JP2009242718A - 重合性液晶化合物と安定剤からなる液晶組成物 - Google Patents

重合性液晶化合物と安定剤からなる液晶組成物 Download PDF

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伸卓 岩橋
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Abstract

【課題】重合して位相差が逆波長分散を示す光学異方性膜を得る場合に、液晶表示装置の製造プロセスの加熱条件下において、その光学特性の変化が少ない光学異方性膜を得ることができる液晶組成物、この光学異方性膜と、これを用いた位相差板及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される重合性化合物を少なくとも1種と、特定の安定剤とを含む液晶組成物。
Figure 2009242718

(式中、A1、A2:−O−、−NR−、−S−、−CO−。R1〜R3:置換基。L1、L2:連結基。X:非金属原子。)
【選択図】なし

Description

本発明は、逆波長分散性を有する重合性液晶組成物とそれを用いた光学異方性膜、位相差板、液晶表示装置に関する。
各種表示モードのカラーTFT液晶表示装置等においては広視野角でのコントラスト比低下と色シフトとを改善する目的で、光学異方性膜が広く使用されている。
通常、光学異方性膜はフィルムとして形成され、液晶セルの外部に接着して設けられている。
しかしながら、上記従来の技術では、次のような問題点を有している。
液晶パネルの動作中、バックライト等からの熱による偏光板支持体の膨張および収縮で、貼り付けた位相差板が応力を受け光学特性が変化する。この場合は、変形箇所において位相差板の位相補償効果が不十分になり、黒状態で光抜けを引き起こすことになる。
このような現象は、液晶パネルのサイズが大きくなるにつれて、より顕著に発生する。即ち、液晶パネルのサイズが大きくなれば、偏光板も大きくなり収縮量膨張量も大きくなるため、偏光板支持体の変形量も大きくなり、顕著に白抜け状態が発生する。
このような問題を解決する手段として特許文献1記載の技術が提案されている。
液晶セルの内側に重合性液晶組成物を塗布し、配向して光学異方性を発現させ、その状態で重合固定することによって光学異方性膜を形成する光学補償が提案されている。
この方法では、使用する重合性液晶組成物に次のような特性が求められる。重合前の特性としては、ネマチック相を有すること、均一な配向性を示すこと、所望の各種配向形態を容易に達成すること等である。重合後の特性としては例えば、光学設計に応じた適切な光学異方性を表す特性値(レタデーションなど)および透明性を有していることである。そして、これらの特性を変化させないような耐熱性、耐湿性、耐光性などが求められる。特にセルの内部に設ける場合は、基板上に液晶薄膜を形成した上に、オーバーコート、透明電極や駆動液晶用の配向膜を形成させるので、これらの製膜プロセスの処理温度と一連の熱履歴に対抗するために、光学異方性を表す特性値、膜厚、透明性が許容範囲を超えて変化しない耐熱性が求められる。
また一方で、色視野角特性改善の観点から、光学異方性膜は位相差の波長分散を精密にコントロールすることが求められている。特に、短波側の位相差に比べて長波側の位相差が大きい、つまり逆波長分散となる光学異方性膜が市場において強く望まれている。
しかしながら、一般的に光学異方性膜の波長分散は、短波側の位相差に比べて長波側の位相差が小さくなる順波長分散であるため、上記課題を解決することは困難であった。
位相差が逆波長分散を示す光学異方性膜を実現する手段として、特許文献2〜9に記載の技術が知られているが、これらの文献記載の方法で得られる光学異方性膜は波長分散特性が不充分であるか、あるいは膜が重合固定されておらず、上記の観念から耐熱性が十分でなかった。
すなわち、従来の技術では位相差の逆波長分散特性と耐熱性という2つの要求を同時に満足することができなかった。
特開2000−221506号公報 特開2003−160540号公報 特開2005−208414号公報 特開2005−208415号公報 特開2005−208416号公報 特開2005−289980号公報 特開2006−243470号公報 特開2006−284903号公報 特開2006−330710号公報
本発明の目的は、安定剤を含有しつつ高温のプロセス下でも液晶性が低下しない重合性液晶組成物を提供することにある。特に条件が過酷な液晶セルの内部に光学異方性膜を形成することを可能とした重合性液晶組成物を提供することである。
この組成物によれば、重合して位相差が逆波長分散を示す光学異方性膜を得る場合に、液晶表示装置の製造プロセスの加熱条件下において、その光学特性の変化が少ない光学異方性膜を得ることができる。更に、本発明は、この光学異方性膜を含む表示装置、特に液晶表示装置を提供することも目的とする。
検討の結果、以下の発明により上記課題を解決できた。
(1)下記一般式(1)で表される重合性化合物を少なくとも1種と、下記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の中から選ばれた少なくとも1種とを含むことを特徴とする液晶組成物。
Figure 2009242718
(式中、A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表す。mは0〜2の整数である。L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。Xは第14〜16族の非金属原子を表す(ただし、Xには水素原子又は置換基R4が結合してもよい)。なお、R、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つには、重合性基が置換されている。)
Figure 2009242718
〔一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ホスフィノトリル基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。X101は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。X102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111とR112の総炭素数は10以上である。
一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。〕
(2)前記一般式(1)で表される重合性化合物の総含有量が、該組成物固形分全体に対し30質量%以上99質量%以下であることを特徴とする、(1)に記載の液晶組成物。
(3)前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の総含有量が、該組成物固形分全体に対し0質量%より大きく10質量%以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の液晶組成物。
(4)前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2009242718
(式中、A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、R3、R5及びR6は各々独立に置換基を表す。mは0〜2の整数である。L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。なお、R、R1、R2、R3、R5及びR6の少なくとも1つには、重合性基が置換されている。)
