JP2009247948A - 液滴吐出装置、機能液の着弾位置補正方法、電気光学装置の製造方法および電気光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の機械的精度や基板の製造上の精度に係わらず、機能液滴吐出ヘッドにより基板上の区画部に機能液を精度良く着弾させることができる液滴吐出装置、機能液の着弾位置補正方法、電気光学装置の製造方法および電気光学装置を提供する。
【解決手段】多数の区画部99がバンク部618によりマトリクス状に画成された基板601に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド17を相対的に走査し、多数の区画部99に向って機能液を吐出・着弾させる描画手段と、少なくとも基板601の一部において、着弾した機能液が区画部99からバンク部618にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識手段と、画像認識の結果に基づいて、はみ出しを抑制するように機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正手段と、を備えたものである。
【選択図】図8
【解決手段】多数の区画部99がバンク部618によりマトリクス状に画成された基板601に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド17を相対的に走査し、多数の区画部99に向って機能液を吐出・着弾させる描画手段と、少なくとも基板601の一部において、着弾した機能液が区画部99からバンク部618にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識手段と、画像認識の結果に基づいて、はみ出しを抑制するように機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正手段と、を備えたものである。
【選択図】図8
Description
本発明は、マトリクス状の多数の区画部を有する基板に対して、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドにより機能液を吐出して描画を行なう液滴吐出装置、機能液の着弾位置補正方法、電気光学装置の製造方法および電気光学装置に関するものである。
従来、インクジェットヘッドにより、基板上のバンク部によって画成された微小な素子部にインクを着弾させてカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造装置が知られている(特許文献1参照)。この製造装置では、素子部とインクジェットヘッド(のノズル)とを位置合わせするために、基板の非描画領域の副走査方向に形成された複数のアライメントマークの近傍に、各アライメントマークに対応させて複数のインクを吐出・着弾させ、この各アライメントマークおよび各インク間の距離を画像認識により算出し、その算出結果に基づいて、インクジェットヘッドを位置決め(着弾位置の補正)するようにしている。
特開平11−2711号公報
上記従来の位置決め(補正)方法は、副走査方向においてインクジェットヘッドのノズルと素子部とを位置合わせするものであり、例えば主走査方向の機械的な走査精度や、基板の製造上の精度が不十分な場合、インクを素子部に精度良く着弾させることができない。特に、分解能の高いカラーフィルタにおいては、インクが素子部からバンク部にはみ出して着弾してしまうという問題がある。これにより、色ムラや筋ムラが生ずることになる。一方、インクの着弾精度を決定づける要因は多岐にわたるため、効率良く着弾精度を高めるには多大な手間とコストがかかる問題がある。
本発明は、装置の機械的精度や基板の製造上の精度に係わらず、機能液滴吐出ヘッドにより基板上の区画部に機能液を精度良く着弾させることができる液滴吐出装置、機能液の着弾位置補正方法、電気光学装置の製造方法および電気光学装置を提供することをその課題としている。
本発明の液滴吐出装置は、多数の区画部がバンク部によりマトリクス状に画成された基板に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、多数の区画部に向って機能液を吐出・着弾させる描画手段と、少なくとも基板の一部において、着弾した機能液が区画部からバンク部にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識手段と、画像認識の結果に基づいて、はみ出しを抑制するように機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の機能液の着弾位置補正方法は、多数の区画部がバンク部によりマトリクス状に画成された基板に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、多数の区画部に向って機能液を吐出・着弾させる描画工程と、少なくとも基板の一部において、着弾した機能液が区画部からバンク部にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識工程と、画像認識の結果に基づいて、はみ出しを抑制するように機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正工程と、を備えたことを特徴とする。
