JP2009241200A - Cmpコンディショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】目詰まりを防ぐとともに切刃に鋭い切れ味を確保しつつ、その摩耗を抑えて刃先単圧の変化を抑制し、パッド研磨性能を安定させることによりコンディショニングの初期と終了時とでパッドやウェハの研磨量、研磨レートが著しく相違するのを防ぐ。
【解決手段】CMP装置の研磨パッドと対向して接触するコンディショナ本体のコンディショニング面に、複数の凸部3がコンディショニング面に対して突出するように設けられ、それぞれの凸部3の突出方向を向く突端面4には、この突端面4を横切る境界線Lを挟んで一方の側に、境界線Lから離間するに従い突出方向にさらに突出するように傾斜する傾斜面5が形成されて、この傾斜面5の突出方向側の辺稜部が切刃7とされるとともに、境界線Lを挟んだ他方の側には、傾斜面5よりも突出方向に対する傾斜が緩やかな受面6が形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】CMP装置の研磨パッドと対向して接触するコンディショナ本体のコンディショニング面に、複数の凸部3がコンディショニング面に対して突出するように設けられ、それぞれの凸部3の突出方向を向く突端面4には、この突端面4を横切る境界線Lを挟んで一方の側に、境界線Lから離間するに従い突出方向にさらに突出するように傾斜する傾斜面5が形成されて、この傾斜面5の突出方向側の辺稜部が切刃7とされるとともに、境界線Lを挟んだ他方の側には、傾斜面5よりも突出方向に対する傾斜が緩やかな受面6が形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体ウエハ等の研磨を行うCMP(化学機械的研磨)装置の研磨パッドのコンディショニングに用いられるCMPコンディショナに関するものである。
この種のCMPコンディショナとしては、電着法や焼結法で単結晶ダイヤモンド砥粒を基板上に保持することで研磨パッドをコンディショニングする切刃を形成したものが種々提案されているが、コンディショニング中に砥粒の破片や砥粒自体が脱落してウェハを傷つけるおそれがあるため、特許文献1、2に記載のように基板の表面に多数の凸部を形成して、その表面に気相合成法によりダイヤモンド被膜を形成したものが用いられるようになってきている。
特許第2957519号公報
特許第3829092号公報
しかしながら、これら特許文献1、2に記載のCMPコンディショナのうち、上記凸部が円錐形や角錐形であってその尖った頂部が切刃とされるものでは、この頂部が研磨パッドに点当たりに近い状態で切り込まれて荷重を支持するために切刃が摩耗し易く、しかもその摩耗によって切刃が切り込まれる際の個々の切刃の圧力(刃先単圧)も大きく変化するのでパッド研磨性能が安定し難く、コンディショニングの初期と終了時とでパッドやウェハの研磨量、研磨レートが著しく相違するという問題がある。
その一方で、これら特許文献1、2に記載のCMPコンディショナのうち、上記凸部が円錐台形や角錐台形であって、凸部の平坦な突端面の辺稜部が切刃とされている場合には、切刃の摩耗は少ないものの、切れ味が鈍くなって研磨パッドへの切込みが不十分となるとともに、突端面にパッドの切り粉が堆積して目詰まりを生じ易くなるため、パッドやウェハの研磨レートを目標値まで高めることができない。
