JP2009240860A - 材料溶解性又は分散性、及び材料の融点の制御方法 - Google Patents

材料溶解性又は分散性、及び材料の融点の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】材料の溶解性又は分散性を制御可能な方法の提供。
【解決手段】油性媒体への材料の溶解性又は分散性を制御する方法であって、(1)材料を油性媒体に添加すること、及び(2)前記工程(1)の前又は後に、下記式(I) *−L1−L2で表される基を材料に導入することを含む材料の溶解性又は分散性の制御方法である。*は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、材料の融解温度を制御する方法及び油性媒体への材料の溶解性又は分散性を制御する方法に関する。より詳しくは、様々な機能性材料に同一融点を付与する方法及びその機能性材料を油性媒体への溶解又は分散温度を制御する方法に関する。
一般的に、有機化合物の融点は無機化合物に比べて低いものが多いが、それは主にその化合物を構成する元素、原子団、及び様々な官能基同士の相互作用が、比較的弱いファンデルワールス力が支配的である場合が多いことに起因する。しかし、有機化合物の中には、分子内にイオン結合等の他の相互作用力が支配する部位を有するものもあり、その融点は、物質に固有であり、その温度範囲も広い。
例えば、脂肪族カルボン酸の融点は、そのアルキル鎖長に依存して変化する。また同じ炭素鎖長のステアリル(C1837−)基をもつカルボン酸、アルコール、及びアミンでは、その融点は異なる。このように、融点は化学構造に依存することが知られている。
材料の融点の制御は、種々の技術分野で重要である。
従来の加硫ゴムや架橋密度を高めた熱硬化性樹脂の機能も有するブタジエン系重合体は、熱可塑性エラストマーとしての機能だけでなく、分子中に化学反応性に富んだ炭素−炭素二重結合を有するので、融点を制御することが、材料の特性として重要である。例えば、重合触媒等により融点を制御するなど、様々な技術が提案されているが、20℃前後の温度幅を有する(特許文献1)。
感熱紙は室温では変化しないが、サーマルヘッドからの熱で組成物が融解し、発色剤と顕色剤が反応して発色する機能が印字に用いられる(特許文献2)。
書籍、チラシ、カタログ等の印刷物に使用されるオフセット印刷インキには、擦れのトラブルを低減して印刷紙面を改善し、印刷の作業効率を向上させる為に耐摩擦剤ワックスとして、粒子径と融点が制御された分散型ポリエチレンワックスが用いられるが、その融点は、50℃前後の温度幅を有する(特許文献3)。
これらの多くの材料が、バインダーによって反応物を隔離して保存する技術を利用するもので、異なる機能又は構造の反応物同士が、同一融点で融解して反応するものではない。より急峻に反応させるためには、反応物同士をできるだけ近接させ、且つ反応しない素材を高濃度で混合しておくことが望ましい。また、特定の融点で必要な機能を発現させるためには、その機能が複雑化すればするほど、化学構造が複雑化し、融点の制御が困難になる。
これらの多くのものが、ある融点のバインダーに反応物を隔離して保存する技術を用いており、異なる機能、構造の反応物同士が同一融点で融解して反応するものではない。より急峻に反応するには、できるだけ近接して、反応しない素材の高濃度の混合状態が望ましい。また、その特定の融点で必要な機能が発現するためには、その機能が複雑化すればするほど、化学構造が複雑化し、融点の制御が困難になる。
このような背景から、所定の機能を発現させるためには、化学構造の制約があっても、自由に融点を設定する素材技術の開発が望まれている。
特開平9−176242号公報 特開平9−277729号公報 特開2006−249280号公報
本発明は、このような状況下でなされたもので、様々な異なった化学構造、及び分子量を有する機能性化合物について、油性媒体中への溶解性又は分散性を制御する方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、様々な異なった化学構造、及び分子量を有する機能性化合物について、融点を制御する方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] 油性媒体への材料の溶解性又は分散性を制御する方法であって、下記(1)及び(2)の工程:
(1) 材料を油性媒体に添加すること、及び
(2) 前記工程(1)の前又は後に、下記式(I)で表される基を材料に導入すること、
を含む材料の溶解性又は分散性の制御方法:
*−L1−L2 (I)
*は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
[2] 前記基が、下記式(II)で表されることを特徴とする[1]の材料の溶解性又は分散性の制御方法:
*−(OCH2CH2m−Z2−R (II)
mは3以上の自然数であり、Z2は単結合またはカルボニル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基の一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基またはポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基であり、*は化合物中の他の原子と結合する部位である。
