JP2007144781A - 射出成形機の射出制御方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の射出制御方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外乱要素を十分に反映した補正圧力を得ることにより、圧力補正の有効性、更には制御の的確性及び安定性を確保する。
【解決手段】 サーボモータ3を用いた駆動機構2によりスクリュ4を所定の射出速度Vfで前進移動させるとともに、射出圧力Pfを検出し、射出圧力(検出圧力)Pfが予め設定した所定圧力Psを超えないように制御するに際し、スクリュ4の前進移動に伴う動作物理量を検出し、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力Pxを求めるとともに、この補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算した修正検出圧力Pfxにより射出圧力に対する制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サーボモータを用いた駆動機構によりスクリュを前進移動させる際における射出成形機の射出制御方法及び装置に関する。
一般に、電動式射出成形機における射出装置では、サーボモータを用いた駆動機構によりスクリュを前進移動させる射出制御を行っている。この場合、サーボモータの回転運動は、回転伝達機構及びボールねじ機構を介して直進運動に変換され、これに基づいてスクリュが前進移動する。スクリュの前進移動時には、予め設定した目標速度(射出速度)となるように射出速度に対するフィードバック制御が行われるとともに、リミット圧力が設定され、射出圧力(検出圧力)がリミット圧力を超えないように圧力制御される。この圧力制御には、圧力に対するフィードバック制御系が利用され、検出圧力がリミット圧力に一致するようにフィードバック制御される。なお、通常、圧力のフィードバック制御系には、圧力補償部が接続され、フィードバック制御系に適したPID定数が設定(調整)されている。
ところで、この種の射出成形機では、サーボモータとスクリュ間の慣性モーメントが問題となる。即ち、図5に示すように、一般的なPID制御では、射出圧力(検出圧力)Pfがリミット圧力Psに近付いてきた際に、リミット圧力Psに達する手前のtd時点で減速を開始し、リミット圧力Psを大きく超えないように制御しているが、慣性モーメントの作用により応答遅れを生じ、この結果、射出圧力Pfにリミット圧力Psに対する過大なオーバシュート或いはアンダシュートが発生する。なお、図5中、Psdは、td時点における射出圧力(減速開始圧力)を示す。そして、射出圧力Pfの過大なオーバシュートは、スクリュの折損を招くなど、射出成形機の機構部分に重大なダメージを及ぼす虞れがあるとともに、過大なアンダシュートは安定成形を損なう問題を生じる。この問題は、PID制御(PID定数を設定した圧力補償部)では改善できなとともに、特に、射出速度の高速化が求められる近年の射出成形機にとっては重要な問題となる。また、図5中、Vsは射出速度の目標速度、Vfは射出速度の検出速度を示している。
一方、この問題に対処する射出制御方法(装置)も知られており、例えば、特開2002−331561号公報には、圧力増減量演算部によりA/D変換器から出力された圧力フィードバックの今回値と前回値の差分をとり、圧力増減量を求めるとともに、この圧力増減量を加算器により圧力フィードバックの今回値に加算し、新たな圧力フィードバック値として圧力設定値との差分を減算器で求め、PID制御器に入力することにより、電動射出成形機の射出軸の圧力制御において、オーバシュートを抑えてゲインを高く設定できるようにした電動射出成形機の射出軸の圧力制御方法及び装置が開示されている。
また、特開2003−300236号公報には、スクリュを設定速度で前進させ、金型キャビティ内に溶融材料を射出し、この際、射出速度および射出圧力を常時測定しながら射出を行うとともに、射出圧力と予め記憶した慣性流れ時昇圧との和が限界圧力より大きい場合に、コントローラから射出サーボモータに急制動信号を送信して急制動をかけ、異常状態発生時においても、射出圧力が限界圧力を超えない制御を行う電動射出成形機の射出制御方法が開示されている。
特開2002−331561号 特開2003−300236号
しかし、上述した従来における射出成形機の射出制御方法(装置)は、次のような問題点があった。