(5)前記一般式(1)で表される重合性化合物の重合性基が付加重合性基であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
(6)前記一般式(1)で表される重合性化合物がネマチック相を発現することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の液晶組成物。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の液晶組成物を用い形成された光学異方性膜。
(8)位相差が下記数式(A)および(B)を満足することを特徴とする(7)に記載の光学異方性膜。
Re(450nm)/Re(550nm)<1.0 (A)
Re(650nm)/Re(550nm)>1.0 (B)
(9)(7)または(8)に記載の光学異方性膜からなる位相差板。
(10)(9)に記載の位相差板を含む液晶表示装置。
(11)(7)または(8)に記載の光学異方性膜を液晶セルの内側に形成した(10)に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、安定剤を含有しても液晶性が低下しない重合性液晶樹脂組成物を提供できる。また、これを用いた光学異方性膜は耐熱性に優れ、製造過程で光学異方性、透明性、膜厚の変化を起こすことがない。したがって、本発明の光学異方性膜を用いて、優れた位相差板及び液晶表示装置を製造することができる。
前記一般式(1)又は(2)において、L1及びL2が表す二価の連結基としては、特に限定されるものではないが、好ましくは下記の例が挙げられる。なお、結合位置に関して、前記一般式(1)又は(2)のベンゼン環との結合位置が下記に例示した連結基の左側にあるものとする。
Figure 2009242718
さらに好ましくは−O−、−COO−、−OCO−である。
一般式(1)又は(2)において、R1は置換基であり、複数存在する場合は同じでも異なっていてもよく、環を形成しても良い。置換基の例として下記のものが挙げられる。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30の直鎖、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換または無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換または無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換または無置換の、芳香族または非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、
スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換または無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換または無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)
上記の置換基の中で水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていてもよい。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチルアミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
1は好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基またはアミノ基であり、さらに好ましくはハロゲン原子、アルキル基、シアノ基またはアルコキシ基である。
1が複数存在し、互いに環を形成する場合、その環は5〜8員環が好ましく、5又は6員環がさらに好ましい。もっとも好ましくは6員環である。
前記一般式(1)又は(2)において、mはR1の置換数を表し、mは0が最小であり、最大2である。mは好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
前記一般式(1)又は(2)において、R2及びR3は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例が挙げられる。R2及びR3は前記一般式(1)又は(2)で表される化合物における、分子の長手方向となる。
また、前記一般式(1)又は(2)で表される化合物は液晶性を示す。液晶性を発現させるための要素としては、「液晶便覧」(丸善)第3章「分子構造と液晶性」に記載されているように、コアと呼ばれる剛直部と側鎖と呼ばれる柔軟部が必要である。そのため、R2及びR3の置換基として、少なくとも1つの剛直部、つまり環状部分が存在することが好ましい。R2及びR3は、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のシクロヘキシル基である。好ましくは置換基を有するフェニル基、置換基を有するシクロヘキシル基であり、より好ましくは4位に置換基を有するフェニル基、4位に置換基を有するシクロヘキシル基である。さらに好ましくは4位に置換基を有するベンゾイルオキシ基を4位に有するフェニル基、4位に置換基を有するシクロヘキシル基を4位に有するフェニル基、4位に置換基を有するフェニル基を4位に有するシクロヘキシル基、4位に置換基を有するシクロヘキシル基を4位に有するシクロへキシル基である。
また、4位に置換基を有するシクロヘキシル基にはシス体およびトランス体の立体異性体が存在するが、本発明においては限定されず、両者の混合物でも良い。好ましくはトランス−シクロヘキシル基である。
前記一般式(2)において、R5及びR6は各々独立に置換基を表す。例としては上記R1の例があげられる。好ましくは、R5及びR6のうち少なくとも1つがハメットの置換基定数σp値が0より大きい電子吸引性の置換基であることが好ましく、σp値が0〜1.5の電子吸引性の置換基を有していることがさらに好ましい。このような置換基としてはトリフルオロメチル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。また、R5とR6とが結合して環を形成してもよい。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、「ケミカル レビュー」,91巻,165〜195頁(1991年)等の文献に詳しく解説されている。
前記一般式(1)又は(2)において、A1及びA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。好ましくは−O−、−NR−(Rは置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる。)または−S−である。
前記一般式(1)において、Xは第14〜16族の非金属原子を表す。ただし、Xには水素原子又は置換基が結合してもよい。Xは=O、=S、=NR4、=C(R5)R6が好ましい(ここでR4、R5、R6は各々独立に置換基を表し、例としては上記R1の例が挙げられる。)。
本発明の液晶化合物は重合性基を有する。これにより、位相差板などに用いた場合に熱などによる位相差の変化を防ぐことができる。重合性基は、化合物の分子の末端に有することが好ましい。
