JP2009250099A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧EGRと低圧EGRとを両方備えた排気浄化装置において、高圧EGRにおけるデポジットを低減する排気浄化装置を提供する。
【解決手段】高圧EGR管5における詰まりの程度を算出して、詰まりの程度が所定の基準を超えたら高圧EGR管5に高温の排気ガスを流して、高圧EGR管5における詰まりを低減する。差圧センサ53の計測値が所定値を越えたこと、あるいは高圧EGR管5のEGRバルブ51の開度がゼロでない時間の積算値が所定値を越えたこと、または高圧EGR管5の流量を算出し、これが所定値より小さいことをもって、詰まりの程度が所定の基準を越えたと判定する。詰まりの低減処理方法としては、高負荷域でEGRバルブ51を開く方法、ヒータを設置して高圧EGR管5内の排気を加熱する方法、あるいはDPF8の再生中に副EGR管10を通じてDPF8の下流から高温ガスを高圧EGR管5へ還流する方法を用いる。
【選択図】図5
【解決手段】高圧EGR管5における詰まりの程度を算出して、詰まりの程度が所定の基準を超えたら高圧EGR管5に高温の排気ガスを流して、高圧EGR管5における詰まりを低減する。差圧センサ53の計測値が所定値を越えたこと、あるいは高圧EGR管5のEGRバルブ51の開度がゼロでない時間の積算値が所定値を越えたこと、または高圧EGR管5の流量を算出し、これが所定値より小さいことをもって、詰まりの程度が所定の基準を越えたと判定する。詰まりの低減処理方法としては、高負荷域でEGRバルブ51を開く方法、ヒータを設置して高圧EGR管5内の排気を加熱する方法、あるいはDPF8の再生中に副EGR管10を通じてDPF8の下流から高温ガスを高圧EGR管5へ還流する方法を用いる。
【選択図】図5
Description
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関に対する排気浄化技術として、排気管を通過する排気を吸気管側へ還流して、シリンダ内の燃焼反応を抑えてエンジンからの窒素酸化物(NOx)等の排出を低減する排気ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)が知られている。
ターボチャージャー搭載のエンジンの場合、EGRは、コンプレッサ下流例えば吸気マニホールドとタービン上流例えば排気マニホールドを連結する高圧EGRのみでなく、コンプレッサ上流とタービン下流を連結する低圧EGRを併置する構造が用いられるようになってきている。EGR管が2系統装備されるひとつの理由は、以下に述べるように高圧EGR管のみでは高負荷時にターボチャージャーの過給による吸気圧上昇分により十分なEGR量が確保できないことがあるためである。
低中負荷域では、排気マニホールド内の圧力に比べて、吸気マニホールド内の圧力(過給圧)が低く両マニホールド間の差圧が大きいため、高圧EGRで比較的多くの排気を還流させることができる。しかし高負荷域では、ターボによる過給のために吸気マニホールドの圧力が上昇して排気、吸気マニホールド間の差圧が小さくなるので高圧EGRでは排気を還流しにくくなる。
しかし2系統のEGRを装備すれば、高負荷域では、コンプレッサ上流はコンプレッサに吸引されて負圧が大きくなりタービン下流との差圧が大きくなるので、低圧EGRによって排気を還流しやすい。したがってターボチャージャーの過給による吸気圧上昇の影響を受けない低圧EGRによって高負荷時のEGR量を確保することが可能となる。下記特許文献1には、このような2系統のEGRの例が示されている。
ちなみに低中負荷域における低圧EGRではコンプレッサ上流とタービン下流はともに大気圧に近く差圧が小さいので多くの排気を還流させることが困難である。結局以上より低中負荷域では高圧EGRを使用し、高負荷域では低圧EGRを使用することとなる。この場合の高圧及び低圧EGRバルブの開度の設定の例が図6に示されている。
