JP2009246627A - ループアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の指向性が要求される用途に適したループアンテナ装置を提供する。
【解決手段】ループアンテナ装置100は、螺旋状をなす第1〜第5導体部10〜50を有しており、これら導体部10〜50が多層構造の絶縁基板2に形成されている。このうち第1導体部10及び第2導体部20は、それぞれ絶縁基板2の平行な2辺に沿って形成されており、これら2辺において、第1導体部10及び第2導体部20のビア16,26が側面に露出している。これにより、アンテナ全体として各側面の側方で通信感度が向上し、特定の方向への指向性を持たせることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばRFID(Radio Frequency Identification)用の通信機器に好適したループアンテナ装置に関するものである。
一般にRFID用の通信機器においては、互いに近接させた2つのアンテナ間での磁界結合を用いて信号の授受が行われている。このような磁界結合は、一方のアンテナから他方のアンテナに磁界を作用させて電気的な共振を起こさせるものであるが、例えば一方のアンテナ(ICカード等)を所持したユーザが他方のアンテナ(リーダ/ライタ等)に対して相対的に移動しながら通信が行われる場合、磁界結合の過程で2つのアンテナ間の距離が変化するため、その途中の距離によっては磁界結合が不感となり、共振が発生しなくなるタイミング(いわゆるヌルポイント)が存在する(例えば、特許文献1参照。)。
このようなヌルポイント現象の対策として、従来、アンテナ間での磁界結合とともに電界結合を併用する先行技術が知られている。この先行技術は、アンテナ線に螺旋ワイヤを使用し、これを全体としてループ形状に成形したトロイド状のアンテナを用いて通信を行うものである(例えば、特許文献2参照。)。このようなトロイド状アンテナは、アンテナ全体として周方向に大きな磁界結合ループを形成するとともに、螺旋部分により小さな電界結合ループを形成することができる。このためトロイド状アンテナをRFID用の通信機器に採り入れれば、磁界結合を用いた通信の過程でヌルポイント現象が発生しても、これを電界結合による通信で補完することができると考えられる。
特開平10−261984号公報(段落0006〜0008、図5) 特開2003−218625号公報(段落0012、図4)
しかしながら、上記の先行技術に挙げられる一般的なトロイド状アンテナは、全体としてループに沿って周方向に略均等な磁界強度分布を示すため、磁界結合時に所望の指向性を持たせることは困難である。このため先行技術には、例えばRFID用のICカードを所持したユーザが自動改札機を一方向に通過しながら通信を行う場合のように、特定の方向への指向性が要求される用途には使用しにくいという問題がある。
そこで本発明は上記の事情に鑑み、特定の指向性が要求される用途に適したループアンテナ装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
すなわち本発明は、互いに対向する平行な2辺を有する絶縁基板と、これら2辺のうち一方に平行な第1の軸線の周りに螺旋状に形成されるとともに、この螺旋が絶縁基板の2辺の一方に沿って延びている第1の導体部と、この第1の導体部を含む連続した1本の導体経路上に設けられ、絶縁基板の2辺のうち他方に平行な第2の軸線の周りに螺旋状に形成されるとともに、この螺旋が絶縁基板の2辺の他方に沿って延びている第2の導体部とを備えたループアンテナ装置である。
また本発明において、上述した第1及び第2の導体部は、絶縁基板の厚み方向に対向する外面に設けられた配線パターンと、この配線パターンに接続されて絶縁基板の内部を厚み方向に延びる第1の導体路と、第1の導体路とは別の位置で配線パターンに接続されるとともに、絶縁基板の2辺にそれぞれ対応する側面から露出して形成された第2の導体路とを含む構成である。
本発明のループアンテナ装置によれば、全体として1本の導体経路上に少なくとも螺旋形状の導体部(第1の導体部,第2の導体部)が含まれているため、例えばRFID用の通信時に相手のアンテナとの距離が変化しても、その過程で電界結合を発生させ、磁界結合時のヌルポイント現象を補完することができる。