前記一般式(1)又は(2)において、R、R1、R2、R3、R5およびR6の少なくとも1つには重合性基が置換している。好ましくは1つ〜6つであり、さらに好ましくは1つ〜4つ、最も好ましくは1つ〜3つである。また、重合性基の好ましい置換する置換基は、R2、R3、R5及びR6である。
R、R1、R2、R3、R5およびR6の少なくとも1つに置換している重合性基とは、付加重合反応または縮合重合反応が可能な基が好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2009242718
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性基は、下記の一般式P1、P2、P3又はP4のいずれかで表される基であることが好ましい。(左からP1、P2、P3、P4を示す。)
Figure 2009242718
(式中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545はそれぞれ各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。nは0または1を表す。)
重合性基P1のR511、R512、R513は各々独立に水素原子またはアルキル基を表す。
重合性基P1が置換して成るアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基残基は、アルキレンオキシ基(例えばエチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘキシレンオキシ、ヘプチレンオキシなどのアルキレンオキシ基、またエチレンオキシエトキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシ基)、アルキレンオキシカルボニルオキシ基(例えばエチレンオキシカルボニルオキシ、プロピレンオキシカルボニルオキシ、ブチレンオキシカルボニルオキシ、ペンチレンオキシカルボニルオキシ、ヘキシレンオキシカルボニルオキシ、ヘプチレンオキシカルボニルオキシなどのアルキレンオキシカルボニルオキシ基、またエチレンオキシエトキシカルボニルオキシなどのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニルオキシ基)、アルキレンオキシカルボニル基(例えばエチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、ブチレンオキシカルボニル基、ペンチレンオキシカルボニル基、ヘキシレンオキシカルボニル基、ヘプチレンオキシカルボニル基などのアルキレンオキシカルボニル基、またはエチレンオキシエトキシカルボニル基などのエーテル結合を含む置換アルキレンオキシカルボニル基)を表す。重合性基P1が直接芳香環に結合してもよい。
nは0〜1の整数を表し、nが1であることが好ましく、nが1の時は、重合性基P1は置換又は無置換のビニルエーテル基を表す。R511及びR513は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R511がメチル基でR513が水素原子、またはR511及びR513が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
512は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子、低級アルキル基が好ましく、さらに水素原子が好ましい。従って、重合性基P1としては、一般には重合活性の高い官能基である無置換のビニルオキシ基が好ましく用いられる。
重合性基P2は置換または無置換のオキシラン基を表す。R521及びR522は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R521及びR522が共に水素原子が好ましい。
523は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
重合性基P3は置換または無置換のアクリル基を表す。置換基R531及びR533は、各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R531がメチルでR533が水素原子、またはR531及びR533が共に水素原子の組み合わせが好ましい。
532は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子が好ましい。従って、重合性基P3としては、一般には無置換のアクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニルオキシなどの重合活性の高い官能基が好ましく用いられる。
重合性基P4は置換または無置換のオキセタン基を表す。R542、R543、R544及びR545は各々独立に水素原子、アルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、R542、R543、R544及びR545が共に水素原子が好ましい。
541は水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、2−クロロエチル、3−メトキシエチル、メトキシエトキシエチルが挙げられ、メチル、エチルなどの低級アルキル基が好ましく、さらにメチルが好ましい。)を表し、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピルなどの低級アルキル基が好ましい。
一般式(1)または(2)いずれかで表される化合物は、モノドメイン水平配向、ヘイズの抑制の観点からネマティック液晶を発現することが好ましい。
また、一般式(1)または(2)で表される重合性化合物の総含有量が、該組成物固形分全体に対して30質量%以上であり99質量%以下であることが好ましく、50質量%以上99質量%以下であることが液晶相発現温度範囲の広さ、相転移点(透明点)の高さの観点でより好ましく、80質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましい。30質量%に満たないと、液晶性の保持の観点で好ましくない。
前記一般式(1)または(2)のいずれかで表される化合物の具体的化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記化合物に関しては、指定のない限り括弧( )内の数字にて例示化合物(X)と示す。
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
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Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
続いて、本発明に用いられる下記一般式(TS−I)〜(TS−V)で表される化合物について説明する。
Figure 2009242718
一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基(シクロアルキルスルホニル基、ビシクロアルキルスルホニル基、トリシクロアルキルスルホニル基等の環状アルキルスルホニル基を含む。)、アリールスルホニル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
