JP2009240886A - 遠心機 - Google Patents

遠心機 Download PDF

Info

Publication number
JP2009240886A
JP2009240886A JP2008089297A JP2008089297A JP2009240886A JP 2009240886 A JP2009240886 A JP 2009240886A JP 2008089297 A JP2008089297 A JP 2008089297A JP 2008089297 A JP2008089297 A JP 2008089297A JP 2009240886 A JP2009240886 A JP 2009240886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
recording medium
magnetic
input signal
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008089297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009240886A5 (ja
Inventor
Tadashi Ogawara
正 大河原
Takahiro Fujimaki
貴弘 藤巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Koki Co Ltd filed Critical Hitachi Koki Co Ltd
Priority to JP2008089297A priority Critical patent/JP2009240886A/ja
Publication of JP2009240886A publication Critical patent/JP2009240886A/ja
Publication of JP2009240886A5 publication Critical patent/JP2009240886A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】遠心機のロータに設けられた運転実績データを再生補正して、磁気記録媒体に正しい運転実績データを再記録することのできる遠心機を提供する。
【解決手段】制御装置8は、磁気ヘッド10に入力する運転実績データの入力信号(理想値)Siを、ロータ3の回転センサ7から入力される回転検出信号に同期して生成し、データ入力信号Siに基づいて記憶したデータを、磁気ヘッドを介して回転検出信号に同期して再生させ、再生データと理想値Siのずれ量を補正して磁気記録媒体9に再度記録することによってデータ補正を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータの運転実績管理が可能な遠心機に関し、特に、ロータの積算運転回数または積算運転時間等の運転実績データを保持できる磁気記録媒体をロータに備える遠心機に関する。
細胞や遺伝子等の試料を収納する遠心機のロータ(回転体)は、高い遠心加速度を必要とするため、例えば100,000min−1(rpm)の高速で回転させる必要がある。このため、ロータに働く遠心応力が高くなるので、繰り返し使用すると、チタン合金やジェラルミン等から成るロータ材料に疲労破壊が生ずる恐れがある。このため、ロータは、有限の寿命を持つものとして取り扱われ、積算運転回数または積算運転時間(例えば5,000回または10,000時間)が規定されている。ロータが所定の運転回転数または運転時間に達したとき、疲労限界としてその時点で使用を中止し、廃棄することにしている。従って、ロータには寿命があり、ロータを安全に運転させるためには、ロータの運転実績を管理する必要がある。一般に、遠心機本体は各種のロータを着脱可能に装着できるように構成されているので、運転実績は各種のロータ毎に管理することが必要である。
従来のロータの運転実績管理方法としては、下記特許文献1に示されるように、ロータに磁性皮膜を備えた磁気記録媒体を設け、磁気ヘッドでデータの記録および再生を行い、ロータに運転実績管理を記録させる方法が提案されている。
かかる従来の遠心機は、遠心分離する試料を収納するロータと、ロータを回転させる駆動モータと、ロータの運転実績データを磁気記録媒体に記録させ、またはその磁気記録媒体から再生させる磁気ヘッドと、ロータの回転速度を測定する回転センサと、これら駆動モータ、磁気ヘッド等を制御する制御装置(コントローラ)と、を具備し、ロータの底部には、表面に磁性皮膜が被着された円筒形の磁気記録媒体が一体化されている。データ記録時には、制御装置に一時的に記憶された、ロータの型式、製造番号、積算運転回数、積算運転時間等の運転実績を示すデジタル情報を、該磁性皮膜に近接して配置される磁気ヘッドを介して、磁性皮膜の円筒外周面に規則的な間隔でSN極に磁化し、データの配列を記録する。また、データ再生時には、該磁性皮膜に近接して配置される磁気ヘッドを介して、規則的な間隔に配列された磁性皮膜の記録情報を制御装置へ読み取ることで、ロータの運転実績を示すデジタル情報を再生することができる。
