JP2009252468A - 放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 放電容器1の内部に当該放電容器1の管軸方向において対向するように一対の電極が配置され、前記電極の一方が、基体部20と蓋部30とが溶接されることにより形成された密閉空間12の内部に、基体部20を構成する金属よりも融点が低い金属からなる伝熱体13が封入されて構成される放電ランプにおいて、伝熱体13として封入する金属の大気圧における沸点をTb(℃)としたとき、伝熱体13の常温時における封入量M(体積%)が M<0.041Tb−7.5 の関係を有することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
また、一対の電極が垂直方向に対向する姿勢で点灯される放電ランプにおいては、発光管内の熱対流などの影響を受けることも加わり、上方に位置する電極が、アークからの熱によって高温となって溶解に至る場合もある。
図1に示すように、放電ランプは、略球状の発光管2と、発光管2の両端に連続して形成された封止管3とからなる放電容器1を備えており、放電容器1の内部に、いずれもタングステンよりなる陽極4および陰極5よりなる一対の電極4、5が互いに対向して配置されている。
また、本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記伝熱体の常温時における封入量M(体積%)は90体積%以下であることを特徴とする。
また、伝熱体の常温時における封入量M(体積%)をM<0.041Tb−7.5の範囲とすることにより、溶接のために加熱する際に、伝熱体が相当に高温となることを防げる。したがって、溶接時に伝熱体が過熱状態となって飛散することや、気体状態となることを防止し、溶接部に伝熱体が入り込むことがなく、溶接部を高い溶接強度で気密に封止することができる。
放電ランプは、例えば石英ガラスなどの光透過性材料よりなり、概略球状の発光管2とその両端に連続して外方に伸びる封止管3とを有する放電容器1を備え、放電容器1の内部には、各々例えばタングステン(W)からなる陽極4および陰極5が放電容器1の管軸方向において対向配置されている。放電ランプは、放電容器1の管軸が地面に対して垂直方向に支持されて点灯される、いわゆる垂直点灯型の放電ランプである。放電容器1の内部空間には、発光物質または始動補助用のガスとしての水銀およびバッファガスがそれぞれ所定の封入量で封入されている。バッファガスとしては、例えばキセノンガスが封入される。水銀の封入量は、例えば1〜70mg/cm3の範囲内、例えば22mg/cm3とされ、キセノンガスの封入量は例えば0.05〜0.5MPaの範囲内、例えば0.1MPaとされる。
内部リード6の他端部は、封止管3内に配設された、例えば石英ガラスよりなる略円柱状のガラス部材7に支持されている。また、放電容器1の外部に導出、すなわち封止管3の外端より外方に突出して伸びるよう設けられた外部リード8の一端部がガラス部材7に支持されている。
陽極4は、基体部20と蓋部30とが嵌合されて溶接されることにより形成された密閉空間12の内部に伝熱体13が気密に封入されて構成されている。陽極4の先端側に基体部20が配置され、陽極4の内部リード6側に蓋部30が配置される。基体部20は、蓋部30に対向する端面に開口21を有し、電極先端部11に底面22を有する有底筒状に形成されている。蓋部30は、円錐台形の蓋部側フランジ部31の中央から突出するように円柱状の嵌入部32が形成されている。
また、蓋部30の蓋部側フランジ部31の中央には、上端面34に開口21を有する内部リード用孔33が形成されている。この内部リード用孔33に内部リード6が圧入されて、陽極4と内部リード6とが接続される。
なお、本発明の陽極4の構成は、図2に示す陽極4に限られず、適宜変更可能である。例えば、図4に示す陽極4のように、溶接部14を、側面の外周ではなく、上端面34に用いる場合にも適用できる。
先ず、タングステンからなる円柱状部材に対し切削加工を施すことにより、基体部20および蓋部30を作製する。この基体部20の内部空間内に伝熱体13を充填する。伝熱体13としては、陽極4を構成する金属に比較して低い融点を有する金属が用いられる。例えば、陽極4をタングステン(W)により構成した場合には、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)などが伝熱体13として用いられ、特に銀(Ag)、銅(Cu)または金(Au)が良好であり、特に好ましくは銀(Ag)である。
M<0.041Tb−7.5
ただし、伝熱体13の常温時における封入量M(体積%)とは、陽極4の全体積から、基体部20の体積と蓋部30の体積とを除いた密閉空間12の体積に対する、伝熱体13の占める体積を、割合(体積%)で示したものである。
また、銀(Ag)、銅(Cu)および金(Au)は、いずれも、タングステン(W)と合金を形成するものではないので、陽極4の密閉空間12内において溶融しても安定状態にあり、熱輸送体として機能する。