本明細書中における基が脂肪族部位を含む場合には、その脂肪族部位は直鎖、分岐鎖又は環状で飽和であっても不飽和であってもよく、例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルを表し、これらは無置換であっても置換基を有していてもよい。また、アリール部位を含む場合には、そのアリール部位は、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよい。また、複素環部位を含む場合には、その複素環部位は環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよく、無置換であっても置換基を有していてもよく、環状のヘテロ原子で結合しても、炭素原子で結合してもよい。
本発明における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基、アリール基、複素環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、複素環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、複素環スルホンアミド基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、複素環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、複素環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ホスフィニル基、ホスホリル基等を挙げることができる。
前記一般式(TS−I)をさらに詳細に述べる。
91は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基等の環状アルキル基を含む、例えば、メチル基、i−プロピル基、s−ブチル基、ドデシル基、メトキシエトキシ基、ベンジル基)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む、例えば、アリル基)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メトキシフェニル基)ヘテロ環基(例えば2−テトラヒドフリル基、ピラニル基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基)、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基(例えばメキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、p−メトキシフェノキシカルボニル基)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、ホスフィノトリル基(例えばジメトキシホスフィノ基、ジフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(例えばジエチルホスフィニル基、ジフェニルホスフィニル基)、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、ベンジル基)、アルケニル基(例えばアリル基)、アリール基(例えばフェニル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、ブトキシ基)、アルケニルオキシ基(例えばアリルオキシ基)、又はアリールオキシ基(例えばフェノキシ基)を表す。
−X91−は、−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義であり、好ましい範囲も同様である。R92、R93、R94、R95、R96は各々同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
その中でも好ましい置換基としてはアルキル基(例えばメチル基、t−ブチル基、t−ヘキシル基、ベンジル基)、アルケニル基(アリール基)、アリール基(例えばフェニル基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、p−ヒドロキシベンゼンスルホニル基)又は−X91−R91である。
91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環(例えばクロマン環、モルホリン環)を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環(例えばクロマン環、インダン環)又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上であり、好ましくは総炭素数16以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−I)で表される化合物は、特公昭63−50691号公報の一般式(I)、特公平2−37575号公報の一般式(IIIa)(IIIb)(IIIc)、同2−50457号公報の一般式、同5−67220号公報の一般式、同5−70809の一般式(IX)、同6−19534号公報の一般式、特開昭62−227889号公報の一般式(I)、同62−244046号公報の一般式(I)(II)、特開平2−66541号公報の一般式(I)(II)、同2−139544号公報の一般式(II)(III)、同2−194062号公報の一般式(I)、同2−212836号公報の一般式(B)、(C)、(D)、同3−200758号公報の一般式(III)、同3−48845号公報の一般式(II)(III)、同3−266836号公報の一般式(B)、(C)、(D)、同3−969440号公報の一般式(I)、同4−330440号公報の一般式(I)、同5−297541号公報の一般式(I)、同6−130602号公報の一般式、国際公開WO91/11749号パンフレットの一般式(1)、(2)、(3)、独国特許出願公開第4008785A1号明細書の一般式(I)、米国特許第4931382号明細書の一般式(II)、欧州特許第203746B1号明細書の一般式(a)、欧州特許第264730B1号明細書の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−I)で表される化合物としては、下記一般式(TS−IA)〜(TS−IG)で表される化合物が挙げられ、本発明においてはこれらの構造の化合物が好ましい。
Figure 2009242718
前記一般式(TS−IA)〜(TS−IG)において、R91〜R97は一般式(TS−I)で定義したものと同じであり、好ましい範囲も同様である。Ra1〜Ra4は水素原子又は脂肪族基を表し、X92及びX93は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、オキシ基、スルホニル基を表す。式中、同一分子中の同記号は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。
101は水素原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。
102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−II)をさらに詳細に述べる。
式中、R101、R102、R103、R104は、水素原子、アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、アルケニル基(例えばアリル基)であるが、好ましくはアルキル基である。
