JP2009248865A - 車群走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車群走行を行うことを積極的にドライバーに対して促すことができる車群走行制御装置を提供する。
【解決手段】 車群走行制御装置1は、Cd値表示制御部11を有する走行支援ECU2と、先行車を含む周辺車両の情報を取得する車車間通信機3と、自車と先行車との車間距離を検出する車間距離センサ4と、空気抵抗係数Cd値の減少率をインジケータ表示するCd値表示部9とを備えている。Cd値表示制御部11は、車車間通信機3で取得された先行車のボデー形状情報と車間距離センサ4の検出値とに基づいて、先行車との車間距離に応じた空気抵抗係数Cd値の減少率を求め、この空気抵抗係数Cd値の減少率を燃費向上分としてCd値表示部9にインジケータ表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 車群走行制御装置1は、Cd値表示制御部11を有する走行支援ECU2と、先行車を含む周辺車両の情報を取得する車車間通信機3と、自車と先行車との車間距離を検出する車間距離センサ4と、空気抵抗係数Cd値の減少率をインジケータ表示するCd値表示部9とを備えている。Cd値表示制御部11は、車車間通信機3で取得された先行車のボデー形状情報と車間距離センサ4の検出値とに基づいて、先行車との車間距離に応じた空気抵抗係数Cd値の減少率を求め、この空気抵抗係数Cd値の減少率を燃費向上分としてCd値表示部9にインジケータ表示させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車群走行を行うように制御する車群走行制御装置に関するものである。
従来の車群走行制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、車々間通信や路車間通信によって車両情報を受信し、車両情報に含まれる走行目的地及び目標車速等の情報から群を形成する車両を選択し、車群走行を行うようにしたものが知られている。
特開平10−261195号公報
車群走行では、車両同士の走行間隔が短く、しかもその走行間隔を一定に保って走行することになるため、単独走行と比較して空気抵抗が小さくなり燃費が良くなる傾向にある。しかし、一般のドライバーは、車群走行により燃費が良くなることは殆ど知らず、積極的に車群走行を行うことの意識付けが未だ小さいという問題がある。上記従来技術は、単に車群を形成する車両を決定するものであり、車群走行での燃費向上をドライバーに意識させたり支援するものではない。
本発明の目的は、車群走行を行うことを積極的にドライバーに対して促すことができる車群走行制御装置を提供することである。
本発明は、先行車に追従して車群走行を行うように制御する車群走行制御装置において、先行車との車間距離を検出する車間検出手段と、車間検出手段により検出された車間距離に応じた燃費向上分をドライバーに対して明示する明示手段とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明においては、例えば高速道路の走行時に、自車と先行車との車間距離を検出し、その車間距離に応じた燃費向上分をドライバーに対して明示することにより、車群走行により空気抵抗が小さくなり燃費が向上することをドライバーが見た目で知ることができる。これにより、ドライバーは、低燃費の車群走行を積極的に行うように促されるようになる。
好ましくは、明示手段は、車間検出手段により検出された車間距離が所定値以下になると、燃費向上分の明示を禁止する。この場合には、自車と先行車との走行間隔が短くなり過ぎることが防止されるため、安全性を十分に確保しつつ車群走行を行うことを積極的にドライバーに促すことができる。
また、好ましくは、先行車との車間距離と空気抵抗係数との関係を表すデータを予め記憶する記憶手段を更に備え、明示手段は、記憶手段に記憶されたデータを用いて、車間検出手段により検出された車間距離に応じた空気抵抗係数の減少率を求め、空気抵抗係数の減少率を燃費向上分としてドライバーに対して明示する。この場合には、先行車との車間距離と空気抵抗係数との関係を表すデータを予め作成して記憶しておくことで、車間距離に応じた燃費向上分を容易に得ることができる。
本発明によれば、車群走行を行うことを積極的にドライバーに対して促すことができる。これにより、更なる燃費の向上を実現することが可能となる。
以下、本発明に係わる車群走行制御装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる車群走行制御装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態の車群走行制御装置1は、車両の走行抵抗における空気抵抗の比率の大きい走行状態時、例えば高速道路の走行時に、先行車に追従した車群走行を行うように制御する装置である。なお、ここでいう車群は、車両の前後方向に一列に形成されるものだけでなく、車両の前後方向に千鳥状に形成されるものも含む。
車群走行制御装置1は、自車の走行を支援する走行支援ECU(Electronic Control Unit)2を備えている。走行支援ECU2には、車車間通信機3と、車間距離センサ4と、車速センサ5と、加速度センサ6と、ナビゲーション端末7と、車間制御ECU8とが接続されている。
