JP2009242089A - 搬送装置、積層体の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたって搬送、転写を安定的に行なえる搬送装置及び積層体の製造装置を提供する。
【解決手段】ゴム層65aを有する圧着ローラ64a及びゴム層65bを有する圧着ローラ64bとゴム層65aにUV−B光を照射するUV−Bランプ81とを備えており、ゴム層65aの表面に汚れが生じていると判定されたときに、ゴム層65aに積算照度が所定値に達するまでインラインでUV−B光を照射して洗浄できるようになっている。
【選択図】図3
【解決手段】ゴム層65aを有する圧着ローラ64a及びゴム層65bを有する圧着ローラ64bとゴム層65aにUV−B光を照射するUV−Bランプ81とを備えており、ゴム層65aの表面に汚れが生じていると判定されたときに、ゴム層65aに積算照度が所定値に達するまでインラインでUV−B光を照射して洗浄できるようになっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、基体を搬送する搬送装置、並びに圧着、剥離により積層体を作製する積層体の製造装置及び製造方法に関する。
例えば、液晶パネル用基板、プリント配線用基板、PDPパネル用基板などは、感光性樹脂層を有する感光性シート体(ウエブ)を基板表面に貼り付けて構成されたものが知られており、これに用いられる感光性シート体は、可撓性のプラスチック性基材上に感光性樹脂層と保護フィルムとを設けて構成されたものがある。
このような感光性シート体の貼り付けには、一般に、ガラス基板や樹脂基板等の基板を所定の間隔に離間して搬送すると共に、基板に貼り付けられる感光性樹脂層の範囲に対応する領域の保護フィルムを感光性シート体から剥離し、露出した感光性樹脂層の表面を基板に密着させて剥離転写する方式が採用されている。
このような剥離転写を利用して感光性樹脂層を基板上に形成する場合、一般には感光性シート体と基板とを互いに圧接するロール対間を通過させて圧着(ラミネート)する方法が採られており、例えば、感光材料層を支持する支持体に対する圧着ローラの静止摩擦係数を0.1〜0.7の範囲に設定し、圧着ローラを回転させて支持体を介して感光材料層を基板に圧着させることにより、圧着ローラと支持体との間で適度な滑りを発生させ、支持体及び基板を長期間安定した状態で搬送し、感光材料層をむらのない状態で基板に転写する感光性積層体の製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、ラミネート処理量が増えるに伴なってロール表面には汚れが付着、堆積し、ロールの感光性シート体との間の摩擦は低下し続ける傾向にある。一方、摩擦の低下は、フィルム搬送時にスキューを招来し、感光材料層を支持している支持体に生じるシワも次第に強くなることが知られている。これは、基板サイズが大きくなって基板へのラミネート幅が広くなるほど著しく、感光材料層が基板に転写される際に摩擦低下により生じるフィルム蛇行(スキュー)により、感光材料層を支持する支持体にシワや弛みが発生して気泡を巻き込み、ラミネート後に得られる積層体の品質(ラミ品質)が損なわれる。そのため、長期間の使用に耐えるためには、圧着ロールの温度やラミネート速度、フィルムテンション、ニップ圧などの製造条件を調整したり、圧着用のゴムロールを有機溶剤を用いて洗浄する等の対応が不可欠であった。このような対応は、装置の稼働停止が不可避である場合が多いほか、汚れの付着を完全に除去するまでには至らず、更なる改善方法の確立が望まれている。
上記のゴム面の汚れに関連して、表面ゴム層にアナターゼ型酸化チタンの微粉末を含有する技術が開示されており(例えば、特許文献2参照)、紫外線を照射することにより光触媒活性を発揮し、有機物を効率よく分解できるとされている。
特開2006−23407号公報
特開2003−39849号公報
しかしながら、アナターゼ型酸化チタンを用いた光洗浄をゴムロールの洗浄に適用しようとすると、酸化チタンの微粉末をゴムロールに含有させる必要があるが、酸化チタンを含むとゴム硬度が増し、表面の摩擦係数が変化することが知られている。一方、ラミネートに用いられる圧着ロールは、良好なラミネート適性を保つため、ゴム硬度や表面凹凸、摩擦係数等を感光性シート体等の被圧着材料に合わせる必要があるが、酸化チタン入りのゴムロールではラミネート適性を確保することが困難となる。
また、照射波長が200〜400nmの波長領域のうち、特に250nmより短いの波長光では、シリコーンゴム等のゴム材の表面劣化を招き、摩擦係数の変化や硬度の変化、亀裂などが発生し、良好なラミネートができなくなってしまう。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたり安定した搬送が行なえる搬送装置、並びに汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたって転写を安定的に行なうことができる積層体の製造装置及び製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、特定の紫外線は、ゴム劣化を抑えつつ、ゴム系ロールに付着した有機物による汚れの洗浄効果が期待できるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 基体の搬送に用いられ、シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールと、前記ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射可能に配された光源と、を備え、前記表面ゴム層の汚れの除去を前記紫外線の照射により行なう搬送装置である。
<1> 基体の搬送に用いられ、シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールと、前記ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射可能に配された光源と、を備え、前記表面ゴム層の汚れの除去を前記紫外線の照射により行なう搬送装置である。
前記<1>に記載の搬送装置によれば、ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射することで、表面ゴム層の劣化を抑えながら、表面ゴム層に付着した有機物の除去が行なえるので、有機溶剤等で拭き取る等の洗浄や製造条件の調整を不要にできるのみならず、ロール寿命の低下を防ぎ、基体とロールの間の摩擦変動を軽減して、従来以上の長期にわたる安定的な搬送が可能になる。また、ロール清掃、交換等の稼働停止期間の低減による製造高効率化及び製造コストの低減が図れる。
紫外線は、可視光線(400〜800nm)よりも波長が短い光線の総称で、通常はUVR(ultraviolet ray)と呼ばれている。その中でもさらに、長波長域紫外線(UV−A;近紫外線)、中波長域紫外線(UV−B;中間紫外線)、短波長域紫外線(UV−C;遠紫外線)に分類され、波長域については若干境界の値にズレをみることがあるが、UV−A:320〜400nm、UV−B:280〜320nm、UV−C:280〜100nmという分け方が一般的とされている。これらのうち、本発明においては、有機物の洗浄効果とシリコーン系又はフッ素系ゴムに対する劣化が少ない点から、UV−B(280〜320nm)の領域の紫外線を用いる。
<2> シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールを含む一対の圧着ロールと、前記ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射可能に配された光源と、を有する圧着手段を備え、前記圧着手段により仮支持体上に転写層を有する転写材料を基板に圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写する積層体の製造装置である。
前記<2>に記載の積層体の製造装置及び下記<6>に記載の積層体の製造方法によれば、ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射することで、表面ゴム層の劣化を抑えながら、表面ゴム層に付着した有機物の除去が行なえるので、有機溶剤等で拭き取る等の洗浄や製造条件の調整を不要にできるのみならず、ロール寿命の低下を防ぎ、基体とロールの間の摩擦変動を軽減して、従来以上の長期間、圧着剥離による転写操作を安定的に行なえる。これにより、圧着剥離時におけるシワや弛み、気泡混入の発生が抑えられ、特に広幅状(例えば搬送方向と交差する幅方向で1000mm以上)の転写材料を用いた場合の発生防止に効果的である。また、ロール清掃、交換等の稼働停止期間が低減されて、製造の高効率化及び製造コストの低減が図れる。