第一に、前者の制御方法は、今回値と前回値の差分である圧力増減量により圧力フィードバック値を補正するとともに、後者の制御方法は、予め記憶した慣性流れ時昇圧を用いて射出圧力を補正するものであり、いずれの制御方法も単一の補正要素を採用するに過ぎない。したがって、外乱要素を十分に反映できないことから圧力補正の有効性を期待できず、結局、制御の的確性及び安定性を十分に確保できない。
第二に、オーバシュートの発生による影響は、特に、射出速度が高速化したり射出圧力の上昇率が高いときに大きくなるが、従来の制御方法では、このような場合に制御のタイミングがズレ(遅れ)やすく、オーバシュートの回避に対する確実性及び信頼性に欠けるとともに、高速化する射出成形機の要請に応えることができないなど、汎用性及び発展性にも難がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の射出制御方法及び装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mの射出制御方法は、上述した課題を解決するため、サーボモータ3を用いた駆動機構2によりスクリュ4を所定の射出速度Vfで前進移動させるとともに、射出圧力Pfを検出し、この射出圧力(検出圧力)Pfが予め設定した所定圧力Psを超えないように制御するに際し、スクリュ4の前進移動に伴う動作物理量を検出し、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく予測演算式により補正圧力Pxを求めるとともに、この補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算した修正検出圧力Pfxにより射出圧力に対する制御を行うようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、動作物理量には、射出圧力Pf,この射出圧力Pfの微分値dPf及び射出速度Vfを含ませることができる。また、力学要素には、駆動機構2に備える、サーボモータ3の慣性モーメントJm,サーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントJt,サーボモータ3の最大トルクTを含ませることができる。さらに、設定物理量には、力学要素(Jm,Jt,T)に加え、調整用ゲインG,樹脂反力の算出用ゲインCの一方又は双方を含ませることができる。
一方、本発明に係る射出成形機Mの射出制御装置1は、上述した課題を解決するため、サーボモータ3を用いた駆動機構2によりスクリュ4を所定の射出速度Vfで前進移動させた際における射出圧力(検出圧力)Pfが予め設定した所定圧力Psを超えないように制御する射出制御装置を構成するに際して、スクリュ4の前進移動に伴う動作物理量を検出する物理量検出手段W1と、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力Pxを求める補正圧力演算手段W2と、この補正圧力演算手段W2から得る補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算して修正検出圧力Pfxを得る検出圧力修正手段W3とを備えることを特徴とする。
このような手法及び構成を有する本発明に係る射出成形機Mの射出制御方法及び装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力Pxを求め、この補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算した修正検出圧力Pfxにより射出圧力に対する制御を行うため、外乱要素を十分に反映した補正圧力Pxを得ることができ、もって、圧力補正の有効性、更には制御の的確性及び安定性を確保できるとともに、確実なオーバシュートの回避が可能となり、スクリュ4の折損を招くなどの射出成形機Mの機構部分に重大なダメージを及ぼす問題を解消できる。
(2) 好適な態様により、動作物理量に、射出圧力Pf,この射出圧力Pfの微分値dPf及び射出速度Vfを含ませるとともに、力学要素に、駆動機構2に備える、サーボモータ3の慣性モーメントJm,サーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントJt,サーボモータ3の最大トルクTを含ませれば、射出速度が高速化した場合であってもオーバシュートの回避に対する確実性及び信頼性を確保できるとともに、高速化する射出成形機の要請に対して十分に応えることができるなど、汎用性及び発展性にも優れる。
