JP2009241491A - 接着剤付きフレキシブル片面金属張板並びに多層フレキシブル配線板及びその製造方法 - Google Patents

接着剤付きフレキシブル片面金属張板並びに多層フレキシブル配線板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面の平坦性、寸法安定性に優れ、かつ屈曲特性に優れ、またフレキシブル内層回路のカバーレイフィルムの使用を削減できることで板厚を薄くできるとともに、生産性が高くコスト低減に寄与する多層フレキシブル配線板を提供する。
【解決手段】フィルム10cと金属箔10aとを接着シート10bで接着したフレキシブル片面金属張板のフィルム10c側に接着剤層10dを形成した接着剤付きフレキシブル片面金属張板であって、接着剤層10dの塑性変形率が80%以上、98%以下である接着剤付きフレキシブル片面金属張板10A。
【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤付きフレキシブル片面金属張板並びにそれを用いた多層フレキシブル配線板及びその製造方法に関し、特に薄型化が要求される多層フレキシブル配線板において、高い屈曲性、耐熱性及び絶縁信頼性を有し、安価に製造しうる多層フレキシブル配線板等に関するものである。
従来、電気機器や電子機器の内部で用いられる回路基板としては、2層以上の回路を有する多層フレキシブル配線板が広く用いられている。なかでも電気・電子機器の軽量化・薄型化の観点から、より板厚の薄い多層フレキシブル配線板の採用が進んでいる。
一般的な多層フレキシブル配線板及びその製造方法の一例として、4層の回路を有する多層フレキシブル配線板の概略構成を示した断面図を図4に、製造方法を図5に示した。なお、図5は、内層フレキシブル配線板24を上側の回路3層のみ図示し、下側の回路2層の図示を簡略のため省略している。
(1)図5(a)に示すように、低フロー性の接着シート20を外層板21に重ね合わせて所定の温度で加圧・加熱して一体にして、接着シート付き外層板22を作成する。ここで所定の温度とは接着シートが外層板に未硬化の状態を維持したまま接着している温度条件であり、この段階では接着シートは未だ硬化していない。
(2)図5(b)に示すように、カバーレイフィルム23の接着剤面を、回路形成した内層フレキシブル配線板24に重ね合わせて加圧・加熱して一体に成形して、カバーレイ付きフレキシブル配線板25を作成する。
(3)図5(c)に示すように、接着シート付き外層板22とカバーレイ付きフレキシブル配線板25とを重ね合わせ加圧・加熱して一体に成形して接着剤層を完全硬化させ、多層銅張りフレキシブル配線板26を作成する。
(4)図5(d)に示すように、多層銅張りフレキシブル配線板26に穴あけ・めっき等により層間の導通を取るためのスルーホール27を形成する。
(5)図5(e)に示すように、最外層の回路を形成した後、回路の保護等のため、表層レジスト(図示略)を形成して、多層フレキシブル配線板28を作成する。
このように、これらの多層フレキシブル配線板において、外層板21と内層フレキシブル配線板24とを接着するローフロータイプの接着シート20は、内層回路の埋込性及び多層板としての耐熱性が十分ではなく、内層フレキシブル配線板24にはカバーレイフィルム23を用いて上記特性を補うのが一般的であった(上記(2)工程)。このため薄板化への障害や生産性に劣るなどの課題があった。
その改善のため、予めフレキシブル内層回路を樹脂絶縁層でコートして平坦化するという提案や(例えば、特許文献1参照)、金属箔付き樹脂シートを用いた該当配線板の提案もなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−27961号公報 特開2006−156502号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような予めフレキシブル内層回路を樹脂絶縁層でコートして平坦化する場合には、特性、生産性を含めてまだ十分なものとなっておらず、また、特許文献2に記載されたような金属箔付き樹脂シートを用いた場合は、多層板としての平坦性、耐熱性及び屈曲性が十分でなく、改善余地が多いものであった。
本発明は、上記の欠点を解消するためになされたもので、表面の平坦性、寸法安定性に優れ、かつ屈曲特性に優れ、またフレキシブル内層回路のカバーレイフィルムの使用を削減できることで板厚を薄くできるとともに、生産性が高くコスト低減に寄与する多層フレキシブル配線板を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フィルム側に特定の塑性変形率を有する接着剤層を形成した接着剤付きフレキシブル片面金属張板を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明の接着剤付きフレキシブル片面金属張板は、フィルム側に接着剤層を形成した接着剤付きフレキシブル片面金属張板であって、接着剤層の塑性変形率が80%以上、98%以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、表面平滑性、寸法安定性、板厚精度に優れ、かつ屈曲特性に優れ、またフレキシブル内層回路のカバーレイフィルムの使用を削減できることで板厚を薄くできるとともに、生産性が高くコスト低減に寄与する多層フレキシブル配線板を提供できる。
まず、本発明のフィルム側に接着剤層を形成した接着剤付きフレキシブル片面金属張板について説明する。本発明に用いるフレキシブル片面金属張板は、電気絶縁性フィルムの片面に金属箔が接着されたものである。