<3> 前記圧着手段は、少なくとも圧着するときに前記紫外線を前記ゴム系ロールに照射し、前記ゴム系ロールの表面ゴム層の表面の汚れを除去することを特徴とする前記<2>に記載の積層体の製造装置である。
前記<3>に記載の積層体の製造装置によれば、転写材料を基板に圧着しながら紫外線をゴム系ロールに照射する、いわゆるインラインで表面ゴム層の汚れの除去が可能であるので、ラミネート処理量の増大で低下する摩擦が一定以上に保持され、転写操作がより安定的に行なえると共に、ロール寿命が大幅に向上する。
<4> 前記ゴム系ロールの表面ゴム層の汚れを検出する汚れ検出手段と、前記光源の照度を検出する照度検出手段と、前記汚れ検出手段により検出された汚れ量に基づいて前記表面ゴム層に汚れが生じているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記表面ゴム層に汚れが生じていると判定されたときに、汚れが生じている前記表面ゴム層に、前記照度検出手段により検出された照度の積算値が所定値に達するまで照射されるように前記紫外線の照射を制御する照射制御手段と、を更に備えたことを特徴とする前記<2>又は前記<3>に記載の積層体の製造装置である。
前記<4>に記載の積層体の製造装置によれば、汚れの程度及び積算照度を検出しながら汚れの有無を判定することにより必要量に応じた紫外線照射が行なえるようになることで、汚れている場合に汚れの程度に応じた必要量が照射されるので、ラミネート処理量に伴う摩擦変動が効果的に抑制され、より安定した転写操作を持続できる。
<5> 前記転写材料が、仮支持体上に感光性樹脂層を有する感光性転写材料であり、前記光源は、紫外線を所定領域に遮光しながら案内するガイド機構を有し、前記表面ゴム層の少なくとも一部に紫外線を照射することを特徴とする前記<2>〜前記<4>のいずれか1つに記載の積層体の製造装置である。
前記<5>に記載の積層体の製造装置によれば、転写材料が感光性に構成されている場合に、光を案内するガイド機構が設けられることで、転写材料への曝光を回避しながら、ゴム系ロールの汚れを除去できる。
<6> シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールを含む一対の圧着ロールを通過させることにより、仮支持体上に転写層を有する転写材料を基板に圧着する圧着工程と、前記ゴム系ロールの前記表面ゴム層にUV−B領域の紫外線を照射する照射工程と、を有し、前記圧着工程により圧着した後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写する積層体の製造方法である。
<7> 前記転写層が、着色剤を含む感光性樹脂層であって、基板に転写された前記感光性樹脂層をパターン状に露光し、現像して、前記基板上に着色パターンを形成する着色パターン形成工程を更に有することを特徴とする前記<6>に記載の積層体の製造方法である。
前記<7>に記載の積層体の製造方法によれば、転写材料として、着色された感光性樹脂層を有する感光性転写材料が用いられ、転写後の基板上の感光性樹脂層に露光、現像が施されるので、画像剥がれや欠け等の画像欠陥のない着色パターン、具体的にはカラーフィルタを作製することができる。
本発明によれば、汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたり安定した搬送が行なえる搬送装置を提供することができる。また、
本発明によれば、汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたって転写を安定的に行なうことができる積層体の製造装置及び製造方法を提供することができる。
本発明によれば、汚れ付着によるロール劣化が軽減され、従来以上の長期にわたって転写を安定的に行なうことができる積層体の製造装置及び製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の積層体の製造装置の実施形態を詳細に説明すると共に、該説明を通じて、本発明の搬送装置及び積層体の製造方法の詳細についても具体的に説明する。
(第1実施形態)
本発明の積層体の製造装置の第1実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態の積層体製造装置は、感光性フィルムとガラス基板とを一対のシリコーンロールを通過させて加熱圧着すると共に、加熱圧着を行ないながらシリコーンロールに積算照度が所定の閾値になるまで照射されるように制御して紫外線を照射する構成としたものである。
本発明の積層体の製造装置の第1実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態の積層体製造装置は、感光性フィルムとガラス基板とを一対のシリコーンロールを通過させて加熱圧着すると共に、加熱圧着を行ないながらシリコーンロールに積算照度が所定の閾値になるまで照射されるように制御して紫外線を照射する構成としたものである。
図1に示すように、本実施形態は、感光性フィルム12を供給するフィルムロール22と、感光性フィルム及びガラス基板を加熱圧着する圧着機構44と、ガラス基板を圧着機構に供給する基板搬送機構62とを備えている。本実施形態における積層体製造装置では、液晶パネルやPDPパネル用のカラーフィルタ基板が製造されるようになっている。
以下、搬送路上流側から順に具体的に説明する。感光性フィルム12が搬送される搬送路の上流には、感光性フィルム12を供給するフィルムロール22が配設されている。このフィルムロール22の下流側には、供給された感光性フィルム12の保護フィルム20及び感光性樹脂層18の所定部位を仮支持体16を残して切断することによりハーフカット部(27a、27b;図5参照)を形成する加工機構26と、保護フィルム20bを介して隣接する保護フィルム20aに両端部が接着する一方、中間部が保護フィルム20bに対して非接着状態に形成された図示しないラベルを吸着する吸着パッド32を有し、このラベルを保護フィルム20aに接着させるラベル接着機構34とが配設されている。
ラベル接着機構34の更に下流側には、感光性フィルム12をタクト送りから連続送りに変更するためのリザーバ機構36と、感光性フィルム12から保護フィルム20aを剥離する剥離機構38と、感光性フィルム12に対して所定のテンションを付与するテンション制御機構40と、加工機構26により図5のように感光性フィルム12に形成されたハーフカット部27a、27bを検出する検出機構42とが順に配設されている。この検出機構42の更に下流側において、感光性フィルム12の感光性樹脂層18をガラス基板14に対して加熱圧着するための圧着機構44が配設されている。
感光性フィルム12は、仮支持体16と、所定の色に着色された感光性樹脂層18と、保護フィルム20とを積層して構成されている。仮支持体16は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を素材とし、その外表面に帯電防止剤を含むアクリル系下塗剤が塗布されてなるものである。感光性樹脂層18は、圧着ローラにより80〜150℃の範囲で加熱溶融されたとき、30〜30000Pa・s(=300〜300000ポアズ)の範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層である。なお、感光性フィルム12には、後述する丸刃により所定間隔でハーフカット部27a、27bが形成される。
加工機構26は、感光性フィルム12の幅方向に走行する丸刃24を有し、図5〜図6に示すように、保護フィルム20aが除去されてガラス基板14に感光性樹脂層18が転写される長さLの範囲と、ガラス基板14間に残存させる保護フィルム20bの幅Mの範囲とに対応した間隔で、保護フィルム20及び感光性樹脂層18にハーフカット部27a、27bが形成される。なお、感光性樹脂層18は、ガラス基板14の端部から所定の隙間δだけシフトさせた位置よりガラス基板14に転写されるものである。
図1において、リザーバ機構36を構成するローラ46は、上下に揺動自在に取り付けられ、感光性フィルムの上流側でのタクト搬送と下流側での連続搬送との速度差が吸収されるようになっている。剥離機構38では、剥離ローラ50を介して感光性フィルム12から連続的に剥離された保護フィルム20aは、巻き取り部52に巻き取られる。テンション制御機構40は、シリンダ54とテンションダンサ56を備えている。
圧着機構44は、図2に示すように、互いに圧接する一対の圧着ローラ64a、64bと、圧着ローラ64aに対してUV−B光(紫外線)を照射するUV−Bランプ81及びライトガイド84とを備えている。圧着機構44に供給される感光性フィルム12は、基板搬送機構62から供給されたガラス基板14の上面に重ねられた状態で圧着ローラ64a、64b間を通過し、感光性フィルム12の感光性樹脂層18がガラス基板面に加熱圧着(ラミネート)されるようになっている。
