JP2009255630A - 空気通路開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの上昇を抑制しつつ、体格を小型化する。
【解決手段】空気通路13a、15、35を形成するケース11と、ケース11に対して回転可能に支持され、空気通路を開閉するドア20、34と、ケース11に形成され、ドア20、34が空気通路を閉じたときにドア20、34の板面が当接するシール面22、23、35と、ドアを回転駆動する駆動機構21、50とを備え、ドア20、34の回転軸20a、34aと駆動機構21、50の出力軸21a、50aは、弾性部材40、41、51、60を介して弾性的に連結されており、ドア20、34の板面がシール面に対して離間しているときには、弾性部材は出力軸21a、50aと一体に回転して回転軸20a、34aに回転力を伝達し、ドア20、34の板面がシール面に当接したときには、シール面からドア20、34に作用する力によって弾性部材が弾性変形する。
【選択図】図7
【解決手段】空気通路13a、15、35を形成するケース11と、ケース11に対して回転可能に支持され、空気通路を開閉するドア20、34と、ケース11に形成され、ドア20、34が空気通路を閉じたときにドア20、34の板面が当接するシール面22、23、35と、ドアを回転駆動する駆動機構21、50とを備え、ドア20、34の回転軸20a、34aと駆動機構21、50の出力軸21a、50aは、弾性部材40、41、51、60を介して弾性的に連結されており、ドア20、34の板面がシール面に対して離間しているときには、弾性部材は出力軸21a、50aと一体に回転して回転軸20a、34aに回転力を伝達し、ドア20、34の板面がシール面に当接したときには、シール面からドア20、34に作用する力によって弾性部材が弾性変形する。
【選択図】図7
Description
本発明は、空気通路を回転式ドアで開閉する空気通路開閉装置に関し、車両用空調装置に用いて好適である。
従来、この種の空気通路開閉装置が特許文献1に開示されている。この従来技術では、板状の回転式ドアである吹出口切替ドアが空気通路を切替開閉する。そして、吹出口切替ドアが空気通路を閉塞した際には、空気通路の周縁に形成されたシール面に吹出口切替ドアの板面が押し付けられることでシール性を確保するようになっている。
また、この従来技術では、吹出口切替ドアを駆動する駆動機構として、乗員の手動操作により操作力が与えられる手動操作機構またはサーボモータ等のアクチュエータを使用しており、この駆動機構からの駆動力をリンク機構を介して吹出口切替ドアに伝達している。
リンク機構は、案内溝が形成された第1のリンクプレートと、案内ピンが形成された第2のリンクプレートとを有し、第1のリンクプレートの案内溝内に第2のリンクプレートの案内ピンが嵌合されて摺動するように構成されている。
案内溝の一部には、案内ピンとの間で駆動力が伝達されないような形状(例えば、円弧状)を有するアイドル溝部が形成されている。このアイドル溝部は、ドアが空気通路を閉塞する際にドアの位相と駆動機構の位相とをずらして駆動機構の停止精度のバラツキを吸収するために設けられている。
このようなアイドル溝部を設けることにより、駆動機構の停止精度のバラツキの影響を排除して吹出口切替ドアを空気通路の閉塞位置に確実に停止させ、ひいてはシール性を確実に発揮させるようになっている。
一方、特許文献2には、膜状部材の巻き取りと送り出しとにより空気通路を開閉する空気通路開閉装置において、膜状部材の巻取駆動軸と、巻取駆動軸を駆動する駆動装置との間にスプリングを介在させることにより、膜状部材に常に張力を与えるようにした空気通路開閉装置が開示されている。
特開平10−170063号公報
特開平8−300935号公報
特許文献1の従来技術では、吹出口切替ドアとドア操作機構との間にリンク機構が介在しているので、空気通路開閉装置の体格が大型化してしまう。この体格の大型化は、搭載スペースの制約が大きい車両用空調装置に適用する場合に特に問題となる。
この対策として、高精度なドア操作機構を用いることが考えられる。この対策によれば、リンク機構を用いることなく、吹出口切替ドアを空気通路の閉塞位置に確実に停止させてシール性を確実に発揮させることができるので、空気通路開閉装置の体格を小型化することができる。
しかしながら、この対策では、高精度なドア操作機構を用いることによってコストの大幅な上昇を招いてしまうという問題がある。
この問題は、板状の回転式ドアで空気通路を切替開閉する空気通路開閉装置のみならず、板状でない回転式ドア(例えば、ロータリードア等)で空気通路を切替開閉する空気通路開閉装置においても同様に発生する。
なお、特許文献2の従来技術は、膜状部材の巻き取りと送り出しとにより空気通路を開閉するものであって、特許文献1の従来技術のように回転式ドアにより空気通路を開閉するものとは基本構成が根本的に相違している。このため、特許文献2の従来技術の構成を特許文献1の従来技術にそのまま適用するのは困難である。
本発明は上記点に鑑みて、コストの上昇を抑制しつつ、体格を小型化することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気通路(13a、15、35)を形成するケース(11)と、
ケース(11)に対して回転可能に支持され、空気通路を開閉するドア(20、34)と、
ケース(11)に形成され、ドア(20、34)が空気通路を閉じたときにドア(20、34)が当接するシール面(22、23、35)と、
ドアを回転駆動する駆動機構(21、50)とを備え、
ドア(20、34)の回転軸(20a、34a)と駆動機構(21、50)の出力軸(21a、50a)は、弾性部材(40、41、51、60)を介して弾性的に連結されており、
ドア(20、34)がシール面に対して離間しているときには、弾性部材は出力軸(21a、50a)と一体に回転して回転軸(20a、34a)に回転力を伝達し、
ドア(20、34)がシール面に当接したときには、シール面からドア(20、34)に作用する力によって弾性部材が弾性変形することを特徴とする。
ケース(11)に対して回転可能に支持され、空気通路を開閉するドア(20、34)と、
ケース(11)に形成され、ドア(20、34)が空気通路を閉じたときにドア(20、34)が当接するシール面(22、23、35)と、
ドアを回転駆動する駆動機構(21、50)とを備え、
ドア(20、34)の回転軸(20a、34a)と駆動機構(21、50)の出力軸(21a、50a)は、弾性部材(40、41、51、60)を介して弾性的に連結されており、