この場合、磁気ヘッドには狭いギャップを有した磁気コアが設けられ、該コアには制御装置に接続されたコイルが巻かれている。実績デジタル情報の記録時には、ロータを回転させた状態で、制御装置よりコイルに電流を流すことで、ギャップから磁界を発生させ、実績デジタル情報に従って規定された磁極によって磁性皮膜を磁化させる。また、データ再生時には、前記データ記録時と同じ回転速度に保ってロータを回転させることによって、前記磁性皮膜から発せられる磁束を磁気ヘッドで受けて、電磁誘導により起電力を発生させて制御装置により電気信号に変換するものである。また、実績デジタル情報の磁性皮膜への記録は、下記特許文献2に示されるように、2進数のデジタル情報を、一旦、MFM変調方式の2値化信号に変換し、パルス幅の異なる複数種のパルス信号によって磁気ヘッドを駆動して記録するものである。
特開平3−181347号公報 特開2001−104834号公報
上述した従来の遠心機では、磁気記録媒体がロータに設けられており、かつロータと共に高速で回転するため磁気記録媒体は高速回転に耐えうる強度が必要である。このため、磁気記録媒体はカセットテープのような柔軟性がなく、データの記録および再生時において磁気ヘッドを磁気記録媒体に接触させることができないため、両者の間にある程度の間隙(エアギャップ)を設ける必要がある。このため、次のような問題点が生ずることが分かった。
磁気ヘッドと磁気記録媒体間に設けられた間隙によって磁気ヘッドからの書込磁界が弱くなるため、磁気記録媒体に磁気ヘッドを介して更新データを書換える場合、予め磁性皮膜に記録されている磁束の向きの影響により磁極の間隔にずれが生じる場合がある。このため、記録の前に、磁性皮膜の磁束の向きを一方向にそろえてデータを消去してから、データを記録する必要がある。また、磁気記録媒体の磁性皮膜は、メッキ、蒸着等の被着技術により形成されるが、母材のわずかな傷による凹みや被着技術の条件(例えば、メッキ液のpH)により、磁気皮膜の厚さにばらつきがでて、磁極を反転させるために必要な磁界の大きさである保磁力にばらつきが生じる場合がある。
従って、磁性皮膜の保磁力にばらつきがあり、かつ磁気ヘッドと磁性皮膜の間に間隙を設けた状態でデータを記録する場合、磁気ヘッドから発せられる磁界の強さが不十分になる場合があるため、磁性皮膜を十分に所定の磁極に磁化できず、保磁力のばらつきが磁極間隔のずれとなり、データを正しく記録することができず、正確で安定したデジタル情報の復調ができないという問題を生ずる。
上記問題を解決するため、磁性皮膜の厚さのばらつきを少なくする磁気記録媒体の製造技術も考えられるが、磁気記録媒体の母材に生じるわずかな傷のチェックや、メッキ液のpHや温度等の被着技術の条件を精密に管理する必要があり、製造設備および製造管理の費用が高価になるという課題を生ずる。
さらに、データ記録時において、磁性皮膜に入力データを書込みした後にデータを直ちに再生させて、該再生データを理想データ(入力データ)と比較し、理想データ値とのずれ分(再生誤差)を補正して再度記録させる方法があるが、一度、最初の再生データを消去させてしまうため、磁性皮膜上のずれた位置(欠陥位置)を特定することができないので、補正記録ができないという問題を生ずる。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、ロータに装着された磁気記録媒体に、磁気ヘッドを介して正確に運転実績データを記録または再生することが可能な制御手段を有する遠心機を提供することにある。
本発明の他の目的は、ロータの積算運転回数または積算運転時間等の運転実績データを記憶できる安価な遠心機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次のとおりである。
本発明の一つの特徴によれば、試料を保持した状態でモータによって回転駆動され、かつデータを記録する磁気記録媒体を有するロータと、前記磁気記録媒体のデータを再生または前記磁気記録媒体にデータを記録させるために、前記磁気記録媒体に近接した位置に配設される磁気ヘッドと、前記ロータの回転速度を検出するための回転センサと、前記回転センサの回転検出信号に基づいて前記モータの回転を制御し、かつ前記磁気記録媒体に対しデータの再生またはデータの記録を行うように前記磁気ヘッドを制御する制御装置と、を具備する遠心機において、前記制御装置は、前記データの記録を行うために前記磁気ヘッドに入力するデータ入力信号を、前記回転センサから入力される前記回転検出信号に同期して生成するように構成する。