この電気絶縁性フィルムは、厚さが5〜100μmであって、引張り弾性率が3GPa以上であることが好ましい。さらには、このフィルムの厚さが10〜50μmの範囲にあれば、良好なフィルム強度を有し、またフレキシブル配線板の所望の屈曲性等特性の確保及び薄肉化を図ることができる。
引張り弾性率が3GPa以上であれば多層配線板としての平滑性、寸法精度を確保することができる。引っ張り弾性率の上限については特に制限はないが、通常2GPa程度である。
この電気絶縁性フィルムとしては、特に制限はなく、従来フレキシブル配線板の電気絶縁性フィルムとして使用されているフィルムの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えば、ポリイミドフィルム、ポリ−p−フェニレンテレフタラミド、ポリエーテルニトリルフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどのプラスチックフィルムを用いることができるが、これらの中で、耐熱性、寸法安定性、電気特性、機械的特性、耐薬品性、及び経済性などを考慮すると、ポリ−p−フェニレンテレフタラミドが好ましい。
金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔などが挙げられるが、これらの中で銅箔が好ましい。この金属箔の厚さは通常3〜35μm程度である。この金属箔を電気絶縁性フィルム上に積層して一体化する方法については特に制限はなく、従来公知の方法で実施できる。例えば、接着剤を用いて接着する方法などを採用して行ったり、スパッタリング等のCVD(Chemical Vapor Deposition)によりプラスチックフィルムの表面に金属膜を形成したりしても良い。
フレキシブル片面金属張板には、一般にフレキシブル金属張板として上市されている2層タイプフレキシブル配線板用金属張板及び3層タイプフレキシブル配線板用金属張板より選定して使用できる。
特に、多層フレキシブル配線板のケーブル部(図3の15)にスティフネス性や屈曲特性が要求される用途には3層タイプフレキシブル配線板用金属張板が好適に使用される。また、寸法安定性が要求される用途には、2層タイプフレキシブル配線板用金属張板がより好適に使用される。
3層タイプフレキシブル配線板用金属張板として用いることができるものの具体例としては、商品名TLF−521,TJF−530等(京セラケミカル株式会社製)が挙げられる。2層タイプフレキシブル配線板用金属張板の具体的品番としては、商品名:ESPANEX(新日鐵化学株式会社製)、商品名:NEOFLEX等(三井化学株式会社製)が挙げられる。いずれも金属は銅を用いている。
本発明に用いる片面金属張板のフィルム側に形成する接着剤層は、多層積層する前の接着剤層B−stage状態における塑性変形率が80%以上、98%以下であることが肝要である。
塑性変形率が上述した範囲よりも小さくなると、回路埋め込み性を大きく損なってしまい、また、塑性変形率が上述した範囲よりも大きくなると屈曲特性の信頼性を損なうため好ましくない。
なお、塑性変形率は微小硬度計により測定する。試験装置としては、島津製作所社製、ダイナミック超微小硬度計DUH−201を例示することができる。測定条件は、試験モード、負荷−除荷試験などの定法を採用することができる。例えば、塑性変形率の測定は、被測定物に対して三角錐圧子を用いて、負荷速度1.3mN/秒で30mNから0mNまで抜重し、これを1サイクルとして、全体の変形量に対する塑性変形量の比率を塑性変形率とした。
塑性変形率の測定試料は、調整した樹脂組成物を50μm厚のPETフィルム上に、塗膜厚さ50μmになるように形成し、150℃で3分間から10分間の予備乾燥を行い、接着剤シートを作成する。予備乾燥時間は、作成した接着剤シートを17cm×3cmに切断し、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧して樹脂の流れ出しが0.1mmから0.2mmの範囲に収まるように設定する。
また、本発明に用いる片面金属張板に形成する接着剤層は、多層積層した後、すなわち硬化後の弾性率が2GPa以上、5GPa以下であることが肝要である。弾性率が上述した範囲よりも小さくなると、屈曲性を損なってしまい、また、弾性率が上述した範囲よりも大きくなると屈曲性とスティフネス性を損なうため好ましくない。
なお、弾性率は熱分析計により測定する引張り弾性率である。試験装置としては、セイコーインスツルメント社製、EXSTER6000 DMAを例示することができる。弾性率の測定は、銅箔を除去した試料を5mm×30mmに切断し、室温から昇温速度5℃/分で250℃までの1Hzにおける引張り弾性率を測定する。
次に、本発明の接着剤層を形成する接着剤組成物について説明する。本発明に用いる接着剤組成物はエポキシ樹脂等の樹脂系の接着剤組成物が挙げられる。エポキシ樹脂系の接着剤組成物としては、例えば、(A)エポキシ樹脂と、(B)一般式(I)で示されるビス−p−アミノベンゾアート
Figure 2009241491
(但し、式中m、nはそれぞれ1〜12の整数を示し、m×nは6〜20である)と、(C)硬化促進剤と、(D)トリアジンジチオール誘導体と、(E)ゴム老化防止剤と、(F)合成ゴムと、(G)無機充填材と、を必須成分として含有するものを挙げることができる。
ここで、本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル系の変性エポキシ樹脂及びその臭素物などが挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。また、シロキサン及びリン化合物変性することによりハロゲンフリーで難燃性を付与することもできる。