圧着ローラ64a、64bの外周部には、図3のように、それぞれゴム層65a、65bが形成されている。圧着ローラ64a、64bは、ゴム層を介してガラス基板等が供給されないときには互いに圧接した状態にあり、ガラス基板と感光性フィルムとが供給されたときには離間し、図3に示すようにゴム層65a、65bを介して圧着する。
圧着ローラ64a、64bは、STKM 13A製の中空の円筒体であり、円筒体の内部に誘導コイルが内装されて80〜150℃の温度で加熱できるように構成されている。また、圧着ローラ64a、64bには、図1に示すように、バックアップローラ70a、70bがそれぞれ摺接されており、バックアップローラ70bは加圧シリンダ72により上方に配置されたバックアップローラ70a側に押圧され、圧着ローラ64a及び64bが圧接されるようになっており、圧着ローラ64a及び64bにより感光性フィルム及びガラス基板を30〜300N/cmの範囲の線圧で圧着することができる。
圧着ローラ64a及び64bは、いずれも駆動モータを備えた駆動機構により駆動可能なように構成されている。駆動機構は、制御装置100と電気的に接続されており、モータドライバにより駆動モータの駆動を制御できるようになっている。なお、ガラス基板の感光性フィルムが圧着されない側に位置する圧着ローラ64bは、圧着ローラ64aの駆動力を受けて従動できるように構成されてもよい。
一対の圧着ローラは、駆動側のローラが感光性フィルム12が圧着される側に配置された形態が望ましいが、圧着ローラの両ローラを回転駆動させてもよい。
一対の圧着ローラは、駆動側のローラが感光性フィルム12が圧着される側に配置された形態が望ましいが、圧着ローラの両ローラを回転駆動させてもよい。
圧着ローラ64a、64bは、感光性フィルム12及びガラス基板14を圧着しながら、1.0〜10m/分の速度で搬送できる構成になっている。
ゴム層65a、65bは、JIS K 6253タイプA(ISO 7619タイプA)での硬度が30〜90度の耐熱性ゴム、例えば、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、フッ素ゴム等のゴム材を用いて形成することができる。
また、各ゴム層の表面は、感光性フィルム12の仮支持体16に対する静止摩擦係数を調整するために、低摩擦化処理が施されている。この場合、低摩擦化処理としては、例えば、表面コーティング処理、含浸処理、チューブ掛け、表面研磨処理等を挙げることができる。
前記表面コーティング処理とは、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン;登録商標)系、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー)系、FEP(フッ化エチレンプロピレンテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)系、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)系、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体)系、エポキシ変性系、フッ素系等の低摩擦性の塗料をゴム層表面に塗布して加熱焼き付ける処理である。
前記含浸処理とは、ゴム層を膨潤化し、分子間に前記表面コーティング処理で使用可能な低摩擦性材料を含浸させる処理である。
前記チューブ掛けとは、滑り性のあるPTFE系や他の樹脂からなるチューブを圧着ローラ64a、64bのゴム層65a、65bに直接被覆させる処理であり、チューブを熱収縮させ、あるいは接着剤を用いることで圧着ローラ64a、64bに固定することができる。
なお、これらの処理は、少なくとも感光性フィルム12に接する圧着ローラ64aに施されていることが好ましく、必ずしも圧着ローラ64a、64bの両方に施される必要はない。
前記含浸処理とは、ゴム層を膨潤化し、分子間に前記表面コーティング処理で使用可能な低摩擦性材料を含浸させる処理である。
前記チューブ掛けとは、滑り性のあるPTFE系や他の樹脂からなるチューブを圧着ローラ64a、64bのゴム層65a、65bに直接被覆させる処理であり、チューブを熱収縮させ、あるいは接着剤を用いることで圧着ローラ64a、64bに固定することができる。
なお、これらの処理は、少なくとも感光性フィルム12に接する圧着ローラ64aに施されていることが好ましく、必ずしも圧着ローラ64a、64bの両方に施される必要はない。
UV−Bランプ81は、図2に示すように、圧着ローラ64a等と略同一の長さを有する棒状の構造体であり、圧着ローラ64aの長さ方向に沿うように、圧着ローラ64a上のゴム層65aの表面に対向させて配置されている。UV−Bランプは、中心波長306nmの紫外線を照射することができる。UV−Bランプ81は、制御装置100と電気的に接続されており、ランプコントローラから信号が送られるランプドライバによって照射のオンオフを制御できるようになっている。
UV−Bランプとしては、波長280〜320nmの波長領域の紫外線の照射が可能な光源であれば特に制限はなく、例えば、UV-B紫外線ランプ、並びに上市されている市販の光源、例えば、UV−B紫外線ランプ(三共電気株式会社、GL4E、GL6E、GL8E、GL15E、GL20SE、GL40SEなど)などから目的等に応じて選択することができる。更には、波長領域の好ましい範囲は、中心波長300〜315nmである。
UV−Bランプの照度としては、汚れの除去能、除去速度の点から、0.1〜100mW/cm2の範囲であるのが好ましく、0.1〜10mW/cm2の範囲であるのがより好ましい。
また、UV−Bランプの照射時間は、ローラ表面の汚れの程度や所望とする除去性、あるいは前記照度との関係で適宜選択することができるが、10〜100時間が好ましい。
中でも、本発明においては、UV−Bランプの照度が0.1〜10mW/cm2の範囲であって、照射時間が10〜50時間である態様が好ましい。
また、UV−Bランプの照射時間は、ローラ表面の汚れの程度や所望とする除去性、あるいは前記照度との関係で適宜選択することができるが、10〜100時間が好ましい。
中でも、本発明においては、UV−Bランプの照度が0.1〜10mW/cm2の範囲であって、照射時間が10〜50時間である態様が好ましい。
このUV−Bランプ81は、図3のようにライトガイド84で覆うことにより、ライトガイド84の外部に紫外線が漏れるのを防止して照射できる構造になっている。このライトガイド84は、UV−Bランプを収納可能で内壁が鏡面処理された反射用筐体82と、反射用筐体とゴム層65aの間を遮光する遮光板83とで構成されている。
反射用筐体82は、長さ方向との直交断面がコの字型の凹形状を有しており、棒状のUV−Bランプ81を収納することができる。また、反射用筐体82の凹形状の筐体内側の壁面は反射処理されており、UV−Bランプからの光がローラ側に均一に反射されるようになっている。反射には、反射板を用いることができ、反射板には、アルミあるいは銀蒸着の反射板を使用できる。例えば、MIRO−2 LCD,MIRO−2 SILVER(ドイツALANOD(アラノッド)社)の製品を使用することができる。
遮光板83は、金属板や耐熱性のゴム板(例えば、シリコーン系、フッ素系のゴム板)を用いることができる。遮光板83は、図3に示すように反射用筐体82の筐体外側に貼り合わせて配置されることにより、感光性フィルム12がUV−B光(紫外線)に曝されるのを防止する。
また、反射用筐体82の圧着ローラ64aと対向しない背面側には、UV−Bランプ81を反射用筐体81の外側から冷却するための冷却ファン86が取り付けられている。冷却ファンは、連続駆動させてもよいし、制御装置100と電気的に接続することによりUV−Bランプ81の照射タイミングに合わせて駆動し、あるいは反射用筐体等の適当な位置に温度検出センサを取り付けて検出された温度に基づいて駆動制御してもよい。
反射用筐体82のガラス基板から離れた端部近傍であって、遮光板83のUV−Bランプ配設側には、照射されたUV−B光の照度を検出する照度検出手段として、照度センサ87が取り付けられている。この照度センサ87は、制御手段100と電気的に接続されており、照度を所定の間隔で検出し、検出された検出値は制御装置100に送られるようになっている。検出値は、ランプコントローラで処理される。
照度センサには、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトダイオードにアンプ回路を用いたフォトICなどを選択して使用できる。
照度センサには、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトダイオードにアンプ回路を用いたフォトICなどを選択して使用できる。
