JP2009248437A - 射出成形機の圧力異常検出装置 - Google Patents

射出成形機の圧力異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂圧力の予測精度をより向上し、射出工程中の射出圧力異常による金型や射出シリンダ・ノズルの破損を正確に防止可能とすること。
【解決手段】樹脂量の指標であるVoindexを計測する(S100)。機械固有の係数γを読み込む(S101)。射出スクリュ3の位置Xnと射出速度Vn、射出圧力Pnを読取る(S103)。移動量δX(S104)と射出圧力変化量δP(S105)とから、圧力傾きαを算出する(S106)。減速度AとステップS103で読み取った当該周期での射出速度Vnとに基づき、減速距離Dを算出する(ステップS108)。そして、射出スクリュが停止するまでの圧力変化量(予測値)であるΔPを、ΔP={α/(γ*VOindex)}*D(S109)により算出し、当該周期での射出圧力Pnに圧力変化量ΔPを加算したものが限界圧力値Pmaxより大きいか否かを判断し、Pn+ΔPがPmaxより大きければ射出スクリュ3を急減速させて停止させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、射出成形機において射出圧力の異常を検出する圧力異常検出装置に関する。
射出成形機においては、射出スクリュを前進させることによって、射出シリンダ内の溶融樹脂を型締された金型内に射出させ、その後、保圧、冷却、計量、型開き、成形品の取り出し、型閉じ、型締めの工程が続く。この射出工程において、樹脂温度等の影響により溶融樹脂が金型内や射出シリンダの先端に設けられたノズル部に詰まり、これによって、射出圧力が上昇することがある。
過度の圧力上昇は金型や射出シリンダ・ノズルの破損につながるため、異常(圧力上昇異常)を何らかの方法で検出し、射出動作を停止させる制御が従来から行われている。例えば、特許文献1では、射出工程中において、スクリュ移動距離に対する樹脂圧力の変化率と射出スクリュが停止するまでの減速距離を逐次求め、該減速距離と前記圧力変化率とから射出スクリュが停止するまでに生じる圧力変化量を逐次求め、該圧力変化量に現時点での圧力を加えた結果があらかじめ設定された限界圧力を超えた場合に射出スクリュを停止させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、計量樹脂量のバラツキの如何にかかわらず、充填完了時(保圧切替点)の圧力を安定化させ、良品成形を可能とするために、オペレータが射出成形機の自動運転前に、使用する樹脂の圧縮データを射出成形機に与え、ショットごとの計量樹脂量を算出して、この算出した計量樹脂量と樹脂の圧縮データに基づき、計量完了位置からスクリュストロークに対する圧力上昇カーブを求める技術が開示されている。
特開2006−231749号公報 特開平8−290448号公報
背景技術で説明した特許文献1に開示される技術では、減速距離と圧力変化率とに基づいて圧力変化量を計算している。この圧力変化量の計算にはシリンダ内にある樹脂量については考慮されていなかった。
実際の樹脂圧力のピーク値は、図6に示されるようにシリンダ内にある樹脂量に応じて変動することがある。図6に示されるように、シリンダ内の樹脂量が少ない場合は樹脂量が多い場合に比べて、樹脂圧力が増大し易い傾向がある。このことは、特許文献2の図3にも記載されている。このように樹脂量に応じて樹脂圧力のピーク値が変動する場合には、特許文献1に開示される技術のように樹脂量を考慮しないで圧力変化量を予測すると、予測した圧力変化量と実際の圧力変化量との間の乖離が生じることがある。
予測した圧力変化量と実際の圧力変化量との間の乖離が大きいと、樹脂詰まり発生時に圧力が限界値を超えてしまったり、逆に、樹脂詰まりは発生していないのに、異常を誤検出してしまう恐れがあったりする。