本発明に用いる(B)一般式(I)で示されるビス−p−アミノベンゾアート(但し、式中m、nはそれぞれ1〜12の整数を示し、m×nは6〜20である)は、上記の通りの化学式で示される芳香族ジアミンであり、硬化剤として使用するものである。
この芳香族ジアミンは、各環にはひとつのアミノ基を含むが他の置換基を含まないものであり、たとえば、塩化p−ニトロゼンゾイルを炭素数6〜20個のジオールと反応させ、生成した化合物をジアミンに還元させることにより任意に製造することができる。
原料の具体的な商品例としては、例えば、エラスマー1000(イハラケミカル社製、商品名:ジオールの炭素数13)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。また、本発明の目的に反しない限り、他の硬化剤を併用することができる。
これら硬化剤の配合割合は、(A)のエポキシ樹脂のエポキシ基(a)と(B)の硬化剤ビス−p−アミノベンゾアートのアミノ基(b)との当量比[(b)/(a)]が0.3〜1.5の範囲内であることが望ましい。当量比が0.3未満では硬化が不十分となり、当量比が1.5を超えると未反応の官能基が多く残り、FPC用基板の特性を低下させ好ましくない。
本発明に用いる(C)硬化促進剤としては、通常のエポキシ樹脂用の硬化促進剤として用いられる第三級アミン、2−エチル−4−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、芳香族アミン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。好ましくは三フッ化ホウ素錯化合物である。その三フッ化ホウ素錯化合物としては、三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素トリエタノールアミン錯体、三フッ化ホウ素ベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素イミダゾール錯体等が挙げられる。これらの硬化促進剤は単独又は2種以上混合して用いることができる。
本発明に用いる(C)硬化促進剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましい。
本発明に用いる(D)トリアジンチオール誘導体としては、一般式(II)
Figure 2009241491
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、−NR、−NHR、−OR又は−SRで表される基である。)で表される化合物が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、炭素原子数が1〜25、好ましくは1〜18のアルキル基が挙げられる。このようなアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロビル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、デシル基、セチル基、ステアリル基、1−メンチル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、アルケニル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルケニル基が挙げられる。このようなアルケニル基としては、例えば、プロパンジエニル基、イソプロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、アリル基、2−メチルアリル基等が挙げられ、イソプロペニル基であることが好ましい。
また、アルキニル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアルキニル基が挙げられる。このようなアルキニル基としては、例えば、プロパルギル基、1−フェニルプロパルギル基等が挙げられ、プロパルギル基であることが好ましい。
また、アラルキル基としては、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10のアラルキル基が挙げられる。このようなアラルキル基としては、例えば、4−フェニルブチル基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基(C−)、メトキシフェニル基、o−トリル基、p−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−アミノフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、p−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−アセチルフェニル基、p−ヨードフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等が挙げられ、フェニル基であることが好ましい。
