JP2009242983A - ゴム製品補強用スチールコード、空気入りタイヤおよびゴムクローラー - Google Patents

ゴム製品補強用スチールコード、空気入りタイヤおよびゴムクローラー Download PDF

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Abstract

【課題】4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコードにおいて、コードの破断強度(破断荷重)を最大限高めることができるようにする。
【解決手段】芯ストランドの撚りピッチを小さくするなどの手段により、破断強度(破断荷重)を低下させずに破断伸びを増加させ、それにより、芯ストランドの破断伸びが、側ストランドの破断伸びより大きく、かつ芯ストランドの破断荷重が側ストランドの破断荷重と同等以上となるようにする(d)。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用、特に建設車両用のタイヤ(空気入りタイヤ)、コンバイン、パワーショベル、トラクター、ブルドーザーなどのゴムクローラー(キャタピラ)、コンベアベルト等のゴム製品の補強材として使用されるゴム製品補強用スチールコード(以下、単に「コード」ということもある)に関するものである。
建設車両用タイヤのカーカスに使用されているスチールコードには、タイヤが路面の凹凸や落ちた小石等に乗り上げるなどしたときに衝撃荷重がかかる。また、ゴムクローラーに使用されているスチールコードの場合も、悪路などでゴムクローラーが突起物に乗り上げるなどしたときに衝撃荷重がかかる。建設車両用タイヤやゴムクローラーの補強材であるスチールコードは、こうした悪条件にさらされるため、特に高い破断強度(破断荷重)が要求される。そこで、建設車両用タイヤやゴムクローラーの補強材としてのスチールコードは、4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコードとされ、一般的には、コストの面(製造にしやすさ)から、(1+6)構造の同じストランドを7本撚り合わせた7×(1+6)構造のコード(例えば、特許文献1参照。)が用いられている。
特開2001−20188号公報
建設車両用タイヤやゴムクローラーは、衝撃が繰り返し負荷される悪条件下で使用されため、補強材であるスチールコードには、衝撃に耐える高い破断強度(破断荷重)が要求されるということで、上記のように、4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコード、特に、1+6構造の同じストランドを7本撚り合わせた7×(1+6)構造のコードが従来から用いられているが、高寿命化の要求の高まりに伴って、さらに高い破断強度を有するコードが望まれるようになってきており、従来のスチールコードでは、そうした要求に応えることができない。
コードを構成する素線本数を増やしたり、素線を太くすれば、コードの破断強度を上げることができるが、その場合は、コード径が太くなり、コードを埋め込むゴムの量が増加するため、コストアップになり、また、タイヤやゴムクローラーの補強材として使用する場合、重量が増加して、燃費が悪くなる。
また、素線本数を増やしたり、素線を太くするのでなくて、加工方法(トータル加工度や熱処理条件)の変更によって、素線の破断強度を上げることもできる。そこで、本発明者は、トータル加工度を上げる方法で素線の破断強度を高め、こうして破断強度を高めた素線を撚り合わせてコードを製造してみた。しかし、そうして製造したコードの破断強度は、計算した破断強度まで上がらず、所期の破断強度まで達しなかった。本発明者は、コードの破断強度が所期の破断強度まで上がらなかった原因を鋭意研究した結果、芯ストランドの破断が原因であることを突き止めた。
建設車両用タイヤやゴムクローラー等に従来から使用されている、4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコードでは、芯ストランドはコード長手方向に真っ直ぐな状態で中心に配置されている。そして、側ストランドは、この真っ直ぐな状態の芯ストランドの周りに巻きつくように撚られている。つまり、コードは、芯ストランドに比べて側ストランドが伸びやすい状態で撚られている。したがって、コードに引張り荷重がかかり、コードが伸びると、芯ストランドと側ストランドの全てに引張り荷重が均等に分散されて作用するのではなく、芯ストランドに偏って力(引張り荷重)が作用することになる。そのため、引張り荷重が大きいと、芯ストランドが先に破断してしまうことになり、その時の引張り荷重がコードの破断強度(破断荷重)ということになる。芯ストランドと側ストランドの全てがコードに作用する引張り荷重を均等に分担することで、コードの破断強度は計算上最大となる。しかし、どれか1つのストランドが先に破断してしまうと、その時点での引張り荷重がコードの破断強度ということで、コードの破断強度は理論上(計算上)の最大破断強度まで上がらない。
