JP2009243541A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰する。
【解決手段】第2主液室20の隔壁の一部を構成する第2ゴム弾性体17は、振幅が閾値以下のアイドル振動入力時に発生する変形量が、第1主液室14および第2主液室20の双方の隔壁の一部を構成する第1ゴム弾性体13よりも小さくなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関するものである。
この種の防振装置として、従来から例えば下記特許文献1に示されるように、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、これらの第1、第2取付け部材同士を弾性的に連結する第1ゴム弾性体と、第1取付け部材の内部を、第1ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつ第1ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室と、に区画する仕切り部材と、が備えられ、仕切り部材に主液室と副液室とを連通するオリフィス通路が形成された構成が知られている。
近年では、アイドル振動(例えば、周波数が18Hz〜40Hzで振幅が±0.2mm以下)、およびシェイク振動(例えば、周波数が8Hz〜17Hzで振幅が±0.5mm以上)の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することに対する要望がある。
このような要望に応えるための手段として、オリフィス通路に、シェイクオリフィスとシェイクオリフィスよりも液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィスとを備えさせ、入力振動の周波数や振幅に応じて、シェイクオリフィスおよびアイドルオリフィスの開閉を切り替えることにより、シェイク振動の入力時には液体をシェイクオリフィス内で流通させる一方、アイドル振動の入力時には液体をアイドルオリフィス内で流通させる構成が知られている。
この種の防振装置としては、例えば下記特許文献1に示されるように、仕切り部材に、その内部を、アイドルオリフィスの一部を構成しかつ副液室に連通したオリフィス空間と、アイドルオリフィスと隔離されかつ主液室に連通した加圧空間と、に区画するピストン部材と、オリフィス空間および加圧空間それぞれの拡縮方向に沿って延在しピストン部材が摺動自在に嵌合された軸部と、が設けられるとともに、アイドルオリフィスの一部を構成しかつオリフィス空間に向けて開口する短絡連通孔が形成された構成が提案されている。
そして、主液室内の液圧変動に伴ってピストン部材が軸部上を前記拡縮方向に摺動することで短絡連通孔を開閉することにより、シェイクオリフィスおよびアイドルオリフィスの開閉が切り替えられるようになっている。
特開2007−120598号公報
しかしながら、前記従来の防振装置では、仕切り部材に、軸部やピストン部材が設けられているので、その構造が複雑になり高コスト化を招くおそれがあった。
また、ピストン部材が軸部上を前記拡縮方向に摺動することでシェイクオリフィスおよびアイドルオリフィスの開閉を切り替えるようになっているので、ピストン部材や軸部が摩耗し易く耐久性が低下するおそれもあった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することできる防振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、これらの第1、第2取付け部材同士を弾性的に連結する第1ゴム弾性体と、前記第1取付け部材の内部を、第1ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつ第1ゴム弾性体の変形により内容積が変化する第1主液室と、隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室と、に区画する仕切り部材と、第1、第2取付け部材同士を弾性的に連結し、かつ第1ゴム弾性体を第1取付け部材の軸方向で挟む前記仕切り部材の反対側に配置された第2ゴム弾性体と、が備えられるとともに、第1ゴム弾性体と第2ゴム弾性体との間に、これらの両ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつ前記両ゴム弾性体の変形により内容積が変化する第2主液室が設けられ、前記仕切り部材に、第1主液室と副液室とを連通するアイドルオリフィスと、このアイドルオリフィスよりも液体の流通抵抗が大きく、かつ第2主液室と副液室とを連通するシェイクオリフィスと、が形成された防振装置であって、前記第2ゴム弾性体は、第1ゴム弾性体よりも剛性が高いことを特徴とする。
この発明では、第2主液室の隔壁の一部を構成する第2ゴム弾性体が、第1主液室および第2主液室の双方の隔壁の一部を構成する第1ゴム弾性体よりも剛性が高くなっているので、この防振装置に入力されたシェイク振動により第2ゴム弾性体が変形したときに、この変形に追従させて、第2主液室をその内部の液体が発揮する抵抗力に関わらず変形させ易くすることが可能になり、シェイク振動の入力時に第2主液室と副液室との間で液体を流通させることができる。
