JP2009255017A - 脱硝触媒の触媒活性の予測方法、並びに脱硝触媒の選出方法及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Ga−Al系脱硝触媒の触媒活性を簡便に予測する方法を提供する。
【解決手段】窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、を備えた、脱硝触媒の触媒活性の予測方法。
【選択図】図1
【解決手段】窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、を備えた、脱硝触媒の触媒活性の予測方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、脱硝触媒の触媒活性の予測方法、並びに脱硝触媒の選出方法及びその製造方法に関する。
近年、環境汚染が問題となっており、その中でも酸性雨による森林、湖沼、建築物等への被害が深刻化している。酸性雨の原因の一つに、自動車や工場等から排出されるガスに含まれる窒素酸化物がある。このため、窒素酸化物を除去する技術が望まれており、窒素酸化物を除去するための触媒として、共沈法により製造されるアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び亜鉛(Zn)を主成分とする複合酸化物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この触媒は活性が十分なものとはいえない。そこで、本発明者は、活性をより一層改良した触媒として、ソルボサーマル法で得られるGa−Al系酸化物を完成するに至った(特許文献2)。
ところが、これら特許文献1及び特許文献2に提案されている脱硝触媒を始めとするGa−Al系脱硝触媒は、触媒の組成、製法等によって触媒活性にばらつきがあるため、触媒活性を確認した上で使用する必要がある。
脱硝触媒の触媒活性を判断するには、それぞれの脱硝触媒について、実際に脱硝反応を行わせる方法しかない。即ち、脱硝触媒をメタン等の還元剤及び窒素酸化物と反応させて(脱硝反応)、脱硝反応で得られる窒素(N2)量をガスクロマトグラフィー等により測定するしかない。
しかしながら、この測定は、時間、手間等を要するため、簡便に触媒活性を予測する方法の開発が望まれている。
特開平10−151346号公報
特開2006−51448号公報
本発明は、Ga−Al系脱硝触媒の触媒活性を簡便に予測する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた。その結果、Ga−Al系脱硝触媒において、触媒を水素含有雰囲気下で還元させたときの水素消費量と、触媒活性との間に、一定の相関関係があることを見出し、本発明を完成することに至った。即ち、本発明は、下記の脱硝触媒における触媒活性の予測方法、並びに触媒活性の優れた脱硝触媒の選出方法及び製造方法に係る。
1.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、
前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
を備えた、脱硝触媒の触媒活性の予測方法。
2.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項1に記載の予測方法。
3.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項1又は2に記載の予測方法。
4.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒から、高活性な脱硝触媒を選出する方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、及び
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の選出方法。
5.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項4に記載の選出方法。
6.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項4又は5に記載の選出方法。
7.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の製造方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の製造方法。
8.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項7に記載の製造方法。
9.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項7又は8に記載の製造方法。
1.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、