特に、射出速度が高速となる射出成形の場合には、樹脂詰まりが発生していなくても圧力が急激に上昇するために、圧力の上昇が正常時のものであるのか異常時のものであるのかの判別が困難である。
そこで本発明の目的は、樹脂圧力の予測精度をより向上し、射出工程中の射出圧力異常による金型や射出シリンダ・ノズルの破損を正確に防止可能とすることである。
本願の請求項1に係る発明は、射出スクリュの位置を検出する位置検出手段と、射出スクリュの速度を検出する速度検出手段と、前記射出スクリュの移動によって生じる射出圧力を検出する圧力検出手段とを有し、計量完了位置を求め、該求めた計量完了位置に基づいて樹脂量の指標を求め、射出工程中、前記速度検出手段から求められた現在の速度と予め求められた射出スクリュの機械固有の減速度とから、射出スクリュが停止するまでの減速距離を逐次求め、前記位置検出手段から求められたスクリュ位置と、前記圧力検出手段から求められた圧力とに基づいて、スクリュ位置に対する圧力傾きを逐次求め、前記求められた減速距離と、圧力傾きと、樹脂量の指標とに基づいて、射出スクリュが停止するまでに生じる圧力変化量を逐次求め、該圧力変化量に前記圧力検出手段によって検出された圧力を加えた結果が予め設定された限界圧力を超えた場合に射出スクリュを停止させる射出成形機の圧力異常検出装置である。
請求項2に係る発明は、前記圧力変化量は、前記求めた樹脂量の指標が大きくなるにつれて前記圧力変化量が小さくなり、前記求めた樹脂量の指標が小さくになるにつれて前記圧力変化量が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の圧力異常検出装置である。
請求項3に係る発明は、前記圧力変化量は、前記求めた圧力傾きを樹脂量の指標で除算することにより補正し、該補正した圧力傾きと減速距離の積を積を演算して求めることを特徴とする射出成形機の圧力異常検出装置である。
請求項4に係る発明は、前記計量完了位置は、計量が完了した時点におけるスクリュ位置の検出値、または、計量完了位置の設定値であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の圧力異常検出器である。
請求項5に係る発明は、前記樹脂量の指標は、計量完了位置とスクリュ断面積の積に射出ノズル内部の体積を加算したものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の射出成形機の圧力異常検出装置である。
請求項6に係る発明は、前記樹脂量の指標は、計量完了位置とノズル内の滞留量をスクリュ断面積で除算した値とを加算したものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の射出成形機の圧力異常検出装置である。
本発明により、樹脂量の多寡に応じた圧力変化量を予測でき、樹脂圧力の予測精度が向上し、射出工程中の射出圧力異常による金型や射出シリンダ・ノズルの破損を正確に防止することが可能となった。
以下、本発明の実施形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明を電動式射出成形機に適用した場合の一実施形態の要部ブロック図である。
射出シリンダ1の先端にノズル部2が取り付けられ、射出シリンダ1内には射出スクリュ3が挿通されている。射出スクリュ3には、射出シリンダ1内の樹脂圧力を測定するために射出スクリュ3にかかる圧力を検出するロードセル等の圧力センサ5が設けられている。
射出スクリュ3は、スクリュ回転用サーボモータM2により、プーリやベルト等で構成された伝動手段6を介して回転させられる。また、射出スクリュ3は、射出用サーボモータM1によって、プーリ、ベルト、ボールネジ/ナット機構等の回転運動を直線運動に変換する機構を含む伝動手段7を介して駆動され、該射出スクリュ3の軸方向に移動させられる。