また、−NRで表される置換アミノ基としては、置換基R及びRがそれぞれ同一又は異なって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアラルキル基であり、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基としては、Rと同様の基が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、Rの説明で挙げた基の他に、2−ピペリジノエチル基、フッ素置換されたフルオロアルキル基、環状のシクロアルキル基であることも好ましく、フルオロアルキル基としては、テトラフルオロエチル基等、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
また、アラルキル基としては、ベンジル基又は置換ベンジル基であることも好ましく、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
また、−NHRで表されるモノ置換アミノ基としては、置換基Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、アニリノ基、ヒドロキシアニリノ基、p−メチルアニリノ基及びモルホリノ基から選ばれる基を示し、これらのうちでは、アルキル基が好ましい。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基としては、Rで示した基と同様の基が例示される。
また、ヒドロキシアニリノ基としては、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン誘導体に由来する基が挙げられる。
また、−ORで表される基としては、置換基Rがアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基から選ばれる基を示す。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基は、Rと同様の基を挙げることができ、アラルキル基としては、例えば、4−フェニルブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ハロゲノフェニル基等の置換フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
ここで、ハロゲノフェニル基としては、例えば、p−ヨードフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基等が挙げられる。
また、−SRで表される基としては、置換基Rがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はアリール基から選ばれる基を示す。これらの基としては、Rで示した置換基と同様の基を挙げることができる。
この置換基Rは以上のような置換基を例示することができるが、水素原子、アルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
そして、このような一般式(II)で表されるジチオール化合物としては、具体的には、例えば、s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メチル−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニル−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−アミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジヘキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−[ビス(2−ヘキシル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジエチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジシクロヘキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジフェニルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジベンジルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジドデシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジメチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ステアリルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−エチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ヘキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(cis−9−オクタデセニルアミノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−シクロヘキシルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(4−アニリノ−N−イソプロピルアニリノ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−メトキシ−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(1−ナフチルオキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(m−クロロフェノキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−(2,4−ジメチルフェノキシ)−s−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェノキシ−s−トリアジン−2,4−ジチオール等が挙げられる。