前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
を備えた、脱硝触媒の触媒活性の予測方法。
2.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項1に記載の予測方法。
3.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項1又は2に記載の予測方法。
4.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒から、高活性な脱硝触媒を選出する方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、及び
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の選出方法。
5.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項4に記載の選出方法。
6.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項4又は5に記載の選出方法。
7.窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の製造方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の製造方法。
8.水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、上記項7に記載の製造方法。
9.脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、上記項7又は8に記載の製造方法。
本発明の予測方法によれば、実際に脱硝反応を行わなくても簡便にGa−Al系脱硝触媒の触媒活性の程度を予測することができる。
本発明の選出方法及び製造方法は、実際に脱硝反応を行わなくても簡便に高い触媒活性を有するGa−Al系脱硝触媒を選出及び製造することができる。
1.脱硝触媒の触媒活性の予測方法
本発明の予測方法は、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
を備えることを特徴とする。これにより、実際に脱硝反応を行わずとも、脱硝触媒の触媒活性の程度(高低)を予測できる。
本発明の予測方法は、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
を備えることを特徴とする。これにより、実際に脱硝反応を行わずとも、脱硝触媒の触媒活性の程度(高低)を予測できる。
なお、本発明において、「脱硝触媒の触媒活性を予測する」とは、Ga−Al系脱硝触媒において、実際に脱硝反応を行わずとも、脱硝触媒の触媒活性の高低を判別することをいう。
本発明の触媒活性の予測方法は、前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する。
水素含有雰囲気は、水素を含有している限り限定的でない。例えば、実質的に水素からなる雰囲気であってもよく、また、水素以外のガスとしてアルゴン、ヘリウム等不活性ガスを含んだ混合ガスからなる雰囲気であってもよい。混合ガスからなる雰囲気である場合は、水素の割合は、通常0.1〜10体積%程度、好ましくは1〜5体積%程度とすればよい。
測定時における水素含有雰囲気の圧力は限定的でないが、例えば通常0.1〜5atm程度、好ましくは1〜3atm程度とすればよい。
導入する水素含有雰囲気の温度は限定的でないが、例えば、5〜40℃、特に好ましくは15〜25℃とすればよい。
水素を還元する際の脱硝触媒の温度は限定的でないが、脱硝触媒が5〜900℃における場合における水素還元量を測定するのが好ましく、より好ましくは20〜350℃、特に好ましくは100〜250℃である。
脱硝触媒を還元する方法としては限定的でないが、本発明では、昇温還元法により行うことが好ましい。即ち、還元性ガスとして水素含有ガス(水素含有雰囲気)を用いて昇温還元法を行うことが好ましい。還元性ガスとして水素含有ガスを用いた昇温還元法は、H2−TPRと呼ばれている方法であり、常法に従って行えばよい。このH2−TPRは、短時間で行うことができ、操作性及び再現性が優れているため、実際に脱硝反応を行うよりも極めて簡便に行える。
H2−TPRに使用する測定機器としては、Thermal conductivity detector等が挙げられる。
H2−TPRにおける脱硝触媒の昇温(加熱)速度は、通常1〜30℃/分程度、好ましくは5〜20℃/分程度とすればよい。
本発明では、昇温還元法等の還元を行う前に、脱硝触媒をアルゴン等の不活性雰囲気にて加熱する前処理を行ってもよい。これにより、脱硝触媒に付着していた不純物(水等)を除去することができ、より正確に予測することができる。
前処理時の加熱温度は限定的でないが、例えば600〜1000℃、好ましくは700〜900℃程度とすればよい。
