JP2009243398A - 内燃機関の制御方法及び該方法を実行するプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】要求負荷が一定の際に、吸気管圧力(TVO),有効圧縮比(θVVT),燃料供給量(FP),点火時期(SA)の4つの制御パラメータを、第1制御パラメータ値に設定して運転する定常時運転工程と、4つの制御パラメータを要求負荷変化に応じた第2制御パラメータ値に設定して運転する過渡時運転工程とを備え、過渡時運転工程は、過渡期間中に、4つの制御パラメータの少なくとも1つを第1順序で順次に補正して第1制御パラメータ値から第2制御パラメータ値に異ならせる工程と、第1の制御パラメータ値から第2制御パラメータ値に異ならせた制御パラメータを、第2順序で順次に第1の制御パラメータ値に戻す工程とを備えた。
【選択図】図7
Description
図1は車両パワートレインの説明図、図2はエンジンシステムの概略構成図、図3は通常運転状態におけるエンジン制御フローチャート、図4はエンジン制御器の機能ブロック図、図5はトルク余裕テーブルの説明図、図6は期間制限テーブルの説明図、図7は定常状態からの急加速シーンでの制御パラメータ切替え制御の説明図、図8は定常状態からの減速シーンでの制御パラメータ切替え制御の説明図、図9はアイドル状態における負荷要求シーンでの制御パラメータ切替え制御の説明図である。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、左右の後輪2a,2bが駆動輪,左右の前輪が従動輪であるFR車両であり、この車両1のパワートレイン3は、エンジン4と、このエンジンに接続された自動変速機5等を備えて構成されている。
エンジン制御器100は、種々のセンサからの信号に基づき、エンジン4に付随するアクチュエータに制御信号を出力してエンジン4を制御する。また、エンジン制御器100は、自動変速機5の変速段を変速マップに基づいて自動制御する変速制御や、ロックアップクラッチ5bに対する締結制御等を行う。
吸気カムシャフト31の位相角は、カム位相センサ35により検出され、その出力信号θVVT_Aがエンジン制御器100に入力される。
図4は、この制御を行うためのエンジン制御器100の機能ブロック図である。本実施形態では、要求負荷変化制御を行うために、エンジン制御器100は、加速度目標設定部110と、加速度目標制御部120と、トルク目標制御部130と、回転数目標設定部140と、回転数目標制御部150とを備えている。
フィードバック制御部121は、制御要素であり、比較部から受け取った目標加速度GDと予測加速度GSとの偏差e(=GD−GS)である動作信号により、エンジンの仮想の操作量(仮想制御パラメータ)であるスロットル開度TVO,点火時期SA,バルブ位相角θVVT,燃料噴射FPをフィードバック制御により調整し、エンジンモデル122に出力する。
このフィードバック制御部121は、例えばPI制御器で構成することができる。この場合、偏差eを入力としたときの出力は以下の式で表される。
SA_n=SA_n-1+en・KI2+(en−en-1)・KP2
θVVT_n=θVVT_n-1+en・KI3+(en−en-1)・KP3
FP_n=FP_n-1+en・KI4+(en−en-1)・KP4
上式中、変数をXとしたとき、X_n,X_n-1は、それぞれ今回の処理値,前回(単位ステップ時間前)の処理値を表している。また、KI,KPは、それぞれ積分係数,比例係数である。
エンジンモデル122,車両モデル123は、それぞれエンジン4,車両の駆動系の計算モデルである。エンジン4及び車両の駆動系は、機械系のガタ,すべり,弾性等に起因する応答遅れ時間(無駄時間)を有している。
車両モデル123は、目標トルクTQDを受け取り、車両運転条件に応じて、車両に発生する加速度の予測値(予測加速度GS)を出力し、これを比較部に戻している。
これにより、加速度目標制御部120では、制御量である予測加速度GSを理想的な加速度波形に収束させ、これらの偏差を極めて低減することができる。
具体的には、トルク目標制御部130は、目標トルクTQDの定常状態からの変位分を補償するため、最適手段選択部132により、上記4つの制御パラメータから出力値を変更する制御パラメータを決定すると共に、決定した制御パラメータの補正量,変更時期又は変更順序を決定し、さらに、エンジン逆モデル131により、決定した制御パラメータ(又はその組合せ)で目標トルクTQDを達成できるように各制御パラメータ(TVOD,SAD,θVVT_D,FPD)の出力値を算出する。
このようにトルク目標制御部130から出力される操作量によってエンジン4を制御することにより、車両パワートレイン3を、目標加速度GD又は目標回転数NDに近似した滑らかな加速度波形又は回転数波形を形成するように作動させることができる。
