JP2009246191A - 磁気カプラ - Google Patents

磁気カプラ Download PDF

Info

Publication number
JP2009246191A
JP2009246191A JP2008092131A JP2008092131A JP2009246191A JP 2009246191 A JP2009246191 A JP 2009246191A JP 2008092131 A JP2008092131 A JP 2008092131A JP 2008092131 A JP2008092131 A JP 2008092131A JP 2009246191 A JP2009246191 A JP 2009246191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sub
elements
magnetization
magnetic field
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008092131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5509531B2 (ja
Inventor
Susumu Haratani
進 原谷
Hitoshi Yamaguchi
仁 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2008092131A priority Critical patent/JP5509531B2/ja
Publication of JP2009246191A publication Critical patent/JP2009246191A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5509531B2 publication Critical patent/JP5509531B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

【課題】より高感度かつ高精度に動作する磁気カプラを提供する。
【解決手段】第1の階層L1において巻回する薄膜コイル20と、第2の階層L2に配置され、薄膜コイル20を流れる信号電流Imによって生ずる誘導磁界Hmを検知する第1のMR素子31とを備える。第1のMR素子31は、帯状に延在する帯状パターン311を複数有する。複数の帯状パターン311は、それ自身の延在方向(Y軸方向)における端縁から所定距離の位置で連結部312によって互いに接続されている。このため、第1のMR素子31を流れるセンス電流は、帯状パターン311の端部を流れることがない。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜コイルと磁気抵抗効果素子とを備え、互いに絶縁された複数の電気回路間の信号伝達を非接触で行う磁気カプラに関する。
従来、互いに絶縁された複数の電気回路間において一方の電気回路からの信号を非接触で他方へ伝達するデバイスとしては、フォトカプラやパルストランスなどが知られている。ところが、フォトカプラは発光ダイオード(LED)の消耗劣化や電流伝送率の低下などの経時変化が顕著であるうえ信号伝送の遅延が大きい。一方、パルストランスは、巻線コイルを使うので信号伝送の遅延は小さいものの、形状や重量が大きいうえ、動作可能な温度も低いという問題を抱えている。また、パルストランスの巻線コイルを薄膜コイルに置換したカプラも存在するが、磁界を受けるコイルの能率が悪いため、消費電力が大きい。
そこで、上記のような問題点を解決するものとして磁気カプラが開発されている(例えば特許文献1〜9参照)。この磁気カプラは、一方の電気回路系からの信号線を流れる電流の変化を、磁気抵抗効果素子により誘導磁界の変化として非接触で検出し、他方の電気回路系へ電気信号を伝達するものであり、簡素な構成でありながら優れた動作信頼性を有するものとして注目されている。
特表2003−526083号公報 特開2001−94174号公報 特開2001−135534号公報 特開2001−135535号公報 特開2001−135536号公報 特開2001−135537号公報 特開2001−196250号公報 特開2001−93763号公報 特開昭62−40786号公報
このような磁気カプラとしては、例えば上記特許文献1にあるように、つづら折り(ミアンダ)状にパターニングされた平面形状の磁気抵抗効果膜を配置したものが提案されている。こうすることで、信号線(あるいはそれと接続された薄膜コイル)からの誘導磁界を効率的に検出すると共に検出精度を高めることが期待される。
しかしながら、つづら折り(ミアンダ)状の磁気抵抗効果膜では、屈曲部分において、その形状に起因して、あるいは磁壁の発生に起因して磁化自由層(フリー層)の磁化が回転しにくくなる。すなわち、屈曲部分では、磁化自由層の磁化が、印加される誘導磁界に沿った方向に揃いにくくなる。そのため、印加される誘導磁界に対する磁化自由層の磁化の大きさにヒステリシスが生じ、誘導磁界の検出感度や応答性が損なわれる可能性が懸念される。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、より高感度かつ高精度に動作する磁気カプラを提供することにある。
本発明の磁気カプラは、コイルと、このコイルを流れる電流によって生ずる誘導磁界を検知する磁気抵抗効果素子とを備え、磁気抵抗効果素子が、帯状に延在すると共に自らの延在方向における端縁から所定距離の位置で連結部によって互いに接続された複数のサブ素子を有するようにしたものである。ここで、「延在方向における端縁から所定距離」とは、サブ素子の磁化自由層における磁化の配向乱れが生じている部分の延在方向における長さをいう。
本発明の磁気カプラでは、磁気抵抗効果素子における帯状の複数のサブ素子が、自らの延在方向における端縁から所定距離だけ離れた位置で連結部によって互いに接続されているので、磁気抵抗効果素子を流れるセンス電流は、サブ素子の端部を流れることがない。よって、センス電流は、サブ素子の端部における磁化自由層の磁化の配向乱れの影響を受けずに済み、印加される誘導磁界と磁化自由層の磁化の大きさとの関係におけるヒステリシスの発現が抑制される。
