JP2009255859A - 固定ガラス用ウエザストリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】固定ガラス用ウエザストリップにおいて、水が車内側に滲出してしまうことをより確実に防止する。
【解決手段】固定ガラス用ウエザストリップ4は、本体部16を備える。本体部16は、基底部17、並びに、基底部17の両端から延びる車内側側壁部18及び車外側側壁部19を備えており、固定ガラス3が挿入される挿入溝部15を有している。下辺部10における基底部17の所定箇所には、水を下方へと排出可能な水抜孔38が設けられ、車内側側壁部18には、固定ガラス3との間で所定の間隙を形成するとともに、下辺部10の長手方向に沿って延びる横溝部31A,31Bが設けられる。また、横溝部31Bから外周側へと延びる縦溝部33が設けられており、当該縦溝部33の外周側端部が前記水抜孔38に連接されている。
【選択図】 図4
【解決手段】固定ガラス用ウエザストリップ4は、本体部16を備える。本体部16は、基底部17、並びに、基底部17の両端から延びる車内側側壁部18及び車外側側壁部19を備えており、固定ガラス3が挿入される挿入溝部15を有している。下辺部10における基底部17の所定箇所には、水を下方へと排出可能な水抜孔38が設けられ、車内側側壁部18には、固定ガラス3との間で所定の間隙を形成するとともに、下辺部10の長手方向に沿って延びる横溝部31A,31Bが設けられる。また、横溝部31Bから外周側へと延びる縦溝部33が設けられており、当該縦溝部33の外周側端部が前記水抜孔38に連接されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、車両用ドアの固定ガラスの周縁に取付けられる固定ガラス用ウエザストリップに関するものである。
従来、自動車等の車両のドアには固定ガラスが取着されたものがある。この固定ガラスは、当該固定ガラスをシールするための固定ガラス用ウエザストリップがその周縁部に装着された上でドアの開口部に嵌め込まれる。
固定ガラス用ウエザストリップは、固定ガラスが挿入される挿入溝部を内周側に有した断面略コ字状の本体部を備える。当該本体部は、基底部並びに当該基底部の両端から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部からなる。
ところで、かかる固定ガラス用ウエザストリップの下辺部においては、車外側側壁部と固定ガラスとの間から水が入り込んでしまうことが想定される。そして、水が挿入溝部内に浸入してしまうと、基底部を経て車内側側壁部を伝わって水が車内側に滲出するおそれがある。これは、両側壁部と固定ガラスとの隙間がほとんどなく(非常に小さく)、毛細管現象によって少量の水でも上方へ吸い上げられてしまうためである。一方で、水の浸入防止対策として、固定ガラス用ウエザストリップの前記挿入溝部に水抜孔を形成するという技術がある(例えば、特許文献1等参照)。
特開2006−248505号公報
しかしながら、上記技術では、形状を確保する必要があることから、水抜孔を長手方向にわたって連続的に形成することはできない。換言すれば、水抜孔は、下辺部において部分的に形成せざるを得ない。このため、下辺部の水抜孔が設けられていない部位においては、依然として毛細管現象によって水が上方へ吸い上げられ、車内側に滲出してしまうおそれがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、水が車内側に滲出してしまうことをより確実に防止することのできる固定ガラス用ウエザストリップを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段1.車両用ドアの開口部に固定される固定ガラスの周縁部に取付けられる固定ガラス用ウエザストリップであって、
基底部並びに当該基底部の両端から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部からなり、前記固定ガラスの周縁部が挿入される挿入溝部を内周側に有する断面略コ字状の本体部を備えるとともに、
前記固定ガラスの下辺に対応する下辺部において、
前記基底部には、その所定箇所に、水を下方へ排出可能な水抜孔を設けるとともに、
前記車内側側壁部には、前記固定ガラスの周縁部が挿入された際に前記固定ガラスの車内側面との間で所定の間隙を形成するべく、前記下辺部の長手方向に延びる横溝部を設け、かつ、
前記横溝部から外周側へと延びる縦溝部を設けるとともに、
前記縦溝部の外周側端部を前記水抜孔に連通させたことを特徴とする固定ガラス用ウエザストリップ。
基底部並びに当該基底部の両端から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部からなり、前記固定ガラスの周縁部が挿入される挿入溝部を内周側に有する断面略コ字状の本体部を備えるとともに、
