JP4559746B2 - 単粒子膜形成用の原版とこの原版を用いた単粒子膜の形成方法およびこの単粒子膜の形成方法を用いた電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents

単粒子膜形成用の原版とこの原版を用いた単粒子膜の形成方法およびこの単粒子膜の形成方法を用いた電気泳動表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粒子を単粒子膜とするための原版、例えば、平均粒径が10〜100μmの範囲内にある粒子を単粒子膜(好ましくは最密充填配列)とするための原版と、この原版を用いた単粒子膜の形成方法、および、電気泳動粒子と分散媒体を収納したマイクロカプセルを電気泳動表示素子として使用した電気泳動表示装置に関する。
例えば、平均粒径が10〜100μmの範囲内にある粒子を、被形成体の表面に配列して単粒子膜を形成する方法として、例えば、予め粘着層を形成した被形成体上に粒子を散布し、ブレードにより掻き取る方法、粒子を分散させた塗布液を被形成体上に均一に塗布し、乾燥させる方法等がある。
一方、近年、電気泳動粒子と分散媒体を収納したマイクロカプセルを電気泳動表示素子として2枚の電極間に挟み込み、この電気泳動表示素子に電圧を印加することにより、電気泳動粒子がマイクロカプセル内を異なる極性を有する電極に向かって電気泳動する現象を利用した電気泳動表示装置が開発されている(特許文献1、2)。このような電気泳動表示装置では、マイクロカプセルを分散させた塗布液を電極上に均一に塗布し、乾燥させることにより電気泳動表示素子層を形成することが行なわれていた。
特開2002−357853号公報 特開2002−333643号公報
しかしながら、従来の方法では、均一な材質からなる粒子や、電気泳動粒子と分散媒体を収納したマイクロカプセル等のように内部に異なる物質を包含した粒子等であって、平均粒径が10〜100μmの範囲内にある粒子を、被形成体の表面に最密充填状態で配列することは困難であった。例えば、マイクロカプセルを分散させた塗布液の調製段階では、電気泳動粒子の微油滴分散乳化やマイクロカプセルの製造を容易にするために、水溶液中でその処理を行っており、さらに、結合材としてポリビニルアルコール、その他の水溶性高分子材料を適当量含んでいる。したがって、マイクロカプセルを分散含有する塗布液は、水系のチキソトロピックな溶液であり、このため、塗布特性が悪く、泡の混入等を生じ易く、マイクロカプセルが最密充填状態で配列された電気泳動表示素子層を形成することが困難であった。電気泳動表示素子層を構成するマイクロカプセルが最密充填状態でない場合、画像品質の低下を来たすという問題があった。
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、粒子を配列して単粒子膜を形成するための原版と、この原版を用いた単粒子膜の形成方法、および、高品質表示が可能な電気泳動表示装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、粒子を配列して単粒子膜を形成するための単粒子膜形成用の原版において、基体と、該基体の表面側に設けられた複数の凹部を有し、該凹部の開口部が円形であり、開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d≦Dの関係が成立し、複数の前記凹部は隣接する3個の凹部の開口部の重心を頂点する三角形が粒子の平均粒径Dを一辺の長さとする正三角形となるように配列されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記凹部は前記基体の裏面側へ貫通した貫通孔であり、該貫通孔の開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d<Dの関係が成立するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記貫通孔の内径は、前記基体の表面側の開口部の内径と等しいような構成とした。
また、本発明の単粒子膜の形成方法は、粒子を、上述のいずれかの単粒子膜形成用の原版の各凹部に載置配列する配列工程と、該原版上の粒子を被形成体上に転写して単粒子膜を形成する転写工程と、を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、凹部が貫通孔である上述の単粒子膜形成用の原版を使用し、前記配列工程において、原版の裏面側から吸引を行ない、前記転写工程において、前記原版上の粒子が被形成体に当接した状態となるまで吸引を継続するような構成とした。
また、本発明は、電極間に電気泳動表示素子層を備え、少なくとも一方の電極は、所定のパターン形状を有するパターン電極であり、前記電気泳動表示素子層は、電気泳動粒子と分散媒体をマイクロカプセルに収納してなる電気泳動表示素子が前記パターン電極上に配列されたものである電気泳動表示装置の製造方法において、上述のいずれかの単粒子膜の形成方法によって、前記パターン電極上に電気泳動表示素子を単粒子膜状態となるように配列するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記パターン電極を、電気的に独立した複数系統のパターン電極からなるように形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電気泳動表示素子層を構成する電気泳動表示素子の分散媒体の色を、各系統のパターン電極毎に異なるようにするような構成とした。