本発明の磁気カプラでは、サブ素子の延在方向における端縁からの所定距離が、サブ素子の幅よりも大きくなるようにするとよい。磁化自由層における磁化の配向乱れが生じうる端部を十分に回避して複数のサブ素子同士を接続することができるからである。サブ素子の幅とは、その延在方向と直交する方向の寸法をいう。
本発明の磁気カプラでは、サブ素子の、延在方向における端縁が、曲線からなる輪郭を有するようにするとよい。磁化自由層における磁化の配向乱れが生じにくくなり、サブ素子の延在方向における端縁からの所定距離を短くすることができるからである。すなわち、より端縁に近い位置でサブ素子同士を接続することができ、サブ素子のうち誘導磁界を検出する際に利用可能な領域(有効領域)が広がるからである。
また、本発明の磁気カプラでは、サブ素子同士を接続する連結部は、非磁性導体からなることが望ましい。連結部が磁性体の場合、コイルからの誘導磁界によりセンス電流の誤差が生じるおそれがあるからである。
さらに、本発明の磁気カプラでは、複数のサブ素子が、自らの延在方向と直交する幅方向における両端面が傾斜したものであり、連結部が、サブ素子の幅方向に延在し、かつ、サブ素子の上面および両端面を覆うように形成されているとよい。サブ素子と連結部との接触面積が増え、抵抗値が減少し、動作時におけるセンス電流の変化が現れやすくなるからである。
本発明の磁気カプラによれば、磁気抵抗効果素子を構成する帯状の複数のサブ素子を、その延在方向における端縁から所定距離の位置で互いに接続し、それら複数のサブ素子によってコイルからの誘導磁界を検知するようにしたので、センス電流を、複数のサブ素子のうち、磁化自由層の磁化の配向乱れの小さな領域に流すことができる。よって、例えば帯状の複数のサブ素子を端縁を含む部分において互いに接続した場合などと比べ、より高感度かつ高精度にコイルからの誘導磁界を検知することができる。
本発明の磁気カプラによれば、特に、サブ素子の延在方向における端縁からの所定距離を、サブ素子の幅よりも大きくなるようにすることで、サブ素子の端部における磁化自由層の磁化の配向乱れの影響を確実に回避することができる。また、サブ素子の延在方向における端縁の輪郭が曲線からなるようにすれば、サブ素子の端部の磁化自由層において磁壁の発生が抑制され、磁化の配向性を高めることができる。その結果、サブ素子のうち、誘導磁界を検出する際に利用可能な領域(有効領域)を広げることができ、検出感度を高めることができる。
さらに、本発明の磁気カプラによれば、複数のサブ素子を、自らの延在方向と直交する幅方向における両端面が傾斜したものとし、連結部を、サブ素子の幅方向に延在し、かつ、サブ素子の上面および両端面を覆うように形成することで、連結部とサブ素子との間の接触抵抗を低減することができ、省電力化に有利となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
最初に、図1および図2を参照して、本発明における第1の実施の形態としての磁気カプラの構成について説明する。図1は、本実施の形態の磁気カプラの構成を表す平面図である。図2(A)は、図1に示した磁気カプラの要部を拡大した平面図であり、図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB線に沿った矢視方向の断面図である。なお、図1に示した信号電流Im、誘導磁界Hmおよびバイアス磁界Hbのすべての矢印の方向は、磁気抵抗効果素子31〜34(後出)との相対的な方向を示している。この磁気カプラは、ある電気回路からの信号を、電気的に非接触な状態で他の電気回路へ伝達するデバイスであり、必要な信号を伝達しつつノイズを遮断するのに有効な手段である。
図1および図2に示したように、本実施の形態の磁気カプラは、基体10上の、X−Y平面に沿って広がる第1の階層L1(図2(B))において巻回する薄膜コイル20と、第1の階層L1の上層である第2の階層L2において薄膜コイル20と対応する領域に位置する第1〜第4の磁気抵抗効果(MR;Magneto-Resistive effect)素子31〜34と、厚み方向において薄膜コイル20と第1〜第4のMR素子31〜34との間に位置する中間層13とを備えている。さらに、この磁気カプラは第2の階層L2において薄膜コイル20の巻回中心側および巻回外周側に配置されたヨーク41〜44を備えている。第1の階層L1において、薄膜コイル20の巻線体(例えば後出の直線パターン21)同士の隙間は絶縁層12によって充填されており、第2の階層L2において、ヨーク41〜44および第1〜第4のMR素子31〜34は共に絶縁層14によって覆われている(図2(B))。なお、図1および図2では、第1から第4のMR素子31〜34を繋ぐ配線パターンの図示は省略している。
基体10は、磁気カプラ全体を支持する矩形状の基板であり、例えば、ガラス、硅素(Si)、酸化アルミニウム(Al)またはAlTiC(Al−TiC)などのセラミックスによって構成されている。なお、基体11を覆うように、例えば酸化硅素(SiO)やAlなどのセラミックスを含有する絶縁層11を設けるようにしてもよい。
薄膜コイル20は、2つの端子20S,20Eを両端に備え、巻回中心側の端子20Sから巻回外周側の端子20Eへ向かうように、第2の階層L2の側から眺めた場合に例えば反時計回りに巻回した薄膜導電層であり、例えば銅(Cu)などの高導電性材料によって構成されている。薄膜コイル20が形成された領域は、一対の直線領域R21と、それらを繋ぐ一対の曲線領域R22とに分類される。直線領域R21は、X軸方向に沿って直線状に延在すると共にY軸方向において所定の間隔で配置された複数の直線パターン21によって占められた領域である。一方の曲線領域R22は、複数の直線パターン21の一端同士を繋ぐように形成された曲線状をなす曲線パターン22によって占められた領域である。ここで、複数の直線パターン21は、各々の断面積が長手方向(X軸方向)において均一であり、かつ互いに同一であると共に、互いに等間隔で配列されていることが望ましい。
