JP2007316349A - 粒子移動型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り曲げ耐性、製造容易性、大面積対応に優れ、製造コストの低い電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】観察側基板1と背面側基板2とは、グラスビーズスペーサを用いて所定の対向間隔を設定されている。対向間隔内に分散液体の液塊7が表示電極3ごとに配置され、隣接する液塊7の間隔は、分散液体3と混合しない液体材料の液体隔壁8で仕切られている。分散液体は帯電粒子6に対して親液性が高く、液体隔壁8の液体材料は、帯電粒子6に対して撥液性が高いので、帯電粒子6は、液塊7内に閉じ込められて、液体隔壁8に侵入しない。
【選択図】図1

Description

本発明は、印加した電界に応答させて分散液体中で帯電粒子を移動させる粒子移動型表示装置、詳しくは帯電粒子を分散させた分散液体の液塊を相互に隔離する隔壁構造に関する。
非発光型の表示デバイスとして、印加した電界に応答させて分散液体中で帯電粒子を移動させることにより画素表示を行う電気泳動表示装置が提案されている。電気泳動表示装置は、バックライト無しでも明るい反射型表示が可能で、液晶表示素子のような保持電圧無しで画像表示を保持できる表示メモリ性も可能である。従って、低消費電力の画像表示デバイスとして注目されている。
特許文献1には、背面側基板に形成した隔壁構造で表示単位を仕切って移動空間を形成し、帯電粒子を分散させた分散液体を移動空間に充填した電気泳動表示装置が示される。ここでは、隔壁で囲まれた表示単位の底に表示単位ごとの表示電極が配置される。隔壁の表面は導電性材料で覆われて複数の表示単位に共通な電位の面を準備する共通電極となっている。共通電極を接地電位として、表示電極の電位極性を正極性と負極性とに反転させると、表示単位の表示が反転する。表示電極に印加する電圧信号の電圧と印加時間とを制御して、帯電粒子による表示面の部分的な遮光状態を形成することにより、中間階調が表示される。
特許文献2には、第1透明電極を形成した観察側基板と第2透明電極を形成した背面側基板との間の封入空間に、柔軟な導電性区画部材を配置した電気泳動表示装置が示される。ストライプ状もしくはメッシュ状の導電性区画部材によって複数の区画室が区画され、導電性区画部材が第3電極を構成している。第1透明電極と第2透明電極との少なくとも一方は、第3電極とともに直流電圧を印加される。
特許文献3には、固体の隔壁を使用することなく、帯電粒子を分散させた画素ごとの分散液体を相互に隔離した電気泳動表示装置が示される。ここでは、分散液体に対する親液性の高い表示領域を背面側基板上の画素ごとに形成し、分散液体に対する撥液性の高い境界領域を表示領域の間隔に形成している。帯電粒子を含む分散液体の液塊が表示領域に捕捉されて位置決めされる。表示領域と境界領域とのパターンを同様に形成した観察側基板を、液塊を乗せた背面側基板に重ねて対向間隔を設定する過程で、液塊を隔離する余分な空気が押し出し排出されて、空気を隔壁とする電気泳動表示装置が形成される。
特開2005−351993号公報 特開平04−212990号公報 特開2004−286836号公報
特許文献1に示される電気泳動表示装置では、薄膜トランジスタ素子や表示電極を形成した背面側基板に、成膜、露光、現像を含む5工程以上を以上を費やして、固体の隔壁構造を形成する必要がある。固体の隔壁構造は、背面側基板の曲げに抵抗するリブ構造となるため、観察側基板と背面側基板とに薄い樹脂板を用いてフレキシブルな電気泳動表示装置を形成した際に、フレキシブル性が損なわれる可能性がある。
固体の隔壁構造は、背面側基板の曲げに抵抗する過程で応力に晒されるため、大きな曲げを与えた際に破断やはがれを引き起して画素が破損する可能性がある。固体の隔壁構造は、構造強度上、製造プロセス上の制約からある程度の厚みが必要なので、画素サイズが小さくなると、画素の開口率が低下して、コントラストが低下したり、画素表示が暗くなったりする。
特許文献2に示される電気泳動表示装置では、観察側基板と背面側基板とのごく狭い対向間隔にメッシュ状またはストライプ状の導電性区画部材を形成する必要がある。
特許文献3に示される電気泳動表示装置では、高温環境で長期間放置すると、空気の隔壁で仕切られた分散液体の液塊が蒸発し、局所的に凝縮して液塊が成長して画素が融合する可能性がある。押圧や衝撃によって分散液体の液塊が融合するため、薄型やフレキシブル型の電気泳動表示装置には無理がある。
また、液体の分散液体と空気とでは屈折率が大きく異なるため、分散液体の側面の界面全反射によって、斜め方向からでは、画素表示を十分に観察できず、表示品質が低下する。空気の隔壁構造では、固体の隔壁構造のように黒く着色してブラックマトリックスを形成できないし、隔壁の起立面に導電性を付与して電極面を形成することもできない。
本発明は、フレキシブル性が高く、隔壁の着色と電極面形成とが可能で、固体の隔壁構造よりも少ない工程数で製造できる粒子移動型表示装置を提供することを目的としている。
本発明の粒子移動型表示装置は、観察側に配置された透明な観察側基板と、前記観察側基板に対向配置される背面側基板とを備えたものである。前記観察側基板と前記背面側基板との間隔に配置されて帯電粒子が移動可能に分散された分散液体の液塊と、前記背面側基板上で隣接する前記液塊を相互に隔離する液体材料の液体隔壁とを備える。前記液体隔壁の前記帯電粒子に対する親和性は、前記分散液体よりも低くしてある。