同図では高負荷域では低圧EGRバルブを全開、高圧EGRバルブを全閉、低負荷域では低圧EGRバルブを全閉、高圧EGRバルブを全開とし、中負荷域でのバルブ開度は高負荷域、低負荷域での開度を連続的につなぐように設定している。図6では特に高負荷域、低負荷域での開度を中負荷域で直線的につないでいる。
図6のようにEGRバルブを調節すると、結局低中負荷域のみで高圧EGRを使用することとなる。低中負荷域ではエンジンからの排気ガスが、軽油や潤滑油の未燃焼成分である可溶性有機成分(SOF:Soluble Organic Fraction)を多く含む性質がある。低中負荷域のみで高圧EGRを使用することにより、高圧EGR管にSOF分が堆積してしまう可能性がある。
高温ガスが流れればSOF分が蒸発する可能性があるが、低中負荷域では高温ガスがほとんど流れない。したがって高圧EGR管にSOF分が堆積することにより、排気が十分に還流できずにエミッションが悪化する不具合が発生する危険性がある。こうしたSOF分によるデポジットの問題は、上記特許文献1を含めて従来技術では解決されていない。
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、高圧EGRと低圧EGRとを両方備えた排気浄化装置において、高圧EGRにおけるデポジットを低減する機能を有する内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、排気通路から吸気通路へ排気を還流する第1の排気還流通路と、その第1の排気還流通路よりも前記排気通路の下流側の位置から前記吸気通路の上流側の位置へ排気を還流する第2の排気還流通路と、負荷が増加すると前記第1の排気還流通路の弁の開度を下げ前記第2の排気還流通路の弁の開度を上げるように制御する制御手段と、前記第1の排気還流通路における詰まりの程度を判別する判別手段と、前記判別手段により前記詰まりの程度が所定の基準を超えたと判別された場合に前記第1の排気還流通路を昇温する昇温手段とを備えたことを特徴とする。
これにより本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、第1の排気還流通路における詰まりの程度が所定の基準を越えたと判別されると第1の排気還流通路を昇温するので、第1の排気還流通路が詰まることによって排気還流量が不十分となることが抑制できる。したがって十分な排気還流量を確保する目的のために、負荷が増加すると第1の排気還流通路の弁の開度を下げ第2の排気還流通路の弁の開度を上げるように制御するとともに、こうした制御によって発生する第1の排気還流通路における詰まりを低減する機能も有するので、排気還流量が不十分となってエミッションが悪化する可能性を従来技術よりも低減できる。
また前記昇温手段は、前記制御手段によって前記第1の排気還流通路を流通するガスよりも高温のガスを前記第1の排気還流通路に流通させる高温ガス流通手段を備えたとしてもよい。
これにより制御手段によって前記第1の排気還流通路を流通するガスよりも高温のガスを前記第1の排気還流通路に流通させるので、確実に第1の排気還流通路を昇温できる。よって第1の排気還流通路の詰まりを低減させて、十分な排気還流量を確保して良好な排気浄化を達成できる。
また前記高温ガス流通手段は、前記負荷が所定の負荷よりも高い所定の運転条件のときに前記第1の排気還流通路の弁の開度を上げる第1の流通手段を備えたとしてもよい。
これにより負荷が所定の負荷よりも高い所定の運転条件のときに第1の排気還流通路の弁の開度を上げることによって、第1の排気還流通路に高温の排気ガスが還流する。したがって第1の排気還流通路の詰まりが低減されるので、十分な排気還流量を確保して良好な排気浄化を達成できる。
また前記第1の排気還流通路にヒータを備え、前記高温ガス流通手段は、前記ヒータで加熱しつつ前記第1の排気還流通路の弁の開度を上げる第2の流通手段を備えたとしてもよい。
これにより第1の排気還流通路に備えられたヒータで加熱しつつ第1の排気還流通路の弁の開度を上げるので、ヒータで加熱された高温の排気ガスが第1の排気還流通路を流通する。したがって第1の排気還流通路の詰まりが低減されるので、十分な排気還流量を確保して良好な排気浄化を達成できる。