ドア(20、34)がシール面に対して離間しているときには、弾性部材は出力軸(21a、50a)と一体に回転して回転軸(20a、34a)に回転力を伝達し、
ドア(20、34)がシール面に当接したときには、シール面からドア(20、34)に作用する力によって弾性部材が弾性変形することを特徴とする。
これによれば、ドア(20、34)がシール面(22、23、35)に当接すると、ドア(20、34)の回転軸(20a、34a)と駆動機構(21、50)の出力軸(21a、50a)とを連結する弾性部材(40、41、51、60)が弾性変形するので、ドア(20、34)の回転量が駆動機構(21、50)の回転量よりも小さくなる。
換言すれば、ドア(20、34)が空気通路を閉塞する際にドア(20、34)の位相と駆動機構(21、50)の位相とをずらして、駆動機構(21、50)の停止精度のバラツキを吸収することができる。
このため、リンク機構や高精度なドア操作機構を用いることなくドアを空気通路の閉塞位置に確実に停止させてシール性を確実に発揮することができるので、コストの上昇を抑制しつつ、体格を小型化することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の空気通路開閉装置において、空気通路として、ドア(20)のうち回転方向一方側の部位によって開閉される第1空気通路(15)と、ドア(20)のうち回転方向他方側の部位によって開閉される第2空気通路(13a)とを有し、
シール面として、ドア(20)が第1空気通路を閉じたときにドア(20)が当接する第1シール面(22)と、ドア(20)が第2空気通路を閉じたときにドア(20)が当接する第2シール面(23)とを有し、
弾性部材(40、41、60)は、ドア(20)が第1シール面(22)に当接したときには第1シール面(22)からドア(20)に作用する力によって弾性変形し、かつ、ドア(20)が第2シール面(23)に当接したときには第2シール面(23)からドア(20)に作用する力によって弾性変形することを特徴とする。
シール面として、ドア(20)が第1空気通路を閉じたときにドア(20)が当接する第1シール面(22)と、ドア(20)が第2空気通路を閉じたときにドア(20)が当接する第2シール面(23)とを有し、
弾性部材(40、41、60)は、ドア(20)が第1シール面(22)に当接したときには第1シール面(22)からドア(20)に作用する力によって弾性変形し、かつ、ドア(20)が第2シール面(23)に当接したときには第2シール面(23)からドア(20)に作用する力によって弾性変形することを特徴とする。
これにより、ドア(20、34)によって第1、第2空気通路を切り替え開閉する空気通路開閉装置において、第1空気通路を閉塞するとき、および第2空気通路を閉塞するときの両方においてシール性を確実に発揮することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の空気通路開閉装置において、弾性部材は、ドア(20)の回転方向に曲げ変形する板ばね(60)であることを特徴とする。これにより、構成を簡素化できるので、コストの上昇をより抑制することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の空気通路開閉装置において、出力軸(21a)は円筒形状を有し、
回転軸(20a)および出力軸(21a)は、いずれか一方が他方の内部に同軸状に挿入され、
回転軸(20a)および出力軸(21a)のそれぞれには、その軸方向と交差する方向に板ばね(60)が挿入されるスリット(61、62)が形成されていることを特徴とする。
回転軸(20a)および出力軸(21a)は、いずれか一方が他方の内部に同軸状に挿入され、
回転軸(20a)および出力軸(21a)のそれぞれには、その軸方向と交差する方向に板ばね(60)が挿入されるスリット(61、62)が形成されていることを特徴とする。
これによると、回転軸(20a)および出力軸(21a)のいずれか一方を他方の内部に挿入しているので、回転軸(20a)および出力軸(21a)の軸方向において体格をより小型化することができる(後述の図7を参照)。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の空気通路開閉装置において、回転軸(20a)は出力軸(21a)内に同軸状に挿入されており、出力軸(21a)のスリット(62)は、出力軸(21a)の径方向において、径外方側の部位で板ばね(60)を挟み込み、径内方側の部位では板ばね(60)に対して離間するようにスリット幅が変化していることを特徴とする。
これによると、板ばね(60)の変位部位を確保しつつ出力軸(21a)と回転軸(20a)との離間距離を小さくすることができるので、回転軸(20a)および出力軸(21a)の径方向において体格をより小型化することができる(後述の図8を参照)。
請求項6に記載の発明では、請求項1または2に記載の空気通路開閉装置において、弾性部材は、締まり方向がドア(20)の回転方向一方側を向いた第1コイルばね(40)、および締まり方向がドア(20)の回転方向他方側を向いた第2コイルばね(41)であることを特徴とする。これにより、駆動機構(21、50)の停止精度のバラツキを効果的に吸収することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の空気通路開閉装置において、ドア(20)の板面がシール面に対して離間しているときには、第1、第2コイルばね(40、41)がそれぞれ締まり方向に所定量弾性変形した状態で出力軸(21a、50a)と一体に回転することを特徴とする。
これによると、ドア(20)がシール面に対して離間しているときには、第1、第2コイルばね(40、41)のばね力がドア(20)を互いに反対方向に引っ張り合うように作用する。このため、駆動機構(21、50)と弾性的に連結されたドア(20)が弾性振動してしまうことを抑制することができる。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の空気通路開閉装置において、第1、第2コイルばね(40、41)は、駆動機構(21、50)の作動範囲の全域にわたって、締まり側のみで用いられることを特徴とする。