本発明の他の態様として、電気泳動表示素子の分散媒体の色は、少なくとも青色、赤色、黄色の3種とするような構成とした。
本発明によれば、原版に形成された各凹部に1個づつ粒子を載置配列することにより、粒子の単粒子配列状態が得られる。このような原版を用いて被形成体上に粒子を転写することにより、単粒子状態で配列されたムラのない単粒子膜を形成することができる。また、電気泳動表示装置のパターン電極上には、電気泳動粒子と分散媒体をマイクロカプセルに収納してなる電気泳動表示素子が単粒子膜状態となるように配設されているので、パターン電極による電気泳動表示素子層への電圧印加により、電気泳動表示素子の電気泳動粒子がマイクロカプセル内を異なる電荷を有する電極に向かって電気泳動する現象を利用した表示が、ムラのない高品質なものとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[単粒子膜形成用の原版]
図1は、本発明の単粒子膜形成用の原版の一実施形態を示す平面図であり、図2は図1のA−A線における縦断面図である。図1および図2に示されるように、本発明の単粒子膜形成用の原版1は、基体2と、この基体2の表面2a側に設けられた複数の凹部3を有している。
原版1を構成する凹部3は、球面形状の凹部であり、凹部の円形開口部の直径dは、成膜対象の粒子の平均粒径Dと同等である。また、凹部3は、隣接する3個の凹部3の開口部の重心を頂点する三角形(図1参照)が正三角形であり、その一辺の長さLが成膜対象である粒子の平均粒径Dと等しくなるように配列されている。尚、本発明において、粒子の平均粒径Dは、JIS Z2500に準拠して測定するものとする。
図3は、本発明の単粒子膜形成用の原版の他の実施形態を示す平面図であり、図4は図3のB−B線における縦断面図である。図3および図4に示されるように、本発明の単粒子膜形成用の原版11は、基体12と、この基体12の表面12a側に設けられた複数の凹部13を有している。
原版11を構成する凹部13は、円形の開口部を有し、この開口部は微小な境界を介して隣接しており、開口部の直径dと、成膜対象の粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d<Dの関係が成立するものである。また、凹部13は、隣接する3個の凹部13の開口部の重心を頂点する三角形(図3参照)が正三角形であり、その一辺の長さLが成膜対象である粒子の平均粒径Dと等しくなるように配列されている。
上述にように、本発明の原版では、原版に形成された凹部の直径、配列が、単粒子膜を形成する対象となる粒子の平均粒径と所定の関係を満足しているので、原版の各凹部に1個づつ粒子を載置配列することにより、粒子の最密充填状態が得られる。すなわち、基体の表面側に設けられた複数の凹部は、その開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d≦Dの関係が成立し、かつ、複数の凹部は隣接する3個の凹部の開口部の重心を頂点する三角形が粒子の平均粒径Dを一辺の長さとする正三角形となるように配列されたものである。開口部の直径dが上記の関係よりも小さい(d<0.7D)場合、粒子を原版の凹部に確実に載置することが困難となり好ましくない。
また、本発明の単粒子膜形成用の原版は、上記の凹部が基体の裏面側へ貫通した貫通孔であってもよい。図5は、このような本発明の原版を示す図4相当の縦断面図である。図5に示されるように、本発明の単粒子膜形成用の原版21は、基体22と、この基体22の表面22a側に設けられた複数の凹部23を有しており、この凹部23は、基体22の裏面22bへ貫通した貫通孔である。このような凹部(貫通孔)23は、その開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d<Dの関係が成立し、かつ、隣接する3個の凹部(貫通孔)23の開口部の重心を頂点する三角形が正三角形であり、その一辺の長さLが成膜対象である粒子の平均粒径Dと等しくなるように配列されている。
尚、図5に示される例では、凹部(貫通孔)23は、基体22の表面22a側の開口部の内径と、裏面22b側の開口部の内径が等しいものであるが、これに限定されるものではない。すなわち、粒子を載置するための凹部として機能する表面22a側の開口部の直径が、粒子の平均粒径Dとの間で上記の関係を満足すればよく、裏面22b側の開口部の大きさ、貫通孔の内壁面形状には特に制限はない。
