JP2009240858A - 揮発性有機化合物処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性有機化合物処理システムにおいて、ドレンが容器内から完全に排出されるまで待機することなく脱着処理を可能とすることにより処理能力を向上させる。
【解決手段】吸着装置1の容器11内の領域であって容器11内に水蒸気を供給した際に生じる液相成分が貯留する領域Rに接続された液相成分排出管X10を介して液相成分を容器11の外部に排出する液相成分排出手段X10,Y10と、容器11内の領域であって液相成分が貯留する領域Rの外部の領域に接続された気相成分排出管X4を介して水蒸気を含む気相成分を容器11の外部に排出する気相成分排出手段X4,Y4とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、処理対象ガスに含まれる揮発性有機化合物を容器に収容された吸着剤で吸着することで処理対象ガスから除去し、吸着剤に吸着された揮発性有機化合物を容器に水蒸気を供給することで揮発性有機化合物を脱着して回収する揮発性有機化合物処理システムに関するものである。
トルエンやキシレン等の各種揮発性有機化合物を取り扱う工場では、揮発性有機化合物を含むガス(処理対象ガス)を処理するための処理システムを設けている。
このような処理システムとして、特許文献1には、処理対象ガスを吸着剤が収容された容器に供給して揮発性有機化合物を吸着させ、また吸着剤が吸着した揮発性有機化合物を水蒸気で吸着剤から脱着して揮発性有機化合物を水蒸気に混入させて回収し、さらに揮発性有機化合物が混入した水蒸気をガスタービンやボイラ等の燃焼装置により燃焼させて揮発性有機化合物を分解して無害化することで処理する揮発性有機化合物処理システムが開示されている。
特許第3956996号公報
ところで、上述の揮発性有機化合物処理システムでは、吸着剤から揮発性有機化合物を脱着させるために、水蒸気を容器内に供給して容器内の圧力及び温度を所定の値まで上昇させる必要があるが、このための雰囲気形成の途中で、容器内において水蒸気等が凝縮してドレンが生じる。
このドレンが、燃焼装置に導入されると、燃焼装置における失火や燃焼効率の低下等の要因になり得るため、揮発性有機化合物処理システムでは、脱着のための雰囲気形成が完了して容器内部にて水蒸気の凝縮が起こりにくい状態になるまで、容器内のドレンを適宜排出する必要がある。
このため、従来の揮発性有機化合物処理システムは、容器内に供給された水蒸気を排出するための排出管を用いてドレンを容器の外部に排出し、当該排出管の途中部位に設けられたドレン弁を介してドレンをシステムの外部に排出している。
しかしながら、ドレンの排出は、短時間で完了するものではなく、容器内部が脱着可能な雰囲気となった後にも、ドレンを排出する時間を設ける必要がある。
このため、脱着可能な雰囲気が形成されてからドレンを容器から完全に除去するまでの間は、揮発性有機化合物処理システムが待機状態となるため、処理能率が低下してしまう。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、揮発性有機化合物処理システムにおいて、ドレンが容器内から完全に排出されるまで待機することなく脱着処理を可能とすることにより処理能力を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を収容する容器内に上記揮発性有機化合物を含む処理対象ガスを供給することで該処理対象ガスから上記揮発性有機化合物を除去し、上記処理対象ガスの供給が停止された状態で上記容器内に水蒸気を供給して加圧及び加温を行うことによって上記吸着剤から上記揮発性化合物を脱着して回収する揮発性有機化合物処理システムであって、上記容器内の領域であって上記容器内に上記水蒸気を供給した際に生じる液相成分が貯留する領域に接続された液相成分排出管を介して上記液相成分を上記容器の外部に排出する液相成分排出手段と、上記容器内の領域であって上記液相成分が貯留する領域の外部の領域に接続された気相成分排出管を介して上記水蒸気を含む気相成分を上記容器の外部に排出する気相成分排出手段とを備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、容器に水蒸気を供給した場合に、容器内の液相成分が該液相成分の貯留領域に接続された液相排出管を介して容器の外部に排出され、容器内の気相成分が液相成分の貯留領域と異なる領域に接続された気相成分排出管を介して容器の外部に排出される。
また、本発明においては、上記気相成分排出管は、上記気相成分の入口が下方に向けて配置されているという構成を採用する。
また、本発明においては、上記気相成分排出管は、上記気相成分の入口が上記容器の内壁面よりも上記容器の内側に配置されているという構成を採用する。