本発明の粒子移動型表示装置では、特許文献3と同様に、固体の隔壁構造に頼ることなく、背面側基板上で多数の液塊がそれぞれ自己形状を保持する。しかし、隣接する液塊の間隔は、分散液体との混合を禁じられた液体材料で満たされ、液体材料に境界付けられた液塊の界面内で帯電粒子を移動させて必要な表示を行う。液体材料は、液塊の形状を保持することなく、背面側基板上で隣接する液塊の間隔を満たし、背面側基板の曲げに追従して流動するので液体隔壁には応力が生じない。
従って、隔壁構造が背面側基板の曲げに抵抗せず、概ね背面側基板の曲げ抵抗と観察側基板の曲げ抵抗とだけで粒子移動型表示装置の曲げ抵抗が形成される。粒子移動型表示装置の曲げに追従して隔壁構造が自由に伸縮し、隔壁構造に応力を生じないので、破断やはがれを引き起して画素が破損することもない。
従って、背面側基板の曲げ動作に対する耐性に優れ、外部応力が取り除かれた時の形状復元にも優れ、製造容易性、大面積対応にも優れる。空気の隔壁に比較して着色が容易なので、黒色の液体隔壁によるブラックマトリックスの形成も可能である。空気の隔壁に比較して導電性の付与が容易なので、液体隔壁の起立面を電極として利用する画素構造も採用できる。液体材料の屈折率を分散液体に近い値に選択できるため、界面反射による光損失が少なく、表示品位を向上できる。
以下、本発明の粒子移動型表示装置の一実施形態である電気泳動表示装置について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の粒子移動型表示装置は、以下に説明する各実施形態の限定的な構成には限定されない。帯電粒子を含む分散液体の液塊を液体隔壁で相互に隔離する限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実現可能である。
本実施形態では、背面側基板に反射面を配置した反射型の構成を説明するが、背面側基板の背後にバックライトを配置する透過型、バックライトと反射面とを併用する半反射型としてもよい。単色二階調の画素表示でなく、特許文献1に示されるような多階調の画素表示としてもよい。連続した3つの表示単位にRGBカラーフィルタを配置して1つの画素を構成し、それぞれ多階調駆動してフルカラー表示してもよい。
なお、特許文献1〜3に示される電気泳動表示装置の一般的な構成部材、材料、回路構成、駆動方法等については、繰り返しの煩雑を回避すべく一部図示を省略し、詳細な説明も省略する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図、図2は変形例の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。図1中、(a)は黒表示、(b)は白表示である。
図1の(a)に示すように、観察側に位置する透明な観察側基板1と、不図示の駆動回路を形成した背面側基板2とが、不図示のスペーサ構造によって所定の間隔を開けて配置される。背面側基板2上には、画素ごとの表示電極3と、表示電極3を格子状に囲む共通電極4とが形成され、表示電極3および共通電極4を覆って絶縁層5が形成されている。
絶縁層5表面の表示電極3に重なる位置には、分散液体に対して親液性の高い表示領域が形成されている。表示領域の間隔には、分散液体に対して撥液性の境界領域が格子状に形成されている。これにより、帯電粒子6を含む分散液体の液塊7は、表示電極3上の絶縁層5に密着し、自律的に表示電極3の輪郭形状に成形される。
液体材料は、隣接する分散液体の液塊7の間隔を満たして液体隔壁8を形成して、それぞれの表示電極3上に配置された分散液体の液塊7を隔離する。帯電粒子6は、分散液体に対して適度な親和性と良分散性とを有するが、液体材料に対しては強い撥液性を有するので、帯電粒子6は、液塊7内に閉じ込められて液体隔壁8に侵入しない。
帯電粒子6は、黒色に着色されて分散液体の液塊7内ではプラス帯電である。透明な観察側基板1、絶縁層5を通じて視認される表示電極3の表面には、白色散乱面が形成されている。表示電極3と共通電極4との間に電圧を印加すると、液塊7の界面内では、表示電極3と共通電極4との間に形成される平面方向の電界に応答して帯電粒子6が自由に移動する。
表示電極3と共通電極4との間で帯電粒子6を移動させて、表示電極3上における帯電粒子6の集合状態を変化させることにより、画素20の表示が変化する。背面側基板2上には、このような画素20が格子状に多数平面配列されており、それぞれの画素20に必要な表示状態を設定することにより、電気泳動表示装置100に画像が表示される。
図1の(a)に示すように、共通電極4を接地電位として、表示電極3にマイナスの電圧を印加すると、帯電粒子6は、表示電極3を覆って広がり、画素20が黒表示となる。反対に、図1の(b)に示すように、表示電極3にプラスの電圧を印加すると、帯電粒子6は、液体隔壁8の起立面に引き寄せられ、白色の表示電極3が露出して、画素20が白表示となる。
液塊7の分散液体と液体隔壁8の液体材料とは、混合しない液体から構成されている。分散液体に良分散性の帯電粒子6は、液体隔壁8の液体材料との濡れ性が悪く、液塊7と液体隔壁8との界面において、帯電粒子6が液体隔壁8の液体材料と混合することはない。つまり、帯電粒子6と分散液体との濡れにより得られる安定化エネルギーが、液体隔壁8への濡れにより得られる安定化エネルギーよりも大きくなる関係を設定してある。これにより、帯電粒子6が液体隔壁8に拡散することはない。更には、得られる安定化エネルギー差を大きくすることにより、電界印加による帯電粒子6の液体隔壁8への衝突においても、帯電粒子6が液体隔壁8に取り込まれることはない。
なお、分散液体よりも粘性の高い液体隔壁8の液体材料を選んでもよい。液体隔壁8と液塊7の界面が帯電粒子6と逆極性に帯電する界面形成剤を液体隔壁8の液体材料に添加してもよい。これにより、帯電粒子6の侵入に対する液体隔壁8の反発力を高めることが可能となる。