圧着ローラ64aの圧着ローラ64bと対向しない側(圧着ローラ64aの上方)には、汚れを検出するための汚れ検出手段として反射型光センサ88が設けられている。反射型光センサ88は、制御装置100と電気的に接続されており、反射型光センサ88によりゴム層65aの反射率(反射光量)として汚れの程度を検出し、検出された反射率は制御装置100に送られる。反射率は、ランプコントローラで処理される。本実施形態の積層体製造装置では、検出された反射率からゴム層65aの洗浄が必要な汚れの程度か否かを後述のようにして判定する。
反射型光センサとしては、公知の光電センサなどを使用することができる。
反射型光センサとしては、公知の光電センサなどを使用することができる。
次に、図4を参照して、本実施形態の積層体製造装置の制御装置100による制御ルーチンのうち、反射型光センサにより検出された汚れ量(反射率)に基づいて表面ゴム層に汚れが生じているか否かを判定し、表面ゴム層に汚れが生じていると判定された際に表面ゴム層65aに照度の積算値が所定値に達するまでインラインでUV−Bが照射されるように制御するインライン洗浄制御ルーチンを中心に説明する。
積層体製造装置の電源スイッチのオンにより、制御装置100の電源がオンされてシステムが起動すると、図4に示すインライン洗浄制御ルーチンが実行される。なお、システムの起動は、自動で行なわれる場合のほか、手動で行なうようにしてもよい。
本ルーチンが実行されると、ステップ100において、予めUV−Bランプの点灯時間tのカウントがリセット(t=0)され、ゴム層65aの表面の汚れを判定する閾値となる汚れ判定値(反射率)A、及び洗浄終了を判定する閾値となる洗浄終了判定値(積算照度)Eが新たに読み込まれる。
次のステップ102では、反射型光センサ88により、圧着ローラ64aのゴム層65aの表面の反射率Lrを検出し、検出された反射率Lrが汚れ判定値Aを下回っているか否かが判定される。反射率Lrが汚れ判定値Aを下回っていると判定されたときには、ゴム層65aの表面は、ラミネート処理量が多く有機物が付着して汚れている状態にあるため、ステップ104に移行する。逆に、反射率Lrが未だ汚れ判定値A以上であると判定されたときには、ゴム層65aの表面は搬送、圧着等に支障を来すほどの汚れが発生していないため、本ステップで反射率Lrが汚れ判定値Aを下回っていると判定されるまで反射率Lrを取り込んで同様の処理を繰り返す。
ステップ104では、圧着ローラ64aが回転しているか否かが判定される。電源スイッチはオンであるが、圧着ローラ64aが回転していないと判定されたときには、感光性フィルム等の供給がなく直ちに洗浄する必要がないため、本ステップで圧着ローラ64aが回転していると判定されるまで同様の処理を繰り返す。
ステップ104において、圧着ローラ64aが回転していると判定されたときには、ゴム層65a表面の汚れの付着を除去し、あるいは汚れの堆積を防止して、圧着ローラでの圧着、剥離転写を良好に行なう必要があるため、次のステップ106においてUV−Bランプを点灯させ、点灯時間tのカウントを開始する。このとき、点灯開始からの照度が積算される。
次に、ステップ108において、点灯後に照射された光の照度の積算量(積算照度)Luvが、閾値となる洗浄終了判定値Eを下回っているか否かが判定される。本ステップにおいて、積算照度Luvが洗浄終了判定値Eを下回っていると判定されたときには、ゴム層65aに照射された照度が少なく更に照射して洗浄する必要があるため、ステップ110に移行して、再び圧着ローラ64aが回転しているか否かを判定する。ここで、圧着ローラ64aが回転していると判定されたときには、そのまま洗浄処理を継続して問題ないため、ステップ114においてカウントアップした後にステップ108に戻り、再び上記と同様に点灯後の積算照度Luvが判定され、本ステップで点灯終了の可否が判定される。
ステップ110において、圧着ローラ64aが回転していないと判定されたときには、直ちに洗浄操作を継続する必要がないため、そのまま圧着ローラ64aが回転するまで継続する。
一方、ステップ108において、積算照度Luvが洗浄終了判定値E以上であると判定されたときには、所定の洗浄操作が完了しているため、ステップ112に移行してUV−Bランプを消灯し、再びステップ102に戻って、ゴム層65aの寿命を維持するため同様のステップを繰り返す。
その後、積層体製造装置の電源スイッチがオフされたときに本ルーチンは終了する。
その後、積層体製造装置の電源スイッチがオフされたときに本ルーチンは終了する。
上記では、汚れの程度に閾値を設けて一律に洗浄を行なうようにしたが、汚れの付着量(ここでは、検出される反射率)に応じて積算照度を調整して洗浄を行なうようにしてもよい。
圧着機構44にガラス基板を供給する基板搬送機構62は、ガラス基板14を挟むように対をなして配置された2つの基板加熱部66と、ガラス基板14を載せて搬送する搬送部68とを備えている。
圧着機構44の下流側には、運転開始時において感光性フィルム12の先端部を切断する先端切断機構74と、ガラス基板14間の感光性フィルム12を切断する基板間切断機構76とが配設されている。また、圧着ローラ64a、64bと先端切断機構74との間には、運転開始時において感光性フィルム12を引き出すためのフィルム搬送ローラ78が配設されており、先端切断機構74の下流側には、感光性フィルム12が圧着されたガラス基板14を搬送する基板搬送ローラ80が配設されている。
この積層体製造装置では、フィルムロール22から供給された感光性フィルム12は、加工機構26に搬送され、仮支持体16を残して保護フィルム20及び感光性樹脂層18が丸刃24により所定長毎に切断された後、ハーフカット部27a、27bが形成された感光性シートフイルム12の保護フィルム20に対してラベルが接着され、ラベルが接着された感光性シートフイルム12は、剥離機構38に供給される。このとき、感光性フィルム12は、加工機構26で図5に示すように、ガラス基板14に圧着される感光性樹脂層18の長さLと、ガラス基板14間に残存させる保護フィルム20bの幅Mとに対応した間隔でスリット状のハーフカット部27a、27bが形成される。また、ラベルは、中間部が保護フィルム20bに対して非接着状態で、両端部が感光性フィルム12から剥離される保護フィルム20aに接着される。そして、保護フィルム20aが剥離され、感光性樹脂層18が部分的に露出した感光性フィルム12が、離間状態にある圧着ローラ64a、64b間に供給されると共に、基板加熱部66で所定温度に加熱されたガラス基板14が圧着ローラ64a、64b間に供給される。その後、圧着ローラ64a、64bにより、感光性フィルム12とガラス基板14とが加圧加熱されながら搬送されることで感光性樹脂層18がガラス基板14の所定位置に圧着される。
ここで、転写材料について略説する。
本発明における転写材料は、仮支持体と該仮支持体上に設けられた転写層とを設けて構成されたものであれば特に制限はなく、公知の転写材料を選択することができる。転写材料の例としては、仮支持体上に該仮支持体側から順に、熱可塑性樹脂層(クッション層)と中間層(酸素遮断層)と感光性樹脂層とが積層された転写材料であってもよい。
本発明における転写材料は、仮支持体と該仮支持体上に設けられた転写層とを設けて構成されたものであれば特に制限はなく、公知の転写材料を選択することができる。転写材料の例としては、仮支持体上に該仮支持体側から順に、熱可塑性樹脂層(クッション層)と中間層(酸素遮断層)と感光性樹脂層とが積層された転写材料であってもよい。
転写材料は、例えば、仮支持体上に、必要に応じて仮支持体側から熱可塑性樹脂層と中間層とを順次塗布等で形成した後、感光性樹脂層等の転写層を設けて作製される。転写層表面には、さらに保護フィルムを圧着して設けてもよい。具体的な例として、仮支持体上に、熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して熱可塑性樹脂層を設け、その上に熱可塑性樹脂層と溶解しない中間層用塗布液を塗布、乾燥して中間層を積層した後、中間層と溶解しない感光性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥して感光性樹脂層を積層することにより得ることができる。また、仮支持体上に熱可塑性樹脂層が形成されたシートと、保護フィルム上に感光性樹脂層と中間層とが形成されたシートとを熱可塑性樹脂層及び中間層の各表面を接触させて貼り合わせることにより作製してもよい。
熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性樹脂層等の転写層は、各々に対応する組成物の塗液を公知の方法で塗布等して形成できる。塗布による場合、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布装置を用いて形成することができる。
熱可塑性樹脂層、中間層、及び感光性樹脂層等の転写層は、各々に対応する組成物の塗液を公知の方法で塗布等して形成できる。塗布による場合、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布装置を用いて形成することができる。