前処理時の加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜決定すればよいが、例えば0〜180分、好ましくは10〜60分程度とすればよい。
還元された水素消費量の測定結果から、Ga−Al系脱硝触媒の触媒活性が予測できる。具体的には、触媒を水素含有雰囲気下で還元させたときのガリウム1モル当たりの水素消費量と、脱硝触媒の窒素酸化物に対する触媒活性との間に、一定の相関関係とは相関関係があることが見出されている。具体的には、還元する水素消費量が高くなればなるほど、脱硝触媒の活性が高くなる。よって、水素消費量の高低により、測定対象である、Ga−Al系脱硝触媒の高低が判別できる。なお、本発明では、Ga−Al系脱硝触媒の触媒活性の温度は限定されないが、当該脱硝触媒が通常350〜650℃程度、特に400〜600℃程度、さらには450℃付近である場合における触媒活性を好適に予測できる。
2.脱硝触媒
本発明の測定対象である脱硝触媒は、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒である。
本発明の測定対象である脱硝触媒は、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒である。
GaとAlとの比率は特に限定されないが、例えばモル比でGa:Al=1:0.5〜10程度、好ましくは1:1〜4程度とすれば良い。
本発明の予測方法に用いる脱硝触媒の形態は限定的ではないが、一般的には粒状、粉末状等の形態で使用することも可能である。また、例えばハニカム状、格子状、板状等の形態で使用することも可能である。これらの形態は、公知の粉砕方法、造粒方法、分級方法、成型方法等を適宜組み合わせて実現できる。
脱硝触媒はいずれの製法によって製造されたものでもよい。例えば、有機溶媒中でGa及びAlを含む原料を前記有機溶媒の沸点以上の温度で熱処理することによってGa−Al系結晶性酸化物(Ga−Al系脱硝触媒)を得る工程を含む製法(製法1)並びにGaイオン及びAlイオンを含む水溶液からアルカリの存在下で沈殿物を析出させた後、前記沈殿物を焼成することによりGa−Al系結晶性酸化物を(Ga−Al系脱硝触媒)得る工程を含む製法(製法2)が挙げられる。
<製法1>
上記製法1としては、下記の2つの方法が好ましく挙げられる。
上記製法1としては、下記の2つの方法が好ましく挙げられる。
1)グリコサーマル法
グリコサーマル法では、有機溶媒としてグリコールを用い、当該有機溶媒中でGa及びAlを含む原料を前記有機溶媒の沸点以上の温度で熱処理する方法である。
グリコサーマル法では、有機溶媒としてグリコールを用い、当該有機溶媒中でGa及びAlを含む原料を前記有機溶媒の沸点以上の温度で熱処理する方法である。
Ga及びAlを含む原料としては、特に限定されない。例えば、Ga及びAlを含む化合物、Ga化合物とAl化合物との混合物等のいずれであっても良い。これらの化合物の形態としては、例えばアルコキシド(ノルマルプロポキシド、イソプロポキシド等)、アセチルアセトナート、オキシン錯体等の金属錯体;酢酸塩、シュウ酸塩(カルボン酸塩)等の有機酸塩;硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物等の無機酸塩のほか、各種の金属化合物を使用することができる。
より詳細には、ガリウム化合物としては、ガリウムアセチルアセトナート、酢酸ガリウム、シュウ酸ガリウム、塩化ガリウム、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム等の少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、酢酸ガリウム、シュウ酸ガリウム等のガリウムのカルボン酸塩;ガリウムアセチルアセトナート等の少なくとも1種が好ましい。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム等の少なくとも1種を使用することができる。これらの中でも、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等の少なくとも1種が好ましい。
原料におけるGa及びAlの比率は限定的でなく、モル比でGa:Al=1:0.5〜10程度、好ましくは1:1〜4程度とすれば良い。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール等の少なくとも1種が挙げられ、1,4−ブタンジオールがより好ましい。2種以上のグリコールを混合して使用することも可能である。また、溶媒中には、その他のグリコサーマル法を促進できる化合物を添加することも可能である。