本発明の原版1,11,21を構成する基体2,12,22は、ガラス板、アルミニウム、銅、クロム、インバー、スーパーインバー、42鉄ニッケル合金、コバール、工具鋼(SKD11)等の金属、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン等の耐熱性のある有機材料を使用することができる。また、原版の繰り返し使用における耐久性を向上させる目的で、少なくとも表面2a,12a,22a側にクロム、ニッケル、炭化珪素、窒化チタン等の薄膜を形成してもよい。また、基体2,12,22の厚みは特に制限されず、例えば、50μm〜10mmの範囲で使用する材質等を考慮して適宜設定することができる。
また、基体への凹部や貫通孔の形成は、サンドブラスト法、エキシマレーザー法、イオンビーム法等の乾式法、エッチング液浸漬法等の湿式法により行なうことができる。
本発明における成膜対象の粒子の大きさには、特に制限はなく、例えば、平均粒径Dが10〜100μmの範囲内にある粒子を対象とすることができ、粒子の種類は、均一な材質からなる粒子、内部に異なる材料を包含するカプセル素子のような粒子等、特に制限はない。
尚、上述の単粒子膜形成用の原版の実施形態では、凹部の開口部が円形の例を示しているが、開口部の形状は円形に限定されず、3角形以上の多角形、楕円形等であってもよく、開口部の大きさは、成膜対象となる粒子の大きさを考慮して適宜設定できる。また、上述の単粒子膜形成用の原版の実施形態では、最密充填状態の単粒子膜を形成可能な例を示したが、本発明の原版は、単粒子膜を最密充填状態とすることに限定されるものではない。
[単粒子膜の形成方法]
次に、本発明の単粒子膜の形成方法について説明する。
図6は、上述の本発明の単粒子膜形成用の原版11を使用した形成方法の例を示す工程図である。
本発明では、まず、配列工程において、平均粒径Dが10〜100μmの範囲内にある粒子Pを原版11の各凹部13に単粒子状態となるように載置配列する(図6(A))。使用する原版11は、凹部13の開口部の直径dと粒子Pの平均粒径Dとの間に0.7D≦d≦Dの関係が成立し、かつ、複数の凹部13が、隣接する3個の凹部13の開口部の重心を頂点する三角形が粒子の平均粒径Dを一辺の長さとする正三角形となるように配列されたものである。
上記の配列工程では、ブレードコート方法、例えば、乾燥状態にある粉体Pを原版11上に散布し、ブレードにより不要な粉体Pを除去する方法、粉体Pを分散させた分散液を原版上に塗布し、ブレードにより不要な粉体Pを除去する方法等を用いることができる。ブレードによる不要な粉体Pの除去では、ブレードと原版とのギャップを、粉体Pの平均粒径と略等しい大きさに設定することが好ましい。このような配列工程により、原版11の各凹部13に1個づつ載置配列された粒子Pは、最密充填状態となっている。
次に、転写工程において、原版11上の粒子Pに、予め粘着層32を表面に形成した被形成体31を接触させ(図6(B))、その後、原版11を取り除くことにより、被形成体31上に、最密充填状態の粒子Pを転写して単粒子膜を形成する(図6(C))。
図7は、上述の本発明の単粒子膜形成用の原版21を使用した形成方法の例を示す工程図である。
本発明では、まず、配列工程において、平均粒径Dが10〜100μmの範囲内にある粒子Pを原版21の各凹部(貫通孔)23に単粒子状態となるように載置配列する(図7(A))。使用する原版21は、凹部(貫通孔)23の開口部の直径dと粒子Pの平均粒径Dとの間に0.7D≦d<Dの関係が成立し、かつ、複数の凹部(貫通孔)23が、隣接する3個の凹部(貫通孔)23の開口部の重心を頂点する三角形が粒子の平均粒径Dを一辺の長さとする正三角形となるように配列されたものである。
上記の配列工程では、上述の実施形態と同様のブレードコート方法を用いることができ、さらに、原版21の裏面21b側から吸引を行なうことにより、凹部23への粉体Pの保持や、粉体Pを分散させた分散液の溶液除去を容易なものとすることができる。このような配列工程により、原版21の各凹部(貫通孔)23に1個づつ載置配列された粒子Pは、最密充填状態となっている。
次に、転写工程において、粘着層32を表面に形成した被形成体31上に、原版21に保持した粒子Pを接触させ(図7(B))、その後、上記の吸引を行なっている場合には、吸引を解除し、原版21を取り除く。これにより、被形成体31上に、最密充填状態の粒子Pを転写して単粒子膜を形成する(図7(C))。
上述の実施形態では、被形成体31は、表面に粘着層32を備えたものであるが、この粘着層32には特に制限はない。また、被形成体31が粘着性を有している場合、あるいは、粒子Pが粘着性を有している(配列工程後、加熱等により粉体Pが粘着性を発現する)場合には、粘着層32は不要である。
尚、上述の単粒子膜の形成方法の実施形態では、粒子Pを最密充填状態に配列した単粒子膜を形成する例を示したが、本発明の形成方法は、単粒子膜を最密充填状態とすることに限定されるものではない。
また、本発明における成膜対象の粒子の大きさには、特に制限はなく、例えば、平均粒径Dが10〜100μmの範囲内にある粒子を対象とすることができ、粒子の種類は、均一な材質からなる粒子、内部に異なる材料を包含するカプセル素子のような粒子等、特に制限はない。
[電気泳動表示装置]
次に、本発明の電気泳動表示装置について説明する。