転写材料における仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
転写材料における転写層には、例えば、着色剤やモノマー、重合開始剤等を含む感光性樹脂層、アクリル樹脂を含む熱可塑性樹脂層(クッション層)、ポリビニルアルコール成分及びポリビニルピロリドン成分を含む中間層(酸素遮断層)などが含まれる。。
感光性樹脂層を転写層とする場合、感光性樹脂層の例として、ブラックマトリクス等の遮光性が求められるときには、特開2005−3861号公報に記載の感光性黒色樹脂層や特開2004−240039号公報に記載の着色組成物を用いて形成される層などが挙げられ、また、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の着色パターン(例えばカラーフィルタの着色画素など)を形成するときには、特開2006−23696号公報に記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される層などが挙げられる。例えばRGB等の着色パターン形成用の感光性樹脂層は、仮支持体上にRGB等の所望の色相に対応する感光性樹脂層形成用の塗布液を塗布等することにより形成することができる。
感光性樹脂層を転写層とする場合、感光性樹脂層の例として、ブラックマトリクス等の遮光性が求められるときには、特開2005−3861号公報に記載の感光性黒色樹脂層や特開2004−240039号公報に記載の着色組成物を用いて形成される層などが挙げられ、また、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の着色パターン(例えばカラーフィルタの着色画素など)を形成するときには、特開2006−23696号公報に記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される層などが挙げられる。例えばRGB等の着色パターン形成用の感光性樹脂層は、仮支持体上にRGB等の所望の色相に対応する感光性樹脂層形成用の塗布液を塗布等することにより形成することができる。
感光性樹脂層は、圧着ローラにより80〜150℃の範囲で加熱溶融されたときに、30〜30,000Pa・sの範囲の粘度特性を示す熱可塑性の感光性樹脂層であることが好ましい。加熱溶融時の粘度は、30Pa・s以上であると基板密着性を向上させることができ、30,000Pa・s以下であると気泡が残存しにくい点で有利である。
転写材料には、仮支持体と転写層の間に熱可塑性樹脂層を設けてもよい。熱可塑性樹脂層は、被転写体である基板の表面に凹凸が存在する場合に凹凸に追従するようにクッション性を持たせるものである。熱可塑性樹脂層を構成する成分としては、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルあるいはそのケン化物などのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルあるいはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物などの塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンなどのポリアミド樹脂、等の有機高分子が挙げられる。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルあるいはそのケン化物などのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルあるいはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物などの塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルあるいはそのケン化物などのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンなどのポリアミド樹脂、等の有機高分子が挙げられる。
転写材料には、複数の塗布層の塗布時及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的で中間層を設けることができる。中間層は、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載の、酸素遮断機能のある酸素遮断層が好ましい。この場合、露光時の感度が向上し、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。酸素遮断層としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、例えばポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを含む層などが好適である。
また、転写層上に付される前記保護フィルムは、仮支持体と同種又は類似の材料でもよいが、転写層から容易に分離できることが要求される。保護フィルムを設けることで、貯蔵の際に転写層を汚染や損傷から保護することができる。保護フィルムの例としては、シリコーン紙、ポリオレフィン又はポリテトラフルオロエチレンのシートやフィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、一般に5〜100μmである。
本発明の積層体の製造方法に用いられる基板は、特に制限されるものではなく、例えば、ガラス板、樹脂製のシートやフィルム、樹脂被覆紙などの公知の基材から所望により選択することができる。中でも、透明性の基板が好適であり、例えば、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板、あるいはプラスチックフィルム等を挙げることができる。
前記基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、転写材料との間の密着を良好にすることができる。カップリング処理としては、特開2000−39033号公報に記載の方法が好適である。
本発明における基板のサイズは、任意に選択すればよいが、本発明の効果がより奏される観点からは、矩形の長辺が1000mm以上の基板が好ましく、より好ましくは長辺(幅方向)1300mm×短辺1200mmのサイズ以上の基板を用いる形態が好ましい。
また、基板の厚みは、特に限定はないが、一般には700〜1200μmが好ましく、500〜1100μmがより好ましい。
また、基板の厚みは、特に限定はないが、一般には700〜1200μmが好ましく、500〜1100μmがより好ましい。
(第2実施形態)
本発明の積層体の製造装置の第2実施形態を図7を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態のライトガイドにおける反射用筐体及びゴム層間を遮光する遮光板に代えて、光を案内する案内ダクトを取り付けて構成したものである。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本発明の積層体の製造装置の第2実施形態を図7を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態のライトガイドにおける反射用筐体及びゴム層間を遮光する遮光板に代えて、光を案内する案内ダクトを取り付けて構成したものである。
なお、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7に示すように、ライトガイド94は、UV−Bランプを収納可能で内壁が鏡面処理された反射用筐体82と、反射用筐体から圧着ローラに向かう方向に光を案内する案内ダクト93とで構成されている。
案内ダクト93は、両端が開口する筒状に成形されたものであり、その筒形状の開口する一端は反射用筐体82と接続されている。また、他端は、スリット形状を有し、感光性樹脂層が光に曝されないようにゴム層65aの表面近くに配置されている。案内ダクト93は、図示しないが圧着ローラ64aの長さ方向に幅広に成形されており、圧着ローラ64aに沿ってその長さ方向にゴム層64aを均一に照射すると共に、照射時にライトガイド94の外部に紫外線が漏れないように防止して照射できる構造になっている。
案内ダクトの内壁面は、光の反射の点からUV−B光の吸収の少ない色面(例えば白色系、黄色系など)もしくは鏡面である場合が好ましく、反射用筐体と同様に鏡面処理等の反射処理がされている場合が好ましい。反射処理は、反射板を用いることができ、反射板には、アルミあるいは銀蒸着の反射板を使用できる。例えば、MIRO−2 LCD,MIRO−2 SILVER(ドイツALANOD(アラノッド)社)の製品を使用することができる。また、例えば、金属成形もしくは金属板の貼り合わせ、あるいは筐体内壁に金属を蒸着する等により行なうことができる。