これらの構成によれば、機能液滴吐出ヘッドは、実描画に使用する基板(区画部)への吐出結果に基づいて、各区画部に対する機能液の吐出位置(着弾位置)が補正されるため、機能液を各区画部からはみ出すことなく正確に吐出・着弾させることができる。すなわち、基板の製造上の精度や装置の機械的精度に関係なく、機能液を精度良く吐出・着弾させることができる。これにより、実描画における描画品質の低下を有効に防止することができる。
この場合、描画手段は、各区画部に対し、機能液滴吐出ヘッドの複数の吐出ノズルから複数ショットの機能液を吐出・着弾させることが、好ましい。
この構成によれば、例えば、各吐出ノズルの機能液吐出量にばらつきがあっても、各区画部に対する機能液の着弾量を平均化することができる。
この場合、着弾結果認識手段は、基板の相互に離間した任意の複数箇所を画像認識することが、好ましい。
この構成によれば、基板の複数箇所で区画部からの機能液のはみ出しを認識することができるため、機能液の吐出・着弾位置の補正精度を上げることができる。すなわち、X軸方向、Y軸方向およびθ方向の位置ズレを認識できるだけでなく、基板の膨張・収縮による位置ズレも認識することができ、且つこれを補正することができる。
この場合、位置補正手段は、画像認識の結果からX軸方向のX軸はみ出し量およびY軸方向のY軸はみ出し量を取得し、X軸はみ出し量およびY軸はみ出し量に基づいて、機能液の吐出・着弾位置を補正することが、好ましい。
この構成によれば、X軸はみ出し量およびY軸はみ出し量から、機能液の吐出・着弾位置を簡単且つ精度良く補正することができる。なお、X軸はみ出し量およびY軸はみ出し量の取得は、区画部から各方向へはみ出した機能液のはみ出し寸法あるいははみ出し面積を求めることで行うことが、好ましい。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記に記載の液滴吐出装置を用い、基板上の各区画部に機能液による成膜部を形成することを特徴とする。
本発明の電気光学装置は、上記に記載の液滴吐出装置を用い、基板上の各区画部に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、高品質の電気光学装置を効率良く製造することができる。なお、機能材料としては、有機EL装置の発光材料(Electro-Luminescence発光層・正孔注入層)は元より、液晶表示装置に用いるカラーフィルタのフィルタ材料、電子放出装置(Field Emission Display, FED)の蛍光材料(蛍光体)、PDP(plasma Display Panel)装置の蛍光材料(蛍光体)、電気泳動表示装置の泳動体材料(泳動体)等であって、機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)により吐出可能な液体材料を言う。また、電気光学装置(Flat Panel Display, FPD)としては、有機EL装置、液晶表示装置、電子放出装置、PDP装置、電気泳動表示装置等がある。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、有機EL装置の各画素となる発光層を形成するものである。
図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置1は、石定盤に支持されたX軸支持ベース30上に配設され、主走査方向となるX軸方向に延在して、基板601をX軸方向に移動させるX軸テーブル2と、複数本の支柱78を介してX軸テーブル2を跨ぐように架け渡された一対のY軸支持ベース28上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル3と、複数の機能液滴吐出ヘッド17が搭載された10個のキャリッジユニット4と、から成り、10個のキャリッジユニット4は、Y軸テーブル3に移動自在に吊設されている。さらに、液滴吐出装置1は、これらの装置を、温度および湿度が管理された雰囲気内に収容するチャンバ5と、チャンバ5を貫通して、チャンバ5の外部から内部の機能液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する3組の機能液供給装置を有した機能液供給ユニット6と、を備えている。X軸テーブル2およびY軸テーブル3の駆動と同期して機能液滴吐出ヘッド17を吐出駆動させることにより、機能液供給ユニット6から供給されたR・G・B3色の機能液を吐出させ、基板601に所定の描画パターンが描画される(詳細は、後述する。)。
また、液滴吐出装置1には、フラッシングユニット51、吸引ユニット52、ワイピングユニット53、吐出性能検査ユニット54から成るメンテナンス装置7が設けられており、各ユニットを機能液滴吐出ヘッド17の保守に供して、機能液滴吐出ヘッド17の機能維持・機能回復を図るようになっている(詳細は後述する。)。
実施形態の液滴吐出装置1では、X軸テーブル2およびY軸テーブル3が交わるエリアが基板601の描画を行う描画エリア101が、Y軸テーブル3およびメンテナンス装置7が交わるエリアが機能液滴吐出ヘッド17の機能維持・機能回復を行うメンテナンスエリア102が、それぞれ構成されている。そして、描画を行う場合には描画エリア101に、メンテナンスを行う場合にはメンテナンスエリア102に、それぞれキャリッジユニット4を臨ませるようになっている。