101は、水素原子、アルキル基(例えばメチル基、エチル基)、アルケニル基(例えば、アリル基)、アルキルオキシ基(例えばメトキシ基、オクチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アルケニルオキシ基(例えばアリルオキシ基)、アルキルオキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、アルケニルオキシカルボニル基(例えば、アリルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基、p−クロロフェノキシカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、メタクリロイル基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキルオキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、オクチルオキシカルボニルオキシ基)、アルケニルオキシカルボニルオキシ基(例えば、アリルオキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ基)、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アルケニルスルホニル基(例えば、アリルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、アルキルスルフィニル基(例えばメタンスルフィニル基、オクタンスルフィニル基)、アルケニルスルフィニル基(例えば、アリルスルフィニル基)、アリールスルフィニル基(例えばベンゼンスルフィニル基、p−トルエンスルフィニル基)、スルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル基)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基)、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。
102は5〜7員環(例えばピペリジン環、ピペラジン環)を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−II)においては、更に好ましくは、R103、R104、R105、R106が共に炭素数1〜3のアルキル基であり、X101がオキシラジカル、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜14のアシル基、又は炭素数6〜20のアリール基であり、X102がシクロヘキサン環を形成するものである。
前記一般式(TS−II)は下記一般式(TS−IIa)で表される場合が特に好ましい。
Figure 2009242718
式中、X101は前記一般式(TS−II)におけるX101と同義であり、好ましい範囲も同様である。R200は1価の置換基を表す。1価の置換基としては上述した1価の置換基の例が挙げられる。
本発明に用いられる前記一般式(TS−II)で表される化合物は、特公平2−32298号公報の一般式(I)、同3−39296号公報の一般式(I)、同3−40373号公報の一般式、特開平2−49762号公報の一般式(I)、同2−208653号公報の一般式(II)、同2−217845号公報の一般式(III)、米国特許第4906555号明細書の一般式(B)、欧州特許出願公開第309400A2号明細書の一般式、同第309401A1号明細書の一般式、同第309402A1号明細書の一般式等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
前記一般式(TS−III)を更に詳細に述べる。
式中、R105、R106は水素原子、脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、メトキシエトキシ基)、アシル基(例えばアセチル基、ピバロイル基、メタクリロイル基)、脂肪族オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、ヘキサデシルオキシカルボニル基)、芳香族オキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、脂肪族スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、芳香族スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基)を表し、R107は脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、メトキシエトキシ基)、脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基)、脂肪族チオ基(例えばメチルチオ基、オクチルチオ基)、芳香族チオ基(例えばフェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、ピバロイルオキシ基)、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(例えばメトキシカルボニルオキシ基、オクチルオキシカルボニルオキシ基)、芳香族オキシカルボニルオキシ基(例えばフェノキシカルボニルオキシ基)、置換アミノ基(置換基としては置換可能ならばよく、例えば脂肪族基、芳香族基、アシル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基等の置換したアミノ基)、複素環基(例えばピペリジン環、チオモルホリン環)、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環(例えばピペリジン環、ピラゾリジン環)を形成してもよい。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−III)で表される化合物は、特公平6−97332号公報の一般式(I)、特公平6−97334号公報の一般式(I)、特開平2−148037号公報の一般式(I)、同2−150841号公報の一般式(I)、同2−181145号公報の一般式(I)、同3−266836号公報の一般式(I)、同4−350854号公報の一般式(IV)、同5−61166号公報の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−III)で表される化合物としては、下記一般式(TS−IIIA)〜(TS−IIID)で表される化合物が挙げられ、本発明においてはこれらの構造の化合物が好ましい。
Figure 2009242718
前記一般式(TS−IIIA)〜(TS−IIID)において、R105〜R106は前記一般式(TS−III)で定義したものと同じであり、好ましい範囲も同様である。Rb1〜Rb3はR105と同義であり、好ましい範囲も同様である。Rb4、Rb5、Rb6は脂肪族基を表す。X103は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
前記一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但しR111、R112の総炭素数は10以上である。