グリコサーマル法を行う条件としては、例えば、必要に応じて撹拌しながら、不活性ガス雰囲気下で200〜500℃程度、好ましくは250〜400℃程度で反応を行うことができる。また、この反応は、不活性ガスで置換したオートクレーブ内の反応容器中で行うことが好ましい。オートクレーブ内の圧力も限定されず、目的とする化合物の種類等に応じて適宜選択することができる。不活性ガスの種類は限定されないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の少なくとも1種が使用できる。反応時間も限定されず、0.5〜10時間程度、好ましくは1〜5時間程度が例示できる。
このようにしてグリコサーマル法により得られた化合物を、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等の有機溶剤で洗浄、乾燥した後、例えば250〜800℃程度、好ましくは300〜500℃程度で焼成すれば良い。焼成時間も限定されず、焼成する化合物の種類、量等により適宜選択することができる。例えば、0.5〜10時間程度、好ましくは0.5〜3時間程度焼成すれば良い。
なお、酸化物の成分は、ICP発光分析等の公知の手段により確認することができる。また、酸化物における結晶の有無については、粉末X線回折等の公知の手段によって確認することができる。
2)ソルボサーマル法
ソルボサーマル法は、有機溶媒中に出発物質(前駆体)を溶解し、有機溶媒の沸点以上の温度で反応させることによって、結晶性の高い酸化物微結晶を合成できる技術である。
ソルボサーマル法は、有機溶媒中に出発物質(前駆体)を溶解し、有機溶媒の沸点以上の温度で反応させることによって、結晶性の高い酸化物微結晶を合成できる技術である。
Ga及びAlを含む原料としては、前記1)のグリコサーマル法で挙げたものと同様のものを使用することができる。
ソルボサーマル法で用いる有機溶媒(有機溶媒を構成する分子)は限定的ではないが、非共有電子対を3〜6個(3〜6対)有するものを使用することが望ましい。
非共有電子対を3〜6個有する有機溶媒は、通常は、Ga及びAlを含む原料のGa又はAlの1つの金属イオンに対して3〜6座に配位し、そのような状態で本発明に係るソルボサーマル法に供されることによって、より高い結晶性を有する酸化物が得られると考えられる。非共有電子対が1〜2個の場合にはキレート効果が小さくなり、所望の触媒性能を有する触媒を得ることができないことがある。一方、希土類元素等の特定の金属を除き、金属イオンの飽和配位数が6であることから、7個以上の非共有電子対は本発明では特に必要でない。
非共有電子対を3〜6個有する有機溶媒としては、例えばジエタノールアミン、ジエチレングリコール、ジエチレントリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン等の非共有電子対を3個有する溶媒;例えばトリエタノールアミン、トリエチレングリコール、トリエチレンテトラアミン、ニトリロトリ酢酸、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等の非共有電子対を4個有する溶媒;例えばテトラエチレングリコール、テトラエチレンペンタミン等の非共有電子対を5個有する溶媒;ペンタエチレングリコール、ペンタエチレンヘキサミンの非共有電子対を6個有する溶媒が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。これらの溶媒の中でも、分子中に窒素原子を含む溶媒(特にアミン系有機溶媒)が好ましい。
有機溶媒に前記原料を存在させるに際しては、前記原料のGa及びAlに有機溶媒の非共有電子対が3〜6座に配位した錯体が形成されるようにする。この場合、前記原料を有機溶媒に積極的に溶解させる必要はない。前記有機溶媒を用いる限り、反応条件下では、溶媒の配位能力により原料の一部が溶解するからである。従って、Ga及びAlの濃度は、そのような錯体が形成される限り特に制限されない。一般的には、両者の合計量で0.01〜1mol/L程度、特に0.1〜0.3mol/L程度とすることが好ましい。
熱処理は、有機溶媒中で上記原料をその有機溶媒の沸点以上の温度に加熱することにより行う。熱処理温度は、用いる有機溶媒の種類等によって異なるが、通常は200〜500℃程度、好ましくは250〜330℃程度とすれば良い。反応時間(加熱時間)は、熱処理温度等により異なるが、一般的には0.5〜10時間程度、好ましくは1〜5時間程度とすれば良い。上記熱処理は、必要に応じて、撹拌下に熱処理を行うことができる。撹拌することにより、金属化合物が十分に懸濁され、均質な触媒を得ることができる。
また、上記熱処理は、有機溶媒の酸化を防ぐことができるという見地より、不活性ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。使用する不活性ガスの種類は限定されず、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等を使用することができる。
熱処理は、オートクレーブ内で行うこともできる。オートクレーブは、温度の調節が容易である点で好ましい。その際、オートクレーブ内の雰囲気を不活性ガスで置換又は加圧