また、案内ダクトの形状、材質などは目的等に合わせて適宜選択すればよく、案内ダクトのゴム層65aと対向する他端は、開口部がスリット形状以外の円形、矩形等に成形されてもよく、開口サイズは汚れあるいは照射量に合わせて選択することができる。
また、案内ダクトの形状、材質などは目的等に合わせて適宜選択すればよく、案内ダクトのゴム層65aと対向する他端は、開口部がスリット形状以外の円形、矩形等に成形されてもよく、開口サイズは汚れあるいは照射量に合わせて選択することができる。
上記の各実施形態では、UV−B領域の紫外線をライトガイドを光源に配置した形態を中心に説明したが、これらに限られるものではなく、UV−B領域の紫外線を光源から光ファイバーで導いて圧着ロールに照射することも好ましい。この場合、高温になる圧着機構(圧着手段)からUV−Bランプ等の光源を離すことができるため、より安定した光の照射が可能となる。
上記の実施形態では、光源としてUV−Bランプを1つ配置した形態を中心に説明したが、1本に限られるものではなく、図8−(A)のように2つ配置された構成でもよいし、3つ以上配置された構成であってもよい。
また、上記の各実施形態の積層体製造装置のように洗浄対象がローラ対であって、搬送される転写材料が感光性を有するような場合でない形態では、例えば、図8−(B)に示すように、ローラを取り囲むようにUV−Bランプ等の光源を設けて構成してもよい。例えば、本発明の搬送装置は、図8−(B)に示すようにローラを取り囲むようにUV−Bランプ等の光源を設けて構成することができる。
また、上記の各実施形態の積層体製造装置のように洗浄対象がローラ対であって、搬送される転写材料が感光性を有するような場合でない形態では、例えば、図8−(B)に示すように、ローラを取り囲むようにUV−Bランプ等の光源を設けて構成してもよい。例えば、本発明の搬送装置は、図8−(B)に示すようにローラを取り囲むようにUV−Bランプ等の光源を設けて構成することができる。
上記では、ゴム系ロールの表面ゴム層として、シリコーンゴムを用いた場合を中心に説明したが、シリコーン系ゴム以外の前記他のゴム材を用いた場合も同様である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−感光性転写材料の準備−
仮支持体として、長さ400m×幅1290mm×厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET;以下、PET仮支持体と称する。)を用意し、その一方の表面に下記のアクリル系下塗剤を用いて、導電層形成用塗布液1を塗布、乾燥し、さらに保護層形成用塗布液2を塗布し、乾燥させた。
−感光性転写材料の準備−
仮支持体として、長さ400m×幅1290mm×厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET;以下、PET仮支持体と称する。)を用意し、その一方の表面に下記のアクリル系下塗剤を用いて、導電層形成用塗布液1を塗布、乾燥し、さらに保護層形成用塗布液2を塗布し、乾燥させた。
〜アクリル系下塗剤〜
<導電層形成用塗布液1>
・カルボン酸基を複数有するアクリル樹脂 ・・・30.9部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30質量%、日本純薬社製)
・メラミン樹脂架橋剤 ・・・3.2部
(ベッカミンM−3、固形分濃度80質量%;大日本インキ化学工業(株)製)
・酸化スズ−酸化アンチモン導電性分散液TDL−1 ・・・154.1部
(TDL−1、固形分濃度17%、三菱マテリアル社製)
・界面活性剤 ・・・0.73部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・1.44部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
・水 ・・・824.4部
<導電層形成用塗布液1>
・カルボン酸基を複数有するアクリル樹脂 ・・・30.9部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30質量%、日本純薬社製)
・メラミン樹脂架橋剤 ・・・3.2部
(ベッカミンM−3、固形分濃度80質量%;大日本インキ化学工業(株)製)
・酸化スズ−酸化アンチモン導電性分散液TDL−1 ・・・154.1部
(TDL−1、固形分濃度17%、三菱マテリアル社製)
・界面活性剤 ・・・0.73部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・1.44部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
・水 ・・・824.4部
<保護層形成用塗布液2>
・ポリエチレンラッテクス ・・・17.8部
(ケミパールS120、固形分濃度27質量%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ ・・・11.8部
(スノーテックスC、固形分濃度20質量%、日産化学社製)
・エポキシ硬化剤 ・・・1.7部
(デナコールEX−614B、ナガセ化成社製)
・界面活性剤 ・・・0.52部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・0.59部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
・ポリエチレンラッテクス ・・・17.8部
(ケミパールS120、固形分濃度27質量%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ ・・・11.8部
(スノーテックスC、固形分濃度20質量%、日産化学社製)
・エポキシ硬化剤 ・・・1.7部
(デナコールEX−614B、ナガセ化成社製)
・界面活性剤 ・・・0.52部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤 ・・・0.59部
(サンデットBL、固形分濃度43質量%、三洋化成工業社製)
次に、前記PET仮支持体のアクリル系下塗剤非塗布面側に、下記組成のクッション層用塗布液を乾燥層厚が14.6μmになるように塗布、乾燥してクッション層を形成し、クッション層上に下記組成の中間層用塗布液を乾燥層厚1.6μmになるように塗布、乾燥して中間層を積層した。積層された中間層上に更に、下記組成の感光性樹脂層用塗布液を乾燥層厚1.3μmになるように塗布、乾燥して感光性樹脂層を形成し、形成された感光性樹脂層の表面に厚み12μmのポリプロピレンフィルム(保護フィルム)を圧着し、感光性転写材料とした。
<クッション層用塗布液の組成>
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・6.80部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・10.2部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・9.1部
・下記界面活性剤1の30質量%MEK溶液 ・・・0.54部
・メタノール ・・・11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・6.36部
・メチルエチルケトン ・・・52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・6.80部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・10.2部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製) ・・・9.1部
・下記界面活性剤1の30質量%MEK溶液 ・・・0.54部
*界面活性剤1
メガファックF−780−F(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)
組成:C6F13CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量3万)
メガファックF−780−F(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)
組成:C6F13CH2CH2OCOCH=CH2(40部)とH(OCH(CH3)CH2)7OCOCH=CH2(55部)とH(OCH2CH2)7OCOCH=CH2(5部)との共重合体(重量平均分子量3万)
<中間層用塗布液の組成>
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550) ・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水 ・・・524部
・メタノール ・・・429部