観察面となる観察側基板1は、可視光の透過率の高い材料で構成される。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム或いはガラス、石英等の無機材料を使用できる。背面側基板2は、必ずしも透明である必要はなく、上記材料に加え、SUS、アルミニウム、チタン等の金属基板やフィルム基板を使用できる。
表示電極3および共通電極4は、背面側基板2の上に形成された金属薄膜を整形して作製されが、透明な導電性材料を用いてもよい。図2に変形例として示すように、表示電極3を背面側基板2に配置する一方、透明な導電性材料を用いた共通電極4を観察側基板1に配置することが可能である。
図2の構成では、観察側基板1と背面側基板2との間で垂直方向に帯電粒子6を移動させる。特許文献1に示されるように、着色した分散液体における帯電粒子6の浮上/着底によりコントラストを表示できる。帯電と透過率、もしくは着色の異なる2種類の帯電粒子を混合して用いることにより、表示を行うこともできる。
図1の(a)に示す共通電極4を液体隔壁8に接触させ、液体隔壁8の液体材料に導電性材料を用いることにより、液体隔壁8は、共通電極4に接続した電極面として利用できる。背面側基板2上の帯電粒子6の移動に加え、液体隔壁8の方向にも帯電粒子6を移動させて、画素20の表示を行うことができる。液体隔壁8が導電性材料で形成されている場合には、格子状の共通電極4は必ずしも必要ではなく、液体隔壁8が共通電極4を兼用できる。
表示電極3、共通電極4は、無機/有機の導電性材料を用いて、鍍金、蒸着、インクジェット法、スクリーン印刷法、などにより形成できる。Au、Ag、Al、Ti、TiC、Cu、ITO、ATO、FTO、AZO、ZnO、その他導電膜材料(上記以外の金属、導電性窒化物、導電性ホウ化物、有機導電性材料等)を利用できる。
絶縁層5は、透明な絶縁性材料、あるいは所望の色で着色された絶縁性材料を用いて形成される。絶縁層5は、帯電粒子6と異なる透過率、あるいは異なる着色とする。これにより、帯電粒子6が表示電極3上に一様に広がった時と、帯電粒子6が液体隔壁8の側に移動した時とで画素20のコントラストが得られる。
絶縁層5には、プラスチック材料やガラス材料等を使用できる。これらの材料に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどの無機酸化物顔料、染料を混ぜ合わせて着色化、光散乱面化してもよい。プラスチック材料としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等である。絶縁層5の上に、分散液体の液塊7の位置を規定する立体構造物を形成してもよい。分散液体に対する親液部と疎液部からなる化学的パターンを形成してもよい。
<帯電粒子>
帯電粒子6は、絶縁層5もしくは表示電極3と異なる透過率、あるいは異なる着色である。帯電粒子6の平均粒径は、分散液体中で電界に応答して泳動可能であれば特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下、更には0.05μm以上3μmの範囲が好ましい。3μmを超えると画素表示のコントラストが低下する。帯電粒子6は、必要に応じて乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、平均粒径を上記の範囲内に制御できる。帯電粒子6は、透過率あるいは着色の異なる2種類以上の帯電粒子を混ぜて使用できる。
帯電粒子6としては、無機粒子、高分子樹脂粒子、あるいは、これらの複合粒子のいずれにも特に限定はされない。帯電粒子6が無機粒子である場合、二酸化チタン、黒鉛、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等を用いることができる。これらの無機粒子は、造粒法、粉砕法、ゾルゲル法から得られたものを分級することにより帯電粒子6として用いることができるが、その製法は特に上記方法に限定されない。帯電粒子6が高分子樹脂粒子の場合、懸濁重合法、分散重合法、シード重合、あるいは乳化重合法などの公知の方法から得ることができるが、これらの方法に限定されない。
帯電粒子6が複合粒子である場合、使用する高分子重合体としては、分散液体中で性状が長期間安定し、電界に応答して泳動可能であれば特に限定されない。しかし、例示すれば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリルレート、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂その他ポリ塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂等の高分子材料が挙げられる。これらの材料は単独あるいは2種類以上を併用してもよい。
帯電粒子6としては、市販の粒子を用いることができる。例えば、積水化学工業(株)製のミクロパール(登録商標)、ナトコ(株)製のナトコスペーサー粒子(登録商標)、日本触媒化学工業(株)製のエポカラー粒子(登録商標)、総研化学(株)製のケミスノー(登録商標)、GE東芝シリコーン(株)製のトスパール(登録商標)、積水化成品工業のテクポリマー(登録商標)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
帯電粒子6に所望の表面特性を付与するために、帯電粒子6の表面を被覆することができる。具体的には、核となる種粒子に対して高分子重合体のモノマーをシード重合させる方法、グラフト重合させる方法、カップリング剤によるカップリング基を介して粒子表面を高分子重合体で被覆する方法がある。あるいは、高分子重合体を溶媒に溶解させた溶液で粒子表面を被覆し溶媒を除去する方法、粒子表面をプラズマ処理する方法等もある。
