JP2009241279A - 液体噴射駆動装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射駆動装置及び液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低粘度から高粘度までの液体を吐出する場合において微小ドットを安定して高周波吐出が行える液体噴射駆動装置並びにこれを具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を前記圧力発生手段に供給する駆動手段と、吐出する液体の粘度情報を取得する粘度情報取得手段とを具備し、前記駆動手段は、吐出用収縮要素を構成するホールド要素P04A、P04Bの時間t1、t2が異なる複数の吐出パルスを供給可能であり、前記粘度情報取得手段が取得した粘度情報に基づいて、前記粘度情報が相対的に高い場合ほど、前記ホールド要素P04Bの時間t2が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、前記粘度情報が相対的に低い場合ほど、前記ホールド要素P04Aの時間t1が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドを駆動する液体噴射駆動装置及びこれを具備する液体噴射ヘッド並びに液体噴射装置に関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留手段に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを有する。
ここで、インクジェット式記録ヘッドとしては、ノズル開口に連通する圧力発生室と、複数の圧力発生室に連通する共通の液体室であるリザーバと、圧力発生室に圧力変化を生じさせてノズル開口から液滴を吐出させる圧力発生手段とを具備する。そして、インクジェット式記録ヘッドに搭載される圧力発生手段としては、例えば、縦振動型の圧電素子、撓み振動型の圧電素子、静電気力を用いたもの、発熱素子を用いたものなどが挙げられる。
このようなインクジェット式記録ヘッドに液滴の吐出を行わせる場合、温度の変化に基づいて液滴の粘度が異なることにより、吐出される液滴の吐出速度や重量が変化するなど吐出特性が変化するという問題がある。また、液滴の溶媒が蒸発して粘度が大きく変化して同様に吐出特性が変化するという問題がある。さらに、液滴吐出の目的によっては非常に高粘度の液体を吐出させなければならないが、このような場合にも通常の場合と同様な吐出特性が求められる。
このため、温度検出センサを設けて温度変化に応じてインクジェットヘッドの駆動波形を微調整し、インク滴重量を安定して吐出させる技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術は、温度上昇に基づいて粘度が低下した分だけ、駆動電圧を低下させるように調整するものである。
また、粘度測定手段を設けて粘度の測定結果に基づいて駆動電圧波形を決定する技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術は、粘度が高いほど、駆動波形の吐出のための収縮要素である負勾配部の幅を調整して吐出速度を所定の値にするものであり、インク粘度が低いほど、幅を大きくして吐出速度が増大するのを防止するものである。なお、この技術では、溶媒蒸発による粘度上昇を問題としているので、粘度上昇した場合に、乾燥後の重量が一定となるように、駆動電圧を低下させて吐出量を低下させる制御も行うものである。
さらに、駆動波形の収縮要素の途中にホールド要素や膨張要素を一時的に設け、微小ドットを吐出させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献3又は4参照)。
特開平7−148240号公報 特開2006−297176号公報 特開2006−306076号公報 特開2001−150672号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2の技術では、粘度変化に応じて駆動波形を調整しているが、特に高粘度、例えば、10m・Pa以上という高粘度の液体を吐出する場合に、吐出特性が維持できず、また、高周波数印刷が困難になるという問題がある。また、高粘度の液体を吐出するヘッドを開発する場合において、高粘度専用ヘッドではなく、低粘度から高粘度まで幅広い液体を安定して吐出できる液体吐出ヘッドが望まれる。
また、特許文献3及び4に示すような駆動波形を用いて微小ドットを吐出させる場合、特にインクの粘度について考慮されていないため、高粘度のインクで微小ドットを形成するのは困難であるという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録装置だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、低粘度から高粘度までの液体を吐出する場合において微小ドットを安定して高周波吐出が行える液体噴射駆動装置並びにこれを具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドを駆動する液体噴射駆動装置であって、前記圧力発生室を膨張させる吐出用膨張要素と、当該圧力発生室の膨張状態を保持する吐出用ホールド要素と、前記ノズル開口から前記液滴を吐出するために前記圧力発生室を収縮させる吐出用収縮要素とをこの順序で含む吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