また本発明では、絶縁基板の平行な2辺でそれぞれ第2の導体路が側面に露出しているが、これら側面と直交する側面には導体路が露出していないため、第2の導体路が露出した方向への通信感度が他の辺よりも相対的に高まっている。これによりループアンテナ装置全体として、絶縁基板の対向する2辺の方向に指向性を持たせることができる。
さらに、本発明のループアンテナ装置は絶縁基板に実装した状態で構成されているため、全体を1つのモジュールとして扱うことができる。これにより、各種の通信機器にループアンテナ装置を組み込む際の作業性や利便性が高まり、それだけ製品としての実用性が向上する。
また好ましくは、第1の導体部と第2の導体部とは、互いの進行方向が対向した螺旋を形成している。すなわち、第1の導体部と第2の導体部とが連続した1本の導体経路上にあり、これらが互いに逆向きの螺旋を形成していることから、導体経路が全体としてループを形成することになる。これにより、連続した1本の導体経路により、全体として良好な磁界結合ループを構成することができる。
また本発明のループアンテナ装置は、絶縁基板の内層に設けられ、第1の導体部により形成される螺旋の内側を第1の軸線に沿って延びる第1の磁性体と、絶縁基板の内層に設けられ、第1の磁性体と分離された状態で第2の導体部により形成される螺旋の内側を第2の軸線に沿って延びる第2の磁性体とをさらに備えてもよい。
このような構成であれば、各導体部(第1の導体部,第2の導体部)で経路の実効インダクタを大きく確保することができる。また、通信時には第1,第2導体部において第1,第2磁性体により磁界が収束されるが、第1,第2の導体部が絶縁基板の各辺に沿って形成されているため、このときの磁界収束作用は、特に絶縁基板の2辺から側方に向けて磁界強度を高める方向に働く。これにより、ループアンテナ装置全体として、第2の導体路が露出した2つの側面での指向性をさらに強化することができる。
なお、連続した1本の導体経路は、第3の導体部を含む態様であってもよい。すなわち第3の導体部は、少なくとも第1の導体部と第2の導体部とを結ぶ区間に配置され、第1及び第2の軸線と交差して延びる第3の軸線の周りに螺旋状に形成されている。そして第3の導体部は、絶縁基板の厚み方向に対向する外面に設けられた配線パターンと、この配線パターンに接続されて絶縁基板の内部を厚み方向に延びるビアとを有する構成である。
この場合、第1,第2導体部の間の区間においても実効インダクタンスを確保できるので、全体の小型化を図ることができる。また、第1,第2導体部の間の区間においても電界結合ループを良好に形成することができるため、それだけ通信性能が向上する。また第3の導体部は、配線パターンに接続されたビアが絶縁基板の内部を延びており、これらは側面に露出していないので、上記のように対向する2辺から側方への指向性を妨げることはない。
さらに導体経路は、第4及び第5の導体路を含んでいてもよい。すなわち第4の導体部は、第3の導体部が接続される第1の導体部の一端と反対側の他端に接続され、第3の軸線と平行な第4の軸線の周りに螺旋状に形成されている。また第5の導体部は、第3の導体部が接続される第2の導体部の一端と反対側の他端に接続され、第3の軸線と平行な第5の軸線の周りに螺旋状に形成されている。そして、これら第4の導体部、第1の導体部、第3の導体部、第2の導体部及び第5の導体部が順番に接続されることで、導体経路の全体が矩形のトロイド状をなしている。
この場合、導体経路を全体として矩形ループアンテナとして構成することができるので、それだけ良好な磁界結合ループを構成することができる。また、導体経路が概ね全周にわたって螺旋を形成することにより、良好な電界結合ループを合わせて構成することができる。また、全体としてアンテナの構造が立体的となることから、それだけ磁界との接触面積を拡大することができるので、より通信感度を向上することができる。
絶縁基板に磁性体を内層化して配置する場合、第1及び第2の磁性体に金属ガラスを使用してもよい。あるいは、第1及び第2の磁性体がソフトフェライトであってもよい。