帯電粒子6は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて着色することができる。着色剤としては特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、等の顔料、オリエント化学社製のOrient Oil Black(登録商標)等の染料が挙げられる。着色剤の中で、単独で帯電粒子6として使用できる顔料も使用することができる。
複数の顔料粒子から複合粒子を作製してもよい。染料と高分子重合体とから複合粒子を作製してもよい。そのような方法としては、高分子重合体の重合過程(モノマー仕込み時を含む)で顔料粒子や染料を添加して乳化重合、分散重合、懸濁重合、あるいはシード重合を行う方法がある。高分子重合体の粒子自体を染料で染色する方法、顔料粒子を高分子重合体と溶融混練し粉砕する方法もある。高分子重合体を溶媒に溶解させた溶液に顔料粒子あるいは染料を添加し、その後溶媒を除去、溶液の温度を下げる、あるいは貧溶媒を使用した再沈殿を行って複合粒子を析出・造粒する方法もある。このような様々な公知の方法を利用できる。また、複合粒子を構成する高分子重合体あるいは染料は、溶剤に対する不溶化を目的として架橋処理や固定化処理を施して使用することもできる。さらに、複合粒子の着色度合いに応じて、顔料粒子と染料を混合して使用することができる。
<分散液体>
液塊7の分散液体は、上記条件を満たすものであれば特に限定されないが、無色で光透過性が高く、かつ、絶縁性の高い液体であることが望ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン酸系炭化水素などの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素溶媒等である。イソパラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒等もある。あるいはシリコンオイル、高純度石油、フルオロエチレン、オクタフルオロシクロペンタン、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶剤もある。これらの溶剤は単一種で使用することも、複数種を混合させて使用することもできる。
液体隔壁8により規定される分散液体の液塊7の大きさは、特に限定されないが、1μm〜200μmであることが好ましい。200μmを超えると、画像表示の解像度が低下し、また、1μmよりも小さいと、分散液体の液滴の制御性が低下する。また、分散液体の液塊7は、自由に形を変えることができ、観察側基板1と背面側基板2とで挟持することも、背面側基板2に形成した立体構造物や凹凸構造に収納することも可能である。
液塊7の分散液体には、帯電粒子6の分散を補助するための帯電制御剤、絶縁層5への帯電粒子6の固着を防止するための付着制御剤等を添加することができる。帯電制御剤は、溶剤に可溶であるならば特に限定されない。しかし、例示すれば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、脂肪族アミン塩およびその4級アンモニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アンモニウム縁などの陽イオン界面活性剤、カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などの両性界面活性剤、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型の非イオン性界面活性剤、金属石鹸、弗素系界面活性剤、反応性界面活性剤、ブロック型ポリマー、グラフト型ポリマー等が挙げられる。これらの液体を単独、あるいは2種類以上混合して、分散液体としてもよい。
付着制御剤は、溶剤に相溶性のあるものであれば得に限定されない。例示すれば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリジメチルシロキサン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイソプレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、弗素高分子、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックス、各種鹸化度および分子量のポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどの高分子、界面活性剤、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー等の弗素系界面活性剤等を用いることができる。中でも、スチレンブタジエン共重合体が好ましく、例えば、市販の材料としては、JSR(株)製のE−SBR、S−SBR(登録商標)、日本ゼオン(株)製のNIPOL 1502,NIPOL 1712、NIPOL NS112、NIPOL NS116、NIPOL 1006、NIPOL 1009(登録商標)、旭化成のタフデン、タフプレン、アサプレン(登録商標)、住友化学(株)製の住友SBR(登録商標)を使用できる。
<液体隔壁>
液体隔壁8の液体材料は、特に限定されないが、液塊7の分散液体と混合しない液体材料が望ましい。分散液体と混合しない液体材料を選択することにより、液体隔壁8の構造が安定に保たれるからである。液体隔壁8の屈折率は、液塊7の分散液体と近い値を有することが望ましく、屈折率差を0.1以下に設定することにより、光損失を小さくできる。