前記固定ガラスの下辺に対応する下辺部において、
前記基底部には、その所定箇所に、水を下方へ排出可能な水抜孔を設けるとともに、
前記車内側側壁部には、前記固定ガラスの周縁部が挿入された際に前記固定ガラスの車内側面との間で所定の間隙を形成するべく、前記下辺部の長手方向に延びる横溝部を設け、かつ、
前記横溝部から外周側へと延びる縦溝部を設けるとともに、
前記縦溝部の外周側端部を前記水抜孔に連通させたことを特徴とする固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段1によれば、固定ガラスの下辺に対応する下辺部において、基底部の所定箇所に水抜孔が設けられる。従って、基本的には、車外側から挿入溝部内に水が浸入したとしても、当該水抜孔から水が排出されることとなる。
また、手段1では、前記車内側側壁部には横溝部が設けられており、当該横溝部によって、固定ガラスの周縁部が挿入された際に固定ガラスの車内側面との間で所定の間隙が形成される。従って、万が一前記水抜孔から水が排出されず、毛細管現象により、車内側側壁部及び固定ガラス間の隙間を伝わって、基底部から水が吸い上げられてしまったとしても、その水が固定ガラスと横溝部との間の空間に停留させられることとなり、それ以上の吸い上げが抑制される。
さらに、車内側側壁部には、横溝部から外周側に延びる縦溝部が設けられており、当該縦溝部の外周側端部が水抜孔に連通されている。これにより、横溝部に停留された水を、前記縦溝部を伝って水抜孔へとより確実に排水することができる。また、前記横溝部は縦溝部を介して水抜孔に連通されているため、横溝部と固定ガラス車内側面との空間の気圧を大気圧と略等しいものとすることができる。このため、毛細管現象自体の発生を効果的に抑制することができる。
以上のように、本手段1では、基底部に設けられた水抜孔と、車内側側壁部に設けられた横溝部及び縦溝部との相乗的な作用によって車内側への水の滲出を飛躍的に防止することができる。
手段2.前記横溝部のうち前記縦溝部の設けられていない部位の水を、前記縦溝部に向けて導出するべく、前記横溝部の一部を前記基底部側へと傾斜させたことを特徴とする手段1に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段2によれば、横溝部の一部が基底部側へと傾斜させられるため、横溝部のうち縦溝部の設けられていない部位の水を縦溝部に向けて導出することができる。このため、横溝部のうち縦溝部が存在しない部位に水が吸い上げられたとしても、その水を水抜孔からより一層確実に排水することができ、車内側への水の滲出をより確実に防止することができる。
手段3.前記車内側側壁部に、車内側へと延びる車内側リップ部を設けるとともに、
前記横溝部を、前記車内側リップ部に対し、前記車内側側壁部の高さ方向にオフセットした位置に設けたことを特徴とする手段1又は手段2に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
前記横溝部を、前記車内側リップ部に対し、前記車内側側壁部の高さ方向にオフセットした位置に設けたことを特徴とする手段1又は手段2に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
一般に、リップ部が設けられていると、その付け根部分は、リップ部の変形に伴う応力を受けやすい。そのため、リップ部の付け根部分に横溝部が位置していると、リップ部の変形に伴って横溝部が潰れ変形してしまい、ひいては水の停留スペースが不十分なものとなってしまうおそれがある。
この点、上記手段3によれば、前記横溝部は、車内側リップ部に対し、車内側側壁部の高さ方向にオフセットした位置に設けられている。すなわち、車内側リップ部の付け根部分には横溝部が存在しないこととなるため、車内側リップ部の変形に伴う横溝部の潰れ変形を防止することができる。その結果、水の停留スペースを十分に確保することができ、車内側への水の滲出を一層効果的に防止することができる。
手段4.前記横溝部の深さを、0.5mm以上1.5mm以下としたことを特徴とする手段1乃至手段3のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
尚、「横溝部の深さ」とは、車内側側壁部の高さ方向に直交する向きに沿った、前記車内側側壁部の内壁平坦部分(横溝部及び縦溝部を除外した部分)から横溝部までの距離のうち最長の距離をいう。
上記手段4によれば、横溝部の深さが0.5mm以上1.5mm以下とされている。このため、水の停留スペースをより一層確保することができる。その結果、車内側への水の滲出をより効果的に防止することができる。