(3) 好適な態様により、設定物理量に、力学要素Jm,Jt,Tに加え、調整用ゲインG,樹脂反力の算出用ゲインCの一方又は双方を含ませれば、制御の的確性及び安定性をより高めることができるとともに、オーバシュートの回避に対する確実性及び信頼性をより高めることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出制御装置1を含む射出成形機Mの構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図2に示す射出成形機Mは、型締装置を除いた射出装置Miのみを示す。射出装置Miは、離間して配した射出台11と駆動台12を備え、この射出台11の前面に加熱筒13の後端が支持される。加熱筒13は、前端に射出ノズル14を、後部に当該加熱筒13に成形材料を供給するホッパ15をそれぞれ備えるとともに、加熱筒13の内部にはスクリュ4を挿通させる。一方、射出台11と駆動台12間には、四本のタイバー16…を架設し、このタイバー16…にスライドブロック17をスライド自在に装填する。スライドブロック17の前端には、被動プーリ18を一体に有するロータリブロック19を回動自在に支持し、このロータリブロック19の中央にスクリュ4の後端を結合する。さらに、スライドブロック17の側面には、スクリュ回転用のサーボモータ20を取付けるとともに、このサーボモータ20の回転シャフトに固定した駆動プーリ21と被動プーリ18間に無端タイミングベルト22を架け渡し、これにより、スクリュ回転用の駆動機構を構成する。なお、20eはサーボモータ20の回転数を検出するロータリエンコーダであり、サーボモータ20の後端に付設される。
また、スライドブロック17の後部には、ナット部25を同軸上一体に設けるとともに、駆動台12に回動自在に支持されたボールねじ部26の前側をナット部25に螺合させることにより、ボールねじ機構24を構成する。さらに、駆動台12から後方に突出したボールねじ部26の後端には、被動プーリ27を取付けるとともに、駆動台12に取付けた支持盤12sには、スクリュ進退用のサーボモータ3を取付け、このサーボモータ3の回転シャフトに固定した駆動プーリ29と被動プーリ27間に無端タイミングベルト30を架け渡し、これにより、スクリュ進退用の駆動機構2を構成する。したがって、この駆動機構2には、サーボモータ3及びこのサーボモータ3からスクリュ4に至る間の機構が含まれる。3eはサーボモータ3の回転数を検出するロータリエンコーダであり、サーボモータ3の後端に付設される。
一方、1は本実施形態に係る射出制御装置を示す。射出制御装置1は、射出成形機Mの全体の制御を司るコンピュータ機能を有する成形機コントローラ31を備え、この成形機コントローラ31の出力ポートには、サーボモータ3及び20を接続するとともに、成形機コントローラ31の入力ポートには、ロータリエンコーダ3e及び20eを接続する。また、ロータリブロック19とスライドブロック17間にはロードセルを用いた圧力センサ32を組付け、この圧力センサ32は、成形機コントローラ31の入力ポートに接続する。この圧力センサ32により射出圧力Pfを検出できる。さらに、成形機コントローラ31には、タッチパネル式のディスプレイを含む各種設定を行うことができる設定部33が付属するとともに、本実施形態に係る射出制御方法を実行するための制御プログラム31pが格納されている。
図1に、射出制御装置1(成形機コントローラ31)の具体的な機能ブロック図を示す。同図は、主に圧力制御系Upを示し、サーボモータ3,ロータリエンコーダ3e,圧力センサ32は前述のものと同じである。図1中、35は偏差演算部、36は加算部、37は圧力補償部、38は切換部、39は速度−圧力制御判断部、40は偏差演算部、41は速度補償部、42は電流制御部、43は電流検出器、44は速度変換部、45は微分器、46は圧力予測演算部をそれぞれ示し、各部の信号系統は図示のようになる。
図1において、ロータリエンコーダ3e,速度変換部44,圧力センサ32及び微分器45は、スクリュ4の前進移動に伴う動作物理量を検出する物理量検出手段W1を構成し、速度変換部44からは射出速度(検出速度)Vfを得るとともに、圧力センサ32からは射出圧力(検出圧力)Pfを得る。また、微分器45は、射出圧力Pfを微分して微分値dPfを出力する。
圧力予測演算部46は、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力Pxを求める補正圧力演算手段W2を構成する。動作物理量には、上述した射出圧力Pf,微分値dPf及び射出速度Vfを用いる。また、駆動機構2における力学要素には、サーボモータ3の慣性モーメントJm,サーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントJt,サーボモータ3の最大トルクTを用いるとともに、設定物理量には、このような力学要素Jm,Jt,Tに加え、調整用ゲインG及び樹脂反力の算出用ゲインCを用いる。
