JP2009240880A - 揮発性有機化合物処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理対象ガスに含まれるVOCを吸着剤10に吸着させ、吸着剤10に吸着されたVOCを加圧環境下で水蒸気を用いて脱着して水蒸気に混入させる吸着・脱着装置1と、吸着・脱着装置1からVOCが混入した水蒸気が流出する配管X4と、配管X4の流路上に設けられてVOCが混入した水蒸気を燃焼させるガスタービン2とを有する揮発性有機化合物処理システムAであって、ガスタービン2の上流側に、配管X4を流通する流体を気体と液体とに分離するミストセパレータ4が設けられているという構成を採用する。
【選択図】図1
Description
このような処理システムとして、特許文献1には、処理対象ガスを吸着・脱着装置に供給して揮発性有機化合物を活性炭等の吸着剤に吸着させ、また吸着剤が吸着した揮発性有機化合物を水蒸気で吸着剤から脱着して揮発性有機化合物を水蒸気に混入させる。そして、揮発性有機化合物が混入した水蒸気をガスタービンやボイラ等の燃焼装置により燃焼させて揮発性有機化合物を分解・無害化し処理する揮発性有機化合物処理システムが開示されている。
したがって、上記処理システムでは、吸着・脱着装置から脱着した揮発性有機化合物が混入した水蒸気を燃焼装置に供給する際には、吸着・脱着装置内のドレンを完全に除去してから燃焼装置への供給を開始する必要があった。つまり、ドレンを完全に除去するまでの間は、上記処理システムが待機状態となるため、上記処理システムの揮発性有機化合物の処理能率が低下するという問題点があった。
このような構成を採用することによって、本発明では、揮発性有機化合物が混入した水蒸気やドレン等が混合した流体を、燃焼装置の上流側において連続的に気液分離することができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、メッシュやフィルタ等を用いて流体を気体と液体とに分離する方式と比べて圧力損失が少ないため流体の円滑な流動を確保でき、また、外部動力を必要としないためコスト安を図ることができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、気液分離装置を合流位置より下流側に設けることによって、第2流路において生じたドレンも気液分離でき、より確実にドレンが燃焼装置に導入されることを防止することができる。
このような構成を採用することによって、本発明では、特にドレンが生じやすい吸着・脱着装置からのドレンを合流位置より上流側で予め気液分離することで、合流位置より下流側で気液分離する気液分離装置の負荷を低減すると共に、第2気液分離装置と気液分離装置との2段で気液分離することでより確実にドレン等が燃焼装置に導入されることを防止することができる。
したがって、本発明は、揮発性有機化合物の処理能率の低下を抑制することができる効果がある。
図1は、本発明の実施形態における揮発性有機化合物処理システムAの概要を示す模式図である。
揮発性有機化合物処理システムAは、トルエンやキシレン等の各種揮発性有機化合物の処理を必要とする工場内に構築されるものであり、図1に示すように、吸着・脱着装置1、ガスタービン(燃焼装置)2、熱交換器3、ミストセパレータ(気液分離装置)4、及び不図示の制御装置を備えている。
圧縮機21は、外部から吸気した空気を加圧して圧縮空気とし、燃焼器22に供給する構成となっている。燃焼器22は、圧縮機21から供給される圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼させ、タービン23へ排出する。また、燃焼器22には、吸着・脱着装置1から出力されたVOCが混入した水蒸気が配管X4を介して供給され、この水蒸気を燃料ガスと共に燃焼させる構成となっている。タービン23は、燃焼器22から供給される燃焼ガスの運動エネルギー及び圧力エネルギーによって回転駆動されて、圧縮機21の駆動力と、ガスタービン2外部の負荷5の駆動力とを発生する構成となっている。そして、ガスタービン2から排出される燃焼ガス(排ガス)は、熱交換器3へ排出される構成となっている。
なお、サイクロン方式のミストセパレータ4は、当該エレメント部材に流体を衝突させることで流体を気体と液体とに分離するものであるため、別途、外部動力を必要とせず、また流体の衝突による自己洗浄が可能であるため、例えば、フィルタ方式等を採用した場合に発生することがある構成機器の内装の剥離物や吸着剤10の活性炭の一部剥離等による微細な固形物の目詰まり等により、メンテナンスが必要となるということは少ない。したがって、サイクロン方式の自己洗浄によるメンテナンスフリーであるという特徴が、有害なVOCを連続的に処理するという当該処理システム上の目的において適する。
このような制御装置は、例えば、配管X2に設けられた開閉弁Y2、配管X3に設けられた開閉弁Y3、配管X4に設けられた開閉弁Y4a、配管X5に設けられた開閉弁Y5の開放/閉塞の動作を各々制御すると共に、配管X1に設けられた調節弁Y1及び調節弁Y4b、配管X8に設けられた調節弁Y8の開放/閉塞、さらにこれらの当該開放量を調節することで流体の供給量を各々制御することができる構成となっている。