図8は、本発明の電気泳動表示装置の一実施形態を示す部分縦断面図である。図8において、本発明の電気泳動表示装置51は、透明パターン電極53を一方の面に備えた透明基板52と、透明パターン電極57を一方の面に備えた透明基板56とを電気泳動表示素子層60を介して対向させたものである。電気泳動表示素子層60は、透明パターン電極53と透明パターン電極57の間に、電気泳動表示素子61が、図9に示されるように最密充填で単粒子膜状態となるように配列したものである。
透明パターン電極53は、電気的に独立した3種の透明パターン電極53Y,53M,53Cからなり、また、透明パターン電極57も電気的に独立した3種の透明パターン電極57Y,57M,57Cからなっている。そして、透明パターン電極53Yと57Yが電気泳動表示素子61Yを介して対向し、透明パターン電極53Mと57Mが電気泳動表示素子61Mを介して対向し、透明パターン電極53Cと57Cが電気泳動表示素子61Cを介して対向するように透明基板52と透明基板56とが配設されている。
透明基板52,56は、例えば、ガラス基板、透明樹脂基板等を使用することができ、厚みは10μm〜5mm、好ましくは25〜200μmの範囲で適宜設定することができる。尚、透明基板52,56の一方、すなわち、表示認識者から見て背面に位置する基板を、不透明な基板とすることもできる。この場合、基板として、電極面とは異なるもう一方の基板表面を粗面化あるいは金属膜を蒸着した不透明なガラス基板、染料または顔料を練り込んだ不透明樹脂基板等を使用することができ、この基板上に形成される電極も、下記のような透明電極でなく、Cu、Ag、Au、Al等の金属電極であってもよい。
上記の透明パターン電極53Yと57Y、透明パターン電極53Mと57M、透明パターン電極53Cと57Cは、それぞれ図示していない電圧印加装置に接続され、例えば、印加電圧1〜100Vの範囲で任意に電極の電荷を制御可能とされている。上記のような透明パターン電極は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等を用いて、スパッタリング、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。また、各透明パターン電極の線幅は10〜100μm程度の範囲で、電極の間隙は10〜100μm程度の範囲でそれぞれ設定することができる。
尚、本発明におけるパターン電極とは、上記のような微細パターンからなるパターン電極のみではなく、例えば、表示画面の全面に設けられた透明電極であって、基板の周辺部のシールド部に相当する部位には電極が存在しないようなパターンからなる電極も含むものである。
電気泳動表示素子61は、電気泳動粒子62と分散媒体63をマイクロカプセル64に収納したものであり、平均粒径は、例えば、10〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で設定できる。図示例では、電気泳動表示素子61Yに分散媒体63としてイエロー色の分散媒体63Yが用いられ、電気泳動表示素子61Mに分散媒体63としてマゼンタ色の分散媒体63Mが用いられ、また、電気泳動表示素子61Cに分散媒体63としてシアン色の分散媒体63Cが用いられている。
電気泳動粒子62としては、有色または無色(白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることが可能である。無機顔料粒子としては、鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンホワイト、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリトポンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン(チタンブラック)、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、錫粉、亜鉛粉等を使用することができる。また、有機顔料粒子としては、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソインドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロインイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ブリリアントファストスカーレッド、ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフトールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等を使用することができる。電気泳動粒子62の平均粒径は20nm〜1μm程度が好ましい。尚、電気泳動粒子62は上記のものに限定されるものではない。