また前記排気通路に備えられて粒子状物質を捕集するフィルタと、そのフィルタに捕集された前記粒子状物質を燃焼して前記フィルタを再生する再生手段と、前記排気通路における前記フィルタの下流部から前記第1の排気還流通路をつなぐ副還流通路と、その副還流通路に備えられた副還流弁と、前記排気通路において、前記副還流通路の入口よりも下流で前記第2の排気還流通路の入口よりも上流の位置に備えられた排気通路弁とを備え、前記高温ガス流通手段は、前記再生手段が前記フィルタを再生しているときに前記副還流弁を開き、前記排気通路弁を閉じる第3の流通手段を備えたとしてもよい。
これにより粒子状物質を捕集するフィルタが再生されているときに、フィルタの下流部から第1の排気還流通路をつなぐ副還流通路の弁の開度を上げて、排気通路において副還流通路の入口よりも下流で第2の排気還流通路の入口よりも上流の位置に備えられた排気通路弁の開度を下げるので、フィルタ再生中にフィルタから排出される高温の排気ガスが副還流通路を通じて第1の排気還流通路を流れる。したがって第1の排気還流通路の詰まりが低減されるので、十分な排気還流量を確保して良好な排気浄化を達成できる。
以下で本発明の内燃機関の排気浄化装置の実施例1について、添付図面を参照しつつ説明する。まず図1には、本発明の実施例1における排気浄化装置の概要構成図が示されている。排気浄化装置1は、ディーゼルエンジン2(エンジン)に対して構成され、吸気管3、排気管4、高圧EGR管5、低圧EGR管6、ターボチャージャー7を備える。
エンジン2へは、吸気管3及び吸気マニホールド31を通って空気(新気)が供給され、排気マニホールド41及び排気管4を通じて排気が排出される。エンジン2へは図示しないインジェクタからシリンダ内へと燃料が供給される。ターボチャージャー7は吸気管3に配置されたコンプレッサ71と排気管4に配置されたタービン70とからなり、排気によってタービン70を回転させ、その回転力によってコンプレッサ71を稼動させて圧縮した空気をエンジン2に供給して、エンジン2からより大きなパワーを出力させる。
図1の排気浄化装置1においては、排気還流のためのEGR管は、高圧EGR管5、低圧EGR管6の2系統装備されている。高圧EGR管5は吸気マニホールド31と、排気マニホールド41とをつないで排気を還流する。低圧EGR管6は吸気管3におけるコンプレッサ71よりも上流側と、排気管4におけるタービン70よりも下流側をつないで排気を還流する。
特に図1では低圧EGR管6の入口は後述するDPF8よりも下流側となっている。高圧EGR管5、低圧EGR管6が排気を排気管4から吸気管3へと還流することにより、エンジン2の筒内における燃焼反応が抑えられて、エンジン2からのNOxの排出が抑制される。
高圧EGR管5には高圧EGRバルブ51(EGRバルブ)、温度センサ52、差圧センサ53、EGRクーラ54が装備されている。EGRバルブ51の開度によって高圧EGR管5におけるEGR量、つまり還流される排気量が調節される。温度センサ52によって高圧EGR管5における排気温度が計測される。差圧センサ53によってEGRクーラ54の入口側と出口側とにおける圧力の差(差圧、前後差圧)が計測される。EGRクーラ54によって還流される排気温度が下げられて、より多くの排気を高圧EGR管5を通じて還流することが可能となる。
低圧EGR管6には低圧EGRバルブ61(EGRバルブ)、EGRクーラ62が装備されている。EGRバルブ61の開度によって低圧EGR管6におけるEGR量が調節される。EGRクーラ62によって還流される排気温度が下げられて、より多くの排気を低圧EGR管6を通じて還流することが可能となる。EGRクーラ54、62は例えば水冷式であるとすればよい。
排気管4の途中にはディーゼルパティキュレートフィルタ8(DPF:Diesel Particulate Filter)が配置されている。DPF8は例えば酸化触媒が担持された酸化触媒付きDPFとすればよい。DPF8は例えば、いわゆるハニカム構造において入口側と出口側を交互に目詰めした構造とすればよい。
