JP2009251215A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気泳動粒子の残留が抑制されるとともに開口率も高く、コントラストの良好な高品質表示が可能な電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】電気泳動表示装置を、少なくとも前面電極4が透明な一対の前面電極4と背面電極5を対向させ、この電極間に隔壁7を設けて複数のセル6が構成され、各セルに電気泳動粒子13と分散液12とを含む電気泳動分散液11を収容したものとし、電極に平行な断面におけるセルの形状を、四角形以上の角形で、かつ、異なる方向に延設された隔壁7の壁面は曲率半径Rの曲面8を介して連続するものとし、隔壁7の壁面7aを、前面電極側の隔壁断面幅が背面電極側の隔壁断面幅よりも狭くなるように傾斜させ、この壁面が前面電極となす角度を45°〜90°、壁面が背面電極となす角度を90°〜135°の範囲内とし、電気泳動粒子13の平均粒径dを0.01〜100μmの範囲内とし、かつ、曲率半径Rとの間にd<Rの関係が成立するものとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気泳動粒子と分散液とを含む電気泳動分散液を複数のセルに収容してなる電気泳動表示装置に関する。
近年、電気泳動表示装置は、低消費電力化、薄型化、フレキシブル化、メモリー性が可能であることから種々の電子機器、携帯機器や電子ペーパー等への利用が進んでいる。電気泳動表示装置は、基本的には、1対の電極を対向させ、電極間に隔壁を設けて複数のセルを構成し、各セルに電気泳動粒子と分散液とを含む電気泳動分散液を収容したものである。このような電気泳動表示装置としては、電気泳動性が同一で色調、泳動速度が互いに異なる2種の電気泳動素子を分散した電気泳動分散液を使用するもの(特許文献1)、電気泳動性が異なる2種の電気泳動素子を分散した電気泳動分散液を使用するもの(特許文献2)、所望の着色分散液中に1種の電気泳動粒子を分散した電気泳動分散液を使用するもの(特許文献3)が知られている。また、電気泳動粒子と分散液を内包したマイクロカプセルを配列し、1対の電極基板で挟持した構造の電気泳動表示装置(特許文献4)も知られている。
特開昭63−50886号公報 特表平8−510790号公報 特開2002−202533号公報 特開2002−357853号公報
電極間に隔壁を設けて複数のセルを構成した構造の電気泳動表示装置では、表示コントラストを向上させるために、開口率を高めることが要求される。このため、セルを画定する隔壁を薄くするとともに、セルを最密充填することが必要となり、電極に平行な断面におけるセルの形状は、一般に正方形あるいは正六角形とされる。しかし、このようなセル構造では、異なる方向に延設された隔壁が交わって生じる角部がセル内に存在することになり、セル内への電気泳動分散液の充填時の気泡が上記の角部に残留したり、駆動における電圧印加の繰り返しによって上記の角部に電気泳動粒子が残留するようになり、各セルのコントラストが低下するという問題があった。また、このような問題を解消するために、例えば、電極基板に平行な断面におけるセル形状を円形にすると、隔壁の厚みが増大して開口率が低下するという問題があった。
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、電気泳動粒子の残留が抑制されるとともに開口率も高く、コントラストの良好な高品質表示が可能な電気泳動表示装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、少なくとも前面電極が透明な一対の前面電極と背面電極を対向させ、該電極間に隔壁を設けて複数のセルを構成し、該セルに電気泳動粒子と分散液とを含む電気泳動分散液を収容した電気泳動表示装置において、電極に平行な断面におけるセルの形状は四角形以上の角形であり、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲率半径Rの曲面を介して連続し、隔壁の壁面は、前面電極側の隔壁断面幅が背面電極側の隔壁断面幅よりも狭くなるように傾斜しており、隔壁の壁面が前面電極となす角度は45°〜90°の範囲内であり、隔壁の壁面が背面電極となす角度は90°〜135°の範囲内であり、電気泳動粒子の平均粒径dは0.01〜100μmの範囲であるとともに、前記曲率半径Rとの間にd<Rの関係が成立するような構成とした。
本発明の他の態様として、セルの開口率は25%以上であるような構成とした。