符号Penc1は、サーボモータM1の位置、速度を検出することによって、射出スクリュ3の軸方向の位置、速度を検出する位置・速度検出器であって、符号Penc2は、サーボモータM2の位置、速度を検出することによって、射出スクリュ3の回転位置(回転角度)及び回転速度を検出する位置・速度検出器である。また、符号4は、射出シリンダ1に樹脂材料を供給するホッパである。
本発明の圧力異常検出装置を備えた射出成形機の制御装置10は、数値制御用のマイクロプロセッサであるCNCCPU20、プログラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサであるPMCCPU17、及び、サーボ制御用のマイクロプロセッサであるサーボCPU15を有し、バス26を介して相互の入出力を選択することにより、各マイクロプロセッサ間で情報伝達が行なえる。
サーボCPU15には、位置ループ、速度ループ、電流ループの処理を実行するサーボ制御専用の制御プログラムを格納したROM13やデータの一時記憶に用いられるRAM14が接続されている。また、サーボCPU15は、A/D(アナログ/デジタル)変換器16を介して、射出成形機本体側に設けられた射出圧力等の各種圧力を検出する圧力センサ5からの圧力信号を検出できるように接続されている。
更に、サーボCPU15には、サーボCPU15からの指令に基づいて、射出軸、スクリュ回転軸に接続された射出用、スクリュ回転用のサーボモータM1,M2を駆動するサーボアンプ11,12が接続されている。そして、各サーボモータM1,M2には位置・速度検出器Penc1,Penc2が取り付けられており、この位置・速度検出器Penc1,Penc2からの出力がサーボCPU15に帰還される。
各サーボモータM1,M2の回転位置は、位置・速度検出器Penc1,Penc2からの位置のフィードバック信号に基づいてサーボCPU15により算出され、各現在位置記憶レジスタに更新記憶される。
図1においては、射出軸、スクリュ回転軸を駆動するサーボモータM1,M2、サーボモータM1,M2の回転位置、速度を検出する位置・速度検出器Penc1,Penc2及びサーボアンプ11,12についてのみ示している。金型の型締めを行なう型締軸や成形品を金型から取り出すエジェクタ軸等の各軸の構成は皆これと同様であり、図1では記載を省略している。
PMCCPU17には射出成形機のシーケンス動作を制御するシーケンスプログラム等を記憶したROM18及び演算データの一時記憶等に用いられるRAM19が接続され、CNCCPU20には、射出成形機を全体的に制御する自動運転プログラム、本発明に関係した、射出圧力を予測し、圧力異常の場合に非常停止させる非常停止処理プログラム等を記憶したROM21、及び、演算データの一時記憶等に用いられるRAM22が接続されている。
不揮発性メモリで構成される成形データ保存用RAM23は、射出成形作業に関する成形条件と各種設定値、パラメータ、マクロ変数等を記憶する成形データ保存用のメモリである。
LCD付手動入力装置(LCD/MDI)25はLCD表示回路24を介してバス26に接続され、数値データの入力用のテンキーや各種のファンクションキーが設けられ、グラフ表示画面や機能メニューの選択、及び、各種データの入力操作を行なえるようになっている。
以上の構成により、PMCCPU17が射出成形機全体のシーケンス動作を制御し、CNCCPU20がROM21の運転プログラムや成形データ保存用RAM23に格納された成形条件等に基づいて各軸のサーボモータに対して移動指令の分配を行い、サーボCPU15は各軸に対して分配された移動指令と位置・速度検出器Penc1,Penc2で検出された位置および速度のフィードバック信号に基づいて、従来技術と同様に位置ループ制御、速度ループ制御、更には、電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるディジタルサーボ処理を実行し、サーボモータM1,M2を駆動制御する。