したがって、4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコードにおいて、コードの破断強度(破断荷重)を最大限高めることができるようにすることが課題である。
本発明は、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の側ストランドを6本撚り合わせて成るA+6×B構造(A:1+P、3+Qまたは1×R、B:1+P、3+Qまたは1×R)または7×N構造(N:1+P、3+Qまたは1×R)のスチールコードであって、芯ストランドの破断伸びが側ストランドの破断伸びより大きく、かつ芯ストランドの破断荷重が側ストランドの破断荷重と同等以上であることを特徴とするゴム製品補強用スチールコードを提供する。
このコードは、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の側ストランドを6本撚り合わせて成るA+6×B構造(A:1+P、3+Qまたは1×R、B:1+P、3+Qまたは1×R)または7×N構造(N:1+P、3+Qまたは1×R)構造のスチールコードであって、芯ストランドがコード長手方向に真っ直ぐな状態で中心に配置され、側ストランドが、この真っ直ぐな状態の芯ストランドの周りに巻きつくように、つまり側ストランドが伸びやすい状態で撚られているが、その伸びやすい状態で撚られているために破断伸びが大きい側ストランドよりも、芯ストランドの方が破断伸びが大きく、かつ芯ストランドの破断荷重が側ストランドの破断荷重と同等以上であるため、コードにかかる引張り荷重が大きくなり、コードの伸びが大きくなっても、側ストランドより先に芯ストランドが破断することはなく、側ストランドが先に破断し、その側ストランドが破断したときの引張り荷重がコードの破断荷重(破断強度)ということになる。そして、そのコード破断荷重は、側ストランド6本分の破断荷重に、破断時のコードの伸びに対応する芯ストランドの引張り荷重を加えたもので、理論上の最大破断強度に近づく。したがって、コードの破断強度(破断荷重)を最大限高めることができ、高寿命化の要求に応えることができる。
また、本発明は、上記スチールコードをカーカスに適用して成る空気入りタイヤを提供する。この空気入りタイヤは、補強材であるスチールコードの破断強度が高く、建設車両用等の悪条件下での使用に好適で、高寿命化の要求に応えることができる。
また、本発明は、上記スチールコードを適用して成るゴムクローラーを提供する。このゴムクローラーは、補強材であるスチールコードの破断強度が高く、コンバイン、パワーショベル、トラクター、ブルドーザーなどのゴムクローラーとして悪条件下での使用に好適で、高寿命化の要求に応えることができる。
このように、本発明によれば、4〜27本の素線を撚り合わせた芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた側ストランドを複数本撚り合わせて成るスチールコードにおいて、コードの破断強度(破断荷重)を最大限高めることができ、空気入りタイヤやゴムクローラー等に適用して悪条件下で使用でき、高寿命化の要求に応えることができる。
図1〜図4は、本発明の実施形態のスチールコードを示している。図1は(3+8)+6×(3+9)構造のスチールコードの断面図、図2は(1+6)+6×(1×12)構造のスチールコードの断面図、図3は7×(1×12)構造のスチールコードの断面図、図4は7×(1+6)構造のスチールコードの断面図である。
図1に示すスチールコード100は、3本のスチールフィラメント11(素線)を撚り合わせたコア12の周囲に8本のスチールフィラメント13(素線)を撚り合わせて成る計11本の素線を撚り合わせた3+8構造の芯ストランド14の周囲に、3本のスチールフィラメント15(素線)を撚り合わせたコア16の周囲に9本のスチールフィラメント17(素線)を撚り合わせて成る計12本の素線を撚り合わせた3+9構造の側ストランド18を、6本撚り合わせて成る、(3+8)+6×(3+9)構造のスチールコードである。
この(3+8)+6×(3+9)構造のスチールコード100を、例えば芯ストランド14の撚りピッチを小さくするなどの手段により、破断強度(破断荷重)を低下させずに破断伸びを増加させ、それにより、芯ストランド14の破断伸びが、側ストランド18の破断伸びより大きく、かつ芯ストランド14の破断荷重が側ストランド18の破断荷重と同等以上となるようにする。