液体隔壁8の液体材料は、粘度が高い液体を使用することも、分散液体の液塊7との界面を安定に保つためには有効である。特に限定はされないが、5mPa・s(5cp)以上の液体が好ましい。液体材料の粘度調整のために、液体材料に高分子増粘剤などを添加することもできる。
液体隔壁8の液体材料としては、特に限定されないが、水、イオン液体、各種有機溶媒を使用することができる。更に、電気伝導率の制御のために、各種無機塩類、有機化合物などを添加してもよい。液体材料として導電性材料を用いれば、液体隔壁8は、表示電極3を囲む電極面として利用可能である。この場合、少なくとも表示電極3を観察側基板1もしくは背面側基板2に配置して、帯電粒子6を表示面に沿った方向に移動させる。液体隔壁8の液体材料に用いる導電性材料としては、例えばイオン液体が好ましく、具体的には、脂環式アミン系、脂肪族アミン系などが挙げられる。イオン液体の例としては、Zwitterionic型、トリプルイオン型等の芳香族四級アンモニウム塩、あるいは脂肪族四級アンモニウム塩等のイオンのみからなる溶媒も利用できる。
<製造方法>
次に、第1実施形態の電気泳動表示装置100の製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、背面側基板2上に、表示電極3および共通電極4を形成して絶縁層5で被覆する。観察側基板1、背面側基板2には、液塊7および液体隔壁8の位置規定のための分散液体に対する親液部と疎液部とからなる化学的パターンを形成する。
所望の間隔で配置される観察側基板1と背面側基板2との間隔へ帯電粒子6を含む分散液体の液塊7を充填し、液体隔壁8を形成する方法は以下の手順である。
(1)帯電粒子6を含む分散液体を、背面側基板2の表示電極3上に、最終的な液塊7の体積を持たせた液滴として1個ずつ点滴配置する。
(2)液塊7は、背面側基板2に形成された分散液体に対する親液性の領域(表示領域)に広がり、表面張力によってドーム状に盛り上がる。
(3)液塊7が配列した背面側基板2に液体隔壁8の液体材料を注いで液塊7を液体材料に沈める。
(4)液体材料の上に観察側基板1を重ねて、背面側基板2との間隔が所定の対向間隔となるまで、観察側基板1で液塊7を押し潰す。
(5)液塊7は、観察側基板1に形成された分散液体に対する親液性の領域(表示領域)に広がり、表示電極3の平面形状に成形される。
(6)液塊7が押し潰される過程で、液塊7の隙間が絞り込まれ、余分の液体材料が、観察側基板1と背面側基板2との間から押し出し排出される。
なお、表示電極3上に液塊7を点滴配置する工程は、複数のノズルを画素20間隔で配列したインクジェットヘッドを利用できる。背面側基板2上に液塊7を配置する工程は、最終的な液塊7の体積を持つ無数の液滴粒を分散させた液体材料を背面側基板2上に展開または塗布する工程としてもよい。液滴粒を分散させた液体材料は、帯電粒子6を含む分散液体を液体材料に点滴して形成してもよい。いずれにせよ、観察側基板1を背面側基板2に重ねて所定の対向間隔とする過程で、液滴7を損なうことなく、不要な液体材料を押し出し排出できる。また、所望の間隔をもって組み立てた観察側基板1と背面側基板2との間に、帯電粒子6を含む分散液体の液塊7および液体隔壁8の液体材料を充填してもよい。
ところで、帯電粒子6を含む分散液体の液塊7の区画室形成は、観察側基板1と背面側基板2との間に充填する前に行うことも、充填した後に行うことでも可能である。観察側基板1と背面側基板2との間に充填する前に液塊7の区画室を形成する方法としては、分散液体の液塊7を内部に含有するマイクロカプセルを背面側基板2上に配列する方法がある。マイクロカプセルの被覆材料を液体材料に溶解する物質や加熱溶解(あるいは加熱蒸発)する物質とすることで、最終的に固体隔壁の無い液塊7を形成できればよい。
分散液体の液塊7を内部に含有するマイクロカプセルは、界面重合法、不溶化反応法、相分離法或いは界面沈殿法などの手段で作製できる。このほか、所望の液量を吐出できるノズルより帯電粒子6を含む分散液体の液塊7を吐出させ、高分子層で被覆する方法でも作製可能である。
分散液体の液塊7を内部に含有するマイクロカプセルは、液体隔壁8の液体材料に分散させて背面側基板2上に配置してもよく、観察側基板1と背面側基板2との間に充填してもよい。
また、先に背面側基板2上に分散液体の液塊7を内部に含有するマイクロカプセルを配置し、観察側基板1にて封止した後に、毛細管現象などを利用して液体隔壁8の液体材料を充填することもできる。
観察側基板1と背面側基板2との間に帯電粒子6を含む分散液体を充填した後に、液塊7の区画室を形成する方法もある。例えば、帯電粒子6を含む分散液体と液体隔壁8の液体材料との混合物を、所望の間隔で配置された観察側基板1と背面側基板2との間へ充填する。観察側基板1と背面側基板2とには、分散液体に対する親液性の異なる化学的パターニングを施しておく。
あるいは、帯電粒子6を含む分散液体と液体隔壁8の液体材料とを、観察側基板1と背面側基板2との間に、所定量ずつ交互に充填する。その後、外部より超音波振動などの外部刺激を印加して、帯電粒子6を含む分散液体の液塊7と液体隔壁8とを、それぞれ親液性の高い位置に移動させる。これにより、充填された分散液体の液塊7および液体隔壁8は、エネルギー的に安定化されて、分散液体の液塊7の区画室の形成が達成できる。
分散液体の液塊7の区画室の大きさは、各画素の大きさに対応している必要はなく、画素当たりに複数の区画室を配置しても良く、複数の画素に1つの区画室を割り当ててもよい。