しても良い。オートクレーブ内の圧力は、所望の脱硝触媒が得られる限り限定されず、適宜調節すれば良い。例えば、溶媒の蒸気圧下でも良いし、不活性ガスによる加圧下でも良い。
しても良い。オートクレーブ内の圧力は、所望の脱硝触媒が得られる限り限定されず、適宜調節すれば良い。例えば、溶媒の蒸気圧下でも良いし、不活性ガスによる加圧下でも良い。
熱処理により得られた生成物は、必要に応じて有機溶媒で洗浄した後、乾燥すれば良い。上記有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類のほか、アセトン等を使用することができる。乾燥した後は、そのまま脱硝触媒として使用することができる。
本発明では、必要に応じて、さらに大気雰囲気下で焼成することもできる。焼成を行う場合には、触媒中又は触媒表面に存在する有機溶媒を完全に除去でき、より高い触媒活性を発揮することができる。焼成の条件としては、得られた触媒が所望の脱硝活性を有する限り限定されない。特に、焼成温度は、例えば250〜800℃程度、特に500〜700℃程度とすることが望ましい。また、焼成時間は、例えば0.5〜10時間程度、好ましくは0.5〜3時間程度とすれば良い。
上記のようにして得られた酸化物は、実質的にGa−Al系結晶性酸化物から構成される。GaとAlとの比率は特に限定されないが、前記と同様にモル比でGa:Al=1:0.5〜10程度、好ましくは1:1〜4程度とすれば良い。
なお、酸化物の成分は、ICP発光分析等の公知の手段により確認することができる。また、酸化物における結晶の有無については、粉末X線回折等の公知の手段によって確認することができる。
本発明では、必要に応じて、さらに大気雰囲気下で焼成することもできる。焼成は、グリコサーマル法の場合と同様にして実施することができる。
<製法2>
製法2は、共沈法とも呼ばれる製法であり、Gaイオン及びAlイオンを含む水溶液からアルカリの存在下で沈殿物を析出させた後(工程a)、前記沈殿物を焼成することによりGa−Al系結晶性酸化物を得る(工程b)方法である。
製法2は、共沈法とも呼ばれる製法であり、Gaイオン及びAlイオンを含む水溶液からアルカリの存在下で沈殿物を析出させた後(工程a)、前記沈殿物を焼成することによりGa−Al系結晶性酸化物を得る(工程b)方法である。
まず、工程aとして、Gaイオン及びAlイオンを含む水溶液からアルカリの存在下で沈殿物を析出させる。
Gaイオン及びAlイオンを含む水溶液は、例えば水溶性ガリウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物を水に溶解して得られる水溶液を使用することができる。前記水溶性ガリウム化合物及び前記水溶性アルミニウム化合物の形態、具体例、並びにGa及びAlの比率については、前記1)グリコサーマル法にて説明したGa及びAlを含む化合物等の形態、ガリウム化合物及びアルミニウム化合物の具体例並びにGa及びAlの比率と同様である。特に、水溶性ガリウム化合物としては、硝酸ガリウム等の硝酸塩;酢酸ガリウム、シュウ酸ガリウム等のガリウムのカルボン酸塩;ガリウムアセチルアセトナート等の少なくとも1種が好ましい。また、アルミニウム化合物としては、硝酸アルミニウム等の硝酸塩;アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド等のアルミニウムアルコキシド、アルミニウムアセチルアセトナート等の少なくとも1種が好ましい。
Gaイオン及びAlイオンの濃度は、特に制限されない。一般的には、両者の合計量で0.01〜1mol/L程度、特に0.1〜0.3mol/L程度とすることが好ましい。
次いで、上記水溶液にアルカリ(塩基)を添加して沈殿物を析出させる。アルカリは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、ジエチレントリアミン等の公知のアルカリを使用することができる。特に、本発明では、後記のピークをもつ沈殿物をより確実に得ることができるという点で炭酸アンモニウムを用いることが望ましい。
アルカリの添加量は、沈殿物を生成させるのに十分な量(当量又はそれ以上)とすれば良いが、特に当量の2倍以上、さらに3倍以上とすることが望ましい。これによって、後記に示す特定のピークをもつ沈殿物をより確実に調製することが可能となる。
次いで、工程bとして、工程aで得られた前記沈殿物を焼成することによりGa−Al系結晶性酸化物を得る。
工程bにおける焼成温度は、例えば250〜800℃程度、特に500〜750℃程度とすることが望ましい。また、焼成時間は、例えば0.5〜10時間程度、好ましくは1〜3時間程度とすれば良い。焼成雰囲気は、大気中又は酸化性雰囲気とすれば良い。
上記のようにして得られた酸化物は、実質的にGa−Al系結晶性酸化物から構成される。GaとAlとの比率は特に限定されないが、前記と同様にモル比でGa:Al=1:0.5〜10程度、好ましくは1:1〜4程度とすれば良い。
