JP2009255421A - 印刷機 - Google Patents

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幸和 小路
Yasunobu Harada
泰伸 原田
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Abstract

【課題】刷版の版面の実際の温度と適温との差を低減すること。
【解決手段】印刷機1は、刷版が装着される版胴25a及び版胴25bと、版胴25a及び版胴25bを含んで構成されて複数設けられると共に、ウェブに印刷を施す各印刷ユニット11〜14と、複数の前記版胴に装着される複数の前記刷版を複数のグループに分けた場合に、前記グループの単位で個別に前記版胴に装着される前記刷版の前記版面の温度を調節する温度調節装置50とを備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、搬送されるウェブに印刷を行う印刷機に関する。
従来、オフセット印刷機は、刷版の画線部と非画線部とのうち、非画線部には油と反発する水膜として湿し水が供給される。例えば、特許文献1には、インキ壺内のインキの温度と、水舟内の湿し水の温度とを個別に制御する技術が開示されている。
特開2001−199052号公報
印刷機は、通常、複数の印刷ユニットを備える。この複数の印刷ユニットのうち、印刷対象であるウェブを乾燥させる乾燥装置や他の熱源側に配置される印刷ユニットでは、刷版の版面の温度が、前記乾燥装置から熱を受けて適温よりも高くなるおそれがある。刷版の版面の温度が前記適温よりも高くなると、湿し水の粘度が高くなり、湿し水が刷版の版面に均一に供給されず、網点形状の悪化、インキの付着の悪化、印刷濃度の変化、インキの過剰な乳化、等のおそれがある。つまり、従来の印刷機は、刷版の版面の温度が前記適温よりも高くなり、印刷品質が低下するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、刷版の版面の実際の温度と適温との差を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る印刷機は、刷版が装着される版胴と、前記版胴を含んで構成されて複数設けられると共に、被記録媒体に印刷を施す印刷ユニットと、複数の前記版胴のそれぞれに装着される複数の前記刷版を複数のグループに分けた場合に、前記版胴に装着される前記刷版の版面の温度を前記グループの単位で個別に調節する温度調節手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、前記印刷機は、複数の前記刷版の前記版面の温度を、複数のグループに分けて個別に調節できる。これにより、前記印刷機は、より細かい単位で、前記刷版の前記版面の実際の温度と適正な温度との差を低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記グループの単位で、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版の前記版面を、他の前記刷版の前記版面よりもより冷却することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、冷却をより必要とする前記刷版の前記版面を他の刷版の版面よりもより冷却する。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の実際の温度と適正な温度との差をより好適に低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記グループの単位で、印刷後の前記被記録媒体を乾燥させる乾燥手段に近い方の前記版面が、前記被記録媒体を前記印刷ユニットに供給する給紙手段に近い方の前記版面よりも、より冷却することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、冷却をより必要とする前記乾燥手段側に配置されて温度が相対的に高い前記刷版の前記版面を、前記給紙手段側に配置されて前記乾燥手段側に配置される前記刷版の前記版面よりも、より冷却できる。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の実際の温度と適正な温度との差をより好適に低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記刷版の前記版面に供給される湿し水の温度を調節することによって、前記刷版の前記版面の温度を調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、従来の印刷機に前記刷版の前記版面を冷却する新たな装置を設けることなく、前記刷版の前記版面の温度を調節できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記湿し水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度調節手段は、前記温度検出手段が検出した前記湿し水の温度に基づいて前記湿し水の温度を調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機の前記温度調節手段は、前記湿し水の温度を検出しながら前記刷版の前記版面の温度を調節できる。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の温度をより正確に調節できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版を有する前記グループほど、前記湿し水の温度をより低く調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、冷却をより必要とする前記刷版の前記版面をより温度の低い前記湿し水によって冷却することで、冷却をより必要とする前記刷版の前記版面を他の刷版の版面よりもより冷却する。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の実際の温度と適正な温度との差をより好適に低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記印刷ユニットは、冷却水が供給されて冷却される水冷ローラを備え、前記温度調節手段は、前記水冷ローラに供給される冷却水の温度を調節することによって、前記刷版の前記版面の温度を調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、従来の印刷機に前記刷版の前記版面を冷却する新たな装置を設けることなく、前記刷版の前記版面の温度を調節できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記冷却水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度調節手段は、前記温度検出手段が検出した前記冷却水の温度に基づいて前記冷却水の温度を調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機の前記温度調節手段は、前記冷却水の温度を検出しながら前記刷版の前記版面の温度を調節できる。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の温度をより正確に調節できる。
本発明の好ましい態様としては、前記温度調節手段は、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版を有する前記グループほど、前記冷却水の温度をより低く調節することが望ましい。
上記構成により、前記印刷機は、冷却をより必要とする前記刷版の前記版面をより温度の低い前記冷却水によって冷却することで、冷却をより必要とする前記刷版の前記版面を他の刷版の版面よりもより冷却する。これにより、前記印刷機は、前記刷版の前記版面の実際の温度と適正な温度との差をより好適に低減できる。
本発明に係る印刷機は、刷版の版面の実際の温度と適温との差を低減できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る印刷機を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る印刷機1は、オフセット輪転印刷機として説明するが、本実施形態はこれに限定されない。印刷機1は、例えば、輪転印刷機ではなくオフセット枚葉印刷機であってもよい。印刷機1は、給紙装置101と、インフィード装置102と、印刷装置10と、乾燥装置103と、冷却装置104と、ウェブパス装置105と、折機106と、排紙コンベア107と、制御装置15とを含んで構成されている。