[3] 前記(2)工程で、下記条件(A)及び(B)を満足する、下記式(III)で表される化合物を生成することを特徴とする[1]又は[2]の材料の溶解性又は分散性の制御方法:
A−(L1−L2p (III)
式(III)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較してπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよく;及びpは2以上の自然数である;
条件(A): 式(III)で表される化合物は、L1が置換又は無置換のオリゴアルキレンオキシ基を含む場合、その融点は70℃以下であり、L1がオリゴアルキレンオキシ基を含まない場合、その融点は110℃以下である;
条件(B): 式(III)で表される化合物が、室温下、油性媒体中で懸濁した分散状態にある場合、動的光散乱法で測定したその粒子径分布が、30μm以下に分布の中心をもち、単分散に近い状態で分散し、及びその油性媒体中での透明点が65℃以下である。
[4] 前記式(III)で表される化合物が、下記式(IV)で表される化合物であることを特徴とする[3]の方法:
A−{(B)m−Z2−R}p (IV)
式(IV)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;Bは置換または無置換のアルキレンオキシ基であり;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z2は、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
[5] 前記式(III)で表される化合物が、下記式(V)で表される化合物であることを特徴とする[3]の方法:
A−{Z1−(B)m−Z2−R}p (V)
式(V)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
[6] 前記式(III)で表される化合物が、下記式(VI)で表される化合物であることを特徴とする[3]の方法:
1・・・・{H−Z1−(B)m−Z2−R}p (VI)
式(VI)中、A1はp本の互いに異なってもよい配位子を有する有機化合物又は無機化合物、有機無機複合体であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマーでもよく;Bは置換もしくは無置換のエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;pは2以上の整数であり;mは3以上の自然数であり;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
[7] 前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有するモノマーの少なくとも1種を油性媒体中に添加し、
前記(2)工程で、該モノマーを単独重合もしくは他のモノマーと共重合して、前記式(I)で表される基を材料中に導入する、
ことを特徴とする[1]又は[2]の材料の溶解性又は分散性の制御方法。
[8] 前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有する化合物と微粒子とを油性媒体中に添加し、
前記(2)工程で、前記微粒子に前記化合物の分子を吸着させる、
ことを特徴とする[1]又は[2]の材料の溶解性又は分散性の制御方法。
[9] 前記(1)工程の前に、前記(I)で表される基を有する材料を調製することを特徴とする[1]〜[8]のいずれかの材料の溶解性又は分散性の制御方法。
[10] 下記式(I)で表される基を材料に導入することを含む材料の融点の制御方法:
*−L1−L2 (I)
*は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
本発明によれば、様々な異なった化学構造、及び分子量を有する機能性化合物について、油性媒体中への溶解性又は分散性を制御する方法を提供することができる。
また、本発明によれば、様々な異なった化学構造、及び分子量を有する機能性化合物について、融点を制御する方法を提供することができる。
本発明は、例えば、着色物、反応性化合物、及び耐摩擦性などの力学的物性の制御に用いる機能性材料の、融点、及び油性媒体への溶解性や分散性を、その機能性発現のための化学構造によらず、側鎖や配位子によって制御することができる。さらにその用途に応じて分散状態から溶解状態への転移温度範囲までを制御できるため、その応用可能性は極めて広い。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明は、油性媒体への材料の溶解性、分散性を制御する方法であって、下記(1)及び(2)の工程:
(1) 材料を油性媒体に添加すること、及び
(2) 前記工程(1)の前又は後に、下記式(I)で表される基を材料に導入すること、
を含む材料の溶解性及び分散性の制御方法:
*−L1−L2 (I)
*は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基である。