分散媒体63は、例えば、芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン誘導体、フェニルキシリルエタン、1,1−ジトリルエタン、1,2−ジトリルエタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニルエタン)(BDMF)等のジアリルアルカン誘導体、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン誘導体、モノイソプロピルフェニル、イソプロピルフェニル、イソアミルビフェニル等のアルキルビフェニル誘導体、各種割合にて水素化されたターフェニル誘導体、ジベンジルトルエン等のトリアリルジメタン誘導体、ベンジルナフタレン誘導体、フェニレンオキサイド誘導体、ジアルリアルキレン誘導体、アリルインダン誘導体、ポリ塩素化ビフェニル誘導体、ナフテン系炭化水素等が挙げられる。また、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、アイソバー、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジウラシル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、塩素化パラフィン、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−ターシャリオクチルアニリン等が挙げられる。尚、分散媒体63は上記のものに限定されるものではない。さらに、本発明においては、上記の分散媒体を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
これらの分散媒体に、スピリットブラック(SB、SSBB、AB)、ニグロシンベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミブラストグリーンG、オイルブラウン(GR、416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502、BG)、オイルブルー(613、2N、BOS)、オイルブラック(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、バリファーストオレンジ(3209、3210)、バリファーストレッド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402、3405)、バリファーストブルー(3405、1501、1603、1605、1607、2606、2610)、バリファーストバイオレット(1701、1702)、バリファーストブラック(1802、1807、3804、3810、3820、3830)等の染料を適宜選択して含有させることにより、各色の分散媒体63Y,63M,63Cとすることができる。
また、マイクロカプセル64の壁膜材料としては、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ゼラチン等を使用することができ、壁膜の厚みは50nm〜1μm、マイクロカプセル64の直径は10〜100μm、好ましくは10〜50μm程度の範囲で設定することができる。
電気泳動表示素子層60は、上記のような電気泳動表示素子61が透明パターン電極53上に最密充填状態で単粒子膜として配列されたものであり、均一な厚みを有するものとすることができる。
このような本発明の電気泳動表示装置51では、透明パターン電極53(53Y,53M,53C)と透明パターン電極57(57Y,57M,57C)による電気泳動表示素子層60への電圧印加により、電気泳動表示素子層60を構成する電気泳動表示素子61の電気泳動粒子62がマイクロカプセル64内を異なる電荷を有する電極に向かって電気泳動する現象を利用したカラー表示が可能である。そして、電気泳動表示素子層60を構成する電気泳動表示素子61、図9に示されるように最密充填で単粒子膜状態となるように配設されているので、ムラのない高品質の画像表示が可能である。
また、本発明の電気泳動表示装置51では、電気泳動表示素子層60(透明パターン電極53,57)が存在しない部位の色を背景色として利用した表示が可能となり、コントラストに優れた高品質表示が可能な電気泳動表示装置となる。例えば、表示認識者から見て背面に位置する基板を着色基板としたり、この基板に着色層や光反射層を設けることにより、電気泳動表示素子層60(透明パターン電極53,57)が存在しない部位において、基板の色を背景色として積極的に利用することが可能となる。
尚、図9に示される電気泳動表示素子61の最密充填状態の配列においても、電気泳動表示素子61間には間隙部が存在し、このような間隙部は表示に寄与しないものである。本発明では、透明パターン電極53と57の距離が電気泳動表示素子61の平均粒径よりもやや小さくなるように透明基板52と透明基板56を接近させることにより、図10に示されるように、電気泳動表示素子61を構成するマイクロカプセル64を若干押しつぶして、電気泳動表示素子61の幅(矢印a方向)を高さよりも大きくすることにより、電気泳動表示素子61間に存在する間隙部を減少させてもよい。
また、上述の電気泳動表示装置の実施形態は、Y,M,Cの3色カラー表示が可能なものであるが、本発明の電気泳動表示装置はこれに限定されるものではない。例えば、分散媒体63の色を所望の色とした1種類の電気泳動表示素子61を使用して電気泳動表示素子層60を形成することにより、分散媒体63の色と電気泳動粒子62の色を用いた単色表示の電気泳動表示装置とすることもできる。