この(D)トリアジンチオール誘導体は、銅配線と樹脂層との密着性を改良するために十分となる量で用いられ、通常、(F)合成ゴム100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部の割合で用いることがより好ましい。
5質量部よりも多量であると、コストが嵩み、かつ、樹脂の物性が低くなってしまい、0.01質量部よりも少量であると密着性を十分に改良することができなくなってしまう。
次に、本発明で用いられる(E)ゴム老化防止剤は、フレキシブルプリント配線板の銅配線表面を不活性化させることにより、配線層の腐食を抑制する機能を有する公知のものであれば種々のものを制限なく用いることができる。
使用にあたっては、耐熱性・耐熱変色防止性等の物性から適宜選択すればよく、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン等の芳香族アミン類、ヒドロキノン類、ヒンダードフェノール類等のフェノール類、ヒンダードアミン、チオプロピオン酸誘導体、有機リン酸エステル、ヒドラジンとその誘導体、ヒドラジド誘導体、ジチオカルバミン酸塩とその誘導体、チオウレア誘導体、亜リン酸誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、サリチル酸誘導体、有機チオ酸、ヒドラジン誘導休、2,4−ジヒドロキシ安息香酸アニリド誘導体等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
より具体的には、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジン]ドデカン二酸、4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリオクタデシルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4´−ビフェニレンジチオフォスフェート、ジ−t−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等が挙げられる。
本発明で用いる(E)ゴム老化防止剤の配合量は、(F)合成ゴム100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部の割合で用いることがより好ましい。
5.0質量部以上になると添加効果が小さくなり、材料の着色が起こったり、製品表面にブツが発生しやすくなったり、コストが嵩み、かつ、樹脂の物性が低下してしまい、0.01質量部以下になると良好な耐熱性、耐熱変色防止性が得られなくなってしまう。
本発明に用いる(F)合成ゴムとしては、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンメチルアクリレートアクリロニトリルゴム、ブタジエンゴム、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、ビニル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ポリビニルブチラール等が挙げられ、これらゴムは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
この(F)合成ゴムの配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して10〜900質量部であることが好ましく、20〜150質量部であることがより好ましい。
900質量部を超えると耐熱性が低下してしまい、10質量部未満になると引き剥がし強度が低下してしまう。
本発明に用いる(G)無機充填剤は、難燃性を付与する等の補助添加剤として使用する無機充填剤であり、エポキシ樹脂組成物の接着剤としての諸特性を阻害しない範囲で添加可能である。これら充填剤には、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が含まれ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
この(G)無機充填剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。
50質量部を超えると樹脂の流動性が低下するため作業性が低下してしまい、5質量部未満になると難燃性が低下してしまう。
以上のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、所定のトリアジンチオール、ゴム老化防止剤、合成ゴム、無機充填剤を必須成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また、必要に応じて、顔料、難燃剤等を添加配合することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、臭素等のハロゲンを有するエポキシ樹脂や添加型ブロム化合物で変性することにより難燃性を付与することができる。また、シロキサン及びリン化合物変性することによりハロゲンフリーで難燃性を付与することもできる。