本発明によれば、断面が四角形以上の角形であるセルを画定する隔壁は、角部を有することなく曲面を介して連続し、電気泳動粒子の平均粒径が所定の範囲であるとともに、曲面の曲率半径との間に所定の関係が成立するので、駆動における電圧印加の繰り返しによる電気泳動粒子の残留が防止されるとともに、セル内へ電気泳動分散液を充填する際の気泡の残留も防止され、また、隔壁の壁面が傾斜し、壁面と電極とがなす角度が所定の範囲内であるので、前面電極側で高い開口率が得られ、ムラがなくコントラストの良好な高品位表示が可能である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の電気泳動表示装置の一実施形態を示す部分縦断面図であり、図2は図1に示される電気泳動表示装置を構成する隔壁の部分平面図である。図1および図2において、本発明の電気泳動表示装置1は、透明パターン電極(前面電極)4を一方の面に備えた透明基材2と、透明パターン電極(背面電極)5を一方の面に備えた透明基材3と、を隔壁7を介して対向させたものである。隔壁7は対向する透明パターン電極4と透明パターン電極5との間に複数のセル6を画定するものであり、各セル6中には、電気泳動粒子13と分散液12とを含む電気泳動分散液11が収容されている。この電気泳動表示装置1では、透明パターン電極4を一方の面に備えた透明基材2側が表示認識者側となる。
電気泳動表示装置1を構成する隔壁7は、透明パターン電極4と透明パターン電極5に平行な断面におけるセル6の形状が四角形以上の角形となるように形成されている。図2に示される隔壁7は、セル6の形状が正方形となるように形成されている。また、図2に示されるように、本発明では、異なる方向に延設された隔壁7の壁面は、鎖線で示すような90°の角部を有することなく、曲面8を介して連続している。そして、この曲面8の曲率半径Rは、電気泳動粒子13の平均粒径dとの間にd<Rの関係が成立するものである。曲率半径Rと平均粒径dとの間にd<Rの関係が成立しない場合、隔壁7が異なる方向に屈曲する箇所に存在する曲面8に、電気泳動粒子13が残留し易く、安定した表示を得ることが難しくなる。尚、曲率半径Rの上限は、開口率を考慮して適宜設定することができ、例えば、10mm、好ましくは1mm程度とすることができる。尚、本発明における曲率半径Rは、フィゾー型の干渉計を用いた曲率半径測定方法を用いて測定した値とする。
また、隔壁7は、図1に示されるように、その壁面7aが、透明パターン電極(前面電極)4側の隔壁断面幅が透明パターン電極(背面電極)5側の隔壁断面幅よりも狭くなるように傾斜している。そして、隔壁7の壁面7aが透明パターン電極(前面電極)4となす角度θ1は45°〜90°の範囲内であり、隔壁7の壁面7aが透明パターン電極(背面電極)5となす角度θ2は90°〜135°の範囲内である。上記の角度θ1が45°未満であると、透明パターン電極4と隔壁7の壁面7aとがなす角部に電気泳動粒子13が集まり易く、粒子濃度が変化して表示ムラの要因となる。また、上記の角度θ2が135°を超えると、電極4,5に平行な断面におけるセル6の面積が透明パターン電極4側とパターン電極5側とで大きく異なり、セル6内に充填した電気泳動粒子13の厚みに傾斜(セル6の中央部の厚みに比べて周辺部の厚みが小さくなる)が発生し、表示ムラの要因となる。
尚、隔壁7の壁面7aが平面である場合、図1に示されるように、隔壁7の断面は台形となるが、これに限定するものではない。すなわち、隔壁7の壁面7aがセル6側に突出した凸曲面、あるいは、隔壁側に凹んだ凹曲面であってもよい。このように隔壁7の壁面7aが曲面の場合、上記の角度θ1、θ2は、壁面7aが電極4,5から立ち上がる箇所の曲面の接線と電極4,5とがなす角である。また、このような隔壁7は、透明パターン電極(前面電極)4側の断面幅が1〜1000μm、好ましくは10〜100μmの範囲となるように設定することができる。
本発明では、隔壁7によって画定されるセル6の開口率は25%以上、好ましくは60%以上とする。また、個々のセル6の開口面積は、例えば、1×10-3〜1mm2の範囲、セル6の容積は、例えば、1×10-6〜1mm3の範囲とすることができる。
ここで、本発明における開口率とは、隔壁7の透明パターン電極(前面電極)4側の端面に占める開口部の率である。本発明では隔壁7の壁面7aが傾斜しているため、透明パターン電極4側とパターン電極5側とで開口率が異なる。本発明では、表示認識者側、すなわち、透明パターン電極(前面電極)4側の開口率が上記の範囲を満足することが好ましい。
電気泳動表示装置1を構成する電気泳動粒子13は、その平均粒径dが0.01〜1000μm、好ましくは0.1〜10μmの範囲である。また、上述のように、曲率半径Rとの間にはd<Rの関係が成立するものである。平均粒径dが0.01μm未満であると、電気泳動粒子13が凝集して、隔壁7が異なる方向に屈曲する箇所に残留し易くなり、100μmを超えると、電気泳動粒子13が大き過ぎて、全体に隙間が多くコントラストのムラが生じて好ましくない。また、平均粒径dと曲率半径Rとの間にd<Rの関係が成立しない場合、隔壁7が異なる方向に屈曲する箇所に存在する曲面8に、電気泳動粒子13が残留し易く、安定した表示を得ることが難しくなる。