本発明の電気泳動表示装置は、上述した本発明の単粒子膜形成用の原版を使用し、本発明の単粒子膜の形成方法により、パターン電極上に電気泳動表示素子を最密充填で単粒子膜状態となるように配設して電気泳動表示素子層を形成することにより作製することができる。
尚、電気泳動表示素子のマイクロカプセル化は、従来公知の一般的マイクロカプセル化技術を使用することができる。一般的マイクロカプセル化法としては、合成反応を用いる界面重合法、in-situ重合法、高分子物性変化を生じさせる液中硬化被覆法等が挙げられる。また、物理化学的作製方法として、相分離を利用したコアセルベーション法、界面沈殿法(液中濃縮法、液中乾燥法、二次エマルジョン法)および融解分離法等が挙げられる。
上記の界面重合法は重縮合あるいは重付加反応するような2種のモノマーとして、水溶性のものと油溶性のものを選択し、いずれかを分散させて界面で反応させる方法である。また、上記のin-situ重合法は、核材の内または外の一方からリアクタント(モノマーや開始剤)を供給し、カプセル壁膜表面で反応させる方法である。液中硬化被覆法(オリフィス法)は、予め核材を壁膜材でカプセル化した後、その壁膜を硬化液中で硬化する方法である。
上記のコアセルベーション法は、水溶液系および有機溶媒系のいずれでも用いることができる。水溶液系では、溶解性の減少により相分離を生じさせる単純コアセルベーション法、電気的相互作用により相分離を生じさせる複合コアセルベーション法を用いることができる。有機溶媒系では、溶解性や温度等の変化による相分離現象を利用することができる。また、上記の界面沈殿法は、激しい反応や急激なpH変化等を伴わない、温和な条件でカプセル化が可能な方法であり、例えば、電気泳動表示素子を分散した水溶液を疎水性高分子の溶剤溶液中に分散させた後、さらに保護コロイド溶液に分散させるものである。上記の融解分散法は、壁膜材としてワックスやポリエチレンのような蝋状物質を用いるものであり、加熱下で核材を蝋状物質と共に液中に分散した後冷却する方法である。
電気泳動表示素子は、電気泳動粒子と分散媒体をマイクロカプセルに収納したものであり、上述のような各種基本的な乳化油滴法やカプセル化法を応用することにより、マイクロカプセル化した電気泳動表示素子を作製することができる。
尚、上述の本発明の電気泳動表示装置の実施形態では、電気泳動表示素子61が最密充填で単粒子膜状態となるように配列されているが、本発明の電気泳動表示装置では、電気泳動表示素子61が単粒子膜であればよく、最密充填状態に限定されるものではない。
次に、より具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
単粒子膜形成用の原版Aの作製
厚さ1.1mmのほう珪酸ガラス板(縦100mm×横100mm)を基体とし、この基体上に真空蒸着法によりクロム薄膜(厚さ1000Å)を成膜して基体とした。
次に、クロム薄膜上にフォトレジスト(日本ゼオン(株)製 ZPP1800)を塗布した。その後、基体の一方の面を所定のフォトマスクを介して露光し、現像を行なって、厚さ2μmのレジストパターンを形成した。露光は超高圧水銀ランプを光源とし、照射量は365nmで150mJ/cm2とした。また、現像は現像液(日本ゼオン(株)製 ZTMA−U20)を使用して行なった。
次いで、酸化セリウム系のエッチング液を用いて、湿式エッチングによりクロム薄膜をエッチングした。これにより、クロム薄膜とレジストパターンとの2層構造であり、円形の開口部(直径40μm)を有するエッチングマスクを基体に形成した。
次に、上記のエッチングマスクを備えた基体をフッ化水素酸系のエッチング液に浸漬し、基体に凹部を形成し、その後、水洗し、レジスト剥離剤を用いてレジストパターンを除去し、更に、酸化セリウム系のエッチング液を用いてクロム薄膜を除去して、原版Aを得た。この原版Aは図3、図4に示されるような構造であり、円形開口部をもつ凹部を一方の面に複数備え、各凹部の開口部の直径は40μm、隣接する3個の凹部の開口部の重心を頂点する三角形が一辺50μmの正三角形となるものであった。
単粒子膜形成用の原版Bの作製
厚さ1mmの銅基板上に無電解めっきによって厚さ25μmのニッケル膜を形成して基体とした。この基体のニッケル膜上にポジ型の厚塗り用レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800B、粘度=800cp)をスピンコート法で塗布した。その後、所定のフォトマスクを介して露光し、現像を行なって、直径40μmの円形の開口部を有する厚さ10μmのレジストパターンを形成した。露光は超高圧水銀ランプを光源とし、照射量は365nmで100mJ/cm2とした。また、現像は現像液(東京応化工業(株)製 NMD−3)を使用して行なった。
次いで、上記のレジストパターンをマスクとし、エッチングによりニッケル膜に凹部を形成し、その後、水洗し、レジスト剥離剤を用いてレジストパターンを除去して、原版Bを得た。エッチングは塩化第二鉄水溶液(サンハヤト(株)製 H−1000A)を用いて行なった。作製した原版Bは図3、図4に示されるような構造であり、円形開口部をもつ凹部を一方の面に複数備え、各凹部の開口部の直径は40μm、隣接する3個の凹部の開口部の重心を頂点する三角形が一辺50μmの正三角形となるものであった。