図示の例は(3+8)+6×(3+9)構造であるが、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)または3+Q構造(Q=1〜24)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)または3+Q構造(Q=1〜24)の側ストランドを6本撚り合わせて成るA+6×B構造(A:1+Pまたは3+Q、B:1+Pまたは3+Q)構造のその他のスチールコードでも同様である。
また、図2に示すスチールコード200は、1本のスチールフィラメント21(素線)からなるコア22の周囲に6本のスチールフィラメント23(素線)を撚り合わせて成る計7本の素線を撚り合わせた1+6構造の芯ストランド24の周囲に、12本のスチールフィラメント27(素線)を撚り合わせた1×12構造の側ストランド28を、6本撚り合わせて成る、(1+6)+6×(1×12)構造のスチールコードである。
この(1+6)+6×(1×12)構造のスチールコード200を、例えば芯ストランド24の撚りピッチを小さくするなどの手段により、破断強度(破断荷重)を低下させずに破断伸びを増加させ、それにより、芯ストランド24の破断伸びが、側ストランド28の破断伸びより大きく、かつ芯ストランド24の破断荷重が側ストランド28の破断荷重と同等以上となるようにする。
図示の例は(1+6)+6×(1×12)構造であるが、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)または3+Q構造(Q=1〜24)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1×R構造(R=4〜27)の側ストランドを6本撚り合わせて成るA+6×B構造(A:1+Pまたは3+Q、B:1×R)のその他のスチールコードでも同様である。
また、図3に示すスチールコード300は、12本のスチールフィラメント33(素線)を撚り合わせた1×12構造の芯ストランド34の周囲に、12本のスチールフィラメント37(素線)を撚り合わせた1×12構造の側ストランド38を、6本撚り合わせて成る、7×(1×12)構造のスチールコードである。
この7×(1×12)構造のスチールコード300を、例えば芯ストランド34の撚りピッチを小さくするなどの手段により、破断強度(破断荷重)を低下させずに破断伸びを増加させ、それにより、芯ストランド34の破断伸びが、側ストランド38の破断伸びより大きく、かつ芯ストランド34の破断荷重が側ストランド38の破断荷重と同等以上となるようにする。
図示の例は7×(1×12)構造であるが、4〜27本の素線を撚り合わせた1×R構造(R=4〜27)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1×R構造(R=4〜27)の側ストランドを6本撚り合わせて成る7×N構造(N:1×R)のその他のスチールコードでも同様である。
また、図4に示すスチールコード400は、1本のスチールフィラメント41(素線)からなるコア42の周囲に6本のスチールフィラメント43(素線)を撚り合わせて成る計7本の素線を撚り合わせた1+6構造の芯ストランド44の周囲に、1本のスチールフィラメント45(素線)からなるコア46の周囲に6本のスチールフィラメント47(素線)を撚り合わせて成る計7本の素線を撚り合わせた1+6構造の側ストランド48を、6本撚り合わせて成る、7×(1+6)構造のスチールコードである。
この7×(1+6)構造のスチールコード400を、例えば芯ストランド44の撚りピッチを小さくするなどの手段により、破断強度(破断荷重)を低下させずに破断伸びを増加させ、それにより、芯ストランド44の破断伸びが、側ストランド48の破断伸びより大きく、かつ芯ストランド44の破断荷重が側ストランド48の破断荷重と同等以上となるようにする。
図示の例は7×(1+6)構造であるが、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)または3+Q構造(Q=1〜24)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)または3+Q構造(Q=1〜24)の側ストランドを6本撚り合わせて成る7×N構造(N:1+Pまたは3+Q)のその他のスチールコードでも同様である。