本発明は、このような背景の下になされたもので、目詰まりを防ぐとともに切刃に鋭い切れ味を確保しつつ、その摩耗を抑えて刃先単圧の変化を抑制し、パッド研磨性能を安定させることによりコンディショニングの初期と終了時とでパッドやウェハの研磨量、研磨レートが著しく相違するのを防ぐことが可能なCMPコンディショナを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、CMP装置の研磨パッドと対向して接触するコンディショナ本体のコンディショニング面に、複数の凸部が上記コンディショニング面に対して突出するように設けられ、それぞれの凸部の突出方向を向く突端面には、この突端面を横切る境界線を挟んで一方の側に、上記境界線から離間するに従い上記突出方向にさらに突出するように傾斜する傾斜面が形成されて、この傾斜面の突出方向側の辺稜部が切刃とされるとともに、上記境界線を挟んだ他方の側には、上記傾斜面よりも上記突出方向に対する傾斜が緩やかな受面が形成されていることを特徴とする。
このようなCMPコンディショナにおいては、上記凸部の突端面に、上記境界線を挟んで切刃が形成される傾斜面とこれよりも傾斜の緩やかな受面とが形成されていて、この受面がパッド表面に接することにより荷重を受けることができるので、切刃に鋭い切れ味を与えてもパッドに切り込まれすぎるのを防ぐことができる。このため、この切刃の摩耗も抑えることができて刃先単圧が大きく変化するのを抑制することができ、パッド研磨性能を安定させることが可能となる。
その一方で、突端面において受面の占める面積は、傾斜面が形成されていることによって低減させられるため、パッドの切り粉の堆積も低減することができて目詰まりを防止することができる。従って、このようなCMPコンディショナによれば、切刃による切れ味は鋭いままとしてパッドやウェハに対する高い研磨レートを確保しながらも、このような高い研磨レートを長期に亙って維持して、効率的で安定したコンディショニングを促すことが可能となる。
ここで、上記境界線に沿った方向から見て上記傾斜面が上記突出方向に対してなす上記切刃の頂角αは30°〜60°の範囲とされるのが望ましい。これよりも頂角αが小さくて、すなわち切刃の刃先角が小さくなりすぎると、如何に受面によって荷重を受け止めても切刃の摩耗を抑制することができなくなるおそれがあり、逆にこれよりも頂角αが大きく、すなわち切刃の刃先角が大きくなりすぎると、切刃の切れ味が鈍って上述のような高い研磨レートを得ることができなくなるおそれがある。
また、上記境界線に沿った方向から見て上記受面が上記傾斜面に対してなす受面角βは、上記境界線に沿った方向から見て上記傾斜面が上記突出方向に対してなす上記切刃の頂角αに対してα+90°≦β<180°であることが望ましい。すなわち、受面角βが頂角αに対してα+90°よりも小さいと、受面が境界線から離れるに従い突出方向にさらに突出するように傾斜することになってパッドに切り込まれることになる一方、受面角βが180°以上だと受面の傾斜が傾斜面よりも大きくなってしまい、いずれも受面として荷重を確実に受け止めることができなくなるおそれがある。
なお、上記複数の凸部の間では、荷重を均等に受け止めるために上記受面の突出高さは等しくされるのが望ましいが、上記切刃の刃先高さは、複数の凸部のうち少なくとも一部の凸部は他の凸部に対し異なる大きさとされていてもよい。この場合には、切刃の突出高さが高くて、すなわち刃先高さの高い切刃によりコンディショニング初期に高い研磨レートを得ることができる一方、この刃先高さが高い切刃が摩耗しても、相対的に刃先高さの低い切刃が切り込まれることになって、このような研磨レートをコンディショニング終了時まで維持することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、目詰まりを防ぐとともに切刃に鋭い切れ味を確保することにより、高いパッド研磨性能、研磨レートを得ることができながら、この切刃と同じ凸部の突端面に形成された受面により荷重を受けることができるので、切刃の摩耗は抑えて刃先単圧の変化を抑制することができる。従って、このような高いパッド研磨性能を安定的に維持することができて、コンディショニングの初期と終了時とのパッドやウェハの研磨量、研磨レートに大きな相違が生じるのを防ぐことが可能となる。
