JP2009240383A - ミシンのモータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの低速回転時のトルクリップルによる振動を抑制する。
【解決手段】ミシンモータ11をオン−オフ制御する半導体スイッチング手段と、交流電源の電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段19と、ミシンモータの速度を設定する速度設定手段18,16と、ミシンモータの現在速度を検出する速度検出手段12と、設定速度と現在速度との速度偏差に基づいて電源電圧正弦波形に対する電力供給のオン期間を定めるモータ出力制御手段40と、モータ出力制御手段の定めるオン期間に基づいて半導体スイッチング手段のオン−オフ動作させる半導体駆動手段30とを備えるミシンのモータ制御装置10において、モータ出力制御手段は、ゼロクロスの検出間隔を一周期とした場合に、当該一周期の前端側と後端側とに二分して前記オン期間を定める。
【選択図】図2

Description

本発明は、位相制御を行うミシンのモータ制御装置に関する。
従来のミシンのモータ制御装置は、ミシン主軸を駆動するミシンモータについて、その回転数を検出しながら、設定した回転数になるようフィードバック制御を行っている。
一般的に家庭用ミシン(以降、単にミシンとも呼称する)に用いられるミシンモータはユニバーサルモータと呼ばれる直巻整流子電動機が用いられ、整流した商用電源を位相制御することによって回転数を調整している。位相制御のミシンモータ電圧波形を図5に示す。
ところで、近頃は低速でも安定して縫えるミシンが望まれている。そのために例えば、比例微分先行型PID制御(略してI−PD制御)を用いることによって、縫い速度範囲150〜1500[rpm]のロックミシンにおいても、低速150[rpm]で滑らかな回転が得られるようなっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−198095号公報 特開平8−163886号公報
しかしながら、従来の家庭用ミシンのモータ制御装置は、高速から低速までの広い縫い速度範囲を位相制御するので、低速においては長いオフ期間と短いオン期間によって大きなトルクリップルが生じる。そのために、電源サイクルの2倍の周波数でモータ出力軸が振動するという問題があった。
特に、家庭用ロックミシンにおいては、主軸回転速度が低速で150[rpm]、高速で1500[rpm]になり、速度比が10倍もある上に、回転軸やクランク機構、針棒、ルーパ、送り歯など多くのものがモータ出力軸と繋がっているのでモータ振動によって大きなメカノイズが発生し、商品価値を著しく低下させていた。家庭用本縫いミシンも同様の問題を生じるが、ロックミシンと比べると、縫い速度範囲が115〜750[rpm]と比較的狭く、モータ出力軸とつながる機構構成やそれによる負荷が異なることもあって、モータ振動に起因するメカノイズはロックミシンの方がより顕著となっていた。
また、モータ振動はミシン本体にも伝わるために、低速で縫製するオペレータに不快感を与えていた。
また、特許文献2のようにオン・オフを短時間に繰り返すチョッピングを行って低速時のトルクリップルを抑えると、スイッチング素子が発熱すると共に電磁障害波を放射することになって、それらの対策のために製品価格の上昇と製品サイズが大きくなるという新たな問題が生じていた。
尚、低速回転が滑らかでない従来以前のモータ制御装置においては、粗い回転変動によってトルクリップルが隠されて、この問題が顕在化しなかった。
本発明は、発熱と電磁障害波の放射を生じることなく低速回転時のモータ振動を抑制することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を上下動させる主軸の回転駆動を行うミシンモータのモータ制御装置において、交流電源から前記ミシンモータへ供給される電力をオン−オフの切り替えにより制御する半導体スイッチング手段と、前記交流電源の電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、前記ミシンモータの速度を設定する速度設定手段と、前記ミシンモータの現在速度を検出する速度検出手段と、前記速度設定手段の設定速度と前記速度検出手段の現在速度との速度偏差に基づいて電源電圧正弦波形に対する前記電力供給のオン期間を定めるモータ出力制御手段と、前記モータ出力制御手段の定めるオン期間に基づいて前記半導体スイッチング手段のオン−オフ動作させる半導体駆動手段とを備え、前記モータ出力制御手段は、ゼロクロスの検出間隔を一周期とした場合に、当該一周期の前端側と後端側とに二分して前記オン期間を定めることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記モータ出力制御手段は、前記一周期の前端側と後端側とに均等に二分して前記オン期間を定めることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記モータ出力制御手段は、少なくとも、前記ミシンモータの駆動条件が所定の条件を満たす場合に前記一周期の前端側と後端側とに二分して前記オン期間を定めることを特徴とする。