給紙装置101は、連続的に被記録媒体としてのウェブWをインフィード装置102に供給する。インフィード装置102は、給紙装置101のウェブWを印刷装置10側に供給する。印刷装置10は、例えば、第1印刷ユニット11と、第2印刷ユニット12と、第3印刷ユニット13と、第4印刷ユニット14とを含んで構成される。
第1印刷ユニット11、第2印刷ユニット12、第3印刷ユニット13、第4印刷ユニット14はそれぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の単色を重ねて印刷する。印刷装置10は、ウェブWの搬送経路Lの上流側、つまり給紙装置101側から、ウェブWの搬送経路Lの下流側、つまり乾燥装置103側へ向けて順に、第1印刷ユニット11、第2印刷ユニット12、第3印刷ユニット13、第4印刷ユニット14が配置される。
乾燥装置103は、印刷装置10により印刷が施されたウェブWに熱風を吹きつけて乾燥させる。冷却装置104は、乾燥装置103で乾燥されたウェブWを適当な温度まで冷却する。ウェブパス装置105は、乾燥されて冷却されたウェブWを搬送する。折機106は、ウェブWを縦折りにした後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳Sを形成する。排紙コンベア107は、折り畳まれた折帳Sを印刷機1から搬出する。
制御装置15は、給紙装置101と、インフィード装置102と、印刷装置10と、乾燥装置103と、冷却装置104と、ウェブパス装置105と、折機106と、排紙コンベア107と、それぞれ電気的に接続されて、各装置を制御する。
ウェブWは、まず給紙装置101によりロールから引き出され、インフィード装置102により印刷装置10に供給される。ウェブWは、印刷装置10で、多色印刷が施される。印刷されたウェブWは、乾燥装置103でインキが乾燥される。次にウェブWは、冷却装置104で冷却されて、ウェブパス装置105を経て折機106に供給される。折機106により折り畳まれたウェブWは、折帳Sとなって排紙コンベア107により搬出される。
印刷装置10の各印刷ユニット11〜14は、使用するインキの色が相違するのみで、その構成はほぼ同様である。以下、印刷装置10の各印刷ユニット11〜14の構成を第4印刷ユニット14で説明する。なお、印刷装置10は、後述する水着ローラ42と一方の往復ローラ34aとが対接した、いわゆるITD湿し方式の印刷装置である。
図2は、実施形態1に係る印刷ユニットの内部を模式的に示す概略図である。図2に示すように、第4印刷ユニット14は、第1ブランケット胴20と、第2ブランケット胴21とを備える。第1ブランケット胴20は、搬送経路L上に沿って搬送されるウェブWの一方の面である表面に接する。第2ブランケット胴21は、ウェブWを挟んで第1ブランケット胴20に対向してウェブWの表面と反対側の裏面に接する。
第1ブランケット胴20及び第2ブランケット胴21は、それぞれ回転できるように配置される。第4印刷ユニット14は、第1ブランケット胴20と、第2ブランケット胴21とが同期して回転することにより、ウェブWを搬送経路L上に沿って搬送すると共に、ウェブWの両面に印刷を施す。
第4印刷ユニット14は、版胴25と、インキ壷26と、インキローラ群27と、水舟28と、水ローラ群29と、第1モータ22と、第2モータ23と、第3モータ36と、第4モータ44とをさらに備える。版胴25は、第1ブランケット胴20側に配置される版胴25aと、第2ブランケット胴21側に配置される版胴25bとを含んで構成される。
版胴25aは、回転できるように第1ブランケット胴20と接して設けられる。インキ壷26は、印刷用のインキを貯留する。インキローラ群27は、インキ壷26から版胴25aへインキを供給する。水舟28は、版胴25aの版面に供給される水である湿し水を貯留する。水ローラ群29は、水舟28から版胴25aへ湿し水を供給する。なお、版胴25bは、版胴25aとほぼ同様に構成されるため、以下の説明では、版胴25a側を主に説明する。
版胴25aは、その側周面に印刷画像を形成するための刷版が装着される。刷版の画線部には、インキローラ群27を介してインキ壷26からインキが供給される。刷版の非画線部には、水ローラ群29を介して水舟28から湿し水が供給される。
第1モータ22は、第1ブランケット胴20を回転させる。第1モータ22は、制御装置15と電気的に接続される。これにより、制御装置15は、第1モータ22を制御することで第1ブランケット胴20の回転を制御する。第2モータ23は、第2ブランケット胴21を回転させる。第2モータ23は、制御装置15と電気的に接続される。これにより、制御装置15は、第2モータ23を制御することで第2ブランケット胴21の回転を制御する。
第1ブランケット胴20は、その側周面に弾性材料で形成されたブランケットが装着される。前記ブランケットは、版胴25aの画線部に供給されたインキが転写される。第1ブランケット胴20は、第1モータ22を動力源として回転することで、ウェブWの表面にインキを転写する。第2ブランケット胴21は、第2モータ23を動力源として回転することで、ウェブWの裏面にインキを転写する。
インキローラ群27は、インキ壷26から版胴25aに向かってインキが供給されるインキ供給経路LIの上流側から順に、インキ元ローラ31と、呼出ローラ32と、中間インキローラ群33と、水冷ローラとしての複数の往復ローラ34と、複数のインキ着ローラ35とが配置される。
往復ローラ34は、往復ローラ34a、往復ローラ34b、往復ローラ34c、往復ローラ34dを含んで構成される。インキ着ローラ35は、インキ着ローラ35a、インキ着ローラ35b、インキ着ローラ35cを含んで構成される。
インキローラ群27を構成する各ローラは、それぞれ回転できるように配置される。インキ元ローラ31は、呼出ローラ32と接して配置される。呼出ローラ32は、中間インキローラ群33と接して配置される。中間インキローラ群33は、往復ローラ34a、往復ローラ34b、往復ローラ34c、往復ローラ34dと接して配置される。
往復ローラ34a、往復ローラ34bは、3つのインキ着ローラ35a、インキ着ローラ35b、インキ着ローラ35cと接して配置される。また、インキ着ローラ35a、インキ着ローラ35b、インキ着ローラ35cは、版胴25aにそれぞれ接して配置される。往復ローラ34c、往復ローラ34dは、中間インキローラ群33を構成する各煉りローラと接して配置される。
第3モータ36は、インキ元ローラ31を回転させる。第3モータ36は、制御装置15と電気的に接続される。これにより、制御装置15は、第3モータ36を制御することでインキ元ローラ31の回転を制御する。
水ローラ群29は、水舟28から版胴25aへ向けて水が供給される水供給経路LWの上流側から順に、水元ローラ40と、調量ローラ41と、水着ローラ42とが配置される。水ローラ群29を構成する各ローラは、それぞれ回転できるように配置される。水元ローラ40は、調量ローラ41と接して配置される。
調量ローラ41は、水着ローラ42と接して配置される。水着ローラ42は、版胴25aと接して配置されると共に、版胴25aに接した状態で往復ローラ34a、往復ローラ34bのうち、一方の往復ローラ34aに離れたり接したりできるように配置される。
第4モータ44は、水元ローラ40を回転させる。第4モータ44は、制御装置15と電気的に接続される。これにより、制御装置15は、第4モータ44を制御することで水元ローラ40の回転を制御する。
インキローラ群27及び水ローラ群29の各ローラが回転すると、インキ元ローラ31によりインキ壷26から練り出されたインキは、呼出ローラ32を介して中間インキローラ群33に供給される。次にインキは、中間インキローラ群33及び往復ローラ34a、往復ローラ34b、往復ローラ34c、往復ローラ34dで適度に練られて薄膜が形成される。次にインキは、3つのインキ着ローラ35a、インキ着ローラ35b、インキ着ローラ35cから版胴25aの刷版に供給される。刷版に付着したインキは、第1ブランケット胴20に転写され、ウェブWに転写される。