上記構成は従来の電動式射出成形機の制御と変わりなく、本発明の圧力異常検出装置は、この制御装置10によって構成されている。そして、従来の電動式射出成形機の制御装置と異なる点は、ROM21に射出圧力を予測し圧力異常の場合に非常停止させる非常用停止処理プログラムが格納され、CNCCPU20がこの非常停止処理プログラムを実行することによって、射出成形機に備えられる圧力異常検出装置を構成している点である。
図2は、本発明の動作原理を説明する図である。図2において、横軸は射出スクリュ位置X(図3参照)、縦軸は射出速度Vと射出圧力Pである。射出を開始し、金型内に樹脂が充填されるに従って射出圧力Pは増大する。あるサンプリング時における位置・速度検出器Penc1で検出される射出スクリュ位置をXn、射出速度(射出スクリュ軸方向移動速度)をVn、圧力センサで検出されるその時の射出圧力をPnとする。また、このサンプリング時より1つ前のサンプリング時における射出スクリュ位置をXn-1、射出速度をVn-1、射出圧力をPn-1とすると、このサンプリング時における射出スクリュ位置に対する射出圧力の傾きは、(Pn−Pn-1)/(Xn-1−Xn)で表すことができる。なお、本発明では、射出にともないスクリュ位置が減少する方向にスクリュ位置の座標系を定義しているので、サンプリング周期間のスクリュ移動量は(Xn-1−Xn)で表すことができる。
本発明は、射出スクリュ3が停止するまでの減速距離と、圧力傾きと、射出シリンダ1内にある樹脂量の指標となる値とに基づいて、射出スクリュ3が停止するまでの圧力変化量を逐次求めることを特徴としている。より具体的に説明すると、本発明は、逐次検出した時点の圧力傾き(実測値)に対して、その後の減速工程においてスクリュが停止するまでの圧力傾きの推移が射出シリンダ1内にある樹脂量によって変動することを考慮し、前記検出した圧力傾きを射出シリンダ1内の樹脂量の指標の値に基づいて補正し、該補正した圧力傾きと減速距離との積を演算することにより、射出スクリュ3が停止するまでの圧力変化量を求めるものである。
次に、前述の「樹脂量の指標」(Voindex)、「減速距離」(D)、及び「圧力傾き」(α)の求め方について説明する。
まず、樹脂量の指標Voindexの求め方について説明する。
樹脂量の指標Voindexの第1の求め方は、計量完了位置とスクリュ断面積とに基づいて樹脂量の指標となる値を求める。溶融樹脂の計量完了時点における射出スクリュ3の位置を検出する。そして、計量完了位置とスクリュ断面積とに基づいて、計量した樹脂量の指標を求める。計量完了位置やスクリュ断面積に関しては図4に示されている。
Voindex=Xmeter*S (数1)
数式1で、「VOindexは樹脂量の指標、「Xmeter」は計量完了位置、「S」は射出スクリュ断面積、「*」は乗算、を表す。
次に、減速距離Dの求め方について説明する。
図4はこの減速距離Dを求める方法の説明図である。図4で横軸は時間T、縦軸は射出速度Vを表している。また、符号Aは減速方向の加速度(以下、「減速度」という)であり、射出成形機の固有の値として予め求めておくものである。射出速度Vaから急減速を開始し、速度が0になるまでの時間をTdとすると、
D=Td*Va/2 (数2)
A=Va/Td (数3)
ここで、数式3からTdをAとVaとで表し、数式2のTdに代入すると、
D=Va2/2A (数4)
として、減速距離Dを求めることができる。
この減速距離Dを求めるにあたり、減速度Aをあらかじめ設定しておくが、この減速度Aは機械固有の値であり、射出成形機の射出機構が決まれば理論的に算出し、設定することができる。しかし、簡単に求めるには、射出シリンダ1内に樹脂が無い状態で射出動作を行い、その途中で、射出動作を中断しこの中断時の射出速度をVa、速度が0になるまでの経過時間Tdを測定する。この射出速度Vaと時間Tdとにより、上記数式3の演算により減速度Aを求めることができる。
本発明においては、数式4のVaを変数として、射出工程において射出速度と機械固有の減速度に基づいて、数式5の演算により射出スクリュが停止するまでの減速距離(以下、「減速距離」という)を逐次(例えば、第1の所定周期毎)求める。
D=V2/2A (数5)
