JP2009274068A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的にドット抜け検出を行うことができ、ドット抜け検出のサイクルタイムを削減できる液滴吐出装置等を提供する。
【解決手段】セットテーブル21にセットしたワークWに対して、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニット13を主走査方向に相対移動させながら、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させることにより、ワークWに描画を行う液滴吐出装置1において、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査するための吐出不良検査ユニット17を備え、吐出不良検査ユニット17は、機能液滴吐出ヘッドからの検査吐出により、所定の検査パターンが描画される被描画ユニット161と、描画された検査パターンを撮像して画像認識し吐出不良を判断する吐出不良判断手段162と、を有し、被描画ユニット161は、セットテーブル21から主走査方向に外れた主走査移動軸上に配設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワークに機能液を吐出させる機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査する吐出不良検査ユニットを備えた液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器に関する。
機能液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出法により、各種製品(例えば、液晶表示装置のカラーフィルタなど)を製造する液滴吐出装置が知られている。液滴吐出装置は、基板(ワーク)をセットした基板搬送テーブル(セットテーブル)をY軸方向に移動させるY軸方向移動機構と、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットをX軸方向に移動させるX軸方向移動機構と、を備えている。ヘッドユニットの移動領域と基板搬送テーブルの移動領域とが重なる領域が、基板に描画を行いうる吐出可能領域であり、液滴吐出装置では、ヘッドユニットおよび基板を相対的に移動させながら機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動することにより、吐出可能領域に臨んだ基板に所定の描画パターンを描画させる。
液滴吐出装置には、機能液滴吐出ヘッドのノズル詰まりを検査するためのドット抜け検出ユニットが備えられている。ドット抜け検出ユニットは、ヘッドユニットの移動領域下であって、基板搬送テーブルの移動領域から外れた場所に設けられている。ドット抜け検出ユニットは、機能液滴吐出ヘッドの各吐出ノズルから検査用に機能液滴を吐出させ、その有無を光学的に検出する受光部と、検査用に吐出された機能液を受ける検査用液受け部と、を備えており、ドット抜け検査を行う場合には、ヘッドユニットを検査用液受け部の直上部まで移動させた後、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、検査用液受け部に対して、各吐出ノズルから検査用の機能液滴を吐出させると共に、各吐出ノズルからの機能液滴の有無を受光部で検出する。
特開2004−202325号公報
ところで、描画の歩留まりを向上させるために、ドット抜け検出は、液滴吐出装置の立ち上げ時以外にも定期的に行うことが好ましい。すなわち、セットテーブルに対するワークの載せ換え時にドット抜け検出を行い、次のワークに描画処理を行う前に、機能液滴吐出ヘッドから機能液滴が適切に吐出されることを確認することが好ましい。しかしながら、従来の液滴吐出装置では、ドット抜け検出ユニットが、基板搬送テーブルの移動領域から外れた位置に設けられているため、ワークに対する描画処理の合間にドット抜け検出を行おうとすると、X軸方向移動機構を駆動して、描画領域にあるヘッドユニットをドット抜け検出ユニットまで移動させなければならないと共に、検出後も再度X軸方向移動機構を駆動して、描画領域までヘッドユニットを移動させなければならない。このため、従来の液滴吐出装置では、ドット抜け検出に要するサイクルタイムが長引き、ワークに対する描画効率が悪化してしまう。
そこで、本発明は、ワークに対する描画処理の合間であっても、効率的にドット抜け検出を行うことができ、ドット抜け検出のサイクルタイムを削減できる液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することを課題としている。
本発明は、セットテーブルにセットしたワークと、複数の吐出ノズルが形成された機能液滴吐出ヘッドとを主走査方向に相対移動させながら、機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させることによりワークに描画を行う液滴吐出装置において、それぞれが機能液滴吐出ヘッドを搭載し主走査方向に直交する副走査方向に独立して移動可能な複数のキャリッジユニットから成る、ヘッドユニットと、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査するための吐出不良検査ユニットと、を備え、吐出不良検査ユニットは、機能液滴吐出ヘッドの全吐出ノズルからの検査吐出により、所定の検査パターンが描画される被描画ユニットと、被描画ユニットに描画された検査パターンを撮像して画像認識し、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を判断する吐出不良判断手段と、を有し、被描画ユニットは、セットテーブルから主走査方向に外れた主走査移動軸上に配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、検査パターンが描画される被描画ユニットは、セットテーブルから主走査方向に外れたヘッドユニットの主走査移動軸上に配設されているため、ヘッドユニットの移動軸を利用して、被描画ユニットにヘッドユニットを臨ませることができる。したがって、ワークに対する描画のために行われるヘッドユニットの主走査方向への相対移動を利用して、ヘッドユニットを被描画ユニットに効率よく迅速に臨ませることが可能となり、吐出不良検査に要する時間を削減することが可能である。これにより、全体のタクトタイムを抑えることができ、ワークに対する描画効率を向上させることができる。
この場合、セットテーブルおよび被描画ユニットを支持するスライダを有し、これらをヘッドユニットに対し、主走査方向に移動させる主走査移動テーブルをさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、被描画ユニットは、セットテーブルと同一のスライダに支持されているため、描画のためにスライダを主走査方向に往復動させると、被描画ユニットも同様に主走査方向を往復動する。したがって、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良検査を行う場合には、セットテーブルの主走査方向に対する移動を利用して、被描画ユニットをヘッドユニットに臨ませることができる。
この場合、セットテーブルおよび被描画ユニットを支持するスライダを有し、これらをヘッドユニットに対し、主走査方向に移動させる主走査移動テーブルをさらに備え、スライダは、セットテーブルを主走査方向に移動自在に支持する第1スライダと、第1スライダとは個別に制御され、被描画ユニットを走査方向に移動自在に支持する第2スライダと、を有していることが好ましい。
この構成によれば、被描画ユニットは、セットテーブルを支持するスライダとは別個のスライダに支持されているため、各スライダを移動させるための負荷を軽減させることができる。また、第1スライダおよび第2スライダは、個別に主走査方向に移動可能に構成されているため、セットテーブルと共に定期フラッシングユニットを移動させることができる一方で、セットテーブルおよび定期フラッシングユニットを個別に移動させることも可能である。この場合、ヘッドユニットから離間するセットテーブルの移動と同期させて、吐出不良検査ユニットを移動させることにより、吐出不良検査ユニットを効率的にヘッドユニットに臨ませることができ、迅速に吐出不良検査を行うことができる。なお、ワークに描画を行っているときには、敢えて吐出不良検査ユニットを移動させる必要はない。
この場合、機能液滴吐出ヘッド、および主走査移動テーブル、を制御する制御手段をさらに備えていると共に、ヘッドユニットの主走査移動軸上には、セットテーブルに対してワークの載せ換えを行うワーク載せ換え位置が設定されており、被描画ユニットは、セットテーブルがワーク載せ換え位置に向かう移動途中でヘッドユニットに臨むように配設され、制御手段は、ワーク載せ換え位置に移動する被描画ユニットが、ヘッドユニットに臨んだときに機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、検査パターンを描画させることが好ましい。
この構成によれば、セットテーブルがワーク載せ換え位置に向かう途中で、被描画ユニットをヘッドユニットに臨ませることができ、検査パターンを被描画ユニットに描画させることができる。したがって、検査パターンを描画させるために、敢えてヘッドユニットを移動させる必要がなく、ワーク載せ換え位置へのセットテーブルの移動を利用して、効率的に機能液滴吐出ヘッドの吐出不良検査を行うことができる。
この場合、吐出不良判断手段は、セットテーブルが前記載せ換え位置に到達したときに、被描画手段に臨むように配設され、制御手段は、ワークの載せ換え作業と並行して、吐出不良判断手段による吐出不良の判断を行わせることが好ましい。
この構成によれば、ワークの載せ換え作業と並行して検査パターンの撮像と機能液滴吐出ヘッドの吐出不良の判断が行われるため、ワークの載せ換え時間を利用して、効率的に吐出不良検査を行うことができる。
この場合、セットテーブルが載せ換え位置に到達したときに、ヘッドユニットに臨む定期フラッシングボックスを有し、機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルからの吐出を受ける定期フラッシングユニットをさらに備え、制御手段は、ワークの載せ換え作業と並行して機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動し、吐出を行わせることが好ましい。
この構成によれば、ワークの載せ換えと並行して定期フラッシングボックスに吐出(捨て吐出)が行われるため、ワーク載せ換え中の機能液滴吐出ヘッドに、乾燥等に起因した目詰まりを生じさせることを有効に防止することができる。
この場合、ヘッドユニットに臨んで、機能液滴吐出ヘッドの保守に供する保守ユニットと、ヘッドユニットを移動させて、これを保守ユニットに臨ませるヘッド移動手段と、をさらに備え、制御手段は、保守ユニットおよびヘッド移動手段を制御しており、吐出不良判断手段により吐出不良が判断されたときに、ヘッドユニットを保守ユニットに臨ませ、保守ユニットにより、機能液滴吐出ヘッドの保守を行わせることが好ましい。
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良が判断されたときには、ヘッドユニットを保守ユニットに移動させ、これを保守することにより、その機能回復を図ることができる。なお、保守ユニットを上記の走査移動テーブルに搭載することにより、ヘッド移動手段を走査移動テーブルで兼用することも可能である。
この場合、保守ユニットは、機能液滴吐出ヘッドを吸引して、吐出ノズルから機能液を強制的に排出させる吸引ユニット、および機能液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピングユニットの少なくとも1つであることが好ましい。
この構成によれば、保守ユニットとして吸引ユニットが搭載されている場合には、機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルから機能液を強制的に排出させることにより、ノズル詰まりを解消可能であると共に、保守ユニットとしてワイピングユニットが搭載されている場合には、機能液滴吐出ヘッドのノズル面の汚れを払拭することにより、機能液滴の飛行曲がりを解消可能である。
この場合、ヘッドユニットにおいて、複数の吐出ノズルは、1描画ラインの描画が行えるように、副走査方向と交差する方向に連続しており、被描画手段の副走査方向と交差する方向の長さは、複数の吐出ノズルにより描画可能な1描画ラインの長さに対応して設定されていることが好ましい。
この構成によれば、被描画手段により、ヘッドユニットの全機能液滴吐出ヘッドから吐出される機能液を受けることが可能であり、効率的に検査パターンを描画させることができる。
この場合、撮像手段は、被描画手段に上側から臨むカメラと、カメラを副走査方向と交差する方向に移動自在に支持するカメラ移動手段と、を有しているが好ましい。
この構成によれば、被描画手段の上側から臨むカメラを副走査方向と交差する方向に移動させることにより、被描画手段に描画された検査パターンを全範囲撮像することができる。
この場合、カメラ移動手段には、副走査方向と交差する方向に並んで、カメラが2個配設されていることが好ましい。
