JP2009243617A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】dm nが140万を超えるような高速回転で使用されても寿命が長い転がり軸受を提供する。
【解決手段】玉3を、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなるものとする。
【選択図】図1
【解決手段】玉3を、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなるものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は転がり軸受に関する。
高速で摺動、回転する工作機械(旋盤、ボール盤、中ぐり盤、フライス盤、研削盤、ホーニング盤、超仕上盤、ラップ盤等)の主軸支持部等に組み込まれる転がり軸受(工作機械主軸用転がり軸受)には、工作機械の高性能化に対する要求に伴って、例えばdm n(dm :軸受内径と外径との平均値(mm)、n:回転数(min -1))が140万を超えるような高速回転に十分に耐えられることが要求されている。
下記の特許文献1には、このような要求に応えることを目的として、軸受に封入するグリースを改良することが記載されている。このグリースは、平均粒径が2μm以下の無機化合物からなる微粒子をグリース全量に対して0.1〜7質量%含み、基油の40℃における動粘度を15〜40mm2 /sとしたものである。
下記の特許文献2には、40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結体が記載されている。この文献では、窒化珪素焼結体の熱伝導率を40W/(m・K)以上とするために、酸素とアルミニウムの含有率をそれぞれ3.5質量%以下とし、密度を3.15g/cm3 以上としている。
下記の特許文献2には、40W/(m・K)以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結体が記載されている。この文献では、窒化珪素焼結体の熱伝導率を40W/(m・K)以上とするために、酸素とアルミニウムの含有率をそれぞれ3.5質量%以下とし、密度を3.15g/cm3 以上としている。
下記の特許文献3には、80W/(m・K)以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結体が記載されている。この文献では、窒化珪素焼結体の熱伝導率を80W/(m・K)以上とするために、85重量%以上99重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界相とから構成し、粒界相中にMg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho,Er,Ybのうちから選ばれる1種または2種以上の金属元素を0.5重量%以上10重量%以下含有すると共に、粒界相中のAl原子含有量を1重量%以下とし、気孔率を5%以下とし、β型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つものの割合を10体積%以上60体積%以下としている。
下記の特許文献4には、常温における熱伝導率が70W/(m・K)以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結体が記載されている。この文献では、窒化珪素焼結体の熱伝導率を70W/(m・K)以上とするために、窒化ケイ素粒子中の酸素量を1.5wt%以下としている。
下記の特許文献5には、常温における熱伝導率が50W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体で、すべり軸受の摺動面の少なくとも一部を形成することが記載されている。この文献には、窒化珪素焼結体中の酸素の含有率を5.0重量%以下、アルミニウムの含有率を0.2重量%以下に抑えることにより、常温における熱伝導率を50W/(m・K)以上にすることができると記載されている。
特開2005−163893号公報
特開平4−175268号公報
特開平9−30866号公報
特開2001−335368号公報
特開2004−218701号公報
下記の特許文献5には、常温における熱伝導率が50W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体で、すべり軸受の摺動面の少なくとも一部を形成することが記載されている。この文献には、窒化珪素焼結体中の酸素の含有率を5.0重量%以下、アルミニウムの含有率を0.2重量%以下に抑えることにより、常温における熱伝導率を50W/(m・K)以上にすることができると記載されている。
本発明の課題は、dm nが140万を超えるような高速回転で使用されても寿命が長い転がり軸受を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の転がり軸受は、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなる転動体を備えている。
熱伝導率が高い窒化珪素焼結体からなる転動体を用いることで、転動体と内外輪との転がり接触面で発生した摩擦熱が、転動体の表面から内部に早く放散して転がり接触面から直ぐに取り除かれるため、焼き付きなどの損傷が生じにくい。よって、dm nが140万を超えるような高速回転で使用された場合の寿命を長くすることができる。
なお、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体を得る方法としては、例えば、上述の特許文献2〜5に記載された方法が挙げられる。
熱伝導率が高い窒化珪素焼結体からなる転動体を用いることで、転動体と内外輪との転がり接触面で発生した摩擦熱が、転動体の表面から内部に早く放散して転がり接触面から直ぐに取り除かれるため、焼き付きなどの損傷が生じにくい。よって、dm nが140万を超えるような高速回転で使用された場合の寿命を長くすることができる。
なお、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体を得る方法としては、例えば、上述の特許文献2〜5に記載された方法が挙げられる。
本発明の転がり軸受によれば、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなる転動体を備えることで、dm nが140万を超えるような高速回転で使用された場合の寿命を長くするとができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に相当する、工作機械用アンギュラ玉軸受を示す断面図である。
この軸受は、内輪1、外輪2、玉(転動体)3、および保持器4からなる。内輪1および外輪2はSUJ2製で、通常の熱処理がなされたものである。保持器4はプラスチック製である。玉3は、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなる。
図1は、本発明の一実施形態に相当する、工作機械用アンギュラ玉軸受を示す断面図である。
この軸受は、内輪1、外輪2、玉(転動体)3、および保持器4からなる。内輪1および外輪2はSUJ2製で、通常の熱処理がなされたものである。保持器4はプラスチック製である。玉3は、常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなる。