<感光性樹脂層用塗布液の組成>
・カーボンブラック(カラーブラックFW2、デグッサ社製)・・・26.7部
・分散剤 ・・・3.3部
(ディスパロンDA7500(酸価26、アミン価40)、楠本化成(株)製)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(重量平均分子量=30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液)・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
・カーボンブラック(カラーブラックFW2、デグッサ社製)・・・26.7部
・分散剤 ・・・3.3部
(ディスパロンDA7500(酸価26、アミン価40)、楠本化成(株)製)
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])共重合体(重量平均分子量=30,000、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの50質量%溶液)・・・10部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・60部
−転写装置の準備−
図1〜3に示す構造と同様に構成された転写装置を準備した。転写装置の圧着機構44を構成する圧着ローラ64a,64bとして、STKM 13A製の内部中空の芯ロールと、該芯ロールの曲面全体をシリコーンゴムで被覆して形成されたシリコーンゴム層(ゴム層)65a,65bとで構成されたゴム被覆ローラ(ゴム層65aの表面の静止摩擦係数を0.7にエタノールで洗浄して調整)を用いた。なお、圧着ローラ64a及び65bはともに駆動し、加熱される構成になっている。
図1〜3に示す構造と同様に構成された転写装置を準備した。転写装置の圧着機構44を構成する圧着ローラ64a,64bとして、STKM 13A製の内部中空の芯ロールと、該芯ロールの曲面全体をシリコーンゴムで被覆して形成されたシリコーンゴム層(ゴム層)65a,65bとで構成されたゴム被覆ローラ(ゴム層65aの表面の静止摩擦係数を0.7にエタノールで洗浄して調整)を用いた。なお、圧着ローラ64a及び65bはともに駆動し、加熱される構成になっている。
−積層体の作製−
基板として、長さ1200mm×幅1300mm×厚み0.7mmのガラス基板を準備し、上記より得た感光性転写材料を転写装置に装填して、下記の圧着条件にて圧着、剥離転写することにより、積層体を作製した。このとき、UV−Bランプ81は点灯せず、圧着ローラ64aの洗浄は行なわなかった。
このようにして圧着、剥離転写を25000m継続したところ、転写枚数の累積に伴なって静止摩擦係数が低下し、圧着ローラ64aの静止摩擦係数は0.3であった。
<圧着条件>
・圧着ローラ64a,64bの軸芯方向における線圧:150[N/cm]
・圧着ローラ64a,64bの搬送速度:1.4[m/分]
・圧着ローラ64a,64bの加熱温度:130[℃]
・圧着ローラ64aの外周に掛けられた感光性フィルム12の当接角度:90[゜]
・ガラス基板の基板加熱部66による加熱温度:120[℃]
・ガラス基板のサイズ:幅1300×長さ1200×厚み0.7[mm]
・感光性フィルムのテンション:140[N/幅1090mm]
基板として、長さ1200mm×幅1300mm×厚み0.7mmのガラス基板を準備し、上記より得た感光性転写材料を転写装置に装填して、下記の圧着条件にて圧着、剥離転写することにより、積層体を作製した。このとき、UV−Bランプ81は点灯せず、圧着ローラ64aの洗浄は行なわなかった。
このようにして圧着、剥離転写を25000m継続したところ、転写枚数の累積に伴なって静止摩擦係数が低下し、圧着ローラ64aの静止摩擦係数は0.3であった。
<圧着条件>
・圧着ローラ64a,64bの軸芯方向における線圧:150[N/cm]
・圧着ローラ64a,64bの搬送速度:1.4[m/分]
・圧着ローラ64a,64bの加熱温度:130[℃]
・圧着ローラ64aの外周に掛けられた感光性フィルム12の当接角度:90[゜]
・ガラス基板の基板加熱部66による加熱温度:120[℃]
・ガラス基板のサイズ:幅1300×長さ1200×厚み0.7[mm]
・感光性フィルムのテンション:140[N/幅1090mm]
静止摩擦係数は、温度60℃、湿度55%RHで次に示す方法により測定した。
具体的には、図9に示すように、圧着ローラを回転しない状態に保持し、この圧着ローラの中心角90゜の範囲の外周面に当接するように感光性フィルム12を掛け、この感光性フィルムの一端に錘Wを連結して140Nのテンションを与えると共に、感光性フィルム12の他端に箱体59を連結し、この箱体にペレット61を少しずつ投入し、錘Wが持ち上がった時点での箱体59及びペレット61の総重量と錘Wの重量とから算出した。
具体的には、図9に示すように、圧着ローラを回転しない状態に保持し、この圧着ローラの中心角90゜の範囲の外周面に当接するように感光性フィルム12を掛け、この感光性フィルムの一端に錘Wを連結して140Nのテンションを与えると共に、感光性フィルム12の他端に箱体59を連結し、この箱体にペレット61を少しずつ投入し、錘Wが持ち上がった時点での箱体59及びペレット61の総重量と錘Wの重量とから算出した。
−評価1−
上記において、25000mの圧着、剥離転写を終了した後、静止摩擦係数が0.3となった圧着ローラ64aに対して、UV−Bランプ(商品名:GL40SE、三共電気株式会社製)を点灯し、波長306nmの光を3.5mW/cm2で連続照射した。点灯開始から14時間、22時間が経過した際、それぞれの時点での静止摩擦係数を上記と同様の方法で測定した。
さらに、点灯前、並びに点灯後14時間、22時間経過時のぞれぞれの時点において、圧着、剥離転写を10枚行ない、ラミ泡(気泡混入)の発生の有無を下記方法により評価した。このとき、感光性フィルムのテンションは120N、140Nの2水準とした。フィルムテンションは、25℃、55%RH環境下で測定した。
なお、評価結果は、下記表1に示す。
上記において、25000mの圧着、剥離転写を終了した後、静止摩擦係数が0.3となった圧着ローラ64aに対して、UV−Bランプ(商品名:GL40SE、三共電気株式会社製)を点灯し、波長306nmの光を3.5mW/cm2で連続照射した。点灯開始から14時間、22時間が経過した際、それぞれの時点での静止摩擦係数を上記と同様の方法で測定した。
さらに、点灯前、並びに点灯後14時間、22時間経過時のぞれぞれの時点において、圧着、剥離転写を10枚行ない、ラミ泡(気泡混入)の発生の有無を下記方法により評価した。このとき、感光性フィルムのテンションは120N、140Nの2水準とした。フィルムテンションは、25℃、55%RH環境下で測定した。
なお、評価結果は、下記表1に示す。
ラミ泡の評価は、剥離転写を行なった後に光学顕微鏡にて感光性樹脂層のラミネート状態を目視により観察し、感光性樹脂層におけるラミ泡の有無を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
○:10枚ともラミ泡の発生はみられなかった。
△:10枚中、一部のガラス基板に若干ラミ泡の発生が確認された。
×:10枚全てに密集したラミ泡の発生が確認され、品質に支障を来した。
<評価基準>
○:10枚ともラミ泡の発生はみられなかった。
△:10枚中、一部のガラス基板に若干ラミ泡の発生が確認された。
×:10枚全てに密集したラミ泡の発生が確認され、品質に支障を来した。
前記表1に示すように、照射によりローラ表面の洗浄を行なうことにより、圧着ローラ表面の静止摩擦係数は回復し、安定したラミネート性を維持することができた。
−カラーフィルタの作製−
上記のようにして作製した積層体に対して、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置した積層体とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を100μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量90mJ/cm2にてプロキシミティー露光した。
次いで、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フィルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フィルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、着色パターンを形成した。続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成された着色パターンの周辺の残渣除去を行なった。その後、230℃下で30分間加熱処理を行なってカラーフィルタを得た。