一方、アイドル振動の入力時には、アイドルオリフィスと比べて流通抵抗が大きくかつチューニング周波数帯が異なるシェイクオリフィスに目詰まりが生じて、第2主液室と副液室との間で液体が流通しなくなったとしても、剛性の低い第1ゴム弾性体が変形することにより、第1主液室と副液室との間でアイドルオリフィスを通して液体を流通させることが可能になる。この際、第1ゴム弾性体は第2ゴム弾性体よりも剛性が低いので、アイドル振動の入力時に変形してもばね定数が上昇し難くなる。なお、アイドル振動の周波数よりも高い周波数帯の振動が入力されたときについても同様の作用効果が奏される。
以上より、前述した従来技術のように仕切り部材にピストン部材や軸部等を設けなくても、前述の作用効果が奏されることから、構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することできる。
また、第1主液室がアイドルオリフィスを通して連通する副液室と、第2主液室がシェイクオリフィスを通して連通する副液室と、が共通しているので、防振装置の大型化を防ぐこともできる。
ここで、前記第1ゴム弾性体の変形量を規制する規制手段が設けられてもよい。
この場合、前記規制手段が設けられているので、アイドル振動の入力時には、第1ゴム弾性体を変形させて第1主液室を変形させる一方、シェイク振動が入力されたときに、第1ゴム弾性体の変形を規制することで第1主液室の変形を抑制した状態で、第2ゴム弾性体を変形させて第2主液室を変形させることが可能になる。
したがって、アイドルオリフィスとシェイクオリフィスとを確実に機能させることができるとともに、シェイク振動の入力時に、第2主液室の液圧変動が第1ゴム弾性体の変形により吸収されるのを抑制することが可能になり、前述の作用効果が奏される反面、シェイク振動の吸収性能および減衰性能が低下するのを防ぐことができる。
また、前記規制手段は、第1ゴム弾性体に配設された繊維であってもよい。
この場合、前記規制手段が第1ゴム弾性体に配設された繊維となっているので、アイドル振動の入力時には、前記繊維に張力を発生させずに第1ゴム弾性体を変形させる一方、シェイク振動が入力されたときに、前記繊維に張力を発生させて第1ゴム弾性体の変形を規制することが可能になり、前述の作用効果がより一層確実に奏功されることになる。
さらに、前記第2取付け部材の外周面において、前記第2ゴム弾性体が連結された部分の外径は、第1ゴム弾性体が連結された部分の外径よりも大きくてもよい。
この場合、第2取付け部材の外周面において、第2ゴム弾性体が連結された部分の外径が、第1ゴム弾性体が連結された部分の外径よりも大きくなっているので、この防振装置に振動が入力されて第1取付け部材と第2取付け部材とが前記軸方向に沿って相対的に変位したときに、この変位に追従させて、第2ゴム弾性体を第1ゴム弾性体よりも大きく変形させることが可能になり、シェイク振動の吸収性能および減衰性能を向上させることができる。
この発明によれば、構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することできる。
以下、本発明に係る防振装置の一実施形態を、図1を参照しながら説明する。この防振装置10は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材12と、これらの第1、第2取付け部材11、12同士を弾性的に連結する第1ゴム弾性体13と、第1取付け部材11の内部を後述する第1主液室14と副液室15とに区画する仕切り部材16と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、共通軸と同軸に配置されている。以下、この共通軸を中心軸線Oという。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、第2取付け部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される一方、第1取付け部材11が振動受部としての車体に連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
ここで、前記第1ゴム弾性体13は、第1取付け部材11内の前記中心軸線O方向(軸方向)における中間部に連結されている。また、第1取付け部材11の前記中心軸線O方向における他端部にはダイヤフラム19が配設されている。図示の例では、ダイヤフラム19は上面視円形状に形成されている。また、このダイヤフラム19の外周縁部は、その全周にわたって嵌合筒19aの内周面に加硫接着されている。そして、この嵌合筒19aが第1取付け部材11の前記他端部内に嵌合されることにより、ダイヤフラム19が第1取付け部材11に配設されている。
第2取付け部材12は柱状に形成されるとともに、第1取付け部材11の前記中心軸線O方向における一端開口部に配置されている。また、第2取付け部材12において、前記中心軸線O方向の一端側部分は、第1取付け部材11の一端開口部から前記中心軸線O方向の外側に位置し、かつ前記中心軸線O方向の他端側部分は、第1取付け部材11内に位置している。なお、第2取付け部材12の一端面には雌ねじ部が形成されている。