第1および第2のMR素子31,32は、積層方向において一方の直線領域R21と対応する位置に配置されており、第3および第4のMR素子33,34は、積層方向において他方の直線領域R21と対応する位置に配置されている(図1参照)。
図1および図2に示したように、第1のMR素子31は、一対の端子31S,31Eの間において互いに直列接続された複数の帯状パターン311を有している。帯状パターン311は、薄膜コイル20の径方向(Y軸方向)に延在すると共に薄膜コイル20の巻回方向(X軸方向)において互いに隣在し合うように配設されている。すなわち、第1のMR素子31は、端子31Sと端子31Eとの間で長手方向が薄膜コイル20の径方向となるように互いに平行配置された複数の帯状パターン311が、連結部312を介してつづら折り状に連なって構成されている。連結部312は、例えば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)などの非磁性の高導電性材料からなるものである。第2〜第4のMR素子32〜34についてもこれと同様の構成である。すなわち、第2〜第4のMR素子32〜34は、それぞれ、一対の端子32S,32E、一対の端子33S,33Eまたは一対の端子34S,34Eの間において帯状パターン321,331,341が連結部(図示せず)を介してつづら折り状に連なるように直列接続された構成となっている。なお、図1および図2では、第1〜第4のMR素子31〜34がそれぞれ9つの帯状パターンを有する場合を示しているが、その数はそれに限定されるものではない。
第1〜第4のMR素子31〜34における帯状パターン311,321,331,341は、それぞれに一定のセンス電流(読出電流)を流したときに、いずれも薄膜コイル20を流れる信号電流Imにより生ずる誘導磁界Hmに応じた抵抗値の変化を発現する。その場合、帯状パターン311,321の抵抗値の変化と、帯状パターン331,341の抵抗値の変化とは互いに逆方向となる。すなわち、帯状パターン311,321の抵抗値が仮に増加したとすれば、帯状パターン331,341の抵抗値は減少するという関係となっている。より具体的には、信号電流Imが端子20Sから端子20Eへ向かうように薄膜コイル20を流れると、第1および第2のMR素子31,32に対しては誘導磁界Hmが+Y方向へ付与される一方、第3および第4のMR素子33,34に対しては誘導磁界Hmが−Y方向へ付与されることとなる。
第1〜第4のMR素子31〜34の構成について、図3(A),図3(B)を参照して、より詳細に説明する。ここでは、第1のMR素子31を代表して説明する。図3(A)は、第1のMR素子31の要部を拡大して表す平面図であり、図3(B)は、図3(A)に示したIIIB−IIIB線に沿った断面図である。図3(A)に示したように、接続部分312は、帯状パターン311の延在方向において、帯状パターン311の端縁311Tから所定の距離Lだけ離れた位置に設けられている。ここで、距離Lは、帯状パターン311の幅Wよりも大きいことが望ましい。帯状パターン311のうち、端縁311Tから所定の距離Lの位置までに含まれる部分(以下、単に帯状パターン311の端部311Zという。)においては、その形状等に起因して、磁化自由層61(後出)における磁化の配向乱れが生じ易い。そこで、帯状パターン311の端部以外の部分に接続部分312を設け、複数の帯状パターン311同士を接続するようにすることで、動作時において、磁化自由層61の磁化の配向乱れがセンス電流へ与える悪影響が低減される。
また、図3(B)に示したように、帯状パターン311の、延在方向と直交する幅方向(X軸方向)における両端面35は傾斜面となっている。連結部312は、帯状パターン311の幅方向に延在し、かつ、帯状パターン311の上面36および両端面35を覆うように形成されているとよい。帯状パターン311と連結部312との接触面積が増え、抵抗値が減少し、動作時におけるセンス電流の変化が現れやすくなるからである。
次に、図4を参照して、帯状パターン311,321,331,341の構成について、より詳しく説明する。図3は、帯状パターン311,321,331,341の構成を分解して表す分解斜視図である。なお、帯状パターン311,321,331,341は全て同一の構成である。
帯状パターン311,321,331,341はスピンバルブ構造をなすものであり、磁化自由層61と、中間層62と、磁化固定層63と、反強磁性層64と、保護膜65とが例えば中間層13の側から順に積層された構造となっている。
磁化自由層61は、誘導磁界Hmの大きさや向きに応じて磁化J61の向きが変化するものであり、ニッケル鉄合金(NiFe)などの軟磁性材料により構成されている。磁化自由層61は、Y軸と平行な磁化容易軸AE61を有している。また、磁化自由層61の下面(中間層62と反対側の面)を、図示しない保護膜によって保護するようにしてもよい。
中間層62は、特定の磁化を示さない銅(Cu)などの非磁性材料により構成され、上面が磁化固定層63と接すると共に下面が磁化自由層61と接している。中間層62は、銅のほか、金(Au)などの導電率の高い非磁性金属により構成することが望ましい。
磁化固定層63はコバルト(Co)やコバルト鉄合金(CoFe)などの強磁性材料によって構成されており、例えば+Y方向に固着された磁化J63を有している。
反強磁性層64は、白金マンガン合金(PtMn)やイリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料により構成されている。反強磁性膜65は、+X方向のスピン磁気モーメントと、それとは反対方向(−X方向)のスピン磁気モーメントとが完全に打ち消し合った状態にあり、磁化固定層63の磁化J63の向きを固定するように作用している。