なお、工程bに先立って、沈殿物を水洗、乾燥等の処理を施しておいても良い。乾燥は、自然乾燥、加熱乾燥等のいずれであっても良い。
また、必要に応じて工程aと工程bとの間に、工程aで得られた沈殿物(熱処理していないもの(前駆体))のX線回折パターンにおいて、2θ=14.5〜16度、21〜22度、25.5〜26.5度、26.6〜28度、33〜35度及び43〜45度の各範囲でそれぞれ1つ以上のピークを有するものを選出する工程を行うことが好ましい。このような工程を得て製造することによって、高い反応活性(脱硝性能)を得ることができる。
3.選出方法及び製造方法
窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒から、高活性な脱硝触媒を選出する方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、及び
(2)水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、を備える。
窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒から、高活性な脱硝触媒を選出する方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、及び
(2)水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、を備える。
(1)の工程は、前述したものと同様にして実施すれば良い。
(2)の工程は、(1)の工程により得られた測定結果に基づいて、水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上(特に0.015〜0.025mol)であるのものを選出する。このような選出された触媒活性は、窒素酸化物に炭化水素(特にメタン)を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるための触媒として高い活性を示す。
上記選出は、例えば、(1)の工程において昇温還元法を採用した場合を一例に挙げて説明すると、昇温還元法により得られる図1に示されるプロファイル(縦軸:水素消費量、横軸:温度)を参照して、水素消費量が高い数値を示す脱硝触媒のみを分別すればよい。特に、ピークを示す温度域、例えば、5〜900℃(好ましくは20〜350℃、特に好ましくは100〜250℃)における水素消費量を基準に判断して、水素消費量(縦軸)が例えば、0.01以上(好ましくは0.015〜0.025℃)を示す脱硝触媒を分別すればよい。このようにピークを示す温度域で判断することにより、時間、操作性、再現性等の観点で有利である。
本発明の選出方法及び製造方法は、高活性な脱硝触媒、特に、脱硝率が30%以上、より好ましくは40〜100%という脱硝触媒を選出及び製造することに適している。また、本発明の方法は、特に、脱硝触媒が通常350〜650℃、特に400〜600℃、さらには450℃付近に加熱された場合における高活性な触媒を選出及び製造することに適している。
なお、本発明において、脱硝率(%)とは反応前のNOの濃度(mol)に対する反応により減少したNOの割合をいう。
本発明では、特にソルボサーマル法で製造したGa−Al系脱硝触媒から選出することが好ましい。これにより、より容易に触媒活性が高い脱硝触媒を選別及び製造することができる。
4.脱硝方法
本発明の選出方法及び製造方法で得られた脱硝触媒は、前記脱硝触媒の存在下において、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換することにより、脱硝することができる。
本発明の選出方法及び製造方法で得られた脱硝触媒は、前記脱硝触媒の存在下において、窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換することにより、脱硝することができる。
本発明に適用される窒素酸化物(NOx)の種類は限定されない。例えば、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一酸化二窒素(N2O)、三酸化二窒素(N2O3)等の気体の窒素酸化物を使用することができる。これらの中でも、NO、NO2が比較的安定という点でより一層好適である。
炭化水素としては、特に限定されない。本発明では、特に炭素数1〜4の炭化水素を好適に使用することができる。炭素数1〜4の炭化水素としては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン等の低級炭化水素の少なくとも1種が好ましく、この中でもメタンがより好ましい。
用いる炭化水素の濃度は限定されない。例えば、窒素酸化物1molに対して炭化水素1〜200mol程度、好ましくは炭化水素2〜50mol程度とすれば良い。
反応系には、酸素が通常10〜20vol%、好ましくは12〜15vol%含まれている。上記範囲内の酸素が存在することにより、より効果的に脱硝反応を進行させることができる。