最適手段選択部132は、要求負荷が一定の定常状態から要求負荷が変化する種々のシーンで適切に上記4つの制御パラメータから出力値を変更する制御パラメータ,及び各制御パラメータの補正量,変更時期(変更開始時期,変更終了時期)又は変更順序を決定するための2種類のテーブル(トルク余力テーブル133,期間制限テーブル134)を有している。上記シーンには、定常状態からの急加速シーン及び減速シーン,アイドル中での空調機作動開始シーン,アイドル中でのパワーステアリングシステム作動シーン等が含まれる。
図6に、ある車両運転条件での期間制限テーブル134の例を示す。図6では、例えば、ノッキングの発生について、スロットル開度TVOの制御では影響度合がゼロであり、点火時期SAを最大限度まで進角した場合の影響度合は7である。
エンジン逆モデル131は、負荷要求が一定の定常状態における上記4つの制御パラメータの出力値(第1パラメータ値)を記憶しており、負荷要求が変化した過渡時には、目標トルクTQDを達成するべく、新たに4つの制御パラメータの出力値(第2パラメータ値)を算出する。
このとき、エンジン逆モデル131は、選択された各制御パラメータが決定された補正量を補償し、選択されなかった制御パラメータが定常状態と同じ出力値を保持するように、新たに4つの制御パラメータの出力値を算出する。これにより、目標トルクTQDの変位量は、選択された制御パラメータによって補償される。
なお、ある制御パラメータについて、許容された最大トルク量(余裕トルク量)の50%を増加させるように補正量を設定した場合には、影響度合は補正量に応じた値、すなわち50%の値に見積もられる。
図7の例では、時間t0までは車両は定速走行しており、時間t0にアクセルが全開方向に踏み込まれ、この結果アクセル開度信号αが増加する。そして、目標加速度GDは、所定時間で急激に増加して時間t7に最大値に到達し、その後緩やかに減少する。
そして、エンジン逆モデル131は、時間t0における4つの制御パラメータの出力値を記憶しておき、選択された2つの制御パラメータの出力値のみを補正して、目標トルクTQDを達成するように、スロットル開度TVOD,点火時期SAD,バルブ位相角θVVT_D,燃料噴射FPDを算出する。これにより、各補正量に応じて、スロットル開度TVODは全開方向への変位量が増大されるように補正され、点火時期SADは進角量が増大されるように補正される。
なお、要求負荷変化が小さい場合には、スロットル開度TVOを選択したことによる補正分だけで目標トルクTQDを補償することができるので、燃料噴射FPやバルブ位相角θVVTは選択されない。
また、時間t7以降の加速度の減少フェーズでは、時間t4に燃費悪化の影響度合の累積値が閾値に達し、燃費フラグがオンとなり、最適手段選択部132は、影響度の大きい燃料噴射FPの選択を停止する。これにより、燃料噴射FP_Dは、定常状態の出力値に戻される。
その後、再び定常状態に達すると、エンジン制御器100は、図3に示した通常の制御フローにしたがって、エンジン4の制御を行う。
図8の例では、時間t10までは定速走行しており、時間t10にアクセルが減速(オフ)方向に戻され、この結果アクセル開度信号αが減少する。そして、目標加速度GDは、所定時間で負の加速度が滑らかに大きくなり、その後、変速段の制御を伴うが全体として緩やかに絶対値が減少している。
さらに、時間t14にエミッションフラグがオンとなるので、最適手段選択部132は、影響度の大きいバルブ位相角θVVTの選択を停止する。エンジン逆モデル131は、時間t14から時間t15の間はスロットル開度TVOD及び点火時期SADの補正量を決定し、バルブ位相角θVVT_Dを定常状態の出力値に戻す。
図9(B)の例では、最適手段選択部132は、時間t20当初からスロットル開度TVO及び点火時期SAを選択する。点火時期SAを選択する理由は、作動スイッチをオンにしたときの回転数の落ち込みを防止するためである。
そして、最適手段選択部132は、時間t21に燃料噴射FPを選択し、時間t22にさらにバルブ位相角θVVTを選択する。
3 車両パワートレイン
4 エンジン
5 自動変速機
32 VVT
51 点火プラグ
52 点火システム
53 燃料噴射弁
54 燃料供給システム
57 スロットル弁
58 スロットル・アクチュエータ
75 アクセル開度センサ
76 車速センサ
100 エンジン制御器
110 加速度目標設定部
120 加速度目標制御部
121 フィードバック制御部
122 エンジンモデル
123 車両モデル
130 トルク目標制御部
131 エンジン逆モデル
132 最適手段選択部
133 トルク余力テーブル
134 期間制限テーブル
140 回転数目標設定部
150 回転数目標制御部
Claims (6)
- 所定の運転条件において要求負荷が一定の際に、吸気管圧力,有効圧縮比,燃料供給量及び点火時期からなる4つの制御パラメータを、前記要求負荷に応じた第1制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する定常時運転工程と、
前記所定の運転条件において要求負荷が変化する際に、前記4つの制御パラメータを、前記要求負荷変化に応じた第2制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する過渡時運転工程と、を備え、