数式5で、「D」は射出スクリュが停止するまでの減速距離、「V」はスクリュ速度、「A」は機械固有の減速度を表わす。
次に、圧力傾きの検出について説明する。
スクリュ位置と圧力とを逐次検出し、前記検出したスクリュ位置と圧力とに基づいて、圧力傾きを逐次(例えば、第2の所定周期毎)に求める。
α=(Pn−Pn-1)/(Xn-1−Xn) (数6)
数式6で、「α」は圧力傾き、「Xn」はnサンプル目のスクリュ位置、「Pn」はnサンプル目の圧力である。
上記のようにして求めた、「樹脂量の指標」(Voindex)、「減速距離」(D)、及び「圧力傾き」(α)を用いて、射出スクリュが停止するまでの圧力変化量(予測値)であるΔPを算出することができる。
ΔP={α/(γ*VOindex)}*D (数7)
数式7で、「ΔP」は射出スクリュが停止するまでの圧力変化量(予測値)、「γは機械固有の係数」を表している。数式7について説明すると、数式6により求めた圧力傾きαを、樹脂量の指標VOindexと機械固有の係数γとに基づいて補正する。該補正した圧力傾きαと減速距離Dとに基づいて、射出スクリュが停止するまでの圧力変化量(予測値)ΔPを数式7により逐次(例えば、第3の所定周期毎)求める。数式7で、樹脂量の指標であるVOindexが分母にあることで、樹脂量が多いときには圧力変化量が小さくなり、樹脂量が少ない時には圧力変化量が大きくなるように圧力傾きαが調整される。なお、背景技術で説明した特許文献1の技術では、Voindexの補正や係数γによる補正が考慮されていなかった。
機械固有の係数γは、実験によって求めることができる。所定の計量完了位置で計量した後、樹脂詰まりが発生した状態において射出動作を行い、異常を検出して射出スクリュを停止させる。その時の、圧力変化量の予測値と実測値とが一致するように、機械固有の係数γを調整する。一旦、機械固有の係数γが決まれば、その後は計量完了位置が変動しても、圧力変化量を正確に予測できる。
そして、現時点での圧力Pに前記求めた圧力変化量(予測値)ΔPを加えた結果が、予め設定された限界圧力Pmaxを超えた場合には射出スクリュを停止させる。数式で表すと、数式8および数式9により、射出スクリュを停止するかしないかを判断する。
P+ΔP>Pmax → スクリュ停止 (数8)
P+ΔP≦Pmax → スクリュ停止しない (数9)
数式8,数式9で、「P」は現時点での圧力、「Pmax」は限界圧力である。
前記、第1の所定周期と第2の所定周期と第3の所定周期は、それぞれ同じ周期でもよいし、異なる周期でもよい。また、第1の所定周期と第2の所定周期と第3の所定周期を、時間を基準としたものに代えて、距離を基準として、射出スクリュが第1の所定距離進む毎、第2の所定距離進む毎、第3の所定距離進む毎に上記処理を実行するようにしてもよい。
樹脂量の指標Voindexの第1の求め方では、計量完了位置とスクリュ断面積とに基づいて樹脂量の指標を求めたが、第2の求め方では、計量完了位置ではなく射出開始位置に基づいて樹脂量の指標を求めてもよい。
Oindex=Xinject*S (数10)
数式10で、VOindexは樹脂量の指標、Sはスクリュ断面積、Xinjectは射出開始位置を表す。
樹脂量の指標Voindexの第1の求め方や第2の求め方では、計量完了位置、または、射出開始位置、とスクリュ断面積とに基づいて樹脂量の指標を求めたが、以下に記載する求め方によってもよい。
第3の求め方では、射出シリンダ1の先端に取り付けられたノズル部2の内部に滞留している樹脂量を加算し、樹脂量の指標を求めてもよい。
Oindex=Xmeter*S+Vnzl (数11)
数式11で、VOindexは樹脂量の指標、Sはスクリュ断面積、Vnzlはノズル部2内の樹脂の滞留量を表している。
第4の求め方では、計量完了位置Xそのものを数式12に示すように樹脂量の指標としてもよい。
Oindex=Xmeter (数12)
第5の求め方では、計量完了位置と、ノズル部内の滞留量をスクリュ断面積で割った値とを加算したものを樹脂量の指標としてもよい。