また、反応系に水蒸気を含む場合、反応ガス中に含まれる水蒸気の量は限定されないが、例えば、反応ガス全量中25vol%程度以下、好ましくは10vol%程度以下とすることが好ましい。換言すれば、本発明では、2vol%以上の水蒸気を含む雰囲気下であっても、優れた触媒活性を得ることができる。
なお、反応ガス中には、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていても良い。
脱硝触媒による反応形式は特に限定されず、例えば固定床、流動床等のいずれの形式であっても良い。また、回分式又は連続式のいずれであっても良い。
脱硝触媒の形態は、特に4〜200メッシュ、好ましくは10〜22メッシュの篩いを通過する程度の大きさの粒子の形態で使用するのがより好ましい。このような範囲の粒子径を有する触媒を使用することにより、高流速条件下でも差圧を生じにくく、安定した触媒作用が得られる。
反応ガスの流速、流量等は限定されず、反応ガス中の窒素酸化物等の濃度、反応温度等に応じて適宜選択することができる。例えば、本発明の触媒1gに対して、50〜5000mL/分程度、好ましくは200〜2000mL/分程度とすれば良い。脱硝を行う際の温度は、例えば、300〜800℃程度、好ましくは450〜700℃程度とすれば良い。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
製造例1(グリコサーマル法)
触媒の調製を行った。容量200mLの試験管において、ガリウムとアルミニウムとの比率(モル比)が3:7となるようにガリウムアセチルアセトナート(Ga(acac))とアルミニウムイソプロポキシド(AIP)を80mLの溶媒(1,5−ペンタンジオール)中に懸濁させた。その試験管をオートクレーブに設置した。オートクレーブに仕込み、オートクレーブと試験管との間隙にも少量の溶媒を加えた。その後、系内を窒素置換した後、300℃で2時間反応させた。得られた脱硝触媒は、風乾させた後、700℃で焼成した。
触媒の調製を行った。容量200mLの試験管において、ガリウムとアルミニウムとの比率(モル比)が3:7となるようにガリウムアセチルアセトナート(Ga(acac))とアルミニウムイソプロポキシド(AIP)を80mLの溶媒(1,5−ペンタンジオール)中に懸濁させた。その試験管をオートクレーブに設置した。オートクレーブに仕込み、オートクレーブと試験管との間隙にも少量の溶媒を加えた。その後、系内を窒素置換した後、300℃で2時間反応させた。得られた脱硝触媒は、風乾させた後、700℃で焼成した。
製造例2(ソルボサーマル法)
溶媒をジエチレントリアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
溶媒をジエチレントリアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
製造例3(ソルボサーマル法)
溶媒を2−メチルアミノエタノールに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
溶媒を2−メチルアミノエタノールに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
製造例4(ソルボサーマル法)
溶媒をジグリコールアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
溶媒をジグリコールアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
製造例5(ソルボサーマル法)
溶媒をトリエチレンテトラアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
溶媒をトリエチレンテトラアミンに変更したほかは、実施例1と同様にして脱硝触媒を得た。
製造例6(共沈法)
ガリウムとアルミニウムとの比率(モル比)が1:1となるように硝酸ガリウムn水和物(Ga=18.9%)と硝酸アルミニウム9水和物を水100mLに溶解させて水溶液を調製した。次に、前記水溶液に炭酸アンモニウムを一気に加えてスターラーで1時間攪拌した。生成した沈殿物を数回水で洗浄して回収した。得られた脱硝触媒は、風乾させた後、700℃で焼成した。
ガリウムとアルミニウムとの比率(モル比)が1:1となるように硝酸ガリウムn水和物(Ga=18.9%)と硝酸アルミニウム9水和物を水100mLに溶解させて水溶液を調製した。次に、前記水溶液に炭酸アンモニウムを一気に加えてスターラーで1時間攪拌した。生成した沈殿物を数回水で洗浄して回収した。得られた脱硝触媒は、風乾させた後、700℃で焼成した。
実施例1
各製造例で調製された脱硝触媒について、水素含有ガスを還元剤として昇温還元法(H2−TPR)を行った。
各製造例で調製された脱硝触媒について、水素含有ガスを還元剤として昇温還元法(H2−TPR)を行った。