図1ないし図7は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態のCMPコンディショナにおいて、コンディショナ本体1は、SiC等のセラミックスにより形成されて概略円板状をなしていて、すなわち互いに平行でそれぞれ上記円板の中心軸線に直交する円形の表裏面を有しており、このうちの表面が、CMP装置の研磨パッドと対向して接触する側のコンディショニング面1Aとされるとともに、裏面にステンレスや樹脂等からなる板材が貼り付けられたり、裏面側がステンレス等の板材に形成された凹みに焼き嵌めされたりして組み付けられ、研磨パッドのコンディショニングに用いられる。
本実施形態では、円形をなす上記コンディショニング面1Aの中央領域を除いた径方向外周側の周縁領域に、このコンディショニング面1Aから突出するマウンド(台座部)2が形成されている。このマウンド2は、コンディショナ本体1よりも十分小さな直径のやはり円板状をなし、その円形面がコンディショニング面1Aと平行となるようにコンディショナ本体1と一体に形成されていて、本実施形態では図1に示すように複数のこのようなマウンド2がコンディショニング面1Aの周方向に略等間隔に配置されて円環状の列をなし、かつ互いのコンディショニング面1Aからの突出高さが等しくなるように形成されている。
また、このマウンド2には、その表面からさらに突出するように複数の凸部3が該マウンド2と一体に、すなわちコンディショナ本体1と一体に形成されており、本実施形態では図2に示すように9つの凸部3が3個ずつ3列の格子状の配置となるように形成されている。さらに、これら凸部3、マウンド2、およびコンディショナ本体1の少なくともコンディショニング面1Aには、図示されない硬質のダイヤモンド被膜が、マイクロ波プラズマCVD法や熱フィラメントCVD法等の公知の気相合成法によって被覆されている。なお、例えばマウンド2と凸部3とを一体に形成したものをコンディショナ本体1とは別体に形成してコンディショニング面1Aに取り付けたりしてもよく、またマウンド2の列はコンディショニング面1Aの径方向に複数列、例えば互いに千鳥配置となるように形成されていてもよい。
さらに、個々の凸部3は図3に示すように概略四角柱状をなしており、特に本実施形態では、上記中心軸線方向からみたコンディショニング面1Aに対向する平面視において、該凸部3がなす四角形の4辺の刃先寸法(長さ)Aが互いに等しくされた方形をなす正方形の柱状をなしている。そして、この凸部3において該凸部3が突出する突出方向(図3(b)において上方向)を向く突端面4には、この突端面4を横切る境界線Lを挟んで、一方の側(図3(a)において上側、図3(b)においては奥側)に、この境界線Lから離間するに従い上記突出方向にさらに突出するように傾斜する傾斜面5が形成されるとともに、他方の側(図3(a)において下側、図3(b)においては手前側)には、この傾斜面5よりも上記突出方向に対する傾斜が緩やかとされた受面6が形成されている。
ここで、この図3に示す凸部3では、図3(a)に示すように上記境界線Lが、凸部3を上記突出方向側から見た平面視に突端面4がなす正方形の対向する2辺に平行にその中心を通って該突端面4を横切るように延びており、傾斜面5はこの境界線Lに垂直に、上記2辺のうちの1辺側(図3(a)において上側)に向かうに従い一定の傾斜で漸次突出する傾斜した長方形面に形成されていて、この長方形の4辺のうち上記境界線Lを除いた3辺が切刃7とされる。これに対して受面6は、本実施形態では突出方向に垂直、すなわちコンディショニング面1Aやマウンド2の表面に平行なやはり長方形状の平坦面に形成されている。
従って、図3に示す凸部3では、傾斜面5がなす長方形の4辺のうち境界線Lに平行に延びる長辺部分に形成された切刃7が最も突出方向側に位置することになり、マウンド2の表面からこの切刃7までの高さが刃先高さBとされる。ただし、この刃先高さBは数十μm程度と極小さく、例えばコンディショニング面1Aからマウンド2の表面までの高さよりも十分小さく、また本実施形態では例えば上記刃先寸法Aよりも極僅かに小さくされている。