を前記圧力発生手段に供給する駆動手段と、吐出する液体の粘度情報を取得する粘度情報取得手段とを具備し、前記吐出パルスの前記吐出用収縮要素は、前記圧力発生室を収縮させる初期収縮要素と、初期収縮要素による収縮状態を維持するホールド要素と、前記初期収縮要素からさらに圧力発生室を収縮させる後期収縮要素とを備え、前記駆動手段は、前記吐出パルスの前記ホールド要素の時間が異なる複数の吐出パルスを供給可能であり、前記粘度情報取得手段が取得した粘度情報に基づいて、前記粘度情報が相対的に高い場合ほど、前記ホールド要素の時間が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、前記粘度情報が相対的に低い場合ほど、前記ホールド要素の時間が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給することを特徴とする液体噴射駆動装置にある。
かかる態様では、液体の粘度が相対的に高い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、液体の粘度が相対的に低い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給することにより、高粘度から低粘度まで安定して高周波吐出を行うことができる。
ここで、前記ホールド要素は、液体が吐出される前に前記圧力発生室内の振動を制振させるものである。これによれば、液体の粘度が相対的に高いほど、メニスカスの戻りが遅くなり、液体の粘度が相対的に低いほど、メニスカスの戻りが早くなるため、ホールド要素の時間を粘度に応じて変更することで、制振作用を最適に機能させて、微小ドットを安定して吐出させることができる。
また、前記吐出用収縮要素が、前記圧力発生室を収縮させる第1の収縮要素と、該第1の収縮要素による圧力発生室の収縮状態を維持する第1のホールド要素と、前記第1の収縮要素により収縮した前記圧力発生室を膨張させる第1の膨張要素と、該第1の膨張要素によって膨張した前記圧力発生室を収縮させる前記初期収縮要素と、前記ホールド要素と、前記後期収縮要素とを具備することが好ましい。これによれば、さらに微小ドットを吐出させる場合であっても、液体の粘度に拘わらず安定して高周波吐出を行わせることができる。
また、前記粘度情報は、吐出される液体の種類に基づいたものであることが好ましい。これによれば、吐出させる液体が高粘度でも低粘度でも、その粘度に応じた駆動信号で駆動させることができる。
また、前記粘度情報は、環境温度又は吐出される液体の温度に基づいたものであることが好ましい。これによれば、温度変化に基づいた液体の粘度変化に応じて、最適な駆動信号で駆動させることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射駆動装置と、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、液体の粘度が相対的に高い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、液体の粘度が相対的に低い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給することにより、高粘度から低粘度まで安定して高周波吐出を行うことができる液体噴射ヘッドとすることができる。
また、さらに本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射駆動装置と、液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドとを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の粘度が相対的に高い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、液体の粘度が相対的に低い場合ほど、ホールド要素の時間が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給することにより、高粘度から低粘度まで安定して高周波吐出を行うことができる液体噴射装置とすることができる。
また、前記液体噴射ヘッドに、常温での粘度が6m・Pas〜20m・Pasの範囲にある液体を供給する供給手段を具備することが好ましい。これによれば、常温での粘度が6m・Pas〜20m・Pasの範囲にある液体を用いても安定した吐出を行わせることができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の概略斜視図である。
本実施形態の液体噴射装置は、例えば、インクジェット式記録装置であり、図1に示すように、詳しくは後述するインクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インクジェット式記録ヘッドにインクを供給する供給手段を構成するインクカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
また、キャリッジ軸5の一端部近傍には、駆動モータ6が設けられており、駆動モータ6の軸の先端部には外周に溝を有する第1のプーリ6aが設けられている。さらに、キャリッジ軸5の他端部近傍には、駆動モータ6の第1のプーリ6aに対応する第2のプーリ6bが回転自在に設けられており、これら第1のプーリ6aと第2のプーリ6bとの間には環状でゴム等の弾性部材からなるタイミングベルト7が掛けられている。