これによると、第1、第2コイルばね(40、41)を締まり側と緩み側の両方で用いる場合に比べて、第1、第2コイルばね(40、41)の劣化を抑制することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜図5により本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置における室内ユニット部の空調ユニット10の断面図である。また、図1の上下、前後の各矢印は、空調ユニット10の車両搭載状態における方向を示している。なお、図1は後述するフェイスモード時を示している。
図1〜図5により本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の車両用空調装置における室内ユニット部の空調ユニット10の断面図である。また、図1の上下、前後の各矢印は、空調ユニット10の車両搭載状態における方向を示している。なお、図1は後述するフェイスモード時を示している。
本実施形態の室内ユニット部は、図1の空調ユニット10と、この空調ユニット10に空気を送風する送風機ユニット(図示せず)とに大別される。空調ユニット10は車室内前側の計器盤(図示せず)内側のうち、車両幅方向の略中央部に配置される。これに対し、図示しない送風機ユニットは車室内前部の計器盤内側のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されている。
送風機ユニットは、周知の如く、外気(車室外空気)と内気(車室内空気)とを切替導入する内外気切替箱、および、この内外気切替箱を通して空気を吸入して送風する送風機によって構成される。この送風機は周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動するものである。また、電動モータは空調制御装置(図示せず)の制御信号によって作動する。
空調ユニット10はケース(空調ケース)11を有し、ケース11の内部には車室内へ向かって空気が流れる空気通路が構成される。このケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。さらに、車両幅方向(図1の紙面垂直方向)の略中央部に車両上下方向の分割面を有しており、この分割面で左右2分割することができる。
この左右2分割のケースは、内部に冷房用熱交換器をなす蒸発器12、暖房用熱交換器をなすヒータコア13および後述するエアミックスドア20等を収容した状態で、金属バネクリップやネジなどの締結手段によって一体に結合されている。
ケース11の最も車両前方側部位には空気入口空間14が形成され、この空気入口空間14には、送風機ユニットの送風機によって送風された空気が流入する。また、空気入口空間14の空気流れ下流側直後には蒸発器12が略上下方向(略垂直)に配置されている。
この蒸発器12は、周知の如く冷凍サイクル(図示せず)の低圧冷媒が蒸発する際に空気から吸熱して空気を冷却するものである。ケース11のうち蒸発器12の下方に位置する底部には、蒸発器12で発生した凝縮水(ドレン水)を排水するドレン排水口(図示せず)が開口している。
蒸発器12の空気流れ下流側(車両後方側)には、所定の間隔を開けてヒータコア13が略上下方向(略垂直)に配置されている。ヒータコア13は、高温のエンジン冷却水(温水)が内部に導入され、この温水と蒸発器12を通過した冷風とを熱交換させることで冷風を加熱するものである。
ヒータコア13も略上下方向に配置されている。なお、蒸発器12およびヒータコア13を略上下方向に配置するとは、その熱交換用コア部の面が略上下方向に延びるように配置されることを意味する。
ケース11の蒸発器12の車両後方側部位であって、かつ、ヒータコア13の上方側部位には、第1冷風バイパス通路15および第2冷風バイパス通路16が形成されている。本例では第2冷風バイパス通路16を、第1冷風バイパス通路15の上方側に配置している。
なお、第1冷風バイパス通路15は、本発明における第1空気通路(空気通路)に該当するものである。また、ヒータコア13の入口空気通路13aは、本発明における第2空気通路(空気通路)に該当するものである。
ケース11の蒸発器12の車両後方側部位であって、かつ、ヒータコア13の下方側部位には、リヤ冷風バイパス通路17が形成されている。これら第1、第2冷風バイパス通路15、16およびリヤ冷風バイパス通路17は、蒸発器12通過後の冷風がヒータコア13を迂回して流れる通路を構成する。
ヒータコア13の空気流れ下流側には、温風通路18が形成されている。この温風通路18は、ヒータコア13を通過した温風を混合室19に導く通路であり、下方側から上方側に向かって延びる形状になっている。
第1冷風バイパス通路15を通過した冷風とヒータコア13を通過した温風とを混合する混合室19は、第1冷風バイパス通路15および温風通路18の空気流れ下流側に配置されている。
蒸発器12とヒータコア13との間には、温度調整手段をなすエアミックスドア20が配置されている。エアミックスドア20は、第1冷風バイパス通路15とヒータコア13の入口空気通路13aの開度を調整することにより、第1冷風バイパス通路15を通過する冷風と、ヒータコア13の入口空気通路13aを通過してヒータコア13で加熱される冷風との風量割合を調整する。なお、エアミックスドア20は、本発明におけるドアに該当するものである。
エアミックスドア20は、ケース11に対して回転可能に支持された回転軸20aと、回転軸20aに結合された樹脂製の板ドア部20bを有する回転式ドアである。回転軸20aはヒータコア13上方側部位において車両幅方向に延びるように配置され、ケース11左右両側の壁面の軸受穴(図示せず)に回転可能に支持されている。
回転軸20aの一端部はケース11の外部に突出して、電気式アクチュエータ21の出力軸21a(図2)に連結される。この電気式アクチュエータ21は、エアミックスドア20を駆動する駆動機構を構成するものであり、空調制御装置(図示せず)の制御信号によって作動する。
従って、本実施形態では、電気式アクチュエータ21によってエアミックスドア20が回転操作される。もちろん、乗員の手動操作力によってエアミックスドア20を直接回転操作するマニュアル方式を採用してもよい。つまり、エアミックスドア20を駆動する駆動機構として、乗員の手動操作により操作力が与えられる手動操作機構を用いてもよい。
蒸発器12の上方部における車両後方側部位には、第1冷風バイパス通路15に向かって突出する第1ケース側シール面22がケース11と一体に形成されている。蒸発器12の下方部における車両後方側部位には、ヒータコア13の入口空気通路13aに向かって突出する第2ケース側シール面23がケース11と一体に形成されている。