上記の金属ガラスは、鉄を主成分としたアモルファス(非結晶)合金であり、その高い透磁率によって軟質磁性材料としての性質を示す素材である。またソフトフェライトは、酸化鉄を主原料とする軟質磁性材料であり、他の軟質磁性材料(珪素鋼、パーマロイ等)と比較して飽和磁束密度はやや小さいものの、電気比抵抗が大きく、高周波領域における磁気特性に優れた素材である。
また金属ガラス、ソフトフェライトはともに形状加工の自由度が高いことから、上記のように第1,第2の磁性体として多層構造の絶縁基板の内層に設けることは容易である。
以上のように本発明のループアンテナ装置は、特定の方向に指向性を発揮できることから、RFID用の通信において指向性が要求される用途にも好適する。また、磁界結合時のヌルポイント現象を電界結合により補完できるので、通信不良を防止して確実なRFID用の通信を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態のループアンテナ装置100を示す平面図である。また図2は、ループアンテナ装置100の縦断面図(図1中II−II断面)である。図1に示されているように、ループアンテナ装置100は絶縁基板2に実装された状態で、1つのアンテナモジュールとして構成されている。またループアンテナ装置100は大きく分けて第1導体部10、第2導体部20、第3導体部30、第4導体部40及び第5導体部50を有しており、これらが絶縁基板2内で連続した1本の導体経路上に接続されることにより、全体としてトロイド状アンテナを構成している。以下、各部の構成について具体的に説明する。
〔絶縁基板〕
絶縁基板2は全体として長細い矩形状をなしており、図1には、その長手方向の一部が示されている。なお絶縁基板2の図示しない部分には、例えば通信用の整合回路が形成されている。また図2に示されているように、絶縁基板2は厚み方向に積層された多層基板(例えばLTCC)である。
〔第1導体部〕
第1導体部10は、絶縁基板2の平行な2辺のうち、その一方に沿って延びている。また第1導体部10は、絶縁基板2の表面(表層)に形成された複数(この例では6本)の配線パターン12を有するほか、その裏面に形成された複数(この例では5本)の配線パターン14、そしてビア16,18を有している。このうち表面の配線パターン12は、上記の一方の辺から他方の辺に向けて延びており、個々の配線パターン12は互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向に配列されている。また裏面の配線パターン14は、隣り合う表面の配線パターン12の間を斜めに延びており、これら配線パターン14もまた互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向に配列されている。
〔第1,第2の導体路〕
ビア16,18のうち、一方のビア16は絶縁基板2の一方の辺に沿う側面2aに近接して配置されており、かつ、この側面2aにてビア16が露出している。すなわち絶縁基板2は、ビア16の配列の中心線に沿ってダイシングされており、その切断面が一方の側面2aとして形成されている。また他方のビア18は、絶縁基板2の一方の辺(側面2a)から離れて配置されている。
また図2に示されているように、各ビア16,18は絶縁基板2を厚み方向に貫通して形成されている。そして各ビア16,18は、それぞれ一端が絶縁基板2の表面で配線パターン12と接続されており、また他端が絶縁基板2の裏面で配線パターン14と接続されている。これにより、表面の配線パターン12同士が裏面の配線パターン14及びビア16,18を通じて接続される結果、全体として第1導体部10は一続きの電気的な導体として構成されている。
また第1導体部10は、表面の配線パターン12からビア18、ビア18から裏面の配線パターン14、裏面の配線パターン14から側面2aに露出したビア16、そしてビア16から次の配線パターン12へと連続していくことにより、全体として角形の螺旋を形成している。このような螺旋は、絶縁基板2の2辺の一方と平行な仮想的な軸線(第1の軸線)の周りに形成されている。