この構成によれば、カメラ移動手段に設けられた2個のカメラを用いて、効率的に検査パターンを撮像することができ、撮像に要する時間を削減可能である。
この場合、吐出不良検査ユニットは、被描画ユニットを主走査方向に移動させるユニット移動機構をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、被描画ユニットを主走査方向に移動させることができるため、被描画ユニットに対して、主走査方向に複数の検査パターンを描画させることができる。すなわち、複数の各検査パターンを主走査方向に位置ずれさせて描画させても、被描画ユニットを主走査方向に移動させることにより、位置ずれ分を相殺することができ、検査パターンを適切に画像認識させることが可能となる。
この場合、吐出不良検査ユニットは、被描画ユニットを主走査方向に移動させるユニット移動機構をさらに備えていることが好ましい。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。また、本発明の電気光学装置は、上記に記載の液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
これらの構成によれば、上記の液滴吐出装置を用いているため、効率よく機能液滴吐出ヘッドの吐出不良検査を行うことができると共に、正常な機能液滴吐出ヘッドを用いて精度良く成膜部を形成することができ、電気光学装置を効率よく製造することができる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置またはSED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置、または上記に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
本発明の実施形態に係る液滴吐出装置の説明図であり、セットテーブル(吸着テーブル)がワーク載せ換え位置に臨んだときの外観斜視図である。 セットテーブル(吸着テーブル)がワーク載せ換え位置に臨んだ状態で、ブリッジプレートを除いた液滴吐出装置の平面図である。 セットテーブル(吸着テーブル)がワーク載せ換え位置に臨んだときの液滴吐出装置の側面図である。 機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 ヘッドプレート廻りの説明図であり、キャリッジユニットの下側から見たヘッドプレートの平面図である。 ヘッドユニットに搭載された機能液滴吐出ヘッドの配色パターンの説明図である。 カラーフィルタの配色パターンの説明図であり、(a)は、ストライプ配列、(b)は、モザイク配列、(c)は、デルタ配列を示している。 液滴吐出装置による描画処理の説明図であり、(a)は、第1描画動作、(b)は、第2描画動作、(c)は、第3描画動作についての平面模式図である。 X軸エアースライダ廻りの外観斜視図である。 描画装置の主制御系について説明したブロック図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、いわゆるフラットディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、機能液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出法により、ワーク(基板)上に、R(赤)・G(緑)・B(青)の3色から成る液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1ないし図3に示すように、液滴吐出装置1は、X軸支持ベース2(石定盤)上に配設され、主走査方向となるX軸方向に延在して、ワークWをX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル11(主走査移動手段)と、複数本の支柱4を介してX軸テーブル11を跨ぐように架け渡された1対(2つ)のY軸支持ベース3上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル12(副走査移動手段)と、複数の機能液滴吐出ヘッド82(図示省略)が搭載された7つのキャリッジユニット81から成り、Y軸テーブル12にY軸方向(副走査方向)に移動自在に支持されたヘッドユニット13と、を備えている。そして、X軸テーブル11およびY軸テーブル12の駆動と同期して機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動させることにより、R・G・B3色の機能液滴を吐出させ、ワークWに所定の描画パターンを描画する(描画処理)。
また、液滴吐出装置1は、フラッシングユニット14、吸引ユニット15、ワイピングユニット16、吐出不良検査ユニット17(これらを総称してメンテナンス手段とする)を備えており、これらを機能液滴吐出ヘッド82の保守に供して、機能液滴吐出ヘッド82の機能維持・機能回復を図るようになっている(メンテナンス処理)。なお、メンテナンス手段を構成する各ユニットのうち、フラッシングユニット14および吐出不良検査ユニット17は、X軸テーブル11に搭載され、吸引ユニット15、およびワイピングユニット16は、X軸テーブル11から外れ、かつY軸テーブル12によりヘッドユニット13が移動可能である位置に配設された架台5上に配設されている。
なお、図示省略したが、液滴吐出装置1には、装置全体を制御する制御手段18が備えられており、上記の描画処理およびメンテナンス処理は、制御手段18による制御に基づいて行われている。
以下、液滴吐出装置1の構成要素について説明する。図1ないし図3に示すように、X軸テーブル11は、ワークWをセットするセットテーブル21と、セットテーブル21をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ22と、X軸方向に延在し、セットテーブル21を介してワークWをX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸エアースライダ22の移動を案内する一対(2本)のX軸ガイドレール23と、を備えている。
セットテーブル21は、ワークWを吸着セットする吸着テーブル31と、吸着テーブル31を支持し、吸着テーブル31にセットしたワークWの位置をθ軸方向に補正するためのθテーブル32等を有している。図9に示すように、吸着テーブル31は、ワークWを吸着セットするテーブル本体41と、テーブル本体41を3点支持する3組のテーブル支持部材(図示省略)と、θテーブル32に固定され、テーブル支持部材を介して、テーブル本体41を支持する支持ベース42と、を有している。テーブル本体41は、厚板状の石盤で構成され、一辺1800mmの平面視略正方形に形成されている。テーブル本体41の表面には、ワークWを吸引するための吸引溝43が複数形成されていると共に、各吸引溝43には、上記したエアー吸引手段に連なる吸引孔(図示省略)が貫通形成されており、吸引溝43を介して、ワークWに十分な吸引力を作用させることができるようになっている。
なお、支持ベース42には、3組のテーブル支持部材と共に、後述する描画前フラッシングユニット111が支持されており、テーブル本体41のY軸方向と平行な一対の辺には、描画前フラッシングユニット111の一対の描画前フラッシングボックス121(後述する)が添設されている。図中の符号44は、リフター機構(図示省略)の多数のリフターピン(図示省略)を遊挿する多数の遊挿孔である。吸着テーブル31には、吸着テーブル31に対してワークの除給を行うリフター機構がくみこまれている。リフター機構は、支持ベース42に支持されており、昇降自在に構成された多数のリフターピンを有している。そして、多数のリフターピンをテーブル本体41に形成された多数の遊挿孔44から出没させることにより、図外のロボットアームから未処理のワークWを受け取り、これを吸着テーブル31に受け渡すと共に、処理済みのワークWをセットテーブル21からリフトアップさせて、これをロボットアームに受け渡すようになっている。
図1および図3に示すように、X軸エアースライダ22は、セットテーブル21(θテーブル32)を支持するスライダ本体51と、スライダ本体51の下部に固定され、一対のX軸ガイドレール23に係合する一対(2組4個)の係合部52と、を有している。スライダ本体51には、セットテーブル21と共に、フラッシングユニット14の定期フラッシングユニット112および吐出不良検査ユニット17の被描画ユニット161(いずれも後述する)が搭載されている。一対のX軸リニアモータを(同期させて)駆動すると、一対の係合部52により一対のX軸ガイドレール23にガイドされた状態で、X軸エアースライダ22がX軸方向に移動し、セットテーブル21にセットされたワークWがX軸方向に移動する(主走査移動)。
なお、図2における図示手前側の位置が、ワークWの載せ換え位置61となっており、未処理のワークWを吸着テーブル31に導入するときや、処理済のワークWを回収するときには、吸着テーブル31をこの位置まで移動させるようになっている。また、図中の符号62は、ワークWの位置認識を行うためのワークアライメントカメラであり、ワークアライメントカメラ62の撮像結果に基づいて、θテーブル32によるワークWのθ補正が行われる。
Y軸テーブル12は、ヘッドユニット13を構成する7つの各キャリッジユニット81(キャリッジ85)をそれぞれ挿通して固定した7つのブリッジプレート71と、7つのブリッジプレート71を両持ちで支持する7組14個のY軸スライダ(図示省略)と、上記した一対のY軸支持ベース3上に設置され、7組14個のY軸スライダを介してブリッジプレート71をY軸方向に移動させる一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、Y軸リニアモータと並んでY軸支持ベース3上に設置され、7組14個のY軸スライダを支持して、各Y軸スライダの移動を案内する一対のY軸ガイドレール(図示省略)と、を備えている。
一対のY軸リニアモータを(同期して)駆動すると、各Y軸スライダが一対のY軸ガイドレールを案内にして同時にY軸方向を平行移動する。これにより、ブリッジプレート71が両持ち状態でY軸方向を移動し、これと共にキャリッジユニット81がY軸方向に移動する(副走査移動)。なお、この場合、Y軸リニアモータの駆動を制御することにより、各ブリッジプレート71(キャリッジユニット81)を独立させて個別に移動させることも可能であるし、7つの全ブリッジプレート71を一体として移動させることも可能である。
図1ないし図3に示すように、ヘッドユニット13は、同様に構成された7つのキャリッジユニット81をY軸方向に整列させて構成されている。各キャリッジユニット81は、12個の機能液滴吐出ヘッド82(図示省略)と、12個の機能液滴吐出ヘッド82を2個ずつ保持する6個のヘッド保持プレート83と、6個のヘッド保持プレート83(図示省略)を介して、12個の機能液滴吐出ヘッド82を搭載するヘッドプレート84と、ヘッドプレート84を支持するキャリッジ85と、を備えている。
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド82は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針92を有する機能液導入部91と、機能液導入部91に連なる2連のヘッド基板93と、機能液導入部91の下方に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体94と、を備えている。接続針92は、図外の機能液タンクに接続され、機能液導入部91に機能液を供給する。ヘッド本体94は、キャビティ95(ピエゾ圧電素子)と、多数の吐出ノズル98が開口したノズル面97を有するノズルプレート96と、で構成されている。機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動すると、(ピエゾ圧電素子に電圧が印加され)キャビティ95のポンプ作用により、吐出ノズル98から機能液滴が吐出される。
なお、ノズル面97に形成された多数の吐出ノズル98は、等ピッチ(2ドットピッチ間隔)に整列して、180個の吐出ノズル98から成る分割ノズル列98bを2列形成している。そして、2列の分割ノズル列98b同士は、相互に1ドットピッチ分位置ずれしている。すなわち、機能液滴吐出ヘッド82には、2列の分割ノズル列98bにより1ドットピッチ間隔のノズル列98aが形成され、1ドットピッチ(高解像度)の描画が可能となっている。
6個の各ヘッド保持プレート83は、ステンレス等の厚板で平面視長方形に形成されており、その長手方向に並んで、2個の機能液滴吐出ヘッド82をそれぞれ位置決め・装着するための装着開口(図示省略)が2個設けられている。なお、2個の装着開口は、6ヘッド分のノズル列ピッチに形成されている。
図5に示すように、ヘッドプレート84は、ステンレス等の厚板で平面視略平行四辺形に形成されている。ヘッドプレート84には、ヘッド保持プレート83を位置決め・装着するための開口(図示省略)が設けられており、6個のヘッド保持プレート83が(機能液滴吐出ヘッド82のノズル列方向)に略1ヘッド分のノズル列長Lだけ位置ずれして階段状に配置されている。これにより、各ヘッドプレート84に搭載された12個の機能液滴吐出ヘッド82のノズル列98aがY軸方向において連続(一部重複)し、1本の分割描画ラインが形成される。