本発明の他の特徴によれば、前記データ入力信号は、ビット信号を複数のパルス幅でMFM変調した2値化信号である。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御装置は、前記データ入力信号を記録するメモリ部を有し、前記磁気記録媒体に記録された前記データ入力信号を、前記磁気ヘッドを介して再生し、該再生出力信号と前記データ入力信号から補正データを算出し、該補正データと前記データ入力信号に基づいて補正したデータ入力信号を生成し、該補正データ入力信号を、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に再記録させるように構成する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記制御装置は、前記データ入力信号から算出した前記補正データが許容範囲外であると判別した場合、遠心機の故障と判別するように構成する。
本発明のさらに他の特徴によれば、前記磁気記録媒体に記録されるデータは、前記ロータの寿命を判断するための運転実績データである。
上記本発明によれば、制御装置は、運転実績データの記録を行うために前記磁気ヘッドに入力するデータ入力信号を、前記回転センサから入力される前記回転検出信号に同期して生成するので、磁気記録媒体の磁極の間隔がずれた位置を常に特定することができ、データ入力信号(理想値)とのずれ分を補正した補正入力信号で、磁気ヘッドを介して、再度記録させることによって、正確なデータ再生(データ復調)が可能となる。
本発明によれば、制御装置の制御フローの比較的簡単な変更によりロータの運転実績データを正確に記録できるので、安価な遠心機を提供することができる。
本発明の上記および他の目的、ならびに上記および他の特徴および利点は、以下の本明細書の記述および添付図面からさらに明らかにされる。
以下、本発明の実施形態に係る遠心機について図面を参照して説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1は本発明の実施形態に係る遠心機の全体の構造を示す構成図(断面図)、図2は図1に示した磁気記録媒体と磁気ヘッドの関係を示す拡大構造図、図3は図1に示した遠心機の機能ブロック図をそれぞれ示す。
最初に遠心機の全体の構成について説明する。図1に示すように、遠心機1は、上面から見た断面形状が略四角形を有する筐体(フレーム)2を備え、筐体2の内部には、チューブ等の試料容器(図示なし)を保持するためのチタン合金またはアルミニウム合金等から成るロータ(回転体)3と、ロータ3に回転駆動力を与えるための駆動モータ4と、底部材(プレート)5aおよび仕切り部材5bによって区画されたロータ室(回転室)5とを具備し、また、筐体2内に形成されたロータ室5の上部開口部には、ノブ6aによって開閉可能なスライド式ドア6が開閉自在に取付けられている。ドア6は、ロータ3の回転中には、後述する制御装置8(図3参照)によって開放されないようにロックされる。
駆動モータ4は、例えば誘導モータから構成され、ロータ3を、制御装置8によって低速回転または高速回転で駆動することができる。モータ4によって回転駆動されるロータ3の回転速度は、ロータ3の底部に近接して設けられた回転センサ7によって検出される。図3の機能ブロック図に示されるように、回転センサ7の検出値(回転信号)は制御装置(コントローラ)8に入力され、制御部8eはその検出値と設定値とを比較、演算しながら駆動部8fに3相交流電源(例えば、5Hz〜2.6kHz)を生成してモータ4の回転速度を制御する。また、回転センサ7の回転信号は、後述するように、本発明に従って運転実績データの入力信号(パルス信号)に対する同期信号としても使用される。
図2に示されるように、ロータ3の底部には、円筒形の磁気記録媒体9が設けられている。円筒形の磁気記録媒体9は、円筒状のアルミニウム基板9aの上にメッキ、蒸着等の被膜技術によって形成された磁性皮膜(磁性メモリ薄膜)9bと、その上に形成されたコーティング膜(保護膜)9cと、を含む。磁気記録媒体9に運転実績データを書込または読出するための磁気ヘッド10は、水平方向Xに前進および後退可能な移動部材10aに固定されており、書込時(記録時)または読出時(再生時)において、後述する制御装置8からの指令によって、磁気記録媒体9に近接してこの間に電磁誘導を起こすための適切な間隙(エアギップ)を確保する。円筒形の磁気記録媒体9と磁気ヘッド10は一種のハードディスクメモリとして動作し、両者間の電磁誘導により、磁気記録媒体9は、その円筒状磁気皮膜9bの円周に沿って規則的な間隔で所定方向にSN磁極が磁化されており、運転実績データを記録できる。この場合、磁性皮膜9bの厚さd1(例えば、9μm)は、磁気皮膜9bと磁気ヘッド10の離間距離d2(例えば、0.3mm)に比較して、非常に薄い厚さとなるので、アルミニウム基板(母材)9aのわずかな傷による凹みや被着技術の条件により、磁気皮膜9bの厚さにばらつきが生ずる場合がある。この厚さd1のばらつきによって保持力(予め磁化された磁極を反転させるために必要な磁界の大きさ)にばらつきを生じ、書込みまたは読出しに誤差を生じる場合がある。本発明に従えば、そのような問題が解消される。