Oindex=Xmeter+Vnzl/S (数13)
数式13で、VOindexは樹脂量の指標、Sはスクリュ断面積、Vnzlはノズル部内の滞留量を表す。
第1、3、4、5の求め方では、計量完了位置の検出値に基づいて樹脂量の指標を求めたが、計量完了位置の検出値の代わりに計量完了位置の設定値に基づいて樹脂量の指標を求めるようにしてもよい。
第3の求め方以降では、樹脂量の指標Voindexは体積の次元ではなく長さの次元の物理量を樹脂量に相当するものとして採用している。このように、樹脂量の指標は直接的または間接的にシリンダ内の樹脂量を表す量であればよい。そのため、単に樹脂量と称するのではなく、本発明では「樹脂量の指標」と称している。
本発明により、射出スクリュが停止するまでの圧力変化量を正確に予測して求めることが可能となるため、射出速度が高速で、正常時と異常時との判別が難しい成形条件においても、正確に樹脂詰まりを検知することができる。また、射出シリンダ内部にある樹脂量の多少に影響されることなく、正確な樹脂詰まりを検知することができる。
図5は、射出圧力を予測し、該射出圧力に基づいて射出動作を非常停止させるアルゴリズムを示すフローチャートであり、本発明の射出成形機の異常検出装置におけるCNCCPU20が所定周期毎に実施するものである。以下、各ステップに従って説明する。
CNCCPU20は、樹脂量の指標であるVoindexを計測する(ステップS100)。Voindexは、前述の物理量のうちいずれか一つである。Voindexの算出方法は、前記数式1、数式10〜数式13として表されているし、計量完了位置の設定値を用いてもよい。
そして、ROM21あるいは電源バックアップされたRAM22にあらかじめ記憶させた機械固有の係数γと減速度Aを読み込む(ステップS101)。
次に、CNCCPU20は、射出中であるか否かを判断し(射出が開始されると別の射出処理プログラムによって射出中を示すフラグが上げられ、射出工程が終了するとフラグが下ろされるので、このフラグによって射出中であるか否かを判断する)、射出中でなければ、当該周期での処理を終了する(ステップS102)。
ステップS102で射出中と判断されると、次に、位置・速度検出器Penc1で検出される射出スクリュ3の位置Xnと射出速度Vn、及び、圧力センサ5で検出されA/D変換器16を介して入力される射出圧力Pnを読取る(ステップS103)。
次に、当該周期で求めたスクリュ位置Xn,射出圧力Pnから、レジスタR(X)に記憶する前周期で検出したスクリュ位置Xn-1、レジスタR(P)に記憶する前周期で検出した射出圧力Pn-1をそれぞれ減じて、このサンプリング周期における射出スクリュ3の移動量δXと射出圧力変化量δPを算出する(ステップS104、ステップS105)。移動量δXと射出圧力変化量δPとを算出した後、ステップS104で求めた移動量δXとステップS105で求めた射出圧力変化量δPとから、圧力傾きαを算出する(ステップS106)。
そして、レジスタR(X)、レジスタR(P)に格納されている前周期で検出し記憶したデータを、当該周期で検出したスクリュ位置Xn、射出圧力Pnのデータに置き換える(ステップS107)。
なお、前記レジスタには、射出開始時に初期設定として、射出開始時の位置X、射出圧力Pが設定されている。その後、レジスタR(X)とレジスタR(P)にそれぞれステップS103で読み取った当該周期での射出スクリュ位置Xnと射出圧力Pnを格納する。
次に、ステップS101で読み込んだ予め設定されてある減速度AとステップS103で読み取った当該周期での射出速度Vnとに基づき、減速距離Dを算出する(ステップS108)。そして、射出スクリュが停止するまでの圧力変化量(予測値)であるΔPを、前記数式7である、ΔP={α/(γ*VOindex)}*Dにより算出し、ステップS103で読み取った当該周期での射出圧力PnにステップS109で算出した圧力変化量ΔPを加算した値である「Pn+ΔP」が、限界圧力であるPmaxより大きいか否かを判断し、Pn+ΔPがPmaxを超えていなければ、このまま当該周期の処理を終了し、Pn+ΔPがPmaxより大きければ、射出動作を停止させ、射出スクリュ3を急減速させて停止させる(ステップS109〜ステップS111)。