キャリッジ85は、ヘッドプレート84をθ補正(θ回転)可能に支持するθ回転機構101と、θ回転機構101を介して、ヘッドプレート84をY軸テーブル12(各ブリッジプレート71)に支持させる吊設部材102と、を備えている。θ回転機構101は、分割描画ラインがY軸方向と平行になるように、ヘッドプレート84を支持している。なお、図示省略したが、吊設部材102には、θ回転機構101を介してヘッドプレート84を昇降させるヘッド昇降機構(図示省略)が組み込まれており、ヘッドプレート84(機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97)の高さ位置を調整可能に構成されている。
そして、7つの各キャリッジ85を7つの各ブリッジプレート71にそれぞれ支持させ、7つのキャリッジユニット81をY軸方向に整列させることにより、ヘッドユニット13が構成される。ヘッドユニット13では、12×7個の全機能液滴吐出ヘッド82がY軸方向に連続し、各キャリッジユニット81の7本の分割描画ラインがY軸方向に連続して1描画ラインが形成されている。なお、図2におけるX軸テーブル11の図示左寄り(架台5側)の位置が、ヘッドユニット13のホーム位置となっており、この位置からワークWに対する描画処理が開始される。
ところで、ヘッドユニット13に搭載された12×7個の機能液滴吐出ヘッド82は、R・G・B3色の機能液のいずれかに対応しており、ワークWに3色の機能液から成る描画パターンを描画できるようになっている。図6に、本実施形態のヘッドユニット13における機能液滴吐出ヘッド82の配色パターンの説明図を示す。同図に示すように、ヘッドユニット13における機能液滴吐出ヘッド82の配色パターンは、Y軸方向に連続する12×7個の機能液滴吐出ヘッド82に対して、R・G・Bの3色を所定の順番(本実施形態では、図示右側からR・G・Bの順)で繰り返し1個ずつ対応させたものであり、7つの各キャリッジユニット81における機能液滴吐出ヘッド82の配色パターンは全て同様となっている。
したがって、ヘッドユニット13を2ヘッド分のノズル列長分、副走査移動させれば、移動方向3番目以下の機能液滴吐出ヘッド82が(副走査移動前に)臨んでいた領域にR・G・Bの3色分の機能液滴吐出ヘッド82を臨ませることができ、この領域内に3色から成る描画パターンを描画可能である。そこで、本実施形態では、2ヘッドノズル列長分の副走査移動で(1枚の)ワークWに対する描画処理を終了できるように1描画ラインの長さが設定されている。具体的には、1描画ラインの長さは、セットテーブル21にセット可能なワークWの最大幅に基づいて設定されており、最大幅のワークWに対して1回の主走査移動で描画可能な(最小数n個分の)ノズル列長さ+2ヘッド分のノズル列長の長さ(すなわち、(n+2)×L)となっている。なお、本実施形態では、n=82である。
なお、ヘッド保持プレート83が機能液の色数(3色)の整数倍個(6個)設けられているため、同一ヘッド保持プレート83に保持される2個の機能液滴吐出ヘッド82には、同一色の機能液が対応するようになっている。これにより、機能液タンクと各機能液滴吐出ヘッド82との配管接続を比較的単純なものとすることが可能である。
ここで、図8を参照しながら、液晶表示装置のカラーフィルタを作成する場合を例に、液滴吐出装置1における一連の描画処理について説明する。詳細は後述するが、カラーフィルタ600は、透光性の(透明)基板601と、ワークW上にX軸方向およびY軸方向にマトリクス状に並んだ多数の画素領域(フィルタエレメント)607aと、画素領域607a上に形成されたR・G・B3色の着色層608(608R、608G、608B)と、各画素領域607aを仕切る遮光性のバンク603と、を備えている(図8、図12等参照)。そして、描画処理では、バンク603を作り込んだ基板601がワークWとして導入され、各画素領域607a内に、対応するR・G・B3色のいずれか1色の機能液が吐出されるよう、ワークWに所定の描画パターンが描画されるようになっている。
なお、カラーフィルタの配色パターンは、Y軸方向に並ぶ画素領域607aの横列すべてが同色であり、X軸方向においてR・G・Bの3色を繰り返し配列させたストライプ配列、X軸方向およびY軸方向に並ぶ、縦列および横列の連続する3つの画素領域607aが互いに異なるR・G・Bの3色となるモザイク配列、および複数の画素領域507aが千鳥状に(半ピッチずつずらして)配設され、隣接して並ぶ3つの画素領域607aが互いに異なるR・G・Bの3色となるデルタ配列のいずれを採用することも可能であるが、ここではストライプ配列のカラーフィルタを作成する場合について説明する(図7参照)。
描画処理は、ワーク載せ換え位置からのワークW(吸着テーブル31)の移動に引き続いて行われ、先ず、第1描画動作が開始される。第1描画動作では、X軸テーブル11がそのまま駆動され、セットテーブル21を介してワークWが往動すると共に、これと同期して、ホーム位置に臨むヘッドユニット13の機能液滴吐出ヘッド82が選択的に吐出駆動され、ワークWに機能液が吐出される。ワークWの往動が終了すると、Y軸テーブル12が駆動され、ヘッドユニット13がY軸方向へ微少量移動する。そして、再度X軸テーブル11の駆動と機能液滴吐出ヘッド82の選択的な吐出駆動とが同期して行われ、復動するワークに対して機能液が吐出される。ワークWの復動が終了すると、さらにY軸テーブル12が駆動され、ヘッドユニット13がY軸方向へ微少量移動すると共に、上記した一連の動作が再び繰り返され、第1描画動作が終了する。
図8(a)に示すように、ヘッドユニット13の1描画ラインは、ワークWにマトリクス状に形成された画素領域607aの縦列と直交しており、各画素領域列に機能液滴吐出ヘッド82が臨むようになっている。また、ヘッドユニット13がホーム位置に臨んでいるとき、ヘッドユニット13の(R・Gに対応する)図示右端の2つの機能液滴吐出ヘッド82(図2においては、左端に位置する)は、図示最右端の画素領域列からさらに右側に外れている。上記の第1描画動作を行うと、各機能液滴吐出ヘッド82が各列に臨み、当該機能液滴吐出ヘッド82が対応する色と同色に対応する画素領域607aに機能液が吐出される。
第1描画動作が終了すると、Y軸テーブル12が駆動され、ヘッドユニット13が略1ヘッドノズル列長L分だけY軸方向に移動する。これにより、第1描画動作時にR色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が臨んでいた位置に、B色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が、G色が対応していた位置にR色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が、B色が対応していた位置にG色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が臨む。続いて、第2描画動作が行われ、第1描画動作と同様にワークWの往復動とこれに伴う機能液滴吐出ヘッド82の吐出駆動が2回繰り返される。図8(b)に示すように、これにより、第2描画動作では、第1描画動作でR色が吐出された画素領域列にB色の機能液が、G色が吐出された画素領域列にR色の機能液が、B色が吐出された画素領域列にG色の機能液が吐出される。
第2描画動作が終了すると、Y軸テーブル12が駆動されて、ヘッドユニット13が、さらに略1ヘッドノズル列長分Y軸方向に移動する。これにより、第1描画動作時にR色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が臨んでいた位置に、G色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が、G色が対応していた位置にB色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が、B色が対応していた位置にR色に対応する機能液滴吐出ヘッド82が臨むようになっている。そして、この後、第3描画動作が行われ、第1描画動作および第2描画動作と同様に、ワークWの往復動が2回行われる。これにより、各画素領域列の全画素領域607aに対してR・G・B全色分の機能液が吐出され、ワークWに対する描画処理が終了する。なお、描画処理の終了時には、ヘッドユニット13の(G・Bに対応する)図示左端の2つの機能液滴吐出ヘッド82(図2においては、右端に位置する)が、図示最左端の画素領域列からさらに左側に外れている(図8(c)参照)。
このように、本実施形態では、Y軸方向に連続する12×7個の機能液滴吐出ヘッド82の配色パターンを、R・G・B異なる3色の繰り返しパターンとしているため、2ヘッド分のノズル列長(2L)の移動を行うだけで、ワークWの全画素領域607aに全色分の機能液を吐出させることができる。また、同一列の画素領域607aに対して(ストライプ配列の場合には、横列の画素領域607aに対しても)、R・G・Bの3色の機能液が同時に吐出されることがないため、たとえバンク603上に機能液が着弾した場合でも、(時間差によってバンク603上の機能液が乾燥するため)混色が生じ難く、精度良くカラーフィルタを作成することが可能である。
なお、本実施形態では、各画素領域607aに対して、ヘッドユニット13を2回往復動させることにより描画処理を行っているが、この回数は実情に合わせて任意に設定可能である。
次に、メンテナンス手段を構成するフラッシングユニット14、吸引ユニット15、ワイピングユニット16、および吐出不良検査ユニット17について順に説明する。フラッシングユニット14は、機能液滴吐出ヘッド82の全吐出ノズル98からの捨て吐出(フラッシング)により吐出された機能液滴を受けるためのものであり、描画前フラッシングユニット111と、定期フラッシングユニット112と、で構成されている。
描画前フラッシングユニット111は、ワークWに機能液を吐出させる直前にヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動して行う、描画前フラッシングの機能液を受けるためのものであり、機能液を受ける一対の描画前フラッシングボックス121と、一対の各描画前フラッシングボックス121を吸着テーブル31(支持ベース42)に支持させる一対のボックス支持部材(図示省略)と、で構成されている(図1ないし図3、および図9参照)。各描画前フラッシングボックス121は、Y軸方向に長い平面視長方形の細長い箱状に形成されており、その底部には、機能液を吸収させる吸収材123が敷設されている。各描画前フラッシングボックス121は、ボックス支持部材を介して吸着テーブル31に支持されているため、吸着テーブル31を(θテーブルにより)θ補正して回転させるとこれと共に回転する。
一対の各ボックス支持部材は、各描画前フラッシングボックス121が吸着テーブル31のY軸方向に平行な一対の辺(周縁)に沿うよう、吸着テーブル31から張り出すようにこれを支持している。すなわち、描画前フラッシングボックス121は、吸着テーブル31の前後を挟むように配置されており、ワークWをX軸方向に往復動すると、ヘッドユニット13の機能液滴吐出ヘッド82は、ワークWに臨む直前に順次描画前フラッシングボックス121に臨み、描画前フラッシングを行うことができるようになっている。
この場合、描画前フラッシングボックスの長辺の長さは、描画処理中において、全機能液滴吐出ヘッド82からの捨て吐出を受け得るように、上記したヘッドユニット13の1描画ラインの長さ+2ヘッド分のノズル列長分の長さ((n+4)×L)と略同じ長さに構成されている。すなわち、本実施形態の描画処理では、ヘッドユニット13を機能液滴吐出ヘッド822ヘッド分Y軸方向へ移動させるようになっており、描画前フラッシングボックスを1描画ラインの長さ+2ヘッド分のノズル列長の長さに対応させることにより、描画処理中にいかなる位置に臨む機能液滴吐出ヘッド82に対しても、そのY軸方向における吐出範囲をカバーできるようになっている。これにより、機能液滴吐出ヘッド82からの機能液滴の吐出を安定させることができ、ワークWに精度良く描画処理を行うことが可能となる。
なお、図示省略したが、各ボックス支持部材には、描画前フラッシングボックス121を昇降させるボックス昇降機構が組み込まれており、描画処理時、すなわち吐出前フラッシングを受けるときには、各描画前フラッシングボックス121の上端面が吸着テーブル31にセットされたワークWの表面の高さに一致させた位置でこれを支持すると共に、非描画処理時には、各描画前フラッシングボックス121の上端面が吸着テーブル31の上面(セット面)の高さよりも低くなる位置(待機位置)でこれを支持する。これにより、描画前フラッシングの機能液を外部に飛び散らせることなく、描画前フラッシングボックス121で受けることができると共に、非描画時に行うワークWの載せ換え作業に描画前フラッシングボックス121が干渉することがない。なお、吸収材123の膨張等を考慮して、上昇時における描画前フラッシングボックス121の上端面の位置を、ワーク表面よりも若干低い位置とすることも可能である。なお、ボックス昇降機構は、必ずしも設けなければならないものではなく、実情に応じて設ければよい。
図1ないし図3、および図9に示すように、定期フラッシングユニット112は、ワークWの載せ換え時等にように、描画処理を一時的に休止される時にヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動して行われる定期フラッシングの機能液を受けるためのものであり、機能液を受ける定期フラッシングボックス131と、上記のX軸エアースライダ22に搭載され、定期フラッシングボックス131の両端を高さ調整可能に支持する一対のボックス支柱部材132と、を有している。