そして、駆動モータ6の駆動力がタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図示しない紙送りモータの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
ここで、上述のようなインクジェット式記録装置Iに搭載されるインクジェット式記録ヘッドについて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの一例を示す断面図である。
図2に示すインクジェット式記録ヘッド10は、縦振動型の圧電素子を有するタイプであり、流路基板11には、複数の圧力発生室12が並設され、流路基板11の両側は、各圧力発生室12に対応してノズル開口13を有するノズルプレート14と、振動板15とにより封止されている。また、流路基板11には、各圧力発生室12毎にそれぞれインク供給口16を介して連通されて複数の圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ17が形成されており、リザーバ17には、図示しないインクカートリッジが接続される。
一方、振動板15の圧力発生室12とは反対側には、各圧力発生室12に対応する領域にそれぞれ圧電素子18の先端が当接されて設けられている。これらの圧電素子18は、圧電材料19と、電極形成材料20及び21とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層され、振動に寄与しない不活性領域が固定基板22に固着されている。
このように構成されたインクジェット式記録ヘッド10では、インクカートリッジに連通されるインク流路を介してリザーバ17にインクが供給され、インク供給口16を介して各圧力発生室12に分配される。実際には、圧電素子18に電圧を印加することにより圧電素子18を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子18と共に変形されて(図中上方向に引き上げられて)圧力発生室12の容積が広げられ、圧力発生室12内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口13に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧電素子18の電極形成材料20及び21に印加していた電圧を解除すると、圧電素子18が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板15も変位して元の状態に戻るため圧力発生室12が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。すなわち、本実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として縦振動型の圧電素子18が設けられている。
図3は、インクジェット式記録装置の制御構成を示すブロック図である。ここで、図3を参照して、本実施形態のインクジェット式記録装置の制御について説明する。本実施形態のインクジェット式記録装置は、図3に示すように、プリンタコントローラ111とプリントエンジン112とから概略構成されている。プリンタコントローラ111は、外部インターフェース113(以下、外部I/F113という)と、各種データを一時的に記憶するRAM114と、制御プログラム等を記憶したROM115と、CPU等を含んで構成した制御部116と、クロック信号を発生する発振回路117と、粘度情報記憶部118、インクジェット式記録ヘッド10へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路119と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン112に送信する内部インターフェース120(以下、内部I/F120という)とを備えている。
外部I/F113は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、この外部I/F113を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピュータ等に対して出力される。RAM114は、受信バッファ121、中間バッファ122、出力バッファ123、及び、図示しないワークメモリとして機能する。そして、受信バッファ121は外部I/F113によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファ122は制御部116が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファ123はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。
また、ROM115には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。