手段5.前記車外側側壁部に、前記固定ガラスの周縁部が挿入された際に前記固定ガラスの車外側面に当接可能な車外側側壁リブを設けたことを特徴とする手段1乃至手段4のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段5によれば、車外側側壁部には、車外側側壁リブが設けられているため、車外から前記挿入溝部へと水が浸入してしまうことを抑制できる。これにより、前記横溝部の方へと毛細管現象で吸い上げられる水の量を一層抑制することができるため、車内側への水の滲出をより一層確実に防止することができる。
手段6.前記本体部は型成形によって形成されるものであり、
前記縦溝部を、前記挿入溝部を形成する型の型抜き方向に沿った向きに形成したことを特徴とする手段1乃至手段5のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
前記縦溝部を、前記挿入溝部を形成する型の型抜き方向に沿った向きに形成したことを特徴とする手段1乃至手段5のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段6によれば、縦溝部は、挿入溝部を形成する型が抜かれる方向に沿った向きに形成されている。これにより、製造時の型抜き工程に際して、縦溝部を形成する突部を比較的容易に引き抜くことができ、縦溝部の変形や破損等をより確実に防止することができる。その結果、作業性及び歩留まりの向上を図ることができる。
手段7.前記横溝部のうち、内周側に位置する上面部をテーパ状或いは湾曲面状に形成したことを特徴とする手段1乃至手段6のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段7によれば、前記横溝部の上面部が、テーパ状或いは湾曲面状に形成される。これにより、型成形により挿入溝部を製造する場合には、製造時の型抜き工程に際して、前記横溝部を形成する突部(突条部)を比較的容易に引き抜くことができ、ひいては横溝部の変形や破損等を防止することができる。その結果、作業性及び歩留まりの一層の向上を図ることができる。
手段8.前記横溝部を、前記車内側側壁部の内周側端縁部と、当該内周側端縁部から前記車内側側壁部の高さ方向に沿って前記車内側側壁部の高さの1/2以内の距離だけ離間した位置との間に設けたことを特徴とする手段1乃至手段7のいずれかに記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
上記手段8によれば、横溝部は、車内側側壁部の内周側端縁部から、車内側側壁部の高さ方向に沿って車内側側壁部の高さの1/2以内の距離だけ離間した位置までの間に設けられている。すなわち、横溝部は、挿入溝部の開口部に対して比較的近接した状態で設けられている。このため、製造時の型抜き工程における両側壁部の外側への広がり量を比較的少ないものとしても、横溝部を形成する突部(突条部)を比較的容易に引き抜くことができ、側壁部や横溝部の変形、破損等をより確実に防止することができる。その結果、作業性及び歩留まりのより一層の向上を図ることができる。
尚、作業性及び歩留まりの更なる向上を図るという観点からは、横溝部をより開口部に近接した状態で設けることが好ましい。従って、横溝部を、車内側側壁部の内周側端縁部から、車内側側壁部の高さ方向に沿って車内側側壁部の高さの1/3以内の距離だけ離間した位置までの間に設けることとしてもよい。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、車両としての自動車ボディ1には車両用ドアとしてのフロントドア2が開閉可能に設けられている。また、フロントドア2の前部には固定ガラス3が装着されている。この固定ガラス3は、当該固定ガラス3をシールするための固定ガラス用ウエザストリップ4(図2参照)がその周縁部に装着された上でフロントドア2の固定ガラス用開口部5に嵌め込まれている。尚、図1では自動車ボディ1の左側が示されているが、図2では右側のフロントドア2に取付けられる固定ガラス用ウエザストリップ4が示されている。
次に固定ガラス用ウエザストリップ4(以下、単に「ウエザストリップ」という)について説明する。ウエザストリップ4は、所定の金型装置によって型成形されている。また、ウエザストリップ4は弾性材料としてのオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)によって形成されている。
より詳しくは、図2に示すように、ウエザストリップ4は、ディビジョンバー8(図1参照)に沿って取付けられる後縦辺部9と、フロントドア2本体部に沿って取付けられる下辺部10と、ドアフレーム11(図1参照)に沿って取付けられる前縦辺部12及び上斜辺部13とから構成されており、固定ガラス3の外周形状に対応した略環状に形成されている。