2は、直鎖又は分枝した長鎖アルキル基(例えばドデシル基、ラウリル基、2−ヘキシルオクチル基、ステアリル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、オクタコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、テトラコンチル基、テトラテトラコンチル基、ペンタコンチル基)、ポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基である。ポリシロキシ基の末端に長鎖アルキル基やパーフルオロアルキル基が置換した基、また長鎖アルキレン基の末端にパーフルオロアルキル基が置換した基が好ましい。
1がL2よりπ値が小さいとは、実質的により親水的であることを意味し、より極性の高い元素や官能基から構成されることを意味している。一般的に式(I)のL1がアルキレンオキシ基でない場合は、その基が剛直であれば融点が上昇する。アルキレンオキシ基を含む場合は、その繰り返し数にもよるが、それ以外の残基の剛直性の融点への影響は大きくなく、一般的に低化する。
前記式(I)で表される基は、下記式(II)で表される基であるのが好ましい。
*−(OCH2CH2m−Z2−R (II)
mは3以上の自然数であり、Z2は単結合またはカルボニル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基の一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基またはポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基であり、*は化合物中の他の原子と結合する部位である。
Rの好ましい例は、前記L2の好ましい例と同様である。
mは、3以上の自然数であり、例示化合物に挙げた如く、幾つかのmの混合物であってよい。
前記(2)工程は、下記式(III)で表される化合物を生成する工程であってもよい。
A−(L1−L2p (III)
式(III)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較してπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよく;及びpは2以上の自然数である;
また、前記式(III)で表される化合物の例には、下記式(IV)、(V)又は(IV)で表される化合物が含まれる。
A−{(B)m−Z2−R}p (IV)
式(IV)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;Bは置換または無置換のアルキレンオキシ基であり;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z2は、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
A−{Z1−(B)m−Z2−R}p (V)
式(V)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
1・・・・{H−Z1−(B)m−Z2−R}p (VI)
式(VI)中、A1はp本の互いに異なってもよい配位子を有する有機化合物又は無機化合物、有機無機複合体であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマーでもよく;Bは置換もしくは無置換のエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;pは2以上の整数であり;mは3以上の自然数であり;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
前記式(III)、(IV)及び(V)中、Aによって表される有機残基は構造的に制限はないが、その構成残基が長鎖アルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基でなく、これらを含まないことが好ましい。
前記式(VI)中、A1は、p本の互いに異なってもよい配位子を有する有機化合物又は無機化合物、有機無機複合体であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマーでもよい。
前記式(III)中、L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基である。
2及びRは、直鎖又は分枝した長鎖アルキル基(例えばドデシル基、ラウリル基、2−ヘキシルオクチル基、ステアリル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、オクタコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、テトラコンチル基、テトラテトラコンチル基、ペンタコンチル基)、ポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基である。ポリシロキシ基の末端に長鎖アルキル基やパーフルオロアルキル基が置換した基、また長鎖アルキレン基の末端にパーフルオロアルキル基が置換した基が好ましい。