この場合のリン化合物としては、縮合型リン酸エステル、リン酸エステルアミド及びホスファゼン化合物が最適であり、例えば、ホスファゼン化合物としては、実質的にハロゲンを含まないもので、耐熱性、耐湿性、難燃性、耐薬品性等の観点から、融点が80℃以上であるホスファゼン化合物を好ましく使用できる。
このようなホスファゼン化合物としては、例えば、次の一般式(III)
Figure 2009241491
(但し、式中、Xは水素原子又はハロゲンを含まない有機基であって、それらが互いに同じでも異なっていてもよい。pは3〜10の整数を表す。)で表されるシクロホスファゼン化合物等が挙げられる。
このシクロホスファゼン化合物における置換基Xのハロゲンを含まない有機基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、アリール基等が挙げられる。
以上述べた本発明のエポキシ樹脂組成物を、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の好適な有機溶剤で希釈して、キャリアフィルム上に塗布し、加熱乾燥するという通常の方法によりエポキシ樹脂組成物をフィルム状に形成し、接着剤フィルムを製造し、片面フレキシブル金属張板のフィルム面に接着剤を熱圧ラミネート等で転写させて接着剤付きフレキシブル片面金属張板を製造する事ができる。また、直接接着剤組成物を片面フレキシブル金属張板のフィルム面にキャスティングし、乾燥させ、接着剤付きフレキシブル片面金属張板を製造してもよい。
また、多層フレキシブルプリント配線板は、本発明の接着剤付きフレキシブル片面金属張板にコアとなる回路形成されたフレキシブルプリント配線板に重ね合わせ加熱・加圧成形することにより製造することができる。
図1は、本発明による接着剤付きフレキシブル片面配線板の断面図であり、図1(a)はフレキシブル片面配線板としてフィルム10cと銅箔10aとの間に接着シート10bを有する3層板を使用した接着剤付きフレキシブル配線板10Aの構成例であり、図1(b)はフレキシブル片面配線板として、フィルム10cと銅箔10aとの間に接着シート10bを有しない2層板を使用した接着剤付きフレキシブル配線板10Bの例である。いずれも、本発明による接着剤層10dを設けている点が特徴である。
図2は、本発明を用いて多層フレキシブル配線板を作成する方法の一例を説明する概略断面工程図である。図3は、図2で説明した方法により製造された本発明の多層フレキシブル配線板の概略断面図である。
(1)本発明の多層フレキシブル配線板の製造方法では、まず図2(a)に示すように、接着剤付きフレキシブル片面金属張板10Aと、内層用フレキシブル配線板11とを重ね合わせ加圧・加熱して一体に成形し、多層銅張りフレキシブル配線板12を作成する。
(2)図2(b)に示すように、多層銅張りフレキシブル配線板12に穴あけ・めっき等により層間の導通を確保するためのスルーホール13を形成する。
(3)図2(c)に示すように、多層銅張りフレキシブル配線板12に最外層の回路を形成した後、回路の保護等のため、表層レジスト(図示略)を形成して、多層フレキシブル配線板14を作成する。
このようにして図3に示すような多層フレキシブル配線板を得ることができ、これは、ケーブル部(フレキシブル部)15、部品実装部(リジッド部)16、実装部品17で構成され、カバーレイを用いなくて済み、従来の多層フレキシブル配線板よりも薄くすることができる。
以下、実施例及び比較例において本発明を説明する。
(実施例1)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムのニポール1072(日本ゼオン社製、商品名;ニトリル含量27) 200質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート1001(油化シェル社製、商品名;エポキシ当量470) 320質量部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂のYDCN−703P(東都化成社製、商品名;エポキシ当量210) 147質量部、フェノールノボラック樹脂のBRG558(昭和高分子社製、商品名;水酸基価106) 160質量部、ビス−p−アミノベンゾアートであるエラスマー−1000(イハラケミカル株式会社製、商品名;アミン当量309.5、n×m=13.6、Mw1238) 90質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃)110質量部、トリアジンジチオール誘導体として6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール(三協化成株式会社製、商品名:ZISNET−DB) 4質量部、重金属不活性剤として3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(アデカアーガス化学株式会社製、商品名:MARK CDA−1) 2質量部、水酸化アルミニウム 220質量部及び三フッ素化ホウ素モノメチルアミン 5質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物Aを調整した。
このエポキシ樹脂組成物Aを、片面フレキシブル配線板用銅張板(新日鐵化学株式会社製、商品名:ESPANEX MC−122000)のフィルム面に、間隙0.15mmのバーコーターを用いて塗膜を形成した後、150℃で3分間予備乾燥を行い、乾燥後の接着剤厚さが25μm、160℃、4MPaにおける熱プレス後の樹脂流れが出しが0.12mmである接着剤付き片面フレキシブル金属張板Aを得た。