制御部116は、受信バッファ121内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファ122に記憶させる。また、中間バッファ122から読み出した中間コードデータを解析し、ROM115に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部116は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファ123に記憶させる。さらに、制御部116は、波形設定手段としても機能し、駆動信号発生回路119を制御することにより、この駆動信号発生回路119から発生される駆動信号の波形形状を設定する。かかる制御部116は、後述する駆動回路(図示なし)などと共に本発明の駆動手段を構成する。また、インクジェット式記録ヘッド10を駆動する液体噴射駆動装置としては、この駆動手段を少なくとも具備するものであればよく、本実施形態では、プリンタコントローラ111を含むものとして例示してある。
また、粘度情報記憶部118は、プリンタに対する電源の供給が絶たれても記憶内容が保持可能な不揮発性の記憶素子が用いられる。例えば、EEPROMやフラッシュRAM、或いは、バックアップ電源に接続されたRAM等によって構成される。本実施形態では、粘度情報記憶部118が粘度情報取得手段として機能し、詳細は後述するが、粘度情報記憶部118に、粘度の範囲との関係で、吐出パルスの波形情報、例えば、吐出用収縮要素に設けられたホールド要素の時間などに関する情報を記憶させている。また、使用されるインクの粘度が予め決定されている場合には、その粘度を記憶させておき、この粘度に応じて、使用する吐出パルスの形状を決定するようになっている。
そして、インクジェット式記録ヘッド10の1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F120を通じてインクジェット式記録ヘッド10に出力される。また、出力バッファ123から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファ122から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
プリントエンジン112は、インクジェット式記録ヘッド10と、紙送り機構124と、キャリッジ機構125とを含んで構成してある。紙送り機構124は、紙送りモータとプラテン8等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッド10の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構124は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構125は、インクジェット式記録ヘッド10を搭載可能なキャリッジ3と、このキャリッジ3を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ3を走行させることによりインクジェット式記録ヘッド10を主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モータ6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッド10は、副走査方向に沿って多数のノズル開口13を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口13から液滴を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド10の圧電素子18には、図示しない外部配線を介して電気信号、例えば、後述する駆動信号(COM)や記録データ(SI)等が供給される。このように構成されるプリンタコントローラ111及びプリントエンジン112では、プリンタコントローラ111と、駆動信号発生回路119から出力された所定の駆動波形を有する駆動信号を選択的に圧電素子18に入力するラッチ132、レベルシフタ133及びスイッチ134等を有する駆動回路(図示なし)とが圧電素子18に所定の駆動信号を印加する駆動手段となる。
なお、これらのシフトレジスタ131、ラッチ132、レベルシフタ133、スイッチ134及び圧電素子18は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッド10の各ノズル開口13毎に設けられており、これらのシフトレジスタ131、ラッチ132、レベルシフタ133及びスイッチ134は、駆動信号発生回路119が発生した吐出駆動信号や緩和駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電素子18に印加される印加パルスのことである。
このようなインクジェット式記録ヘッド10では、最初に発振回路117からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する記録データ(SI)が出力バッファ123からシフトレジスタ131へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル開口21の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送され、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
そして、当該ビットの記録データの全ノズル分が各シフトレジスタ131にセットされたならば、制御部116は、所定のタイミングでラッチ132へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ132は、シフトレジスタ131にセットされた印字データをラッチする。このラッチ132がラッチした記録データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフタ133に印加される。このレベルシフタ133は、記録データが例えば「1」の場合に、スイッチ134が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの記録データを昇圧する。そして、この昇圧された記録データは各スイッチ134に印加され、各スイッチ134は、当該記録データにより接続状態になる。