図3に示されるように、磁気記録媒体9は、磁気ヘッド10を介して、制御装置8に結合される。制御装置8は、演算部8a、メモリ部8b、表示部8cおよびタイマ部8dを具備する制御部(マイクロコンピュータ)8eを含み、さらに、駆動モータ4のインバータ駆動回路を含む駆動部8fと、磁気ヘッド10に運転実績データの書込信号(入力信号)Siを出力するための書込部8hと、磁気ヘッド10からの運転実績データの読出信号(再生信号)Sgを制御部8eへ出力する読出部8gと、を具備する。
表示部8cは、ロータ3の回転速度や遠心分離を行う時間等の運転条件を示すデータを制御部8eに入力するための操作パネル、および入力された情報の表示や運転中の情報をモニタする機能を有する。
メモリ部8bは、駆動モータ4の予め定められた手順に従って処理を実行するための制御プログラムが格納されたROMメモリと、磁気記録媒体9に記録された積算運転回数、積算運転回転時間等の運転実績データを再生したものを記憶したり、さらに磁気記録媒体9に記録すべき更新運転実績データを一時的に記憶するためのRAMメモリとを具備する。
タイマ部8dは、読出部8gから出力される再生信号(Sg)(図6参照)に基づいて再生されるパルス(Sp)間の周期(Tr)を計測する第1のタイマ、および回転センサ7から検出される回転信号(Sr)の周期を計測する第2のタイマを具備する。また、タイマ部8dは、回転信号(Sr)に同期してビットタイミング信号(Sb)を発生するタイミングジェネレータを含んでいる。
次に、遠心機1の運転動作について、図4の運転モードを示すタイムチャートを参照して説明する。時刻t0で遠心機1の運転を開始すると、ロータ3が駆動モータ4により回転を始め、時刻t1において、制御装置8は、駆動モータ4の回転をある一定の低速の回転速度N1(例えば、1,000rpm)に整定制御する。
時刻t1〜時刻t2の間において、磁気記録媒体9に記録されているこれまでの運転実績データは、磁気ヘッド10を介して再生される。この時、磁気ヘッド10は磁気記録媒体9に近接して配置され、円筒状磁気皮膜9bに規則的な間隔でSN極に磁化されたこれまでの運転実績データが、磁気ヘッド10を介して、後述するように制御装置8によって読み出され、制御装置8のメモリ部(RAM部)8bに一旦記憶される。ここで、再生された運転実績データがロータ3の寿命制限値に達している場合、制御装置8は、故障または寿命であることを、表示部8cに報知するか、または警告アラームを発生させ、同時に、駆動モータ4の回転を停止させる。
一方、制御装置8は、再生のチェック機能を有し、運転実績データがメモリ部8bに記憶されている場合、再生された運転実績データを、メモリ部8bに記憶されている前回入力された記憶データと比較し、再生運転実績データが少ない数値の場合、制御装置8は故障であると判断し、故障アラームを発生して駆動モータ4の回転を停止させる。また、再生運転実績データがメモリ部8bの記憶データと同等である場合、またはメモリ部8bに記憶されているデータよりも多い数値である場合は、正常と判断し、制御装置8は再生したデータを最新運転実績データとしてメモリ部8bに記憶させる。ここで、メモリ部8bに記憶されているデータよりも再生された運転実績データが多い数値の場合でも、制御装置8はロータ3が他の遠心機で運転されている実績が加算されているものと判断し、正常と判断する。
時刻t2〜時刻t3において、制御装置8は、駆動モータ4を加速し、時刻t3〜時刻t4において駆動モータ4の回転速度を予め使用者が設定した回転速度(例えば、10,000rpm)に整定制御する。この期間に、ロータ3に保持された試料は回転により遠心される。遠心後、制御装置8は、時刻t4〜時刻t5において、駆動モータ4を減速し、時刻t5〜時刻t6において再び回転速度N1に整定させる。
時刻t5〜時刻t6において、制御装置8から磁気ヘッド10に運転実績データの入力信号を印加して磁界を発生させて円筒状磁気皮膜9b(図2参照)に対し規則的な間隔でSN極に磁化させることによって新たな運転実績データを記録させる。この場合、運転実績データは、制御装置8のメモリ部8bに一旦記憶された再生時の過去分データに、今回の運転実績データを積算して、磁気記録媒体9に記録する。このように、遠心機1は、ロータ3の低速度の定速回転時において、磁気記録媒体9によって、ロータ3の積算使用運転回数や積算運転回転時間等の運転実績データを記録および再生できるように構成されている。
本発明は、特に、運転実績データの記録時(上記時刻t5〜時刻t6間)の制御手段に係り、制御装置8は、磁気ヘッド10を介して磁気記録媒体9に記憶したデータが、制御装置8で記録時に生成した真のデータ入力信号と一致して正しく記憶されたか否かをチェックし、かつ制御装置8に正しいデータが再生できない場合は、磁気ヘッド10に補正した入力信号を印加して正しいデータ信号を記録する制御手段を有するものである。