単粒子膜形成用の原版Cの作製
基体の両面に、円形の開口部の中心が一致するように、クロム薄膜とレジストパターンとの2層構造のエッチングマスクを形成し、基体を両面からエッチングし、その後、基体を硫酸−過酸化水素系の銅エッチング液(室町ケミカル(株)製 MK−660)でエッチングすることによって貫通孔を形成した他は、原版Aと同様の方法で、原版Cを作製した。この原版Cは、両面の円形開口部の直径が40μmである貫通孔(中央部の内径は約37μm)を複数備え、隣接する3個の貫通孔の開口部の重心を頂点する三角形が一辺50μmの正三角形となるものであった。
電気泳動表示素子の作製
二酸化チタン粒子(平均粒径200nm)12重量部、界面活性剤(ポリカルボン酸誘導体(花王(株)製 デモールEP))1.5重量部、チタン系カップリング剤(味の素ファインテクノ(株)製 プレンアクトKRTTS)0.5重量部、青色アントラキノン系染料(Oil Blue G extra)1重量部、ヘキシルベンゼン85重量部とを、超音波分散により混和し、この混合液を使用してアラビアゴムゼラチン系の複合コアセルベーション法により、マイクロカプセル化した電気泳動表示素子(マイクロカプセルの平均径50μm)を作製し、分散含有液とした。
[実施例1]
上記のように作製した原版Aに、電気泳動表示素子の分散含有液をブレードコート法により塗布した。この際、原版Aとブレードとのギャップは50μmとした。これにより、原版Aの各凹部に電気泳動表示素子が1個づつ載置され、単粒子膜が形成された。
また、酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜を備えた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを被形成体とし、このPETフィルムのITO蒸着膜上にアクリル系粘着剤(東亜合成化学(株)製 アロンS−1601)をバーコート法により塗布して、厚み10μmの粘着層を形成した。
次いで、原版A上の電気泳動表示素子に、粘着層が当接するようにPETフィルムを接触させ、その後、原版Aを取り除いた。これにより、PETフィルム上に電気泳動表示素子を転写して単粒子膜を形成した。この単粒子膜について、画像解析により粒子占有面積比から粒子充填率を計測(粒子が最密充填状態にあるときを100%とする)した結果、粒子充填率は100%であった。
次に、ITO蒸着膜を備えた厚さ100μmのPETフィルムを、上記の単粒子膜に圧着し、最密充填状態の単粒子膜を構成する電気泳動表示素子を変形させて、最密充填の間隙部を埋めながら密着した。この結果、表示に寄与しない電気泳動表示素子間の間隙部が極めて少ない電気泳動表示パネルを作製した。
上記の電気泳動表示パネルの対向する電極(ITO蒸着膜)間に±20Vの直流電圧を印加したところ、電気泳動表示素子内に電気泳動粒子(二酸化チタン粒子)が電圧印加方向に移動し、印加電圧の正負の切り換えにより、白/青の鮮明な表示が可能であることが確認された。
[実施例2]
上記のように作製した原版Bを使用した他は、実施例1と同様にして、PETフィルム上に電気泳動表示素子を転写して単粒子膜を形成した。この単粒子膜について、実施例1と同様に粒子充填率を計測した結果、粒子充填率は100%であった。
また、実施例1と同様にして、電気泳動表示パネルを作製した。この電気泳動表示パネルは、表示に寄与しない電気泳動表示素子間の間隙部が極めて少ないものであった。
さらに、上記の電気泳動表示パネルについて、実施例1と同様に、直流電圧を印加したところ、印加電圧の正負の切り換えにより、白/青の鮮明な表示が可能であることが確認された。
[実施例3]
上記のように作製した原版Cに、裏面から吸引を行ないながら、電気泳動表示素子の分散含有液をブレードコート法により塗布した。この際、原版Cとブレードとのギャップは50μmとした。これにより、原版Cの各貫通孔の開口部に電気泳動表示素子が1個づつ載置され、単粒子膜が形成された。
次いで、実施例1と同じ粘着層を備えたPETフィルムを、粘着層が原版C上の電気泳動表示素子に当接するように接触させ、その後、原版Cの裏面からの吸引を停止し、原版Cを取り除いた。これにより、PETフィルム上に電気泳動表示素子を転写して単粒子膜を形成した。この単粒子膜について、実施例1と同様に粒子充填率を計測した結果、粒子充填率は100%であった。
また、実施例1と同様にして、電気泳動表示パネルを作製した。この電気泳動表示パネルは、表示に寄与しない電気泳動表示素子間の間隙部が極めて少ないものであった。
さらに、上記の電気泳動表示パネルについて、実施例1と同様に、直流電圧を印加したところ、印加電圧の正負の切り換えにより、白/青の鮮明な表示が可能であることが確認された。
[比較例]
酸化インジウムスズ(ITO)蒸着膜を備えた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを被形成体とし、このPETフィルムのITO蒸着膜上にアクリル系粘着剤(東亜合成化学(株)製 アロンS−1601)をバーコート法により塗布して、厚み10μmの粘着層を形成した。