車車間通信機3は、自車と他車との間で無線による車車間通信を通信機であり、先行車を含む周辺車両の情報を取得する。車間距離センサ4は、自車と先行車との車間距離を検出するセンサであり、例えばミリ波レーダ等が用いられる。車速センサ5は、自車の走行速度(車速)を検出するセンサであり、加速度センサ6は、自車の加速度を検出するセンサである。ナビゲーション端末7は、GPS(全地球測位システム)を利用して自車の現在位置を検出し、その位置情報をモニタ(図示せず)に表示する機器であり、道路地図情報を記憶している。
車間制御ECU8は、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を実施するものであり、先行車との車間距離が設定車間距離またはドライバー好みの車間距離となるように自動制御する。
また、走行支援ECU2には、空気抵抗係数Cd値の減少率をインジケータ表示するCd値表示部9と、低燃費追従走行に適した先行車を画面表示する先行車表示部10とが接続されている。
走行支援ECU2は、Cd値表示制御部11と、追従先行車決定部12と、車間−Cd値データベース13とを有している。
Cd値表示制御部11は、車車間通信機3で受信された周辺車両の情報と、車間距離センサ4、車速センサ5及び加速度センサ6の検出値と、ナビゲーション端末7の情報(ナビ情報)と、車間−Cd値データベース13に記憶されたデータとに基づいて、先行車との車間距離に応じた空気抵抗係数Cd値の減少率を求め、この空気抵抗係数Cd値の減少率を燃費向上分としてCd値表示部9にインジケータ表示させる。
追従先行車決定部12は、車車間通信機3で受信された周辺車両の情報と、車間距離センサ4の検出値と、ナビ情報と、車間制御ECU8で設定または学習された車間距離データと、車間−Cd値データベース13に記憶されたデータとに基づいて、周囲車両の中から低燃費追従走行に適した先行車を決定し、この先行車の位置を先行車表示部10に画面表示させる。
車間−Cd値データベース13には、先行車との車間距離と空気抵抗係数Cd値との関係を表すマップデータが予め記憶されている。
図2(a)に示すような追従走行時には、自車Aと先行車Bとの車間距離により空気抵抗が減少する。このため、図2(b)に示すように、追従走行時の空気抵抗係数Cd値(図中P,Q参照)が単独走行時の空気抵抗係数Cd値(図中R参照)よりも減少する。なお、図中Pが自車Aの空気抵抗係数Cd値を示し、図中Qが先行車Bの空気抵抗係数Cd値を示している。
車間−Cd値データベース13には、図3に示すように、先行車となり得る代表的な複数種類の車両のボデー形状毎に、自車と先行車との車間距離(D/L)と空気抵抗係数Cd値との関係を表すデータが設定されている。
図4は、Cd値表示制御部11が実行するCd値表示制御処理の手順を示すフローチャートである。同図において、まず車車間通信機3で受信された先行車のボデー形状情報と、車間距離センサ4で検出された自車と先行車との車間距離データとを取得し(手順S101)、車間−Cd値データベース13を用いて、先行車のボデー形状及び車間距離に応じた空気抵抗係数Cd値の減少率を求める(手順S102)。
続いて、この時の自車の走行抵抗Rを計算する(手順S103)。走行抵抗Rは、以下のように表される。
走行抵抗R=転がり抵抗Rroll+空気抵抗Rair+加速抵抗Raccel+勾配抵抗Rslant
走行抵抗R=転がり抵抗Rroll+空気抵抗Rair+加速抵抗Raccel+勾配抵抗Rslant
ここで、転がり抵抗Rrollは、自車の速度に依存するものであり、車速センサ5の検出値から求めることができる。加速抵抗Raccelは、加速度センサ6の検出値から求めることができる。勾配抵抗Rslantは、道路の勾配による抵抗であり、ナビゲーション端末7に記憶された道路地図情報から求めることができる。
空気抵抗Rairは、自車の速度Vと自車の前面投影面積Aと空気抵抗係数Cdとを用いて以下のように表される。
空気抵抗Rair=CdAV2/2
空気抵抗Rair=CdAV2/2
一般に、速度変化に伴う転がり抵抗Rroll及び空気抵抗Rairの変化は、図5に示すようになる。同図のグラフによれば、高速域になるほど、空気抵抗係数Cd値の変化が燃費に大きく寄与することが分かる。また、プラトゥーンによるCd値の低減が走行抵抗R全体に寄与するのは、高速域がメインである。従って、走行抵抗R全体に対して空気抵抗Rairが支配的になる領域において、空気抵抗が大きく燃費に寄与し、更に先行車に付くことでCd値の低減効果があることをドライバーに理解させることが効果的である。
そこで、次いでRair/R≧Rlim(例えば0.5)であるかどうかを判断し(手順S104)、Rair/R≧Rlimであるときは、先行車との車間時間が所定値(例えばACC技術指針1.6s)を越えているかどうかを判断する(手順S105)。Rair/R≧Rlimを満足し、且つ先行車との車間時間が所定値を越えているときは、空気抵抗係数Cd値の減少率をCd値表示部9にインジケータ表示させる(手順S106)。
