JP2009250035A - キャニスタ - Google Patents

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一郷 糟谷
Masamitsu Hayakawa
昌光 早川
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Abstract

【課題】キャニスタケースから燃料蒸気が透過するのを、蒸発燃料の濃度分布に応じて効率的に防止したキャニスタを提供する。
【解決手段】合成樹脂製のキャニスタケース13内に吸着材19を収納し、燃料タンクと連通するタンクポート10と、大気と連通する大気ポート12とを備えたキャニスタ1において、タンクポート10付近の蒸発燃料透過度が、他の部位に比べて最も低くなっていることを特徴とする。例えば、タンクポート10付近の肉厚を、他の部位に比べて最も厚くする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に吸着材が収納され、自動車の燃料タンクから発生する蒸発燃料が大気中へ放出されることを防止するキャニスタに関し、特に、合成樹脂製のキャニスタケースでも蒸発燃料が透過し難いキャニスタに関する。
この種のキャニスタとして、特許文献1ないし特許文献3がある。特許文献1では、蒸発燃料の透過を防止するために、合成樹脂製のキャニスタケースの外面全体を金属板からなる外被で被覆している。特許文献2では、従来のポリブチレンテレフタレートやポリアミドに比べて、蒸発燃料が透過し難い(蒸発燃料透過度の低い)ポリブチレンナフタレンジカルボキシレートでキャニスタケースを形成している。特許文献3では、タンクポートを含むキャニスタケースを金属製とし、大気ポートを含むプレートを合成樹脂で形成している(図5)。また、キャニスタケースに液溜ケースを被せることで、吸着室に液体の燃料が浸入することを防止する液溜室を有するキャニスタとして、特許文献4がある。
実開平5−32763号公報 特開平5−117375号公報 特開平4−22752号公報 特開2006−125353号公報
特許文献1や特許文献2では、合成樹脂製のキャニスタケースに蒸発燃料透過防止対策を講じているので、吸着材に吸着された蒸発燃料が、キャニスタケースを透過して外部に放散され難くなっている。しかし、特許文献1や特許文献2では、キャニスタケースの全体に亘って透過防止対策を講じているので無駄が多く効率的ではない。キャニスタには、燃料タンクと連通するタンクポートと、大気と連通する大気ポートとを有する。燃料タンクから発生する蒸発燃料は、タンクポートからキャニスタ内に流入し、吸着材を透って大気ポート側へ流動する間に吸着材に吸着される。したがって、吸着材に吸着される蒸発燃料の濃度(量)は、蒸発燃料の入口となるタンクポート付近が最も濃く、ガスの出口となる大気ポート付近では薄くなっている。したがって、厳密にみると、蒸発燃料濃度の濃いタンクポート付近からの透過量が多く、蒸発燃料濃度の薄い大気ポート付近においては透過量が少ない。このように、キャニスタ内に吸着される蒸発燃料の濃度に勾配があるにも関らず、特許文献1や特許文献2では、このような濃度分布に応じた効率的な蒸発燃料透過防止対策が講じられていない。つまり、特許文献1では、キャニスタケースの外面全体を金属板で被覆しているので、キャニスタ重量が無駄に増大してしまう。特許文献2では、キャニスタケース全体を特殊な合成樹脂製としているので、無駄にコストが嵩む。
特許文献3では、タンクポートを含むキャニスタケースを金属製とし、大気ポートを含むプレートを合成樹脂製としているので、ある程度蒸発燃料の濃度分布に対応している。しかし、特許文献3では蒸発燃料の透過防止に着目しているわけではなく、タンクポート付近以外も含むキャニスタケースの全体が金属製なので、やはりキャニスタ重量が大きく効率的な蒸発燃料透過防止対策が講じられているまでには至らない。特許文献4では、特に蒸発燃料透過防止対策は講じられていない。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、キャニスタケースから燃料蒸気が透過するのを蒸発燃料の濃度分布に応じて効率的に防止したキャニスタを提供する。