また、このような凸部3に代えて、図4に示すような凸部8としてもよい。すなわち、この図4に示す凸部8も正方形柱状に形成されているが、上記境界線Lは、この凸部8を上記突出方向側から見た平面視においてその突端面4がなす正方形の対角線に沿って該突端面4を横切るように延びており、傾斜面5はこの境界線Lに垂直に、この境界線Lと突端面4がなす正方形の各2辺とによって形成される2つの二等辺三角形のうちの1つの境界線Lに対向する頂点側(図4(a)において右上側)に向かうに従い一定の傾斜で漸次突出する二等辺三角形に形成されていて、この二等辺三角形の上記境界線Lを除いた二等辺が切刃7とされる。これに対して、もう1つの二等辺三角形面がこの凸部8の受け面6とされ、本実施形態ではやはり突出方向に垂直、すなわちコンディショニング面1Aやマウンド2の表面に平行な平坦面に形成されている。
このような凸部8や、上記凸部3においても、上記境界線Lに沿った方向から見て傾斜面5が上記突出方向に対してなす切刃7の頂角αは、30°〜60°の範囲とされるのが望ましい。ここで、図4に示した凸部8の場合には、この頂角αは、図5に示すように凸部8がなす正方形柱の側面同士の交差稜線のうち上記傾斜面7がなす二等辺三角形の境界線Lに対向する上記頂点を通る交差稜線と該傾斜面7との交差角となり、また図3に示す凸部3の場合には、凸部3がなす正方形柱の4つの側面のうち傾斜面5とされる上記長方形の境界線Lに平行な上記長辺に連なる側面と傾斜面5との交差角となる。
また、受面6は、本実施形態では凸部3、8の突出方向に垂直な平坦面とされているが、傾斜面5と同じ方向に傾斜していて該傾斜面5よりも突出方向に向けての傾斜が緩やかであればよく、すなわち図5に示すように境界線Lに沿った方向から見て受面6が傾斜面5に対してなす受面角β(境界線Lを中心とした傾斜面5と受面6との開き角)が、上記切刃7の頂角αに対してα+90°≦β<180°であればよい。なお、受面6が突出方向に垂直な平坦面の場合はβ=α+90°となる。
さらに、このような凸部3、8は、図2に示すように同種の凸部3または凸部8が、平面視において傾斜面5の傾斜する向きを揃えてマウンド2の表面に配設されていてもよいが、図6に示すようにこの傾斜面5の傾斜する向きがランダムに異なっていたり、異なる種類の凸部3、8が1つのマウンド2の表面に混在していてもよい。また、このように傾斜面5の傾斜する向きがランダムで、異なる種類の凸部3、8が配設された場合や、同種の凸部3、8が傾斜の向きを揃えて配設された場合でも、例えば図7に示すように9つ格子状に配設される凸部3、8のうち中央の凸部3を削除するなど、特定部位の凸部3、8を形成せずにマウンド2の表面と面一のままとしてもよい。
さらにまた、コンディショニング面1Aから各凸部3、8の受け面6までの突出高さは、各マウンド2において互いに等しいことが望ましく、またコンディショニング面1A全体でも等しいことがより望ましいが、切刃7の上記刃先高さBは、各マウンド2の表面に形成された凸部3、8のうち少なくとも一部の凸部3、8で他の凸部3、8と異なる大きさとされていてもよく、従ってコンディショニング面1A全体でも一部が他と異なる大きさとされていてもよい。さらに、本実施形態ではこのようにマウンド2上に凸部3、8を形成しているが、コンディショニング面1Aに直接凸部3、8を形成してもよい。
このように構成されたCMPコンディショナは、そのコンディショニング面1Aを上述のように研磨パッドに対向するように下向きにして接触させられ、所定の荷重をかけられつつ中心軸線回りに回転されるとともに研磨パッドの径方向に揺動させられて、回転する研磨パッドの表面を切刃7によってコンディショニングする。