昇温還元法に用いる装置としては、Thermal conductivity detector(SHIMAZU社製、型番「GAS70 GC-4C」)を用いた。
まず、脱硝触媒0.1g秤取し、上記装置中の石英管に充填し、アルゴン気流中で700℃で30分間加熱することにより、前処理を行った。
次いで、アルゴン気流中で室温まで温度を下げた後、昇温還元法を行った。具体的には、アルゴン気流の代わりに、2(体積)%−H2/アルゴンガスとし、10℃/分で900℃まで昇温した。
この時の測定結果を図1に示す。
試験例1
製造例で調製された脱硝触媒について、脱硝作用を調べた。各製造例で得られた触媒をそれぞれ篩いにかけ、10〜22メッシュを通過するサイズのものを使用した。このような触媒を、それぞれ0.5gずつ、別々に直径10mmの石英製反応管の中に詰めた。
製造例で調製された脱硝触媒について、脱硝作用を調べた。各製造例で得られた触媒をそれぞれ篩いにかけ、10〜22メッシュを通過するサイズのものを使用した。このような触媒を、それぞれ0.5gずつ、別々に直径10mmの石英製反応管の中に詰めた。
前処理として、上記ガラス管にヘリウムガスを通した。当該ヘリウムガスは10℃/分の速度で昇温させ、650℃になってから30分間通し、脱硝触媒の温度を、650℃とした。
その後、この反応ガス(20℃)を100ml/分の速度で反応管に流入させた。反応ガスの組成(体積比)は、NO:1000ppm,CH4:1000ppm,O2:6.7%,He:残部とした。反応後のガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。
次いで、触媒層の温度を50℃下げて、同様に、ガスクロマトグラフィーにより分析した。これを触媒層の温度50℃間隔で350℃となるまで繰り返し同様に分析した。
これらの分析のうち、触媒層温度が450℃(即ち、脱硝触媒の温度が450℃)の場合の分析により得られた脱硝率(反応前のNOの濃度(mol)に対する反応により減少したNOの割合)(%)と、H2−TPRにおけるガリウム1mol当たりの水素消費量との関係のグラフを図2に示す。
この図から明らかなように、ガリウム1mol当たりの水素消費量が高くなればなるほど、脱硝率が高くなる、即ち、触媒活性が高くなることが分かった。従って、実際に脱硝反応を行わずとも、還元された水素消費量の測定結果により、触媒活性が高い脱硝触媒を容易に予測することができることが分かった。
Claims (9)
- 窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の触媒活性を予測する方法であって、
前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
を備えた、脱硝触媒の触媒活性の予測方法。 - 水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、請求項1に記載の予測方法。
- 脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、請求項1又は2に記載の予測方法。
- 窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒から、高活性な脱硝触媒を選出する方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、及び
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の選出方法。 - 水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、請求項4に記載の選出方法。
- 脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、請求項4又は5に記載の選出方法。
- 窒素酸化物に炭化水素を還元剤として作用させることによって、当該窒素酸化物を窒素及び水に変換する反応に用いるためのGa−Al系脱硝触媒の製造方法であって、
(1)前記脱硝触媒を水素含有雰囲気において還元した際のGa1mol当たりの水素消費量を測定する工程、
(2)前記水素消費量がGa1mol当たり0.01mo1以上である脱硝触媒を選出する工程、
を備えた、脱硝触媒の製造方法。 - 水素消費量が、脱硝触媒の温度が20〜350℃における消費量である、請求項7に記載の製造方法。
- 脱硝触媒の触媒活性が、当該脱硝触媒の温度が350〜650℃における触媒活性である、請求項7又は8に記載の製造方法。
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CN106248864A (zh) * | 2016-07-13 | 2016-12-21 | 大唐南京环保科技有限责任公司 | 一种基于海量运行数据的scr脱硝催化剂寿命预测方法 |
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