以上の構成において、第1取付け部材11の内部のうち、ダイヤフラム19と第1ゴム弾性体13との間に位置する部分が、これらのダイヤフラム19および第1ゴム弾性体13によって液密に閉塞され、例えばエチレングリコール、水、シリコーンオイル等の液体が充填された液室となっている。そして、この液室は、仕切り部材16によって、第1ゴム弾性体13を隔壁の一部に有しこの第1ゴム弾性体13の変形により内容積が変化する第1主液室14と、ダイヤフラム19を隔壁の一部に有しこのダイヤフラム19の変形により内容積が変化する副液室15と、に区画されている。
ここで、本実施形態では、第1、第2取付け部材11、12同士を弾性的に連結し、かつ第1ゴム弾性体13を前記中心軸線O方向で挟む仕切り部材16の反対側に配置された第2ゴム弾性体17が備えられている。第1ゴム弾性体13および第2ゴム弾性体17はそれぞれ上面視円環状に形成されて、外周部が第1取付け部材11に連結され、内周部が第2取付け部材12に連結されている。また、第1ゴム弾性体13および第2ゴム弾性体17は同一のゴム材質で一体に形成されている。
図示の例では、第2ゴム弾性体17により第1取付け部材11の前記中心軸線O方向の一端開口部が閉塞されている。そして、第1取付け部材11の内部のうち、第1ゴム弾性体13と第2ゴム弾性体17との間に位置する部分が、これらの両ゴム弾性体13、17によって液密に閉塞されて、前記両ゴム弾性体13、17を隔壁の一部として前述の液体が封入され、かつ前記両ゴム弾性体13、17の変形により内容積が変化する第2主液室20となっている。なお、第2主液室20は、全周にわたって連続したリング状の空間となっている。そして、第2主液室20、第1主液室14および副液室15が、前記中心軸線O方向に沿って一端側から他端側に向けてこの順に配設されている。
仕切り部材16は有底筒状に形成されており、その底壁にアイドルオリフィス24が形成されるとともに、周壁にアイドルオリフィス24よりも液体の流通抵抗が大きいシェイクオリフィス25が形成されている。
図示の例では、アイドルオリフィス24は第1主液室14と副液室15とを連通する貫通孔となっている。また、シェイクオリフィス25は、周方向で分断された周溝と、この周溝における一方の周端部から前記中心軸線O方向に沿って延在し第2主液室20に至る図示されない第1連通溝と、周溝の他方の周端部から前記中心軸線O方向に沿って延在し副液室15に至る図示されない第2連通溝と、を備えている。
そして、アイドルオリフィス24は、シェイクオリフィス25と比べて路長が短くかつ流路断面積が大きく形成されることにより、シェイクオリフィス25よりも液体の流通抵抗が小さくなっている。
ここで、本実施形態では、第1取付け部材11は、外筒11aと、外筒11a内に嵌合された内筒11bと、を備えている。外筒11aの内面は、その全域にわたってゴム膜18で被覆されている。そして、外筒11aの前記中心軸線O方向における他端部内にダイヤフラム19の嵌合筒19aが嵌合されている。また、外筒11aの前記中心軸線O方向における他端側部分に仕切り部材16が嵌合されており、シェイクオリフィス25は、その径方向外側から前記ゴム膜18で閉塞されている。
さらに、内筒11bは、前記中心軸線O方向に沿って他端側に位置する小径部11cと、一端側に位置する大径部11dとを有する二段筒状に形成されている。そして、第1ゴム弾性体13は、内筒11bの内周面において小径部11cと大径部11dとの連結部分に連結され、第2ゴム弾性体17は、内筒11bの内周面における前記中心軸線O方向の一端開口部を閉塞している。また、内筒11bの小径部11cは仕切り部材16の周壁内に嵌合されており、この仕切り部材16の周壁は、内筒11bの小径部11cおよび外筒11aにより挟まれて固定されている。
そして、本実施形態では、第2ゴム弾性体17は第1ゴム弾性体13よりも剛性が高くなっている。また図示の例では、第2ゴム弾性体17の前記中心軸線O方向における大きさ、つまり厚さは、第1ゴム弾性体13の厚さよりも大きくなっている。
ここで、第1ゴム弾性体13および第2ゴム弾性体17はそれぞれ、第1取付け部材11の径方向に沿って内側から外側に向かうに従い漸次前記中心軸線O方向の他端側に向けて延在している。
また、第2ゴム弾性体17には補強筒26が埋設されている。図示の例では、補強筒26は、第2ゴム弾性体17における前記径方向の中央部に前記中心軸線Oと同軸に配設されている。また、補強筒26の前記中心軸線O方向における一端部は、第2ゴム弾性体17において前記中心軸線O方向の一端側を向く表面から一端側に向けて突出している。