なお、第1導体部10の中で最も第4導体部40に近い位置にあるビア16は、他端が別の配線パターン51と接続されている。この配線パターン51は、第1導体部10と第4導体部40とを接続するものである。また、第1導体部10の中で最も第3導体部30に近い位置にあるビア18は、他端が別の配線パターン52と接続されている。この配線パターン52は、第1導体部10と第3導体部30とを接続するものである。
〔第2導体部〕
第2導体部20もまた、絶縁基板2の表面(表層)に形成された複数(この例では6本)の配線パターン22を有するほか、その裏面に形成された複数(この例では5本)の配線パターン24、そしてビア26,28を有している。このうち表面の配線パターン22は、絶縁基板2の2辺のうち他方から一方の辺に向けて延びており、個々の配線パターン22は互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向に配列されている。また裏面の配線パターン24は、隣り合う表面の配線パターン22の間を斜めに延びており、これら配線パターン24もまた互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向に配列されている。
ビア26,28のうち、一方のビア26は絶縁基板2の他方の辺に沿う側面2bに近接して配置されており、かつ、この側面2bにてビア26が露出している。すなわち絶縁基板2は、他方の辺においてもビア26の配列の中心線に沿ってダイシングされており、その切断面が側面2bとして形成されている。また他方のビア28は、絶縁基板2の他方の辺(側面2b)から離れて配置されている。
また図2に示されているように、各ビア26,28は、それぞれ一端が絶縁基板2の表面で配線パターン22と接続されており、また他端が絶縁基板2の裏面で配線パターン24と接続されている。これにより、表面の配線パターン22同士が裏面の配線パターン24及びビア26,28を通じて接続される結果、全体として第2導体部20もまた一続きの電気的な導体として構成されている。
そして、このような第2導体部20もまた、表面の配線パターン22からビア28、ビア28から裏面の配線パターン24、裏面の配線パターン24から他方の辺に露出したビア26、そしてビア26から次の配線パターン22へと連続していくことにより、全体として角形の螺旋を形成している。第2導体部20の螺旋は、絶縁基板2の2辺のうち他方と平行な仮想的な軸線(第2の軸線)の周りに形成されている。
なお、第2導体部20の中で第3導体部30に隣接した位置にあるビア26は、他端が別の配線パターン53と接続されている。この配線パターン53は、第2導体部20と第3導体部30とを接続するものである。また第2導体部20の中で最も第5導体部50に近い位置にあるビア28は、他端が別の配線パターン54と接続されている。この配線パターン54は、第2導体部20と第5導体部50とを接続するものである。
〔第1,第2磁性体〕
絶縁基板2の内層には、第1磁性体19及び第2磁性体29が埋め込まれるようにして設置されている。これら第1磁性体19及び第2磁性体29は、いずれも長板状をなしており、絶縁基板2の内層をその長手方向に延びている。図2に示されているように、このうち第1磁性体19は、第1導体部10により形成される螺旋の内側に配置されており、また第2磁性体29は、第2導体部20により形成される螺旋の内側に配置されている。これら第1磁性体19及び第2磁性体29の全長は、いずれも第1導体部10及び第2導体部20の螺旋領域よりも長い。
なお第1磁性体19及び第2磁性体29には、例えば金属ガラスが使用されている。金属ガラスは、鉄を主成分としたアモルファス(非結晶)合金であり、その高い透磁率によって軟磁性材料としての性質を示すことから、磁性コアの用途に適した素材である。
この他に第1磁性体19及び第2磁性体29には、例えばソフトフェライトを使用してもよい。ソフトフェライトは、酸化鉄を主原料とする軟質磁性材料であり、他の軟質磁性材料(珪素鋼、パーマロイ等)と比較して飽和磁束密度はやや小さいものの、電気比抵抗が大きく、高周波領域における磁気特性に優れているため、磁性コアとして好適な素材である。