エアミックスドア20の板ドア部20bの両面における周縁部には弾性シール材20c、20dが配置されている。そして、板ドア部20bと各ケース側シール面22、23との間で弾性シール材20c、20dを弾性的に圧縮変形させて、ドアシール性を確保するようになっている。
図1において、エアミックスドア20の実線位置は、ヒータコア13の入口空気通路13aを全閉して第1冷風バイパス通路15を全開する最大冷房位置であり、この最大冷房位置にエアミックスドア20が回転操作されると、蒸発器12を通過した冷風の全風量が第1冷風バイパス通路15側へ流れる。
エアミックスドア20の2点鎖線位置は、ヒータコア13の入口空気通路13aを全開して第1冷風バイパス通路15を全閉する最大暖房位置であり、この最大暖房位置にエアミックスドア20が回転操作されると、蒸発器12を通過した冷風の全風量がヒータコア13を通過して加熱される。
そして、エアミックスドア20を任意の中間開度位置に回転操作することによって、第1冷風バイパス通路15を通過する冷風とヒータコア13で加熱されて温風通路18を流れる温風との風量割合が調整される。
混合室19は、ヒータコア13の上方側部位に、前述の第1冷風バイパス通路15を通過した冷風および温風通路18を通過した温風が流入できるように配置されている。そして、混合室19において、第1冷風バイパス通路15から流入した冷風と温風通路18から流入した温風とが混合されて、車室内に吹き出される空調風の温度調整がなされる。従って、前述のエアミックスドア20の開度位置を調整することによって、空調風の温度を所望温度に調整することができる。
次に、ケース11上面部の混合室19の略上方側部位には、デフロスタ開口部24が配置されている。デフロスタ開口部24は、デフロスタダクト(図示せず)を介して車室内に配置されたデフロスタ吹出口(図示せず)に接続され、デフロスタ吹出口から車両窓ガラスの内面に向けて空調風(主に温風)が吹き出される。
デフロスタ開口部24の後方側にはフェイス開口部25が配置されている。このフェイス開口部25は、フェイスダクト(図示せず)を介して車室内に配置されたフェイス吹出口(図示せず)に接続され、フェイス吹出口から前席乗員の上半身側に向けて空調風(主に冷風)が吹き出される。
ケース11両側面部の混合室19の側方側部位には、フット開口部26が配置されている。このフット開口部26には下方へ垂下するフットダクト(図示せず)が接続され、このフットダクトの下端部のフット吹出口から前席乗員の足元部に空気を吹き出すようになっている。
ケース11の後面下方部には、リヤフェイス・フット通路27が車両後方側に向かって延びるように形成されている。リヤフェイス・フット通路27は、第2冷風バイパス通路16を通過した冷風と、温風通路18を流れる温風が流入できるように配置されている。
リヤフェイス・フット通路27の空気流れ下流側端部(後端部)にリヤフェイス開口部28とリヤフット開口部29とが開口している。リヤフェイス開口部28は、リヤフェイスダクト(図示せず)を介して車室内後方側に配置されたリヤフェイス吹出口(図示せず)に接続され、リヤフェイス吹出口から後席乗員の上半身側に向けて空調風(主に冷風)が吹き出される。
リヤフット開口部29は、リヤフットダクト(図示せず)を介して車室内後方側に配置されたリヤフット吹出口(図示せず)に接続され、リヤフット吹出口から後席乗員の足元部に向けて空調風(主に温風)が吹き出される。
次に、混合室19には、デフロスタ開口部24を開閉するデフロスタドア30が配置されている。このデフロスタドア30は、エアミックスドア20と同様に、回転軸に板ドア部を結合して構成された回転式ドアであり、デフロスタドア30の回転軸はデフロスタ開口部24車両前方側の部位で車両幅方向に延びるように配置されている。
フェイス開口部25下方側には、フェイス開口部25を開閉するフェイスドア31が配置されている。フット開口部26のケース内方側には、フット開口部26を開閉するフットドア32が配置されている。
フェイスドア31は、エアミックスドア20と同様に、回転軸に板ドア部を結合して構成された回転式ドアであり、フェイスドア31の回転軸はフェイス開口部25車両後方側の部位で車両幅方向に延びるように配置されている。
フットドア32は、回転軸に扇形の板ドア部を結合して構成された回転式ドアであり、フットドア32の回転軸はフット開口部26下方側の部位で車両幅方向に延びるように配置されている。フットドア32の板ドア部は、ケース11の側壁面に沿って配置されている。
リヤフェイス・フット通路27の空気流れ下流部には、リヤフェイス開口部28およびリヤフット開口部29を開閉するリヤフェイス・フットドア33が配置されている。リヤフェイス・フットドア33は、断面への字状の板ドア部の中央に回転軸を結合して構成された回転式ドアであり、リヤフェイス・フットドア33の回転軸はリヤフェイス開口部28とリヤフット開口部29との間の部位で車両幅方向に延びるように配置されている。
これらデフロスタドア30、フェイスドア31、フットドア32およびリヤフェイス・フットドア33は、車室内へ空調風を吹き出す吹出モードを切替える吹出モードドアを構成する。
なお、デフロスタドア30の回転軸、フェイスドア31の回転軸、フットドア32の回転軸およびリヤフェイス・フットドア33の回転軸は、ケース11左右両側の壁面の軸受穴(図示せず)により回転可能に支持されており、両回転軸の一端部はケース11の外部に突出して、電気式アクチュエータ(図示せず)に結合される。
蒸発器12の上端部における車両後方側には、冷風バイパスドア34が配置されている。冷風バイパスドア34が第2冷風バイパス通路16を開けることにより、蒸発器12通過後の冷風がフェイス開口部25へ向けて流れる。
冷風バイパスドア34は、エアミックスドア20と同様に、ケース11に対して回転可能に支持された回転軸34aと、回転軸34aに結合された樹脂製の板ドア部34bを有する回転式ドアである。
冷風バイパスドア34の回転軸34aはエアミックスドア20上方側部位において車両幅方向に延びるように配置され、ケース11左右両側の壁面の軸受穴(図示せず)に回転可能に支持されている。
冷風バイパスドア34の回転軸34aの一端部はケース11の外部に突出して、電気式アクチュエータ(図示せず)に連結される。この電気式アクチュエータは、空調制御装置の制御信号によって作動する。
蒸発器12の最上部における車両後方側部位には、第2冷風バイパス通路16に向かって突出するケース側シール面35がケース11と一体に形成されている。冷風バイパスドア34の板ドア部の周縁部には弾性シール材34cが配置されており、板ドア部とケース側シール面35との間で弾性シール材34cを弾性的に圧縮変形させて、ドアシール性を確保するようになっている。