この場合、Jmはサーボモータ3自身の持つ慣性モーメント、JtはJmを除いたサーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントであり、両者を合わせた慣性モーメントJ(=Jm+Jt)を用いる。Tはサーボモータ3の規格となる定格トルクを用いる。Gは圧力予測の反応の良さ(感度)を調整するためのゲインであり、PID定数におけるP定数に類似する。Cは樹脂の反力(弾性)をばね定数として見立て、スクリュ4を前進移動させた際における樹脂反力を算出するためのゲインである。これらの物理要素J,T,G,Cは、各機種毎の固定的な設定値として工場出荷前に設定される。
圧力予測演算部46は、付与される動作物理量(Pf,dPf,Vf)及び設定物理量(J,T,G,C)により補正圧力Pxを演算する。この補正圧力Pxは、射出速度Vfが0になるまでの射出圧力に対する予測圧力に基づくものであり、次の予測演算式(1)により求めることができる。なお、予測演算式(1)において、Tpは樹脂反力トルク、tはモータ停止時間を表している。
Px=G・dPf・t/2
=G・dPf・(J・Vf/(T+Tp))/2
=G・dPf・(J・Vf/(T+(C・Pf)))/2 …(1)
一方、加算部36は、圧力予測演算部46から得る補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算して修正検出圧力Pfxを得る検出圧力修正手段W3を構成し、この加算部36には、圧力センサ32から得る射出圧力Pfと圧力予測演算部46から得る補正圧力Pxがそれぞれ付与される。また、速度−圧力制御判断部39は、検出圧力,圧力上昇率,偏差等の各種要素に基づいて射出速度の減速を開始する最適なタイミングを判断する。なお、他の各部における機能は後述の動作において説明する。
次に、このような射出制御装置1の動作を含む本実施形態に係る射出制御方法について、各図を参照しつつ図3に示すフローチャートに従って説明する。
図3は、射出開始から射出終了までの射出工程(保圧工程を含まない)を示す。まず、成形機コントローラ31には、成形条件として、射出速度(目標速度)Vs及びリミット圧力(所定圧力)Psが設定される。そして、図1に示すように、射出速度Vsは切換部38に付与され、リミット圧力Psは偏差演算部35の非反転入力部に付与される。
射出工程では、射出開始により射出開始位置にあるスクリュ4が前進移動し、計量された樹脂(溶融樹脂)が射出ノズル14から不図示の金型キャビティに射出充填される。スクリュ4の前進移動時には、射出速度(検出速度)Vfが予め設定された目標速度Vsに一致するように、射出速度に対するフィードバック制御が行われる(ステップS1)。図4中、Vfが検出速度を示し、Vsが目標速度を示す。
スクリュ4の前進移動は駆動機構2の制御により行われる。この場合、サーボモータ3の回転運動は、駆動プーリ29,タイミングベルト30及び被動プーリ27を含む回転伝達機構を介して回転伝達されるとともに、ボールねじ部26及びナット部25を含むボールねじ機構24により運動変換され、スライドブロック17を介してスクリュ4に伝達される。一方、サーボモータ3の回転数は、ロータリエンコーダ3eにより検出されるとともに、速度変換部44により射出速度(検出速度)Vfに変換され、この検出速度Vfは、圧力予測部46及び偏差演算部40の反転入力部にそれぞれ付与される。射出工程の開始により射出速度に対するフィードバック制御が行われるため、切換部38は射出速度(目標速度)Vsを選択する側に切換わっており、偏差演算部40の非反転入力部には、目標速度Vsが付与される。これにより、偏差演算部40の出力部には、目標速度Vsと検出速度Vfの偏差が得られ、この偏差は、PID定数を設定した速度補償部41により速度補償された後、電流制御部42に付与され、さらに、この電流制御部42からサーボモータ3に対して給電が行われる。なお、サーボモータ3に流れる電流は電流検出器43により検出され、電流制御部42に付与される。これにより、電流に対するマイナループのフィードバック制御が行われる。
他方、射出開始により動作物理量の検出が行われる(ステップS2)。この動作物理量には、上述した検出速度(射出速度)Vfが含まれるとともに、射出圧力(検出圧力)Pfが含まれる。検出圧力Pfは、圧力センサ32から検出され、この検出圧力Pfは、加算部36及び圧力予測演算部46にそれぞれ付与される。また、射出圧力Pfは、微分器45により微分され、この微分により得た微分値dPfは、圧力予測演算部46に付与される。