第1実施形態の電気泳動表示装置100は、所定間隔を開けて配置された観察側基板1と背面側基板2と、この間隔内に配置された分散液体の液塊7と、分散液体に分散された帯電粒子6と、帯電粒子6を駆動させるための表示電極3、共通電極4とを有する。分散液体の液塊7が液体隔壁8により区画され、複数の区画室が形成している。液体隔壁8が、分散液体と混合しない液体材料である。観察側基板1もしくは/および背面側基板2に、化学的パターンが形成されている。観察側基板1もしくは/および背面側基板2に、分散液体の親液部と疎液部が形成されている。液体隔壁8の屈折率と分散液体の屈折率差が0.1以下である。
電気泳動表示装置100は、一度電気アドレッシングによる画像書き込みを行えば、表示維持電力を供給しなくとも画像は安定して表示され続ける。このため、表示画像の書き換え時以外には電力を要しないので、低電圧、小型電池での駆動が求められる電子ペーパー、読書端末等に利用することができる。液体隔壁8が液体であり、外部応力を形状変化することにより吸収することができる。液体隔壁8により区画されている分散液体の液塊7の位置は、背面側基板2に作製された位置規定のためのパターニングにより固定される。このため、曲げ動作に対する耐性に優れ、外部応力が取り除かれた時の形状復元にも優れる。同時に、製造容易性、大面積対応にも優れる。加えて、液体隔壁8の液体材料の屈折率を絶縁性液体に近い値に選択できるため、光損失が少なく、表示品位を向上できる。
<第2実施形態>
図3は第2実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図、図4は背面側基板の斜視図である。第2実施形態の電気泳動表示装置300は、分散液体の液塊の界面に界面形成体9が配置され、共通電極11が液体隔壁8に接続している。それ以外は、概ね第1実施形態と同様に構成されているので、図3、図4中、図1と共通する構成には共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態の電気泳動表示装置300は、液体隔壁8と液塊7との界面を安定に保つために、界面形成体9を形成している。界面形成体9には、界面活性剤や液体の高分子層を用いることができる。界面形成体9は、帯電反発、粘性、立体構造などの効果を利用して、分散液体の液塊7と液体隔壁8との合一化を阻止する。隣接する液塊7の合一化も阻止する。界面形成体9を設ける場合、液体隔壁8の液体材料には、必ずしも液塊7の分散液体と混合しないものを選択する必要はない。
観察側基板1と背面側基板2との間に液体隔壁8の液体材料を充填する前に、帯電粒子6を含む液塊7の区画室を形成してもよい。例えば、界面活性剤を界面形成体9として用いて分散液体のエマルションを形成する方法がある。エマルションの形成のために用いる界面活性剤は、区画室を形成する液塊7が凝集および合一化せずに安定形成するように選択されることが望ましい。分散液体に対して大きな親液性を示す部位と、液体隔壁8の液体材料に対して大きな親液性を示す部位とを有する分子構造の界面活性剤を選択することも有効である。第2実施形態では、界面形成体9の材料を共変性型のシリコーン界面活性剤とし、分散液体を脂肪族炭化水素系溶媒とした。
分散液体と液体材料のエマルションは、背面側基板2上に配置した後に観察側基板1にて封止してもよい。また、背面側基板2と観察側基板1とを組み立てた後に、両者の間に毛細管現象などを利用して充填してもよい。
図3に示すように、分散液体の液塊7には、粒径2.5μmのポリカーボネート粒子を黒色染料にて着色した帯電粒子6を分散してある。脂肪族炭化水素系の分散液体には、帯電制御剤としてカルボン酸塩を添加してあるので、分散液体中の帯電粒子6はプラス帯電である。
液体隔壁8の液体材料は、塩化カリウム水溶液である。帯電粒子6を含む分散液体の液塊7を共変性型のシリコーン界面活性剤と混合することにより、液体材料と分散液体とによるO/W型のエマルションを作製する。共変性型のシリコーン界面活性剤は、O/W型のエマルションを安定形成するために、HLB指数が高い、親水性の界面活性剤を選択する。HLB(Hydrophile−lipophile balance)指数は、界面活性剤の親水性と 疎水性の比率を表す。
図3を参照して図4に示すように、観察側基板1の上には、表示電極3が画素形状に対応して形成されており、絶縁層5にて覆われている。絶縁層5の上には、分散液体の液塊7を位置決めるための化学的パターンが形成されている。表示電極3と重なる位置には、分散液体に対して親液性の高い表示領域10、隣接する表示電極3の間に配置された共通電極11は、分散液体に対して疎液性の高い境界領域となっている。化学的パターンは、親液性、疎液性の材料を印刷法により転写して形成される。印刷以外のパターニング方法としては、フォトマスクを用いた露光、インクジェット、エッチング等を用いることができる。
このように作製した観察側基板1の上に、O/W型のエマルションと対向間隔設定用のスペーサビーズとが配置される。続いて背面側基板2を配置して、余分となる液体隔壁8の液体材料を押し出し排出する。その後に、観察側基板1と背面側基板2とを固定化して外周を封止する。
液体隔壁8の液体材料には、導電性液体(イオン液体)を使用しているので、液体隔壁8の起立面には、共通電極11に接続された電極面が形成されている。表示電極3と共通電極11とに配線を施し、駆動装置を接続することにより、表示電極3と液体隔壁8の間に電圧を印加することができる。表示電極3上の帯電粒子6の集合状態を変化させることにより、画素20の表示を変化させて電気泳動表示装置300に画像を表示できる。
第2実施形態の電気泳動表示装置300は、液塊7の区画室が、表示電極3もしくは共通電極4上に形成される電極パターンと対応して形成されている。区画室で規定される分散液体の液塊7が、界面形成体9で覆われている。液体隔壁8は、導電性材料である。液体隔壁8が、イオン液体である。帯電粒子6を駆動させるための電極の一部が液体隔壁8である。