定期フラッシングボックス131は、上面が開放され、Y軸方向に長い平面視方形のボックス状に形成されている。定期フラッシングボックス131は、ヘッドユニット13に搭載された12×7個の全機能液滴吐出ヘッド82を包含し得る大きさに構成され、ヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82を同時に定期フラッシングできるようになっている。より具体的には、定期フラッシングボックス131の長辺の長さは、描画前フラッシングボックス121と同様、1描画ラインの長さ+2ヘッド分のノズル列長分の長さ((n+4)×L)に対応して設定され、短辺の長さは、上記した平面視平行四辺形のヘッドプレート84の高さ(X軸方向の長さ)に略対応した長さに設定されている。図9に示すように、定期フラッシングボックス131の底面には、Y軸方向に延在する複数本(3本)のリブ133が突設されており、これらのリブ133上に機能液を吸収させるシート状のシート吸収材134が配設されている。シート吸収材134の上端面は、定期フラッシングボックス131の上端面と略一致している。
ボックス支柱部材132は、定期フラッシングボックス131の上端面が、ヘッドユニット13に搭載された機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97の高さ位置よりも僅かに(2〜3mm程度)低い位置となるように、定期フラッシングボックス131を支持している。ボックス支柱部材132は、セットテーブル21と共に、X軸エアースライダ22のスライダ本体51に固定されており、X軸エアースライダ22を移動させると、ボックススタンドを介して定期フラッシングボックス131もX軸方向を移動するように構成されている。そして、ボックス支柱部材132は、セットテーブル21より後方位置で定期フラッシングボックス131を支持しており、X軸エアースライダ22を移動させて、吸着テーブル31をワーク載せ換え位置に臨ませると、定期フラッシングボックス131がヘッドユニット13に臨み、定期フラッシングの機能液を受け得るようになっている。
なお、図示省略したが、定期フラッシングボックス131には、シート吸収材134の反りや撓みを防止するための反り防止機構が設けられている。本実施形態では、シート吸収材134と機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97とのギャップが僅かであるため、シート吸収材134が上反り状態のまま(定期フラッシングの)機能液を吸収させると、機能液により膨潤したシート吸収材134が機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97に干渉する惧れがある。そこで、本実施形態では、定期フラッシングボックス131に反り防止機構を設けて、シート吸収材134の反りを防止し、シート吸収材134が機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97と接触することを防止している。
吸引ユニット15は、機能液滴吐出ヘッド82を吸引して、機能液滴吐出ヘッド82の吐出ノズル98から機能液を強制的に排出させるものである。図2に示すように、吸引ユニット15は、ヘッドユニット13、すなわち7個のキャリッジユニット81に対応して構成されており、同様に構成された7個の分割吸引ユニット141を上記架台5上に整列配置したものである。各分割吸引ユニット141は、吸引を行うキャリッジユニット81に対して下側から臨み、キャリッジユニット81に搭載された12個の各機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97に、対応する12個の各キャップ143をそれぞれ密着させるキャップユニット142と、キャップユニット142を昇降させ、機能液滴吐出ヘッド82(ノズル面97)に対してキャップを離接させるキャップ昇降機構(図示省略)と、密着させたキャップ143を介して各機能液滴吐出ヘッド82に吸引力を作用させる吸引手段(エゼクタ:図示省略)と、を備えている。
機能液の吸引は、機能液滴吐出ヘッド82(吐出ノズル98)の目詰まりを解消/防止するために行われる他、液滴吐出装置1を新設した場合や、機能液滴吐出ヘッド82のヘッド交換を行った場合などに、機能液タンクから機能液滴吐出ヘッド82に至る機能液流路に機能液を充填するために行われる。また、吸引ユニット15のキャップ143は、液滴吐出装置1の非稼動時に、機能液滴吐出ヘッド82を保管するためにも用いられる。この場合、吸引ユニット15にヘッドユニット13を臨ませ、機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97にキャップ143を密着させることにより、ノズル面97を封止して、機能液滴吐出ヘッド82(吐出ノズル98)の乾燥を防止する。
さらに、吸引ユニット15のキャップ143は、機能液滴吐出ヘッド82の捨て吐出(予備吐出)により吐出された機能液を受けるフラッシングボックスの機能を有しており、吸引ユニット15に臨んだ一部のキャリッジユニット81に対してのみ吸引を行うような場合には、吸引を行わない他のキャリッジユニット81から、キャップ143に対して捨て吐出を行わせるようになっている。この場合、キャップ143は、キャップ昇降機構により、その上面が機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97から僅かに離間する位置まで移動させられる。
ワイピングユニット16は、洗浄液を噴霧したワイピングシート151で機能液滴吐出ヘッド82のノズル面97を拭き取る(ワイピングを行う)ものであり、ロール状に巻回したワイピングシート151を繰り出しながら巻き取ってゆく巻取りユニット152と、繰り出したワイピングシート151に洗浄液を散布する洗浄液供給ユニット153と、洗浄液が散布されたワイピングシート151でノズル面97を拭取る拭取りユニット154と、を備えている(図2参照)。ワイピング動作は、吸引ユニット15による吸引後等に行われ、ノズル面97に付着した汚れを払拭する。そして、ワイピングユニット16は、吸引ユニット15よりもX軸テーブル11側に配設されており、吸引ユニット15による吸引後にホーム位置に戻るヘッドユニット13(各キャリッジユニット81)に臨んで、効率よくワイピング動作を行えるようになっている。
なお、図示省略したが、吸引ユニット15の各分割吸引ユニット141、およびワイピングユニット16は、ユニット昇降機構に昇降自在に支持されており、これらのユニット15(141)、16を所定の退避位置まで下降させることにより、これらユニット15(141)、16のメンテナンスやキャリッジユニット81に搭載したヘッドプレート84を交換する(ヘッド交換)ための作業領域をユニット15(141)、16上に確保できるようになっている。
図1ないし図3、および図9に示すように、吐出不良検査ユニット17は、ヘッドユニット13に搭載された全機能液滴吐出ヘッド82(の吐出ノズル98)から機能液が適切に吐出されているか否かを検査するためのものであり、ヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82の全吐出ノズル98から検査吐出された機能液を受け、所定の検査パターンを描画させるための被描画ユニット161と、被描画ユニット161に描画された検査パターンを撮像して検査する撮像ユニット162と、を備えている。
被描画ユニット161は、機能液滴吐出ヘッド82からの検査吐出を受け、ロール状に巻回され、検査パターンを描画させる長尺状の描画シート171(ロール紙等)と、描画シート171を繰り出しながら巻き取っていく巻取り手段172と、巻取り手段172を支持する巻取り支持部材173と、巻取り支持部材173を支持するユニットベース174と、を備えている。巻取り手段172は、描画シート171が装填され、描画シート171を繰出す繰出しリール175と、繰出された描画シート171を巻き取る巻取りリール176と、巻取りリール176を回転させるための巻取りモータ(ギヤードモータ:図示省略)と、を有している。繰出された描画シート171は、外部に露出した状態でY軸方向に水平に走行し、巻取りリール176で巻き取られるようになっているが、この描画シート171の水平走行部が、検査パターンを受ける被描画部となっている。水平走行部のY軸方向の長辺の長さは、ヘッドユニットの全機能液滴吐出ヘッド82からの検査吐出を受けることができるように設定されており、本実施形態では描画前フラッシングボックス121や定期フラッシングボックス131と同様に、1描画ラインの長さ+2ヘッド分のノズル列長分の長さに対応して設定されている。
なお、描画シート171の巻取りは、検査パターンを1回描画する毎に行うのではなく、繰出した描画シート171に所定回数検査パターンが描画された後に行われる。この場合、各回の検査吐出による検査パターンが重ならないように、前回に描画された検査パターンに対して、次回に描画される検査パターンは、X軸方向に僅かに位置ずれして描画される。そして、(所定回数の検査パターンが描画され)描画シート171の幅いっぱいに検査パターンが描画されると、巻取りモータが駆動され、描画済みの描画シート171を巻き取ると共に、新しい描画シート171を繰出すようになっている。なお、本実施形態では、描画シート171の巻取りをモータ駆動により自動で行っているが、(巻取り頻度が低い場合等には)手動の巻取り機構を設け、手動でこれを行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、ロール状に巻回した描画シート171を検査パターンの描画対象として用いているが、これに代えて検査パターン用のガラス基板等を用いることも可能である。この場合、ガラス基板は適宜交換されることとなるが、描画済みのガラス基板は、洗浄された後、繰り返し利用される。
ユニットベース174は、セットテーブル21と定期フラッシングユニット112との間に位置してスライダ本体51に支持されており、巻取り支持部材173は、定期フラッシングボックス131側に位置する一方の描画前フラッシングボックス121と、定期フラッシングボックス131との間で巻取り手段172を支持している。したがって、描画処理終了後に、(ワークWの載せ換えのために)吸着テーブル31をワーク載せ換え位置まで移動させると、定期フラッシングボックス131がヘッドユニット13に臨むことに先立って繰出された描画シート171がヘッドユニット13に臨み、描画シート171に検査パターンを描画することができるようになっている。
図3に示すように、撮像ユニット162は、上記したY軸支持ベース3に支持されており、X軸テーブル11に上側から臨み、描画シート171に描画された検査パターンを描画する2個の検査カメラ181と、2個の検査カメラ181を保持するカメラホルダ182と、Y軸支持ベース3に固定され、カメラホルダ182を介して、2個の検査カメラ181をY軸方向にスライド自在に支持するカメラ移動機構183と、カメラ移動機構183を介して検査カメラをY軸方向に移動させるためのカメラ移動モータ(図示省略)と、を有している。2個の検査カメラ181は、描画シート171に描画された検査パターンをそれぞれ半分ずつ撮像するように構成されている。例えば、2個の検査カメラ181を、ヘッドユニット13の1描画ラインの長さの約半分の距離だけ離間して配設しておき、この状態で2個の検査カメラを移動させて、検査パターンの左側半分を左側の検査カメラ181で、右側半分を右側の検査カメラ181で撮像する。これにより、短時間で効率的に検査パターンを撮像(スキャン)することが可能となり、機能液滴吐出ヘッド82の吐出不良検査に要する時間を削減することが可能となる。
撮像ユニット162は、吸着テーブル31がワーク載せ換え位置に臨んだときに、2個の検査カメラ181が描画シート171に臨むように配設されており、本実施形態では、ワーク載せ換え中に、検査パターンの撮像を行えるようになっている。そして、2個の検査カメラ181による撮像結果は、制御手段18に送信されて画像認識され、この画像認識に基づいて、各機能液滴吐出ヘッド82の各吐出ノズル98が正常に機能液を吐出しているか(ノズル詰まりがないか)否かが判断されるが、この判断もワーク載せ換え中に行われる。すなわち、吐出不良検査手段は、撮像ユニット162および制御手段18により構成されている。
なお、図示省略したが、ユニットベース174と巻取り支持部材173との間には、巻取り手段172全体をX軸方向に(微少)移動させるユニット移動機構が設けられている。上述したように、描画シート171に描画される検査パターンの描画位置は、X軸方向に位置ずれしてゆくが、検査パターンの描画位置に応じて巻取り手段172をX軸方向へ移動させることにより、X軸方向において固定の撮像ユニット(2個の検査カメラ181)に対して、検査パターンを確実に臨ませることができるようになっている。
また、この吐出不良検査ユニット17を用いて、ヘッドユニット13を構成する各キャリッジユニット81の位置補正を行い、各分割描画ラインが1描画ラインを構成するように、初期のヘッドアライメントを行うことも可能である。