1がL2よりπ値が小さいとは、実質的により親水的であることを意味し、より極性の高い元素や官能基から構成されることを意味している。一般的に式(I)のL1がアルキレンオキシ基でない場合は、その基が剛直であれば融点が上昇する。アルキレンオキシ基を含む場合は、その繰り返し数にもよるが、それ以外の残基の剛直性の融点への影響は大きくなく、一般的に低化する。
前記式中、pは2以上の整数で、3以上が好ましい。
前記式中、Bは、無置換のエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が好ましい。
前記式中、Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基の一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
前記式中、mは3以上の自然数であり、例示化合物に挙げた如く、幾つかのmの混合物であってよい。
中心骨格Aから伸びる側鎖を連結する基としては、側鎖の自由回転の障壁の小さいオキシ基やスルフィド基及びそれらの互いの反発による排除堆積効果を促進させるべきカルボニル基の存在すなわち中心骨格からできるだけ近い位置に密集するオキシカルボニル基に、極性部位を保護し、末端の疎水性部位をできるだけ遠ざける効果を有するオリゴエチレンオキシ基を配し、その末端に長鎖アルキル基又はパーフルオロアルキル基など疎水性基が置換された側鎖が複数本配された化合物が、分散と凝集、すなわち摺動間隙への被膜形成性、及び弾性流体潤滑膜としての低μ性に好ましい影響を与えるものと考えられる。
上記の説明から、Aの好ましい構造としては、側鎖の排除堆積効果の点からは、放射状に側鎖を伸張できる円盤状構造、三次元的に側鎖を伸張できる星型デンドリマー構造、それに類似した側鎖の密集した重合体主鎖構造が好ましい。さらに、常圧低粘性の観点からは、鎖状の星型デンドリマー構造、例えば典型的な油脂構造、すなわち鎖状多価アルコールの脂肪酸エステルである、ペンタエリスリトールの長鎖アルキルポリオキシエチレン系脂肪酸のエステルや、長鎖アルキルポリオキシエチレン系脂肪酸のエポキシドの重合体が好ましい。
しかし、ある程度剛直な骨格でも、それゆえの液晶性の発現が期待される円盤状構造の分子では、液晶性の発現によって、ミエソビッツの配向異方性粘性の発現によって流体から弾性流体領域の広い範囲で顕著な低粘性を発現可能であり、これら全てに好ましい構造があることが期待される。
系中に生成する前記式(III)、(IV)、(V)又は(V)で表される化合物が、炭素、水素及び酸素から選択される原子からなる化合物であると、環境適合性があるので好ましい。
前記前記式(III)、(IV)、(V)又は(IV)で表される化合物の具体例には、以下の化合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009240860
Figure 2009240860
Figure 2009240860
Figure 2009240860
実施例に示した如く、n−C2245−(OC244−残基を複数、側鎖として分子内に有する化合物は、その中心骨格が鎖状構造であれ、円盤状構造であれ、またモノマーであれ、ポリマーであれ、すなわちその中心骨格がトリフェニレン環のような剛直な芳香族縮合環でも、2,4,6−トリフェニルアミノ置換1,3,5−トリアジンのような複素環であっても、またペンタエリスリトールのような脂肪族多価アルコールや、クエン酸のような脂肪族多価カルボン酸であっても、また側鎖にこの残基を有するアクリレートポリマーであっても、すなわち中心核、鎖の構造によらずほぼ例外なく60〜65℃の範囲の融点を有する。
この特徴的性質は、n−C2245−(OC24)k− 残基(但し、kは4〜10程度で分布している)でも変わらない。これはオリゴエチレンオキシ基の相互作用が融点には影響していないことを示している。そして、n−C1837−(OC244− 残基の場合にその融点が顕著に変化し、ほぼ45〜50℃の融点を示し、さらにn−C1429−(OC244− 残基の場合は常温で液体であることから、これらの側鎖を有する化合物の融点がそのアルキル鎖長、アルキル基同士の疎水性相互作用のみに支配されていること、及びオリゴエチレンオキシ基が中心骨格の相互作用の融点への影響を遮蔽する効果があることを強く示唆している。
また、Aの構造が水素結合性の場合、エチレンオキシ基のオリゴ化が大きいほどそのFT−IRスペクトルの振動ピークが顕著に低波数シフトし、高温でも変化しないことから、その水素結合性が促進されることがわかる。
これらのことから、前記基を有する化合物の凝集体は、長鎖疎水性基を外周部に配する最小限の一次粒子的な凝集粒子がその外周部の長鎖疎水性基を接しさせながら多数集合し、粒子状態を形成しているものと考えられる。
それらによって、融点の類似性と油性媒体への溶解性、分散性制御が可能になっているものと推定している。
本発明の方法に用いる油性媒体の例には、鉱油、油脂又は合成油が含まれる。
鉱油としては、石油精製業の潤滑油製造プロセスで通常行われている方法により得られる鉱油、より具体的には、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の1種又は2種以上の精製手段を適宜組み合わせて得られるパラフィン系またはナフテン系等の鉱油を挙げることができる。