<第3実施形態>
図5は第3実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図、図6は背面側基板の斜視図である。第3実施形態の電気泳動表示装置400は、分散液体の液塊7を位置決めするための立体構造物12を背面側基板2に形成している。それ以外は、概ね第2実施形態と同様に構成されているので、図5、図6中、図3、図4と共通する構成には共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
図5に示すように、帯電粒子6は、ポリカーボネート樹脂をカーボンブラックにより着色してあり、分散液体中ではマイナス帯電である。帯電粒子6を分散させた脂肪族炭化水素の分散液体の液塊7は、液体高分子により区画室が形成されている。液体隔壁8はイオン液体である。
図6に示すように、背面側基板2の上には、表示電極3が画素形状に対応して形成されており、絶縁層5にて覆われている。絶縁層5上における隣接する表示電極3の間隔には、液塊7および液体隔壁8の位置規定のための立体構造物12、13が形成されている。立体構造物12、13は、分散液体に対して撥液性の高い材料で形成され、隣接する液塊7の接触、融合を回避している。背の高い立体構造物13は観察側基板1と背面側基板2との対向間隔を設定するスペーサを兼ねている。立体構造物12、13は、固体隔壁と同様な手法で形成できる。例えば、光硬化型の液体樹脂を塗布してパターン露光/硬化させ、未硬化樹脂を除去する。
立体構造物12、13を形成した観察側基板1の上に、高分子膜により形成される分散液体の液塊7の区画室を配置し、背面側基板2を配置して固定化する。続いて、液体隔壁8の液体材料であるイオン液体を、毛細管現象を利用して基板間隔に充填して注入口を閉じる。
表示電極3と液体隔壁8とに配線を施し、駆動装置を接続することにより、表示電極3と液体隔壁8の間に電圧を印加することができる。画素20ごとに表示電極3上の帯電粒子6の集合状態を変化させて、電気泳動表示装置400に必要な画像の表示を行うことができる。
第3実施形態の電気泳動表示装置400は、観察側基板1もしくは/および背面側基板2に、立体構造物が形成されている。
<比較例の電気泳動表示装置>
図7は比較例の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。図中、(a)は黒表示、(b)は白表示である。図7に示すように、電気泳動表示装置500は、背面側基板102に固体の隔壁103を形成して、観察側基板101と背面側基板102との対向間隔を設定してある。観察側基板101と背面側基板102との間に絶縁性の分散液体110が充填され、分散液体110には多数の帯電粒子109が分散されている。背面側基板102には画素ごとの表示電極105が配置され、分散液体110を囲む隔壁103の4つの起立面に共通電極106を配置している。帯電粒子109は、黒色に着色され、分散液体110中でプラス極性に帯電している。
図7の(a)に示すように、共通電極106を接地電位として表示電極105にマイナス電圧を印加すると、プラス帯電である帯電泳動粒子109が表示電極105上に移動する。帯電粒子109が表示電極105を覆い尽くすため、観察側基板101から見た画素120は、帯電粒子109の色である黒表示となる。
一方、図7の(b)に示すように、共通電極106を接地電位として表示電極105にプラス電圧を印加すると、プラス帯電である帯電粒子109は共通電極106上に移動する。帯電粒子109が排除されて表示電極105が露出するので、観察側基板101から見た画素120は、表示電極105の色である白表示となる。
このように、表示電極105の色と帯電粒子109の色との違いを利用して、画素120に種々の表示を行うことができる。隔壁103に導電性材料を用いることにより隔壁103を電極面として利用し、背面側基板102と隔壁103との間で帯電粒子109を平面方向に移動させることもできる。この場合、表示電極105上における帯電粒子109の集合状態を変化させて階調表示を行うことができる。
電気泳動表示装置500は、帯電粒子109の集合状態を変化させて画素20の表示を行うため、画素20における帯電粒子109の量は、表示面積全体において常に一定に保つ必要がある。そのため、画像表示によって隣接する画素に帯電粒子109が移動しないように、各画素を規定する隔壁103が必須となる。
隔壁103を樹脂などの固体を用いて作製する場合、作成方法として、フォトリソグラフィ、エンボス加工、インクジェット法、などを選択できる。しかし、どの場合でも表示電極105との位置合わせ、加工精度、歩留まり、大面積対応、製造コスト等において問題が発生することがある。観察側基板101および背面側基板102として可撓性の材料を選択した場合、電気泳動表示装置500の曲げ動作に対する耐性に問題が発生することがある。
<発明との対応>
第1実施形態の電気泳動表示装置100は、観察側に配置された透明な観察側基板1と、観察側基板1に対向配置される背面側基板2とを備える。観察側基板1と背面側基板2との間隔に配置されて帯電粒子6が移動可能に分散された分散液体の液塊7と、背面側基板2上で隣接する液塊7を相互に隔離する液体材料の液体隔壁8とを備える。液体隔壁8の帯電粒子6に対する親和性は、分散液体よりも低い。
電気泳動表示装置100では、特許文献3と同様に、固体の隔壁構造に頼ることなく、背面側基板2上で多数の液塊7がそれぞれ自己形状を保持する。しかし、隣接する液塊7の間隔は、分散液体との混合を禁じられた液体材料で満たされ、液体材料に境界付けられた液塊7の界面内で帯電粒子6を移動させて必要な表示を行う。液体材料は、液塊7の形状を保持することなく、背面側基板2上で隣接する液塊の間隔を満たし、背面側基板2の曲げに追従して流動するので液体隔壁8には応力が生じない。