請求項1記載の発明は、モータ出力制御手段が、速度設定手段により指定された指定速度と速度検出手段により検出された検出速度との偏差を求め、当該偏差に対応した出力が得られるように交流の一周期におけるオン期間を求める。このとき、モータ出力制御手段は、一つの周期におけるオン期間を、ゼロクロス地点側から開始されるオン期間と次のゼロクロス地点側で終了するオン期間とに二分して定める。
オン期間が二分されていると(図3参照)、オン期間が一つである場合(図5参照)と比較してオフからオンに切り替えられる際の電圧の急激な上昇を抑制し、かつオフ期間を短くすることができる。従って、ロックミシンのようにモータ出力軸に種々の機械構成が繋がれている場合であっても、モータの低速時のトルクリップルを抑えることができ、モータ出力軸に生じる振動の低減とすることが可能となり、モータ振動に起因するメカノイズを低減することが可能となる。そのため、静粛性を向上すると共に振動を抑制できるので縫製をより快適に行うことが可能となる。
さらに、オン・オフを短時間に多数回繰り返すチョッピングを不要とすることができるので、スイッチング素子の発熱や電磁障害波の放射の発生が回避されると共に、生産コストの低減及び装置の小型化を図ることも可能となる。
さらに、例えば比例微分先行型PID制御等のように、モータの低速回転を滑らかに行うようなミシンモータ制御装置に上記請求項1の発明を適用した場合でも、トルクリップルによる振動を抑え、顕在化を回避することが可能である。
なお、二分されたオン期間は均等である場合に限定されるものではない。例えば、一方のオン期間を固定値としてしまっても良いし、一定の比率となるようにオン期間を二分しても良い。
請求項2記載の発明は、モータ出力制御手段が、オン期間を均等に二分して定めるので、当該二分された二つのオン期間の最大電圧を互いに等しく低減することが可能となり、トルクリップルによる振動の発生をより効果的に抑制することが可能となる。
請求項3記載の発明は、モータ出力制御手段は、少なくとも、速度偏差が所定の条件を満たす場合にオン期間を二分する。つまり、条件を満たさない場合には二分しなくとも良いし、条件を満たす場合と満たさない場合とで二分の仕方を変えても良い。これにより、例えば、所定の低速度以下の速度となる場合や偏差が大きい場合など、トルクリップルの影響が大きい場合にのみオン期間を二分したり、トルクリップルの影響の大小に応じて適正な仕方でオン期間を二分したりして、柔軟にトルクリップルによる振動抑制対策を施すことが可能となる。
(ミシンモータ制御装置の全体的な構成)
図1は本発明の実施形態たるミシンモータ制御装置10を搭載したミシン100の斜視図、図2はその構成を示すブロック図である。
かかるミシン100は三本の縫い針を有するいわゆるロックミシンであり、図1及び図2に示すように、縫い針の上下動の駆動源となるミシンモータ11と、ミシンモータ11を動力として指定縫い針の上下動と布送りとルーパ駆動などを行う図示しない機構部と、ミシンモータ制御装置10とを備えている。
さらに、ミシンモータ制御装置10は、主軸回転速度150〜1500[rpm]の間での運針の速度を設定する速度設定手段としてのコントローラ18と、所定の低速(65[rpm])でのミシンモータ11の駆動を実行させる速度設定手段としての半針スイッチ16と、ミシンモータ11により回転駆動される主軸14と、主軸14と共に回転し、外部から操作可能なはずみ車15と、ミシンモータ11の回転量を検出する速度検出手段としてのエンコーダ12と、主軸14の一周における定位置(例えば上位置)を検出する主軸位置検出センサ13と、ミシンモータ11の動作制御を行う制御回路20を備えている。
上記ミシンモータ11は、ユニバーサルモータ(交流整流子モータ)が使用される。
(エンコーダ)