本発明は、合成樹脂製のキャニスタケース内に吸着材を収納し、燃料タンクと連通するタンクポートと、大気と連通する大気ポートとを備えたキャニスタにおいて、前記タンクポート付近の蒸発燃料透過度が、他の部位に比べて最も低くなっていることを特徴とする。タンクポート付近とは、キャニスタにおけるタンクポートを中心とした所定範囲の部位であり、タンクポート近傍を意味する。
前記タンクポート付近の蒸発燃料透過度を他の部位に比べて最も低くする具体的手段としては、第1に、前記タンクポート付近の肉厚を他の部位に比べて最も厚くする。
第2の手段として、前記タンクポート付近を他の部位に比べて蒸発燃料透過度の低い素材で形成する。
第3の手段として、前記タンクポート付近を蒸発燃料透過度の低い素材で被覆する。被覆方法としては、金属又は蒸発燃料透過度の低い樹脂からなるカバーで被覆したり、蒸発燃料透過度の低い樹脂からなる塗料を塗布することで被覆してもよい。
前記キャニスタケースに直接タンクポートが設けられている場合は、当該キャニスタケースに上記蒸発燃料透過防止手段を施すことになるが、前記キャニスタケースに液溜ケースが配されており、該液溜ケースにタンクポートが設けられている場合は、液溜ケースに上記蒸発燃料透過防止手段が施されることになる。
本発明によれば、最も蒸発燃料の吸着濃度が高く透過しやすい部位であるタンクポート付近の蒸発燃料透過度を他の部位に比べて最も低くしており、キャニスタケース内に生じる蒸発燃料の吸着濃度分布に応じて効率的に蒸発燃料が透過し難くしているので、キャニスタ全体に透過防止対策をする必要が無く、コストや重量等が無駄に嵩むことを避けられる。
ケースの肉厚を変化させることで蒸発燃料透過度を低くしていれば、ケース自体は単一の材料で成形できるため生産性が良く、高価な素材を使用する必要もないためコストも抑えられる。そのうえ、タンクポート付近の肉厚を最も厚くするのみならず、大気ポートに近づくにつれて徐々に肉厚を薄くするなど、蒸発燃料の吸着濃度に応じた蒸発燃料透過度の勾配を持たせることも容易であり、より確実かつ効率的な蒸発燃料透過防止対策を講じることが可能である。また、ケースを単一の材料で成形できることから、ケースが複数部材から成る場合でも、各部材同士を溶着等により容易に接合できる点でも有利である。
また、タンクポート付近を他の部位に比べて蒸発燃料透過度の低い素材で形成すれば、ケースの肉厚を厳密に設計することなく同じ厚さで蒸発燃料透過度を変化させられる。タンクポート付近に限って効率的に蒸発燃料透過度の低い素材を使用しているだけなので、ケース全体を高価な素材や重量の大きい素材で形成することもなく、コストや重量が無駄に嵩むことも避けられる。
タンクポート付近を蒸発燃料透過度の低い素材で被覆すれば、基本的にはケースを単一の素材で肉厚を変化させることなく形成できるため生産性が高く、ケースが複数部材から成る場合でも接合が容易である。そのうえで、蒸発燃料の透過可能性の高い部分に限って効率的に被覆すれば足りるので、ケース全体を高価な素材や重量の大きい素材で被覆することもなく、コストや重量が無駄に嵩むことも避けられる。
キャニスタケースに液溜ケースが配されている場合に、該液溜ケースに蒸発燃料透過防止手段を施せば、キャニスタケース自体は特に肉厚設計、素材、被覆等の透過防止対策を講じる必要が無く、設計自由度が高いため生産性が良い。しかも、気液分布に応じて効率的に蒸発燃料が透過し難いようにできる。液溜ケースのみであれば、透過防止対策も講じやすい。そのうえ、蒸発燃料の透過可能性の高い液溜ケースに限って効率的に透過防止対策を講じているので、ケース全体を高価な素材や重量の大きい素材で被覆することもなく、コストや重量が無駄に嵩むことも避けられる。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明するが、これに限られず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(実施例1)