このPETフィルム上に、電気泳動表示素子の分散含有液をブレードコート法により塗布し、単粒子膜を形成した。この際、PETフィルムとブレードとのギャップは50μmとした。この単粒子膜について、実施例1と同様に粒子充填率を計測した結果、粒子充填率は80%であった。
また、実施例1と同様にして、電気泳動表示パネルを作製した。しかし、この電気泳動表示パネルは、表示に寄与しない電気泳動表示素子間の間隙部が存在するものであった。
粒子を単粒子膜とすることが要求される種々の用途に利用可能である。
本発明の単粒子膜形成用の原版の一実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線における縦断面図である。 本発明の単粒子膜形成用の原版の他の実施形態を示す平面図である。 図3のB−B線における縦断面図である。 本発明の単粒子膜形成用の原版の他の実施形態を示す図4相当の縦断面図である。 本発明の単粒子膜の形成方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明の単粒子膜の形成方法の他の実施形態を示す工程図である。 本発明の電気泳動表示装置の一実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明の電気泳動表示装置における電気泳動表示素子の配列を示す平面面である。 本発明の電気泳動表示装置の他の実施形態を示す部分縦断面図である。
符号の説明
1,11,21…単粒子膜形成用の原版
2,12,22…基体
3,13,23…凹部
31…被形成体
P…粒子
51…電気泳動表示装置
53(53Y,53M,53C)…透明パターン電極
57(57Y,57M,57C)…透明パターン電極
60…電気泳動表示素子層
61(61Y,61M,61C)…電気泳動表示素子
62…電気泳動粒子
63(63Y,63M,63C)…分散媒体
64…マイクロカプセル

Claims (9)

  1. 粒子を配列して単粒子膜を形成するための単粒子膜形成用の原版において、
    基体と、該基体の表面側に設けられた複数の凹部を有し、該凹部の開口部が円形であり、開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d≦Dの関係が成立し、複数の前記凹部は隣接する3個の凹部の開口部の重心を頂点する三角形が粒子の平均粒径Dを一辺の長さとする正三角形となるように配列されていることを特徴とする単粒子膜形成用の原版。
  2. 前記凹部は前記基体の裏面側へ貫通した貫通孔であり、該貫通孔の開口部の直径dと粒子の平均粒径Dとの間に0.7D≦d<Dの関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の単粒子膜形成用の原版。
  3. 前記貫通孔の内径は、前記基体の表面側の開口部の内径と等しいことを特徴とする請求項2に記載の単粒子膜形成用の原版。
  4. 粒子を、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の単粒子膜形成用の原版の各凹部に載置配列する配列工程と、
    該原版上の粒子を被形成体上に転写して単粒子膜を形成する転写工程と、を備えることを特徴とする単粒子膜の形成方法。
  5. 請求項2または請求項3に記載の単粒子膜形成用の原版を使用し、前記配列工程において、原版の裏面側から吸引を行ない、前記転写工程において、前記原版上の粒子が被形成体に当接した状態となるまで吸引を継続することを特徴とする請求項4に記載の単粒子膜の形成方法。
  6. 電極間に電気泳動表示素子層を備え、少なくとも一方の電極は、所定のパターン形状を有するパターン電極であり、前記電気泳動表示素子層は、電気泳動粒子と分散媒体をマイクロカプセルに収納してなる電気泳動表示素子が前記パターン電極上に配列されたものである電気泳動表示装置の製造方法において、
    請求項4または請求項5に記載の単粒子膜の形成方法によって、前記パターン電極上に電気泳動表示素子を単粒子膜状態となるように配列することを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
  7. 前記パターン電極を、電気的に独立した複数系統のパターン電極からなるように形成することを特徴とする請求項6に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  8. 前記電気泳動表示素子層を構成する電気泳動表示素子の分散媒体の色を、各系統のパターン電極毎に異なるようにすることを特徴とする請求項7に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
  9. 電気泳動表示素子の分散媒体の色は、少なくとも青色、赤色、黄色の3種とすることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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