エンジン2の運転中に排出される排気には粒子状物質(PM:Particulate Matter)が含まれ、排気がDPF8の上記構造のDPF壁を通過するときに、PMがDPF壁の内部あるいは表面に捕集される。DPF8に堆積したPMの堆積量が十分大きくなった度に、堆積したPMを燃焼することによって除去し、DPF8を再生しなければならない。DPF8の再生のための方法として、例えばエンジン2のインジェクタからメイン噴射後にポスト噴射をおこない、それによりDPF8に未燃炭化水素(未燃HC)を供給し、未燃HCが触媒の作用によって燃焼してDPF6を昇温してDPF8に堆積したPMを燃焼させる方法がある。
また排気浄化装置1は電子制御装置9(ECU:Electronic Control Unit)を備える。ECU9によりインジェクタによるエンジン2への燃料噴射における噴射量や噴射のタイミングが制御される。またECU9により吸気バルブ34、EGRバルブ51、61の開度が調節される。エアフロメータ31、温度センサ33、52、差圧センサ53の計測値もECU9へ送られる。またECU9の指令により上述のポスト噴射も行う。ECU9は通常のコンピュータの構造を有するとし、各種演算をおこなうCPUと各種情報の記憶を行うメモリ91とを備えるとする。またECU9は時間を計測するタイマ92も備えるとする。
本実施例においては、上記構成のもとで、図6に従ってEGRバルブ51、61の開度を調節する。これにより上述の理由から高圧EGR管5にSOF分からなるデポジットが堆積する。これに対処するために本実施例1では、高負荷時にも高圧EGR管5のEGRバルブ51を開いて高温のガスを高圧EGR管5に流して、高圧EGR管5におけるSOF分からなるデポジットを除去する。そのための処理手順が図2に示されている。図2の処理は、ECU9によって自動的に実行されるとすればよい。
図2の処理ではまず手順S10でECU9によって高圧EGR管5の詰まりの程度が算出される。本実施例では高圧EGR管5の詰まりの程度は数値化される。以下で単に詰まり程度と述べた場合、高圧EGR管5の詰まりの程度を指すとする。詰まり程度の算出の方法は後述する。
次にS20では詰まり程度が所定値以上であるか否かが判断される。図1ではこの所定値をA1としている。ECU9は、詰まり程度が所定値以上の場合(S20:Yes)はS30へ進み、所定値未満の場合(S20:No)は再びS10へ戻り上述の手順を繰り返す。
S30へ進んだ場合は高圧EGR管5の詰まりの程度が進行した場合であるので、S30では高圧EGR管5の詰まりの低減処理が実行される。S30での高圧EGR管5の詰まりの低減処理の方法は後述する。次にS40では詰まり程度が算出される。これによりS30での詰まりの低減の効果がどの程度であるかの情報が得られる。詰まり程度の算出方法は後述する。
S50では、S40で求めた詰まり程度が所定値以下であるか否かが判断される。ここでの所定値はS20での所定値よりも小さく設定すればよい。図1ではこの所定値をA2としている。ECU9は、詰まり程度が所定値以下の場合(S50:Yes)は、高圧EGR管5の詰まりの程度は十分小さくなったと判断して図2の処理を終了する。ECU9は、詰まり程度が所定値より大きい場合(S50:No)は再びS30へ戻り、高圧EGR管5の詰まりの程度が十分小さくなるまで上述の手順を繰り返す。
次にS10、S40での詰まり程度の算出方法を説明する。本実施例では以下の方法のうちのいずれかが用いられるとする。
まず詰まり程度の算出のための方法として、EGRクーラ54の前後差圧を用いる方法がある。高圧EGR管5にSOF分が詰まるほどEGRクーラ54の前後差圧は上昇するので、EGRクーラ54の前後差圧の値を高圧EGR管5の詰まり程度を表す数値として用いることができる。
この方法では、S10、S40で差圧センサ53によってEGRクーラ54の前後差圧が計測されてECU9へ送られる。この場合、S20での所定値A1は、これ以上大きい値だと詰まりの低減処理が必要なEGRクーラ54の前後差圧値とし、S50での所定値A2は、これ以下の値だと詰まりの低減処理が終了したとみなせるEGRクーラ54の前後差圧値とすればよい。