以下、本発明の実施形態に係る運転実績データの記録手段につき、図5に示す制御フローチャートおよび図6に示す動作波形に係るタイムチャートに基づいて説明する。
図5に示すステップ100において、ロータ3の運転実績データの最新データ(過去分と今回分を積算したデータ)を制御装置8のメモリ部(RAM)8bに記憶する。本実施形態では、図6に示すように、運転実績データは、メモリ部8bに記憶された2進数データ(Bd)(図6(f)参照)を、MFM変調方式により複数種のパルス幅信号に変換して磁気ヘッド10の入力信号Si(図6(b)参照)とする。この入力信号Siは、回転信号Sr(図6(a)参照)と同期して変換される。
図7は、ロータ3の寿命に関係する運転実績データの一例を示す。ロータ形式、製造番号、積算回数、および積算時間は、メモリ部8bに2進数データとして記憶される。この2進数データは、3つのパルス幅(タイマ値)1.0Tw、1.5Tw、および2.0TwによってMFM変調方式により変換されて、磁気ヘッド10にデータ記憶するための入力信号Siとして印加される。
運転実績データの変換例を図8のタイムチャートに示す。図8は、図6に示した動作波形のタイムチャートの一部を拡大して示したものである。回転信号Sr(図8(a)参照)が、上記回転センサ7より入力されると、制御部8eは、特に、本発明に従って、回転信号Srに同期したビットタイミング信号Sb(図8(b)参照)を発生し、例えば、1101100101・・・に配列された2進数データBd(図8(c)参照)は、ビットタイミングSbに同期して磁気ヘッド10を駆動するための入力信号Si(MFM変調信号)(図8(d)参照)に変換される。
MFM変調信号Siは、上記特許文献2に開示された技術と同様に、図8(d)に示すように、例えば、3つのパルス幅1.0Tw、1.5Twおよび2.0Tw(1.0Twは1ビット分のビットタイミングSbにおけるパルス間の周期に等しい)によって変調される。変調の仕方は、“1”のビットデータBdは、パルス幅Twの区切り点が反転するように変換され、また、“0”のビットデータBdは、パルス幅Twが反転しないように上記3つのパルス幅(1.0Tw、1.5Tw)に変換する。なお、ここで、1Twは、低速回転時の1回転の回転周期Tr(図6参照)を運転実績データのビット数で除算した値に相当する。
図8に示した例では、ビット情報Bd“110110010”(図8(c)参照)は、入力信号Si“1.0Tw、2.0Tw、1.0Tw、1.5Tw、1.5Tw、および2.0Tw”(図8(d)参照)に変換される。
図5に示すステップ101において、磁気記録媒体9の過去の実績データを消去する。このため、制御装置8は、磁気ヘッド10に連続的に直流電流を流し、連続的に磁界を発生させる。これにより、磁気記憶媒体9における磁性皮膜9bの磁束の方向は一方向に揃えられデータは消去される。
ステップ102において、回転センサ7から制御装置8に入力される回転信号Sr(図6(a)参照)に同期した上記入力信号(MFM変調パルス信号)Siは、書込部8hから磁気ヘッド10に出力され、磁気記録媒体9の磁気皮膜9bに新しい積算運転実績データとして記録される。
次に、ステップ103において、制御装置8は、磁気ヘッド10を介して、磁気記録媒体9の磁気皮膜9bに、ステップ102において記録した運転実績データを再生する。この再生は、磁気ヘッド10を介して読出部8gにより再生信号Sg(図6(c)参照)を再生する。再生信号Sgは、交流電圧波形である。制御装置8の制御部8eは、電圧波形のゼロクロス時点を基準とする再生パルス信号Sp(図6(d)参照)を発生させる。この再生パルス信号Spのパルス間隔は、正常な再生動作の場合、回転信号Srに同期して上記入力信号Siのパルス幅(1.0Tw、1.5Tw、および2.0Tw)に等しい間隔となる。この再生パルス信号Spは、制御装置8のメモリ部8bに一時的に記憶される。この時、上記入力信号Siも、メモリ部8bから消去することなく、メモリ部8bに記憶保持しておく。
ステップ104において、制御装置8は、図6に示すように、再生運転実績データを示す再生パルス信号Spと、入力信号(理想信号)Siとの周期のずれ量W(例えば、時刻t17におけるずれ量W)を制御部8eによって演算する。図8の拡大タイムチャートに示すように、ビットタイミング信号Sb、入力信号Siおよび再生パルス信号Spは、共に回転信号Srに同期して発生するので、制御部8eは、入力信号Siと再生パルス信号Spのずれ量Wを検出することができる。図6および図8に示した例では、回転信号Srが入力された時点から時間Teを経過した時刻t17において、入力信号(理想信号)Siに対して再生パルス信号Spのパルス幅(区切り点)がずれ量Wをもつ例が示されている。