そして、各スイッチ134には、駆動信号発生回路119が発生した駆動信号(COM)も印加されており、スイッチ134が選択的に接続状態になると、このスイッチ134に接続された圧電素子18に選択的に駆動信号が印加される。このように、例示したインクジェット式記録ヘッド10では、記録データによって圧電素子18に吐出駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、記録データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)によりスイッチ134が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電素子18に供給することができ、この供給された駆動信号(COMout)により圧電素子18が変位(変形)する。また、記録データが「0」の期間においてはスイッチ134が非接続状態となるので、圧電素子18への駆動信号の供給は遮断される。この記録データが「0」の期間において、各圧電素子18は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
なお、上記の圧電素子18は、上述のように縦振動型の圧電素子18である。この縦振動型の圧電素子18を用いると、充電により圧電素子18が縦方向に縮んで圧力発生室12を膨張させ、放電により圧電素子18が縦方向に伸長して圧力発生室12を収縮させる。このようなインクジェット式記録ヘッド10では、圧電素子18に対する充放電に伴って対応する圧力発生室12の容積が変化するので、圧力発生室12の圧力変動を利用してノズル開口13から液滴を吐出させることができる。
ここで、圧電素子18に入力される本実施形態の駆動信号(COM)を表す駆動波形について説明する。なお、図4は、本実施形態の駆動信号を示す駆動波形であり、図5及び図6は、ノズル開口のメニスカスの状態を示す断面図である。
圧電素子18に入力される駆動波形は、共通電極を基準電位(本実施形態では0V)として、個別電極に印加されるものである。図4に示す波形は基本形状であり、中間電位Vmを維持した状態から第1電位V1まで上昇させる吐出用膨張要素P01と、第1電位V1を一定時間維持する吐出用ホールド要素P02と、第1電位V1から第3電位V3まで降下させる吐出用収縮要素P03〜P05と、第3電位V3を一定時間維持する制振ホールド要素P06と、第3電位V3から中間電位Vmまで電位を上昇させる制振膨張要素P07とで構成されている。
また、吐出用収縮要素P03〜P05は、第1電位V1から第2電位V2まで降下させる初期収縮要素P03と、第2電位V2を比較的短時間維持するホールド要素P04と、第2電位V2から第3電位V3まで降下させる後期収縮要素P05とで構成されている。
そして、このような駆動波形が圧電素子18に供給されると、図5(a)に示すように、吐出用膨張要素P01によって、圧電素子18が圧力発生室12の容積を膨張させる方向に変形して、ノズル開口13内のメニスカスが圧力発生室12側に引き込まれると共に、圧力発生室12にはリザーバ17側からインクが供給される。そして、圧力発生室12の膨張状態は、吐出用ホールド要素P02で維持される。このとき、図5(b)に示すように、メニスカスの中心部分が吐出方向に反転し、柱状に盛り上がった状態となる。次に、初期収縮要素P03が供給されて圧電素子18が伸長する。これにより、圧力発生室12は膨張容積から第2電位V2に対応する収縮容積まで急激に収縮され、圧力発生室12内のインクが加圧される。これにより、図5(c)に示すように、メニスカスの柱状部分の成長が促される。続いて、ホールド要素P04が供給され、圧力発生室12はこのホールド要素P04の供給期間中に亘って収縮状態で維持される。その間メニスカスは、図6(a)に示すように、慣性力によって圧力発生室12側に引き込まれる。このタイミングで、後期収縮要素P05が供給されて圧力発生室12内のインクが加圧されることで、図6(b)〜図6(c)に示すように、柱状となったメニスカスの先端部分がちぎれ、微小なインク滴(微小ドット)となって吐出する。また、先端部分がちぎれた反動により、残った部分は圧力発生室12側へ急速に移動する。その後は、制振ホールド要素P06によって圧力発生室12の収縮状態が一定時間維持された後、制振膨張要素P07の供給によって圧力発生室12が定常容積まで膨張復帰する。この制振膨張要素P07は、制振ホールド要素P06によって圧力発生室12側に引き込まれたメニスカスが反転して吐出側に移動するタイミングで供給されるので、メニスカスの吐出側への移動力を吸収するように作用する。その結果、メニスカスの振動が短時間で収束される。すなわち、吐出収縮要素を構成するホールド要素P04は、インクを吐出する前に圧力発生室12内のインク(メニスカス)を制振させる制振要素として機能する。
本実施形態では、このような吐出パルスにおいて、吐出用収縮要素を構成するホールド要素P04の時間を、インクの粘度に応じて変化させた複数の吐出パルスを用意し、吐出する液滴の粘度に応じて複数の吐出パルスを打ち分けるようにする。