ここで、上記構成のコンディショナでは、上記コンディショニング面1Aに突出する凸部3、8の突端面4に、この突端面4を横切る境界線Lを挟んで、該凸部3、8の突出方向に突出するように傾斜する傾斜面5と、これよりも傾斜の緩やかな受面6とが一体に形成されており、凸部3、8の側面との交差稜線部となる傾斜面5の境界線Lを除いた突出方向側の辺稜部に切刃7が形成されているので、この切刃7の刃先角を鋭角にして該切刃7に鋭い切れ味を与えることができ、高いパッド研磨レートを確保することができる。
その一方で、受面6はこの傾斜面5よりも傾斜が緩やかで、特に本実施形態では突出方向に垂直な平坦面とされており、この受面6がパッドの表面に面当たりで接触することによって上記荷重を受けることにより、上述のように切刃7に鋭い切れ味を与えても切刃7が研磨パッドに切り込まれすぎるのを防いで、その摩耗を抑えることができる。このため、個々の切刃7の刃先がパッドに切り込まれる際の刃先単圧がこの摩耗によって大きく変化してしまうのを防いで、長期に亙ってパッド研磨性能の安定化を図ることができ、これに伴い当該研磨パッドによるウェハの研磨性能も安定させることができる。
また、こうして凸部3、8の突端面4に受面6と切刃7を有する傾斜面5とが形成されることにより、個々の受面6の面積を小さくすることができ、傾斜が緩やかなこの受面6にパッドの切り粉が堆積して目詰まりを生じるのも防ぐことができる。従って、上記構成のCMPコンディショナによれば、パッドやウェハに対する高い研磨レートを確保しながらも、このような高い研磨レートを長期に亙って変動少なく維持することができて、安定的かつ効率的な研磨パッドのコンディショニングを図ることが可能となる。
特に、上記受面6の突出高さを上述のようにマウンド2上の凸部3、8で均一にし、より望ましくはコンディショニング面1A全体で一定とすることにより、これらの凸部3、8の受面6全体で上記荷重を均等に受け止めることができ、一層確実に刃先単圧の変化を防ぐことができてパッド研磨性能をより安定させることができる。なお、受面6が傾斜している場合には、境界線Lの高さを均一にするとともに突出方向に垂直な平面に対する受面6の傾斜角も一定とするのが望ましい。
その一方で、こうして受面6の突出高さを一定とした上で、切刃7の上記刃先高さBは、上述のようにマウンド2上の凸部3、8やコンディショニング面1A全体の凸部3、8の間で、少なくとも一部の凸部3、8を他の凸部3、8に対して異なる大きさとすることにより、コンディショニング初期には刃先高さBの高い凸部3、8の切刃7を研磨パッドに深く切り込ませて高い研磨レートを得ることができる一方、この切刃7が摩耗しても、相対的に刃先高さBの低い凸部3、8の切刃7が切り込まれることになって全体として切れ味を確保することができるので、このような高い研磨レートをコンディショニング終了時まで安定して維持することが可能となる。
また、図6に示したように、突端面4の傾斜面5や受面6、切刃7の形状が異なる凸部3、8を1つのマウンド2やコンディショニング面1Aに設けた場合には、これらの凸部3、8の間で研磨パッドへの切刃7の切込みや摩耗、パッド表面への受面6の接触も異なるものとなるため、例えば切刃7の突端が三角形状の傾斜面5の頂点に位置する凸部8によってコンディショニング初期に高い研磨レートを得るとともに、切刃7の突端が長方形状の傾斜面5の長辺に位置する耐摩耗性の高い凸部3によってコンディショニング終了時までの研磨レートの安定的な維持を図ることができる。
さらに、同図6に示したように、これらの凸部3、8の傾斜面5が境界線Lから突出方向に傾斜する向きを平面視にランダムに配置することにより、コンディショナ本体1の回転や研磨パッドの回転によって切刃7が研磨パッドに切り込まれる方向が変化しても、いずれかの切刃7は、研磨パッドに対してコンディショナ本体1が相対的に移動する方向を向くようにさせることができ、すべての凸部3、8の切刃7がコンディショニングに寄与しなくなるような事態を防ぐことができる。