次に、ステップ105において、ステップ104で算出したずれ量Wが許容範囲内にあるか否か判定する。ずれ量Wの許容範囲は、例えば、0.5Tw未満に設定される。図8の(b)に示されるように、入力信号(理想信号)Siの0.5Tw以内のずれ量で有れば、時刻t17において再生される2進数データは、データ“1”を復調することができるので、許容範囲内と判定することができる。逆に、ずれ量Wが入力信号Siのパルス幅0.5Twより大きくずれている場合は、所期の入力信号データに対して逆転したデータが再生される場合もある。
ステップ105でずれ量Wが許容範囲(例えば、0.5Tw)より大きく、再生データに誤差を与えるような大きなずれ量と判断された場合、ステップ106に進み、大きなずれ量と判断された場合が何回判別されるか、NGの回数をカウントする。
次にステップ107にて、NG回数が規定回数(例えば、5回)以下であるか判定する。規定回数以下の場合は、ステップ108にて運転実績データを再消去する。続いてステップ109にて、最初の入力信号(理想データ)Si(図6(b)または図8(d)参照)に対してずれ量Wを補正した、図6(h)または図8(f)に示す入力電圧Siaで再記録する。このとき、再記録のタイミングは、ステップ102と同様に、回転センサ7から制御装置8に入力される回転信号Srと同期している。再記録後は、ステップ103にて再び最初の入力信号(理想信号)Siと周期の比較を行う。この場合、図6(h)に示すように、入力信号Siaは予め補正されたパルス幅となっているので、補正した入力信号Siaに基づいて記憶された磁性皮膜9bに記憶されたデータを、再度、磁気ヘッド10を介して再生すると、読出部8gで出力される再生信号Sg(図6(i)参照)は、所定の交流電圧波形となり、再生パルス信号Sp(図6(j)参照)のずれ量が補正される。すなわち、再生パルス信号Sp(図6(j)参照)は、所定のパルス間隔を持つように補正される。
ステップ107において、NG回数が規定回数を超える場合は、制御装置8は、故障しているものと判断し、ステップ110に進み、故障の表示またはアラームを行い、駆動モータ4の回転を停止させて遠心機1の運転を終了する。
また、ステップ105においてずれ量Wが許容範囲内であると判断された場合、運転実績データは正しく記録され、かつ再生されたものと判断できるので、ステップ111に進み、ロータ3が寿命であるか否かを判定する。ロータ3が寿命に達していると判定された場合は、制御装置8は、ステップ112に進み、寿命表示または寿命アラームを発生させて駆動モータ4の回転を停止し、遠心機1の運転を終了する。ステップ111で再生実績データが寿命に満たないと判断された場合は、制御装置8は、駆動モータ4の回転を停止させ、遠心機1の運転を正常に終了させる。
以上の実施形態の説明から明らかにされるように、本発明によれば、ロータに装着された磁気記録媒体に運転実績データを更新する場合、磁気ヘッドを介して再生された更新データが、記録したときの入力データ(理想値)との間にずれ量が生じても、再生データは、ロータの回転信号(パルス信号)の周期に同期しているので、該再生データを容易に補正することができる。その結果、補正入力データによって再記録を行えば、ずれ量を解消し、運転実績データを正確に記録できる。また、磁気記録媒体のデータが異常値と判定された場合、ロータまたは遠心機本体の故障または寿命として判別できるので、安全な運転実績管理が可能である。さらに、運転実績データを記録するための制御装置は、制御フローを部分的に変更することで構成することができるので、遠心機の製造コストを低減することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ずれ量Wの判定をMFM変調信号のパルス幅(0.5Tw)を基準にして判定したが、図8の(b)に示されるように、ビットタイミング信号(弁別信号)Sbのパルス幅Wpを基準にしてもよい。また、磁気ヘッドを駆動する2値化信号は、MFM変調方式以外の他の方式で変調してもよく、さらに、データ数(ビット数)が小さい場合は、MFM変調を行うことなく、ビットデータ信号で直接入力してもよい。
本発明の実施形態に係る遠心機全体の構成図。 図1に示した遠心機について部分的に拡大した構成図。 図1に示した遠心機の機能ブロック図。 図1に示した遠心機の運転モードを示すタイムチャート。 図3に示した遠心機の制御装置の制御手順を示す制御フローチャート。 図3に示した遠心機における記録信号および再生信号に係るタイムチャート。 図3に示した遠心機における運転実績データ例を示す表。 図6に示したタイムチャートを部分的に拡大したタイムチャート。
符号の説明
1:遠心機 2:筐体(フレーム) 3:ロータ 4:駆動モータ
5:ロータ室 5a:底部材(プレート) 5b:仕切り部材 6:ドア
6a:ドアのノブ 7:回転センサ 8:制御装置(コントローラ)
8a:演算部 8b:メモリ部 8c:表示部 8d:タイマ部
8e:制御部 8f:駆動部 8g:読出部 8h:書込部
9:磁気記録媒体 9a:アルミニウム基板 9b:磁気皮膜
9c:コーティング膜(保護膜) 10:磁気ヘッド 10a:移動部材

Claims (5)