内層回路板用として、厚さ25μmのベースフィルムの両面に厚さ18μmの銅箔を重ねて一体化したフレキシブル両面銅張板のTLF−W−521MH(京セラケミカル株式会社製、商品名)を用意し、その表面にエッチングレジストを塗布し、塩化第二銅エッチング液でエッチングして回路形成してフレキシブル内層回路板1とした。その両面に接着剤付き片面フレキシブル銅張板Aを重ね合わせ、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し、多層フレキシブルプリント配線板1を製造した。
(実施例2)
カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴムのニポール1072(日本ゼオン社製、商品名;ニトリル含量27) 170質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート1001(油化シェル社製、商品名;エポキシ当量470) 320質量部、クレゾールノボラックエポキシ樹脂のYDCN−703P(東都化成社製、商品名;エポキシ当量210) 147質量部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子社製、商品名;水酸基価106) 200質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 110質量部、劣化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(川口化学社製、商品名) 1.7質量部、水酸化アルミニウム 220質量部及び三フッ素化ホウ素モノメチルアミン 6質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物Bを調整し、実施例1同様の方法で多層フレキシブルプリント配線板2を製造した。
(実施例3)
エポキシ樹脂組成物Aを、片面フレキシブル配線板用銅張板(京セラケミカル社製、商品名:TLF−530CW−12/12)のフィルム面に、ロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが25μmになるように塗布乾燥し、実施例1同様の方法で多層フレキシブルプリント配線板3を製造した。
(比較例1)
カバーレイ(京セラケミカル株式会社製、商品名:TFA−560AGM1225)を前述に用意したTLC−551(京セラケミカル株式会社製、商品名)の基材面に重ね合わせ、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し、更にその上に基材面側に接着シート(京セラケミカル株式会社製、商品名:TFA−880CA)を熱ラミネートにより貼り付けた片面フレキシブル銅張り積層板(京セラケミカル株式会社製、商品名:TLF−521)とを重ね合わせ、熱プレスにより160℃、4MPaの条件で1時間加熱加圧接着し多層フレキシブルプリント配線板4を製造した。
(比較例2)
ポリアミド樹脂のマクロメルト6217(ヘンケル白水株式会社製、商品名) 40質量部、エポキシ樹脂のYD−7011(東都化成株式会社製、商品名) 58質量部、硬化剤のジシアンジアミド1.8質量部、硬化促進剤のイミダゾールの2E4MZ(四国化成株式会社製、商品名) 0.5質量部、溶剤メチルエチルケトン 200質量部及びメタノール 50質量部を混合して樹脂組成物Eを調整した。
この樹脂組成物Eを、前述に用意したTLF−W−521MH(京セラケミカル株式会社製、商品名)の導体パターンに、ロールコータで導体パターンと同厚さに塗布して樹脂絶縁層を形成し、導体パターンと樹脂絶縁層を平坦化した。
次に、この平坦化した内層回路板の両面に、前記接着剤付き片面フレキシブル銅張板Aを重ね合わせ、実施例1と同様の方法で多層フレキシブルプリント配線板5を製造した。
(比較例3)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量470) 300質量部、ビフェニル型フェノールノボラック樹脂のMEH−7851(明和化成株式会社製、商品名;OH当量210) 140質量部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 51質量部、水酸化アルミニウム 200質量部及び三フッ素化ホウ素モノメチルアミン 5質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物Dを調整し、実施例1同様の方法で多層フレキシブルプリント配線板6を製造した。
(比較例4)
カルボキシル基含有アクリルゴムKC−601(根上工業株式会社製、商品名) 350質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェル株式会社製、商品名;エポキシ当量470) 100質量部、ビフェニル型フェノールノボラック樹脂のMEH−7851(明和化成株式会社製、商品名;OH当量210) 50部、フェノキシホスファゼンオリゴマー(大塚化学株式会社製、融点100℃) 60質量部、水酸化アルミニウム 120質量部及び三フッ素化ホウ素モノメチルアミン1質量部からなる混合物に溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)及びメチルエチルケトンを加えて固形分40質量%のエポキシ樹脂組成物Cを調整し、実施例1同様の方法で多層フレキシブルプリント配線板7を製造した。
なお、フレキシブル配線板の諸特性は、以下に示す要領に従って評価した。
