを個別に駆動するように配置された、複数の変速モータと、
を備える、デジタル印刷エンジンにおいてシート媒体を制御するシステムであって、
前記ニップ・コントローラが、前記センサ信号に反応し、前記シート位置をマッピングして前記各モータを駆動し、感知した媒体シートを前記経路における所望の位置まで動かすのに十分なニップ速度をもたらす、
前記システム。 - 前記ニップ・コントローラが、所望のニップ(シート)速度sdsを、sds=Kp(xd−xhat)+vd(式中、Kpはコントローラの比例ゲインであり、xdは現在の基準経路位置であり、xhatは現在の推定シート位置であり、vdは所望のシート位置の速度である)に従ってもたらす、請求項3に記載のシステム。
- 内部に少なくとも1つのシート経路を画定する複数の媒体シート・ニップ・ローラを備えた、デジタル印刷エンジンを準備するステップと、
前記印刷エンジンに近接して、印刷媒体シート供給機を配置するステップと、
前記各ニップ・ローラをそれぞれ変速モータで駆動し、前記経路を通して印刷媒体を推進させるステップと、
選択した前記ニップ・ローラに近接したステーションにセンサを配置し、既知の時間にシート位置を感知するステップと、
コントローラを準備し、前記供給機から前記エンジンへシートを決められた時間に供給し、前記選択されたニップ・ローラを通る所望の経路及び到達時間を、前記経路において供給される複数のシートのそれぞれに対して決定するステップと、
前記感知したシート位置をマッピングし、前記複数のシートのそれぞれの前記感知した位置に基づいて前記各モータに対する速度制御信号を生成し、前記各モータを駆動することによって、選択された前記経路における所望の位置に且つ前記所望の到達時間に各シートを位置決めするステップと、
を含む、デジタル印刷において印刷媒体の流れを制御する方法。 - 印刷エンジンに近接して配置されると共に、前記印刷エンジンへシートを決められた時間に供給する、媒体シート供給機と、
前記エンジン内の進行ステーションに配置されて、前記エンジンを通るシート媒体経路を画定する、複数のニップ・ローラと、
選択された前記ニップ・ローラを通る所望の媒体シート経路を画定する、印刷ジョブ・コントローラと、
複数の前記選択されたニップ・ローラのステーションのそれぞれに近接して配置されると共に、媒体シート位置を感知して前記媒体シート位置を示す信号をもたらす、センサと、
前記センサからオリジナルの前記信号を受信する、複数のシート・コントローラと、
それぞれが前記ニップ・ローラのうちの1つを個別に駆動するように配置された、複数の変速モータと、
を備える、デジタル印刷エンジンにおいてシート媒体を制御するシステム。
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