また、油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、ひまわり油、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、あるいはこれらの水素添加物等が挙げられる。
また、合成油としては、例えば、ポリオレフィン油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油、ビフェニル油、ジフェニルアルカン油、ジ(アルキルフェニル)アルカン油、エステル油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、ふっ素化合物(パーフルオロポリエーテル、ふっ素化ポリオレフィン等)、シリコーン油等が挙げられる。
上記に記載した油性媒体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上の異なる油を混合して使用してもよい。
また、本発明の方法の一例は、以下の通りである。
前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有するモノマーの少なくとも1種を油性媒体中に添加し、
前記(2)工程で、該モノマーを単独重合もしくは他のモノマーと共重合して、前記式(I)で表される基を材料中に導入する前記方法である。
また、本発明の方法の他の例は、以下の通りである。
前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有する化合物と微粒子とを油性媒体中に添加し、
前記(2)工程で、前記微粒子に前記化合物の分子を吸着させる、前記方法である。
また、本発明は、前記式(I)(好ましくは前記式(II))で表される基を材料に導入することを含む材料の融点の制御方法に関する。前記式(I)で表される基を導入された化合物は、例えば、前記式(III)、(IV)、(V)又は(VI)で表される化合物である。該化合物は、同一の骨格を有さず、及び分子量が異なっていても、前記式(I)の基の導入により、同程度の融点を示す。その融点の誤差は数℃程度である。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
具体的化合物例C−1、B−1、A−1の合成方法を述べる。
1−ドコサニル メタンスルホナート:
ベヘニルアルコール(1−ドコサノール)247.4gをテトラヒドロフラン640mLに溶解させ、メタンスルホニルクロリド116.1mLを徐々に添加し、水冷下、トリエチルアミン64.7mLを30分間で滴下した。1時間攪拌後、40℃に加熱し、さらに30分間攪拌した。これを氷水3.5L中に注ぎ、15分間超音波で分散し、さらに室温下で4時間攪拌した。減圧濾過し、2Lの水で結晶を洗った。その白色結晶をアセトニトリル1.5L中で1時間攪拌し、減圧濾過し、0.5Lのアセトニトリルで洗った。それを減圧乾燥し、その白色結晶303.4gを得た。
テトラエチレングリコール モノ−1−ドコサニルエーテル:
テトラエチレングリコール207mLに1−ドコサニル メタンスルホナート80.4gを添加し、110℃に加熱した。t−ブトキシカリウム40.0gを2時間かけて徐々に添加した。さらに3時間攪拌し、冷却後、氷水3L中に注ぎ、酢酸エチル2Lを添加し、1時間攪拌し、不溶物22.2gを濾過した。濾液から酢酸エチル相を抽出分離し、減圧濃縮後、アセトニトリル0.5Lを添加し、氷冷下、1時間攪拌した。減圧濾過し、0.2Lの冷アセトニトリルで洗い、白色結晶81.6gを得た。
3−(1−ドコサニルテトラエチレンオキシカルボニル)プロピオン酸:
テトラエチレングリコール モノ1−ドコサニルエーテル25.0gをトルエン160mLに溶解し、無水コハク酸7.5gと濃硫酸2滴を加え、125℃で8時間加熱した。冷却後、アセトニトリル0.3Lを添加し、氷冷下、1時間攪拌し、減圧濾過した。冷アセトニトリル100mLで洗浄し、減圧乾燥後、白色結晶23.3gを得た。
例示化合物C−1:
3−(1−ドコサニルテトラエチレンオキシカルボニル)プロピオン酸5.0gをトルエン20mLに溶解し、ジメチルホルムアミド2滴と塩化チオニル2mLを添加した。5分後、80℃に加熱し、さらに2時間攪拌し、冷却後、減圧下、トルエンと過剰の塩化チオニルを溜去した。これにトルエン15mLとペンタエリスリトール283mgを添加し、これに徐々にピリジン5mLを添加した。80℃で8時間加熱後、冷却し、メタノール200mLを注ぎ、2時間攪拌した。これを減圧濾過し、白色結晶4.8gを得た。
例示化合物B−1:
例示化合物B−1については、例示化合物C−1の出発原料である1−ドコサノールを1−ステアリルアルコールに代える以外は同様にして合成した。
例示化合物A−1:
例示化合物A−1については、例示化合物C−1の出発原料である1−ドコサノールを1−テトラデカノールに代える以外は同様にして合成した。
[実施例2]
例示化合物C−2の合成方法を述べる。
3−(1−ドコサニルポリエチレンオキシカルボニル)プロピオン酸:
ポリエチレングリコール モノ1−ドコサニルエーテル(竹本油脂(株)製:エチレンオキシ基の平均重合度6.65)25.6gをトルエン160mLに溶解し、無水コハク酸8.0gと濃硫酸2滴を加え、125℃で8時間加熱した。冷却後、アセトニトリル0.3Lを添加し、氷冷下、1時間攪拌し、減圧濾過した。冷アセトニトリル100mLで洗浄し、減圧乾燥後、白色結晶22.3gを得た。