ここで、複数の吐出パルスを打ち分けるとは、使用するインクの粘度に応じて使用する吐出パルスを決定して供給するか、又は使用するインクの粘度に応じて吐出パルスを複数決定し、さらに、環境温度に依存した粘度変化に応じて決定した複数の吐出パルスの中から適正な吐出パルスを供給するようにするものである。
例えば、上述したようにインクジェット式記録ヘッド10で使用されるインクが決定されている場合には、出荷前の検査工程において粘度情報記憶部118に粘度情報又は使用する吐出パルスの範囲を記憶させておき、制御部116がこれを取得して所定の吐出パルスを生成させることにより実行される。また、使用されるインクの粘度が事前にわからない場合には、使用されるインクの粘度を測定する粘度測定手段を搭載しておけば、この粘度測定手段が粘度情報取得手段の一部となって、この粘度情報に応じて粘度情報記憶部118に格納されている粘度に応じて最適な吐出パルスを制御部116で決定し、これに応じて所定の吐出パルスを生成させることができる。
一方、環境温度に応じて変化した粘度情報に基づいて吐出パルスを変更する制御は、温度検出手段又は粘度検出手段により実際のインク粘度を測定し、これに応じて吐出パルスを変更することにより実行される。このような吐出パルスを動的に変更する場合には、COMに複数の吐出パルスを含ませて、粘度に応じて何れかを選択して供給するようにするか、複数のCOMを形成して粘度に応じて何れかを使用するようにすればよく、制御の方法は特に限定されない。
図7には、吐出パルスの一例を示す。図7(a)は相対的に低粘度用の吐出パルスであり、図7(b)は相対的に高粘度用の吐出パルスである。なお、ここで、相対的に高粘度、相対的に低粘度とは、両者の比較において粘度を表現しているものであり、相対的に低粘度が、一般的には高粘度といわれる、例えば、10m・Pas以上の粘度を指すこともある。例えば、相対的に高粘度が室温のインク粘度であり、相対的に低粘度が高温状態で粘度が低下したインク粘度を示す場合もあり、また、相対的に高粘度が、例えば、粘度が20m・Pa以上の高粘度をいい、相対的に低粘度が、例えば、10m・Pa程度(一般的には高粘度といわれる)の粘度を指す場合もある。
図7(a)に示すように、低粘度用の吐出パルスは、図4に示した吐出パルス同様に、中間電位Vmを維持した状態から第1電位V1まで上昇させる吐出用膨張要素P01と、第1電位V1を一定時間維持する吐出用ホールド要素P02と、第1電位V1から第3電位V3まで降下させる吐出用収縮要素P03、P04A、P05と、第3電位V3を一定時間維持する制振ホールド要素P06と、第3電位V3から中間電位Vmまで電位を上昇させる制振膨張要素P07とで構成されている。そして、吐出用収縮要素は、初期収縮要素P03と、ホールド要素P04Aと、後期収縮要素P05とで構成されている。
一方、高粘度用の吐出パルスも同様に、図7(b)に示すように、吐出用膨張要素P01と、吐出用ホールド要素P02と、吐出用収縮要素P03、P04B、P05と、制振ホールド要素P06と、制振膨張要素P07とで構成されている。そして、吐出用収縮要素は、低粘度用の吐出パルスと同様に、初期収縮要素P03と、ホールド要素P04Bと、後期収縮要素P05とで構成されている。
ここで、両者の違いは、吐出用収縮要素に設けられたホールド要素P04A、P04Bの時間t1、t2である。そして、高粘度用の吐出パルスのホールド要素P04Bの時間t2は、低粘度用の吐出パルスのホールド要素P04Aの時間t1よりも長くなるように設定されている。
このような吐出用収縮要素のホールド要素P04A、P04Bは、吐出動作中(インク滴吐出前)にインクを制振させるものとして機能するため、インクの粘度に応じてホールド要素P04A、P04Bの時間t1、t2を変えることにより、インク粘度に応じて制振作用を最適に機能させることができる。これにより、インクの粘度に拘わらず微小ドットを安定して吐出させることができる。すなわち、インクが高粘度の場合には、流路抵抗が大きくなるため、インク自身が持つ制振作用が効きやすい。また、インクが低粘度の場合には、流路抵抗が小さくなるため、インク自身の持つ制振作用が利きにくい。そして、微小ドットを吐出するために吐出収縮要素に制振作用となるホールド要素P04A、P04Bを設けるような吐出パルスにおいては、インクが高粘度の場合には、インクの戻り(ここではメニスカスの戻り)が遅くなるため、ホールド要素P04Bの時間t2を長くすることで、微小ドットを安定して吐出させることができる。また、インクが低粘度の場合には、インクの戻りが早くなるため、ホールド要素P04Aの時間t1を短くすることで、微小ドットを安定して吐出させることができる。
図8は、吐出パルスの他の例を示してある。図8(a)に示すように、低粘度用の吐出パルスは、中間電位Vmから第4電位V4まで上昇させる吐出用膨張要素P11と、第4電位V4を一定時間維持する吐出用ホールド要素P12と、第4電位V4から第8電位V8まで降下させる吐出用収縮要素P13〜P19と、第8電位V8を一定時間維持する制振ホールド要素P20と、第8電位V8を中間電位Vmまで上昇させる制振膨張要素P21とを具備する。
そして、吐出用収縮要素は、第4電位V4から第5電位V5まで下降させる第1の収縮要素P13と、第5電位V5を一定時間維持する第1のホールド要素P14と、第5電位V5から第6電位V6まで上昇させる第1の膨張要素P15と、第6電位V6を一定時間維持する第2のホールド要素P16と、第6電位V6から第7電位V7まで下降させる初期収縮要素P17と、第7電位V7を一定時間維持するホールド要素P18Aと、第7電位V7から第8電位まで下降させる後期収縮要素P19とを具備する。