保護膜65は、タンタル(Ta)やハフニウム(Hf)などの比較的化学的に安定な非磁性材料からなり、磁化固定層5364や反強磁性層64などを保護するものである。但し、図3(B)に示したように、連結部312に覆われた部分においては、保護膜65が除去され、反強磁性層64と連結部312とが直接接するように構成されていることが望ましい。帯状パターン311と連結部312との接続抵抗を低減するためである。
なお、図4は、誘導磁界Hmを印加しない無負荷状態(すなわち、外部磁界が零の状態)を示している。この場合には、磁化自由層61の磁化J61は、磁化容易軸AE61と平行をなし、かつ、磁化固定層63の磁化J63とほぼ平行な状態となっている。また、磁化自由層61と磁化固定層63との間には磁化J63の方向に沿った交換バイアス磁界Hin(以下、単に「交換バイアス磁界Hin」と記す。)が生じており、中間層62を介して互いに作用し合っている。交換バイアス磁界Hinの強度は、磁化自由層61と磁化固定層63との相互間隔(すなわち中間層62の厚み)に応じて磁化自由層61のスピンが回転することにより変化する。したがって、交換バイアス磁界Hinを見かけ上、零とすることもできる。
また、図4では、下から(中間層13の側から)磁化自由層61、中間層62、磁化固定層63、反強磁性層64の順に積層された場合の構成例を示しているが、これに限定されず、反対の順序で構成するようにしてもよい。
以上のような構造を有する帯状パターン311,321,331,341では、誘導磁界Hmの印加により磁化自由層61の磁化J61が回転し、それによって磁化J61と磁化J63との相対角度が変化する。その相対角度は、誘導磁界Hmの大きさや向きによって決まるものである。すなわち、帯状パターン311,321,331,341に対し、誘導磁界Hmの、磁化J63と平行または逆平行な成分(+Y方向または−Y方向の成分)が付与されると、図4に示した無負荷状態から磁化J61の向きが+Y方向または−Y方向へ傾き、帯状パターン311,321,331,341の抵抗値の増減が生じる。より具体的には、+Y方向の誘導磁界Hmが付与されると磁化J61は+Y方向に傾き、磁化J63と平行な状態に近づくので帯状パターン311,321,331,341の抵抗値は減少する。反対に、−Y方向の誘導磁界Hmが付与されると磁化J61は−Y方向に傾き、磁化J63と逆平行な状態に近づくので帯状パターン311,321,331,341の抵抗値は増大する。
中間層13は、例えば薄膜コイル20および第1〜第4のMR素子31〜34の双方と接するように設けられ、薄膜コイル20と第1〜第4のMR素子31〜34との電気的絶縁を図る絶縁部材として機能するものである。中間層13は、例えば図5(A)に表したように、導電膜131によって隔てられた複数の絶縁膜132を含む積層構造を有している。導電膜131は非磁性導電材料によって構成されており、絶縁膜132と比べて厚みが薄いものである。導電膜131の構成材料としては、銅(Cu),金(Au),銀(Ag)およびアルミニウム(Al)等よりも導電率の低い材料(例えば1×107 S/m以下の導電率を有する材料、特にチタン(Ti)などの3×106 S/m以下の導電率を有する材料)が好ましい。薄膜コイル20からの誘導磁界Hmに起因した渦電流が導電膜131の内部を流れるのを抑制するためである。渦電流は薄膜コイル20からMR素子第1〜第4のMR素子31〜34への磁界印加を妨げる作用をもたらすことから、この渦電流自体を抑制することで結果として磁気カプラ全体としての感度が向上する。導電膜131の構成材料の具体例としては、上述のチタン(Ti)のほか,クロム(Cr),白金(Pt),タンタル(Ta),ジルコニウム(Zr)等の金属それらの合金、あるいは、LaNiO3、ITO(錫ドープ酸化インジウム)等の導電性酸化物が挙げられる。一方、絶縁膜132は、酸化アルミニウム(AlOx )や酸化ジルコニウム(ZrO2 )窒化アルミニウム(AlN),窒化珪素(SiN),酸化硅素(SiO2 ),ポリイミドなどの非磁性絶縁材料によって構成されている。ここでは酸化アルミニウムをAlOx と記載したが、耐電圧の点で化学量論組成のAl2 3 により近い組成が好ましい。なお、中間層13が複数の導電膜131を含む場合、それらの厚みは互いに異なっていてもよい。そのうえ、複数の導電膜131は、厚み方向に等間隔で積層されていてもよいし、そうでなくともよい。すなわち、複数の絶縁膜132の厚みは、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
このような積層構造を有することにより、中間層13は、その厚みが一定である場合において絶縁材料からなる単層構造である場合よりも絶縁耐圧が向上することとなる。中間層13の態様は、2つの絶縁膜132が1つの導電膜131によって分離された3層構造に限定されるものではなく、例えば図5(B)に表したように3つの絶縁膜132を2つの導電膜131によって分離するようにした5層構造としてもよい。あるいは、さらに多くの導電膜131と絶縁膜132とが交互に積層されたものであってもよい。このように、より多数の導電膜131と絶縁膜132とが交互に積層されることで、中間層13全体としての絶縁耐圧がいっそう向上するからである。なお、図5(A),図5(B)は、図2に示した中間層13を拡大した断面の構成例をそれぞれ表すものである。
ヨーク41〜44は、パーマロイ(NiFe)などの高い透磁率を有する軟磁性材料によって構成され、薄膜コイル20を流れる信号電流Imによって生じる誘導磁界Hmを、第1〜第4のMR素子31〜34に向かうようにガイドする機能を有するものである。ヨーク41,42は、薄膜コイル20の径方向(Y軸方向)において第1および第2のMR素子31,32を挟むように対向配置されている。同様に、ヨーク43,44は、薄膜コイル20の径方向(Y軸方向)において第1および第2のMR素子31,32を挟むように対向配置されている。