尚、本発明では、電気泳動表示装置の用途に応じて、対向する電極の一方、あるいは両方をパターン電極ではなく、表示画面の全面に設けられた電極としてもよい。
また、上述の実施形態では、セル6の形状が正方形となるように隔壁7が形成されているが、図3に示すように、セル6の形状が正六角形となるように隔壁7が形成されたものであってもよい。この場合も、異なる方向に延設された隔壁7の壁面は、鎖線で示すような120°の角部を有することなく、曲面8を介して連続しており、この曲面の曲率半径Rの上限も、開口率を考慮して適宜設定することができ、例えば、10mm、好ましくは1mm程度とすることができる。
次に、本発明の電気泳動表示装置を構成する各部材の材料等について説明する。
透明基材2,3は、例えば、ガラス基材、透明樹脂基材等を使用することができ、厚みは10μm〜5mm、好ましくは25〜200μmの範囲で適宜設定することができる。尚、表示認識者から見て背面に位置する透明基材3を、不透明な基材とすることもできる。この場合、不透明な基材として、電極面とは異なるもう一方の面を粗面化した不透明なガラス基材、あるいは、電極面とは異なるもう一方の面に金属膜を蒸着した不透明なガラス基材、染料または顔料を練り込んだ不透明樹脂基材等を使用することができる。また、このような不透明な基材上に形成される電極も、下記のような透明電極でなく、Cu、Ag、Au、Al等の金属電極であってもよい。
透明パターン電極4,5は、それぞれ図示していない電圧印加装置に接続され、例えば、印加電圧1〜500Vの範囲で任意に電極の電荷を制御可能とされている。このような透明パターン電極4,5は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等を用いて、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。
電気泳動表示装置1を構成する隔壁7は、感光性樹脂材料を用いて形成することができる。例えば、図2に示されるような形状の隔壁7をポジ型の感光性樹脂材料を用いて形成する場合には、図4に示されるような露光マスクを用いて露光を行うことができる。図4に示される露光マスク21では、格子状の遮光部22を有し、遮光部22の交差する箇所には、光透過部23側に張り出すように微細遮光部24が設けられている。この微細遮光部24の寸法sは解像限界以下の微小なものであるため、露光マスク21を介したポジ型感光性樹脂材料の露光によって、壁面が曲面8を介して連続するような隔壁7を形成することができる。また、ポジ型感光性樹脂材料の深さ方向での露光量が低下することを利用して、隔壁7の壁面7aを傾斜させることができる。この場合、露光マスク21に近接する側で隔壁7の断面厚みが小さくなり、ポジ型感光性樹脂材料の深さ方向に向って隔壁7の断面厚みが次第に大きくなる。したがって、ポジ型の感光性樹脂材料を用いて隔壁7を形成する場合には、透明パターン電極5を一方の面に備えた透明基材3に隔壁7を形成し、電気泳動分散液11の充填を行った後、透明パターン電極4を一方の面に備えた透明基材2と隔壁7とを粘着剤を介して固着することが好ましい。
一方、図2に示されるような形状の隔壁7をネガ型の感光性樹脂材料を用いて形成する場合には、図4に示されるような露光マスクの遮光部22、微細遮光部24と光透過部23とを逆にした露光マスクを使用して露光を行うことができる。この場合、感光性樹脂材料の深さ方向での露光量低下により、露光マスク21に近接する側で隔壁7の断面厚みが大きくなり、ネガ型感光性樹脂材料の深さ方向に向って隔壁7の断面厚みが次第に小さくなる。したがって、ネガ型の感光性樹脂材料を用いて隔壁7を形成する場合には、透明パターン電極4を一方の面に備えた透明基材2に隔壁7を形成し、電気泳動分散液11の充填を行った後、透明パターン電極5を一方の面に備えた透明基材3と隔壁7とを粘着剤を介して固着することが好ましい。
電気泳動分散液11を構成する分散液12は、例えば、芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン誘導体、フェニルキシリルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニルエタン)(BDMF)等のジアリルアルカン誘導体、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン誘導体、モノイソプロピルフェニル、イソプロピルフェニル、イソアミルビフェニル等のアルキルビフェニル誘導体、各種割合にて水素化されたターフェニル誘導体、ジベンジルトルエン等のトリアリルジメタン誘導体、ベンジルナフタレン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、ジアルリアルキレン誘導体、アリルインダン誘導体、ポリ塩素化ビフェニル誘導体、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。また、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソバー、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジウラシル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられる。また、本発明においては、上記の分散液を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