水元ローラ40により水舟28から汲み上げられた湿し水は、調量ローラ41を介して水着ローラ42に供給される。次に湿し水は、水着ローラ42から版胴25a及び往復ローラ34aに供給される。往復ローラ34aに供給された湿し水は、インキと混ざり合うことにより、インキを乳化させる。また、版胴25aに供給された湿し水は、版胴25aに装着された刷版の版面の温度を低下させる。つまり、湿し水は、インキを乳化させる機能と、刷版の版面を冷却する機能とを実現する。なお、以下、「版面の温度」を単に「版面温度」という。
ここで、図1に示す印刷装置10の各印刷ユニット11〜14の中は、近傍に配置される熱源から熱を受けて図2に示す版胴25aに装着される刷版の版面温度が他の印刷ユニットの版面温度よりも高くなるおそれがある。熱源とは、例えば、図1に示す乾燥装置103である。第4印刷ユニット14は、他の印刷ユニットの中で最も乾燥装置103側に配置される。よって、通常、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着される刷版の版面温度は、乾燥装置103から受けた熱の分、他の印刷ユニットの版胴25aに装着される刷版の版面温度よりも高くなる。
また、第3印刷ユニット13は、第1印刷ユニット11及び第2印刷ユニット12よりも乾燥装置103側に配置される。よって、通常、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着される刷版の版面温度は、乾燥装置103から受けた熱の分、第1印刷ユニット11及び第2印刷ユニット12の版胴25aに装着される刷版の版面温度よりも高くなる。
また、第2印刷ユニット12は、第1印刷ユニット11よりも乾燥装置103側に配置される。よって、通常、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着される刷版の版面温度は、乾燥装置103から受けた熱の分、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着される刷版の版面温度よりも高くなる。
つまり、刷版は、通常、第4印刷ユニット14内に装着される刷版、第3印刷ユニット13内に装着される刷版、第2印刷ユニット12内に装着される刷版、第1印刷ユニット11内に装着される刷版の順に版面温度が高くなる。さらに、印刷装置10の各印刷ユニット11〜14内でも、図2に示す、第1ブランケット胴20に接する版胴25aに装着される刷版の版面温度と、第2ブランケット胴21に接する版胴25bに装着される刷版の版面温度とは異なる。
版胴25aは、通常、印刷装置10が設置されて運転される時、版胴25bよりも各印刷ユニット11〜14内で鉛直方向上部側に配置される。つまり、版胴25bは、地面と版胴25a側の印刷ユニットとに挟まれているのに対し、版胴25aは、鉛直方向上部が開放されている。これにより、各印刷ユニット11〜14の鉛直方向下部側に配置される版胴25bに装着される刷版の版面温度は、各印刷ユニット11〜14の鉛直方向上部側に配置される版胴25aに装着される刷版の版面温度よりも高い。
これにより、印刷装置10を構成する各印刷ユニット11〜14の版胴に装着される刷版は、版面温度が高い順に、第4印刷ユニット14の版胴25bに装着される刷版の版面、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着される刷版の版面、第3印刷ユニット13の版胴25bに装着される刷版の版面、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着される刷版の版面、第2印刷ユニット12の版胴25bに装着される刷版の版面、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着される刷版の版面、第1印刷ユニット11の版胴25bに装着される刷版の版面、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着される刷版の版面となる。
ここで、各版胴25に装着される刷版の版面温度が適温よりも高くなると、湿し水の粘度が高くなり湿し水が刷版の版面に均一に供給されず、網点形状の悪化、インキの付着の悪化、印刷濃度の変化、インキの過剰な乳化、等のおそれがある。つまり、刷版の版面温度が適温よりも高くなると、印刷機1の印刷品質が低下するおそれがある。
具体的には、上述したように、印刷装置10の各印刷ユニット11〜14によって、刷版の版面温度は異なる。よって、印刷装置10の印刷ユニットによっては、特に最も刷版の版面温度が高くなりやすい第4印刷ユニット14では、印刷品質が低下するおそれがある。そこで、印刷装置10は、各印刷ユニット11〜14に所定のグループの単位で刷版の版面温度を調節する温度調節手段としての温度調節装置50を備える。
図3は、実施形態1に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。温度調節装置50は、図3に示すように、タンク51と、添加剤供給装置52と、湿し水用ポンプ53と、各印刷ユニット11〜14に設けられる熱交換装置541a、熱交換装置541b、熱交換装置542a、熱交換装置542b、熱交換装置543a、熱交換装置543b、熱交換装置544a、熱交換装置544bと、温度検出手段としての温度センサTと、排水処理装置55とを含んで構成される。
タンク51は、湿し水を溜める。添加剤供給装置52は、タンク51内の湿し水に、添加剤を注入する。ここで、前記添加剤は、湿し水の表面張力を下げる。これにより、湿し水は、より細かい非画線部に供給される。また、添加剤は、湿し水の乾燥を抑制する。これにより、前記添加剤は、インキが刷版に付く前に湿し水が蒸発するおそれを抑制する。また、刷版の版面は絶えずローラ、ブランケットの摩擦を受け、さらに紙粉やコート剤等で傷つくおそれがある。添加剤は、これらの傷を修復する機能も実現する。
ここで、印刷装置10は、水舟28を合計8個有する。前記8個の水舟28を、水舟281a、水舟281b、水舟282a、水舟282b、水舟283a、水舟283b、水舟284a、水舟284bとする。水舟281aは、第1印刷ユニット11の版胴25aに供給される湿し水を溜める。水舟281bは、第1印刷ユニット11の版胴25bに供給される湿し水を溜める。
水舟282aは、第2印刷ユニット12の版胴25aに供給される湿し水を溜める。水舟282bは、第2印刷ユニット12の版胴25bに供給される湿し水を溜める。水舟283aは、第3印刷ユニット13の版胴25aに供給される湿し水を溜める。水舟283bは、第3印刷ユニット13の版胴25bに供給される湿し水を溜める。水舟284aは、第4印刷ユニット14の版胴25aに供給される湿し水を溜める。水舟284bは、第4印刷ユニット14の版胴25bに供給される湿し水を溜める。
湿し水用ポンプ53は、各熱交換装置541a〜544bに湿し水を供給する。ここで、各熱交換装置541a〜544bはそれぞれが並列になるように、湿し水用ポンプ53と配管で接続される。なお、「並列」とは、複数の熱交換装置が、互いに湿し水の流れの上流側や下流側に配置されない状態をいう。つまり、各熱交換装置541a〜544bのいずれか1つの熱交換装置を経た湿し水は、他の熱交換装置に供給されない。
各水舟28は、排水処理装置55と配管で接続される。これより、各水舟28に供給された湿し水の一部は、前記配管を介して排水処理装置55に排出される。
各熱交換装置541a〜544bは、冷媒と熱交換することで湿し水を冷却する。各熱交換装置541a〜544bは、印刷装置10の各印刷ユニット11〜14の水舟28ごとに、例えば8個設けられる。
ここで、上述のように、湿し水は刷版の版面温度を低下させる機能を実現する。よって、温度調節装置50は、湿し水を冷却することによって刷版の版面温度を低下させる。温度調節装置50は、合計8個設けられる版胴25の刷版を1つずつ合計8個のグループに分けて、各熱交換装置541a〜544bで各グループの水舟28内の湿し水を冷却することで、各グループで個別に版胴25に装着される刷版の版面を冷却する。なお、ここでの「グループ」は、複数の刷版から構成されるものに限定されず、単数の刷版から構成されるものも含まれる。
具体的には、熱交換装置541aは、水舟281aに冷却された湿し水を供給するように第1印刷ユニット11に設けられる。熱交換装置541bは、水舟281bに冷却された湿し水を供給するように第1印刷ユニット11に設けられる。