次に、ウエザストリップ4の断面形状について、特に、本発明の特徴部分である下辺部10を説明する。図3(a)に示すように、下辺部10は、固定ガラス3の周縁部が挿入される挿入溝部15を内周側に具備した断面略コ字状の本体部16を備えている。本体部16は、基底部17、並びに、当該基底部17の両端から延びる車内側側壁部18及び車外側側壁部19から構成されている。また、基底部17の外周側には厚肉のベース突起部20が設けられ、当該ベース突起部20の先端部にはシールリップ22が突出形成されている。一方で、基底部17の内周側には、固定ガラス3とのシール性を高めるための凸部21が形成されている。尚、固定ガラス3を保持する保持力及び固定ガラス3とのシール性を高めるために、挿入溝部15は、基底部17側よりも開口部側が幅狭となっている。
さらに、車内側側壁部18には、車内側へと延びる第1車内側リップ部24と、当該第1車内側リップ部24の外周側に形成された第2車内側リップ部25とが設けられている。加えて、前記第2車内側リップ部25の外周側には、車内側へと延出形成された車内側サブシールリップ部27が設けられている。本実施形態において、前記第1車内側リップ部24、第2車内側リップ部25、及び、車内側サブシールリップ部27が車内側リップ部に相当する。
一方で、車外側側壁部19には、車外側へと延びる車外側リップ部26が形成されているとともに、当該車外側リップ部26の外周側には、断面略半円状の突起部29が形成されている。さらに、当該突起部29の外周側には、車外側へと延びる車外側サブシールリップ部28が形成されている。
加えて、本実施形態において、車内側側壁部18には、前記固定ガラス3が挿入された際に、固定ガラス3の車内側面との間で所定の間隙を形成すべく、下辺部10の長手方向に延びる複数(本実施形態では、2つ)の横溝部31A,31Bが設けられている。当該横溝部31A,31Bは、それぞれ内周側に位置する上面部32A,32Bを備えており、当該上面部32A,32Bが湾曲面状に形成されている。さらに、横溝部31A,31Bの深さが、0.5mm以上1.5mm以下(例えば、1.0mm)となるように設定されている。
また、横溝部31A,31Bは、車内側側壁部18の内周側端縁部から、車内側側壁部18の高さ方向に沿って車内側側壁部18の高さの1/2以内の距離だけ離間した位置までの間に設けられている。すなわち、横溝部31は、挿入溝部15の開口部に比較的近接した状態で設けられている。
また、図4に示すように、基底部17の所定箇所には、挿入溝部15へと浸入した水を排出するための水抜孔38が貫通形成されている。当該水抜孔38の上端開口部は、車外側から車内側へ向けて拡幅するように構成されている。また、本実施形態においては、図4中で示される水抜孔38の他に、図3(b)(図2のK−K線断面図)に示すように、下辺部10のうち、前縦辺部12と隣接する部位に水抜孔38が設けられている。尚、水抜孔38を1箇所だけ設けることとしてもよいし、2箇所以上設けることとしてもよい。また、水抜孔38を設ける部位は、本実施形態において設けられる部位に限定されるものではなく、例えば、下辺部10のうち、最も下方に位置する部位や後縦辺部9と隣接する部位等に設けることとしてもよい。
図4に戻り、内周側側壁部18には、前記横溝部31Bから外周側へと延びる複数の縦溝部33が設けられており、当該縦溝部33の外周側端部が前記水抜孔38に連通されている。また、各縦溝部33の延びる向きは、後述する製造時の型抜き工程において、挿入溝部15を画定(形成)するための中板52の型抜き方向に沿った向きとされている。本実施形態において、各縦溝部33の延びる向きは、下辺部10の長手方向に対して斜めに交差する向きに構成されており、より詳しくは、下辺部10のうち、前縦辺部12に隣接するコーナー部分の水抜孔38に連通する縦溝部33(図示せず)の向きと略平行な向きとなるように構成されている。
次に、固定ガラス3及びウエザストリップ4の固定ガラス用開口部5への取付構造について説明する。
図3(a)に示すように、下辺部10が取付けられるフロンドドア2本体部(図1参照)は、車内側に設けられるインナリンフォース41、車外側に設けられるアウタリンフォース42、前記インナリンフォース41から車外側へと延びるエクステンション43、及び、前記アウタリンフォース42の端部に取着されるアウタパネル44を備えている。これらインナリンフォース41、アウタリンフォース42、エクステンション43、及び、アウタパネル44によって取付溝部45が形成されている。また、フロントドア2の車内側には、ドアトリム46が取着されている一方で、車外側には、モール47が取着されている。
固定ガラス3及びウエザストリップ4の取付手順としては、まず固定ガラス3を挿入溝部15に挿入し、固定ガラス3の全周にウエザストリップ4が装着された状態とする。そして、この状態の固定ガラス3を固定ガラス用開口部5に嵌め込む。