ヒータコア13の下端部における車両後方側には、リヤエアミックスドア36が配置されている。リヤエアミックスドア36は、リヤフェイス・フット通路27のリヤ冷風バイパス通路17側入口と温風通路18側入口の開度を調整することにより、リヤ冷風バイパス通路17を通過してリヤフェイス・フット通路27に流入する冷風と、温風通路18からリヤフェイス・フット通路27に流入する温風との風量割合を調整する。
リヤエアミックスドア36は、エアミックスドア20と同様に、ケース11に対して回転可能に支持された回転軸と、回転軸に結合された樹脂製の板ドア部を有する回転式ドアである。
リヤエアミックスドア36の回転軸はヒータコア13下端部近傍部位において車両幅方向に延びるように配置され、ケース11左右両側の壁面の軸受穴(図示せず)に回転可能に支持されている。
リヤエアミックスドア36の回転軸の一端部はケース11の外部に突出して、電気式アクチュエータ(図示せず)に連結される。この電気式アクチュエータは、空調制御装置の制御信号によって作動する。
次に、エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aとの連結構造を図2に基づいて説明する。エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aは、リジッド(硬直)に連結されるのではなく、弾性部材である第1、第2コイルばね40、41を介して弾性的に連結されている。
第1、第2コイルばね40、41は互いに同軸状に配置され、第1、第2コイルばね40、41内に電気式アクチュエータ21の出力軸21aが挿入され、第1、第2コイルばね40、41の一端部が電気式アクチュエータ21の出力軸21aに固定されている。第1、第2コイルばね40、41の他端部は接続部品42に固定されている。
接続部品42は、一端側に開口する第1の穴42aと他端側に開口する第2の穴42bとを有し、第1の穴42aに電気式アクチュエータ21の出力軸21aが空隙を隔てて挿入されている。接続部品42の第2の穴42bには、エアミックスドア20の回転軸20aの一端部が嵌合されている。接続部品42と回転軸20aはD穴嵌合によって回り止めされている。
図3は、第1、第2コイルばね40、41の作動特性(変位とばね力との関係)の一例を示すグラフである。なお、図3中の「右回転」とは、電気式アクチュエータ21側(図2では、右方側)からエアミックスドア20を見たときにおける右回転を意味するものである。また、図3では、図示の都合上、第1、第2コイルばね40、41の作動特性を示す線同士がわずかに離間しているが、実際には、第1、第2コイルばね40、41の作動特性を示す線が互いに重なっている。
第1、第2コイルばね40、41は、締まり方向が互いに反対方向を向くように配置されている。すなわち、第1コイルばね40の締まり方向はエアミックスドア20の回転方向の一方側を向いており、第2コイルばね41の締まり方向はエアミックスドア20の回転方向の他方側を向いている。
図3において、第1、第2コイルばね40、41のセット位置は、第1、第2コイルばね40、41の組み付け状態を示すものである。第1、第2コイルばね40、41は、自然状態に対して締まり方向に所定量弾性変形して所定のばね力(図3のF、−F)を発生する状態で組み付けられる。
したがって、この組み付け状態では、エアミックスドア20に対して、第1コイルばね40のばね力(図3のF)と第2コイルばね41のばね力(図3の−F)とがドア回転方向において互いに反対方向に作用する。本例では、互いに反対方向に作用する作用する第1コイルばね40のばね力と第2コイルばね41のばね力とが釣り合うようになっている。
このように、第1、第2コイルばね40、41のばね力がエアミックスドア20を互いに反対方向に引っ張り合って釣り合うことによって、エアミックスドア20が中間開度位置に維持されることとなる。
図4は、エアミックスドア20の操作位置と第1、第2コイルばね40、41のばね力との関係を示すグラフである。第1、第2コイルばね40、41は、電気式アクチュエータ21の駆動力のみでは変位しない(捩れない)ような硬さに設定されている。
このため、第1、第2コイルばね40、41に電気式アクチュエータ21の駆動力のみが作用する中間開度位置では第1、第2コイルばね40、41が組み付け状態から変位しない(捩れない)。
従って、エアミックスドア20がケース側シール面22、23に対して離間している中間開度位置では、第1、第2コイルばね40、41が電気式アクチュエータ21の出力軸21aと一体に回転してエアミックスドア20の回転軸20aに回転力を伝達する。その結果、エアミックスドア20の回転軸20aが電気式アクチュエータ21の出力軸21aと同期して回転駆動される。
一方、エアミックスドア20の板面(より具体的には、弾性シール材20c、20d)がケース側シール面22、23に当接する最大冷房位置および最大暖房位置では、ケース側シール面22、23からエアミックスドア20に作用する力によって第1、第2コイルばね40、41が変位して(捩れて)、エアミックスドア20の回転軸20aの回転量が電気式アクチュエータ21の出力軸21aの回転量よりも小さくなる。換言すれば、エアミックスドア20の位相と電気式アクチュエータ21の位相とがずれる。
本例では、図4からわかるように、電気式アクチュエータ21の作動範囲の全域にわたって、第1、第2コイルばね40、41が締まり側のみで用いられ、緩み側で用いられることがない。また、電気式アクチュエータ21の作動範囲は、停止精度のバラツキを見込んで所定量余分に回転するようにしてある。
図5は、電気式アクチュエータ21の作動角とエアミックスドア20の作動角との関係を示すグラフである。この図5に示すように、電気式アクチュエータ21の停止精度がバラついても、エアミックスドア20が最大冷房位置および最大暖房位置に確実に回転操作されることとなる。
なお、送風機ユニットの電動モータ、エアミックスドア20、吹出モードドア30〜33、冷風バイパスドア34、リヤエアミックスドア36を回転させる各電気式アクチュエータを制御する空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、各種空調用センサ群(図示せず)からセンサ検出信号が入力され、また、車室内前部の計器盤付近に配置される空調操作パネル(図示せず)に設けられた各種空調操作スイッチ(図示せず)から操作信号が入力される。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。図示しない車両エンジンのスタートスイッチ(イグニッションスイッチ)の投入状態において空調操作パネルのオートスイッチ(図示せず)が投入されると空調制御装置がROMに記憶している空調装置制御プログラムが実行される。