また高圧EGR管5の詰まり程度の別の算出方法として、高圧EGR管5を流れる排気流量を用いる方法がある。高圧EGR管5にSOF分が詰まるほど高圧EGR管5を流れる排気の流量は減少するので、例えば高圧EGR管5を流れる排気流量の値の逆数を高圧EGR管5の詰まり程度を表す数値として用いることができる。高圧EGR管5を流れる排気流量は以下に述べる方法で推定すればよい。
一般に吸気管3を流通してきた吸気の温度T1と流量G1と、高圧EGR管5を流通してきた排気の温度T2と流量G2とから、吸気マニホールド31内の温度T3が決定される。したがってこの関係を変形すれば、吸気管3を流通してきた吸気の温度T1と流量G1と、高圧EGR管5を流通してきた排気の温度T2と、吸気マニホールド31内の温度T3とから、高圧EGR管5を流通してきた排気の流量G2が算出できる。
メモリ91にこの算出式を記憶しておいて、S10、S40でその算出式から高圧EGR管5を流通してきた排気の流量G2を算出すればよい。その際、吸気管3を流通してきた吸気の温度T1と流量G1、高圧EGR管5を流通してきた排気の温度T2、吸気マニホールド31内の温度T3はそれぞれ、温度センサ33、エアフロメータ32、温度センサ52、温度センサ35によって計測すればよい。
またこの場合、S20での所定値A1は、これ以下の値だと詰まりの低減処理が必要な高圧EGR管5の排気流量の値の逆数とし、S50での所定値A2は、これ以上の値だと詰まりの低減処理が終了したとみなせる高圧EGR管5の排気流量の値の逆数とすればよい。
なお高圧EGR管5における排気流量は、推定ではなく、高圧EGR管5に流量計を設置して(図示なし)直接計測してもよい。また高圧EGR管5の詰まり程度として、上記のように排気流量の逆数を用いるのではなく、高圧EGR管5が詰まっていないとみなせる状態での排気流量からの減少分を用いてもよい。具体的には、高圧EGR管5が詰まっていないとみなせる時期であり、かつバルブ51が全開の状態での高圧EGR管5の排気流量をメモリ91に記憶しておく。そしてS10あるいはS40では、高圧EGR管5の排気流量を上記の方法で推定あるいは計測して、メモリ91に記憶された排気流量からの減少分を算出する。
高圧EGR管5が詰まっていないとみなせる時期は、例えば排気浄化装置1あるいは高圧EGR管5の使用開始の時期、またはS30での詰まり低減処理を詰まり程度がゼロとなるまで行った後とすればよい。この場合、S20での所定値A1は、これ以上大きい値だと詰まりの低減処理が必要な上記減少分の値とし、S50での所定値A2は、これ以下の値だと詰まりの低減処理が終了したとみなせる上記減少分の値とすればよい。
なおS10における詰まり程度の算出方法として、以下に述べる高圧EGR管5を使用した積算時間による方法を用いてもよい。ここで高圧EGR管5を使用したとはEGRバルブ51の開度がゼロでないことを指すとすればよい。高圧EGR管5を使用するほど高圧EGR管5においてSOF分による詰まりが進行するので、高圧EGR管5を使用した積算時間を高圧EGR管5の詰まり程度を表す数値として用いることができる。
この方法ではタイマ92によってEGRバルブ51の開度がゼロでない時間を積算する。そしてS10において、その時点でのタイマ92の値を取得する。この場合、S20での所定値A1は、これ以上大きい値だと詰まりの低減処理が必要な高圧EGR管5を使用した積算時間の値とすればよい。
次にS30での高圧EGR管5の詰まり低減処理を説明する。本実施例1では、詰まり低減のために図3のマップを用いてEGRバルブ51、61の開度を決定する。図3は縦軸を負荷、横軸をエンジン2の回転数とした、エンジン2の運転条件を示す平面であり、実線200の内部がエンジン2の運転領域とする。負荷は例えばエンジン2での燃料の噴射量とすればよい。
図3では実線200内における高負荷領域に実線201が設定されており、実線200と実線201の間の領域では図6に従ってEGRバルブ51、61の開度を決定し、実線201内では図6に従わずにEGRバルブ51、61の開度を決定する。特に実線201内では高圧EGRバルブ51の開度を図6で示された開度よりも大きくする。