さらにまた、図9に示したようにマウンド2の特定の位置には凸部3、8を形成せずに、複数の凸部3、8の間に隣接する凸部3、8同士の間隔よりも大きな空間があけられるようにすれば、切刃7によって生じた研磨パッドの切屑をこの空間に収容して排出することができ、上述のような受面6への切り粉の堆積による目詰まりを一層確実に防止することが可能となる。なお、本実施形態の凸部3、8は正四角柱状とされているが、平面視正方形以外の四角柱状や、四角柱以外の多角柱状、あるいは円柱状、もしくは多角錐台や円錐台状であってもよい。
一方、このような凸部3、8において上述のように切刃7の頂角αを30°〜60°の範囲とすれば、切刃7の摩耗を抑制しつつ鋭い切れ味を確保して上述のような高い研磨レートを得ることができる。すなわち、これよりも頂角αが小さいと切刃7の刃先角が小さくなりすぎて、受面6により荷重を受けたとしても早期の摩耗により刃先単圧の変化を招くおそれがあり、逆にこれよりも頂角αが大きくて切刃7の刃先角が大きくなりすぎると、切れ味が鈍って研磨性能や研磨レートを高めることができなくなるおそれがある。
また、本実施形態では、受面6が凸部3、8の突出方向に垂直な平坦面として形成されていて、その受面角βが頂角αに対してα+90°とされているが、上述のようにこの受面6も傾斜面5と同じ方向に傾く傾斜面とされていてもよい。ただし、この受面角βが180°以上となると、受面6の傾斜が傾斜面5と同じかこれよりも急勾配となって荷重を受けることができず、またα+90°よりも小さいと受面6が境界線Lを挟んで傾斜面5とは反対向きに傾斜する傾斜面となるため、やはり荷重を確実に受け止めることができなくなるおそれがある。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明の効果を説明する。本実施例ではまず、図3に示した凸部3のみを図2に示したようにマウンド2上に配列してコンディショニング面1Aに設けたCMPコンディショナ(実施例1)と、図4に示した凸部8のみを図2と同様に切刃7の向きを揃えてマウンド2上に配列してコンディショニング面1Aに設けたCMPコンディショナ(実施例2)とを用いて、研磨パッドのコンディショニング初期と終了時のパッド研磨レート(PWR)とウェハ研磨レート(WRR)を測定した。また、これらに対する比較例として、特許文献1、2に記載されたうち凸部が正四角錐のものを実施例1、2と同じ配列でマウンド上に配列してコンディショニング面に設けたCMPコンディショナでも実施例1、2と同じ条件でコンディショニングを行った。
ただし、各CMPコンディショナのコンディショニング面は直径100mmでマウンドの数は180個であり、実施例1、2における凸部3、8の頂角、受面角、および比較例も含めた刃先高さ、刃先寸法は表1に示す通りである。なお、比較例の頂角は、凸部を形成する正四角錐の錐面がなす三角形の頂部における角部の角度である。また、研磨パッドはニッタ・ハース株式会社製IC1000であり、加工条件はパッド回転速度50m−1、コンディショナ回転速度は110m−1、ウェハ回転速度は49m−1、スラリーはキャボット社製SS25であり、CMPコンディショナには27Nの研磨荷重を、ウェハには35kPaの研磨荷重をそれぞれ作用させて、24時間研磨を行った。これらの結果を、WRR(Å/m)については表2に、PWR(μm/m)については表3に、それぞれ示す。
これら表2、3の結果より、実施例1、2はいずれも比較例よりWRRは低く、PWRは高くなっている。これは、実施例1、2のCMPコンディショナが比較例よりも研磨効率が高く、研磨パッドの寿命は長くなることを示している。また、比較例はWRR、PWRともに変動が大きく、研磨性能が不安定であるのに対して、実施例1、2では研磨レートの変動も小さく、安定していることが分かる。
