JP2009255288A5 - - Google Patents

Description

ブリスクブレードの前縁を空力的に形成する方法

本発明は、仕上げ代を有するように固体から機械加工された後に研削及び研磨プロセスにおいて処理されるブリスクブレードの前縁を空力的に形成する方法に関する。

ロータブレードがロータディスクと一体になって一体型装置を形成するブリスクは、一般的に知られているように、ガスタービンエンジンのロータとして採用されている。組み立て費用が削減されることに加え、一体的なブレードロータは、重量及び遠心荷重が少ないことを特徴とする。一体的なブレードロータは、別個に製造されたブレード要素を摩擦圧接プロセスにおいてロータディスクと接合すること、又はディスクブランクの固体材料からロータブレードをフライス加工することのいずれかによって製造される。固体材料からロータブレードをフライス加工する場合、粗削りプロセスにおいて予め形造られているブリスクブレードは、点接触フライス加工プロセスにおいて仕上削りされる。点接触フライス加工プロセスでは、半球形切削ヘッドを有するフライスがブレード全体の周囲を螺旋状に回転し、それによって、ブレードの負圧及び正圧側並びにブレードの前縁及び後縁が形成される。ブリスクの性能にとって重要である前縁は、仕上げ代が前縁上に均一に分配されるように、すなわち、後続の振動研削中に除去されるストック分を考慮してフライス加工後に余分なストックが前縁上に保持されるようにフライス加工される。

しかしながら、この方法では、ブレードの前縁形状をブレードの全長にわたって一定に空力的に形成することは不可能である。

本発明は、広範な態様において、前縁が全長にわたって一定でかつ空力的に形成されることを可能にする、固体から機械加工されるブリスクブレードの前縁を形成する方法を提供する。

本発明は、請求項１に記載の特徴に従う方法によって上記問題を解決することを特に目的としている。本発明の有利な展開はサブクレームから明らかになる。

固体からフライス加工すること、及び後に研削及び研磨することによってブリスクブレードを製造する際に、ブレード前縁は、仕上げ代を有する湾曲形状として形成される。この仕上げ代は、ブリスクブレードの研削及び研磨中に除去される材料に正確に対応するように前縁の全長にわたって形状及び量が保たれる。フライス加工後に前縁の湾曲形状上に保持される研削のために残された仕上げ代の形状、量及び配置は、試験及び光学測定方法によって前もって確定される。仕上げ代はブリスクブレードの負圧側に向かって非対称に設けなければならず、また仕上げ代の量を環状部からブレード先端にかけて増加させなければならないことが判明した。前縁のこのような非対称形状が予め形成されているブリスクブレードは、研削及び研磨処理時に、ブリスクの性能を向上させる空力的に有利な形状を有する湾曲形前縁を有する。

本発明による前縁の非対称予備形状は、流体の流れ方向に沿ったフライス加工経路であって、ブレードの全長にわたって連続するフライス加工経路、に沿って前縁の周囲で側面フライス加工することによって形成される。側面フライス加工は、ブリスクブレードの負圧及び正圧側に沿ってその後縁の周囲でも同様に行われる。

本発明のさらなる展開では、非対称予備形状は、前縁を長手方向に線状にフライス加工することによって、実際には、球形のカッターヘッドを使用していくつかの隣り合う凹型フライス加工経路を生成することによって形成され得る。カッターヘッドの半径は、好ましくは、隅肉半径以下であり、これにより、同じ切削工具を使用してブリスクブレードの隅肉を線状にフライス加工することが可能になる。

好適な実施形態を示す添付の図面を鑑みて、本発明をより十分に説明する。

ブリスクブレードの前縁の側面フライス加工を示す概略図である。 側面フライス加工中の湾曲形ブレード前縁の拡大図である。 半球形カッターヘッドを有するダイカッターを使用した、ブリスクブレードの前縁の長手方向の線状フライス加工を示す概略図である。 図３のような線状のフライス加工中の湾曲形ブレード前縁の断面図である。 後続の研削及び研磨プロセス前の、線状にフライス加工されたブレード前縁の断面図である。