ここで、ヨーク41〜44は、積層方向において直線領域R21と重複する位置に設けられていてもよいし、重複しない位置に設けられていてもよい。但し、薄膜コイル20の巻回中心側のヨーク41,43は、薄膜コイルの巻回外周側のヨーク42,44よりも直線領域R21のY軸方向の中心位置CLの近くに設けられていることが望ましい。すなわちヨーク41とヨーク42との関係についていえば、図2(B)に示したように、Y軸方向において、薄膜コイル20の最内周端縁(最内周に位置する直線パターン21における巻回中心側の側面位置)21T1と最外周端縁(最外周に位置する直線パターン21における巻回外周側の側面位置)21T2との中心位置CLが、薄膜コイル20の巻回外周側のヨーク42よりも薄膜コイル20の巻回中心側のヨーク41に近いことが望ましい。第1および第2のMR素子31,32に及ぶ誘導磁界Hmの強度分布が、Y軸方向においてより平坦化された(偏りの小さな)ものとなるからである。ヨーク43とヨーク44との関係についても同様である。上記の場合、Y軸方向において、巻回中心側のヨーク41は最内周に位置する直線パターン21の側面位置21T1よりも巻回外周側に位置するようにするとよい。すなわち図2(B)に示したように、ヨーク41における巻回中心側の側面位置41T1が最内周の直線パターン21の側面位置21T1よりも巻回外周側に位置するようにするとよい。ヨーク43についても同様である。また、図2(B)に示したように、巻回外周側のヨーク42は、その巻回中心側の端縁42T1が、最外周に位置する直線パターン21の側面位置21T2よりも巻回中心側に位置することが望ましい。ヨーク44についても同様である。
さらに、ヨーク41〜44は、各々の磁化容易軸Meが薄膜コイル20の巻回方向(ここではX軸方向)に沿った向きとなっている。これにより、磁化容易軸Meが他の向きである場合と比べ、薄膜コイル20からの誘導磁界Hmによってヨーク41〜44が磁化されやすくなり、より効率的にその誘導磁界Hmが第1〜第4のMR素子31〜34へガイドされることとなる。特に、ヨーク41〜44は、その長手方向が薄膜コイル20の巻回方向と一致するように延在しているので、形状磁気異方性により磁化容易軸Meの向きが安定している。
さらに、この磁気カプラでは、ヨーク41〜44に対し、各々の磁化容易軸Meに沿った向きのバイアス磁界を付与する一対の永久磁石層51〜54をさらに備えている。これにより、ヨーク41〜44が単磁区化する方向へ向かうことで残留磁化が低減され、ヨーク41〜44自体の磁気的な履歴(ヒステリシス)による悪影響が抑制される。一対の永久磁石層51〜54は、ヨーク41〜44と同じく第2の階層L2に位置することが望ましく、ヨーク41〜44および第1〜第4のMR素子31〜34と共に絶縁層13によって覆われている(図2(B)参照)。
この磁気カプラでは、図6に示したように、第1〜第4のMR素子31〜34がブリッジ接続されている。具体的には、第1および第3のMR素子31,33の一端同士が第1の接続点P1において接続され、第2および第4のMR素子32,34の一端同士が第2の接続点P2において接続され、第1のMR素子31の他端と第4のMR素子34の他端とが第3の接続点P3において接続され、第3のMR素子33の他端と第2のMR素子32の他端とが第4の接続点P4において接続されている。なお図6は、本実施の形態の磁気カプラにおける回路構成を表したものである。
以下、図6を参照して、信号電流Imによって形成される誘導磁界Hmを検出する方法について説明する。
図6において、まず、誘導磁界Hmが印加されていない状態を考える。ここで読出電流i0をこのブリッジ回路に流したときの第1〜第4のMR素子31〜34の各抵抗値をR1〜R4とする。電源Vccからの読出電流i0は、第2の接続点P2で読出電流i1および読出電流i2の2つに分流される。そののち、第2のMR素子32と第3のMR素子33とを通過した読出電流i1と、第4のMR素子34と第1のMR素子31とを通過した読出電流i2とが第1の接続点P1において合流する。この場合、第2の接続点P2と第1の接続点P1との間の電位差Vは、
V=i1×R2+i1×R3=i2×R4+i2×R1
=i1×(R2+R3)=i2×(R4+R1) ……(1)
と表すことができる。
また、第4の接続点P4における電位V3および第3の接続点P3における電位V4は、それぞれ、
V2=V−i1×R2
V4=V−i2×R4
と表せる。よって、第4の接続点P4と第3の接続点P3との電位差V0は、
V0=V4−V2
=(V−i2×R4)−(V−i1×R2)
=i1×R2−i2×R4 ……(2)
となる。ここで、(1)式および(2)式から、
V0=R2/(R2+R3)×V−R4/(R4+R1)×V
={R2/(R2+R3)−R4/(R4+R1)}×V ……(3)
となる。このブリッジ回路では、外部磁界である誘導磁界Hmが印加されたときに、上記の式(3)で表された第4の接続点P4と第3の接続点P3との電位差V0を測定することにより、抵抗変化量が得られる。ここで、誘導磁界Hmが印加されたときに、抵抗値R1〜R4がそれぞれ変化量ΔR1〜ΔR4だけ変化したとすると、すなわち、誘導磁界Hmを印加後の抵抗値R1〜R4が、それぞれ
R1=R1+ΔR1
R2=R2+ΔR2
R3=R3+ΔR3
R4=R4+ΔR4
であるとすると、誘導磁界Hmの印加時における電位差V0は、式(3)より、
V0={(R2+ΔR2)/(R2+ΔR2+R3+ΔR3)−(R4+ΔR4)/(R4+ΔR4+R1+ΔR1)}×V ……(4)
となる。この電流センサでは、第1および第2のMR素子31,32の抵抗値R1,R2と、第3および第4のMR素子33,34の抵抗値R3,R4とは互いに逆方向の変化を示すように構成されているので、変化量ΔR4と変化量ΔR1とが打ち消し合うと共に、変化量ΔR3と変化量ΔR2とが打ち消し合うこととなる。このため、誘導磁界Hmの印加前後を比較した場合、式(4)の各項における分母の増加はほとんど無い。一方、各項の分子については、変化量ΔR2と変化量ΔR4とが必ず反対の符号を有するので増減が現れることとなる。
仮に、第1〜第4のMR素子31〜34の全てが完全に同一の特性を有するものとした場合、すなわち、R1=R2=R3=R4=R、かつ、ΔR1=ΔR2=−ΔR3=−ΔR4=ΔRであるとした場合、式(4)は、
V0={(R+ΔR)/(2×R)−(R−ΔR)/(2×R)}×V
=(ΔR/R)×V