また、本発明においては、上記液相成分排出管は、上記液相成分が貯留する領域の最下部に接続されているという構成を採用する。
本発明によれば、容器に水蒸気を供給した場合に、容器内の液相成分が該液相成分の貯留領域に接続された液相排出管を介して容器の外部に排出され、容器内の気相成分が液相成分の貯留領域と異なる領域に接続された気相成分排出管を介して容器の外部に排出される。
このように気相成分排出管が上記貯留領域の外部領域に接続されることによって、容器内に液相成分が存在する場合であっても液相成分の気相成分排出管への流入を抑制し、容器の外部に排出される気相成分に液相成分が混入することを抑制することが可能となる。よって、液相成分の貯留領域に接続された液相成分排出管を介して容器内に存在する液相成分を排出しながら、液相成分の混入が抑制された気相成分を容器から排出することができる。
したがって、本発明によれば、揮発性有機化合物処理システムにおいて、ドレンが容器内から完全に排出されるまで待機することなく脱着処理を可能とすることにより処理能力を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る揮発性有機化合物処理システムの一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の一実施形態における揮発性有機化合物処理システムAの概要を示す模式図である。
揮発性有機化合物処理システムAは、トルエンやキシレン等の各種揮発性有機化合物の処理を必要とする工場内に構築されるものであり、図1に示すように、吸着装置1、ガスタービン2、熱交換器3、ミストセパレータ4、及び不図示の制御装置を備えている。
吸着装置1は、円筒状の部材の開口をドーム状の部材で閉じたような形状の金属製の浄化容器11(容器)と、浄化容器11内部中段に設けられた吸着剤10とを有する。すなわち、吸着剤10は、浄化容器11に収容されている。なお、吸着剤10としては、例えば活性炭を用いることができる。
この吸着装置1は、処理対象ガスである揮発性有機化合物(以下、VOCと称する)含有ガスに含まれるVOCを浄化容器11内部の吸着剤10に吸着させることによって処理対象ガスからVOCを除去する。
そして、吸着剤10に吸着されたVOCは、処理対象ガスの供給が停止された状態で浄化容器11内部に水蒸気が供給されることによって吸着剤10から脱着して水蒸気に混入する。つまり、吸着装置1は、処理対象ガスの供給が停止された状態で浄化容器11内部に供給された水蒸気にVOCを混入して排出する。
この吸着装置1の浄化容器11には、吸着剤10より上側の外部から水蒸気を供給する配管X1と、VOCが除去された処理済ガスを外部へ排出する配管X2と、吸着剤10より下側の外部から処理対象ガスを供給する配管X3と、VOCが混入した水蒸気を外部へ排出する配管X4(気相成分排出配管)が接続されている。
また、吸着剤10を冷却する必要から、空気を吸着剤10の下側の外部から供給する配管X5が配管X3と接続されており、浄化容器11内部に空気を供給可能な構成とされている。
さらに水蒸気を供給した場合に浄化容器11内部に発生するドレンを浄化容器11の外部に排出する必要から、ドレンを排出する配管X10が浄化容器11に接続されている。
そして、図2に示すように、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、ドレンを排出するための配管X10は、浄化容器11内の領域であって浄化容器11内に水蒸気を供給した際に生じたドレンが貯留する領域(以下、貯留領域Rと称する)に接続されている。また、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、配管X10は、貯留領域Rの最下部(すなわち浄化容器11の底部)と接続されている。
また、VOCが混入した水蒸気を外部へ排出する配管X4は、浄化容器11内の領域であって上記貯留領域Rの外部の領域に接続されている。そして、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、配管X4の入口X4aは、下方に向けられ、さらに浄化容器11の内壁面11aよりも浄化容器11の内側に配置されている。
なお、配管X1の途中部位には開閉弁Y1が、配管X2の途中部位には開閉弁Y2が、配管X3の途中部位には開閉弁Y3が、配管X4の途中部位には開閉弁Y4が、配管X5の途中部位には開閉弁Y5が設置されている。また、配管X10の途中部位には、ドレントラップY10が設置されている。
そして、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、配管X4及び開閉弁Y4によって浄化容器11の外部に水蒸気が排出されるため、本発明の気相成分排出手段は、上記配管X4及び開閉弁Y4から構成されている。