図1に、本発明の実施例1を示す。図1に示すごとく本実施例1のキャニスタ1は、長手方向一面(以下、図1を基準として上面とする)にタンクポート10、パージポート11、大気ポート12を有する筒状のキャニスタケース13と、該キャニスタケース13の長手方向他面(以下、図1を基準として下面とする)の開口を閉塞するカバー14とを有する。キャニスタケース13とカバー14は同じ合成樹脂から成り、振動溶接等によって接合されている。タンクポート10は、キャニスタケース13の上面の一側方(図1の左側)において円筒形に一体形成されており、図示していないがエバポラインを介して燃料タンクと連通している。大気ポート12は、キャニスタケース13の上面の他側方(図1の右側)において円筒形に一体形成されており、その先端は大気と連通している。パージポート11は、キャニスタケース13の上面のタンクポート10と大気ポート12との間において円筒形に一体形成され、図示していないがパージラインが連結される。パージラインは、エンジンの燃焼室に大気を供給する吸気管に連通されたり、吸引ポンプが設けられたりする。タンクポート10及びパージポート11は、当該タンクポート10及びパージポート11の内側(下方側)開口の先に所定の空間を形成するようにキャニスタケース13の周壁13bの上端から所定量外方に突出するように形成されている天壁13aに設けられている。一方、大気ポート12は、キャニスタケース13の上面に直接設けられている。
パージポート11と大気ポート12との間には、キャニスタケース13の上面からカバー14に向けて延びる長寸の隔壁16が一体形成されている。これにより、キャニスタケース13の内部は、タンクポート10及びパージポート11に通じる幅広の第1吸着室17と、大気ポート12と通じる幅狭(第1吸着室17の約半分)の第2吸着室18とに区画され、第1吸着室17及び第2吸着室18の内部に、活性炭からなる吸着材19が充填されている。第1吸着室17と第2吸着室18とは、隔壁16とカバー14との間の連通部20を介して連通しており、キャニスタケース13の内部には、U字状の流路が形成される。なお、タンクポート10とパージポート11との間にも、天壁13aからカバー14に向けて延びる短寸の補助隔壁21が一体形成されている。符号22は、吸着材19の両面に配される不織布やウレタン樹脂等からなる板状の緩衝材である。
車両の停止時や走行時に燃料タンク内の温度が上昇して発生した蒸発燃料は、エバポラインを介してタンクポート10からキャニスタ1内に導入される。キャニスタ1内に導入された蒸発燃料は、第1吸着室17、連通部20、第2吸着室18をこれの順でU字状に流通することで吸着材19に吸着され、空気のみが大気ポート12から大気中へ放出される。そして、エンジン駆動時の吸気管負圧により、又はエンジン駆動とは別個独立して制御される吸引ポンプによってキャニスタ1内が負圧となると、大気ポート12から吸入された大気が上記とは逆方向に吸着材19内を透過することで、吸着材19に吸着されていた蒸発燃料も脱離(パージ)され、パージポート11を介して吸気管又は燃料タンクへ供給される。
このように、燃料タンクからの蒸発燃料は、タンクポート10から導入されて大気ポート12側へ向けて吸着材19内を透過していくことから、吸着材19に吸着される蒸発燃料の濃度は、タンクポート10から大気ポート12に向けて徐々に薄くなっていく。すなわち、吸着材19に吸着される蒸発燃料の濃度は、タンクポート10付近が最も濃く、連通部20付近が中濃度であり、大気ポート12付近が最も薄い。そこで、本実施例1では、このような蒸発燃料の濃度分布に応じて蒸発燃料が合成樹脂製のキャニスタケース13透過して外部に放散されることを効率的に防止するために、キャニスタケース13の肉厚に勾配を持たせている。すなわち、蒸発燃料の濃度分布に応じて、キャニスタケース13におけるタンクポート10付近の肉厚を他の部位と比べて最も厚くすると共に、大気ポート12付近の肉厚を他の部位と比べて最も薄くし、連通部20付近の肉厚を中間厚みとしている。