例示化合物C−2:
3−(1−ドコサニルポリエチレンオキシカルボニル)プロピオン酸5.18gをトルエン10mLに溶解し、ジメチルホルムアミド2滴と塩化チオニル2mLを添加した。5分後、80℃に加熱し、さらに2時間攪拌し、冷却後、減圧下、トルエンと過剰の塩化チオニルを溜去した。これにトルエン14mLとペンタエリスリトール245mgを添加し、これに徐々にピリジン6mLを添加した。80℃で8時間加熱後、冷却し、メタノール200mLを注ぎ、2時間攪拌した。これを減圧濾過し、白色結晶4.69gを得た。
[実施例3]
下表に掲げた化合物は、上記実施例1及び2に記載したポリエチレンオキシモノアルキルエーテルを原料とし、種々の多価アルコールや多価カルボン酸とのエステル化、またはアクリレートモノマーやエポキシモノマーの重合反応を経由して合成した。
Figure 2009240860
Figure 2009240860
Figure 2009240860
例示化合物C−1及びC−3は、テトラエチレングリコールモノドコサニル基を側鎖とする、例示化合物C−1及びC−3は、その中心核が鎖状のペンタエリスリトールと芳香族環状のトリフェニレン核であり、その性質は全く異なる。
例示化合物C−1、C−2及びC−6も、エチレンオキシ基の重合度、及び分散性が全く異なる。
例示化合物C−2、C−4、C−5、及びC−7〜C−15は、同じポリエチレングリコールモノドコサニル基を側鎖とする例示化合物である。
例示化合物C−5は、アクリレートポリマー、例示化合物C−7〜C−9はエポキシポリマーである。
例示化合物C−12〜C−15は骨格の異なる多価カルボン酸のエステルである。
以上のように、それぞれ互いに異なる構造の化合物であるにも関わらず、その融点がほとんど同じ(60〜65℃)であることは非常に興味深い。
例示化合物B−1及びB−2は、末端アルキル鎖長が同一で、エチレンオキシ基の重合度は異なるが、融点がほとんど同じ(46〜48℃)である。
一方、例示化合物C−1に対して、末端アルキル基の鎖長が異なる、例示化合物B−1及びA−1の融点が顕著に異なっていることからも、そのアルキル鎖長でその融点を制御可能であることを示唆している。
[実施例4]
分散安定性と透明点の比較
下表に示した化合物は、すべて室温下、スーパーオイルN−32(新日本石油(株)製 鉱物油)に、3μm程度の径の粒子として良好に分散し、さらに加熱によって表に示す狭い温度範囲で溶解することがわかった。なお、下記表中の温度は、1質量%濃度の組成物が、透明になった温度である。
Figure 2009240860
実施例3の結果で示したと同様に、全く異なる炭素骨格を有する化合物であるにも関わらず、非常に似通った狭い温度範囲で溶解することが分かった。
[実施例4]
油性媒体中での非分散性重合物に、その前駆体モノマーに分散性配位子をつけることで、油性媒体中の安定性を確保する例
化合物Dはほぼ同重量の合成油PAO401(新日本石油(株)製ポリ−α−オレフィン)中でAIBNを触媒としてラジカル重合すると硬い粗大粒子として重合物が生成し、微細分散できない。しかし、化合物Dと水素結合により錯体を形成する化合物Eを0.3等量添加すると、50℃で容易に溶解し、AIBNを触媒としてラジカル重合すると、冷却時、微細粒子が懸濁したPAO401の分散液が得られた。これをさらに50倍量のPAO401に希釈しても良好な分散性を示した。
このように、適宜、本発明の側鎖を分子に導入することで、油性媒体中の分散性、溶解性を顕著に変化させることができることがわかった。

Claims (10)

  1. 油性媒体への材料の溶解性又は分散性を制御する方法であって、下記(1)及び(2)の工程:
    (1) 材料を油性媒体に添加すること、及び
    (2) 前記工程(1)の前又は後に、下記式(I)で表される基を材料に導入すること、
    を含む材料の溶解性又は分散性の制御方法:
    *−L1−L2 (I)
    *は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
  2. 前記基が、下記式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の材料の溶解性又は分散性の制御方法:
    *−(OCH2CH2m−Z2−R (II)
    mは3以上の自然数であり、Z2は単結合またはカルボニル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基の一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基またはポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロポリエーテル基であり、*は化合物中の他の原子と結合する部位である。
  3. 前記(2)工程で、下記条件(A)及び(B)を満足する、下記式(III)で表される化合物を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の材料の溶解性又は分散性の制御方法:
    A−(L1−L2p (III)