となる。
このように、ΔR/R等の特性値について既知である第1〜第4のMR素子31〜34を用いるようにすれば、誘導磁界Hmの大きさを検出することができ、その誘導磁界Hmを発生する信号電流Imの大きさを推定することができる。すなわち、この磁気カプラによれば、薄膜コイル20をある電気回路に接続して信号電流Imを流すと共に、第1〜第4のMR素子31〜34からなるブリッジ回路に読出電流i0を供給することで、信号電流Imの変化が読出電流i0の変化に現れることとなる。したがって、互いに絶縁された複数の電気回路間の信号伝達を非接触で行うことができる。
本実施の形態の磁気カプラでは、第1のMR素子31における複数の帯状パターン311が、それ自身の延在方向における端縁から所定距離だけ離れた位置で連結部312によって互いに接続されているので、第1のMR素子31を流れるセンス電流i2は、帯状パターン311の端部311Zを流れることがない(図3(A)参照)。よって、センス電流i2は、帯状パターン311の端部311Zにおける磁化自由層61の磁化J61の配向乱れの影響を受けずに済み、印加される誘導磁界Hmと磁化自由層61の磁化J61の大きさとの関係におけるヒステリシスの発現が抑制される。第2〜第4のMR素子32〜34についても同様の作用が得られる。その結果、帯状パターン311,321,331,341の端部同士を接続した場合などと比べ、より高感度かつ高精度にコイルからの誘導磁界を検知することができる。
本実施の形態では、特に、帯状パターン311の延在方向における端縁311Tからの距離Lを、幅Wよりも大きくなるようにすることで、帯状パターン311の端部311Zにおける磁化自由層61の磁化J61の配向乱れの影響を確実に回避することができる。
さらに、複数の帯状パターン311の幅方向の断面における両端面35を傾斜面とし、連結部312を、帯状パターン311の上面36および両端面35を覆うように形成することで、連結部312と帯状パターン311との間の接触抵抗を低減することができ、省電力化を図ることができる。
さらに、薄膜コイル20と第1〜第4のMR素子31〜34との間に、導電膜131によって分離された複数の絶縁膜132を含む中間層13を配置するようにしたので、中間層13が単層構造である場合と比べ、その絶縁耐圧を向上させることができる。したがって、中間層13全体の厚みを減らし、第1〜第4のMR素子31〜34と薄膜コイル20との距離をより近づけたとしても従来と同等以上の絶縁耐圧を確保することも可能である。その結果、全体構成のコンパクト化が実現されると共に、より微小な信号電流Imを薄膜コイル20に流した場合であっても誘導磁界Hmを正確に検出可能であることから駆動時の消費電力低減も実現できる。
また、本実施の形態の磁気カプラでは、第1〜第4のMR素子31〜34を面内方向において挟むように、軟磁性材料からなるヨーク41〜44を薄膜コイル20の巻回中心側および巻回外周側の双方に配置したので、薄膜コイル20から発生する誘導磁界Hmの強度低下を抑制し、その誘導磁界Hmを第1〜第4のMR素子31〜34に対して効率的に及ぼすことができる。よって、より微小な信号電流Imであっても誘導磁界Hmを正確に検出することができる。したがって、駆動時において従来よりも省電力化を図ることができる。特に、ヨーク41〜44を、第1〜第4のMR素子31〜34と同じく第2の階層L2に配置するようにしたので、第2の階層L2以外にある場合と比べ、誘導磁界Hmが、より効率的に第1〜第4のMR素子31〜34に及ぶようになる。
また、本実施の形態の磁気カプラでは、薄膜コイル20が複数の直線パターン21を含み、それらが占める直線領域R21と積層方向において対応する位置に第1〜第4のMR素子31〜34を設けるようにしたので、曲線パターン22が占める曲線領域R22に対応した位置に設けた場合と比べ、安定した検出動作が発揮される。
また、本実施の形態の磁気カプラでは、薄膜コイル20の径方向における薄膜コイル20の最内周端縁と最外周端縁との中心位置CLが、薄膜コイル20の巻回外周側のヨーク42,44よりも薄膜コイル20の巻回中心側のヨーク41,43に近いので、第1〜第4のMR素子31〜34に対し、径方向において強度分布の偏りの小さい誘導磁界Hmが及ぶようになる。したがって、薄膜コイル20の径方向に延びる帯状パターン311,321,331,341において、径方向の全ての部分に亘って磁化自由層61の磁化J61が誘導磁界Hmに応じてほぼ一定の向きとなり、より正確な信号伝達を行うことができる。
また、本実施の形態の磁気カプラでは、第1から第4のMR素子31〜34を用いてそれらをブリッジ接続するようにしたので、薄膜コイル20を流れる信号電流Imの変化をより高精度に検出することができる。
<第1の実施の形態の変形例>
上記実施の形態では、帯状パターン311の平面形状を矩形とし、延在方向における端縁311Tの輪郭を直線状とした。しかしながら、図7に示した本実施の形態の変形例のように、帯状パターン311の端縁311Tの輪郭を曲線状とすれば、帯状パターン311の端部の磁化自由層61において、延在方向(Y軸方向)と異なる方向の磁化J61(を有する磁区)の発生が抑制され、全体としての磁化J61の配向性を高めることができる。その結果、端縁311Tの輪郭が直線である場合と比べ、帯状パターン311のうち、誘導磁界Hmを検出する際に利用可能な有効領域を広げることができ、検出感度を高めることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図8および図9を参照して、本発明における第2の実施の形態としての磁気カプラについて説明する。図8(A)は、本実施の形態の磁気カプラの要部(第1のMR素子31の周辺)の平面構成を表しており、上記第1の実施の形態の図2(A)に対応するものである。また、図8(B)は、図8(A)のVIIIB−VIIIB線に沿った矢視方向の断面図であり、上記第1の実施の形態の図2(B)に対応するものである。