熱交換装置542aは、水舟282aに冷却された湿し水を供給するように第2印刷ユニット12に設けられる。熱交換装置542bは、水舟282bに冷却された湿し水を供給するように第2印刷ユニット12に設けられる。
熱交換装置543aは、水舟283aに冷却された湿し水を供給するように第3印刷ユニット13に設けられる。熱交換装置543bは、水舟283bに冷却された湿し水を供給するように第3印刷ユニット13に設けられる。
熱交換装置544aは、水舟284aに冷却された湿し水を供給するように第4印刷ユニット14に設けられる。熱交換装置544bは、水舟284bに冷却された湿し水を供給するように第4印刷ユニット14に設けられる。
各熱交換装置541a〜544bは、複数の温度センサTとそれぞれ電気的に接続される。具体的には、温度センサTは、温度センサT1a、温度センサT1b、温度センサT2a、温度センサT2b、温度センサT3a、温度センサT3b、温度センサT4a、温度センサT4bを含んで構成される。
温度センサT1aは、水舟281a内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置541aは、この温度に基づいて熱交換装置541aに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置541aは、温度センサT1aが検出した水舟281a内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置541aによって、温度を調節された湿し水は、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置541aは、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT1bは、水舟281b内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置541bは、この温度に基づいて熱交換装置541bに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置541bは、温度センサT1bが検出した水舟281b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置541bによって、温度を調節された湿し水は、第1印刷ユニット11の版胴25bに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置541bは、第1印刷ユニット11の版胴25bに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT2aは、水舟282a内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置542aは、この温度に基づいて熱交換装置542aに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置542aは、温度センサT2aが検出した水舟282a内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置542aによって、温度を調節された湿し水は、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置542aは、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT2bは、水舟282b内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置542bは、この温度に基づいて熱交換装置542bに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置542bは、温度センサT2bが検出した水舟282b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置542bによって、温度を調節された湿し水は、第2印刷ユニット12の版胴25bに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置542bは、第2印刷ユニット12の版胴25bに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT3aは、水舟283a内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置543aは、この温度に基づいて熱交換装置543aに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置543aは、温度センサT3aが検出した水舟283a内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置543aによって、温度を調節された湿し水は、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置543aは、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT3bは、水舟283b内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置543bは、この温度に基づいて熱交換装置543bに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置543bは、温度センサT3bが検出した水舟283b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置543bによって、温度を調節された湿し水は、第3印刷ユニット13の版胴25bに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置543bは、第3印刷ユニット13の版胴25bに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT4aは、水舟284a内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置544aは、この温度に基づいて熱交換装置544aに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置544aは、温度センサT4aが検出した水舟284a内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置544aによって、温度を調節された湿し水は、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置544aは、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着された刷版の版面温度を調節する。
温度センサT4bは、水舟284b内の湿し水の温度を検出する。熱交換装置544bは、この温度に基づいて熱交換装置544bに供給される冷媒の流量が調節される。つまり、熱交換装置544bは、温度センサT4bが検出した水舟284b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
熱交換装置544bによって、温度を調節された湿し水は、第4印刷ユニット14の版胴25bに装着された刷版の版面に供給される。これにより、熱交換装置544bは、第4印刷ユニット14の版胴25bに装着された刷版の版面温度を調節する。
各温度センサTが検出した水舟28内の湿し水の温度が、例えば、所定の温度αよりも高い場合に、水舟28内の湿し水の温度が所定の温度α以下になるまで、それぞれの熱交換装置に供給される冷媒の流量は増やされる。つまり、熱交換装置は、水舟28内の湿し水の温度が、所定の温度αよりも高い場合に、水舟28内の湿し水の温度を低下させる。
所定の温度αは、例えば、各熱交換装置541a〜544bで全て同じ値に設定される。図1に示す乾燥装置103に最も近い第4印刷ユニット14が備える水舟28内の湿し水は、乾燥装置103から熱を受けて、他の水舟28内の湿し水よりも温度が高くなりやすい。つまり、第4印刷ユニット14が備える水舟28内の湿し水の温度は、他の水舟28内の湿し水の温度よりも早期に所定の温度αよりも高くなる。