このとき、Cd値表示部9は、例えば図6に示すように、インジケータの縁部が下がるほど、空気抵抗が低くなり、燃費が良くなるというようなイメージで表示される。なお、燃費の向上分が一目で分かるものであれば、特に上記の表示法には限られない。
一方、Rair/R≧Rlimを満足していないとき、或いはRair/R≧Rlimを満足していても、先行車との車間時間が所定値以内であるときは、空気抵抗係数Cd値の減少率をCd値表示部9にインジケータ表示させないようにする。
このように空気抵抗係数Cd値が燃費に大きく影響するときのみ、空気抵抗係数Cd値の減少率をインジケータ表示させることにより、車群走行による燃費向上をドライバーに意識させるようなHMI(ヒューマンマシンインターフェース)となり、自然に車群を作るような走行を促進させることが可能となる。
また、先行車との車間時間が所定値以下であるときは、空気抵抗係数Cd値の減少率をインジケータ表示させないので、車群走行を行う際に、燃費向上を意識するあまり先行車との車間を詰め過ぎることが防止される。
図7は、追従先行車決定部12が実行する先行車決定処理の手順を示すフローチャートである。同図において、まず車車間通信機3で受信された周辺車両のボデー形状、平均車速、目的地、加減速のスムーズさ(例えば、平均前後ジャークRMS値による評価値等)といった情報を取得する(手順S111)。
また、車間制御ECU8で設定または学習された自車の車間距離データと、車速センサ5から求められた自車の平均車速及びナビゲーション端末7で設定された自車の目的地等の走行計画情報とを取得する(手順S112)。
続いて、低燃費追従走行に適した先行車を評価するための総合評価関数Jを演算する(手順S113)。
具体的には、自車が他車に対してドライバー好みの車間距離またはACCの設定車間距離で追従走行した場合における空気抵抗係数Cd値の減少率、車速の類似度、目的地の類似度、加減速のスムーズさを計算する。空気抵抗係数Cd値の減少率は、上記と同様に車間−Cd値データベース13を用いて行う。そして、図8に示すように、それらの評価項目に対して重み係数ε1〜ε4をそれぞれ掛けて加算した値を、その車の先行車としての総合評価関数Jとして演算する。この総合評価関数Jの演算については、自車の周辺に存在する全ての車両について行う。
続いて、総合評価関数Jが最大値となるような車両を、目的地までの経路全体で燃費が最も良く、車間及び車速についても違和感が殆ど無い先行車として選択する(手順S114)。
続いて、周辺車両の中から選択された先行車の位置を先行車表示部10に画面表示させる(手順S115)。このとき、例えば図9に示すように、自車を含む複数の周辺車両を先行車表示部10に表示させ、その中で先行車となる車両をランプ表示したり点滅表示させるようにする。また、そのような表示に加え、例えば「お奨めは左前のトラックです」というように音声によりドライバーに報知しても良い。
また、選択された先行車のデータを車間制御ECU8に送出する(手順S116)。これにより、車間制御ECU8は、選択された先行車との車間を確保して当該先行車に追従走行するように自動制御することとなる。
以上において、走行支援ECU2のCd値表示制御部11とCd値表示部9とは、車間検出手段4により検出された車間距離に応じた燃費向上分をドライバーに対して明示する明示手段を構成する。
以上のように本実施形態にあっては、例えば高速道路の走行時に、先行車との車間に応じて空気抵抗係数Cd値の減少率をCd値表示部9にインジケータ表示することにより、空気抵抗が減少して燃費が向上していることをドライバーに対して明示する。これにより、ドライバーは、そのインジケータ表示を見て、積極的に車群走行を行うという意識が高まるようになるため、更なる燃費の向上に繋げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ACCを実施する車間制御ECU8を設けたが、特にそのようなACCを実施しないような場合でも、ドライバーがCd値表示部9及び先行車表示部10を見ながら、低燃費の追従走行を実現することは可能である。
1…車群走行制御装置、2…走行支援ECU、4…車間距離センサ(車間検出手段)、9…Cd値表示部(明示手段)、11…Cd値表示制御部(明示手段)、13…車間−Cd値データベース(記憶手段)。
Claims (3)
- 先行車に追従して車群走行を行うように制御する車群走行制御装置において、
前記先行車との車間距離を検出する車間検出手段と、
前記車間検出手段により検出された車間距離に応じた燃費向上分をドライバーに対して明示する明示手段とを備えることを特徴とする車群走行制御装置。 - 前記明示手段は、前記車間検出手段により検出された車間距離が所定値以下になると、前記燃費向上分の明示を禁止することを特徴とする請求項1記載の車群走行制御装置。
- 前記先行車との車間距離と空気抵抗係数との関係を表すデータを記憶する記憶手段を更に備え、
前記明示手段は、前記記憶手段に記憶されたデータを用いて、前記車間検出手段により検出された車間距離に応じた前記空気抵抗係数の減少率を求め、前記空気抵抗係数の減少率を前記燃費向上分としてドライバーに対して明示することを特徴とする請求項1または2記載の車群走行制御装置。
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