さらに、これらの分散液に、スピリットブラック(SB、SSBB、AB)、ニグロシンベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミブラストグリーンG、オイルブラウン(GR、416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502、BG)、オイルブルー(613、2N、BOS)、オイルブラック(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、バリファーストオレンジ(3209、3210)、バリファーストレッド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402、3405)、バリファーストブルー(3405、1501、1603、1605、1607、2606、2610)、バリファーストバイオレット(1701、1702)、バリファーストブラック(1802、1807、3804、3810、3820、3830)等の染料を適宜選択して含有させることにより、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の分散液とすることができる。
電気泳動分散液11を構成する電気泳動粒子13としては、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることが可能である。無機顔料粒子としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンホワイト、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリトポンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン(チタンブラック)、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、錫粉、亜鉛粉等を使用することができる。また、有機顔料粒子としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレッド、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。また、電気泳動粒子13として、2種以上の粒子を使用してもよい。
尚、隔壁7によって画定されるセル6への電気泳動分散液11の充填は、例えば、一方の基材の電極上に隔壁7を形成した後、ダイコート、インクジェット、ディスペンサー等の装置を用いて行うことができる。その後、他方の基材の電極と隔壁7とを粘着剤等を用いて固着することにより、本発明の電気泳動表示装置を製造することができる。
このような本発明の電気泳動表示装置1では、断面が四角形以上の角形であるセル6を画定する隔壁7が、角部を有することなく曲面8を介して連続し、電気泳動粒子13の平均粒径dが所定の範囲であるとともに、曲面8の曲率半径Rとの間に所定の関係が成立するので、駆動における電圧印加の繰り返しによる電気泳動粒子13の残留が防止されるとともに、セル6内へ電気泳動分散液を充填する際の気泡の残留も防止される。また、隔壁7の壁面7aが傾斜し、壁面7aと電極4,5とがなす角度が所定の範囲内であるので、前面電極4側で高い開口率が得られ、ムラがなくコントラストの良好な高品位表示が可能である。
尚、上述の本発明の電気泳動表示装置の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電極と隔壁との間に絶縁層を介在させたものであってもよい。この場合、絶縁層を形成する絶縁材料は、例えば、ポリイミド系樹脂、SiO2、SiN4、アクリル系樹脂、ペリレン、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、石英、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の絶縁材料を挙げることができる。また、このような絶縁層は微量な範囲の電流が流れるものであってもよい。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