よって、各熱交換装置541a〜544bの所定の温度αが一定であっても、第4印刷ユニット14の水舟284aに冷却された湿し水を供給する熱交換装置544a及び水舟284bに冷却された湿し水を供給する熱交換装置544bは、早期から冷媒の供給量が増加されて自然と他の各熱交換装置541a〜543bよりも湿し水をより冷却する。
なお、所定の温度αは、各グループで異なって設定されると好ましい。具体的には、第4印刷ユニット14の水舟284aに冷却された湿し水を供給する熱交換装置544a及び水舟284bに冷却された湿し水を供給する熱交換装置544bの所定の温度αが、他の熱交換装置541a〜543bの所定の温度αよりも低い温度に設定されれば、熱交換装置544a及び熱交換装置544bは、さらに早期の段階で供給される冷媒の流量が増加される。よって、熱交換装置544a及び熱交換装置544bは、他の熱交換装置541a〜543bよりもさらに好適に湿し水を冷却できる。
ここで、上述のように、第4印刷ユニット14内でも、版胴25bに装着される刷版の版面温度の方が、版胴25aに装着される刷版の版面温度よりも高い。よって、熱交換装置544bの所定の温度αは、熱交換装置544aの所定の温度よりも低い温度に設定されるとさらに好ましい。これにより、熱交換装置544bは、熱交換装置544aよりも湿し水を冷却できる。
また、各熱交換装置541a〜544bは、湿し水に対して必要とされる冷却の程度によって、所定の温度α以外に、所定の温度βや所定の温度γを段階的に有してもよい。この場合、例えば、所定の温度α<所定の温度β<所定の温度γとなるように設定する。
各熱交換装置541a〜544bは、水舟28内の湿し水の温度が所定の温度βよりも高い場合、水舟28内の湿し水の温度が所定の温度αと所定の温度βとの間の場合よりも各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量を増やす。つまり、各熱交換装置541a〜544bは、水舟28に供給する湿し水をより冷却する。
また、各熱交換装置541a〜544bは、水舟28内の湿し水の温度が所定の温度γよりも高い場合、水舟28内の湿し水の温度が所定の温度γ以下の場合よりも各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量を増やす。つまり、各熱交換装置541a〜544bは、水舟28に供給する湿し水をさらにより冷却する。
上記構成により、温度調節装置50は、段階的に所定の温度が設定されることにより、より細かく水舟28内の湿し水の温度を調節できる。これにより、温度調節装置50は、各版胴25に装着される刷版の版面の実際の温度と適温との差をより好適に低減できる。
また、各熱交換装置541a〜544bは、所定の温度αや、所定の温度βや、所定の温度γに代えて、水舟28内の湿し水の温度と、刷版の版面温度を適温に保つのに必要な冷媒の流量との関係をマップとして有してもよい。前記マップでは、水舟28内の湿し水の温度が高いほど、各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量が多くなる。
各熱交換装置541a〜544bは、前記マップに基づいて、各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量が変動する。つまり、各熱交換装置541a〜544bは、水舟28内の湿し水の温度が高いほど、各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量が多くなる。よって、各熱交換装置541a〜544bは、水舟28内の湿し水の温度が高いほど水舟28に供給する湿し水をより冷却する。
ここで、上述のように、印刷装置10を構成する各印刷ユニット11〜14の版胴25に装着される刷版の版面温度は、高い順に、第4印刷ユニット14の版胴25bに装着される刷版の版面、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着される刷版の版面、第3印刷ユニット13の版胴25bに装着される刷版の版面、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着される刷版の版面、第2印刷ユニット12の版胴25bに装着される刷版の版面、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着される刷版の版面、第1印刷ユニット11の版胴25bに装着される刷版の版面、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着される刷版の版面、となる。
よって、各熱交換装置541a〜544bは、冷媒の流量が多く設定される順、つまり、冷却性が高い順に、熱交換装置544b、熱交換装置544a、熱交換装置543b、熱交換装置543a、熱交換装置542b、熱交換装置542a、熱交換装置541b、熱交換装置541aとなる。なお、「冷却性」とは、冷却の対象の温度を低下させる程度のことをいう。熱交換装置の冷却性が高いほど、冷却の対象はより温度が低下させられる。
上記構成により、各熱交換装置541a〜544bは、それぞれが個別に水舟28内の湿し水の温度を適温に維持する。つまり、温度調節装置50は、各印刷ユニット11〜14の各版胴25に装着される刷版の版面の実際の温度と適温との差を低減できる。なお、ここでの「適温」とは、例えば、28度〜30度である。
なお、温度調節装置50は、各温度センサTが検出した温度に基づいて、各熱交換装置へ供給される冷媒の流量が調節されたが、本実施形態はこれに限定されない。温度調節装置50は、各温度センサTを備えなくても、版面温度がより高くなりやすい刷版に供給される湿し水を溜める水舟28に湿し水を供給する熱交換装置ほど、冷媒の流量が多くなるように各熱交換装置が構成されればよい。これにより、温度調節装置50は、刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
(変形例1)
図4は、変形例1に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。温度調節装置50Aは、各印刷ユニット11〜14の全ての版胴25に装着される刷版を1つずつ合計8個のグループに分けずに、複数の版胴25に装着される刷版を1つのグループとしてまとめて、各グループに1つずつ熱交換装置を備える点に特徴がある。
温度調節装置50Aは、第1印刷ユニット11の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版と、第2印刷ユニット12の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版と、第3印刷ユニット13の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版とを1つのグループとして湿し水の温度を調節する。また、温度調節装置50Aは、第4印刷ユニット14の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版をもう1つのグループとして湿し水の温度を調節する。
温度調節装置50Aは、熱交換装置545aと、熱交換装置545bと、温度センサT23bと、温度センサT24bとを備える。ここで、熱交換装置545aと、熱交換装置545bとは、それぞれが並列になるように、湿し水用ポンプ53と配管で接続される。つまり、熱交換装置545aまたは熱交換装置545bとの一方の熱交換装置を経た湿し水は、他方の熱交換装置に供給されない。
温度センサT23bは、第1印刷ユニット11と、第2印刷ユニット12と、第3印刷ユニット13との中で、最も刷版の版面温度が高くなりやすい刷版を装着する版胴25bに供給される湿し水を溜める水舟283b内の湿し水の温度を検出し、この温度に基づいて熱交換装置545aに供給される冷媒の流量を調節する。つまり、熱交換装置545aは、温度センサT23bが検出した水舟283b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
なお、温度センサT23bは、水舟281a内の湿し水の温度、水舟281b内の湿し水の温度、水舟282a内の湿し水の温度、水舟282b内の湿し水の温度、水舟283a内の湿し水の温度のいずれかを検出するものでもよい。但し、最も冷却された湿し水を必要とする水舟283b内の湿し水の温度を検出することによって、つまり熱交換装置545aの冷却性を十分に確保しておくことで、温度調節装置50Aは、より確実に刷版の版面温度の上昇を抑制できる。