詳しくは、タンクポート10付近にある天壁13aの肉厚t1と、タンクポート10側周壁13b1の上部の肉厚t2とが、他の部位に比べて最も厚く(例えば6mm)なっている。タンクポート10側周壁13b1は、上方から下方に向けて徐々に薄肉となっており、連通部20付近にあるタンクポート10側周壁13b1の下部の肉厚t3、カバー14の肉厚t4、及び大気ポート12側周壁13b2の下部の肉厚t5が、中間の厚み(例えば4mm)になっている。大気ポート12側周壁13b2は、下方から上方に向けて徐々に薄肉となっており、大気ポート12付近にある大気ポート12側周壁13b2の上部の肉厚t6が、他の部位に比べて最も薄く(例えば1.5mm)なっている。これらの関係をまとめると、t1=t2>t3=t4=t5>t6となる。なお、隔壁16も、上方から下方に向けて徐々に薄肉となっている。このように、吸着材19に吸着される蒸発燃料の濃度分布に応じてキャニスタケース13の各部位の肉厚を段階的に変化さ、蒸発燃料の透過放散可能性が最も高いタンクポート10付近の肉厚を最も厚くし、蒸発燃料の透過放散可能性の最も低い大気ポート12付近の肉厚は薄くしているので、確実かつ効率的な蒸発燃料透過防止対策となる。
(実施例2)
図2に、本発明の実施例2を示す。図2に示されるように、本実施例2のキャニスタ2は、その内部構造は基本的に実施例1のキャニスタ1と同じであるが、液溜室32を備える点が実施例1と大きく異なる。すなわち、合成樹脂製のキャニスタケース23の上面に、合成樹脂製の液溜ケース24が被せられ、キャニスタケース23の天壁23aと液溜ケース24との間に液溜室32が形成されている。本実施例2では、パージポート11が、キャニスタケース23の上面の一側方(図2の左側)に一体形成されており、大気ポート12がキャニスタケース23の上面の他側方(図2の右側)に一体形成されている。液溜ケース24はパージポート11と大気ポート12との間に被せられ、当該液溜ケース24にタンクポート10が一体形成されている。キャニスタケース23と液溜ケース24とは、振動溶接や接着、又は係合等により接合される。
キャニスタケース23の天壁23aには、蒸発燃料がキャニスタケース23内に導入される略円筒形の導入ポート26と、燃料タンクが負圧となったときに蒸発燃料がキャニスタケース23内から排出される略円筒形の排出ポート27とが、内外貫通状に一体形成されており、当該導入ポート26及び排出ポート27が、液溜ケース24内に収容されている。導入ポート26及び排出ポート27内には、それぞれ小球形のチェックバルブ28が配されており、導入ポート26内のチェックバルブ28は、コイルバネ29によって上方(キャニスタケース23の外側)へ常時付勢されており、排出ポート27内のチェックバルブ28は、コイルバネ29によって下方(キャニスタケース23の内側)へ常時付勢されている。符号30は、絞りである。なお、導入ポート26内のコイルバネ29の他端は絞り30で受け止められ、排出ポート27内のコイルバネ29の他端は液溜ケース24で受け止められている。補助隔壁21は、導入ポート26と排出ポート27との間の位置からカバー14に向けて形成されている。
車両の停止時や走行時に燃料タンク内の温度が上昇し、発生した蒸発燃料によって燃料タンク内の内圧がチェックバルブ28の付勢力以上の圧力となると、蒸発燃料が液溜ケース24のタンクポート10から液溜室32を経て導入ポート26に至り、燃料タンクの内圧によってチェックバルブ28がコイルバネ29の付勢力に抗して開弁されることで、蒸発燃料が導入ポート26を介してキャニスタ2内に導入される。このとき、蒸発燃料がエバポライン中で再度液化したり、燃料タンク内の液体燃料が走行時の振動等によってエバポラインへ付着するなどにより、液体燃料がタンクポート10から導入される場合がある。しかし、タンクポート10と導入ポート26との間に液溜室32が設けられていることで、液体燃料は液溜室32に貯留されてガスと気液分離され、蒸発燃料のみが導入ポート26を介してキャニスタ2内へ導入されるようになっている。その後は、実施例1と同様にして蒸発燃料が吸着材19に吸着されると共に、吸着材19に吸着されている蒸発燃料が脱離されてパージポート11を介して吸気管又は燃料タンクへ供給される。また、燃料タンク内の内圧が排出ポート27のチェックバルブ28の付勢力より小さくなると、排出ポート27のチェックバルブ28がコイルバネ29の付勢力に抗して開弁され、大気ポート12から導入された大気が、第2の吸着室18、連通部20、第1の吸着室17をこれの順でU字状に流動しながら蒸発燃料が吸着材19から脱離され、これらのガスが排出ポート27、液溜室32、タンクポート10をこれの順で通って燃料タンクへ返送される。このとき、液溜室32内に貯留されていた液体燃料も、同時に燃料タンクへ返送されていく。