例えば実線201内での高圧EGRバルブ51の開度を100%としてもよい。図3のマップ及び実線201内での高圧EGRバルブ51の開度は予めメモリ91に記憶しておき、S30ではこれを呼び出して実行すればよい。なお図3においてエンジン2での燃料の噴射量の情報は、例えばECU9からの噴射量の指令値の情報を取得すればよい。またエンジン回転数の情報の取得のためには、エンジン回転数センサを装備して、これによりエンジン回転数を検出すればよい。
以上がS30での高圧EGR管5の詰まり解消処理の方法である。こうした方法によって高負荷領域での高圧EGRバルブ51の開度が図6による通常の開度よりも増加されるので、高負荷時における高温の排気ガスが少量であっても高圧EGR管5を流れてSOF分のデポジットによる詰まりを低減できる。実施例1においてS30を実行しているとき以外でのEGRバルブ51、61の開度は図6に従ってECU9が調節すればよい。
なお図3の実線201内は例えば、図6において高圧EGRバルブ開度が0%である領域であるとすればよい。この場合に実線201内でEGRバルブ51の開度を100%とすればEGRバルブ51を開くことによる詰まり低減の効果は顕著となる。
また図3では実線201は楕円状としてあるが、これは一例であり、高圧EGR管5の詰まり低減の目的のために適切に設定すればよい。例えば図6でEGRバルブ51の開度が100%未満である領域全てが実線201内となるように実線201を設定してもよい。この場合、中低負荷域全てでEGRバルブ51の開度を増加させることとなるので、高圧EGR管5の詰まり低減の目的のために好適である。
次に実施例2を説明する。実施例1では高負荷域で高圧EGRバルブ51の開度を上げることにより高圧EGR管5の詰まりを低減したが、実施例2ではヒータによって高圧EGR管5を流通する排気を昇温させることにより詰まりを低減する。以下で実施例1と異なる部分のみを説明する。実施例1における図1が、実施例2では図4に変更される。
図4では図1の構成において高圧EGR管5の入口付近にヒータ55が装備されている。ECU9からの指令でヒータ55が入状態とされると、ヒータ55に電力が供給されて発熱して、高圧EGR管5内のヒータ55周辺の排気を昇温させる。実施例2では、図2のS30でこのヒータ55が入状態とされて、かつ高圧EGRバルブ51の開度を図6に示された開度よりも上げる(例えば全開)処理を実行する。これによりヒータ55によって昇温された排気が高圧EGR管5内を流通することによって、高圧EGR管5内の詰まりを低減する。
次に実施例3を説明する。実施例3では実施例1、2と異なり、DPF8の下流と高圧EGR管5とをつなぐ配管を追加して、これによりDPF再生中の高温の排気ガスを高圧EGR管5へ還流することによって高圧EGR管5の詰まりを低減する。以下で実施例1と異なる部分のみを説明する。実施例1における図1が、実施例3では図5に変更される。
図5では図1の構成においてDPF8の下流と高圧EGR管5とをつなぐ副EGR管10が追加されている。副EGR管10にはEGRバルブ101が備えられており、このEGRバルブ101の開度がECU9によって制御されることで副EGR管10による排気の還流量が増減する。また、排気管4において副EGR管10の入口よりも下流、低圧EGR管6の入口よりも上流の位置にバルブ42が装備され、その開度はECU9で制御される。
実施例3における図2のS30では、DPF6が再生中であるならば、ECU9によってバルブ42を閉じ(全閉)、EGRバルブ101の開度を上げる処理が実行される。これにより、DPF6の再生中にDPF6から排出された高温の排気が高圧EGR管5を流通することとなるので、高圧EGR管5内の詰まりが低減する。もしバルブ42を閉じなければ、EGRバルブ101を開いたときに副EGR管10を排気が高圧側から低圧側へ流れる(つまり図5の矢印と逆)こととなる。したがって、EGRバルブ101を開いたときに副EGR管10を図5の矢印の方向に排気が流れることは、バルブ42を備えて、これを閉じることによる効果である。