熱交換装置545aは、水舟281aと、水舟281bと、水舟282aと、水舟282bと、水舟283aと、水舟283bとに熱交換装置545aが冷却した湿し水を供給する。
熱交換装置545aは、水舟281aと、水舟281bと、水舟282aと、水舟282bと、水舟283aと、水舟283bとは、熱交換装置545aと配管で並列または直列に接続される。なお、「直列」とは、複数の熱交換装置のうち、一方の熱交換装置が、他方の熱交換装置よりも湿し水の流れの上流側や下流側に配置される状態をいう。
各水舟28が熱交換装置545aと直列に接続される場合、つまり、いずれかの水舟28から排出された湿し水が他の水舟28に供給されるように接続される場合は、版胴に装着される刷版の版面温度が高い順に、熱交換装置545aから吐出された湿し水が供給されると好ましい。
例えば、本実施形態の場合、熱交換装置545aと接続される複数の水舟28のうち、水舟283bが、最も冷却された湿し水を必要とする。よって、各水舟28が熱交換装置545aと直列に接続される場合、水舟283b、水舟283a、水舟282b、水舟282a、水舟281b、水舟281aの順に、湿し水が供給されると好ましい。
これにより、熱交換装置545aが冷却した直後の湿し水であって、最も温度が低い状態の時の湿し水が、最も冷却される必要がある刷版が装着される版胴に供給される湿し水を溜める水舟28に供給される。結果として、温度調節装置50Aは、刷版の版面温度と適温との差が大きくなりやすい刷版の版面を十分に冷却できる。
温度センサT24bは、第4印刷ユニット14で、最も刷版の版面温度が高くなりやすい刷版を装着する版胴25bに供給される湿し水を溜める水舟284b内の湿し水の温度を検出し、この温度に基づいて熱交換装置545bに供給される冷媒の流量を調節する。つまり、熱交換装置545bは、温度センサT24bが検出した水舟284b内の湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
なお、温度センサT24bは、水舟284a内の湿し水の温度を検出するものでもよい。但し、最も冷却された湿し水を必要とする水舟284b内の湿し水の温度を検出することによって、つまり熱交換装置545bの冷却性を十分に確保しておくことで、温度調節装置50Aは、より確実に刷版の版面温度の上昇を抑制できる。
熱交換装置545bは、水舟284aと、水舟284bとに熱交換装置545bが冷却した湿し水を供給する。熱交換装置545bは、水舟284aと、水舟284bと配管で並列または直列に接続される。水舟284aと、水舟284bとが熱交換装置545bと直列に接続される場合、つまり、一方の水舟28から排出された湿し水が他方の水舟28に供給されるように接続される場合は、版胴に装着される刷版の版面温度が高い順に、熱交換装置545bから吐出された湿し水が供給されると好ましい。
例えば、本実施形態の場合、水舟284aよりも水舟284bの方が冷却された湿し水を必要とする。よって、各水舟28が熱交換装置545bと直列に接続される場合、水舟284b、水舟284aの順に湿し水が供給されると好ましい。
これにより、熱交換装置545bが冷却した直後の湿し水であって、最も温度が低い状態の時の湿し水が最も冷却される必要がある刷版が装着される版胴に供給される湿し水を溜める水舟28に供給される。結果として、温度調節装置50Aは、最も、刷版の版面温度と適温との差が大きくなりやすい刷版の版面を十分に冷却できる。
ここで、熱交換装置545bから吐出される湿し水の温度は、熱交換装置545aから吐出される湿し水の温度よりも低くなるように設定される。具体的には、熱交換装置545bの所定の温度は、熱交換装置545aの所定の温度よりも小さく設定される。
または、熱交換装置545a及び熱交換装置545bは、水舟28内の湿し水の温度と、刷版の版面温度を適温に保つのに必要な冷媒の流量との関係をマップとして有する。前記マップでは、水舟28内の湿し水の温度が高いほど、各熱交換装置541a〜544bに供給される冷媒の流量が多くなる。ここで、熱交換装置545bの前記マップは、熱交換装置545aの前記マップよりも、湿し水の温度の上昇による冷媒の流量の増加率が高く設定される。
上記構成のように、温度調節装置50Aは、複数の版胴25に装着される刷版を1つのグループとしてまとめて前記グループごとに熱交換装置を備える。これにより、複数の版胴25それぞれに1つずつ熱交換装置を備える場合よりも、温度調節装置50Aは、設けられる熱交換装置の数を低減できる。また、温度調節装置50Aは、より刷版の版面温度が高くなりやすい前記グループの水舟28に、冷却性が高い熱交換装置545bからより冷却された湿し水を供給する。これにより、温度調節装置50Aは、刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
(変形例2)
図5は、変形例2に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。温度調節装置50Bは、版面温度が比較的高くなりやすい刷版に供給される湿し水を溜める水舟28に供給される湿し水をより冷却する点に特徴がある。
温度調節装置50Bは、温度調節装置50Aと同様に、2つのグループに分けて各版胴25に装着される刷版を冷却する。但し、前記2つのグループのうち、一方のグループは、全ての版胴25に装着する刷版が含まれ、他方のグループは、前記一方のグループ内に含まれる複数の版胴25に装着する刷版により構成される。つまり、版胴25の中のいくつかは、一方のグループと他方のグループとの両方に含まれる。
温度調節装置50Bは、各印刷ユニット11〜14の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版全てを1つのグループとして湿し水の温度を調節する。また、温度調節装置50Bは、第4印刷ユニット14の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版をもう1つのグループとして湿し水の温度を調節する。つまり、第4印刷ユニット14の版胴25a及び版胴25bは、一方のグループと他方のグループとの両方に含まれて、2回冷却される。
一般的に、湿し水は、タンク51に溜められている時点で、熱交換装置によって冷却される。しかしながら、この場合、比較的に版面温度が高くなりやすい刷版では、湿し水での冷却が不十分になるおそれがある。そこで、温度調節装置50Bは、タンク51内で熱交換装置546aが冷却した湿し水を、さらに熱交換装置545bで冷却してから、比較的に版面温度が高くなりやすい刷版に湿し水を供給する。
温度調節装置50Bは、熱交換装置546aと、熱交換装置545bと、温度センサT31と、温度センサT24bとを備える。ここで、熱交換装置545b及び温度センサT24bの構成は、温度調節装置50Aの熱交換装置545b及び温度センサT24bの構成と同様である。
温度センサT31は、例えば、タンク51内の湿し水の温度を検出するが、例えば、第1印刷ユニット11と、第2印刷ユニット12と、第3印刷ユニット13との中で、最も刷版の版面温度が高くなりやすい刷版を装着する版胴25bに供給される湿し水を溜める水舟283b内の湿し水の温度を検出してもよい。
熱交換装置546aは、温度センサT31が検出した温度に基づいて、熱交換装置546aに供給される冷媒の流量を調節する。つまり、熱交換装置546aは、温度センサT31が検出した湿し水の温度に基づいて湿し水の温度を調節する。
なお、温度センサT31は、水舟281a内の湿し水の温度、水舟281b内の湿し水の温度、水舟282a内の湿し水の温度、水舟282b内の湿し水の温度、水舟283a内の湿し水の温度のいずれかを検出するものでもよい。
但し、最も冷却された湿し水を必要とする水舟283b内の湿し水の温度を検出することによって、つまり熱交換装置546aの冷却性を十分に確保しておくことで、温度調節装置50Bは、より確実に刷版の版面温度の上昇を抑制できる。
水舟281aと、水舟281bと、水舟282aと、水舟282bと、水舟283aと、水舟283bとは、熱交換装置546aによって冷却された湿し水がタンク51から湿し水用ポンプ53によって供給される。熱交換装置546aによって冷却された湿し水は、湿し水用ポンプ53によって、熱交換装置545bにも供給される。