また、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、配管X10及びドレントラップY10によって浄化容器11の外部にドレンが排出されるため、本発明の液相成分排出手段は、上記配管X10及びドレントラップY10から構成されている。
図1に戻り、ガスタービン2は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を備えている。
圧縮機21は、外部から吸気した空気を加圧して圧縮空気とし、燃焼器22に供給する構成となっている。
燃焼器22は、圧縮機21から供給される圧縮空気と燃料ガスとを混合して燃焼させ、タービン23へ排出する。また、燃焼器22には、吸着装置1から排出されたVOCが混入した水蒸気が配管X4を介して供給され、この水蒸気を燃料ガスと共に燃焼させる構成となっている。なお、配管X4を介して燃焼器22へ供給される水蒸気量は、燃焼器22の直前に設けられた調節弁Y20によって調節される。
タービン23は、燃焼器22から供給される燃焼ガスの運動エネルギー及び圧力エネルギーによって回転駆動されて、圧縮機21の駆動力と、ガスタービン2外部の負荷5の駆動力とを発生する構成となっている。そして、ガスタービン2から排出される燃焼ガス(排ガス)は、熱交換器3へ排出される構成となっている。
熱交換器3は、ガスタービン2から供給される燃焼ガスの保有する熱を利用して水蒸気を生成する構成となっている。熱交換器3が生成した水蒸気の一部は、配管X6を介して工場のプロセス用として使用され、残りの水蒸気は、配管X7を介して配管X1に供給されて吸着装置1に供給される。
なお、配管X7と配管X4とには、配管X7を流れる水蒸気を吸着装置1に供給することなく配管X4にバイパスする配管X8が接続されている。この配管X8の途中部位には、調節弁Y8が設置されており、当該調節弁Y8により配管X8を流れる水蒸気量(すなわち水蒸気のバイパス量)が調節される。
ミストセパレータ4は、配管X4の途中部位に設置されており、配管X4を流れるVOCが混入した水蒸気にミスト状態で含有するドレンを水蒸気から分離するように構成されている。このミストセパレータ4としては、例えばメッシュ方式、フィルタ方式、サイクロン方式等のものを採用できる。
不図示の制御装置は、内部メモリに記憶された制御プログラム及び各種制御用データ等に基づいて、本システムの全体の動作を制御するものである。すなわち、制御装置は、各種制御用データ等に基づいて制御演算を行う制御機器及び上記各構成機器(吸着装置1、ガスタービン2、熱交換器3等)とのデータ授受を行う各種入出力インターフェース回路等から構成されており、上記各構成機器を統括的に制御する構成となっている。
このような制御装置は、例えば、配管X1に設けられた開閉弁Y1、配管X2に設けられた開閉弁Y2、配管X3に設けられた開閉弁Y3、配管X4に設けられた開閉弁Y4、配管X5に設けられた開閉弁Y5の開放/閉塞の動作を各々制御すると共に、配管X4に設けられた調節弁Y20、配管X8に設けられた調節弁Y20の開放/閉塞、さらにこれらの当該開放量を各々制御することができる構成となっている。
続いて、上記のように構成された揮発性有機化合物処理システムAによってVOCを処理する動作について図3及び図4を参照して説明する。
図3及び図4は、吸着装置1の各工程における様子を示す模式図であって、図3(a)は吸着工程、図3(b)は加圧・加温工程、図4(a)は脱着工程、図4(b)は冷却工程を示している。本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAでは、これらの各工程が繰り返し行われることにより、処理対象ガスからVOCが除去される。
なお、図3及び図4において、各弁の白抜き表示は「開状態」にあることを示し、各弁の黒抜き表示は「閉状態」にあることを示している。
(吸着工程)
不図示の制御装置は、図3(a)に示すように、開閉弁Y1、開閉弁Y4、開閉弁Y5を閉状態とすると共に、開閉弁Y2及び開閉弁Y3を開状態とする。開閉弁Y2及び開閉弁Y3が開状態となることで、吸着装置1にVOCを含んだ処理対象ガスが配管X3を介して下側から順次供給され、中段に設けられた吸着剤10を通過して上側の配管X2から順次排出される。
この吸着工程において、処理対象ガスは、吸着剤10を通過する際にVOCが活性炭に吸着されるために浄化され、処理済ガスとして配管X2を介して外部に排出されることとなる。
なお、このとき調節弁Y8及び調節弁Y20は、開放量を調節した開状態となっており、配管X8を介して常時一定量の水蒸気をガスタービン2に供給している。
(加圧・加温工程)
次に、制御装置は、加圧・加温工程を行うべく、図3(b)に示すように、開閉弁Y2、開閉弁Y3、開閉弁Y4及び開閉弁Y5を閉状態とすると共に、開閉弁Y1を開状態とする。開閉弁Y1が開状態となることで、吸着装置1の浄化容器11に水蒸気が配管X1を介して上側から順次供給され、浄化容器11内が加圧・加温状態となり、吸着剤10が晒される雰囲気が加温されることとなる。