エンコーダ12は、ミシンモータ11に回転される主軸14に取り付けた円盤と光学センサによって構成されている。円盤には円周に沿って等間隔にスリットが開けられており、光学センサは円盤を挟んで配置された光源と受光素子とを備えている。そして、ミシン主軸14が1回転すると光源からの光の透過と遮断との繰り返しにより受光素子からパルス信号が発生する。このエンコーダ12では、主軸一回転につき光学センサが180パルスを発生するように設計されている。エンコーダ12が出力するパルス信号PSは、後述する速度算出部41に入力される。
(制御回路の全体構成)
上記制御回路20は、コントローラ18又は半針スイッチ16から入力された設定速度となるようにミシンモータ11の回転速度制御を行うモータ出力制御手段としての処理部40と、位相制御部26と、スイッチングによりミシンモータ11への電源供給を行う半導体駆動手段としてのモータ通電回路30と、ミシンモータ11へ供給される整流された交流のゼロ電位地点(ゼロ電位となるタイミング)を検出するゼロクロス検出手段としてのゼロクロス検出回路19とを備えている。
(位相制御部)
位相制御部26は、モータ通電回路30がミシンモータ11に対して行うON-OFF制御について処理部40が定めるオン期間とオフ期間とを実際に計時して位相制御信号を生成しモータ通電回路30に出力するためのものである。位相制御部26は、1カウントの単位時間(ここでは400[ns])を計時するオフ位相カウンタ28及びオン位相カウンタ29と、各カウンタ28,29がカウントアップしたときにミシンモータ11に対する通電のオン又はオフの指令をモータ通電回路30に出力するオン・オフ位相制御回路27とを備えている。
(モータ通電回路)
モータ通電回路30は、交流電源に接続されると共に、交流電源から前記ミシンモータへ供給される電力をオン−オフの切り替えにより制御する半導体スイッチング手段としてのMOSトランジスタ(図示略)を備えており、当該トランジスタは、位相制御部26を介して処理部40の指令に従ってON-OFFの切り替えが可能となっている。
(ゼロクロス検出回路)
ゼロクロスは交流電源出力が略0[V]になるタイミング(図3及び図5参照)である。
ゼロクロス検出回路19は、モータ通電回路30を通じて、全波整流された交流電源の電位を監視し、0[V]の電位が検出されると、その検出信号(ゼロクロス信号)を後述する位相制御部26と処理回路40とに出力する。交流電源は周波数60[Hz](又は50[Hz])の交流を出力するので、ゼロクロス検出回路19は、8.33[ms](又は10[ms])の周期で0電位の検出を行うこととなる。
(処理部)
処理部40は、図2に示す各種機能構成を実現するために、後述する各種の制御又は処理を行うための各種プログラムを記憶するROM(不図示)と、ROM(不図示)内の各種のプログラムを実行するCPUと、各種のプログラムの実行に際して作業領域となるRAM(不図示)と、CPU,ROM及びRAMと位相制御部26とを備えている。
即ち、処理部40は、エンコーダ12が出力するパルス信号PSからミシンモータ11の現在速度DRを算出する速度算出部41と、半針スイッチ16又はコントローラ18により指定された指定速度SRと現在速度DRとの偏差を求め、当該偏差に基づいてI−PD制御(比例微分先行型PID制御)の演算によりミシンモータ11の操作量を決定する制御演算部42と、当該制御演算部42の定めるミシンモータ出力に応じてミシンモータ通電のオフ期間に対応するカウント値(変数「オフ期間」とする)を定める位相角変換部43としての処理を実行する。
速度算出部41は、エンコーダ12が出力するパルス信号PSの周期で1を除算して、当該除算値に所定の係数を乗じて現在回転数DRを算出し、制御演算部42に出力する。
制御演算部42は、コントローラ18又は半針スイッチ16から指定速度SRが入力され、速度算出部41から現在回転数DRが入力されると、SRからDRを減算して偏差を算出する。
さらに、制御演算部42は、算出した速度偏差に基づいてI−PD制御処理を行い、ミシンモータ11の操作量を算出する。I−PD制御は、偏差を積分項のみに乗ずるので操作量の変化が穏やかであり、外乱応答性と目標値追随性を別々に設定できるので、低速時でも滑らかな制御が可能になる。
なお、ミシンモータ11の速度検出や操作量演算は、ゼロクロス検出回路19が求める交流電源のゼロクロス点の検出周期に合わせて周期的に実行される。
位相角変換部43は、制御演算部42が求めた制御量に基づいて交流電源周期のゼロクロス点の検出周期の一周期ごとにミシンモータ11への通電のオン期間とオフ期間とを設定する。かかる操作量のオン期間への変換は、操作量に対してミシンモータ11の出力トルクが直線的に変化するように予め設定したテーブルデータによって行う。また、オン期間の最大値は電源サイクルの半周期(=ゼロクロス点の検出周期)で制御周期10[ms]と同値である。