圧力予測演算部46では、得られた動作物理量(Pf,dPf,Vf)と予め設定されている設定物理量(J,T,G,C)に基づき、前述した予測演算式(1)を用いて補正圧力Pxが求められる(ステップS3)。また、得られた補正圧力Pxは、加算部36に付与されることにより検出圧力Pfに加算される(ステップS4)。この結果、加算部36の出力部には、検出圧力Pfに補正圧力Pxを加算した修正検出圧力Pfxが得られ、この修正検出圧力Pfxは偏差演算部35の反転入力部に付与される。これにより、偏差演算部35の出力部には、射出圧力(所定圧力)Psと修正検出圧力Pfxの偏差が得られ、この偏差は、PID定数を設定した圧力補償部37により圧力補償され、圧力補償速度Vpとして切換部38に付与される。なお、以上の処理は制御周期毎に行われる。
射出工程では基本的に射出速度に対するフィードバック制御が行われるため、射出工程中に、修正検出圧力Pfxがリミット圧力Psに達しない場合には、射出速度に対するフィードバック制御が継続し、射出終了時間或いは射出終了位置に達することにより射出工程は終了する(ステップS5,S6)。しかし、通常、スクリュ2が前進移動するに従って樹脂の充填が進み、射出圧力Pfは徐々に高くなる。そして、図4に示すように、修正検出圧力Pfxがリミット圧力Psに近付いた際には、速度−圧力制御判断部39が最適なタイミング(td時点)で切換部38を制御し、圧力補償部37の出力を選択する側に切換える。これにより、射出速度に対するフィードバック制御から射出圧力に対するフィードバック制御に切換えられる(ステップS5,S7)。この場合、リミット圧力Psに近付いたタイミングで射出圧力に対するフィードバック制御に切換えられるため、この時点での圧力制御は、スクリュ4の前進移動に対して制動する制御となる。なお、図4中、Psdがtd時点における減速開始圧力となる。
ところで、リミット圧力Psに近付いたか否かの監視は、検出圧力Pfに対してではなく、修正検出圧力Pfxに対して行われる。この修正検出圧力Pfxは、検出圧力Pfに対して補正圧力Pxが加算された大きさとなる。したがって、検出圧力Pfの変化度合(上昇率)が図4に示すような特性となる場合、修正検出圧力Pfxは検出圧力Pfよりも早く立ち上がり、修正検出圧力Pfxが減速を開始する減速開始圧力Psdに達するタイミング(td時点)は、検出圧力Pfが減速を開始する減速開始圧力Psdに達するタイミング(tds時点)よりも早くなる。この結果、検出圧力Pfの挙動は図4に示すようになり、検出圧力Pfのリミット圧力Psに対する検出圧力Pfのオーバシュート及びアンダシュータは回避され、安定した状態でリミット圧力Psに到達する。一方、例えば、射出圧力Pfの上昇率が図4とは異なった場合には、微分値dPfが変更されるため、検出圧力Pfの減速開始圧力Psdに達する時点が図4に示すtds時点であっても、修正検出圧力Pfxの減速開始圧力Psdに達する時点は、射出圧力Pfの上昇率に対応して図4に示すtd時点とは異なるものとなる。
そして、この後は、予め設定した射出終了時間或いは射出終了位置に達することにより射出工程が終了する(ステップS8)。なお、検出圧力Pfがリミット圧力Psに到達した後に検出圧力Pfが低下しても、射出圧力に対するフィードバック制御が行われているため、射出圧力を上昇させる制御が行われ、この結果、射出速度が上昇する。射出速度が上昇した場合、設定された目標速度Vsが速度リミッタとして働くため、結局、圧力制御が行われていても実質的には速度制御状態となる。
このように、本実施形態に係る射出制御方法(射出制御装置1)によれば、検出した各種動作物理量(Pf,dPf,Vf)及び予め設定した少なくとも駆動機構2における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量(J,T,G,C)に基づく所定の予測演算式(1)により補正圧力Pxを求め、この補正圧力Pxを検出圧力Pfに加算した修正検出圧力Pfxにより射出圧力に対する制御を行うようにしたため、外乱要素を十分に反映した補正圧力Pxを得ることができ、もって、圧力補正の有効性、更には制御の的確性及び安定性を確保できるとともに、確実なオーバシュートの回避が可能となり、スクリュ4の折損を招くなどの射出成形機Mの機構部分に重大なダメージを及ぼす問題を解消できる。