前記一般式(TS−IV)を更に詳細に述べる。
前記一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基(例えばメチル基、メトキシカルボニルエチル基、ドデシルオキシカルボニルエチル基)を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環(例えばテトラヒドロチオフェン環、チオモルホリン環)を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111、R112の総炭素数は10以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−IV)で表される化合物は、特公平2−44052号の一般式(I)、特開平3−48242号公報の一般式(T)、同3−266836号公報の一般式(A)、同5−323545号公報の一般式(I)(II)(III)、同6−148837号公報の一般式(I)、米国特許第4933271号明細書の一般式(I)等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。
前記一般式(TS−V)を更に詳細に述べる。
前記一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、t−オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ基)を表し、R123は脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、t−オクチル基)、芳香族基(例えばフェニル基、4−t−ブチルフェニル基)、脂肪族オキシ基(例えばメトキシ基、t−オクチルオキシ基)、芳香族オキシ基(例えばフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基)を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。
本発明に用いられる前記一般式(TS−V)で表される化合物は、特開平3−25437号公報の一般式(I)、同3−142444号公報の一般式(I)、米国特許第4749645号明細書の一般式、同第4980275号明細書の一般式等で表される化合物を包含する。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の総含有量は、該組成物の固形分全体に対して0質量%より大きく10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることが十分な耐熱性の発現、ヘイズの抑制の観点でさらに好ましい。一般式(TS−I)〜(TS−V)の総含有量が10質量%を超えると、ヘイズの発生の観点で好ましくない。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物は、前記一般式(TS−I)、(TS−II)、又は(TS−V)のいずれかで表される化合物から選ばれたものであることが好ましく、前記一般式(TS−I)又は(TS−II)で表される化合物から選ばれたものがより好ましく、前記一般式(TS−II)で表される化合物であることがさらに好ましい。前記一般式(TS−II)で表される化合物としては、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格からなるものが特に好ましい。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の具体的化合物例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、前記一般式(TS−I)に該当する化合物には、TI−1〜56が、前記一般式(TS−II)に該当する化合物には、TII−1〜34が、前記一般式(TS−III)に該当する化合物には、TIII−1〜13が、前記一般式(TS−IV)に該当する化合物には、TIV−1〜6が、前記一般式(TS−V)に該当する化合物には、TV−1〜8が、参照番号として付されている。
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
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Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
Figure 2009242718
上記式中、Meはメチル基を示す。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物として好ましくは、前記一般式(TS−I)、(TS−II)又は(TS−V)のいずれかで表される化合物である。より好ましくは前記一般式(TS−I)又は(TS−II)で表される化合物である。特に好ましくは前記一般式(TS−II)で表される化合物である。
前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物が2種以上含まれる場合、同一の群から2種以上併用しても良いし(例えば、前記一般式(TS−II)で表される化合物を2種類使用する場合)、複数の群に亘って2種以上併用しても良い(例えば、前記一般式(TS−I)で表される化合物と前記一般式(TS−II)で表される化合物をそれぞれ1種類ずつ使用する場合)。好ましくは、複数の群に亘って2種以上併用する場合である。
本発明の組成物は、安定剤を含有していても液晶性を損なわないことを特徴とする。また、(TS−I)〜(TS−V)で表される化合物を添加することにより、耐熱性が向上する。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のリターデーションおよび厚さ方向のリターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定するかできる。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレタデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレタデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレタデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の式(1)及び式(2)よりRthを算出することもできる。
Figure 2009242718
上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレタデーション値を表す。
式(1)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Figure 2009242718
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレタデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する: セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx,ny,nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