従って、隔壁構造が背面側基板2の曲げに抵抗せず、概ね背面側基板2の曲げ抵抗と観察側基板1の曲げ抵抗とだけで電気泳動表示装置100の曲げ抵抗が形成される。電気泳動表示装置100の曲げに追従して液体隔壁8が自由に伸縮し、隔壁構造に応力を生じないので、破断やはがれを引き起して画素20が破損することもない。
従って、背面側基板2の曲げ動作に対する耐性に優れ、外部応力が取り除かれた時の形状復元にも優れ、製造容易性、大面積対応にも優れる。空気の隔壁に比較して着色が容易なので、黒色の液体隔壁8によるブラックマトリックスの形成も可能である。空気の隔壁に比較して導電性の付与が容易なので、液体隔壁8の起立面を電極として利用する画素構造も採用できる。液体材料の屈折率を分散液体に近い値に選択できるため、界面反射による光損失が少なく、表示品位を向上できる。
電気泳動表示装置100は、分散液体に対して親和性が高い表示領域を、液塊7の平面配置に一致させて、背面側基板2と観察側基板1との少なくとも一方に配置し、表示領域の間に位置する境界領域は、表示領域よりも分散液体に対する親和性が低い。
電気泳動表示装置100は、表示領域が、分散液体に対する親液部、一方、境界領域が、分散液体に対する疎液部である。
第3実施形態の電気泳動表示装置400は、背面側基板2における液塊7の配置輪郭の一部分に接触する立体構造物12、13を、背面側基板2と観察側基板1との少なくとも一方に配置し、立体構造物12、13は、少なくとも隣接する液塊7の間隔に、分散液体に対して親和性が低い材料を配置している。
第2実施形態の電気泳動表示装置300は、液塊7と前記液体材料との間に、界面形成物質の界面形成体9が配置されている。
第2実施形態の電気泳動表示装置300は、前記液体材料が、導電性材料である。
第2実施形態の電気泳動表示装置300は、前記液体材料が、イオン溶液である。
第2実施形態の電気泳動表示装置300は、前記液体材料は、複数の液塊7に対して共通の電位の面をそれぞれ準備する共通電極である。
電気泳動表示装置100は、一対の基板部材(1、2)の間隔に帯電粒子6を含む液塊7が平面配列され、液塊7が液体材料の液体隔壁8で仕切られる。その製造方法は、帯電粒子6を含む分散液体の液塊7を一方の基板部材(2)上に平面配列させる第1工程と、液塊7が平面配列された基板部材(2)に他方の基板部材(1)を重ねて対向間隔を設定する過程で液塊7の間隔を満たした余分な液体材料を押し出し排出する第2工程とを備える。
第1実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。 変形例の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。 第2実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。 背面側基板の斜視図である。 第3実施形態の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。 背面側基板の斜視図である。 比較例の電気泳動表示装置の断面構成の説明図である。
符号の説明
1 観察側基板
2 背面側基板
3 表示電極
4 共通電極
5 絶縁層
6 帯電粒子
7 分散液体の液塊
8 液体隔壁
9 界面形成体
10 表示領域、親液部
11 境界領域、疎液部(共通電極)
12、13 立体構造物

Claims (7)

  1. 観察側に配置された透明な観察側基板と、
    前記観察側基板に対向配置される背面側基板と、を備えた粒子移動型表示装置において、
    前記観察側基板と前記背面側基板との間隔に配置されて、帯電粒子が移動可能に分散された分散液体の液塊と、
    前記背面側基板上で隣接する前記液塊を相互に隔離する液体材料の液体隔壁と、を備え、
    前記液体隔壁の前記帯電粒子に対する親和性は、前記分散液体よりも低いことを特徴とする粒子移動型表示装置。
  2. 前記分散液体に対して親和性が高い表示領域を、前記液塊の平面配置に一致させて、前記背面側基板と前記観察側基板との少なくとも一方に配置し、
    前記表示領域の間に位置する境界領域は、前記表示領域よりも前記分散液体に対する親和性が低いことを特徴とする請求項1記載の粒子移動型表示装置。
  3. 前記表示領域は前記分散液体に対する親液部、一方、前記境界領域は前記分散液体に対する疎液部であることを特徴とする請求項2記載の粒子移動型表示装置。
  4. 前記液塊と前記液体材料との間に、界面形成物質の境界層が配置されていることを特徴とする請求項1記載の粒子移動型表示装置。
  5. 前記液体材料が、導電性材料であることを特徴とする請求項1記載の粒子移動型表示装置。
  6. 前記液体材料は、複数の液塊に対して共通の電位の面をそれぞれ準備する共通電極であることを特徴とする請求項5記載の粒子移動型表示装置。
  7. 一対の基板部材の間隔に帯電粒子を含む液塊が平面配列され、前記液塊が液体材料の液体隔壁で仕切られる粒子移動型表示装置の製造方法であって、
    帯電粒子を含む分散液体の液塊を一方の前記基板部材上に平面配列させる第1工程と、
    前記液塊が平面配列された前記基板部材に他方の前記基板部材を重ねて対向間隔を設定する過程で前記液塊の間隔を満たした余分な前記液体材料を押し出し排出する第2工程と、を備えることを特徴とする粒子移動型表示装置の製造方法。
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