次に、実施例2に基づいて、その頂角αを変化させるとともに、受面角βも受面6が突出方向に垂直となるように変化させた表4に示す3種のCMPコンディショナにより、上記と同様の条件で研磨パッドのコンディショニング初期と終了時のパッド研磨レート(PWR)とウェハ研磨レート(WRR)を測定した。その結果を、WRR(Å/m)については表5に、PWR(μm/m)については表6に、それぞれ示す。
これらの実施例においても、表2、3に示した比較例と比べると、総じて実施例1、2と同様の効果が得られている。すなわち、頂角αについては、表4に示した30°〜60°の範囲であれば効果的であることが分かる。
さらに、同じく実施例2に基づいて、その頂角αを45°として、受面角βを表7に示すようにα+90°≦β<180°の範囲で変化させた3種のCMPコンディショナ(実施例2−2〜実施例2−4)と、これに対する比較として受面角βを上記範囲外とした3種のCMPコンディショナ(比較例2−1、2−5、2−6)とにより、上記と同様の条件で研磨パッドのコンディショニング初期と終了時のパッド研磨レート(PWR)とウェハ研磨レート(WRR)を測定した。その結果を、WRR(Å/m)については表8に、PWR(μm/m)については表9に、それぞれ示す。
これらの結果から、やはり受面角βがα+90°≦β<180°の範囲の実施例2−2〜実施例2−4であれば、表2、3に示した比較例の結果よりも効果的であることが分かる。また、受面角βが180°で、すなわち突端面4全体が面一で45°の頂角αで傾斜している比較例2−1や、受面角βがα+90°未満であって、すなわち受面6が境界線Lを挟んで傾斜面5とは逆向きに突出している比較例2−5、2−6では、WRR、PWRともに不安定となっているのに対して、実施例2−2〜実施例2−4ではこれらが安定していることも分かる。
1 コンディショナ本体
1A コンディショニング面
2 マウンド
3、8 凸部
4 突端面
5 傾斜面
6 受面
7 切刃
L 境界線
α 切刃7の頂角
β 受面6の受面角
1A コンディショニング面
2 マウンド
3、8 凸部
4 突端面
5 傾斜面
6 受面
7 切刃
L 境界線
α 切刃7の頂角
β 受面6の受面角
Claims (4)
- CMP装置の研磨パッドと対向して接触するコンディショナ本体のコンディショニング面に、複数の凸部が上記コンディショニング面に対して突出するように設けられ、それぞれの凸部の突出方向を向く突端面には、この突端面を横切る境界線を挟んで一方の側に、上記境界線から離間するに従い上記突出方向にさらに突出するように傾斜する傾斜面が形成されて、この傾斜面の突出方向側の辺稜部が切刃とされるとともに、上記境界線を挟んだ他方の側には、上記傾斜面よりも上記突出方向に対する傾斜が緩やかな受面が形成されていることを特徴とするCMPコンディショナ。
- 上記境界線に沿った方向から見て上記傾斜面が上記突出方向に対してなす上記切刃の頂角αが30°〜60°の範囲とされていることを特徴とする請求項1に記載のCMPコンディショナ。
- 上記境界線に沿った方向から見て上記受面が上記傾斜面に対してなす受面角βが、上記境界線に沿った方向から見て上記傾斜面が上記突出方向に対してなす上記切刃の頂角αに対してα+90°≦β<180°であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のCMPコンディショナ。
- 上記複数の凸部のうち少なくとも一部の凸部は他の凸部に対し、上記受面の突出高さは等しくされるとともに、上記切刃の刃先高さは異なる大きさとされていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のCMPコンディショナ。
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