図2および図3に示すように、X軸テーブル2は、基板601をセットするセットテーブル11と、セットテーブル11をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第1スライダ12と、上記のフラッシングユニット51およびステージユニット71をX軸方向にスライド自在に支持するX軸第2スライダ13と、X軸方向に延在し、X軸第1スライダ12を介してセットテーブル11(基板601)をX軸方向に移動させると共に、X軸第2スライダ13をX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸第1スライダ12およびX軸第2スライダ13の移動を案内する一対のX軸共通支持ベース14と、を備えている。
セットテーブル11は、基板601を吸着セットする吸着テーブル25と、吸着テーブル25を支持し、吸着テーブル25にセットした基板601の位置をθ軸方向に補正するためのθテーブル26等を有している。また、セットテーブル11のY軸方向と平行な一対の辺には、それぞれ後述する描画前フラッシングユニット61,61が添設されている。
Y軸テーブル3は、10個の各キャリッジユニット4をそれぞれ吊設した10個のブリッジプレート27と、10個のブリッジプレート27を両持ちで支持する10組のY軸スライダ(図示省略)と、一対のY軸支持ベース28上に設置され、10組のY軸スライダを介してブリッジプレート27をY軸方向に移動させる一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、を備えている。また、Y軸テーブル3は、各キャリッジユニット4を介して描画時に機能液滴吐出ヘッド17を副走査するほか、機能液滴吐出ヘッド17をメンテナンス装置7(吸引ユニット52およびワイピングユニット53等)に臨ませる。
一対のY軸リニアモータを駆動すると、各Y軸スライダが一対のY軸支持ベース28を案内にして同時にY軸方向に平行移動する。これにより、各ブリッジプレート27がY軸方向に移動し、これと共に各キャリッジユニット4がY軸方向に移動する。なお、この場合、Y軸リニアモータの駆動を制御することにより、各キャリッジユニット4を独立させて個別に移動させることも可能であるし、10個のキャリッジユニット4を一体として移動させることも可能である。
また、Y軸テーブル3の両脇には、これに平行にケーブル坦持体29が配設されている。両ケーブル坦持体29は、一端がY軸支持ベース28に固定されると共に他端が各ブリッジプレート27の1つに固定されている。このケーブル坦持体29には、各キャリッジユニット4用のケーブル類、エアーチューブ類および機能液流路等が収容されている。
各キャリッジユニット4は、12個の機能液滴吐出ヘッド17と、機能液滴吐出ヘッド17を6個ずつ2群に分けて支持するヘッドプレート32と、から成るヘッドユニット31を備えている。また、各キャリッジユニット4は、ヘッドユニット31をθ回転可能に支持するθ回転機構(位置補正手段)33と、θ回転機構33を介して、ヘッドユニット31をY軸テーブル3(各ブリッジプレート27)に支持させる吊設部材34と、を備えている。加えて、各キャリッジユニット4は、その上方に上記の機能液供給ユニット6に連なるサブタンク76が配設されており(実際には、ブリッジプレート27上に配設)、このサブタンク76から自然水頭を利用して各機能液滴吐出ヘッド17に機能液が供給されるようになっている。また、機能液滴吐出ヘッド17は、R・G・B3色のいずれかの機能液に対応しており、ヘッドユニット31において所定の配色パターンとなるように搭載されている(詳細は後述する。)。
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のインクジェットヘッドであり、2連の接続針44を有する機能液導入部41と、機能液導入部41に連なる2連のヘッド基板42と、ヘッド基板42の下方に連なり機能液を吐出するヘッド本体43と、を備えている(図4(a))。
機能液導入部41は、一対の接続針44を有しており、図外の配管アダプタを介して機能液の供給を受けるようになっている。また、ヘッド本体43は、ピエゾ素子等で構成される2連のポンプ部45と、複数の吐出ノズル47が形成されたノズル面48を有するノズルプレート46と、を有している。ノズルプレート46のノズル面48に形成された多数の吐出ノズル47は、相互に平行且つ半ノズルピッチ位置ズレして列設された2列のノズル列49を構成しており、各ノズル列49は、等ピッチで並べた180個の吐出ノズル47で構成されている(図4(b)参照)。ヘッド基板42には、2連のコネクタ50が設けられており、各コネクタ50はフレキシブルフラットケーブル(図示省略)を介して液滴吐出装置1の制御装置に接続されている。そして、この制御装置から出力された駆動波形が各コネクタ50を介して各ポンプ部45(圧電素子)に印加されることで、各吐出ノズル47から機能液が吐出される。なお、後述する有機EL装置の表示領域の製造工程において、機能液滴吐出ヘッド17は、1つの区画部99に対して、複数の吐出ノズル47で機能液を吐出するように構成されている。なお、請求項に言う描画手段とは、X軸テーブル2、Y軸テーブル3およびキャリッジユニット4(機能液滴吐出ヘッド17およびヘッドユニット31)から構成されている。