空調装置制御プログラムが実行されると、空調操作パネルの操作信号や各種空調用センサ群により検出された検出信号が読込まれる。そして、これらの信号に基づいて、送風機により送風される空気の目標送風量、内外気モード、吹出モード、エアミックスドア20の目標開度、圧縮機の作動等を決定し、決定した制御状態が得られるように各種アクチュエータに制御信号を出力する。
ここで、吹出モードは、あらかじめ空調制御装置に記憶された制御マップを参照して決定され、フェイスモード、バイレベルモード、フットモードへと順次切替える。また、空調操作パネルの吹出モードスイッチ(図示せず)が手動操作された場合は、操作信号に応じて、上述のフェイスモード、バイレベルモード、フットモードおよびフット・デフモードに切替えられる。以下、各吹出モードにおける車両用空調装置の作動について説明する。
まず、フェイスモードは、フェイス吹出口から乗員の上半身側に向けて空調風を吹き出すモードである。このフェイスモードでは、デフロスタドア30、フェイスドア31、フットドア32およびリヤフェイス・フットドア33が図1の実線位置に回転操作される。
これにより、デフロスタドア30がデフロスタ開口部24を全閉し、フェイスドア31がフェイス開口部25を全開し、フットドア32がフット開口部26を全閉し、リヤフェイス・フットドア33がリヤフェイス開口部28およびリヤフット開口部29を全閉する。
なお、フェイスモードでは、主にフェイス吹出口から冷風を吹き出すため、エアミックスドア20を最大冷房位置(図1の実線位置)にして、第1冷風バイパス通路15を全開する。もちろん、エアミックスドア20を中間開度位置にして混合室19で冷風と温風を混合した空調風をフェイス吹出口から吹き出してもよい。
次に、バイレベルモードは、フェイス吹出口から乗員の上半身側に向けて空調風を吹き出し、同時に、フット吹出口から乗員の足元側に向けて空調風を吹き出すモードである。このバイレベルモードでは、デフロスタドア30が図1の実線位置に回転操作され、デフロスタ開口部24を全閉し、フェイスドア31、フットドア32が中間開度位置に回転操作され、フェイス開口部25およびフット開口部26の双方を同程度に開放する。
また、リヤフェイス・フットドア33がリヤフェイス開口部28およびリヤフット開口部29の中間開度位置に回転操作され、リヤフェイス開口部28およびリヤフット開口部29の双方を同程度に開放する。
なお、バイレベルモードでは、乗員の好みに応じた温度の空調風をフェイス吹出口、フット吹出口、リヤフェイス吹出口およびリヤフット吹出口から吹き出すために、エアミックスドア20の位置は中間開度位置となる。
このとき、冷風バイパスドア34が第2冷風バイパス通路16を開けることにより、蒸発器12通過後の冷風がフェイス開口部25へ向けて流れるので、フェイス吹出口からの吹出空気温度をフット吹出口からの吹出空気温度よりも低くして頭寒足熱の車室内空気温度分布を実現することができる。
また、リヤエアミックスドア36の開度を調節することにより、リヤフット吹出口からの吹出空気温度を、フット吹出口からの吹出空気温度に対して独立して調節することができる。このリヤフット吹出口からの吹出空気温度の調節は、後述するフットモードおよびフット・デフモードにおいても同様に行うことができる。
次に、フットモードは、主にフット吹出口およびリヤフット吹出口から乗員の足元側に向けて空調風を吹き出すモードである。このフットモードではデフロスタドア30は、デフロスタ開口部24を僅かに開く位置に回転操作される。さらに、フェイスドア31およびフットドア32は、図1の2点鎖線位置に回転操作され、フェイス開口部25を全閉し、フット開口部26を全開する。
フットモードは、主として車両外気温が低くなっているときに選択されるので、車両窓ガラスの曇り防止のために、デフロスタドア30がデフロスタ開口部24を僅かに開いた状態になっている。本実施形態では、デフロスタ開口部24の開度を、全開状態に対して2割程度の開度にしている。
なお、フットモードでは、主にフット吹出口およびリヤフット吹出口から温風を吹き出すため、エアミックスドア20を最大暖房位置(図1の2点鎖線位置)にして、第1冷風バイパス通路15を全閉する。もちろん、中間開度位置にして混合室19で冷風と温風を混合した空調風を吹き出してもよい。
次に、フット・デフモードは、デフロスタ吹出口、フット吹出口およびリヤフット吹出口から同時に車両窓ガラス側および乗員の足元側に向けて空調風を吹き出すモードである。このフット・デフモードでは、デフロスタドア30は中間開度位置に回転操作され、フェイスドア31およびフットドア32は、フェイス開口部25を全閉し、フット開口部26を全開する位置(図1の2点鎖線位置)に回転操作される。なお、本実施形態では、デフロスタ開口部24の開度を、全開状態に対して半分程度の開度にしている。
なお、フット・デフモードは、乗員の操作によって選択されるモードなので、乗員の好みに応じた温度の空調風をデフロスタ吹出口、フット吹出口およびリヤフット吹出口から吹き出すために、エアミックスドア20の位置は中間開度位置となる。
前述のように、本実施形態では、エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aとを第1、第2コイルばね40、41を介して弾性的に連結し、エアミックスドア20の最大冷房位置および最大暖房位置においてエアミックスドア20の位相と電気式アクチュエータ21の位相とがずれるようにしている。
このため、電気式アクチュエータ21の停止精度のバラツキを吸収してエアミックスドア20を最大冷房位置および最大暖房位置に確実に停止させることができるので、シール性を確実に発揮することができる。
しかも、エアミックスドア20の中間開度位置では、第1、第2コイルばね40、41のばね力がエアミックスドア20を互いに反対方向に引っ張り合って釣り合うので、エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aとが第1、第2コイルばね40、41を介して弾性的に連結されているにもかかわらず、エアミックスドア20を中間開度位置に確実に維持することができる。
このため、例えば、エアミックスドア20が中間開度位置に停止している状態において、エアミックスドア20が風圧を受けて振動するといった現象を防止することができる。