前記第2制御パラメータ値は、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つが前記第1制御パラメータ値と異なるものであって、
前記過渡時運転工程は、
過渡期間中に、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つを第1順序で順次に補正して前記第1制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせる工程と、
前記第1の制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせた制御パラメータを、前記第1順序と異なる第2順序で順次に前記第1の制御パラメータ値に戻す工程と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御方法。 - 前記過渡時運転工程は、運転条件に応じて前記第1順序を変更する工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
- 前記過渡時運転工程は、運転条件に応じて前記第2順序を変更する工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御方法。
- 所定の運転条件において要求負荷が一定の際に、吸気管圧力,有効圧縮比,燃料供給量及び点火時期からなる4つの制御パラメータを、前記要求負荷に応じた第1制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する定常時運転工程と、
前記所定の運転条件において要求負荷が変化する際に、前記4つの制御パラメータを、前記要求負荷変化に応じた第2制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する過渡時運転工程と、を備え、
前記第2制御パラメータ値は、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つが前記第1制御パラメータ値と異なるものであって、
前記過渡時運転工程は、
過渡期間中に、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つを第1順序で順次に補正して前記第1制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせる工程と、
前記第1の制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせた制御パラメータを、第2順序で順次に前記第1の制御パラメータ値に戻す工程と、
運転条件に応じて前記第1順序を変更する工程と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御方法。 - 所定の運転条件において要求負荷が一定の際に、吸気管圧力,有効圧縮比,燃料供給量及び点火時期からなる4つの制御パラメータを、前記要求負荷に応じた第1制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する定常時運転工程と、
前記所定の運転条件において要求負荷が変化する際に、前記4つの制御パラメータを、前記要求負荷変化に応じた第2制御パラメータ値に設定して内燃機関を運転する過渡時運転工程と、を備え、
前記第2制御パラメータ値は、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つが前記第1制御パラメータ値と異なるものであって、
前記過渡時運転工程は、
過渡期間中に、前記4つの制御パラメータの少なくとも1つを第1順序で順次に補正して前記第1制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせる工程と、
前記第1の制御パラメータ値から前記第2制御パラメータ値に異ならせた制御パラメータを、第2順序で順次に前記第1の制御パラメータ値に戻す工程と、
運転条件に応じて前記第2順序を変更する工程と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御方法。 - 内燃機関を制御する制御器で実行されることによって、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御方法を実現するプログラム。
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JP2008092521A JP2009243398A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 内燃機関の制御方法及び該方法を実行するプログラム |
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2008
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