次に、図10を参照して、液滴吐出装置1の主制御系について説明する。同図に示すように、液滴吐出装置1は、ヘッドユニット13(機能液滴吐出ヘッド82)を有する液滴吐出部191と、X軸テーブル11、を有し、ワークをX軸方向へ移動させるためのワーク移動部192と、Y軸テーブル12を有し、ヘッドユニット13をY軸方向へ移動させるヘッド移動部193と、メンテナンス手段の各ユニットを有するメンテナンス部194と、各種センサを有し、各種検出を行う検出部195と、各部を駆動制御する各種ドライバを有する駆動部196と、各部に接続され、液滴吐出装置1全体の制御を行う制御部197(制御手段18)と、を備えている。
制御部197には、各手段を接続するためのインタフェース201と、一時的に記憶可能な記憶領域を有し、制御処理のための作業領域として使用されるRAM202と、各種記憶領域を有し、制御プログラムや制御データを記憶するROM203と、ワークWに所定の描画パターンを描画するための描画データや、各手段からの各種データ等を記憶すると共に、各種データを処理するためのプログラム等を記憶するハードディスク204と、ROM203やハードディスク204に記憶されたプログラム等に従い、各種データを演算処理するCPU205と、これらを互いに接続するバス206と、が備えられている。
そして、制御部197は、各手段からの各種データを、インタフェース201を介して入力すると共に、ハードディスク204に記憶された(または、CD−ROMドライブ等により順次読み出される)プログラムに従ってCPU205に演算処理させ、その処理結果を、駆動部196(各種ドライバ)を介して各手段に出力する。これにより、装置全体が制御され、液滴吐出装置1の各種処理が行われる。
ここで、未処理のワークWをセットテーブル21(吸着テーブル31)に導入してから、次のワークWに載せ換えるまでの、液滴吐出装置1の一連の動作について説明する。図外のロボットアーム(ワーク搬出入装置)を介して、ワーク載せ換え位置に臨む吸着テーブル31にワークWが載せ込まれると、制御部197は、ワークアライメントカメラ62を駆動してワークWを撮像すると共に、この撮像結果を画像認識する。そして、この画像認識に基づいて、θテーブル32を駆動し、ワークWの位置(θ)補正を行う。(この間、ヘッドユニット13は、定期フラッシングユニット112に臨んでおり、機能液滴吐出ヘッド82の定期フラッシングが為されている。)
ワークWの位置補正が終了すると、制御部197は、(定期フラッシングを終了させ、)X軸テーブル11を駆動して、ワーク載せ換え位置から吸着テーブル31をヘッドユニット13側へ移動させ、上記した一連の描画処理を開始させる。この場合、本実施形態では、吸着テーブル31およびこれに添設された一対の描画前フラッシングボックス121に掛かる領域が描画処理を行うための描画領域として設定されている。そして、一連の描画処理中は、この描画領域内にヘッドユニット13が臨むようにX軸テーブル11が駆動制御され、吸着テーブル31(ワークW)の往復動が為される。したがって、描画処理中のヘッドユニット13には、描画前フラッシングボックス121、ワークWが順に臨み、描画前フラッシングに続いて、ワークに対する描画が行われると共に、描画処理に関与しない定期フラッシングユニット112および吐出不良検査ユニット17が描画処理中のヘッドユニット13に臨むことがないため、効率的かつ適切に描画処理を行うことができる。
ワークWに対する機能液の吐出が終了し、描画処理(上記第3描画動作における2回目のワークWの復動)が終了した後も、X軸テーブル11の駆動が続けられ、ワークWをワーク載せ換え位置まで移動させる。このとき、制御部197は、所定のタイミングでヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動して、全機能液滴吐出ヘッド82から検査吐出を行わせる。これにより、ワークWの移動中に、ヘッドユニット13(全機能液滴吐出ヘッド82)に臨む吐出不良検査ユニット17の描画シート171に検査パターンが描画される。このように、本実施形態では、描画処理終了後におけるワーク載せ換え位置までのワークWの移動動作を利用して、描画シート171に検査パターンの描画を行わせているため、検査吐出のためにヘッドユニット13を敢えて移動させる必要がなく、効率よく検査パターンを描画させることができる。
ワークW(吸着テーブル31)がワーク載せ換え位置まで到達すると、制御部197は、X軸テーブル11の駆動を停止させると共に、Y軸テーブル12を駆動して、ヘッドユニット13をホーム位置に戻す。そして、ヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82を吐出駆動させ、ヘッドユニット13の直下に位置する定期フラッシングボックス131に対して定期フラッシングを行うと共に、定期フラッシングを続けたまま、図外のロボットアームを用いて、処理済のワークWを回収させると共に、未処理のワークWをセットテーブル21に導入する。
一方で、ワークWがワーク載せ換え位置まで到達すると、制御部197は、移動モータを駆動して2個の検査カメラ181をX軸方向に移動させてゆき、描画シート171に描画された検査パターンを2個の検査カメラ181で撮像してゆく。そして、撮像結果を画像認識して、ヘッドユニット13の各機能液滴吐出ヘッド82について吐出不良が生じているか否かを判断する。ここで、全機能液滴吐出ヘッド82が正常に機能液滴を吐出していると判断されれば、吐出不良検査を終了させる。そして、ワークWの載せ換え終了後には、定期フラッシングを停止すると共に、新たな描画処理のためにX軸テーブル11を駆動して、セットテーブル21をヘッドユニット13側へ移動させる。
他方、吐出不良の機能液滴吐出ヘッド82があると判断されれば、機能液滴吐出ヘッド82のメンテナンス処理を行う。具体的には、吐出不良の機能液滴吐出ヘッド82を有するキャリッジユニット81を吸引ユニット15(分割吸引ユニット141)に臨ませ、吐出不良の機能液滴吐出ヘッド82に対して吸引を行った後、さらにワイピングユニット16に臨ませて、ワイピング処理を行う。この場合、本実施形態では、ヘッドユニット13のホーム位置が吸引ユニット15(およびワイピングユニット16)寄りに設けられているため、吐出不良の判断がなされたときには、ホーム位置に臨むヘッドユニット13を迅速に吸引ユニット15に臨ませて、メンテナンス処理を行うことができるようになっている。
なお、本実施形態のヘッドユニット13は、7つのキャリッジユニット81から構成されており、これらを独立して移動させることが可能であるため、吐出不良の機能液滴吐出ヘッド82があると判断された場合に、7つの全てのキャリッジユニット81を吸引ユニット15またはワイピングユニット16に臨ませる必要はない。例えば、図2において、図示左から3番目のキャリッジユニット81の機能液滴吐出ヘッド82に吐出不良が検出された場合には、左から3番目までのキャリッジユニット81を吸引ユニット15に臨ませればよい。そして、左から3番目のキャリッジユニット81に対してのみ、吸引を行うようする。この場合、ホーム位置に残されたキャリッジユニット81の機能液滴吐出ヘッド82に対しては、定期フラッシングを継続させておくと共に、吸引ユニット15に臨んだ正常なキャリッジユニット81に対しては、各機能液滴吐出ヘッド82に対して離間した状態で吸引ユニット15の各キャップ143を臨ませ、各キャップ143に対してフラッシング動作を行わせるようにする。
そして、吐出不良の機能液滴吐出ヘッド82を有するキャリッジユニット81の一連のメンテナンス処理が終了し、吸引ユニット15に移動させたキャリッジユニット81がホーム位置に戻ると、X軸テーブル11を駆動して、吐出不良検査ユニット17の描画シート171をヘッドユニット13に臨ませ、描画シート171に再度検査パターンを描画させる。以下、上述した一連の動作と略同様の動作を繰り返し、ヘッドユニット13をホーム位置に臨ませて、定期フラッシングを行うと共に、機能液滴吐出ヘッド82の吐出不良が回復したか否かを確認する。
このように、本実施形態の液滴吐出装置1では、ワークWの載せ換えと並行して、検査パターンの撮像とこれに基づく吐出不良の判断が行われるため、ワークWの載せ換え時間を有効に活用することができ、全体のタクトタイムを削減することができる。そして、ワークWの描画処理終了後、新たに未処理のワークWに対して描画処理を開始する前に、ヘッドユニット13の全機能液滴吐出ヘッド82について吐出不良が生じているか否かについて検査が行われるため、製造上の歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態の液滴吐出装置1では、吸着テーブル31がワーク載せ換え位置に臨むと、定期フラッシングボックス131がヘッドユニット13に臨み、ワークWの載せ換え中は定期フラッシングが継続して行われている。したがって、(機能液滴吐出ヘッド82の吐出不良検査中も含め)ワークWの載せ換え中に、機能液滴吐出ヘッド82の吐出ノズル98が目詰まりを生じることを有効に防止することができると共に、各機能液滴吐出ヘッド82から吐出される機能液量を安定した状態に保つことができる。特に、定期フラッシングボックス131は、セットテーブル21の移動軸上に設けられているため、(新たな描画処理を開始させるために)ワークWをワーク載せ換え位置から移動させる直前まで定期フラッシングを継続させることができ、機能液滴吐出ヘッド82を適切な状態に維持することができる。
なお、本実施形態では、定期フラッシングボックス131および被描画ユニット161の描画シート171の水平走行部の長さを、描画前フラッシングボックス121と同様に、描画処理におけるヘッドユニット13の機能液吐出範囲に対応させて、1描画ラインの長さ+2ヘッド分のノズル列長に形成している。そこで、描画処理の終了位置から次の描画処理の開始位置であるホーム位置までヘッドユニット13を移動させる移動中にも定期フラッシングを行わせるようにしてもよい。これによれば、機能液滴吐出ヘッド82の駆動停止時間をさらに短縮することができ、機能液滴吐出ヘッド82のノズル詰まりを有効に防止することができる。
また、ヘッドユニット13を副走査方向に移動させながら描画処理を行う場合であって、奇数回目の描画処理をヘッドユニット13のホーム位置から開始し、偶数回目の描画処理を奇数回目の描画処理終了位置から開始させる(奇数回目の描画処理と偶数回目の描画処理とを逆方向に行ってゆく)ような場合には、奇数回目および偶数回目のいずれの描画開始位置にヘッドユニットが臨んでいても定期フラッシングを行わせることができる。
なお、定期フラッシングボックス131および被描画ユニット161の描画シート171の水平走行部の長さを、1描画ラインの長さに対応させてこれらを形成することも可能である。この場合、定期フラッシングボックス131は、ワーク載せ換え中の定期フラッシングを受けられるように、ホーム位置に位置するヘッドユニット13に臨むように(吸引ユニット15側寄りに)X軸エアースライダ22に配設される。一方、被描画ユニット161は、描画処理が終了して、ワークWがワーク載せ換え位置に臨むまでの間にヘッドユニット13に臨むように、第3描画処理動作における2回目のワークW復動時のヘッドユニット13の位置に対応して、X軸エアースライダ22に配設される。
また、本実施形態では、同一のX軸エアースライダ22(スライダ本体51)上にセットテーブル21、定期フラッシングユニット112および吐出不良検査ユニット17を搭載させているが、(スライダ本体52を分割させて)X軸リニアモータの駆動によりX軸方向を独立してスライド可能な2個のスライダを設け、一方にセットテーブル21を、他方に定期フラッシングユニット112および吐出不良検査ユニット17の被描画ユニット161を搭載するように構成してもよい。この場合、ワーク載せ換え位置からセットテーブル21を移動させるとき、およびセットテーブル21をワーク載せ換え位置に移動させるときには、X軸リニアモータを制御して、両スライダを一体的に移動させるようにする。一方、描画処理時には、X軸リニアモータを制御して、セットテーブル21を搭載したスライダのみを往復動させて、描画前フラッシングとワークWに対する描画を行わせる。
また、本実施形態では、ワークWを主走査方向に移動させ、ヘッドユニット13を副走査方向に移動させる構成となっているが、ヘッドユニット13を主走査方向に移動させ、ワークWを副走査方向に移動させる構成とすることも可能である。また、ワークWを固定とし、ヘッドユニット13を主走査方向および副走査方向に移動させる構成としてもよい。いずれの場合にせよ、上記した配置に倣って、主走査移動軸上にフラッシングユニット14および吐出不良検査ユニット17を配設することにより、効率よくフラッシングや、吐出不良検査を行うことが可能である。
なお、本発明は、上記した実施形態のものに限定されるものではなく、その本旨を逸脱しない限りにおいて、本発明の適用範囲内である。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、更にこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、及び薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板を言う。