さらに、電気式アクチュエータ21の作動範囲の全域にわたって、第1、第2コイルばね40、41が締まり側のみで用いられ、緩み側で用いられることがないので、第1、第2コイルばね40、41の劣化を抑制することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態は、ドアの両面でシールするエアミックスドア20に本発明を適用した例を示しているが、本第2実施形態は、ドアの片面でシールする冷風バイパスドア34に本発明を適用した例を示している。
上記第1実施形態は、ドアの両面でシールするエアミックスドア20に本発明を適用した例を示しているが、本第2実施形態は、ドアの片面でシールする冷風バイパスドア34に本発明を適用した例を示している。
すなわち、エアミックスドア20は、一方の板面で第1冷風バイパス通路15を閉塞し、他方の板面でヒータコア13の入口空気通路13aを閉塞するので、上記第1実施形態では、ドア回転方向の両方側において、電気式アクチュエータ21の停止精度のバラツキを吸収できるようにしている。
これに対して、冷風バイパスドア34は、一方の板面で第2冷風バイパス通路16を閉塞し、他方の板面では空気通路を閉塞しないので、本実施形態では、ドア回転方向の一方側のみにおいて、電気式アクチュエータ50の停止精度のバラツキを吸収できるようにしている。
より具体的には、図6に示すように、冷風バイパスドア34の回転軸34aと電気式アクチュエータ50の出力軸50aとを1つのコイルばね51を介して連結することによって、冷風バイパスドア34が第2冷風バイパス通路16を閉塞するときにおける電気式アクチュエータ50の停止精度のバラツキを吸収できるようにしている。なお、本実施形態では、第2冷風バイパス通路16が本発明における空気通路に該当する。
本実施形態の変形例として、冷風バイパスドア34の回転軸34aと電気式アクチュエータ50の出力軸50aとを2つのコイルばねを介して連結し、この2つのコイルばねの締まり方向を互いに反対方向にして2つのコイルばねのばね力同士を釣り合わせるようにしてもよい。
この変形例によると、上記第1実施形態と同様に、冷風バイパスドア34の中間開度位置では2つのコイルばねのばね力が冷風バイパスドア34を互いに反対方向に引っ張り合って釣り合うので、冷風バイパスドア34を中間開度位置に確実に維持することができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aとを弾性的に連結させる弾性部材として第1、第2コイルばね40、41を用いているが、本第3実施形態では、図7、図8に示すように、当該弾性部材として、第1、第2コイルばね40、41の代わりに板ばね60を用いている。
上記第1実施形態では、エアミックスドア20の回転軸20aと電気式アクチュエータ21の出力軸21aとを弾性的に連結させる弾性部材として第1、第2コイルばね40、41を用いているが、本第3実施形態では、図7、図8に示すように、当該弾性部材として、第1、第2コイルばね40、41の代わりに板ばね60を用いている。
具体的には、電気式アクチュエータ21の出力軸21aを円筒形状に形成し、エアミックスドア20の回転軸20aを出力軸21a内に空隙を隔てて同軸状に挿入し、回転軸20aおよび出力軸21aのそれぞれに、その軸方向と直交する方向に板ばね60を挿入するためのスリット61、62を形成している。
なお、本例では、第1実施形態における接続部品42に相当する部品を用いていないが、第1実施形態における接続部品42に相当する部品を用いてもよいことはもちろんである。
また、本例では、回転軸20aを出力軸21a内に空隙を隔てて同軸状に挿入しているが、これとは逆に、出力軸21aを回転軸20a内に空隙を隔てて同軸状に挿入してもよい。
また、本例では、板ばね60の挿入方向が回転軸20aおよび出力軸21aの軸方向と直交する方向になっているが、必ずしも軸方向と直交する方向でなくてもよく、軸方向と交差する方向であってもよい。
また、本例では、板ばね60が回転軸20aおよび出力軸21aを径方向一方側から径方向他方側まで貫通しているが、必ずしも貫通する必要はなく、例えば、径方向一方側から回転軸20aの中心まで嵌合するようにしてもよい。
出力軸21aのスリット62は、出力軸21aの径方向において、径外方側の部位(回転軸20aと反対側の部位)で板ばね60を挟み込み、径内方側の部位(回転軸20a側の部位)では板ばね60に対して離間するように、スリット幅(図8の左右方向寸法)が変化している。
板ばね60の硬さの設定は、上記第1実施形態における第1、第2コイルばね40、41の硬さの設定と同様である。したがって、板ばね60に電気式アクチュエータ21の駆動力のみが作用する中間開度位置では板ばね60が組み付け状態から変位しない(曲がらない)。
これにより、エアミックスドア20の中間開度位置では、板ばね60が電気式アクチュエータ21の出力軸21aと一体に回転してエアミックスドア20の回転軸20aに回転力を伝達する。その結果、エアミックスドア20の回転軸20aが電気式アクチュエータ21の出力軸21aと同期して回転駆動される。
一方、最大冷房位置および最大暖房位置では、ケース側シール面22、23からエアミックスドア20に作用する力によって板ばね60が変位して(曲がって)、エアミックスドア20の回転軸20aの回転量が電気式アクチュエータ21の出力軸21aの回転量よりも小さくなる。換言すれば、エアミックスドア20の位相と電気式アクチュエータ21の位相とがずれる。
上記構成により、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。しかも、本実施形態では、板ばね60を1つのみ用いる構成であるので、上記第1実施形態のようにコイルばねを2つ用いる構成に比べて、構成を簡素化でき、コストの低減を図ることができる。
また、回転軸20aを出力軸21a内に挿入して、回転軸20aと出力軸21aとをその軸方向にラップさせているので、回転軸20aおよび出力軸21aの軸方向において体格をより小型化することができる。
また、出力軸21aのスリット62は、出力軸21aの径方向において、径外方側の部位で板ばね60を挟み込み、径内方側の部位では板ばね60に対して離間しているので、出力軸21aの径方向においてスリット62が全体的に板ばね60を挟み込む場合に比べて、板ばね60のうち回転軸20aとの当接部位と出力軸21aとの当接部位との間の距離を大きく確保することができる。