さらに、第2取付け部材12は、前記中心軸線O方向の一端部に位置する大径部12aと、他端部に位置する小径部12bと、これら12a、12bを連結する連結部12cと、を備えている。連結部12cは、その外径が前記中心軸線O方向に沿って第2ゴム弾性体17側から第1ゴム弾性体13側に向かうに従い漸次小さくなる縦断面視曲面状に形成されている。そして、この第2取付け部材12の外周面において、第2ゴム弾性体17が連結された部分の外径は、第1ゴム弾性体13が連結された部分の外径よりも大きくなっている。図示の例では、第2ゴム弾性体17の内周部は、第2取付け部材12の連結部12cに連結され、第1ゴム弾性体13の内周部は、第2取付け部材12の小径部12bに連結されている。
また、本実施形態では、防振装置10には、シェイク振動の入力時に、第1ゴム弾性体13の変形量を規制する規制手段27が設けられている。規制手段27は、第1ゴム弾性体13に埋設された例えば不織布、織布あるいは帆布等の繊維となっている。また図示の例では、この規制手段27は、第1ゴム弾性体13内にその径方向および周方向の双方における全域にわたって層をなすようにして埋設されている。さらに、規制手段27は、第1ゴム弾性体13内にその厚さ方向の中央部に配置されて完全に埋設されている。
以上説明したように、本実施形態による防振装置10によれば、第2主液室20の隔壁の一部を構成する第2ゴム弾性体17が、第1主液室14および第2主液室20の双方の隔壁の一部を構成する第1ゴム弾性体13よりも剛性が高くなっているので、この防振装置10に入力されたシェイク振動により第2ゴム弾性体17が変形したときに、この変形に追従させて、第2主液室20をその内部の液体が発揮する抵抗力に関わらず変形させ易くすることが可能になり、シェイク振動の入力時に第2主液室20と副液室15との間で液体を流通させることができる。
一方、アイドル振動の入力時には、アイドルオリフィス24と比べて流通抵抗が大きくかつチューニング周波数帯が異なるシェイクオリフィス25に目詰まりが生じて、第2主液室20と副液室15との間で液体が流通しなくなったとしても、剛性の低い第1ゴム弾性体13が変形することにより、第1主液室14と副液室15との間でアイドルオリフィス24を通して液体を流通させることが可能になる。この際、第1ゴム弾性体13は、第2ゴム弾性体17よりも剛性が低いためアイドル振動の入力時に変形してもばね定数が上昇し難くなる。なお、アイドル振動の周波数よりも高い周波数帯の振動が入力されたときについても同様の作用効果が奏される。
以上より、前述した従来技術のように仕切り部材にピストン部材や軸部等を設けなくても、前述の作用効果が奏されることから、構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することできる。
さらに、第1主液室14がアイドルオリフィス24を通して連通する副液室15と、第2主液室20がシェイクオリフィス25を通して連通する副液室15と、が共通しているので、防振装置10の大型化を防ぐこともできる。
また、本実施形態では、規制手段27が設けられているので、アイドル振動の入力時には、第1ゴム弾性体13を変形させて第1主液室14を変形させる一方、シェイク振動が入力されたときに、第1ゴム弾性体13の変形を規制することで第1主液室14の変形を抑制した状態で、第2ゴム弾性体17を変形させて第2主液室20を変形させることが可能になる。
したがって、アイドルオリフィス24とシェイクオリフィス25とを確実に機能させることができるとともに、シェイク振動の入力時に、第2主液室20の液圧変動が第1ゴム弾性体13の変形により吸収されるのを抑制することが可能になり、前述の作用効果が奏される反面、シェイク振動の吸収性能および減衰性能が低下するのを防ぐことができる。
さらに、規制手段27が、第1ゴム弾性体13に埋設された繊維となっているので、アイドル振動の入力時には、前記繊維に張力を発生させずに第1ゴム弾性体13を変形させる一方、シェイク振動が入力されたときに、前記繊維に張力を発生させて第1ゴム弾性体13の変形を規制することが可能になり、前述の作用効果がより一層確実に奏功されることになる。
また、本実施形態では、第2取付け部材12の外周面において、第2ゴム弾性体17が連結された部分の外径が、第1ゴム弾性体13が連結された部分の外径よりも大きくなっているので、この防振装置10に振動が入力されて第1取付け部材11と第2取付け部材12とが前記中心軸線O方向に沿って相対的に変位したときに、この変位に追従させて、第2ゴム弾性体17を第1ゴム弾性体13よりも大きく変形させることが可能になり、シェイク振動の吸収性能および減衰性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第2ゴム弾性体17の厚さが第1ゴム弾性体13の厚さよりも大きくなっており、また、第2ゴム弾性体17に補強筒26が埋設されているので、第2ゴム弾性体17の剛性を第1ゴム弾性体13の剛性よりも確実に高くすることが可能になる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態で示した規制手段27に代えて、第1取付け部材11の内筒11b内において第1ゴム弾性体13に前記中心軸線O方向で近接する位置に配設したストッパを採用して、第1ゴム弾性体13を、アイドル振動の入力時には前記ストッパに当接させず、シェイク振動の入力時に前記ストッパに当接させることでその変形量を規制するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、第2ゴム弾性体17の厚さを第1ゴム弾性体13の厚さよりも大きくし、かつ第2ゴム弾性体17に補強筒26を埋設したが、第2ゴム弾性体17の剛性が第1ゴム弾性体13の剛性よりも高くなれば、これらの構成のうちの少なくとも1つを採用すればよいし、あるいは前記実施形態に代えて例えば、第1ゴム弾性体13および第2ゴム弾性体17を互いに同形同大に形成し、かつ第2ゴム弾性体17を、第1ゴム弾性体13を形成するゴム材料よりも縦弾性係数が大きいゴム材料で形成する等してもよい。