S30では、DPF6が再生中でないならば、バルブ42を閉じてEGRバルブ101の開度を上げる操作を実行しなくてもよい。またS30を実行しているとき以外はバルブ42は全開、EGRバルブ101は全閉状態とすればよい。S30で例えばEGRバルブ101の開度を100%とすれば高温ガスの高圧EGR管5への流通効果が顕著となる。あるいは実施例3における図2のS30を実行する際にDPF6が再生中でなければ、DPF6の再生が開始されるのを待って、DPF6の再生の開始後にS30でのEGRバルブ101を開状態とする処理を実行すればよい。この場合、DPF6の再生開始後迅速にS30が実行できて好適である。
なおEGRクーラ54を水冷式だとして、上記実施例1、2、3においてS30の手順を実行するときに、EGRクーラ54に流れる冷却水を止める操作を行ってもよい。これにより、S30の処理によってEGRクーラ54を含む高圧EGR管5がより効果的に昇温できるので、高圧EGR管5の詰まりの低減効果が向上する。
上記実施例で、図6とECU9とが制御手段を構成する。S20とS50の手順とECU9とが判別手段を構成する。実施例1、2、3でのS30の手順とECU9とが昇温手段を構成する。実施例1、2、3でのS30の手順とECU9とが高温ガス流通手段を構成する。実施例1でのS30の手順とECU9とが第1の流通手段を構成する。
実施例2でのS30の手順とECU9とが第2の流通手段を構成する。実施例3でのS30の手順とECU9とが第3の流通手段を構成する。ECU9とインジェクタとが再生手段を構成する。またエンジン2はディーゼルエンジンでなくともよく、例えばリーン燃焼を行うリ−ンバーンガソリンエンジンであっても上記と同様の効果が得られる。
1 排気浄化装置
2 ディーゼルエンジン(エンジン、内燃機関)
3 吸気管(吸気通路)
4 排気管(排気通路)
5 高圧EGR管(第1の排気還流通路)
6 低圧EGR管(第2の排気還流通路)
7 ターボチャージャー
8 ディーゼルパティキュレートフィルタ(フィルタ、DPF)
9 ECU
10 副EGR管(副還流通路)
32 エアフロメータ
33、35、52 温度センサ
34 吸気スロットルバルブ
42 バルブ(排気通路弁)
51、61 EGRバルブ
53 差圧センサ
54、62 EGRクーラ
91 メモリ
92 タイマ
101 EGRバルブ(副還流弁)
2 ディーゼルエンジン(エンジン、内燃機関)
3 吸気管(吸気通路)
4 排気管(排気通路)
5 高圧EGR管(第1の排気還流通路)
6 低圧EGR管(第2の排気還流通路)
7 ターボチャージャー
8 ディーゼルパティキュレートフィルタ(フィルタ、DPF)
9 ECU
10 副EGR管(副還流通路)
32 エアフロメータ
33、35、52 温度センサ
34 吸気スロットルバルブ
42 バルブ(排気通路弁)
51、61 EGRバルブ
53 差圧センサ
54、62 EGRクーラ
91 メモリ
92 タイマ
101 EGRバルブ(副還流弁)
Claims (5)
- 排気通路から吸気通路へ排気を還流する第1の排気還流通路と、
その第1の排気還流通路よりも前記排気通路の下流側の位置から前記吸気通路の上流側の位置へ排気を還流する第2の排気還流通路と、
負荷が増加すると前記第1の排気還流通路の弁の開度を下げ前記第2の排気還流通路の弁の開度を上げるように制御する制御手段と、
前記第1の排気還流通路における詰まりの程度を判別する判別手段と、
前記判別手段により前記詰まりの程度が所定の基準を超えたと判別された場合に前記第1の排気還流通路を昇温する昇温手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記昇温手段は、前記制御手段によって前記第1の排気還流通路を流通するガスよりも高温のガスを前記第1の排気還流通路に流通させる高温ガス流通手段を備えた請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記高温ガス流通手段は、前記負荷が所定の負荷よりも高い所定の運転条件のときに前記第1の排気還流通路の弁の開度を上げる第1の流通手段を備えた請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記第1の排気還流通路にヒータを備え、