そして、このような駆動波形が圧電素子18に供給されると、吐出用膨張要素P11によって圧力発生室12を第4電位V4に対応する膨張容積まで膨張する。これによりメニスカスが圧力発生室12側に引き込まれると共にリザーバ17側から圧力発生室12にインクが供給される。そして、圧力発生室12の膨張状態が吐出用ホールド要素P12によって一定時間維持される。このとき、メニスカスの中心部分が吐出方向に反転し、柱状に盛り上がった状態となる。その後、第1の収縮要素P13によって圧力発生室12を収縮させる。これによりメニスカスの柱状部分の成長が促される。そして、第1ホールド要素P14によって短時間維持された後、メニスカスが吐出側に突出したタイミングで第1の膨張要素P15を供給して圧力発生室12を膨張させることで、メニスカスが制振される。そして、第2のホールド要素P16によって短時間維持された後、初期収縮要素P17によって圧力発生室12が収縮することによりメニスカスが柱状に成長し、ホールド要素P18Aによって、圧力発生室12の加圧が一定時間停止されることで圧力発生室12内のインクが制振され、その後、後期収縮要素P19を供給することで微小ドットのインク滴が吐出される。ちなみに、このような駆動波形によって吐出されるインク滴は、図4に示す駆動波形によるインク滴のドットよりもさらに微小となる。また、第1の膨張要素P15の駆動電圧、すなわち、第5電位V5から第6電位V6までの電位差が高くなるほど、インク滴の大きさは小さくなる。
一方、図8(b)に示すように、高粘度用吐出パルスは、吐出用膨張要素P11と、吐出用ホールド要素P12と、吐出用収縮要素P13〜P19と、制振ホールド要素P20と、制振膨張要素P21とを具備する。そして、吐出用収縮要素は、第1の収縮要素P13と、第1のホールド要素P14と、第1の膨張要素P15と、第2のホールド要素P16と、初期収縮要素P17と、ホールド要素P18Bと、後期収縮要素P19とを具備する。
ここで、両者の違いは、吐出用収縮要素に設けられたホールド要素P18A、P18Bの時間t3、t4である。そして、高粘度用の吐出パルスのホールド要素P18Bの時間t4は、低粘度用の吐出パルスのホールド要素P18Aの時間t3よりも長くなるように設定されている。
このような吐出用収縮要素のホールド要素P18A、P18Bは、吐出動作中(インク吐出前)の制振作用として機能するため、インクの粘度に応じてホールド要素P18A、P18Bの時間t3、t4を変えることにより、インク粘度に応じて制振作用を最適に機能させることができる。これにより、インクの粘度に拘わらず微小ドットを安定して吐出させることができる。
なお、図8に示した例では、ホールド要素P18A、18Bの時間t3、t4を変えるようにしたが、上述のように、吐出用収縮要素の第1のホールド要素P14も同じインク吐出前の制振作用として機能するため、この第1のホールド要素P14の時間を変更するようにしてもよい。すなわち、第1のホールド要素P14が特許請求の範囲に記載のホールド要素としてもよい。
(実施例1)
上述したインクジェット式記録ヘッド10を実施形態1の図7(b)の駆動波形(駆動信号)で駆動した。このとき、常温で粘度が20m・Pasのインクを吐出させた。
また、図7(b)に示すホールド要素P04Bの時間t2を3μsとした。
(比較例1)
実施例1と同じインクジェット式記録ヘッド10を、図7(b)に示す駆動波形のホールド要素P04Bの時間t2を実施例1よりも短くして駆動した。すなわち、高粘度のインクを、低粘度のインク吐出に使用する駆動波形、例えば、図7(a)に示す駆動波形を用いて駆動した。なお、ホールド要素P04Bの時間t2を2μsとし、実施例1と同じ粘度(20m・Pas)のインクを吐出させた。
そして、実施例1と、比較例1との吐出されたインク滴の状態を撮影した。この結果を図9に示す。なお、図9(a)は、比較例1のインク滴の状態を撮影した画像であり、図9(b)は、実施例1のインク滴の状態を撮影した画像である。
図9(a)に示すように、比較例1の吐出されたインク滴では左右に曲がって吐出方向がばらついた状態が観察されるが、図9(b)の場合は非常に安定した吐出が観察された。
また、比較例1では、10KHzの吐出周期(吐出パルスの周期)でインク滴を吐出させても、図9(a)に示すように、左右に曲がってインク滴が吐出されたのに対し、実施例1では、吐出周期を20KHzとしても図9(b)に示すように安定したインク滴の吐出を行うことができた。
このような結果からも分かるように、本発明の駆動信号を用いることで、高粘度と低粘度を打ち分けることができ、且つ高粘度及び低粘度においても高周波吐出が安定して実現できることがわかった。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、高粘度用、低粘度用の二種類の吐出パルスを打ち分けるものとして説明したが、ホールド要素の時間を変化させた複数種の吐出パルスを用いて粘度範囲に応じて打ち分けるようにすることができる。また、基本的な吐出パルスを例にして説明したが、上述した制振要素を他の制振要素としてもよいことは言うまでもない。また、例えば、上述した駆動信号にインクが吐出しない程度に圧電素子18を微振動させる微振動パルスを設けるようにしてもよい。なお、微振動パルスとしては、台形状の波形形状を有する台形パルスを用いることができる。