また上記の金属ガラス、ソフトフェライトともに形状加工の自由度が高いことから、第1磁性体19及び第2磁性体29を絶縁基板2の内層に設けることは容易である。
〔第3導体部〕
第3導体部は、絶縁基板2の表面(表層)に形成された複数(この例では5本)の配線パターン32を有するほか、その裏面に形成された複数(この例では4本)の配線パターン34、そしてビア36,38を有している。このうち表面の配線パターン32は、絶縁基板2の長手方向の一端面(符号なし)に近接した位置から絶縁基板2の内側へ延びており、個々の配線パターン32は互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向と直交する方向に配列されている。また裏面の配線パターン34は、隣り合う表面の配線パターン32の間を斜めに延びており、これら配線パターン34もまた互いに平行にして、かつ一定の間隔をおいて絶縁基板2の長手方向と直交する方向に配列されている。
またビア36,38のうち、一方のビア36は絶縁基板2の長手方向の一端面(側面2a,2bと直交する他の側面)に近接して配置されており、他方のビア38は一端面から絶縁基板2の内側に配置されている。ただし、いずれのビア36,38も絶縁基板2の一端面には露出していない。
特に断面は図示していないが、各ビア36,38は、それぞれ一端が絶縁基板2の表面で配線パターン32と接続されており、また他端が絶縁基板2の裏面で配線パターン34と接続されている。これにより、表面の配線パターン32同士が配線パターン34及びビア36,38を通じて接続される結果、全体として第3導体部30もまた一続きの電気的な導体として構成されている。そして第3導体部30は、表面の配線パターン32からビア38、ビア38から裏面の配線パターン34、裏面の配線パターン34から次のビア36、そしてビア36から次の配線パターン32へと連続していくことにより、全体として角形の螺旋を形成している。第3導体部30の螺旋は、絶縁基板2の長手方向と直交する仮想的な軸線(第3の軸線)の周りに形成されており、この軸線は、第1導体部10又は第2導体部20における仮想的な軸線と直交する。
なお、第3導体部30の中で最も第1導体部10に近い位置にあるビア36は、他端が上記の配線パターン52と接続されている。また、第3導体部30の中で最も第2導体部20に近い位置にあるビア38は、他端が上記の配線パターン53と接続されている。
〔第4,第5導体部〕
第4導体部40は、絶縁基板2の表面(表層)に形成された複数の配線パターン42,43を有するほか、その裏面に形成された配線パターン44、そしてビア46,47,48を有している。また第5導体部50は、絶縁基板2の表面(表層)に形成された複数の配線パターン52,53を有するほか、その裏面に形成された配線パターン54、そしてビア56,57,58を有している。
これら第4導体部40及び第5導体部50は、トロイド状アンテナとしての終端又は始端を構成する部分である。すなわち、絶縁基板2上で表面の配線パターン43は図示しない整合回路に接続されており、また配線パターン53は図示しない接地電極(GND)に接続されている。上記の整合回路は、図示しないチップコンデンサやチップ抵抗、これらを接続する配線パターン等を含む構成である。なお、これとは逆に配線パターン43が接地電極(GND)に接続されており、配線パターン53が整合回路に接続されている構成であってもよい。
第4導体部40においても、表面の配線パターン42,43同士は平行であり、また、各配線パターン42,43は互いに間隔をおいて絶縁基板2の長手方向と直交する方向に配列されている。また裏面の配線パターン44は、隣り合う表面の配線パターン42,43の間を斜めに延びている。これら配線パターン42,43は、ビア46,48を通じて一続きの導体として接続されている。なお、第1導体部10に最も近い位置にあるビア47は、配線パターン42と上記の配線パターン51を接続している。
第4導体部40についても、全体として一続きの電気的な導体として構成されている。そして、このような第4導体部40もまた、表面の配線パターン43からビア46、ビア46から裏面の配線パターン44、裏面の配線パターン44から次のビア48、そしてビア48から次の配線パターン42へと連続していくことにより、全体として角形の螺旋を形成している。第4導体部40の螺旋は、絶縁基板2の長手方向と直交する仮想的な軸線(第4の軸線)の周りに形成されており、この軸線は、第1導体部10又は第2導体部20における仮想的な軸線と直交する。