機械固有の係数γによる補正は、圧力変化量をより正確に行うために、圧力変化量の予
測値と実測値とが一致するように補正する値である。この係数による補正分は、樹脂量の
指標による補正より少なくてよいことから、機械固有の係数γによる補正を行わなくてもよいし、また、γ=1として計算処理を行うようにしてもよい。
本発明により、樹脂量の多寡に応じた圧力変化量を予測でき、樹脂圧力の予測精度が向上し、射出工程中の射出圧力異常による金型や射出シリンダ・ノズルの破損を正確に防止することが可能となる。
本発明の一実施形態の要部ブロック図である。 本発明の動作原理を説明する図である。 射出シリンダ内の樹脂体積を説明する図である。 本発明の圧力異常検出装置で使用される減速距離を求める説明図である。 本発明の圧力異常検出装置で実行される圧力異常検出のためのアルゴリズムを示すフローチャートである。 樹脂量によって圧力傾きが異なることを示す図である。
符号の説明
1 射出シリンダ
2 ノズル部
3 射出スクリュ
4 ホッパ
5 圧力センサ
6,7 伝動手段
M1 射出用サーボモータ
M2 スクリュ回転用サーボモータ
Penc1,Penc2 位置・速度検出器
10 圧力異常検出装置を備えた射出成形機の制御装置
26 バス
Oindex 樹脂量の指標
γ 機械固有の係数
S スクリュ断面積

Claims (6)

  1. 射出スクリュの位置を検出する位置検出手段と、射出スクリュの速度を検出する速度検出手段と、前記射出スクリュの移動によって生じる射出圧力を検出する圧力検出手段とを有し、計量完了位置を求め、該求めた計量完了位置に基づいて樹脂量の指標を求め、
    射出工程中、前記速度検出手段から求められた現在の速度と予め求められた射出スクリュの機械固有の減速度とから、射出スクリュが停止するまでの減速距離を逐次求め、
    前記位置検出手段から求められたスクリュ位置と、前記圧力検出手段から求められた圧力とに基づいて、スクリュ位置に対する圧力傾きを逐次求め、
    前記求められた減速距離と、圧力傾きと、樹脂量の指標とに基づいて、射出スクリュが停止するまでに生じる圧力変化量を逐次求め、
    該圧力変化量に前記圧力検出手段によって検出された圧力を加えた結果が予め設定された限界圧力を超えた場合に射出スクリュを停止させる射出成形機の圧力異常検出装置。
  2. 前記圧力変化量は、前記求めた樹脂量の指標が大きくなるにつれて前記圧力変化量が小さくなり、前記求めた樹脂量の指標が小さくになるにつれて前記圧力変化量が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の圧力異常検出装置。
  3. 前記圧力変化量は、前記求めた圧力傾きを樹脂量の指標で除算することにより補正し、該補正した圧力傾きと減速距離の積を演算して求めることを特徴とする射出成形機の圧力異常検出装置。
  4. 前記計量完了位置は、計量が完了した時点におけるスクリュ位置の検出値、または、計量完了位置の設定値であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の圧力異常検出器。
  5. 前記樹脂量の指標は、計量完了位置とスクリュ断面積の積に射出ノズル内部の体積を加算したものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の射出成形機の圧力異常検出装置。
  6. 前記樹脂量の指標は、計量完了位置とノズル内の滞留量をスクリュ断面積で除算した値とを加算したものであることを特徴とする請求項1〜4に記載の射出成形機の圧力異常検出装置。
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