一方の面に透明電極として酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜を備えた厚さ702μmのガラス基材(コーニング社製 7059ガラス)を2枚準備した。
一方のガラス基材の透明電極上に、ポジ型感光性樹脂材料(日立化成工業(株)製のドライフィルム(厚さ30μm))をラミネートし、200℃、60分間の条件でプリベークした。次いで、図4に示されるような露光マスク(遮光部の幅:100μm、微細遮光部の寸法s:2μm、遮光部のピッチ:1000μm)を使用して露光(露光量300mJ/cm2)し、その後、0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行い、次いで、200℃、60分間の条件でポストベークすることで、隔壁を形成した。
形成された隔壁の壁面は、図1に示すような頂部側が薄く透明電極側が厚い台形断面をなすように傾斜しており、また、隔壁の平面形状は、図2に示すような形状であった。そして、隔壁の基部の壁面が電極となす角度θ2(図1参照)は100°であり、また、隔壁の頂部の壁面が電極と平行な平面となす角度θ1(図1参照)は80°であった。
また、図2に示すように、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲面を介して連続するものであり、曲面の曲率半径Rは1.2〜1.4mmの範囲にあった。尚、曲率半径Rはフィゾー型の干渉計を用いて測定した。
尚、隔壁によって画定されるセルの開口率は約85%であり、個々のセルの開口面積は約0.8mm2であり、セルの容積は約2.4×10-2mm3であった。
次いで、形成した隔壁の頂部平面に、粘着剤(日本合成化学(株)製 コーポニール)をスクリーン印刷法により塗布し乾燥して、粘着層(厚み5μm)を形成した。
次に、下記の組成の電気泳動分散液をダイコータを用いて各セルに充填した。各セルにおける電気泳動粒子の個数は、106オーダー個であった。尚、使用した電気泳動粒子の平均粒径d(=2μm)と上記の曲率半径R(=1200〜1400μm)との間にはd<Rの関係が成立する。
(電気泳動分散液)
・電気泳動粒子(二酸化チタン、平均粒径2μm) … 60重量部
・分散液(アイソパー) … 40重量部
次いで、他方のガラス基材の透明電極を、隔壁の頂部に形成した粘着層に圧着することのより、隔壁と他方のガラス基板を固着して電気泳動表示装置を得た。
この電気泳動表示装置について、電極間に50Vの直流電圧を1秒間隔で100回印加(通電時間50秒)した。そして、図2に示すような異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数をレーザー顕微鏡を用いて計測した結果、103オーダーの個数であった。
[実施例2]
電気泳動粒子として、平均粒径10μmの二酸化チタンを用いた他は、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。尚、使用した電気泳動粒子の平均粒径d(=10μm)と上記の曲率半径R(=1200〜1400μm)との間にはd<Rの関係が成立する。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、102オーダーの個数であった。
[実施例3]
露光条件を、露光量500mJ/cm2とした他は、実施例1と同様にして隔壁を形成した。
形成された隔壁の壁面は、頂部側が薄く透明電極側が厚い断面をなすように傾斜しており、また、隔壁の平面形状は、図2に示すような形状であった。そして、隔壁の基部の壁面が電極となす角度θ2(図1参照)は120°であり、また、隔壁の頂部の壁面が電極と平行な平面となす角度θ1(図1参照)は60°であった。
また、図2に示すように、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲面を介して連続するものであり、曲面の曲率半径Rは0.8〜1.0mmの範囲にあった。
尚、隔壁によって画定されるセルの開口率は約70%であり、個々のセルの開口面積は約0.6mm2であり、セルの容積は約2.0×10-2mm3であった。
その後、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、103オーダーの個数であった。
[実施例4]
露光条件を、露光量1000mJ/cm2とした他は、実施例1と同様にして隔壁を形成した。
形成された隔壁の壁面は、頂部側が薄く透明電極側が厚い断面をなすように傾斜しており、また、隔壁の平面形状は、図2に示すような形状であった。そして、隔壁の基部の壁面が電極となす角度θ2(図1参照)は135°であり、また、隔壁の頂部の壁面が電極と平行な平面となす角度θ1(図1参照)は45°であった。