図1〜図4に示すスチールコード(100、200、300または400)は、それぞれ1本の芯ストランド(14、24、34または44)の周囲に6本の側ストランド(18、28、38または48)を撚り合わせたもので、芯ストランドがコード長手方向に真っ直ぐな状態で中心に配置され、側ストランドが、この真っ直ぐな状態の芯ストランドの周りに巻きつくように、つまり側ストランドが伸びやすい状態で撚られているが、その伸びやすい状態で撚られているために破断伸びが大きい側ストランドよりも、芯ストランドの方が破断伸びが大きく、かつ芯ストランドの破断荷重が側ストランドの破断荷重と同等以上であるため、コードにかかる引張り荷重が大きくなり、コードの伸びが大きくなっても、側ストランドより先に芯ストランドが破断することはなく、側ストランドが先に破断し、その側ストランドが破断したときの引張り荷重がコードの破断荷重(破断強度)ということになる。そして、そのコード破断荷重は、側ストランド6本分の破断荷重に、破断時のコードの伸びに対応する芯ストランドの引張り荷重を加えたもので、理論上の最大破断強度に近づく。したがって、コードの破断強度(破断荷重)を最大限高めることができ、高寿命化の要求に応えることができる。
芯ストランドの破断伸びをEc(%)、側ストランドの破断伸びをEs(%)、芯ストランドの破断荷重をSc(N)、側ストランドの破断荷重をSs(N)とすると、コードの破断荷重は、芯ストランドと側ストランドとが同時に切断することを前提として、理論上は、最大で1×Sc+6×Ss(N)となる。ただし、芯ストランドと側ストランドとが同時に破断するようにすることは非常に難しいことで、実際にはいずれかのストランドが先に破断し、これにともなって他のストランドが破断する。そのため、理論上の最大破断強度を達成することはできない。また、コードの破断荷重は、実際には撚り合わせることによって理論上の破断荷重よりは少し小さい値となる。これは撚り減りと一般的に称されるもので、実際の破断荷重は理論上の破断荷重より20%程度低下する。その低下割合である撚り減り率αは、コードの実際の破断荷重をB、素線(ストランド)の集合破断荷重をBwとして、α=(1−B/Bw)×100で定義される。
このように芯ストランドと側ストランドとが同時に破断するようにすることは難しく、破断荷重の撚り減りもあり、その他、コードの締まりによる伸びもあるため、実際には、理論上の最大破断強度を達成することはできないが、本発明の実施形態のスチールコード(100、200、300または400)は、芯ストランド(14,24,34,44)の破断伸びが、側ストランド(18,28,38,48)の破断伸びより大きく、かつ芯ストランド(14,24,34,44)の破断荷重が側ストランド(18,28,38,48)の破断荷重と同等以上であることにより、上記のようにコード破断荷重は、理論上の最大破断強度に最大限近づく。
図5は、芯ストランドと側ストランドとから成るスチールコードの破断荷重の特性を示すもので、(a)〜(c)は比較例に係るグラフ、(d)は本発明のスチールコードに係るグラフである。これらのグラフは、破断荷重の撚り減りや、コードの締まりによる伸びを考慮に入れないものであるが、破断荷重の撚り減りや、コードの締まりによる伸びを考慮に入れた場合の特性も、基本的にはこれと同様である。
[I]Ec≦Es、Sc≧Ss の場合:図5(a)
コードに引張り荷重が作用して、コード伸びがEc(%)に達すると、芯ストランドが側ストランドより先に破断する。そのときのコード破断荷重は、Sc+6X(N)である。側ストランドは芯ストランドの周りに巻きつくように撚られるから芯ストランドに比べて伸びやすい状態で撚られている。よって、EC=ESでもコードにおいては芯ストランドの方が先に破断してしまう。
[II]Ec≦Es、Sc<Ss の場合:図5(b)
コードに引張り荷重が作用して、コード伸びがEc(%)に達すると(芯ストランドに作用する引張り荷重がSc(N)に達すると)、芯ストランドが側ストランドより先に破断する。このときのコード破断荷重は7Sc(N)である。
[III]Ec>Es、Sc<Ssの場合:図5(c)
コードに引張り荷重が作用して、コード伸びがEc(%)に達すると、側ストランドが芯ストランドより先に破断する。そのときのコード破断荷重は6Ss+Y(N)である。
[IV]Ec>Es、Sc≧Ssの場合:図5(d)
コードに引張り荷重が作用して、コード伸びがEc(%)に達すると、側ストランドが芯ストランドより先に破断する。そのときのコード破断荷重は6Sc+Z(N)となる。
これら[I]〜[IV]の内で、コード破断荷重が一番大きいのは[IV]の場合である。