これによって、熱交換装置546aによって冷却された湿し水は、熱交換装置545bによってさらに冷却されて、水舟284aと、水舟284bとに供給される。これにより、温度調節装置50Bは、版面温度が比較的高くなりやすい刷版が装着される第4印刷ユニット14の版胴25a及び版胴25bに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
なお、温度調節装置50は、温度調節装置50A及び温度調節装置50Bのように、版面温度が比較的高くなりやすい刷版の版面に供給される湿し水の温度を他の刷版に供給される湿し水の温度よりも小さくできる構成であれば、備える熱交換装置の個数やグループの構成は限定されない。
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。温度調節装置50Cは、湿し水の温度ではなく、往復ローラ34を冷却する冷却水の温度を調節する点に特徴がある。従来、図2に示す往復ローラ34に冷却水を供給し、前記冷却水を他の往復ローラ34に循環させて印刷ユニットを冷却する印刷機がある。
図6に示すように、本実施形態に係る印刷機2は、各印刷ユニット11〜14の各往復ローラ34に供給される冷却水の温度が温度調節装置50Cによって調節される。温度調節装置50Cは、図2に示す往復ローラ34に供給される冷却水を冷却することによって刷版の版面温度を低下させる。
温度調節装置50Cは、合計8個設けられる版胴25の刷版を1つの印刷ユニット内に配置される刷版ごとに2つずつグループに分けて、各熱交換装置547a〜547bで各往復ローラ34に供給される冷却水を冷却することで、各グループで個別に版胴25に装着される刷版の版面を冷却する。温度調節装置50Cは、タンク61と、冷却水用ポンプ63と、熱交換装置547aと、熱交換装置547bと、熱交換装置547cと、熱交換装置547dと、フィルターFとを備える。
往復ローラ34は、各印刷ユニット11〜14に4個2組、合計8個設けられる。通常、冷却水は、少なくとも図2に示す往復ローラ34bと往復ローラ34dとに供給される。または、冷却水は、往復ローラ34bと往復ローラ34cと往復ローラ34dとに供給される。または、冷却水は、往復ローラ34aと往復ローラ34bと往復ローラ34cと往復ローラ34dとに供給される。
ここで、第1印刷ユニット11の版胴25a側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ341aとする。第1印刷ユニット11の版胴25b側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ341bとする。
第2印刷ユニット12の版胴25a側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ342aとする。第2印刷ユニット12の版胴25b側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ342bとする。
第3印刷ユニット13の版胴25a側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ343aとする。第3印刷ユニット13の版胴25b側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ343bとする。
第4印刷ユニット14の版胴25a側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ344aとする。第4印刷ユニット14の版胴25b側の往復ローラ34群のうち、冷却水が供給される往復ローラ34を往復ローラ344bとする。
冷却水は、最も刷版の版面温度が高くなりやすいグループの往復ローラ34から供給される。これにより、最も低温な状態の冷却水によって、最も版面温度が高くなりやすい刷版の版面を冷却できる。これにより、温度調節装置50Cは、刷版の版面の実際の温度と適温との差をより好適に低減できる。
ここで、熱交換装置547a〜熱交換装置547dは、それぞれ冷却性が異なって設定されるとさらに好ましい。具体的には、冷却性が高く設定される順に、熱交換装置547a、熱交換装置547b、熱交換装置547c、熱交換装置547dとなる。
タンク61は、内部に冷却水を溜める。冷却水用ポンプ63は、タンク61から冷却水を熱交換装置547aに供給する。熱交換装置547aに供給された冷却水は、熱交換装置547aによって冷却されて往復ローラ344bに供給される。この時、冷却水は、最も冷却性が高い熱交換装置547aによって冷却されている。
前記冷却水により、版面温度が最も高くなりやすい第4印刷ユニット14の版胴25b側の各ローラ群が最もよく冷却される。これにより、温度調節装置50Cは、第4印刷ユニット14の版胴25bに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、版面温度が2番目に高くなりやすい第4印刷ユニット14の版胴25a側の往復ローラ344aに供給される。これにより、冷却水は、第4印刷ユニット14の版胴25a側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第4印刷ユニット14の版胴25aに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、熱交換装置547bに供給され、熱交換装置547bによって冷却される。次に、冷却水は、版面温度が3番目に高くなりやすい第3印刷ユニット13の版胴25b側の往復ローラ343bに供給される。これにより、冷却水は、第3印刷ユニット13の版胴25b側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第3印刷ユニット13の版胴25bに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、版面温度が4番目に高くなりやすい第3印刷ユニット13の版胴25a側の往復ローラ343aに供給される。これにより、冷却水は、第3印刷ユニット13の版胴25a側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第3印刷ユニット13の版胴25aに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、熱交換装置547cに供給され、熱交換装置547cによって冷却される。次に、冷却水は、版面温度が5番目に高くなりやすい第2印刷ユニット12の版胴25b側の往復ローラ342bに供給される。これにより、冷却水は、第2印刷ユニット12の版胴25b側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第2印刷ユニット12の版胴25bに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、版面温度が6番目に高くなりやすい第2印刷ユニット12の版胴25a側の往復ローラ342aに供給される。これにより、冷却水は、第2印刷ユニット12の版胴25a側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第2印刷ユニット12の版胴25aに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、熱交換装置547dに供給され、熱交換装置547dによって冷却される。次に、冷却水は、版面温度が7番目に高くなりやすい第1印刷ユニット11の版胴25b側の往復ローラ341bに供給される。これにより、冷却水は、第1印刷ユニット11の版胴25b側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第1印刷ユニット11の版胴25bに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
次に、冷却水は、版面温度が8番目に高くなりやすい第1印刷ユニット11の版胴25a側の往復ローラ341aに供給される。これにより、冷却水は、第1印刷ユニット11の版胴25a側の各ローラを冷却する。これにより、温度調節装置50Cは、第1印刷ユニット11の版胴25aに装着される刷版の版面温度と適温との差を低減できる。次に、冷却水は、冷却水中の不純物を取り除くフィルターFを介してタンク61へ戻る。これにより、冷却水は、上記した順に冷却の対象である各往復ローラ34に循環して供給される。