取付状態においては、本体部16が取付溝部45内に挿し込まれる。これにより、車内側に関しては、前記第1車内側リップ部24が前記ドアトリム46の内周側面に当接した状態となるとともに、前記第2車内側リップ部25が前記ドアトリム46の外周側面に当接した状態となる。その結果、本体部16及びドアトリム46間がシールされる。一方で、車外側に関しては、固定ガラス3が挿入溝部15に挿入されたことで車外側へと相対移動した突起部29がモール47に当接するとともに、車外側リップ部26がモール47の内周側面に当接した状態となる。これにより、本体部16とモール47との間がシールされる。加えて、前記車内側サブシールリップ部27が前記エクステンション43に当接し、一方で前記車外側サブシールリップ部28がアウタパネル44に当接する。このため、前記本体部16及び前記取付溝部45間がシールされることとなる。さらに、ベース突起部20先端のシールリップ22がエクステンション43に当接した状態となる。
次に、上記の構成を有してなるウエザストリップ4の製造方法について、図5(a),(b),(c)を参照して説明する。まず、ウエザストリップ4を成形するために使用される金型装置51について説明する。図5(a)は、金型装置51を示す断面図である。金型装置51は、挿入溝部15を画定(形成)するための中板52と、図示しないシリンダ等により中板52に対して相対移動可能に設けられた上可動型53及び下可動型54とを備えている。
中板52、上可動型53及び下可動型54には、ウエザストリップ4の外形形状に対応した成形面がそれぞれ形成されている。すなわち、中板52については、前記横溝部31A,31Bを形成するための2つの突条部56A,56Bと、前記縦溝部33を形成するための複数の突部57とが設けられている。また、前記突条部56A,56Bのうち、前記横溝部31A,31Bの上面部32A,32Bを形成する上面部形成部58A,58Bは湾曲面状に形成されている。加えて、中板52、上可動型53、下可動型54の成形面によって、ウエザストリップ4を成形するためのキャビティ55が形成される。
そして、上記の構成を有してなる金型装置51等によって、次のようにしてウエザストリップ4を成形する。まず、中板52、上可動型53及び下可動型54を所定位置にセットし型閉めする。この状態から図5(b)に示すように、キャビティ55内に、可塑化状態にあるTPOを注入・充填し、その後、当該TPOを固化させる。固化完了後、図5(c)に示すように、上可動型53及び下可動型54をそれぞれ中板52から離間する方向(図5の上下方向)へ動かし、型開きしていき、リップ部24,25,26,27,28等が上・下可動型53,54から抜き出される。その後、中板52を離間する方向(取り外し方向)へと相対移動させる。このとき、前記上面部形成部58A,58Bを横溝部31A,31Bの上面部32A,32Bに対して滑らせながら、前記横溝部31A,31Bから前記突条部56A,56Bが抜き出され、併せて、前記縦溝部33から前記突部57が抜き出される。このように中板52が取り外されることで、上述したウエザストリップ4が得られる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、固定ガラス3の下辺に対応する下辺部10において、基底部17の所定箇所に水抜孔38が設けられる。従って、基本的には、車外側から挿入溝部15内に水が浸入したとしても、当該水抜孔38から水が排出されることとなる。
また、前記車内側側壁部18には横溝部31A,31Bが設けられており、当該横溝部31A,31Bによって、固定ガラス3の周縁部が挿入された際に固定ガラス3の車内側面との間で所定の間隙が形成される。従って、万が一前記水抜孔38から水が排出されず、毛細管現象により、車内側側壁部18及び固定ガラス3間の隙間を伝わって、基底部17から水が吸い上げられてしまったとしても、その水が固定ガラス3と横溝部31A,31Bとの間の空間に停留させられることとなり、それ以上の吸い上げが抑制される。
さらに、車内側側壁部18には、横溝部31Bから外周側に延びる縦溝部33が設けられており、当該縦溝部33の外周側端部が水抜孔38に連通されている。これにより、横溝部31Bに停留された水を、前記縦溝部33を伝って水抜孔38へとより確実に排水することができる。また、前記横溝部31Bが縦溝部33を介して水抜孔38に連通されていることから、横溝部31Bと固定ガラス3の車内側面との空間の気圧を大気圧と略等しいものとすることができる。そのため、毛細管現象自体の発生を抑制することができる。
このように本実施形態では、基底部17に設けられた水抜孔38と、車内側側壁部18に設けられた横溝部31A,31B及び縦溝部33との相乗的な作用によって車内側への水の滲出を飛躍的に防止することができる。
さらに、横溝部31A,31Bの深さが0.5mm以上1.5mm以下とされているため、水の停留スペースをより一層確保することができる。その結果、車内側への水の滲出をより効果的に防止することができる。
加えて、縦溝部33は、挿入溝部15を形成する中板52が抜かれる方向に沿った向きに形成されている。これにより、製造時の型抜き工程に際して、縦溝部33を形成する突部57を比較的容易に引き抜くことができ、縦溝部33の変形や破損等をより確実に防止することができる。その結果、作業性及び歩留まりの向上を図ることができる。