液晶のReの測定方法は、例えば「液晶便覧」2.4.13(丸善(株)、2000年)に記載されているようなくさび型の液晶セルを用いる方法を挙げることができる。この方法において、450nm、550nm、650nmの3種類のバンドパスフィルターを用いることで、それぞれの波長のReを求める。
[液晶表示装置]
本発明の光学異方性膜からなる位相差板は、液晶表示装置に適用することができる。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光膜、および該液晶セル内または該液晶セルと該偏光膜との間に少なくとも一枚の位相差板を配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、好ましくは50μm〜2mmの厚さを有する。
本発明の光学異方性膜は、その光学特性を損なわない限り、その形態については特に制限されない。液晶セルの外側に形成してもよく、内側に形成してもよい。高分子からなる透明支持体上に形成された膜、偏光板上に形成された膜、液晶セル内に形成された膜など、いずれも使用することができる。支持体上に形成された他の膜と積層して使用することもできる。
本発明の光学異方性膜を液晶セルの内側に形成する方法の一例として、インクジェット方式を利用する方法が挙げられる。より具体的には、本発明の液晶組成物を含有する流体を、ブラックマトリクスによって隔てられた領域内にインクジェット方式で塗布し、所望により加熱熟成して作製することができる。より耐久性を改善するために、電離放射線を照射して、膜中の成分の重合反応を進行させて、該配向状態を固定するのが好ましい。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
参考例1:重合性化合物の合成
[例示化合物(2)の調製]
下記スキームに従い、例示化合物(2)を調製した。
Figure 2009242718
化合物(2−1)から化合物(2−3)までの合成は“Journal of Chemical Crystallography”(1997),27(9),p.515-526.に記載の方法で行った。
シアノ酢酸(2−4)8.5g(0.1mol)、4−ヒドロキシブチルアクリル酸エステル(2−5)14.4g(0.1mol)のテトラヒドロフラン溶液50mlに、ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)20.6g(0.1mol)を氷冷下滴下した。室温まで昇温しそのまま2時間攪拌した後、固形物をろ過にて取り除いた。ろ液の溶媒を減圧下、取り除き、生じた固形物をさらにろ過にて取り除くことで、化合物(2−6)18.6g(収率88mol%)を得た。
化合物(2−3)15.7g(50mmol)、化合物(2−6)12.7g(60mmol)、Irganox1010(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)50mgのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100mlの懸濁溶液を窒素雰囲気下、80℃まで加熱した。懸濁溶液が均一溶液となった後、1.5時間攪拌し、冷却した。酢酸エチルおよび水を加えて分液し、有機層を水、0.5N塩酸水、水の順に水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製を行うことで、化合物(2−7)12.8gを得た(収率65mol%)。
化合物(2−8)17.6g(66mmol)のトルエン20ml溶液に塩化チオニル11.8g(99mmol)を加え、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを加えた。そのまま80℃まで昇温し、2時間攪拌後、溶媒を留去した。そのものを、化合物(2−7)11.8g(30mmol)、Irganox1010(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)10mg、ピリジン(Py)7.1g(90mmol)のテトラヒドロフラン(THF)30ml溶液に氷冷下、窒素雰囲気にて滴下した。滴下終了後、3時間攪拌させた後、室温にてさらに1時間攪拌した。酢酸エチルおよび水を加えて分液し、有機層を水、0.5N塩酸水、水の順に水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製を行うことで、例示化合物(2)20.0gを得た(収率75mol%)。
<例示化合物(2)の同定データ>
1H−NMR(CDCl3,300MHz):0.75−1.25(m,36H)、1.40−1.65(m,4H)、1.65−2.00(m,16H)、2.10−2.25(m,4H)、2.45−2.60(m,2H)、4.40−4.55(m,4H)、5.92(d,1H)、6.20(dd,1H)、6.50(d,1H)、7.21(d,2H)
Mass(m/z,POSI)=890
参考例2
例示化合物(2)と同様のスキームで例示化合物(3)を合成した。
Figure 2009242718
<例示化合物(3)の同定データ>
1H−NMR(CDCl3,300MHz):1.35−1.60(m,12H)、1.62−1.85(m,12H)、1.98−2.37(m,20H)、2.58−2.71(m,2H)、4.05−4.25(m,8H)、4.41−4.57(m,4H)、4.70−4.62(m,2H)、5.86(m,3H)、6.14(m,3H)、6.42(m,3H)、7.25(d,2H)
Mass(m/z,POSI)=1178
実施例1:重合性液晶組成物の溶液の調製
表1に示す組成物(数値は質量部を表す)を溶質濃度30%のMEK溶液とし、重合性液晶組成物溶液(Mix1)〜(Mix10)を得た。
Figure 2009242718
Figure 2009242718
実施例2:光学異方性膜の作製
重合性液晶組成物溶液(Mix1)〜(Mix10)を、ホモジニアス配向処理を施したポリイミド配向膜(日産化学工業(株))製SE-150)付ガラス基盤にスピンコートにより塗布し、135℃で30秒間加熱した後、90℃、空気下でHg−Xe灯(100mW/cm2)を10秒間照射し、ホモジニアス配向を有する光学異方性膜(Film1)〜(Film10)を得た。
この光学異方性膜について、230℃加熱試験の前、1時間後、2時間後のレタデーション、膜厚の変化を評価した結果を表2に示す。レタデーションはKOBRA-WR(王子計測機器(株)製)で測定した。膜厚はVK−8550(キーエンス(株))で測定した。
また、光学異方性膜Film4のレタデーションの波長分散性は、Re(450nm)/Re(550nm)=0.84、Re(650nm)/Re(550nm)=1.06であった。
Figure 2009242718
比較例1:
実施例1と同様に、化合物(3)(100質量部)、添加剤1(3質量部)、添加剤2(0.2質量部)からなる組成物(数値は質量部を表す)を溶質濃度30%のMEK溶液とし、重合性液晶組成物溶液(Mix11)を得た。
比較例2:
実施例2と同様に、Mix11から光学異方性膜Film11を作製した。この光学異方性膜について、230℃加熱試験の前、1時間後、2時間後のレタデーション、膜厚の変化を評価した結果を表3に示す。
Figure 2009242718