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図11は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図12は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ600(フィルタ基体600A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図12(a)に示すように、基板(W)601上にブラックマトリクス602を形成する。ブラックマトリクス602は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス602を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス602を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス602上に重畳する状態でバンク603を形成する。即ち、まず図12(b)に示すように、基板601及びブラックマトリクス602を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層604を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム605で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図12(c)に示すように、レジスト層604の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層604をパターニングして、バンク603を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク603とその下のブラックマトリクス602は、各画素領域607aを区画する区画壁部607bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド82により着色層(成膜部)608R、608G、608Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体600Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク603の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)601の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク603(区画壁部607b)に囲まれた各画素領域607a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
次に、着色層形成工程(S103)では、図12(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド82によって機能液滴を吐出して区画壁部607bで囲まれた各画素領域607a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド82を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層608R、608G、608Bを形成する。着色層608R、608G、608Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図12(e)に示すように、基板601、区画壁部607b、および着色層608R、608G、608Bの上面を覆うように保護膜609を形成する。
即ち、基板601の着色層608R、608G、608Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜609が形成される。
そして、保護膜609を形成した後、カラーフィルタ600は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図13は、上記のカラーフィルタ600を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置620に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ600は図12に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置620は、カラーフィルタ600、ガラス基板等からなる対向基板621、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層622により概略構成されており、カラーフィルタ600を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板621およびカラーフィルタ600の外面(液晶層622側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板621側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ600の保護膜609上(液晶層側)には、図13において左右方向に長尺な短冊状の第1電極623が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極623のカラーフィルタ600側とは反対側の面を覆うように第1配向膜624が形成されている。
一方、対向基板621におけるカラーフィルタ600と対向する面には、カラーフィルタ600の第1電極623と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極626が所定の間隔で複数形成され、この第2電極626の液晶層622側の面を覆うように第2配向膜627が形成されている。これらの第1電極623および第2電極626は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層622内に設けられたスペーサ628は、液晶層622の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材629は液晶層622内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極623の一端部は引き回し配線623aとしてシール材629の外側まで延在している。
そして、第1電極623と第2電極626とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ600の着色層608R、608G、608Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ600に、第1電極623のパターニングおよび第1配向膜624の塗布を行ってカラーフィルタ600側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板621に、第2電極626のパターニングおよび第2配向膜627の塗布を行って対向基板621側の部分を作成する。その後、対向基板621側の部分にスペーサ628およびシール材629を作り込み、この状態でカラーフィルタ600側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材629の注入口から液晶層622を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板621側の部分にカラーフィルタ600側の部分を貼り合わせる前に、シール材629で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材629の印刷を、機能液滴吐出ヘッド82で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜624,627の塗布を機能液滴吐出ヘッド82で行うことも可能である。
図14は、本実施形態において製造したカラーフィルタ600を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置630が上記液晶装置620と大きく異なる点は、カラーフィルタ600を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置630は、カラーフィルタ600とガラス基板等からなる対向基板631との間にSTN液晶からなる液晶層632が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板631およびカラーフィルタ600の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ600の保護膜609上(液晶層632側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極633が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極633の液晶層632側の面を覆うように第1配向膜634が形成されている。
対向基板631のカラーフィルタ600と対向する面上には、カラーフィルタ600側の第1電極633と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極636が所定の間隔で形成され、この第2電極636の液晶層632側の面を覆うように第2配向膜637が形成されている。
液晶層632には、この液晶層632の厚さを一定に保持するためのスペーサ638と、液晶層632内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材639が設けられている。
そして、上記した液晶装置620と同様に、第1電極633と第2電極636との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ600の着色層608R、608G、608Bが位置するように構成されている。
図15は、本発明を適用したカラーフィルタ600を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置650は、カラーフィルタ600を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置650は、カラーフィルタ600と、これに対向するように配置された対向基板651と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ600の上面側(観測者側)に配置された偏光板655と、対向基板651の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ600の保護膜609の表面(対向基板651側の面)には液晶駆動用の電極656が形成されている。この電極656は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極660が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極656の画素電極660とは反対側の面を覆った状態で配向膜657が設けられている。
対向基板651のカラーフィルタ600と対向する面には絶縁層658が形成されており、この絶縁層658上には、走査線661及び信号線662が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線661と信号線662とに囲まれた領域内には画素電極660が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極660上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極660の切欠部と走査線661と信号線662とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ663が組み込まれて構成されている。そして、走査線661と信号線662に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ663をオン・オフして画素電極660への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置620,630,650は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図16は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置700と称する)の要部断面図である。
この表示装置700は、基板(W)701上に、回路素子部702、発光素子部703及び陰極704が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置700においては、発光素子部703から基板701側に発した光が、回路素子部702及び基板701を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部703から基板701の反対側に発した光が陰極704により反射された後、回路素子部702及び基板701を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部702と基板701との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜706が形成され、この下地保護膜706上(発光素子部703側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜707が形成されている。この半導体膜707の左右の領域には、ソース領域707a及びドレイン領域707bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域707cとなっている。