    式(III)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較してπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよく;及びpは2以上の自然数である;
    条件(A): 式(III)で表される化合物は、L1が置換又は無置換のオリゴアルキレンオキシ基を含む場合、その融点は70℃以下であり、L1がオリゴアルキレンオキシ基を含まない場合、その融点は110℃以下である;
    条件(B): 式(III)で表される化合物が、室温下、油性媒体中で懸濁した分散状態にある場合、動的光散乱法で測定したその粒子径分布が、30μm以下に分布の中心をもち、単分散に近い状態で分散し、及びその油性媒体中での透明点が65℃以下である。
  4. 前記式(III)で表される化合物が、下記式(IV)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の方法:
    A−{(B)m−Z2−R}p (IV)
    式(IV)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;Bは置換または無置換のアルキレンオキシ基であり;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z2は、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
  5. 前記式(III)で表される化合物が、下記式(V)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の方法:
    A−{Z1−(B)m−Z2−R}p (V)
    式(V)中、Aはp本の互いに異なってもよい側鎖を有する有機残基であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマー鎖でもよく;pは2以上の自然数であり;mは3以上の自然数であり;Bは置換もしくは無置換の、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
  6. 前記式(III)で表される化合物が、下記式(VI)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の方法:
    1・・・・{H−Z1−(B)m−Z2−R}p (VI)
    式(VI)中、A1はp本の互いに異なってもよい配位子を有する有機化合物又は無機化合物、有機無機複合体であり、鎖状でも環状でも球状でも、モノマーでもポリマーでもよく;Bは置換もしくは無置換のエチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、複数個の連結するBは互いに異なっていてもよく;pは2以上の整数であり;mは3以上の自然数であり;RはC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;Z1及びZ2は各々同じでも異なってもよく、単結合、又はカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、チオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基から選択される一つ以上の組合せからなる二価の連結基を表す。
  7. 前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有するモノマーの少なくとも1種を油性媒体中に添加し、
    前記(2)工程で、該モノマーを単独重合もしくは他のモノマーと共重合して、前記式(I)で表される基を材料中に導入する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の材料の溶解性又は分散性の制御方法。
  8. 前記(1)工程で、前記(I)で表される基を有する化合物と微粒子とを油性媒体中に添加し、
    前記(2)工程で、前記微粒子に前記化合物の分子を吸着させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の材料の溶解性又は分散性の制御方法。
  9. 前記(1)工程の前に、前記(I)で表される基を有する材料を調製することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の材料の溶解性又は分散性の制御方法。
  10. 下記式(I)で表される基を材料に導入することを含む材料の融点の制御方法:
    *−L1−L2 (I)
    *は化合物中の他の原子と結合する部位であり;L2はC12以上の置換もしくは無置換のアルキル基又はポリシロキシ基、パーフルオロアルキル基、又はパーフルオロポリエーテル基であり;L1はL2と比較して前記油性媒体に対するπ値の小さな原子数4以上の基であり、複数の−L1−L2は同一でも異なっていてもよい。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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