上記したように、メンテナンス装置7は、フラッシングユニット51、吸引ユニット52、ワイピングユニット53および吐出性能検査ユニット54から構成されており、機能液滴吐出ヘッド17に対して、機能維持・機能回復を行う。また、フラッシングユニット51および吐出性能検査ユニット54は、X軸テーブル2に搭載され、吸引ユニット52およびワイピングユニット53は、X軸テーブル2から直角に延び、かつY軸テーブル3によりキャリッジユニット4が移動可能である位置に配設された架台上に配設されている。
フラッシングユニット51は、一対の描画前フラッシングユニット61,61と、定期フラッシングユニット62とを有し、機能液滴吐出ヘッド17の吐出直前や、基板601の載換え時等の描画処理休止時に行われる、機能液滴吐出ヘッド17の捨て吐出(フラッシング)を受ける。
吸引ユニット52は、10個のヘッドユニット31に対応する10個の吸引装置80から構成されている。各吸引装置80は、メンテナンスエリア102に移動してきた各ヘッドユニット31に対して、12個の機能液滴吐出ヘッド17に対応する12個のヘッドキャップが、昇降機構により上昇して機能液滴吐出ヘッド17のノズル面48のキャッピングを行い、必要に応じて吸引機構の駆動を行い、吐出ノズル47から機能液を吸引する(図示省略)。
ワイピングユニット53には、ワイピングシート68が繰出し自在且つ巻取り自在に設けられており、繰り出したワイピングシート68を送りながら、且つX軸テーブル2によりワイピングユニット53をX軸方向に移動させつつ、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面48を拭き取るようになっている。このため、上記した吸引動作等により機能液滴吐出ヘッド17のノズル面48に付着した機能液が取り除かれ、吐出した機能液の飛行曲がり等が防止される。
吐出性能検査ユニット54は、機能液滴吐出ヘッド17から吐出された機能液を受ける描画シート73を搭載したステージユニット71と、ステージユニット71に吐出された機能液を画像認識により検査するカメラユニット(着弾結果認識手段)72と、を有しており、液滴吐出装置1に搭載した機能液滴吐出ヘッド17の吐出性能(吐出の有無および飛行曲り)を検査する。ステージユニット71は、X軸テーブル2に搭載されており、描画シート73が繰出し自在且つ巻取り自在に設けられており、繰り出した描画シート73に機能液滴吐出ヘッド17が機能液を検査吐出する。
カメラユニット72は、Y軸支持ベース28に支持されており、X軸テーブル2に上側から臨み、描画シート73に描画された検査パターンを撮像する2個の検査カメラ74と、2個の検査カメラ74を保持するカメラホルダと、Y軸支持ベース28に固定され、カメラホルダを介して、検査カメラ74をY軸方向にスライド自在に支持するカメラ移動機構と、カメラ移動機構を介して検査カメラ74をY軸方向に移動させるためのカメラ移動モータ(いずれも図示省略)と、を有している。2個の検査カメラ74は、描画シート73に描画された検査パターンをそれぞれ半分ずつ撮像するように構成されている。また、後述する着弾位置補正方法においては、上記したX軸テーブル2により基板601を移動させると共に、カメラ移動機構により検査カメラ74を移動することで、基板601上の区画部99を複数個の単位で画像認識するようになっている。
チャンバ5は、上記したように、内部温度および湿度を一定に保つように構成されている。すなわち、液滴吐出装置1による基板601への描画は、温度および湿度が一定値に管理された雰囲気中で行われる。そして、チャンバ5の側壁の一部には、タンクユニット82を収納するためのタンクキャビネット81が設けられている。なお、有機EL装置等を製造する場合には、チャンバ5内を、不活性ガス(窒素ガス)の雰囲気で構成することが好ましい。
次に、図5および図6を参照して、上記の液滴吐出装置1を用いた描画方法について説明する。上記したように、機能液滴吐出ヘッド17は、所定の配列パターンを有し、機能液供給ユニット6からR・G・B3色の機能液を供給されつつ基板601に吐出させ、所定の描画パターンを描画する。図5に示すように、実施形態の配色パターンでは、12個の機能液滴吐出ヘッド17が6個ずつ2群に分けて配列された各ヘッドユニット31において、各群の6個の機能液滴吐出ヘッド17が、B・G・R・B・G・Rの順番で配列されている。また、各群内の同色の2つの機能液滴吐出ヘッド17は、そのノズル列49がY軸方向に連続するように配設され、1の部分描画ラインを構成している。さらに、1のヘッドユニット31内の2群間および隣接するヘッドユニット31間の2群間では、それぞれ各色の部分描画ラインは2部分描画ライン分、離れて配設されている。
ここで、図6を参照しながら、有機EL装置の表示領域(以下、単に「表示装置600」という。)(発光層617b)を作成する場合を例に、液滴吐出装置1における一連の描画動作について説明する。表示装置600の製造工程における発光層形成工程(図10(S114)参照)では、バンク部618を作り込んだ基板601が導入され、各区画部99内に、対応するR・G・B3色のいずれか1色の機能液が吐出されるようになっている。なお、本実施形態において、表示装置600の描画パターン(配色パターン)は、同色の区画部99がY軸方向に並んでおり、X軸方向にR・G・Bの3色を繰り返すストライプ配列を例に挙げて説明するが、X軸方向およびY軸方向に並ぶ、縦列および横列の連続する3つの区画部99が互いに異なるR・G・Bの3色となるモザイク配列、あるいは複数の区画部99が千鳥状に(半ピッチずつずらして)配設され、隣接して並ぶ3つの区画部99が互いに異なるR・G・Bの3色となるデルタ配列(いずれも図示省略)を採用することも可能である。