また、回路素子部702には、下地保護膜706及び半導体膜707を覆う透明なゲート絶縁膜708が形成され、このゲート絶縁膜708上の半導体膜707のチャネル領域707cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極709が形成されている。このゲート電極709及びゲート絶縁膜708上には、透明な第1層間絶縁膜711aと第2層間絶縁膜711bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜711a、711bを貫通して、半導体膜707のソース領域707a、ドレイン領域707bにそれぞれ連通するコンタクトホール712a,712bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜711b上には、ITO等からなる透明な画素電極713が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極713は、コンタクトホール712aを通じてソース領域707aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜711a上には電源線714が配設されており、この電源線714は、コンタクトホール712bを通じてドレイン領域707bに接続されている。
このように、回路素子部702には、各画素電極713に接続された駆動用の薄膜トランジスタ715がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部703は、複数の画素電極713上の各々に積層された機能層717と、各画素電極713及び機能層717の間に備えられて各機能層717を区画するバンク部718とにより概略構成されている。
これら画素電極713、機能層717、及び、機能層717上に配設された陰極704によって発光素子が構成されている。なお、画素電極713は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極713の間にバンク部718が形成されている。
バンク部718は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層718a(第1バンク層)と、この無機物バンク層718a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層718b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部718の一部は、画素電極713の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部718の間には、画素電極713に対して上方に向けて次第に拡開した開口部719が形成されている。
上記機能層717は、開口部719内において画素電極713上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層717aと、この正孔注入/輸送層717a上に形成された発光層717bとにより構成されている。なお、この発光層717bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層717aは、画素電極713側から正孔を輸送して発光層717bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層717aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層717bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層717aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層717bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層717aを再溶解させることなく発光層717bを形成することができる。
そして、発光層717bでは、正孔注入/輸送層717aから注入された正孔と、陰極704から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極704は、発光素子部703の全面を覆う状態で形成されており、画素電極713と対になって機能層717に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極704の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置700の製造工程を図17〜図25を参照して説明する。
この表示装置700は、図17に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、及び対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図18に示すように、第2層間絶縁膜711b上に無機物バンク層718aを形成する。この無機物バンク層718aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層718aの一部は画素電極713の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層718aを形成したならば、図19に示すように、無機物バンク層718a上に有機物バンク層718bを形成する。この有機物バンク層718bも無機物バンク層718aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部718が形成される。また、これに伴い、各バンク部718間には、画素電極713に対して上方に開口した開口部719が形成される。この開口部719は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層718aの第1積層部718aa及び画素電極713の電極面713aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極713であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層718bの壁面718s及び有機物バンク層718bの上面718tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド82を用いて機能層717を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部719から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体700Aが得られる。この表示装置基体700Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)及び発光層形成工程(S114)が行われる。
図20に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド82から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部719内に吐出する。その後、図21に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面713a)713上に正孔注入/輸送層717aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層717aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層717aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層717aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層717a上に吐出しても、正孔注入/輸送層717aと発光層717bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層717bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層717aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層717a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層717aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層717aに均一に塗布することができる。
そして次に、図22に示すように、各色のうちの何れか(図22の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部719)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層717a上に広がって開口部719内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部718の上面718t上に着弾した場合でも、この上面718tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部719内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図23に示すように、正孔注入/輸送層717a上に発光層717bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層717bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド82を用い、図24に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層717bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層717bを形成する。なお、発光層717bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライブ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極713上に機能層717、即ち、正孔注入/輸送層717a及び発光層717bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図25に示すように、発光層717b及び有機物バンク層718bの全面に陰極704(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極704は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極704の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極704を形成した後、この陰極704の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置700が得られる。
次に、図26は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置800と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される放電表示部803を含んで概略構成される。放電表示部803は、複数の放電室805により構成されている。これらの複数の放電室805のうち、赤色放電室805R、緑色放電室805G、青色放電室805Bの3つの放電室805が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板801の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極806が形成され、このアドレス電極806と第1基板801の上面とを覆うように誘電体層807が形成されている。誘電体層807上には、各アドレス電極806の間に位置し、且つ各アドレス電極806に沿うように隔壁808が立設されている。この隔壁808は、図示するようにアドレス電極806の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極806と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁808によって仕切られた領域が放電室805となっている。
放電室805内には蛍光体809が配置されている。蛍光体809は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室805Rの底部には赤色蛍光体809Rが、緑色放電室805Gの底部には緑色蛍光体809Gが、青色放電室805Bの底部には青色蛍光体809Bが各々配置されている。