また第5導体部50において、表面の配線パターン52,53同士は互いに間隔をおいて絶縁基板2の長手方向と直交する方向に配列されている。また裏面の配線パターン54は、表面の配線パターン52,53の間を斜めに延びている。これら配線パターン52,53は、ビア56,58を通じて一続きの導体として接続されている。なお、第2導体部20に隣接する位置にあるビア57は、配線パターン52と上記の配線パターン54を接続している。
この第5導体部50についても同様に、全体として一続きの電気的な導体として構成されている。そして第5導体部50もまた、表面の配線パターン52からビア56、ビア56から裏面の配線パターン54、裏面の配線パターン54から次のビア58、そしてビア58から次の配線パターン53へと連続していくことにより、全体として角形の螺旋を形成している。第5導体部50の螺旋は、絶縁基板2の長手方向と直交する仮想的な軸線(第5の軸線)の周りに形成されており、この軸線は、第1導体部10又は第2導体部20における仮想的な軸線と直交する。なお、ここでは第4の軸線と第5の軸線が同一線上にある例を示しているが、これらは互いに平行に配置されていてもよい。
〔指向性の向上〕
図3は、ループアンテナ装置100を模式的に示す斜視図である。なお図3中、第1〜第5導体部10〜50は、それぞれ単純なワイヤモデルとして簡略化されている。また図示の煩雑化を防止するため、個々の配線パターンやビア等の符号は適宜図示を省略している。
〔ビアの露出による指向性〕
第1実施形態のループアンテナ装置100によれば、螺旋状に形成した第1導体部10及び第2導体部において、それぞれビア16,26を絶縁基板2の対向する2辺に沿う側面2a,2bから露出させることにより、各側面2a,2bの方向への感度を他の側面に比較して相対的に向上することができる。これにより、ループアンテナ装置100全体として、側面2a,2bの方向に指向性を持たせることができる。
〔磁性体による指向性〕
また、第1実施形態のループアンテナ装置100によれば、螺旋状の第1導体部10及び第2導体部20の内側に第1磁性体19、第2磁性体29をそれぞれ配置することにより、第1導体部10及び第2導体部20の実効インダクタを大きく確保することができる。そして、絶縁基板2の対向する2辺に沿って第1導体部10と第2導体部20とを別々に配置し、かつ第1磁性体19及び第2磁性体29を互いに平行に配置することにより、図中に一点鎖線で示されているように、通信時にはそれぞれ第1磁性体19、第2磁性体29に磁束が集束されることになる。この場合、第1導体部10及び第2導体部20に沿う領域では、その他の領域(例えば第3導体部30)に比較して磁界強度が向上するため、それだけ通信感度を増大することができる。これにより、ループアンテナ装置100全体として、絶縁基板2の側面2a,2bそれぞれの方向への指向性をさらに向上することができる。
〔第2実施形態〕
次に図4は、第2実施形態のループアンテナ装置200の構造例を示す縦断面図である。以下、第2実施形態のループアンテナ装置200について、主に第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお以下の説明では、第1実施形態と共通する構成要素には同じ符号を付し、その重複した説明を省略する。なお、特に相違点として説明している構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付していても異なる構造を有する場合がある。
第2実施形態のループアンテナ装置200においては、絶縁基板2の裏面ではなく内層に配線パターン14,24が形成されている。またビア16,18,26,28は、いずれも絶縁基板2を厚み方向に貫通せず、それぞれの他端は内層まで延びている。そして各ビア16,18,26,28の他端は、絶縁基板2の内層にて配線パターン14,24と接続されている。なお、ここでは特に図示していないが、その他の第3導体部30、第4導体部40及び第5導体部50についても、絶縁基板2の内層に上記の配線パターン34,44,54が形成されており、それぞれのビア(符号省略)は、絶縁基板2を貫通せずに内層の位置まで形成されている。