上記構成のキャニスタ2においても、本実施例2では吸着材19に吸着された蒸発燃料の濃度分布に応じて効率的な蒸発燃料透過防止対策が講じられている。具体的には、キャニスタケース23は、従来から一般的に使用されているポリポロピレン等の蒸発燃料透過度が然程低くはない廉価な合成樹脂で形成されている。これに対し、タンクポート10付近の部材となる液溜ケース24を、ポリアミドやエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリアセタール等の、蒸発燃料が透過し難い(蒸発燃料透過度の低い)蒸気(ガス)バリア性の高い合成樹脂で形成している。本実施例2では、キャニスタケース23をポリポロピレン製とし、液溜ケース24をポリアミド製とした。これにより、吸着材19に吸着される蒸発燃料濃度が最も高く、外部に透過放散する可能性の最も高い部位に限って蒸発燃料透過度の低い合成樹脂を使用しているのみなので、効率的に蒸発燃料透過防止対策を講じることができると共に、コストが無駄に嵩むことが避けられる。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例3)
図3に、本発明の実施例3を示す。本実施例3は、実施例2の変形例であって、蒸発燃料透過防止対策として、図3に示されるように、金属カバー35によって液溜ケース24を被覆している点が注目される。本実施例3の液溜ケース24は、キャニスタケース23と同様に、蒸発燃料透過度が然程低くはない合成樹脂で成形されている。そのうえで、タンクポート10付近からの蒸発燃料透過を効率的に防止するために、合成樹脂よりも蒸発燃料透過度の低い金属カバー35によって液溜ケース24の外面全体を被覆している。金属部材は、各種合成樹脂よりも蒸発燃料透過度が低いので、金属カバー35の素材は特に限定されることはないが、代表的にはアルミニウムやステンレス製とすることができる。また、その蒸発燃料透過度の低さから、金属カバー35の肉厚は薄くてよい。したがって、重量の観点から、キャニスタケース23や液溜ケース24の肉厚よりも薄肉とすることが好ましい。
これにより、吸着材19に吸着される蒸発燃料濃度が最も高く、外部に透過放散する可能性の最も高い部位に限って蒸発燃料透過度の低い金属カバー35で被覆しているのみなので、重量が無駄に増大することなく効率的に蒸発燃料透過防止対策を講じることができると共に、高価な合成樹脂を使用する必要も無いので、コストが無駄に嵩むことも避けられる。その他は実施例2と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例4)
図4に、本発明の実施例4を示す。本実施例4は、実施例2の別の変形例であって、蒸発燃料透過防止対策として、図4に示されるように、蒸発燃料透過度の低い素材からなる被膜層36によって液溜ケース24が被覆されている点が注目される。本実施例4の液溜ケース24も、キャニスタケース23と同様に、蒸発燃料透過度が然程低くはない合成樹脂で成形されている。そのうえで、タンクポート10付近からの蒸発燃料透過を効率的に防止するために、キャニスタケース23や液溜ケース24に使用されている合成樹脂よりも蒸発燃料透過度の低い合成樹脂からなる被膜層36が、液溜ケース24の外面全体を被覆している。被膜層36に使用される合成樹脂としては、上記実施例2において挙げた蒸発燃料透過度の低い合成樹脂を使用することができる。被膜層36は、液状又は半液状の塗料を、塗布、噴霧、浸漬等によって形成することができる。
これにより、吸着材19に吸着される蒸発燃料濃度が最も高く、外部に透過放散する可能性の最も高い部位に限って、蒸発燃料透過度の低い被膜層36で被覆しているのみなので、コストが無駄に嵩むことなく効率的に蒸発燃料透過防止対策を講じることができる。その他は実施例2と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(その他の変形例)