特に本実施形態では、下辺部10のうち前縦辺部12と隣接するコーナー部分、すなわち、型抜き方向が限定される部分に形成される縦溝部33の向きに合わせて、各縦溝部33の向きが設定されているため、より一層容易に中板52を引き抜くことができる。これにより、縦溝部33の変形や破損等をより一層確実に防止することができる。
併せて、前記横溝部31A,31Bの上面部32A,32Bが、湾曲面状に形成されている。これにより、製造時の型抜き工程に際して、横溝部31A,31Bを形成する突条部56A,56Bを比較的容易に引き抜くことができ、ひいては横溝部31A,31Bの変形や破損を防止することができる。その結果、作業性及び歩留まりの一層の向上を図ることができる。
また、横溝部31A,31Bは、挿入溝部15の開口部に比較的近接した状態で設けられているため、製造時の型抜き工程における両側壁部18,19の外側への広がり量を比較的少ないものとしても、横溝部31A,31Bを形成する突条部56A,56Bを比較的容易に引き抜くことができる。これにより、側壁部18,19や横溝部31A,31Bの変形、破損等をより確実に防止することができ、作業性及び歩留まりのより一層の向上を図ることができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、フロントドア2の固定ガラス3に装着される固定ガラス用ウエザストリップ4について具体化したが、これに限定されるものではなく、例えばリヤドアの固定ガラス(クウォータウインド)に装着される固定ガラス用ウエザストリップにも適用することもできる。
(b)上記実施形態では、固定ガラス用ウエザストリップ4をTPOにより構成しているが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等の他の素材により構成してもよい。
(c)上記実施形態では、2つの横溝部31A,31Bを設けているが、1つの横溝部を設けることとしてもよいし、3つ以上の横溝部を設けることとしてもよい。
(d)上記実施形態では、縦溝部33は、外周側の横溝部31Bに連通しているが、縦溝部33を内周側の横溝部31A及び横溝部31Bの双方に連通するように構成することとしてもよい。この場合には、横溝部31A,31Bと固定ガラス3の車内側面との空間に停留した水をより確実に排水することができるとともに、横溝部31A,31Bと固定ガラス3との間に形成される空間の気圧を大気圧と略等しいものとすることができ、毛細管現象の発生をより効果的に抑制することができる。
(e)横溝部31A,31Bを設ける位置は特に限定されるものではないが、横溝部31A,31Bを、車内側側壁部18の高さ方向に沿って、前記第1、第2車内側リップ部24,25及び前記車内側サブシールリップ部27からオフセットした(離間した、ずれた)位置に設けることとしてもよい。この場合には、車内側に位置するリップ部24,25,27の付け根部分には横溝部31A,31Bが存在しないこととなるため、リップ部24,25,27の変形に伴う横溝部31A,31Bの潰れ変形を防止することができる。その結果、水の停留スペースを十分に確保することができ、車内側への水の滲出を一層効果的に防止することができる。
(f)上記実施形態では、横溝部31Bは略直線状に形成されているが、図6に示すように、横溝部31Bの一部を基底部17側へと傾斜させることとしてもよい。この場合には、たとえ横溝部31Bのうち縦溝部33が存在しない部位に水が吸い上げられたとしても、その水を縦溝部33へと導出することができ、水抜孔38からより一層確実に排水することができる。その結果、車内側への水の滲出をより確実に防止することができる。
(g)上記実施形態では、車外側側壁部の内壁面は略平坦に形成されているが、車外側側壁部19に、固定ガラス3の周縁部が挿入された際に前記固定ガラス3の車外側面に当接可能な車外側側壁リブ(車内側に突出する突部)を設けることとしてもよい。この場合には、車外から挿入溝部15へと水が浸入してしまうことを抑制できるため、車内側へ水が滲出してしまうのをより一層確実に防止することができる。
(h)上記実施形態において、横溝部31A,31Bの深さが0.5mm以上1.5mm以下とされているが、横溝部31A,31Bの深さは、当該数値範囲内に限定されるものではない。従って、横溝部31A,31Bの深さを0.5mm未満としてもよいし、1.5mmを超えるものとしてもよい。
(i)上記実施形態では、各縦溝部33の延びる向きを、下辺部10のうち、前縦辺部12に隣接するコーナー部分に形成された水抜孔38に連接される縦溝部33の向きに略平行な向きとなるように構成されているが、縦溝部33の延びる向きはこれに限定されるものではない。すなわち、縦溝部33の延びる向きは、前記横溝部31Bに停留した水を水抜孔38へと案内可能とすべく、外周側へと延びる向きであればよく、例えば、縦溝部33の延びる向きを、下辺部10の長手方向に直交する向き等に設定することとしてもよい。