1)塑性変形率:ダイナミック超微小硬度計 DUH−201(島津製作所製)を使用して、負荷速度1.3mN/秒、負荷範囲0mNから30mN、最大負荷(30mN)保持時間5秒間の測定条件で塑性変形率を求めた。
2)スティフネス性:回路のない部分から1cm×10cmの測定試料を調整し、長さ方向に対して半分に折り返して、端部から5mm内側の上下の間隙を5mmとした時の反発荷重をプッシュ・プル・ゲージで測定した。
3)弾性率:回路のない部分から5mm×30mmの測定試料を調整し、室温から昇温速度5℃/分で250℃までの1Hzにおける引張り弾性率を測定した。
4)耐折性:JIS C 6471 8.2に準拠し、500gの荷重で試料に張力を与え、曲率半径0.38mmの条件で、破断するまでの回数を測定した。
5)半田耐熱性:JIS C 6471 8.1.5に準拠し、煮沸水中で2時間吸湿処理を行い、260℃の半田浴に5秒間浮かべたときの状態を目視観察した。評価基準は、○:変化なし、×:ふくれ発生、とした。
6)平坦性:回路厚18μmの表面の被覆状態の凹凸を目視とマイクロメーターによる測定値との総合判定とした。評価基準は、○:凹凸なし(5μm未満)、△:凹凸小(5μmから10μm)、×:凹凸大(10μm超)、とした。
7)薄板対応:表面導体層と第二の導体層の間の絶縁層厚さが、対応可能である最小値から判定した。判定基準は、○:0.05mm未満、△:0.05mm〜0.075mm、×:0.75mm超、とした。
このフレキシブル配線板の特性を表1に示す。
Figure 2009241491
表1から明らかなように、本発明の多層フレキシブル配線板は、平坦性、寸法安定性等に優れ、かつその他の諸特性にも優れ、またフレキシブル内層回路のカバーレイフィルムの使用を削減できることで板厚を薄くできるとともに、生産性が高くコスト低減に寄与する多層フレキシブル配線板である。
本発明の接着剤付きフレキシブル片面金属張板の概略断面図である。 本発明の多層フレキシブル配線板の製造方法の一例を説明する断面工程図である。 本発明の多層フレキシブル配線板の概略断面図である。 従来の一般的な多層フレキシブル配線板の概略断面図である。 従来の一般的な多層フレキシブル配線板を作成する方法の一例を説明する断面工程図である。
符号の説明
10…フレキシブル片面金属張板、10a…銅箔、10b…接着シート、10c…フィルム、10d…接着剤層、11…内層用フレキシブル配線板、12…フレキシブル配線板、13…スルーホール、14…多層フレキシブル配線板、15…ケーブル部(フレキシブル部)、16…部品実装部(リジッド部)、17…実装部品、20…接着シート、21…外層板、22…外層板、23…カバーレイフィルム、24…内層フレキシブル配線板、25…カバーレイ付きフレキシブル配線板、26…フレキシブル配線板、27…スルーホール、28…多層フレキシブル配線板

Claims (8)

  1. フィルム側に接着剤層を形成した接着剤付きフレキシブル片面金属張板であって、
    前記接着剤層の塑性変形率が80%以上、98%以下であることを特徴とする接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  2. 前記接着剤層の硬化後の弾性率が2GPa以上、5GPa以下であることを特徴とする請求項1記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  3. 前記接着剤が、(A)エポキシ樹脂と、(B)次の一般式(I)で示されるビス−p−アミノベンゾアート
    Figure 2009241491
    (但し、式中m、nはそれぞれ1〜12の整数を示し、m×nは6〜20である)と、(C)硬化促進剤と、(D)トリアジンジチオール誘導体と、(E)ゴム老化防止剤と、(F)合成ゴムと、(G)無機充填剤と、を必須成分とする接着剤組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  4. 前記(F)合成ゴム 100質量部に対し、前記(D)トリアジンジチオール誘導体及び前記(E)ゴム老化防止剤をそれぞれ0.1〜5質量部配合することを特徴とする請求項3記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  5. 前記(E)ゴム老化防止剤が、フェノール類、芳香族アミン類並びにヒドラジン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3又は4記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  6. 前記(C)硬化促進剤が三フッ化ホウ素錯化合物であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板。
  7. 予め回路形成したフレキシブル内層回路板に、請求項1乃至6のいずれか1項記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板をその接着剤層が内層回路と接する様に重ね合わせ、加熱・加圧成型してなることを特徴とする多層フレキシブル配線板。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の接着剤付きフレキシブル片面金属張板とフレキシブル内層回路板とを、前記接着剤付きフレキシブル片面金属張板をその接着剤層が前記内層回路と接するように重ね合わせ、加熱・加圧して一体に成形することを特徴とする多層フレキシブル配線板の製造方法。
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