位相角変換部43について図3に基づいて説明する。
図3はミシンモータ11の整流された電源電圧波形である。また、上記制御演算部42が算出するミシンモータ11の操作量は図3の電圧波形図の面積と比例関係にある。
位相角変換部43は、一周期ごとに制御演算部42から入力された操作量に相当する面積となるように一周期における電源オン期間とオフ期間とを算出する。
ここで、当該位相角変換部43は、一周期についてオン期間を連続した一つの期間とせずに間にオフ期間Lを設けてオン期間を二分するようにオンオフ期間の設定を行う。つまり、位相角変換部43は、一周期について、検出されたゼロクロスタイミングで開始されるオン期間(前オン期間FHとする)と次のゼロクロスタイミングで終了するオン期間(後オン期間BHとする)の二つのオン期間を生成すると共にそれら二つのオン期間の面積の合計が制御演算部43で算出されたモータの操作量に相当するように期間の算出を行う。
また、この位相角変換部43は、ROM内に予め用意されたモータ操作量の閾値を読み出すと共に、制御演算部42から入力されたモータ操作量との比較を行い、当該閾値に満たない場合には、前オン期間と後オン期間とが等しい長さとなるように期間の長さを定める。また、閾値以上の場合には、前オン期間FHを所定時間(例えば1.5[ms])に固定し、後オン期間BHは前オン期間FHとの合計面積が制御演算部42から入力されたモータ操作量になるような長さに算出する。
なお、モータ操作量の閾値は前オン期間FHと後オン期間BHとがそれぞれ1.5[ms]となる場合の出力と一致するように設定されている。
ここで、図3(A)は制御演算部42によるモータ操作量と閾値がほぼ等しいであって回転数150[rpm]の場合を示し、図3(B)は閾値を上回る場合(回転数は150[rpm]より高速)を示し、図3(C)閾値を下回る場合であって超低速(半針スイッチ速度:65[rpm])の場合を示している。さらに比較のために、オン期間を二分しないでオン期間Hとオフ期間Lとを繰り返す従来のオンオフ制御の電圧波形図を図5に示す。なお、前述した閾値は主軸回転数150[rpm]の時の操作量にほぼ等しくなるように設定されている。
ミシンモータ11は、低速時には必要となるモータ操作量が小さくなるが同時にトルクリップルの影響を生じやすい傾向にある。その原因としては、図5に示すように、オン期間Hの開始時の電圧の波高値が高いことが挙げられるが、必要となるモータ操作量が閾値よりも小さい時には、図3(A)、図3(C)に示すように、オン期間は均等に二分されるので、二分しない図5の場合と比較すると、その立ち上がり電圧が低減されるとともに、オフ期間が短縮されていることが分かる。
つまり、このようにオン期間を二分することで、低速時でもトルクリップルの影響を抑制することが可能となる。
(ミシン動作中の制御回路の処理)
上記構成からなるミシンモータの制御装置10によるミシンモータ11の駆動開始からの処理を図4に基づいて説明する。図4は制御装置10の処理内容を示すフローチャートである。かかるフローチャートの処理は、CPUが所定のプログラムを実行することにより前述した処理部40の速度算出部41,制御演算部42,位相角変換部43として機能し、実行されるものである。
なお、交流商用電源を全波整流して電源とするので、交流商用電源が50[Hz]とすると制御周期(ステップS1から再びステップS1に戻るまでの周期)は10[ms]である。
まず、ゼロクロス検出回路19は、交流電源出力のゼロクロス待ちを行い(ステップS1)、ゼロクロスを検出すると、位相制御部26と制御演算部42とに検出信号を出力する。また、ゼロクロスが検出されると、位相制御部26は、モータ通電回路30にオフ信号を送出し、ミシンモータ11への通電をオフする処理を行う(ステップS2)。なお、未だミシンモータ11が始動前の停止状態のときはミシンモータ11の通電オフの処理は、改めて行われない。
次に、処理部40は、半針スイッチ16又はコントローラ18の少なくともいずれかによる指定速度の入力が継続しているかを判定し(ステップS3)、指定速度の入力が停止された場合には処理を終了する。
また、ステップS3において、指定速度の入力が継続していると処理部40が判定した場合には、制御演算部42は、コントローラ18又は半針スイッチ16による指定速度SRと速度算出部41からの現在速度DRとの偏差を求めると共に、比例微分先行型PID制御に基づいて操作量を算出する(ステップS4)。