この磁気カプラでは、上記第1の実施の形態の磁気カプラと異なり、第1〜第4のMR素子31〜34に含まれる帯状パターン311,321,331,341がY軸方向ではなくX軸方向に延在している。帯状パターン311,321,331,341では、図9に示したように、それぞれ、磁化固定層63の磁化J63が+Y方向を向き、無負荷状態での磁化自由層61の磁化J61は−X方向に向いている。なお、図9は、本実施の形態の帯状パターン311,321,331,341の構成を表す分解斜視図である。
本実施の形態の磁気カプラにおいても、上記第1の実施の形態と同様の効果(高感度化、高精度化などの効果)が得られる。特に、ヨーク41〜44の存在により、複数の帯状パターン311,321,331,341の各々に及ぶ誘導磁界Hmの強度が高まるだけでなく偏りも小さくなるので、隣り合う帯状パターン311,321,331,341同士の抵抗値のばらつきが低減される。よって、より正確な信号伝達を行うことができる。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、4つの磁気抵抗効果素子を備える例を挙げたが、その数は特に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、複数の帯状パターン311,321,331,341を互いに直列接続する場合について説明するようにしたが、例えば図10に示したように、それらを互いに並列接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、薄膜コイルが存在する第1の階層と、MR素子が位置する第2の階層とを全面的に分離するように中間層を配設したが、これに限定されるものではない。すなわち、中間層は、厚み方向における薄膜コイルとMR素子との重複領域を少なくとも占めるように、第1および第2の階層に沿って延在していればよいのであって、面内方向において複数の領域に分割して配置されていてもよい。
また、上記実施の形態等では、例えば図2(B)に示したように、基体の側から第1の階層と、中間層と、第2の階層とを順に積層するようにしたが、その積層順序はこれに限定されるものではない。すなわち、基体10の側から第2の階層と、中間層と、第1の階層L1とを順に積層するようにしてもよい。
本発明の磁気カプラは、入出力間の電気的絶縁やノイズ遮断を行いつつ信号伝達を可能とするものであり、例えば通信用信号アイソレータとして用いることができる。具体的には、例えばスイッチング電源における1次側と2次側との間で、電気的に絶縁した状態で電気信号を伝達する部品としての使用が考えられる。この通信用信号アイソレータとしては、従来フォトカプラやパルストランスが用いられているが、本発明の磁気カプラは応答性に優れる(信号伝送の遅延が少ない)、使用可能温度範囲が広い、経年変化が小さいなどの利点を有することから、それらの代替品としての利用が期待できる。
本発明における第1の実施の形態としての磁気カプラの構成を表す平面図である。 図1に示した磁気カプラの要部を拡大した平面図および断面図である。 図2に示した磁気抵抗効果素子の詳細な構成を表す平面図および断面図である。 図2に示した磁気抵抗効果素子における帯状パターンの詳細な構成を表す分解斜視図である。 図1に示した磁気カプラにおける中間層の詳細な構成を表す断面図である。 図1に示した磁気カプラにおける回路図である。 図2に示した磁気抵抗効果素子の変形例としての帯状パターンにおける磁区構造を説明するための概念図である。 本発明における第2の実施の形態としての磁気カプラの要部構成を表す平面図および断面図である。 図8に示した磁気カプラにおける帯状パターンの構成を表す分解斜視図である。 図1に示した磁気カプラにおける変形例としての磁気抵抗効果素子の構成を表す平面図。
符号の説明
10…基体、11,12,14…絶縁層、13…中間層、20…薄膜コイル、20S,20E…端子、R21…直線領域、21…直線パターン、R22…曲線領域、22…曲線パターン、31〜34…第1〜第4の磁気抵抗効果素子、35…端面、36…上面、311,321,331,341…帯状パターン、312…連結部、41〜44…ヨーク、51〜54…永久磁石層、61…磁化自由層、62…中間層、63…磁化固定層、64…反強磁性層、J61,J63…磁化。

Claims (7)

  1. コイルと、前記コイルを流れる電流によって生ずる誘導磁界を検知する磁気抵抗効果素子とを備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、帯状に延在すると共に自らの延在方向における端縁から所定距離の位置で連結部によって互いに接続された複数のサブ素子を有する
    ことを特徴とする磁気カプラ。
  2. 前記複数のサブ素子は、互いに直列または並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気カプラ。
  3. 前記連結部は非磁性導体からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気カプラ。
  4. 前記複数のサブ素子は、自らの延在方向と直交する幅方向における両端面が傾斜したものであり、
    前記連結部は、前記サブ素子の幅方向に延在し、かつ、前記サブ素子の上面および前記両端面を覆うように形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気カプラ。
  5. 前記サブ素子の延在方向における端縁からの所定距離は、前記サブ素子の幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁気カプラ。
  6. 前記サブ素子は、スピンバルブ構造を有する積層体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁気カプラ。
  7. 前記サブ素子の、延在方向における端縁は、曲線からなる輪郭を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の磁気カプラ。