表2、表3に示したように、実施例で作製した安定剤を含む光学異方性膜は、比較例で作製した安定剤を含まない光学異方性膜に比べて、230℃加熱試験の1時間後から2時間後にかけてのレタデーション、膜厚の減少が少なく、ほぼ一定の値に収束した。また、比較例の光学異方性膜では230℃加熱後に黄変が見られたのに対し、実施例の光学異方性膜では黄変が見られなかった。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される重合性化合物を少なくとも1種と、下記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の中から選ばれた少なくとも1種とを含むことを特徴とする液晶組成物。
    Figure 2009242718
    (式中、A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2及びR3は各々独立に置換基を表す。mは0〜2の整数である。L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。Xは第14〜16族の非金属原子を表す(ただし、Xには水素原子又は置換基R4が結合してもよい)。なお、R、R1、R2、R3及びR4の少なくとも1つには、重合性基が置換されている。)
    Figure 2009242718
    〔一般式(TS−I)中、R91は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ホスフィノトリル基、ホスフィニル基、又は−Si(R97)(R98)(R99)を表す。ここで、R97、R98、R99は同一でも異なってもいてもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基、アリールオキシ基を表す。−X91−は−O−、−S−又は−N(−R100)−を表す。ここで、R100はR91と同義である。R92、R93、R94、R95、R96は互いに同一でも異なってもよく、それぞれ、水素原子又は置換基を表し、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等の環状アルキル基を含む。)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基、トリシクロアルケニル基等の環状アルケニル基を含む。)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む。)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を表す。R91とR92、R100とR96、R91とR100は互いに結合して5〜7員環を形成していてもよい。さらに、R92とR93、R93とR94が互いに結合して、5〜7員環又はスピロ環、ビシクロ環を形成してもよい。但し、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R100のすべてが水素原子であることはなく、総炭素数は10以上である。
    一般式(TS−II)中、R101、R102、R103、R104は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基を表し、R101とR102、R103とR104は結合し、5〜7員環を形成してもよい。X101は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルもしくはアルケニルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルもしくはアルケニルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基又はオキシラジカル基を表す。X102は5〜7員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
    一般式(TS−III)中、R105、R106は水素原子、脂肪族基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基を表し、R107は脂肪族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、アシルオキシ基、脂肪族オキシカルボニルオキシ基、芳香族オキシカルボニルオキシ基、置換アミノ基、複素環基、ヒドロキシ基を表し、可能な場合にはR105とR106、R106とR107、R105とR107は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよいが、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン骨格を形成する場合を除く。但し、R105、R106の両方が水素原子であることはなく、総炭素数は7以上である。
    一般式(TS−IV)中、R111、R112は脂肪族基を表し、R111とR112は互いに結合し、5〜7員環を形成してもよい。nは0、1、2を表す。但し、R111とR112の総炭素数は10以上である。
    一般式(TS−V)中、R121、R122は脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、R123は脂肪族基、芳香族基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基を表し、mは0又は1を表す。R121とR122、R121とR123は互いに結合し、5〜8員環を形成してもよい。但し、R121、R122、R123の総炭素数は10以上である。〕
  2. 前記一般式(1)で表される重合性化合物の総含有量が、該組成物固形分全体に対し30質量%以上99質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記一般式(TS−I)〜(TS−V)のいずれかで表される化合物の総含有量が、該組成物固形分全体に対し0質量%より大きく10質量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2009242718
    (式中、A1およびA2は各々独立に、−O−、−NR−(Rは水素原子または置換基を表す)、−S−及び−CO−からなる群から選ばれる基を表す。R1、R2、R3、R5及びR6は各々独立に置換基を表す。mは0〜2の整数である。L1及びL2は各々独立に単結合又は二価の連結基を表す。なお、R、R1、R2、R3、R5及びR6の少なくとも1つには、重合性基が置換されている。)
  5. 前記一般式(1)で表される重合性化合物の重合性基が付加重合性基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  6. 前記一般式(1)で表される重合性化合物がネマチック相を発現することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶組成物を用い形成された光学異方性膜。
  8. 位相差が下記数式(A)および(B)を満足することを特徴とする請求項7に記載の光学異方性膜。
    Re(450nm)/Re(550nm)<1.0 (A)
    Re(650nm)/Re(550nm)>1.0 (B)
  9. 請求項7または8に記載の光学異方性膜からなる位相差板。
  10. 請求項9に記載の位相差板を含む液晶表示装置。
  11. 請求項7または8に記載の光学異方性膜を液晶セルの内側に形成した請求項10に記載の液晶表示装置。
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