まず、描画エリア101のホーム位置において、X軸テーブル2により、セットテーブル11を介して基板601を往動すると共に、これと同期して、機能液滴吐出ヘッド17が選択的に吐出駆動され、基板601に機能液が吐出される(図6(a)参照)。基板601の往動が終了すると、Y軸テーブル3が駆動され、ヘッドユニット31が、1部分描画ライン分、Y軸方向へ移動する。そして、再度X軸テーブル2の駆動と機能液滴吐出ヘッド17の選択的な吐出駆動とが同期して行われ、復動するワークに対して機能液が吐出される(図6(b))。基板601の復動が終了すると、さらにY軸テーブル3が駆動され、ヘッドユニット31がY軸方向へ1部分描画ライン分、移動すると共に、上記した一連の動作が再び繰り返され、一連の描画動作が終了する(図6(c)参照)。すなわち、2回の副走査と1往復半の主走査により、全区画部99に対してR・G・B全色分の機能液が吐出され、基板601に対する描画動作が終了する。
なお、実際の描画では、基本的に1つの区画部99に対して、1つの機能液滴吐出ヘッド17の複数の吐出ノズル47から機能液を複数ショット吐出するようになっている。また、上記の1往復半の各走査において、さらにY軸方向への微小移動と複数回の主走査を行って、各区画部99に対し更に複数の吐出ノズル47から機能液を吐出させることも可能である。言うまでも無いが、Y軸方向において対応する区画部99上を移動する吐出ノズル47のみが、機能液を吐出するようになっており、バンク部618には機能液を吐出しないように制御されている。
次に、図7および図8を参照して、機能液の着弾位置補正方法について説明する。この着弾位置補正方法は、基板601の区画部99に向って機能液を吐出・着弾させる描画工程と、着弾した機能液が区画部99からバンク部618にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識工程と、はみ出しを抑制するように機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正工程と、を備えている。
上記した描画動作が、この描画工程に相当する。すなわち、描画工程では、上記したストライプ配列により、基板601の全区画部99に対し、描画が行われる。
着弾結果認識工程では、X軸テーブル2を駆動することで、描画が終了した基板601を再度描画エリア101に移動すると共に、カメラ移動機構により、検査カメラ74をY軸方向に移動し、基板601の複数箇所において機能液が着弾した複数の区画部99を撮像する(図7参照)。より具体的には、Y軸方向に並んでいる区画部99の6個程度(カメラ視野に入る範囲)を単位として、2台の検査カメラ74でそれぞれY軸方向に10箇所ずつ(上記の「群」に対応)、計20箇所を画像認識する。また、この認識パターンにより、X軸方向における基板601の前部(図示の上部)に加え後部(図示の下部)をそれぞれ撮像する(計40箇所)。そして、この撮像(画像認識)は、区画部99に着弾した機能液を認識すると同時に、区画部99からバンク部618にはみ出した機能液をも認識するものとなる。
ところで、機能液が区画部99からバンク部618にはみ出す原因として、X軸テーブル2およびY軸テーブル3の機械的な精度不足の他、基板601におけるアライメントマークと区画部99の位置精度不足等が考えられる。これらの精度が不十分であると、計40箇所の認識結果において、バンク部618にはみ出した機能液には、一定のはみ出し傾向が表れる。本実施形態では、図8に示すように、モニター上でこのはみ出し傾向を観察し、相互離間した複数の区画部99から機能液のはみ出し量を算出するようにしている。具体的には、認識結果に基づいて、該当する区画部99からバンク部618にはみ出したX軸方向のX軸はみ出し量と、Y軸方向のY軸はみ出し量と、を取得する。なお、X軸はみ出し量およびY軸はみ出し量の算出には、種々のパラメータを採用することができるが、ここでは、機能液のはみ出し寸法を用いた場合を例に挙げて説明する。
図8に示すように、はみ出し寸法を用いる場合には、画像処理により、中央の区画部99のはみ出し寸法(最大はみ出し寸法)Lを求めるか、或いは中央部の複数の区画部99のはみ出し寸法の平均(最大はみ出し寸法の平均)を求めるようにする。後者の場合には、一部の区画部99からはみ出しが発生する可能性があるが、複数の区画部99に連続してはみ出しが発生しない限り、筋ムラ等が発生しないので、この方法でも問題はない。そして、このはみ出し寸法は、X軸方向に対し、プラスまたはマイナスの寸法として、またY軸方向に対し、プラスまたはマイナスの寸法として算出される(同図のものでは、X軸方向のマイナスの寸法として算出される。)。