第2実施形態のループアンテナ装置200においても、第1実施形態と同様に、ループアンテナ装置200全体として、絶縁基板2の対向する2辺に沿う側面2a,2bそれぞれの方向に指向性を持たせることができる。
〔第3実施形態〕
図5は、第3実施形態のループアンテナ装置300を示す平面図である。また図6は、ループアンテナ装置300の縦断面図(図5中VI−VI断面)である。以下、第3実施形態のループアンテナ装置300について、主に第1実施形態との相違点を中心に説明する。また特に相違点として説明している構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付していても異なる構造を有する場合がある点はこれまでと同様である。
第3実施形態のループアンテナ装置300においては、第1,第2実施形態のビア16,26が形成されておらず、代わりに絶縁基板2の側面2a,2bにそれぞれ導体路17,27が形成されている。このため図6に示されているように、絶縁基板2の一方の側面2aにおいて、表面の配線パターン12と裏面の配線パターン14とは導体路17を通じて接続されており、また他方の側面2bにおいて、表面の配線パターン22と裏面の配線パターン24とは導体路27を通じて接続されている。なお導体路17,27は、例えば導電性ペーストを塗布することで形成されている。
第3実施形態のループアンテナ装置300によれば、各側面2a,2bに露出した導体路17,18が形成されていることにより、第1,第2実施形態と同様に各側面2a,2bの側方での指向性を向上することができる。また、第1磁性体19,第2磁性体29により磁界の集束作用を発揮することで、指向性をさらに高めることができる。
上記のように第1〜第3実施形態のループアンテナ装置100〜300は、いずれも特定の方向に強い指向性を有している。このためループアンテナ装置100〜300は、例えばRFID用のICカードを所持したユーザが自動改札機を通過しながら通信を行う場合のように、特定の方向に指向性が要求される用途に極めて好適である。この場合、各実施形態のループアンテナ装置100〜300を自動改札機(リーダ/ライタ)に設置し、ユーザの通過する方向に絶縁基板2の各側面2a,2bを合わせて配置することで、ICカードの移動方向に関して強い指向性を発揮させることができる。なお、ループアンテナ装置100〜300はリーダ/ライタだけでなく、ICカードにも適用することができる。
またループアンテナ装置100〜300は、磁界結合とともに電界結合を行うことができるトロイド状アンテナとしての構造を有するため、磁界結合時のヌルポイント現象を補完して、安定した確実な信号の授受を可能とする。
〔磁性体を設けない形態〕
上述した第1〜第3実施形態においては、特に第1磁性体19及び第2磁性体29を設けなくてもよい。すなわち、第1〜第3実施形態のループアンテナ装置100〜300から第1磁性体19及び第2磁性体29を省略した構成であっても、各側面2a,2bに露出したビア16,26又は導体路17,27により側面2a,2bの方向での感度を向上しつつ、指向性を持たせることができる。
本発明は以上の実施形態に制約されることなく、各種の変形を伴って実施することができる。各実施形態ではビアが導電性ペーストにより形成される形態を挙げているが、ビアはスルーホールの内面を金属めっきすることで形成されていてもよい。
各実施形態では、第1〜第5導体部により概ね1周のループを形成しているが、例えば第1,第3,第2導体部だけでU字形状のループが形成される態様であってもよい。また、各導体部の配置や形態はあくまで例示であり、これらを適宜に変形して実施してもよい。
第1実施形態のループアンテナ装置を示す平面図である。 第1実施形態のループアンテナ装置の縦断面図(図1中II−II断面)である。 ループアンテナ装置を模式的に示す斜視図である。 第2実施形態のループアンテナ装置の構造例を示す縦断面図である。 第3実施形態のループアンテナ装置を示す平面図である。 第3実施形態のループアンテナ装置の縦断面図(図5中VI−VI断面)である。