(j)上記実施形態では、上面部32A,32Bが湾曲面状に形成されているが、上面部32A,32Bをテーパ状に形成することとしてもよい。
1…車両としての自動車ボディ、2…車両用ドアとしてのフロントドア、3…固定ガラス、4…固定ガラス用ウエザストリップ、10…下辺部、15…挿入溝部、16…本体部、17…基底部、18…車内側側壁部、19…車外側側壁部、24…車内側リップ部としての第1車内側リップ部、25…車内側リップ部としての第2車内側リップ部、27…車内側リップ部としての車内側サブシールリップ部、31A,31B…横溝部、32A,32B…上面部、33…縦溝部、38…水抜孔。
Claims (8)
- 車両用ドアの開口部に固定される固定ガラスの周縁部に取付けられる固定ガラス用ウエザストリップであって、
基底部並びに当該基底部の両端から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部からなり、前記固定ガラスの周縁部が挿入される挿入溝部を内周側に有する断面略コ字状の本体部を備えるとともに、
前記固定ガラスの下辺に対応する下辺部において、
前記基底部には、その所定箇所に、水を下方へ排出可能な水抜孔を設けるとともに、
前記車内側側壁部には、前記固定ガラスの周縁部が挿入された際に前記固定ガラスの車内側面との間で所定の間隙を形成するべく、前記下辺部の長手方向に延びる横溝部を設け、かつ、
前記横溝部から外周側へと延びる縦溝部を設けるとともに、
前記縦溝部の外周側端部を前記水抜孔に連通させたことを特徴とする固定ガラス用ウエザストリップ。 - 前記横溝部のうち前記縦溝部の設けられていない部位の水を、前記縦溝部に向けて導出するべく、前記横溝部の一部を前記基底部側へと傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
- 前記車内側側壁部に、車内側へと延びる車内側リップ部を設けるとともに、
前記横溝部を、前記車内側リップ部に対し、前記車内側側壁部の高さ方向にオフセットした位置に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。 - 前記横溝部の深さを、0.5mm以上1.5mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
- 前記車外側側壁部に、前記固定ガラスの周縁部が挿入された際に前記固定ガラスの車外側面に当接可能な車外側側壁リブを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
- 前記本体部は型成形によって形成されるものであり、
前記縦溝部を、前記挿入溝部を形成する型の型抜き方向に沿った向きに形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。 - 前記横溝部のうち、内周側に位置する上面部をテーパ状或いは湾曲面状に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
- 前記横溝部を、前記車内側側壁部の内周側端縁部と、当該内周側端縁部から前記車内側側壁部の高さ方向に沿って前記車内側側壁部の高さの1/2以内の距離だけ離間した位置との間に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の固定ガラス用ウエザストリップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008109992A JP2009255859A (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 固定ガラス用ウエザストリップ |
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JP2008109992A Pending JP2009255859A (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 固定ガラス用ウエザストリップ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013199140A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Toyoda Gosei Co Ltd | クォータウエザストリップ |
-
2008
- 2008-04-21 JP JP2008109992A patent/JP2009255859A/ja active Pending
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