図2及び図3は、吸着・脱着装置1の各工程における様子を示す模式図であって、図2(a)は吸着工程、図2(b)は加圧・加温工程、図3(a)は脱着工程、図3(b)は冷却工程を示している。吸着・脱着装置1は、これらの各工程を繰り返し行うことにより、処理対象ガスからVOCを除去する。
なお、図2及び図3において、各弁の白抜き表示は「開状態」にあることを示し、各弁の黒抜き表示は「閉状態」にあることを示している。
不図示の制御装置は、図2(a)に示すように、開閉弁Y4a、開閉弁Y5及び調節弁Y1を閉状態とすると共に、開閉弁Y2及び開閉弁Y3を開状態とする。開閉弁Y2及び開閉弁Y3が開状態となることで、吸着・脱着装置1にVOCを含んだ処理対象ガスが配管X3を介して下側から順次入力され、中段に設けられた吸着剤10を通過して上側の配管X2から順次出力される。この吸着工程において、処理対象ガスは、吸着剤10を通過する際にVOCが活性炭に吸着されるために浄化され、処理済ガスとして配管X2を介して外部に排出されることとなる。
なお、このとき調節弁Y8及び調節弁Y4bは、開放量を調節した開状態となっており、配管X8を介して常時一定量の水蒸気をガスタービン2に供給している。
次に、制御装置は、加圧・加温工程を行うべく、図2(b)に示すように、開閉弁Y2、開閉弁Y3、開閉弁Y4a及び開閉弁Y5を閉状態とすると共に、調節弁Y1を開状態とする。調節弁Y1が開状態となることで、吸着・脱着装置1に水蒸気が配管X1を介して上側から順次入力され、浄化容器11内が加圧・加温状態となり、吸着剤10の雰囲気が加温されることとなる。
このとき、常温状態にあった吸着・脱着装置1に、加圧・加温用の水蒸気を供給することによって当該水蒸気の一部が凝縮して液体のドレンとなる。そして、このドレンには、吸着工程によって吸着剤に付着したVOCが微量ながら溶け込んでいる。
浄化容器11内が十分に加圧・加温されると、制御装置は、脱着工程を行うべく、図3(a)に示すように、開閉弁Y2、開閉弁Y3、開閉弁Y5及び調節弁Y8を閉状態とすると共に、調節弁Y1及び開閉弁Y4aを開状態とする。調節弁Y1及び開閉弁Y4aが開状態となることで、吸着・脱着装置1に水蒸気が配管X1を介して上側から順次入力されると共に、中段に設けられた吸着剤10を通過してVOCが混入した水蒸気が下側の配管X4を介して順次出力される。この脱着工程では、吸着剤10の活性炭に吸着されたVOCは、所定温度に加温された環境下において、吸着剤10を通過する水蒸気によって活性炭から脱着され、水蒸気に混入した状態で配管X4を介して排出されることとなる。
このとき、加圧・加温工程において生じたドレンもVOCが混入した水蒸気と共に配管X4を介して排出される。さらに、配管X4を流通するVOCが混入した水蒸気は、その流通過程での熱損失等により一部が液化し、ドレンを生じさせる。
なお、制御装置は、調節弁Y8を開放量を調節した開状態とし、配管X4を流通するVOCが混入した水蒸気に、配管X8を介して水蒸気を加えて、一定量の水蒸気をガスタービン2に供給させる制御を行う構成であっても良い。
次に、制御装置は、冷却工程を行うべく、図3(b)に示すように、開閉弁Y3、開閉弁Y4a及び調節弁Y1を閉状態とすると共に、開閉弁Y2及び開閉弁Y5を開状態とする。開閉弁Y2及び開閉弁Y5が開状態となることで、吸着・脱着装置1に空気が配管X5を介して下側から順次入力され、中段に設けられた吸着剤10を通過して上側の配管X2から順次出力される。この冷却工程では、開閉弁Y2を開状態にすることで浄化容器11内を減圧させ常圧に戻し、空気が吸着剤10を通過することによって活性炭の雰囲気を冷却することで常態に戻すこととなる。
したがって、本実施形態では、揮発性有機化合物の処理能率の低下を抑制することができる効果がある。
Claims (4)
- 処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を吸着剤に吸着させ、前記吸着剤に吸着された前記揮発性有機化合物を加圧環境下で水蒸気を用いて脱着して前記水蒸気に混入させる吸着・脱着装置と、前記吸着・脱着装置から前記揮発性有機化合物が混入した前記水蒸気が流出する流路と、前記流路上に設けられて前記揮発性有機化合物が混入した前記水蒸気を燃焼させる燃焼装置とを有する揮発性有機化合物処理システムであって、
前記燃焼装置の上流側に、前記流路を流通する流体を気体と液体とに分離する気液分離装置が設けられていることを特徴とする揮発性有機化合物処理システム。 - 前記気液分離装置は、前記流体を旋回させ遠心力を用いて気体と液体とに分離するサイクロン方式であることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物処理システム。
- 前記水蒸気の一部を前記吸着・脱着装置を経由することなく前記流路に合流させる第2流路を有し、
前記気液分離装置は、前記流路及び前記第2流路の合流位置より下流側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の揮発性有機化合物処理システム。 - 前記吸着・脱着装置と、前記合流位置との間において、前記流路を流通する流体を気体と液体とに分離する第2気液分離装置が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の揮発性有機化合物処理システム。
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