このとき、常温状態にあった吸着装置1の浄化容器11に水蒸気を供給することによって、当該水蒸気の一部が凝縮して液体のドレンとなる。そして、このドレンは、浄化容器11の下部における上記貯留領域R(図2参照)に貯留され、貯留領域Rに接続された配管X10を介して浄化容器11の外部に排出される。なお、配管X10の途中部位には、ドレントラップY10が設置されているため、浄化容器11の圧力を低下させることなく、ドレンが排出される。
また、本加圧・加温工程では、上述のようにドレンが発生するが、このドレンは、専ら高温の水蒸気が低温の浄化容器11の内壁面11aと接触する際に生成される。ここで、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、水蒸気を浄化容器11の外部に排出するための配管X4の入口X4aが、下方に向けられ、さらに浄化容器11の内壁面11aよりも浄化容器11の内側に配置されていることで、ドレンが配管X4に流れ込み難いように構成されている。
(脱着工程)
浄化容器11内が十分に加圧・加温されると、制御装置は、脱着工程を行うべく、図4(a)に示すように、開閉弁Y2、開閉弁Y3、開閉弁Y5及び調節弁Y8を閉状態とすると共に、開閉弁Y1及び開閉弁Y4を開状態とする。開閉弁Y1及び開閉弁Y4が開状態となることで、吸着装置1の浄化容器11に水蒸気が配管X1を介して上側から順次供給され、中段に設けられた吸着剤10を通過する際にVOCが脱着され、この脱着したVOCが混入した水蒸気が下側の配管X4を介して順次排出される。
そして、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、水蒸気(気相成分)を浄化容器11の外部に排出するための配管X4が、ドレン(液相成分)が貯留する貯留領域Rの外部と接続されている(図2参照)。このため、配管X4にドレンが流入することを抑制し、浄化容器11からドレンが完全に排出されるのを待つことなく本脱着工程を行うことが可能となる。
VOCが混入した水蒸気は、配管X4内を流通し、ミストセパレータ4にてミスト状のドレンが除去され、ガスタービン2に連続的に供給される。この結果、ガスタービン2の燃焼器22によりVOCが燃焼されて分解・無害化されることとなる。
(冷却工程)
次に、制御装置は、冷却工程を行うべく、図4(b)に示すように、開閉弁Y1、開閉弁Y3、開閉弁Y4を閉状態とすると共に、開閉弁Y2及び開閉弁Y5を開状態とする。開閉弁Y2及び開閉弁Y5が開状態となることで、吸着装置1に空気が配管X5を介して下側から順次供給され、中段に設けられた吸着剤10を通過して上側の配管X2から順次排出される。
この冷却工程では、開閉弁Y2を開状態にすることで浄化容器11内を減圧させ常圧に戻し、空気が吸着剤10を通過することによって活性炭の雰囲気を冷却することで常温に戻すこととなる。
そして、制御装置は、再び上記した吸着工程に移行させ、上記工程を順に繰り返し行うことで処理対象ガスからVOCを除去することとなる。
以上のように本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAは、VOCを吸着する吸着剤10を収容する浄化容器11内にVOCを含む処理対象ガスを供給することで該処理対象ガスからVOCを除去し、処理対象ガスの供給が停止された状態で浄化容器11内に水蒸気を供給して加圧及び加温を行うことによって吸着剤からVOCを脱着して回収する揮発性有機化合物処理システムであって、浄化容器11内の領域であって浄化容器11内に水蒸気を供給した際に生じるドレンが貯留する貯留領域Rに接続された配管X10を介してドレンを浄化容器11の外部に排出し、浄化容器11内の領域であって貯留領域Rの外部の領域に接続された配管X4を介して脱着されたVOCを含む水蒸気を浄化容器11の外部に排出する。
このような本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAによれば、浄化容器11に水蒸気を供給した場合に、浄化容器11内のドレンが該ドレンの貯留領域Rに接続された配管X10を介して浄化容器11の外部に排出され、浄化容器11内の水蒸気がドレンの貯留領域Rと異なる領域に接続された配管X4を介して浄化容器11の外部に排出される。
このように水蒸気を排出する配管X4が上記貯留領域Rの外部領域に接続されることによって、浄化容器11内にドレンが存在する場合であってもドレンの配管X4への流入を抑制し、浄化容器11の外部に排出される水蒸気にドレンが混入することを抑制することが可能となる。よって、ドレンの貯留領域Rに接続された配管X10を介して浄化容器11内に存在するドレンを排出しながら、ドレンの混入が抑制された水蒸気を浄化容器11から排出することができる。