このため、板ばね60の変位部位を確保しつつ出力軸21aと回転軸20aとの離間距離を小さくすることができるので、出力軸21aと回転軸20aとの連結部の径方向の体格をより小型化することができる。
なお、本例では、エアミックスドア20の回転軸20aを電気式アクチュエータ21の出力軸21a内に挿入して、回転軸20aと出力軸21aとを軸方向にラップさせているが、必ずしも軸方向にラップさせる必要はなく、回転軸20aと出力軸21aとを軸方向に離間させて、板ばね60が回転軸20aと出力軸21aとを軸方向に跨ぐようにしてもよい。
(他の実施形態)
なお、上記第1、第2実施形態では、ドアの回転軸と電気式アクチュエータの出力軸とを弾性的に連結させる弾性部材としてコイルばね40、41、51を用い、上記第3実施形態では、当該弾性部材として板ばね60を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、当該弾性部材としてゴム等の弾性体を用いることができることはもちろんである。
なお、上記第1、第2実施形態では、ドアの回転軸と電気式アクチュエータの出力軸とを弾性的に連結させる弾性部材としてコイルばね40、41、51を用い、上記第3実施形態では、当該弾性部材として板ばね60を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、当該弾性部材としてゴム等の弾性体を用いることができることはもちろんである。
また、上記各実施形態は、本発明の適用例を例示したものに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、エアミックスドア20、冷風バイパスドア34のみならず、空調ユニット10の他のドア(内外気切替ドア、吹出モードドア等)に本発明を適用することができる。
また、電気式アクチュエータによって回転操作されるドアのみならず、乗員の手動操作力によって直接回転操作されるマニュアル方式のドアに本発明を適用することができる。
また、板状の回転式ドアのみならず、板状でない回転式ドア(例えば、ロータリードア等)に本発明を適用することができる。
さらには、例えば、住宅やビル等に設置される空調装置における空気通路開閉装置等、種々の空気通路開閉装置に広く本発明を適用できる。
11 ケース
20 エアミックスドア(ドア)
21 アクチュエータ(駆動機構)
60 板ばね(弾性部材)
20 エアミックスドア(ドア)
21 アクチュエータ(駆動機構)
60 板ばね(弾性部材)
Claims (8)
- 空気通路(13a、15、35)を形成するケース(11)と、
前記ケース(11)に対して回転可能に支持され、前記空気通路を開閉するドア(20、34)と、
前記ケース(11)に形成され、前記ドア(20、34)が前記空気通路を閉じたときに前記ドア(20、34)が当接するシール面(22、23、35)と、
前記ドアを回転駆動する駆動機構(21、50)とを備え、
前記ドア(20、34)の回転軸(20a、34a)と前記駆動機構(21、50)の出力軸(21a、50a)は、弾性部材(40、41、51、60)を介して弾性的に連結されており、
前記ドア(20、34)が前記シール面に対して離間しているときには、前記弾性部材は前記出力軸(21a、50a)と一体に回転して前記回転軸(20a、34a)に回転力を伝達し、
前記ドア(20、34)が前記シール面に当接したときには、前記シール面から前記ドア(20、34)に作用する力によって前記弾性部材が弾性変形することを特徴とする空気通路開閉装置。 - 前記空気通路として、前記ドア(20)のうち回転方向一方側の部位によって開閉される第1空気通路(15)と、前記ドア(20)のうち回転方向他方側の部位によって開閉される第2空気通路(13a)とを有し、
前記シール面として、前記ドア(20)が前記第1空気通路を閉じたときに前記ドア(20)が当接する第1シール面(22)と、前記ドア(20)が前記第2空気通路を閉じたときに前記ドア(20)が当接する第2シール面(23)とを有し、
前記弾性部材(40、41、60)は、前記ドア(20)が前記第1シール面(22)に当接したときには前記第1シール面(22)から前記ドア(20)に作用する力によって弾性変形し、かつ、前記ドア(20)が前記第2シール面(23)に当接したときには前記第2シール面(23)から前記ドア(20)に作用する力によって弾性変形することを特徴とする請求項1に記載の空気通路開閉装置。 - 前記弾性部材は、前記ドア(20)の回転方向に曲げ変形する板ばね(60)であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気通路開閉装置。
- 前記出力軸(21a)は円筒形状を有し、
前記回転軸(20a)および前記出力軸(21a)は、いずれか一方が他方の内部に同軸状に挿入され、
前記回転軸(20a)および前記出力軸(21a)のそれぞれには、その軸方向と交差する方向に前記板ばね(60)が挿入されるスリット(61、62)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気通路開閉装置。 - 前記回転軸(20a)は前記出力軸(21a)内に同軸状に挿入されており、
前記出力軸(21a)の前記スリット(62)は、前記出力軸(21a)の径方向において、径外方側の部位で前記板ばね(60)を挟み込み、径内方側の部位では前記板ばね(60)に対して離間するようにスリット幅が変化していることを特徴とする請求項4に記載の空気通路開閉装置。 - 前記弾性部材は、締まり方向が前記ドア(20)の回転方向一方側を向いた第1コイルばね(40)、および締まり方向が前記ドア(20)の回転方向他方側を向いた第2コイルばね(41)であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気通路開閉装置。
- 前記ドア(20)が前記シール面に対して離間しているときには、前記第1、第2コイルばね(40、41)がそれぞれ締まり方向に所定量弾性変形した状態で前記出力軸(21a、50a)と一体に回転することを特徴とする請求項6に記載の空気通路開閉装置。
- 前記第1、第2コイルばね(40、41)は、前記駆動機構(21、50)の作動範囲の全域にわたって、締まり側のみで用いられることを特徴とする請求項7に記載の空気通路開閉装置。
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Cited By (1)
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110705 |