また、上述した実施形態では、圧力発生手段として、縦振動型の圧電素子18を用いるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子を用いるようにしてもよい。ちなみに、縦振動型の圧電素子18を用いると、充電により圧電素子18が縦方向に縮んで圧力発生室12を膨張させ、放電により圧電素子18が縦方向に伸長して圧力発生室12を収縮させる。これに対して、圧力発生手段として撓み変形型の圧電素子を用いた場合には、充電により圧電素子が圧力発生室12側に変形して圧力発生室12を収縮し、放電により圧電素子が圧力発生室12とは反対側に変形して圧力発生室12を膨張させる。このような圧電素子を駆動する駆動信号は、上述した駆動信号の電位極性が反転した形状となる。
また、圧力発生手段として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口13から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用してもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド10(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。勿論、このような液体噴射ヘッドを搭載した液体噴射装置も特に限定されるものではない。
本発明の実施形態1に係る記録装置の概略斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る駆動信号を示す波形図である。 本発明の実施形態1に係るメニスカスの状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係るメニスカスの状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る駆動信号を示す波形図である。 本発明の実施形態1の他の例に係る駆動信号を示す波形図である。 インク滴の吐出状態を撮影した画像である。
符号の説明
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 12 圧力発生室、 13 ノズル開口、 17 リザーバ、 18 圧電素子(圧力発生手段)、 111 プリンタコントローラ、 112 プリントエンジン、 116 制御部、 118 粘度情報記憶部、 119 駆動信号発生回路、 131 シフトレジスタ、 132 ラッチ、 133 レベルシフタ、 134 スイッチ

Claims (8)

  1. 液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドを駆動する液体噴射駆動装置であって、
    前記圧力発生室を膨張させる吐出用膨張要素と、当該圧力発生室の膨張状態を保持する吐出用ホールド要素と、前記ノズル開口から前記液滴を吐出するために前記圧力発生室を収縮させる吐出用収縮要素とをこの順序で含む吐出パルスを含んだ一連の駆動信号を前記圧力発生手段に供給する駆動手段と、
    吐出する液体の粘度情報を取得する粘度情報取得手段とを具備し、
    前記吐出パルスの前記吐出用収縮要素は、前記圧力発生室を収縮させる初期収縮要素と、初期収縮要素による収縮状態を維持するホールド要素と、前記初期収縮要素からさらに圧力発生室を収縮させる後期収縮要素とを備え、
    前記駆動手段は、前記吐出パルスの前記ホールド要素の時間が異なる複数の吐出パルスを供給可能であり、前記粘度情報取得手段が取得した粘度情報に基づいて、前記粘度情報が相対的に高い場合ほど、前記ホールド要素の時間が相対的に長い吐出パルスを含む駆動信号を供給し、前記粘度情報が相対的に低い場合ほど、前記ホールド要素の時間が相対的に短い吐出パルスを含む駆動信号を供給することを特徴とする液体噴射駆動装置。
  2. 前記ホールド要素が、液体が吐出される前に前記圧力発生室内の振動を制振させるものであることを特徴とする請求項1記載の液体噴射駆動装置。
  3. 前記吐出用収縮要素が、前記圧力発生室を収縮させる第1の収縮要素と、該第1の収縮要素による圧力発生室の収縮状態を維持する第1のホールド要素と、前記第1の収縮要素により収縮した前記圧力発生室を膨張させる第1の膨張要素と、該第1の膨張要素によって膨張した前記圧力発生室を収縮させる前記初期収縮要素と、前記ホールド要素と、前記後期収縮要素とを具備することを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴射駆動装置。
  4. 前記粘度情報は、吐出される液体の種類に基づいたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射駆動装置。
  5. 前記粘度情報は、環境温度又は吐出される液体の温度に基づいたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射駆動装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射駆動装置と、
    液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射駆動装置と、
    液体を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とを具備する液体噴射ヘッドとを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 前記液体噴射ヘッドに、常温での粘度が6m・Pas〜20m・Pasの範囲にある液体を供給する供給手段を具備することを特徴とする請求項7記載の液体噴射装置。
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