また、図2に示すように、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲面を介して連続するものであり、曲面の曲率半径Rは1.2〜1.4mmの範囲にあった。
尚、隔壁によって画定されるセルの開口率は約65%であり、個々のセルの開口面積は約0.5mm2であり、セルの容積は約1.6×10-2mm3であった。
その後、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、103オーダーの個数であった。
[比較例1]
露光マスクとして、実施例で使用した露光マスクの微細遮光部を備えていないもの(遮光部の幅:100μm、遮光部のピッチ:1000μm)を使用した他は、実施例1と同様にして隔壁を形成した。この隔壁は、異なる方向の隔壁が交差する箇所に90°の角部が存在するものであった。
その後、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(90°の角部)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、105オーダーの個数であり、実施例1〜4に比べて格段に多いものであった。
[比較例2]
電気泳動粒子として、平均粒径20μmの二酸化チタンを用いた他は、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。尚、使用した電気泳動粒子の平均粒径d(=20μm)は、上記の曲率半径R(=1200〜1400μm)との間にd<Rの関係が成立しないものであった。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、104オーダーの個数であり、実施例1〜4に比べて格段に多いものであった。
[比較例3]
露光条件を、露光量100mJ/cm2とした他は、実施例1と同様にして隔壁を形成した。
形成された隔壁の壁面は、頂部側が薄く透明電極側が厚い断面をなすように傾斜しており、また、隔壁の平面形状は、図2に示すような形状であった。そして、隔壁の基部の壁面が電極となす角度θ2(図1参照)は145°であり、また、隔壁の頂部の壁面が電極と平行な平面となす角度θ1(図1参照)は35°であった。
また、図2に示すように、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲面を介して連続するものであり、曲面の曲率半径Rは1.2〜1.4mmの範囲にあった。
尚、隔壁によって画定されるセルの開口率は約25%であり、個々のセルの開口面積は約0.2mm2であり、セルの容積は約0.7×10-2mm3であった。
その後、実施例と同様にして、電気泳動表示装置を作製した。
この電気泳動表示装置について、実施例と同様にして、電極間に直流電圧を100回印加した後、異なる方向に延設された隔壁の屈曲部(曲面)における電気泳動粒子の残留個数を実施例と同様にして計測した結果、104オーダーの個数であり、実施例1〜4に比べて格段に多いものであった。
電気泳動を利用した表示装置の用途に利用可能である。
本発明の電気泳動表示装置の一実施形態を示す部分縦断面図である。 図1に示される電気泳動表示装置を構成する隔壁の部分平面図である。 電気泳動表示装置を構成する隔壁の他の例を示す部分平面図である。 隔壁を形成するための露光マスクの一例を示す部分平面図である。 従来の隔壁を形成するための露光マスクの一例を示す部分平面図である。
符号の説明
1…電気泳動表示装置
2,3…透明基材
4,5…透明パターン電極
6…セル
7…隔壁
8…曲面
11…電気泳動分散液
12…分散液
13…電気泳動粒子
21,31…露光マスク

Claims (2)

  1. 少なくとも前面電極が透明な一対の前面電極と背面電極を対向させ、該電極間に隔壁を設けて複数のセルを構成し、該セルに電気泳動粒子と分散液とを含む電気泳動分散液を収容した電気泳動表示装置において、
    電極に平行な断面におけるセルの形状は四角形以上の角形であり、異なる方向に延設された隔壁の壁面は曲率半径Rの曲面を介して連続し、
    隔壁の壁面は、前面電極側の隔壁断面幅が背面電極側の隔壁断面幅よりも狭くなるように傾斜しており、隔壁の壁面が前面電極となす角度は45°〜90°の範囲内であり、隔壁の壁面が背面電極となす角度は90°〜135°の範囲内であり、
    電気泳動粒子の平均粒径dは0.01〜100μmの範囲であるとともに、前記曲率半径Rとの間にd<Rの関係が成立することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. セルの開口率は25%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
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