このように、伝熱体13として封入する金属の沸点に応じて伝熱体13の封入量を調整すれば、基体部20と蓋部30とを溶接する際に伝熱体13が過熱状態となって飛散することや、気体状態となることを防止できる。したがって、基体部20と蓋部30との間に伝熱体13が入り込むことがなく、溶接部14を高い溶接強度で気密に封止することができ、かつ、伝熱体13がガス導入孔36を閉塞することがない。
〔実験例1〕
上記した製造方法によって図2に示す電極構造を有する陽極を製作し、溶接部が密閉封止されているか否か調べた。
陽極の構成は下記の通りである。
<仕様>
・陽極 材質:タングステン、軸方向長さ:55mm、胴部外径:29mm、密閉空間:9100mm3
・内部リード棒 材質:タングステン、外径:6mm
縦軸は伝熱体の常温時における封入量(体積%)を示し、横軸は伝熱体として封入する金属の大気圧における沸点(℃)を表している。各伝熱体の材料に対して、実験結果をプロットした。
伝熱体として銅(Cu)を用いた場合には、沸点が2580℃であり、封入量を90体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
伝熱体として錫(Sn)を用いた場合には、沸点が2270℃であり、封入量を85体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
伝熱体として銀(Ag)を用いた場合には、沸点が2184℃であり、封入量を80体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
伝熱体としてインジウム(In)を用いた場合には、沸点が2000℃であり、封入量を75体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
伝熱体として亜鉛(Zn)を用いた場合には、沸点が906℃であり、封入量を25体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
伝熱体として亜鉛(Zn)に銅(Cu)を20mol%添加した混合物を用いた場合には、沸点が929℃と導出され、封入量を30体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。
M<0.041Tb−7.5
実験例1に比べて陽極の寸法を大きくしたものを用いて、実験例1と同様に溶接部が密閉封止されているか否か調べた。具体的には、陽極の仕様として、胴部外径を29mmから35mmに変更したものを測定対象とした。ただし、伝熱体の材質は銀のみを対象とした。
陽極の構成は下記の通りである。
<仕様>
・陽極 材質:タングステン、軸方向長さ:70mm、胴部外径:35mm、密閉空間:15000mm3
・内部リード棒 材質:タングステン、外径:6mm
・伝熱体 材質:銀
密閉空間の体積に対する伝熱体の封入量を75体積%〜90体積%とした陽極を実験対象とした。実験例1と同様に、アーク中に伝熱体を構成する金属の発光色が観測されたときを×とし、観測されなかったときを○とした。
また、実験例1の結果に示すように、実施例1に用いた仕様の陽極に、伝熱体として銀を封入したときも、封入量を80体積%以下とすれば溶接部を密閉封止できた。実施例2において用いた陽極は、実施例1において用いた陽極の寸法を大きくしたものであるが、どちらも実際の放電ランプの陽極として用いられる大きさのものである。
実験の結果より、陽極の寸法は、発光管の内部に配置して陽極として使用され得る範囲内であれば、寸法に変更を加えても、溶接部を密閉封止できる伝熱体の封入量の上限に変わりはないことがわかった。
また、今回アーク溶接で実験を行ったが、レーザ溶接の場合も、基体部側フランジ部と蓋部側フランジ部を溶融させて溶接するので、伝熱体封入量は溶接方法にかかわらず、同様の結果が得られる。
4 陽極
11 電極先端部
12 密閉空間
13 伝熱体
14 溶接部
20 基体部
30 蓋部
Claims (2)
- 放電容器の内部に当該放電容器の管軸方向において対向するように一対の電極が配置され、前記電極の一方が、基体部と蓋部とが溶接されることにより形成された密閉空間の内部に、前記基体部を構成する金属よりも融点が低い金属からなる伝熱体が封入されて構成される放電ランプにおいて、
前記伝熱体として封入する金属の大気圧における沸点をTb(℃)としたとき、前記伝熱体の常温時における封入量M(体積%)が
M<0.041Tb−7.5
の関係を有することを特徴とする放電ランプ。 - 前記伝熱体の常温時における封入量M(体積%)は90体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
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CN105637614B (zh) * | 2013-09-24 | 2017-05-17 | 株式会社Orc制作所 | 放电灯、放电灯用电极、以及放电灯用电极的制造方法 |
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