  1. 試料を保持した状態でモータによって回転駆動され、かつデータを記録する磁気記録媒体を有するロータと、前記磁気記録媒体のデータを再生または前記磁気記録媒体にデータを記録させるために、前記磁気記録媒体に近接した位置に配設される磁気ヘッドと、前記ロータの回転速度を検出するための回転センサと、前記回転センサの回転検出信号に基づいて前記モータの回転を制御し、かつ前記磁気記録媒体に対しデータの再生またはデータの記録を行うように前記磁気ヘッドを制御する制御装置と、を具備する遠心機において、前記制御装置は、前記データの記録を行うために前記磁気ヘッドに入力するデータ入力信号を、前記回転センサから入力される前記回転検出信号に同期して生成することを特徴とする遠心機。
  2. 前記データ入力信号は、ビット信号を複数のパルス幅でMFM変調した2値化信号であることを特徴とする請求項1に記載された遠心機。
  3. 前記制御装置は、前記データ入力信号を記録するメモリ部を有し、前記磁気記録媒体に記録された前記データ入力信号を、前記磁気ヘッドを介して再生し、該再生出力信号と前記データ入力信号から補正データを算出し、該補正データと前記データ入力信号に基づいて補正したデータ入力信号を生成し、該補正データ入力信号を、前記磁気ヘッドを介して前記磁気記録媒体に再記録させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された遠心機。
  4. 前記制御装置は、前記データ入力信号から算出した前記補正データが許容範囲外であると判別した場合、遠心機の故障と判別することを特徴とする請求項3に記載された遠心機。
  5. 前記磁気記録媒体に記録されるデータは、前記ロータの寿命を判断するための運転実績データであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載された遠心機。
JP2008089297A 2008-03-31 2008-03-31 遠心機 Pending JP2009240886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008089297A JP2009240886A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 遠心機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008089297A JP2009240886A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 遠心機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009240886A true JP2009240886A (ja) 2009-10-22
JP2009240886A5 JP2009240886A5 (ja) 2010-10-21

Family

ID=41303432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008089297A Pending JP2009240886A (ja) 2008-03-31 2008-03-31 遠心機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009240886A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017125072A1 (zh) * 2016-01-20 2017-07-27 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种用于磁悬浮离心机的停机方法及装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0581756A (ja) * 1991-09-19 1993-04-02 Nippon Signal Co Ltd:The 磁気カード処理方法及び装置
JPH08180499A (ja) * 1994-12-21 1996-07-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 情報記録媒体および記録再生装置
JPH10174903A (ja) * 1996-10-18 1998-06-30 Hitachi Koki Co Ltd オーバースピード保護装置を有する遠心機
JP2001104834A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機のロータ寿命管理装置
JP2008062126A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Hitachi Koki Co Ltd 遠心機