常温における熱伝導率が10、40、80、120W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなり、直径が8.73mm(11/32インチ)である玉3を用意(日立金属株式会社より入手)し、図1の構造で型番が70BNR(dm =70mm)のアンギュラ玉軸受を組み立てた。玉3以外の構成は各サンプルで全て同じにした。
サンプルNo. 1では、常温における熱伝導率が10W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 2では、常温における熱伝導率が40W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 3では、常温における熱伝導率が80W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 4では、常温における熱伝導率が120W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。
サンプルNo. 1では、常温における熱伝導率が10W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 2では、常温における熱伝導率が40W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 3では、常温における熱伝導率が80W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。サンプルNo. 4では、常温における熱伝導率が120W/(m・K)である窒化珪素焼結体からなる玉3を用いた。
各サンプルのアンギュラ玉軸受を図2に示す試験機にかけて、オイルエアー潤滑での耐焼付き性を調べる試験を行った。この試験機は、ベルト21で駆動される回転軸22を有し、この回転軸22とハウジング23との間に試験軸受24として、図1の転がり軸受を取り付ける。また、回転軸22のベルト21とは反対側の端部に、サポート軸受25が取り付けられている。また、各試験軸受24の軸受空間に向かう流路26を設け、その入口26aに、オイルエアー導入チューブのコネクタを取り付ける。さらに、試験軸受24の外輪の温度を測定する熱電対27が設けてある。
この試験機により下記の条件で回転速度(1秒あたりの回転数:n)を変えて回転試験を行い、2時間後に試験軸受24の外輪の温度が試験前よりどれくらい上昇するかを調べた。その結果を図3のグラフに示す。
<回転試験条件>
雰囲気温度:常温
アキシャル荷重:200N
回転速度(n):5000min-1、10000min-1、15000min-1、20000min-1、25000min-1、30000min-1
オイルエアーとして供給した潤滑油:VG22(鉱油)
オイルエアー供給量:0.2ミリリットル/min
<回転試験条件>
雰囲気温度:常温
アキシャル荷重:200N
回転速度(n):5000min-1、10000min-1、15000min-1、20000min-1、25000min-1、30000min-1
オイルエアーとして供給した潤滑油:VG22(鉱油)
オイルエアー供給量:0.2ミリリットル/min
図3のグラフから分かるように、本発明の実施例に相当するNo. 2〜4では、比較例に相当するNo. 1よりも外輪温度上昇値が小さかった。また、n=20000min-1の場合にdm n=140万に相当する。nが25000min-1の場合に、No. 1では焼き付きが生じたが、No. 2〜4では焼き付きが生じなかった。よって、本発明の実施例に相当するNo. 2〜4の軸受は、比較例に相当するNo. 1の軸受よりも、オイルエアー潤滑での耐焼付き性に優れていることが分かる。また、本発明の実施例に相当するNo. 2〜4の軸受は、dm nが140万を超える場合でも、オイルエアー潤滑で焼き付きが生じないことが分かる。
また、図4に示す試験方法で、試験片を用いた耐摩耗試験を行った。上面が水平に保持された台5の上に板状の固定試験片6を置き、その上に回転円筒7を圧力Pで押し付けながら速度Vで回転させた時に、固定試験片6の表面に生じる摩耗量を測定した。
固定試験片6は、寸法が100mm×100mm×厚さ15mmで、常温における熱伝導率が10、40、80、120W/(m・K)の各値である窒化珪素焼結体からなる。回転円筒7は、寸法が直径40mm×長さ10mmであり、SUJ2製である。試験条件は、回転速度4000min-1、接触部最大面圧200MPa、試験時間10分、無潤滑とした。
固定試験片6は、寸法が100mm×100mm×厚さ15mmで、常温における熱伝導率が10、40、80、120W/(m・K)の各値である窒化珪素焼結体からなる。回転円筒7は、寸法が直径40mm×長さ10mmであり、SUJ2製である。試験条件は、回転速度4000min-1、接触部最大面圧200MPa、試験時間10分、無潤滑とした。
その結果を、固定試験片6の常温における熱伝導率が10W/(m・K)の場合の摩耗量を「1」とした比で表すと、40W/(m・K)の場合は0.5、80W/(m・K)の場合は0.2、120W/(m・K)の場合は0.1であった。これにより、常温における熱伝導率が40、80、120W/(m・K)の窒化珪素焼結体の無潤滑での耐摩耗性は、常温における熱伝導率が10W/(m・K)の窒化珪素焼結体の2〜10倍と高いことが分かる。
1 内輪
2 外輪
3 玉(転動体)
4 保持器
5 台
6 固定試験片
7 回転円筒
21 ベルト
22 回転軸
23 ハウジング
24 試験軸受
25 サポート軸受
26 オイルエアー導入用流路
26a オイルエアー導入口
27 熱電対
2 外輪
3 玉(転動体)
4 保持器
5 台
6 固定試験片
7 回転円筒
21 ベルト
22 回転軸
23 ハウジング
24 試験軸受
25 サポート軸受
26 オイルエアー導入用流路
26a オイルエアー導入口
27 熱電対
Claims (1)
- 常温における熱伝導率が40W/(m・K)以上の窒化珪素焼結体からなる転動体を備えた転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008092502A JP2009243617A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008092502A JP2009243617A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009243617A true JP2009243617A (ja) | 2009-10-22 |
Family
ID=41305754
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JP2008092502A Pending JP2009243617A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 転がり軸受 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009243617A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102996649A (zh) * | 2012-12-26 | 2013-03-27 | 浙江五洲新春集团有限公司 | 轻窄系列精密角接触球轴承的外圈加工方法 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008092502A patent/JP2009243617A/ja active Pending
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