符号の説明
2 絶縁基板
10 第1導体部
12,14 配線パターン
16,18 ビア
17 導体路
19 第1磁性体
20 第2導体部
22,24 配線パターン
26,28 ビア
27 導体路
29 第2磁性体
30 第3導体部
32,34 配線パターン
36,38 ビア
40 第4導体部
50 第5導体部

Claims (7)

  1. 互いに対向する平行な2辺を有する絶縁基板と、
    前記絶縁基板の2辺のうち一方に平行な第1の軸線の周りに螺旋状に形成されるとともに、この螺旋が前記絶縁基板の2辺の一方に沿って延びている第1の導体部と、
    前記第1の導体部を含む連続した1本の導体経路上に設けられ、前記絶縁基板の2辺のうち他方に平行な第2の軸線の周りに螺旋状に形成されるとともに、この螺旋が前記絶縁基板の2辺の他方に沿って延びている第2の導体部とを備え、
    前記第1及び第2の導体部は、
    前記絶縁基板の厚み方向に対向する外面に設けられた配線パターンと、
    前記配線パターンに接続されて前記絶縁基板の内部を厚み方向に延びる第1の導体路と、
    前記第1の導体路とは別の位置で前記配線パターンに接続されるとともに、前記絶縁基板の2辺にそれぞれ対応する側面から露出して形成された第2の導体路とを含むことを特徴とするループアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のループアンテナ装置において、
    前記第1の導体部と前記第2の導体部とは、互いの進行方向が対向した螺旋を形成していることを特徴とするループアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のループアンテナ装置において、
    前記絶縁基板の内層に設けられ、前記第1の導体部により形成される螺旋の内側を前記第1の軸線に沿って延びる第1の磁性体と、
    前記絶縁基板の内層に設けられ、前記第1の磁性体と分離された状態で前記第2の導体部により形成される螺旋の内側を前記第2の軸線に沿って延びる第2の磁性体とをさらに備えたことを特徴とするループアンテナ装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のループアンテナ装置において、
    前記導体経路は、
    少なくとも前記第1の導体部と前記第2の導体部とを結ぶ区間に配置され、前記第1及び第2の軸線と交差して延びる第3の軸線の周りに螺旋状に形成された第3の導体部を含み、
    前記第3の導体部は、
    前記絶縁基板の厚み方向に対向する外面に設けられた配線パターンと、
    前記配線パターンに接続されて前記絶縁基板の内部を厚み方向に延びるビアとを有することを特徴とするループアンテナ装置。
  5. 請求項4に記載のループアンテナ装置において、
    前記導体経路は、
    前記第3の導体部が接続される前記第1の導体部の一端と反対側の他端に接続され、前記第3の軸線と平行な第4の軸線の周りに螺旋状に形成された第4の導体部と、
    前記第3の導体部が接続される前記第2の導体部の一端と反対側の他端に接続され、前記第3の軸線と平行な第5の軸線の周りに螺旋状に形成された第5の導体部とをさらに含み、
    前記第4の導体部、前記第1の導体部、前記第3の導体部、前記第2の導体部及び前記第5の導体部が順番に接続されることで全体が矩形のトロイド状をなしていることを特徴とするループアンテナ装置。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載のループアンテナ装置において、
    前記第1及び第2の磁性体が金属ガラスであることを特徴とするループアンテナ装置。
  7. 請求項3から5のいずれかに記載のループアンテナ装置において、
    前記第1及び第2の磁性体がソフトフェライトであることを特徴とするループアンテナ装置。
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