上記構成により、温度調節装置50Cは、各版胴25に装着される刷版をひとつの印刷ユニット内に配置される刷版ごとに2つずつグループに分けて、前記グループごとに熱交換装置を備える。温度調節装置50Cは、より刷版の版面温度が高くなりやすい前記グループの往復ローラ34に、冷却性が高い熱交換装置から、より冷却され冷却水を供給する。これにより、温度調節装置50Cは、刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
なお、温度調節装置50Cは、各往復ローラ34が直列に接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。つまり、温度調節装置50Cは、各往復ローラ34が互いに並列に接続されてもよいし、直列と並列との両方で接続されてもよい。
また、温度調節装置50Cは、熱交換装置を合計4つ備えたが、本実施形態はこれに限定されない。熱交換装置は、必要な数を必要な箇所に複数設けられればよい。つまり、温度調節装置50Cは、例えば、合計8個設けられる各往復ローラ34を1つずつ個別に合計8個のグループに分けて、各グループの往復ローラ34に供給される冷却水の温度を調節して各グループの刷版の温度を調節してもよい。
また、温度調節装置50Cは、温度センサTを備え、温度調節装置50や、温度調節装置50Aや、温度調節装置50Bのように、温度センサTが検出した冷却水の温度に基づいて、各熱交換装置547a〜熱交換装置547dの冷却性が決定されるものでもよい。温度調節装置50Cは、例えば、温度センサTが、往復ローラ344bに供給される冷却水の温度を検出し、その温度に基づいて熱交換装置547aに供給される冷媒の流量が調節される。
上記構成によっても、温度調節装置50Cは、より刷版の版面温度が高くなりやすいグループの往復ローラ34に、冷却性が高い熱交換装置から、より好適に冷却された冷却水を供給する。これにより、温度調節装置50Cは、刷版の版面温度と適温との差を低減できる。
図7は、工場内での印刷機の配置の一例を示す模式図である。なお、乾燥装置103を熱源として、第4印刷ユニット14、第3印刷ユニット13、第2印刷ユニット12、第1印刷ユニット11の順に、刷版の版面温度が上昇しやすいと説明したが、本実施形態はこれに限定されない。図7に示すように、印刷機3aは、隣接して印刷機3bが配置される。ここで、例えば、印刷機3aは、印刷機3aの第1印刷ユニット11が、隣接する印刷機3bの乾燥装置103の近傍に配置されたとする。
この場合、印刷機3aは、第1印刷ユニット11及び第4印刷ユニット14が、第2印刷ユニット12や、第3印刷ユニット13よりも乾燥装置103から熱を受けて、刷版の版面温度が上昇しやすい。
この場合、上述の温度調節装置50、温度調節装置50A、温度調節装置50B、温度調節装置50Cは、第1印刷ユニット11及び第4印刷ユニット14の刷版の版面を第2印刷ユニット12及び第3印刷ユニット13の刷版の版面よりも重点的に冷却する。
上記構成により、温度調節装置50、温度調節装置50A、温度調節装置50B、温度調節装置50Cは、冷却をより必要とする刷版の版面をより重点的に冷却して、刷版の版面の実際の温度と適温との差を好適に低減できる。なお、熱源は乾燥装置103に限定されず、例えば、工場内に配置された印刷機の構成要素以外でもよい。
なお、温度調節装置50Cは、往復ローラ34を冷却する冷却水を冷却することで、刷版の版面温度を調節したが、温度調節装置50Cは湿し水と前記冷却水との2つを冷却することによって刷版の版面温度を調節してもよい。
以上のように、本発明に係る印刷機は、刷版に湿し水を供給する印刷機や往復ローラに冷却水を供給する印刷機に有用であり、特に、刷版の版面の実際の温度と適温との差を低減する印刷機に適する。
実施形態1に係る印刷機を示す概略図である。 実施形態1に係る印刷ユニットの内部を模式的に示す概略図である。 実施形態1に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。 変形例1に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。 変形例2に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。 実施形態2に係る温度調節装置の構成を示す模式図である。 工場内での印刷機の配置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1、2、3a、3b 印刷機
10 印刷装置
11 第1印刷ユニット
12 第2印刷ユニット
13 第3印刷ユニット
14 第4印刷ユニット
15 制御装置
20 第1ブランケット胴
21 第2ブランケット胴
22 第1モータ
23 第2モータ
25 版胴
26 インキ壷
27 インキローラ群
28 水舟
29 水ローラ群
31 インキ元ローラ
32 呼出ローラ
33 中間インキローラ群
34 往復ローラ
35 インキ着ローラ
36 第3モータ
40 水元ローラ
41 調量ローラ
42 水着ローラ
44 第4モータ
50、50A、50B、50C 温度調節装置
51 タンク
52 添加剤供給装置
53 湿し水用ポンプ
541a〜547d 熱交換装置
55 排水処理装置
61 タンク
63 冷却水用ポンプ
101 給紙装置
102 インフィード装置
103 乾燥装置
104 冷却装置
105 ウェブパス装置
106 折機
107 排紙コンベア
F フィルター
L 搬送経路
LI インキ供給経路
LW 水供給経路
S 折帳
T 温度センサ
W ウェブ
α、β、γ 所定の温度

Claims (9)

  1. 刷版が装着される版胴と、
    前記版胴を含んで構成されて複数設けられると共に、被記録媒体に印刷を施す印刷ユニットと、
    複数の前記版胴のそれぞれに装着される複数の前記刷版を複数のグループに分けた場合に、前記版胴に装着される前記刷版の版面の温度を前記グループの単位で個別に調節する温度調節手段と、
    を備えることを特徴とする印刷機。
  2. 前記温度調節手段は、前記グループの単位で、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版の前記版面を、他の前記刷版の前記版面よりもより冷却することを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
  3. 前記温度調節手段は、前記グループの単位で、印刷後の前記被記録媒体を乾燥させる乾燥手段に近い方の前記版面が、前記被記録媒体を前記印刷ユニットに供給する給紙手段に近い方の前記版面よりも、より冷却することを特徴とする請求項2に記載の印刷機。
  4. 前記温度調節手段は、前記刷版の前記版面に供給される湿し水の温度を調節することによって、前記刷版の前記版面の温度を調節することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷機。
  5. 前記温度調節手段は、前記湿し水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度調節手段は、前記温度検出手段が検出した前記湿し水の温度に基づいて前記湿し水の温度を調節することを特徴とする請求項4に記載の印刷機。
  6. 前記温度調節手段は、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版を有する前記グループほど、前記湿し水の温度をより低く調節することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の印刷機。
  7. 前記印刷ユニットは、冷却水が供給されて冷却される水冷ローラを備え、前記温度調節手段は、前記水冷ローラに供給される冷却水の温度を調節することによって、前記刷版の前記版面の温度を調節することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の印刷機。
  8. 前記温度調節手段は、前記冷却水の温度を検出する温度検出手段を備え、前記温度調節手段は、前記温度検出手段が検出した前記冷却水の温度に基づいて前記冷却水の温度を調節することを特徴とする請求項7に記載の印刷機。
  9. 前記温度調節手段は、前記版面の温度がより上昇しやすい前記刷版を有する前記グループほど、前記冷却水の温度をより低く調節することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の印刷機。
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