第2基板802の図中下側の面には、上記アドレス電極806と直交する方向に複数の表示電極811が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層812、及びMgOなどからなる保護膜813が形成されている。
第1基板801と第2基板802とは、アドレス電極806と表示電極811が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極806と表示電極811は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極806,811に通電することにより、放電表示部803において蛍光体809が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極806、表示電極811、及び蛍光体809を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板801におけるアドレス電極806の形成工程を例示する。
この場合、第1基板801を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド82により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極806が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極806の形成を例示したが、上記表示電極811及び蛍光体809についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極811の形成の場合、アドレス電極806の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体809の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド82から液滴として吐出し、対応する色の放電室805内に着弾させる。
次に、図27は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置900と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置900を、その一部を断面として示してある。
この表示装置900は、互いに対向して配置された第1基板901、第2基板902、及びこれらの間に形成される電界放出表示部903を含んで概略構成される。電界放出表示部903は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部905により構成されている。
第1基板901の上面には、カソード電極906を構成する第1素子電極906aおよび第2素子電極906bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極906aおよび第2素子電極906bで仕切られた部分には、ギャップ908を形成した導電性膜907が形成されている。すなわち、第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907により複数の電子放出部905が構成されている。導電性膜907は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ908は、導電性膜907を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板902の下面には、カソード電極906に対峙するアノード電極909が形成されている。アノード電極909の下面には、格子状のバンク部911が形成され、このバンク部911で囲まれた下向きの各開口部912に、電子放出部905に対応するように蛍光体913が配置されている。蛍光体913は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部912には、赤色蛍光体913R、緑色蛍光体913Gおよび青色蛍光体913Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板901と第2基板902とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置900では、導電性膜(ギャップ908)907を介して、陰極である第1素子電極906aまたは第2素子電極906bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極909に形成した蛍光体913に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極906a、第2素子電極906b、導電性膜907およびアノード電極909を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体913R,913G,913Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907は、図28(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図28(b)に示すように、予め第1素子電極906a、第2素子電極906bおよび導電性膜907を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極906aおよび第2素子電極906bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜907を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜907を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板901および第2基板902に対する親液化処理や、バンク部911,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
1 液滴吐出装置 11 X軸テーブル
12 Y軸テーブル 13 ヘッドユニット
14 フラッシングユニット 15 吸引ユニット
16 ワイピングユニット 17 吐出不良検査ユニット
18 制御手段 21 セットテーブル
22 X軸エアースライダ 82 機能液滴吐出ヘッド
98 吐出ノズル 111 描画前フラッシングユニット
112 定期フラッシングユニット 161 被描画ユニット
162 撮像ユニット 171 描画シート
181 検査カメラ 183 カメラ移動機構
ワーク W

Claims (15)

  1. セットテーブルにセットしたワークと、複数の吐出ノズルが形成された機能液滴吐出ヘッドとを主走査方向に相対移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動させることにより前記ワークに描画を行う液滴吐出装置において、
    それぞれが前記機能液滴吐出ヘッドを搭載し前記主走査方向に直交する副走査方向に独立して移動可能な複数のキャリッジユニットから成る、ヘッドユニットと、
    前記機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を検査するための吐出不良検査ユニットと、を備え、
    前記吐出不良検査ユニットは、前記機能液滴吐出ヘッドの全吐出ノズルからの検査吐出により、所定の検査パターンが描画される被描画ユニットと、
    前記被描画ユニットに描画された前記検査パターンを撮像して画像認識し、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出不良を判断する吐出不良判断手段と、を有し、
    前記被描画ユニットは、前記セットテーブルから前記主走査方向に外れた主走査移動軸上に配設されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記セットテーブルおよび前記被描画ユニットを支持するスライダを有し、これらを前記ヘッドユニットに対し、前記主走査方向に移動させる主走査移動テーブルをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記セットテーブルおよび前記被描画ユニットを支持するスライダを有し、これらを前記ヘッドユニットに対し、前記主走査方向に移動させる主走査移動テーブルをさらに備え、
    前記スライダは、前記セットテーブルを前記主走査方向に移動自在に支持する第1スライダと、
    前記第1スライダとは個別に制御され、前記被描画ユニットを前記主走査方向に移動自在に支持する第2スライダと、を有していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記機能液滴吐出ヘッド、および前記主走査移動テーブル、を制御する制御手段をさらに備えていると共に、
    前記主走査移動軸上には、前記セットテーブルに対して前記ワークの載せ換えを行うワーク載せ換え位置が設定されており、
    前記被描画ユニットは、前記セットテーブルが前記ワーク載せ換え位置に向かう移動途中で前記ヘッドユニットに臨むように配設され、
    前記制御手段は、前記ワーク載せ換え位置に移動する前記被描画ユニットが、前記ヘッドユニットに臨んだときに前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、前記検査パターンを描画させることを特徴とする請求項2または3に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記吐出不良判断手段は、前記セットテーブルが前記載せ換え位置に到達したときに、前記被描画手段に臨むように配設され、
    前記制御手段は、前記ワークの載せ換え作業と並行して、前記吐出不良判断手段による前記吐出不良の判断を行わせることを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記セットテーブルが前記載せ換え位置に到達したときに、前記ヘッドユニットに臨む定期フラッシングボックスを有し、前記機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルからの吐出を受ける定期フラッシングユニットをさらに備え、
    前記制御手段は、前記ワークの載せ換え作業と並行して前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動し、前記吐出を行わせることを特徴とする請求項4または5に記載の液滴吐出装置。
  7. 前記ヘッドユニットに臨んで、前記機能液滴吐出ヘッドの保守に供する保守ユニットと、
    前記ヘッドユニットを移動させて、これを前記保守ユニットに臨ませるヘッド移動手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記保守ユニットおよび前記ヘッド移動手段を制御しており、前記吐出不良判断手段により前記吐出不良が判断されたときに、前記ヘッドユニットを前記保守ユニットに臨ませ、前記保守ユニットにより、前記機能液滴吐出ヘッドの保守を行わせることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  8. 前記保守ユニットは、前記機能液滴吐出ヘッドを吸引して、前記吐出ノズルから前記機能液を強制的に排出させる吸引ユニット、および前記機能液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピングユニットの少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出装置。
  9. 前記ヘッドユニットにおいて、前記複数の吐出ノズルは、1描画ラインの描画が行えるように、前記副走査方向に連続しており、
    前記被描画ユニットの前記副走査方向の長さは、前記1描画ラインの長さに対応して設定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  10. 前記吐出不良判断手段は、前記被描画ユニットに上側から臨むカメラと、
    前記カメラを前記副走査方向に移動自在に支持するカメラ移動機構と、を有していることを特徴とする請求項9に記載の液滴吐出装置。
  11. 前記カメラ移動機構には、前記副走査方向に並んで、前記カメラが2個配設されていることを特徴とする請求項10に記載の液滴吐出装置。
  12. 前記吐出不良検査ユニットは、前記被描画ユニットを前記主走査方向に移動させるユニット移動機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の液滴吐出装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項1ないし12のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  15. 請求項13に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項14に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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