JP2008092131A 2008-03-31 2008-03-31 磁気カプラ Active JP5509531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008092131A JP5509531B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 磁気カプラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008092131A JP5509531B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 磁気カプラ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009246191A true JP2009246191A (ja) 2009-10-22
JP5509531B2 JP5509531B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=41307748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008092131A Active JP5509531B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 磁気カプラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5509531B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014006126A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 磁気センサ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6240786A (ja) * 1985-08-19 1987-02-21 Fujitsu Ltd 磁気抵抗素子を用いた磁気結合アイソレ−タ−
JP2001135534A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Honda Motor Co Ltd 電気信号伝達装置
JP2004039837A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Japan Science & Technology Corp 磁界検出素子
JP2007027161A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Nec Tokin Corp 磁性薄膜素子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6240786A (ja) * 1985-08-19 1987-02-21 Fujitsu Ltd 磁気抵抗素子を用いた磁気結合アイソレ−タ−
JP2001135534A (ja) * 1999-11-05 2001-05-18 Honda Motor Co Ltd 電気信号伝達装置
JP2004039837A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Japan Science & Technology Corp 磁界検出素子
JP2007027161A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Nec Tokin Corp 磁性薄膜素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014006126A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 磁気センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP5509531B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4458149B2 (ja) 磁気カプラ
JP4131869B2 (ja) 電流センサ
JP4105147B2 (ja) 電流センサ
JP4105145B2 (ja) 電流センサ
US8760158B2 (en) Current sensor
JP3835354B2 (ja) 磁気センサ
JP5066579B2 (ja) 磁気センサ及び磁気センサモジュール
JP4245007B2 (ja) 磁気センサ
JP5440837B2 (ja) 信号伝達装置
JP5888402B2 (ja) 磁気センサ素子
WO2014148437A1 (ja) 磁気センサ
WO2010010872A1 (ja) 磁気センサ及び磁気センサモジュール
WO2018079404A1 (ja) 磁気センサおよびその製造方法
JP5413866B2 (ja) 磁気検出素子を備えた電流センサ
JP5509531B2 (ja) 磁気カプラ
JP4625743B2 (ja) 磁気検出素子
JP4404069B2 (ja) 磁気センサ
US8270127B2 (en) Magnetic coupling-type isolator
JP5556603B2 (ja) 磁気アイソレータ
JP5422890B2 (ja) 磁気カプラ
WO2011111457A1 (ja) 磁気センサ及びそれを備えた磁気平衡式電流センサ
JP4245006B2 (ja) 磁気センサ
JP2010213115A (ja) 磁気結合型アイソレータ
JP2005326373A (ja) 磁気検出素子及びこれを用いた磁気検出器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20130424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5509531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150