一方、このようなX軸はみ出し量およびY軸はみ出し量の算出を、例えば基板601の前部(図示の上部)の左端の撮像箇所と右端の撮像箇所について行えば、全体としてθ方向の位置ズレ傾向をも算出可能である。さらに、例えば、基板601の左端の前部と後部の2箇所の撮像箇所において、前部ではX軸のマイナス方向に、後部ではX軸のプラス方向に位置ズレしている場合であって、前後中間の撮像箇所(図7参照)が位置ズレ無しの場合には、基板601が設計よりY軸方向膨張(収縮)していることが想定され、この変則的な位置ズレにも対応可能である。もちろん、このことはY軸方向においても同様である。そして、このようにして算出したはみ出し量から、次回このはみ出し量がゼロ(最小)になるように、X軸方向補正量、Y軸方向補正量およびθ方向補正量を決定する。
そして、位置補正工程では、各補正量に基づいて、X軸方向(主走査方向)では、データ上における機能液滴吐出ヘッド17の吐出タイミングを調整することで補正し、Y軸方向(副走査方向)では、吐出する吐出ノズル47をY軸方向にシフトすることで、補正する。併せて、θ方向では、上記のθ回転機構33により行うことも可能であるが、実施形態のものでは、上記X軸方向およびY軸方向の補正を複合的に行うことで対応している。
なお、本実施形態のように、区画部99の1の辺からのみ機能液がはみ出していた場合には、基板601の前部および後部で撮像した全画像認識結果を平均化してはみ出し量を算出してもよいが、はみ出し量が均一であれば、必ずしも全て使用する必要はなく、1つの認識結果からはみ出し量を算出するようにしても良い(上記モニターによる観察で判断する)。言うまでもないが、画像認識の結果、機能液のはみ出しが確認されない場合には、補正は行われず、且つ画像認識に使用した基板601は、正常な製品として扱われる。
さらに、この機能液の着弾位置補正方法は、基板601の製造ロットの変更時や、累積描画時間・ワークの処理枚数などで区切って適宜行うことが好ましく、これにより補正精度を維持することができる。また、本発明は、製品となる実際のワークへの描画結果を画像認識(サンプリング)して、補正を行うものであれば、上記のような描画方法に限定されるものではない。
以上の構成によれば、実描画に用いる基板601に機能液を吐出し、区画部99からバンク部618にはみ出した機能液のはみ出し量から補正量を算出し、その補正値で機能液滴吐出ヘッド17(吐出位置)を補正することにより、極めて精度良く区画部99に機能液を着弾させることができる。この補正方法は、基板601や装置の物理的な精度がコスト面等により限界に達している場合に、特に有用である。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、有機EL装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
図9を参照して、有機EL装置の表示領域(表示装置600)について説明する。
この表示装置600は、基板601上に、回路区画部602、発光区画部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光区画部603から基板601側に発した光が、回路区画部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光区画部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路区画部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
この表示装置600においては、発光区画部603から基板601側に発した光が、回路区画部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光区画部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路区画部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路区画部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光区画部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路区画部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路区画部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光区画部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光区画部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図10〜図18を参照して説明する。
この表示装置600は、図10に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
この表示装置600は、図10に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図11に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図12に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域(区画部99)を規定する。