したがって、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAによれば、揮発性有機化合物処理システムにおいて、ドレンが浄化容器11内から完全に排出されるまで待機することなく脱着処理を可能とすることにより処理能力を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAによれば、水蒸気を排出する配管X4の入口X4aが下方に向けられ、さらに浄化容器11の内壁面11aよりも浄化容器11の内側に配置されている。このため、浄化容器11の内壁面11aを伝うドレン及び浄化容器11の天井あるいは吸着剤10から落下するドレンが配管X4に入り込むことを防止し、配管X4にドレンが流入することをより抑制することが可能となる。
また、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAによれば、配管X4の途中部位にミストセパレータ4が設置されているため、配管X4を流れる水蒸気に含まれるミスト状のドレンも除去することが可能となる。
また、本実施形態の揮発性有機化合物処理システムAにおいては、ドレンを浄化容器11から排出する配管X10が、ドレンの貯留領域Rの最下部に接続されている。このため、浄化容器11内に貯留された全てのドレンを重力によって効率的に配管X10に導入して排出することが可能となる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、揮発性有機化合物処理システムAが吸着装置1を一つ有する構成を説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、複数の吸着装置1を備える構成でも良い。
また、例えば、上記実施形態では、燃焼装置は、ガスタービン2であると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、排熱回収ボイラ等の各種ボイラ等であっても良い。
本発明の一実施形態における揮発性有機化合物処理システムの概要を示す模式図である。 本発明の一実施形態における揮発性有機化合物処理システムが備える吸着装置を拡大した模式図である。 本発明の一実施形態における揮発性有機化合物処理システムの動作を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態における揮発性有機化合物処理システムの動作を説明するための模式図である。
符号の説明
1…吸着装置、10……吸着剤、11……浄化容器(容器)、4…ミストセパレータ、A…揮発性有機化合物処理システム、X4…配管(気相成分排出管)、X4a……入口、X10…配管(液相成分排出管)、Y4……開閉弁、Y10……ドレントラップ

Claims (5)

  1. 揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を収容する容器内に前記揮発性有機化合物を含む処理対象ガスを供給することで該処理対象ガスから前記揮発性有機化合物を除去し、前記処理対象ガスの供給が停止された状態で前記容器内に水蒸気を供給して加圧及び加温を行うことによって前記吸着剤から前記揮発性化合物を脱着して回収する揮発性有機化合物処理システムであって、
    前記容器内の領域であって前記容器内に前記水蒸気を供給した際に生じる液相成分が貯留する領域に接続された液相成分排出管を介して前記液相成分を前記容器の外部に排出する液相成分排出手段と、
    前記容器内の領域であって前記液相成分が貯留する領域の外部の領域に接続された気相成分排出管を介して前記水蒸気を含む気相成分を前記容器の外部に排出する気相成分排出手段と
    を備えることを特徴とする揮発性有機化合物処理システム。
  2. 前記気相成分排出管は、前記気相成分の入口が下方に向けて配置されていることを特徴とする請求項1記載の揮発性有機化合物処理システム。
  3. 前記気相成分排出管は、前記気相成分の入口が前記容器の内壁面よりも前記容器の内側に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の揮発性有機化合物処理システム。
  4. 前記気相成分排出管の途中部位に前記気相成分に含まれるミストを除去するミストセパレータを備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の揮発性有機化合物処理システム。
  5. 前記液相成分排出管は、前記液相成分が貯留する領域の最下部に接続されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の揮発性有機化合物処理システム。

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