なお、破断強度を低下させずに芯ストランドの破断伸びを増加させる手段としては、上記のように撚りピッチを小さくするのが最も効果的であるが、これに限られるものではない。例えば、芯ストランドの構成の変更により、破断強度を低下させずに破断伸びを増加させることも可能である。熱処理で破断伸びを増加させる手段は、破断強度が低下してしまうので適当でない。
これらのスチールコード(100、200、300、400)は、ゴム製品補強用スチールコードとして、車両用、特に建設車両用のタイヤ(空気入りタイヤ)、コンバイン、パワーショベル、トラクター、ブルドーザーなどのゴムクローラー(キャタピラ)、コンベアベルト等のゴム製品の補強材として使用するのに好適である。特に、これらのスチールコードをカーカスに適用して成る空気入りタイヤは、補強材であるスチールコードの破断強度が高く、建設車両用等の悪条件下での使用に好適で、高寿命化の要求に応えることができる。また、これらのスチールコードを適用して成るゴムクローラーは、補強材であるスチールコードの破断強度が高く、コンバイン、パワーショベル、トラクター、ブルドーザーなどのゴムクローラーとして悪条件下での使用に好適で、高寿命化の要求に応えることができる。
表1は、図1に示す(3+8)+6×(3+9)構造で、芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係を本発明の設定とした実施例のスチールコード1種類と、同じ構成で芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係が本発明の設定とは異なる比較例3種類について、また、図2に示す(1+6)+6×(1×12)構造に類する(1+6)+6×(1×7)構造で、芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係を本発明の設定とした実施例のスチールコード2種類と、同じ構成で芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係が本発明の設定とは異なる比較例2種類について、また、図3に示す7×(1×12)すわち(1×12)+6×(1×12)構造で、芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係を本発明の設定とした実施例のスチールコード1種類と、同じ構成で芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びとの関係が本発明の設定とは異なる比較例1種類について、芯ストランドの破断荷重および破断伸びと側ストランドの破断荷重および破断伸びの実測データを、図5の(a)〜(d)との対応関係とともに一覧表示したものである。
Figure 2009242983
本発明の実施形態の(3+8)+6×(3+9)構造のスチールコードの断面図である。 本発明の実施形態の(1+6)+6×(1×12)構造のスチールコードの断面図である。 本発明の実施形態の7×(1×12)構造のスチールコードの断面図である。 本発明の実施形態の7×(1+6)構造のスチールコードの断面図である。 芯ストランドと側ストランドとから成るスチールコードの破断荷重の特性を示すもの、(a)〜(c)は比較例に係るグラフ、(d)は本発明のスチールコードに係るグラフである。
符号の説明
11、21、41 スチールフィラメント
12、22、42 コア(芯ストランドのコア)
13、23、33、43 スチールフィラメント
14、24、34、44 芯ストランド
15、45 スチールフィラメント
16、46 コア(側ストランドのコア)
17、27、37、47 スチールフィラメント
18、28,38、48 側ストランド
100、200、300、400 スチールコード

Claims (3)

  1. 4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の芯ストランドの周囲に、4〜27本の素線を撚り合わせた1+P構造(P=3〜26)、3+Q構造(Q=1〜24)または1×R構造(R=4〜27)の側ストランドを6本撚り合わせて成るA+6×B構造(A:1+P、3+Qまたは1×R、B:1+P、3+Qまたは1×R)または7×N(N:1+P、3+Qまたは1×R)構造のスチールコードであって、芯ストランドの破断伸びが側ストランドの破断伸びより大きく、かつ芯ストランドの破断荷重が側ストランドの破断荷重と同等以上であることを特徴とするゴム製品補強用スチールコード。
  2. 請求項1に記載のスチールコードをカーカスに適用して成る空気入りタイヤ。
  3. 請求項1に記載のスチールコードを適用して成るゴムクローラー。
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