さらに、規制手段27は設けなくてもよい。また、補強筒26を第2ゴム弾性体17の内部に完全に埋設してもよいし、あるいは補強筒26の前記中心軸線O方向における他端部を第2主液室20内に突出させてもよい。また、補強筒26に代えて、周方向に互いに間隔をあけて複数配置された板状体、若しくは1つの板状体を採用してもよい。
また、前記実施形態では、第1ゴム弾性体13および第2ゴム弾性体17が同一のゴム材質で一体に形成された構成を示したが、互いに異なるゴム材質で形成してもよいし、互いに独立した別体にしてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、規制手段27として、第1ゴム弾性体13内にその径方向および周方向の双方における全域にわたって層をなすようにして埋設された構成を示したが、これに代えて例えば、径方向および周方向のうちの少なくとも一方では分断された構成を採用してもよい。
さらに、前記実施形態では、規制手段27として第1ゴム弾性体13に埋設された繊維を示したが、第1ゴム弾性体13において第2主液室20を画成する表面若しくは第1主液室14を画成する裏面のうちの少なくとも一方に配設された繊維を採用してもよい。
また、第2取付け部材12の連結部12cは、前記実施形態に代えて、例えば外径が前記中心軸線O方向に沿って第2ゴム弾性体17側から第1ゴム弾性体13側に向かうに従い漸次小さくなる縦断面視平面状に形成してもよいし、連結部12cを有しない第2取付け部材12を採用し、第2ゴム弾性体17を大径部12aに連結してもよい。
構造を複雑にしたり耐久性を低下させたりすることなく、アイドル振動およびシェイク振動の別を問わず双方を確実に吸収および減衰することできる。
本発明に係る一実施形態として示した防振装置の縦断面図である。
符号の説明
10 防振装置
11 第1取付け部材
12 第2取付け部材
12b 連結部(第2ゴム弾性体が連結された部分)
12c 小径部(第1ゴム弾性体が連結された部分)
13 第1ゴム弾性体
14 第1主液室
15 副液室
16 仕切り部材
17 第2ゴム弾性体
20 第2主液室
24 アイドルオリフィス
25 シェイクオリフィス
27 規制手段
O 中心軸線

Claims (4)

  1. 振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付け部材と、
    振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付け部材と、
    これらの第1、第2取付け部材同士を弾性的に連結する第1ゴム弾性体と、
    前記第1取付け部材の内部を、第1ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつ第1ゴム弾性体の変形により内容積が変化する第1主液室と、隔壁の少なくとも一部が変形可能に形成され、かつ液体が封入される副液室と、に区画する仕切り部材と、
    第1、第2取付け部材同士を弾性的に連結し、かつ第1ゴム弾性体を第1取付け部材の軸方向で挟む前記仕切り部材の反対側に配置された第2ゴム弾性体と、が備えられるとともに、第1ゴム弾性体と第2ゴム弾性体との間に、これらの両ゴム弾性体を隔壁の一部として液体が封入され、かつ前記両ゴム弾性体の変形により内容積が変化する第2主液室が設けられ、
    前記仕切り部材に、第1主液室と副液室とを連通するアイドルオリフィスと、このアイドルオリフィスよりも液体の流通抵抗が大きく、かつ第2主液室と副液室とを連通するシェイクオリフィスと、が形成された防振装置であって、
    前記第2ゴム弾性体は、第1ゴム弾性体よりも剛性が高いことを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置であって、
    前記第1ゴム弾性体の変形量を規制する規制手段が設けられていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2記載の防振装置であって、
    前記規制手段は、第1ゴム弾性体に配設された繊維であることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記第2取付け部材の外周面において、前記第2ゴム弾性体が連結された部分の外径は、第1ゴム弾性体が連結された部分の外径よりも大きいことを特徴とする防振装置。
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