ブリスクブレード２の前縁１は、フライス加工及び研磨時に、図２及び図４に示す（空力的に有利な）湾曲形状３を特徴付ける。図１及び図２によると、前縁１は、丸みを帯びたカッターヘッド５ａを有するシャンクタイプカッター５の切削側面４を使用して、実際には流体の流れ方向に延びる連続したフライス加工経路においてブレードの全長に沿って前縁の周囲でフライス加工される。前縁１の周囲のフライス加工は、ブリスクブレードの負圧側６に向かって非対称である仕上げ代７が前縁１の特定の湾曲形状３上に保持されるようになされる。側面フライス加工時に残る仕上げ代７は、光学測定システムによる試験において前もって確定されているように、前縁１が後続の振動研削及び振動研磨によって湾曲形状を有するようにブリスクブレードから除去される材料の量及び配置に対応している。振動研削及び振動研磨のために確定された材料除去量と合致するように、非対称仕上げ代７の量は、前縁１の長さにわたって、すなわち、環状部８からブレード先端９にかけて増加し、ブレード先端での最大仕上げ代領域においては例えば０．１ｍｍである。

ここで示す実施形態では、図３〜図５に示すような前縁１の長手方向、すなわち、ブレード先端９から環状部８へ又はその逆方向の線状のフライス加工は、半球形カッターヘッド１１を有するダイカッター１０を用いて行われる。前縁１における材料除去は、翼部と環状部との間の移行部における隅肉半径Ｒ以下であることが好ましい半径ｒを有するいくつかの（本実施例では６つの）隣り合うフライス加工経路（ライン）１２において実行され、これにより、隅肉のラインを同じ切削工具を使用して（線状に）フライス加工することが可能である。しかしながら、フライス加工経路１２の数は、実際には工具、ブレードの形状寸法、並びに研削及び研磨条件に応じて変わる。図１及び図２において説明した側面フライス加工プロセスにおけるように、線状のフライス加工では、仕上げ代７が非対称である、すなわち負圧側６に向かってずれている特定の湾曲形状上に保持され、その厚みがブレード先端９から環状部８へ向けて減少するように、材料が除去される。線状のフライス加工時に保持されている仕上げ代７、すなわちこのプロセスにおいて作成される非対称予備形状／前縁形状１３は、形状及び量が後続の研削及び研磨プロセスのそれに一致しており、その結果、研削及び研磨時にブリスクブレード２の前縁１が特定の湾曲形状３を有する。

１ 前縁
２ ブリスクブレード
３ 湾曲形形状
４ 切削側面
５ シャンクタイプカッター
５ａ 丸みを帯びたカッターヘッド
６ 負圧側
７ 仕上げ代
８ 環状部
９ ブレード先端
１０ ダイカッター
１１ 半球形カッターヘッド
１２ フライス加工経路
１３ 非対称予備形状／前縁形状
Ｒ 隅肉半径
ｒ １１、１２の半径

Claims (7)

1. 仕上げ代を有するように固体から機械加工され、続いて研削及び研磨プロセスにおいて処理される、ブリスクブレードの前縁を空力的に形成する方法であって、
   前記研削及び研磨プロセスによって除去される材料の形状及び量が、前記前縁の全長にわたって予め確定され、
   確定された前記形状及び量に相当する仕上げ代を有する湾曲形状が、前記前縁のフライス加工時に形成される、
   ことを特徴とする方法。
2. 仕上げ代は、前記ブリスクブレードの負圧側に向かってずれている湾曲形状となるように前記ブリスクブレードの正圧側と負圧側とで非対称に形成され、それによって非対称予備形状を形成し、仕上げ代の量は環状部からブレードの先端にかけて徐々に増加することを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 非対称予備形状は、流体の流れ方向に沿ったフライス加工経路であって、ブレードの全長にわたって連続するフライス加工経路、に沿って前縁の周囲を側面フライス加工することによって形成されることを特徴とする請求項２に記載の方法。
4. 側面フライス加工は、ブリスクブレードの正圧側及び負圧側に沿って後縁の周囲で同様に行われることを特徴とする請求項３に記載の方法。
5. 非対称予備形状は、線状のフライス加工によって生成され、それによって前縁の長手方向に、いくつかの隣り合う凹形状のフライス加工経路を形成することを特徴とする請求項２に記載の方法。
6. 半球形カッターヘッドを有するダイカッターが線状のフライス加工のために使用されることを特徴とする請求項５に記載の方法。
7. カッターヘッドの半径はブリスクブレードの隅肉半径以下であり、これによりカッターヘッドを使用してブリスクブレードの隅肉を線状にフライス加工可能であることを特徴とする請求項６に記載の方法。