しかも、動作物理量に、射出圧力Pf,この射出圧力Pfの微分値dPf及び射出速度Vfを用いるとともに、力学要素に、駆動機構2に備える、サーボモータ3の慣性モーメントJm,サーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントJt,サーボモータ3の最大トルクTを用いたため、射出速度が高速化した場合であってもオーバシュートの回避に対する確実性及び信頼性を確保できるとともに、高速化する射出成形機の要請に対して十分に応えることができるなど、汎用性及び発展性にも優れる。また、設定物理量に、力学要素Jm,Jt,Tに加え、調整用ゲインG及び樹脂反力の算出用ゲインCを用いたため、制御の的確性及び安定性をより高めることができるとともに、オーバシュートの回避に対する確実性及び信頼性をより高めることができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、動作物理量として、射出圧力Pf,この射出圧力Pfの微分値dPf及び射出速度Vfを用いた場合を示したが、これらの一部を用いる場合或いは他の動作物理量を追加する場合を排除するものではない。また、設定物理量として、サーボモータ3の慣性モーメントJm,サーボモータ3からスクリュ4に至る機構上の慣性モーメントJt,サーボモータ3の最大トルクT,調整用ゲインG及び樹脂反力の算出用ゲインCを用いる場合を示したが、これらの一部を用いる場合或いは他の設定物理量を追加する場合を排除するものではない。したがって、動作物理量或いは設定物理量を変更した場合には、これに対応して前述した予測演算式(1)を変更すればよい。特に、調整用ゲインGと樹脂反力の算出用ゲインCは、いずれか一方を用いることができ、この場合には、他方を予測演算式(1)から除けばよい。さらに、所定圧力Psとしてリミット圧力を例示したが、このリミット圧力に限定されるものではない。なお、本発明におけるスクリュ4はプランジャも含む概念である。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機の射出制御装置を抽出して示す機能ブロック図、 同射出制御装置を備える射出成形機の一部断面構成図、 同射出制御装置による射出制御方法を説明するための射出工程の処理手順を示すフローチャート、 同射出制御装置における時間に対するスクリュ前進移動時の圧力及び速度の変化特性図、 背景技術を説明するための時間に対するスクリュ前進移動時の圧力及び速度の変化特性図、
符号の説明
1 射出制御装置
2 駆動機構
3 サーボモータ
4 スクリュ
M 射出成形機
Vf 射出速度
Pf 射出圧力(検出圧力)
Ps 所定圧力
Px 補正圧力
Pfx 修正検出圧力
dPf 射出圧力の微分値
Jm サーボモータの慣性モーメント
Jt サーボモータからスクリュに至る機構上の慣性モーメント
T サーボモータの最大トルク
G 調整用ゲイン
C 樹脂反力の算出用ゲイン
W1 物理量検出手段
W2 補正圧力演算手段
W3 検出圧力修正手段

Claims (5)

  1. サーボモータを用いた駆動機構によりスクリュを所定の射出速度で前進移動させるとともに、射出圧力を検出し、この射出圧力(検出圧力)が予め設定した所定圧力を超えないように制御する射出成形機の射出制御方法において、前記スクリュの前進移動に伴う動作物理量を検出し、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも前記駆動機構における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力を求めるとともに、この補正圧力を前記検出圧力に加算した修正検出圧力により射出圧力に対する制御を行うことを特徴とする射出成形機の射出制御方法。
  2. 前記動作物理量には、前記射出圧力,この射出圧力の微分値及び前記射出速度を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  3. 前記力学要素には、前記駆動機構に備える、サーボモータの慣性モーメント,前記サーボモータから前記スクリュに至る機構上の慣性モーメント,前記サーボモータの最大トルクを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  4. 前記設定物理量には、前記力学要素に加え、調整用ゲイン,樹脂反力の算出用ゲインの一方又は双方を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  5. サーボモータを用いた駆動機構によりスクリュを所定の射出速度で前進移動させた際における射出圧力(検出圧力)が予め設定した所定圧力を超えないように制御する射出成形機の射出制御装置において、前記スクリュの前進移動に伴う動作物理量を検出する物理量検出手段と、検出した動作物理量及び予め設定した少なくとも前記駆動機構における力学要素の一又は二以上に係わる設定値を含む設定物理量に基づく所定の予測演算式により補正圧力を求める補正圧力演算手段と、この補正圧力演算手段から得る補正圧力を前記検出圧力に加算して修正検出圧力を得る検出圧力修正手段とを備えることを特徴とする射出成形機の射出制御装置。
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