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0581756A (ja) * 1991-09-19 1993-04-02 Nippon Signal Co Ltd:The 磁気カード処理方法及び装置
JPH08180499A (ja) * 1994-12-21 1996-07-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 情報記録媒体および記録再生装置
JPH10174903A (ja) * 1996-10-18 1998-06-30 Hitachi Koki Co Ltd オーバースピード保護装置を有する遠心機
JP2001104834A (ja) * 1999-10-05 2001-04-17 Hitachi Koki Co Ltd 遠心分離機のロータ寿命管理装置
JP2008062126A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Hitachi Koki Co Ltd 遠心機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017125072A1 (zh) * 2016-01-20 2017-07-27 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种用于磁悬浮离心机的停机方法及装置
US10850287B2 (en) 2016-01-20 2020-12-01 Gree Green Refrigeration Technology Center Co., Ltd. Of Zhuhai Method and device for stopping a magnetic suspension centrifuge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7760601B2 (en) Reproducing apparatus with built-in optical disk drive
KR100712559B1 (ko) 기준 클럭 주파수 조정 방법 및 장치와 이를 이용한 디스크드라이브
US7130255B2 (en) Method of CD/DVD vibration detection by monitoring motor conditions
JP2010027138A (ja) 磁気ディスク装置及びその制御方法
JP2008062126A (ja) 遠心機
JPH0522296B2 (ja)
JP2009240886A (ja) 遠心機
JP2013530483A (ja) テープ・ドライブの速度制御
JP2009262059A (ja) 遠心機
JP2010125434A (ja) 遠心機
JP2535951B2 (ja) ディスク駆動装置
US20030072237A1 (en) Method for detecting the innermost radial position of the optical pickup in an optical disk apparatus and such optical disk apparatus
JP3738216B2 (ja) 光ディスク再生装置
KR20080061639A (ko) 다수의 디스크저장장치의 스핀업 동작을 시간차로 구동하는데이터기록장치 및 그 방법
JP3867681B2 (ja) カルーセルチェンジャ
JP2003187516A (ja) 磁気記録装置
JP2005056490A (ja) ディスク再生装置
JP2002074819A (ja) ディスク制動装置
JPH09308285A (ja) 円盤状記憶媒体の回転駆動制御装置
JP2005100484A (ja) 光ディスク装置
EP1396858A2 (en) Method for reproducing data and control device using controllable dummy read gate
JP2002157736A (ja) 光ディスク装置およびその駆動方法
JPH05347053A (ja) デジタル信号再生装置及びドラム回転制御方法
JP2004127377A (ja) 光ディスク記録再生装置、光ディスク装置、および光ディスク装置の偏心量測定方法
JP2005302242A (ja) 光ディスク再生装置の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111012

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20111111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120424

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02