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、その他にも種々の変形が可能である。例えば実施例1において、天壁13aの肉厚t1とタンクポート10側周壁13b1の上部の肉厚t2とは同一でなくてもよく、t1>t2とすることもできる。タンクポート10側周壁13b1の下部の肉厚t3、カバー14の肉厚t4、及び大気ポート12側周壁13b2の下部の肉厚t5もそれぞれ同一である必要はなく、t3>t4=t5、t3=t4>t5、又はt3>t4>t5とすることもできる。さらには、少なくともタンクポート10付近にある天壁13aの肉厚t1とタンクポート10側周壁13b1の上部の肉厚t2とが他の部位に比べて最も厚くなっていれば、その他の部位は同じ厚みすなわちt3=t4=t5=t6としてもよい。もちろん、タンクポート10、パージポート11、大気ポート12の配設位置が異なれば、これに応じた蒸発燃料濃度分布に応じて、キャニスタケース13の各部位の肉厚を適宜変更すればよい。
また、実施例1のような液溜室32を備えていないキャニスタ1に対しても、実施例2〜4のような蒸発燃料透過防止対策を講じることもできる。すなわち、実施例1のキャニスタ1におけるキャニスタケース13の肉厚を変更することなく、蒸発燃料透過防止対策として、天壁13aを蒸発燃料透過度の低い合成樹脂や金属製としたり、天壁13aの外面を金属カバーや被膜層で被覆したり、さらにはこれらの蒸発燃料透過防止対策を2種以上併用することもできる。天壁13aを蒸発燃料透過度の低い合成樹脂製とする場合は、その他の部位は蒸発燃料透過度が低くはない合成樹脂を使用するが、キャニスタケース13は、2種類の異なる合成樹脂によって一体形成することが好ましい。
実施例2〜4においても、これらの蒸発燃料透過防止対策や実施例1における蒸発燃料透過防止対策を2種以上併用してもよい。好ましくは、実施例2〜4へ実施例1を適用する。すなわち、実施例2〜4においても、キャニスタケース23の肉厚を、吸着材19に吸着されている蒸発燃料の濃い方から低い方にかけて、順次薄く形成しておくことが好ましい。
また、実施例1〜4において、キャニスタケース23を例えばポリアミド等の蒸発燃料透過度の低い合成樹脂製とすることもできる。これによれば、肉厚設計、液溜ケース24、金属カバー35、被膜層36などとの相乗効果によって、より蒸発燃料の透過防止効果が向上する。
実施例1のキャニスタの断面図である。 実施例2のキャニスタの断面図である。 実施例3のキャニスタの断面図である。 実施例4のキャニスタの断面図である。
符号の説明
1・2 キャニスタ
10 タンクポート
11 パージポート
12 大気ポート
13・23 キャニスタケース
13a・23a 天壁
13b1 タンクポート側周壁
13b2 大気ポート側周壁
14 カバー
16 隔壁
17 第1の吸着室
18 第2の吸着室
19 吸着材
20 連通部
21 補助隔壁
24 液溜ケース
26 導入ポート
27 排出ポート
28 チェックバルブ
29 コイルバネ
32 液溜室
35 金属カバー
36 被膜層
1 天壁13aの肉厚
2 タンクポート10側周壁13b1の上部の肉厚
3 タンクポート10側周壁13b1の下部の肉厚
4 カバー14の肉厚
5 大気ポート12側周壁13b2の下部の肉厚
6 大気ポート12側周壁13b2の上部の肉厚


Claims (5)

  1. 合成樹脂製のキャニスタケース内に吸着材を収納し、燃料タンクと連通するタンクポートと、大気と連通する大気ポートとを備えたキャニスタにおいて、
    前記タンクポート付近の蒸発燃料透過度が、他の部位に比べて最も低くなっていることを特徴とするキャニスタ。
  2. 前記タンクポート付近の肉厚が、他の部位に比べて最も厚くなっている、請求項1に記載のキャニスタ。
  3. 前記タンクポート付近が、他の部位に比べて蒸発燃料透過度の低い素材からなる、請求項1に記載のキャニスタ。
  4. 前記タンクポート付近が、蒸発燃料透過度の低い素材で被覆されている、請求項1に記載のキャニスタ。
  5. 前記キャニスタケースに液溜ケースが配されており、該液溜ケースにタンクポートが設けられている、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のキャニスタ。
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