上記のようにして作製した積層体に対して、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と該マスクと熱可塑性樹脂層とが向き合うように配置した積層体とを略平行に垂直に立てた状態で、マスク面と感光性樹脂層の中間層に接する側の表面との間の距離を100μmとし、マスクを介して熱可塑性樹脂層側から露光量90mJ/cm2にてプロキシミティー露光した。
次いで、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30%含有、商品名:T−PD2(富士フィルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1部と純水11部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で50秒間、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1(富士フィルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて29℃で30秒間、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像し、着色パターンを形成した。続いて、洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有;商品名:T−SD3(富士フィルム(株)製))を純水で10倍に希釈した液を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.02MPaにてシャワーで吹きかけ、形成された着色パターンの周辺の残渣除去を行なった。その後、230℃下で30分間加熱処理を行なってカラーフィルタを得た。
(実施例2)
実施例1において、図1〜図3に示す構造と同様に構成された転写装置を用いて図4に示すフローのようにインライン洗浄制御を行なうようにし、ランプ照度を1mW/cm2として圧着ローラ64aが回転しているときのみに点灯するようにしたこと以外は、実施例1と同様にして圧着、剥離転写を10000m継続し、積層体を作製し、さらにカラーフィルタを得た。UV−Bランプ81には、UV−B紫外線ランプ(三共電気株式会社、GL40SE)を用いた。
実施例1において、図1〜図3に示す構造と同様に構成された転写装置を用いて図4に示すフローのようにインライン洗浄制御を行なうようにし、ランプ照度を1mW/cm2として圧着ローラ64aが回転しているときのみに点灯するようにしたこと以外は、実施例1と同様にして圧着、剥離転写を10000m継続し、積層体を作製し、さらにカラーフィルタを得た。UV−Bランプ81には、UV−B紫外線ランプ(三共電気株式会社、GL40SE)を用いた。
なお、転写装置の圧着機構44を構成する圧着ローラ64a,64bは、STKM 13A製の内部中空の芯ロールと、該芯ロールの曲面全体をシリコーンゴムで被覆して形成されたシリコーンゴム層(ゴム層)65a,65bとで構成されたゴム被覆ローラであり、転写開始時はゴム層65aの表面の静止摩擦係数をエタノール洗浄により0.7に調整した。
−評価2−
上記において、さらに15000mの圧着、剥離転写を終了した後、実施例1と同様の方法で静止摩擦係数を測定した結果、0.52であった。
また、15000mの圧着、剥離転写の後において、圧着、剥離転写を10枚行なったときのラミ泡(気泡混入)の有無を評価した。ラミ泡の評価は、剥離転写を行なった後に光学顕微鏡にて感光性樹脂層のラミネート状態を目視により観察し、感光性樹脂層におけるラミ泡の有無を実施例1と同様の評価基準にしたがって行なった。このとき、感光性フィルムのテンションは120N、140Nの2水準とし、テンションの測定は実施例1と同様に行なった。
評価結果は、下記表2に示す。なお、表2には、照射によりローラ表面の洗浄を行なわなかった場合(実施例1と同様)の結果を併記した。
上記において、さらに15000mの圧着、剥離転写を終了した後、実施例1と同様の方法で静止摩擦係数を測定した結果、0.52であった。
また、15000mの圧着、剥離転写の後において、圧着、剥離転写を10枚行なったときのラミ泡(気泡混入)の有無を評価した。ラミ泡の評価は、剥離転写を行なった後に光学顕微鏡にて感光性樹脂層のラミネート状態を目視により観察し、感光性樹脂層におけるラミ泡の有無を実施例1と同様の評価基準にしたがって行なった。このとき、感光性フィルムのテンションは120N、140Nの2水準とし、テンションの測定は実施例1と同様に行なった。
評価結果は、下記表2に示す。なお、表2には、照射によりローラ表面の洗浄を行なわなかった場合(実施例1と同様)の結果を併記した。
前記表2に示すように、インライン洗浄を行なうことにより、インライン洗浄を行わなかった場合に比べ、長期間にわたって安定したラミネート性を与えることができた。
12・・・感光性フィルム
14・・・ガラス基板
44・・・圧着機構
64a,64b・・・圧着ローラ
81・・・UV−Bランプ
82・・・反射用筐体
83・・・遮光板
84,94・・・ライトガイド
87・・・照度センサ
88・・・反射型光センサ
93・・・案内ダクト
14・・・ガラス基板
44・・・圧着機構
64a,64b・・・圧着ローラ
81・・・UV−Bランプ
82・・・反射用筐体
83・・・遮光板
84,94・・・ライトガイド
87・・・照度センサ
88・・・反射型光センサ
93・・・案内ダクト
Claims (7)
- 基体の搬送に用いられ、シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールと、
前記ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射可能に配された光源と、
を備え、前記表面ゴム層の汚れの除去を前記紫外線の照射により行なう搬送装置。 - シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールを含む一対の圧着ロールと、前記ゴム系ロールにUV−B領域の紫外線を照射可能に配された光源と、を有する圧着手段を備え、
前記圧着手段により仮支持体上に転写層を有する転写材料を基板に圧着し、圧着後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写する積層体の製造装置。 - 前記圧着手段は、少なくとも圧着するときに前記紫外線を前記ゴム系ロールに照射し、前記ゴム系ロールの表面ゴム層の表面の汚れを除去することを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造装置。
- 前記ゴム系ロールの表面ゴム層の汚れを検出する汚れ検出手段と、
前記光源の照度を検出する照度検出手段と、
前記汚れ検出手段により検出された汚れ量に基づいて前記表面ゴム層に汚れが生じているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記表面ゴム層に汚れが生じていると判定されたときに、汚れが生じている前記表面ゴム層に、前記照度検出手段により検出された照度の積算値が所定値に達するまで照射されるように前記紫外線の照射を制御する照射制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の積層体の製造装置。 - 前記転写材料が、仮支持体上に感光性樹脂層を有する感光性転写材料であり、
前記光源は、紫外線を所定領域に遮光しながら案内するガイド機構を有し、前記表面ゴム層の少なくとも一部に紫外線を照射することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体の製造装置。 - シリコーン系ゴム及びフッ素系ゴムの少なくとも一方を含む表面ゴム層を有するゴム系ロールを含む一対の圧着ロールを通過させることにより、仮支持体上に転写層を有する転写材料を基板に圧着する圧着工程と、
前記ゴム系ロールの前記表面ゴム層にUV−B領域の紫外線を照射する照射工程と、
を有し、前記圧着工程により圧着した後に前記仮支持体を剥離することにより前記転写層を前記基板に転写する積層体の製造方法。 - 前記転写層が、着色剤を含む感光性樹脂層であって、基板に転写された前記感光性樹脂層をパターン状に露光し、現像して、前記基板上に着色パターンを形成する着色パターン形成工程を更に有することを特徴とする請求項6に記載の積層体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008094261A JP2009242089A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 搬送装置、積層体の製造装置及び製造方法 |
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