前記高温ガス流通手段は、前記ヒータで加熱しつつ前記第1の排気還流通路の弁の開度を上げる第2の流通手段を備えた請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記排気通路に備えられて粒子状物質を捕集するフィルタと、
そのフィルタに捕集された前記粒子状物質を燃焼して前記フィルタを再生する再生手段と、
前記排気通路における前記フィルタの下流部から前記第1の排気還流通路をつなぐ副還流通路と、
その副還流通路に備えられた副還流弁と、
前記排気通路において、前記副還流通路の入口よりも下流で前記第2の排気還流通路の入口よりも上流の位置に備えられた排気通路弁とを備え、
前記高温ガス流通手段は、前記再生手段が前記フィルタを再生しているときに前記副還流弁を開き、前記排気通路弁を閉じる第3の流通手段を備えた請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008097988A JP2009250099A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097988A JP2009250099A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (1)
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---|---|
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ID=41311045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008097988A Pending JP2009250099A (ja) | 2008-04-04 | 2008-04-04 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009250099A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103133189A (zh) * | 2011-11-29 | 2013-06-05 | 铃木株式会社 | 用于除去车辆egr流动通道中未燃烧沉积物的除去装置 |
JP2021116729A (ja) * | 2020-01-24 | 2021-08-10 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関制御システム |
JP7545919B2 (ja) | 2021-03-22 | 2024-09-05 | 日立建機株式会社 | 作業機械 |
-
2008
- 2008-04-04 JP JP2008097988A patent/JP2009250099A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103133189A (zh) * | 2011-11-29 | 2013-06-05 | 铃木株式会社 | 用于除去车辆egr流动通道中未燃烧沉积物的除去装置 |
JP2013113217A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Suzuki Motor Corp | 車両のegr流路未燃堆積物除去装置 |
JP2021116729A (ja) * | 2020-01-24 | 2021-08-10 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関制御システム |
JP7243648B2 (ja) | 2020-01-24 | 2023-03-22 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関制御システム |
JP7545919B2 (ja) | 2021-03-22 | 2024-09-05 | 日立建機株式会社 | 作業機械 |
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