無機物バンク層618aを形成したならば、図12に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域(区画部99)を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル11に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図13に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図14に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。また、上記した機能液の着弾位置補正方法を行った後に行われる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図15に示すように、各色のうちのいずれか(図15の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図16に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図17に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図18に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
なお、本実施形態においては、有機EL装置の表示領域を例に挙げて説明したが、他の電気光学装置として、カラーフィルタ、液晶表示装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)などが挙げられる。
1…液滴吐出装置 2…X軸テーブル 3…Y軸テーブル 17…機能液滴吐出ヘッド 31…ヘッドユニット 33…θ回転機構 47…吐出ノズル 72…カメラユニット 99…区画部 601…基板 618…バンク部
Claims (7)
- 多数の区画部がバンク部によりマトリクス状に画成された基板に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、前記多数の区画部に向って機能液を吐出・着弾させる描画手段と、
少なくとも前記基板の一部において、着弾した前記機能液が前記区画部から前記バンク部にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識手段と、
前記画像認識の結果に基づいて、前記はみ出しを抑制するように前記機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記描画手段は、前記各区画部に対し、前記機能液滴吐出ヘッドの複数の吐出ノズルから複数ショットの前記機能液を吐出・着弾させることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記着弾結果認識手段は、前記基板の相互に離間した任意の複数箇所を画像認識することを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
- 前記位置補正手段は、前記画像認識の結果からX軸方向のX軸はみ出し量およびY軸方向のY軸はみ出し量を取得し、前記X軸はみ出し量および前記Y軸はみ出し量に基づいて、前記機能液の吐出・着弾位置を補正することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
- 多数の区画部がバンク部によりマトリクス状に画成された基板に対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に走査し、前記多数の区画部に向って機能液を吐出・着弾させる描画工程と、
少なくとも前記基板の一部において、着弾した前記機能液が前記区画部から前記バンク部にはみ出した状態を画像認識する着弾結果認識工程と、
前記画像認識の結果に基づいて、前記はみ出しを抑制するように前記機能液の吐出・着弾位置を補正する位置補正工程と、を備えたことを特徴とする機能液の着弾位置補正方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記基板上の前記各区画部に前記機能液による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記基板上の前記各区画部に前記機能液による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
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Cited By (1)
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JP2013178921A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Panasonic Corp | 塗布装置とこれを用いた機能膜の製造方法 |
-
2008
- 2008-04-03 JP JP2008096676A patent/JP2009247948A/ja active Pending
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