次いで、位相角変換部43は、操作量を閾値と比較し(ステップS5)、当該閾値に満たない場合には操作量に1/2を乗じて、当該半分の操作量を前オン期間FHに割り当てると共に、当該半分の操作量を動作させるために必要となるオン期間の算出を行い(ステップS7)、ステップS8に処理を進める。
一方、ステップS5で操作量が閾値以上と判定され場合には、前オン期間FHを1.5[ms]に固定し(ステップS6)、ステップS8に処理を進める。
ステップS8では、位相角変換部43は、前オン期間FHに割り当てた操作量に対する残りの操作量から後オン期間BHを算出する。つまり、ステップS6に続く処理の場合は(ステップS4における制御演算部42の算出操作量)−(ゼロクロスから1.5[ms]までの操作量)の演算により後オン期間BHを算出し、ステップS7に続く処理の場合は(ステップS4における制御演算部42の算出操作量)/2の演算により後オン期間BHを算出する。
次いで、位相角変換部43は、制御周期から算出した後オン期間BHを減じることでゼロクロスからの後オン期間BHの開始タイミング(オンタイミング)を算出する(ステップS9)。
さらに、オフ位相カウンタ28には算出した前オン期間FHが設定される(ステップS10)。オフ位相カウンタ28には、カウント値で設定されるので、例えば、カウント周期が400[ns]で「前オン期間」の値が例えば1.5[ms]であれば、カウント値は3750(1.5/0.0004)に設定される。
また、オン位相カウンタ29には算出したオンタイミングが設定される(ステップS11)。
次に、ミシンモータ11の起動開始が入力されて最初の制御周期の時には、この時点でミシンモータ11への通電がオンされて(ステップS12)、オフ位相カウンタ28及びオン位相カウンタ29がカウントを開始する(ステップS13)。これにより、前オン期間FHによる通電が開始される。
なお、ステップS2〜11の処理は瞬時に行われるため、ステップS2における通電オフの期間は実質的にほぼ0となり、ステップS12におけるミシンモータ11への通電オンの処理は、実際にはステップS1のゼロクロスの検出とほぼ同時に行われることになる。
次に、オフ位相カウンタ28のカウントアップを待ち(ステップS14)、カウントアップするとオンオフ位相制御回路27は、モータ通電回路30に制御信号を与えて、ミシンモータ11への通電をオフする(ステップS15)。これにより、前オン期間FHが終了し、オフ期間Lが開始される(図3各図参照)。
さらに、オン位相カウンタ29のカウントアップを待ち(ステップS16)、カウントアップするとオンオフ位相制御回路27は、モータ通電回路30に制御信号を与えて、ミシンモータ11への通電をオンする(ステップS17)。これにより、オフ期間Lが終了され、後オン期間BHが開始される(図3各図参照)。
その後、処理はステップS1に戻され、ゼロクロス検出待ちとなる。そして、ゼロクロスの検出後のミシンモータ11への通電オフの処理(ステップS2)により、後オン期間が終了となり、以後、ステップS3でモータ駆動の停止が判定されるまで制御周期でステップS1〜S17の処理が繰り返し実行される。
(ミシンモータ制御装置の効果)
ミシンモータ制御装置10は、処理部40の位相角変換部43が一つの制御周期におけるオン期間を、ゼロクロス地点側から開始される前オン期間FHと次のゼロクロス地点側で終了する後オン期間BHとに二分して定めるので、オン期間が一つである場合(図5参照)と比較してオフからオンに切り替えられる際の電圧の急激な上昇を抑制し、かつオフ期間を短くすることができる。従って、例えば、ロックミシンのようにモータ出力軸に種々の機械構成が繋がれている場合であっても、モータの低速時のトルクリップルを抑えることができ、モータ出力軸に生じる振動の低減とすることが可能となり、モータ振動に起因するメカノイズを低減することが可能となる。そのため、静粛性を向上すると共に振動を抑制できるので縫製をより快適に行うことが可能となる。
さらに、ミシンモータ制御装置10では、オン・オフを短時間に多数回繰り返すチョッピングを不要とすることができるので、スイッチング素子の発熱や電磁障害波の放射の発生が回避されると共に、生産コストの低減及び装置の小型化を図ることも可能となる。
さらに、ミシンモータ制御装置10では、比例微分先行型PID制御を採用し、モータの低速回転を滑らかに行うことを可能としているが、そのような場合でも、トルクリップルによる振動を抑え、顕在化を回避することが可能である。
また、位相角変換部43は、必要操作量が所定の閾値よりも低い場合と、特に低速時に、前オン期間と後オン期間とを均等に二分して定めるので、当該二分された二つのオン期間の最大電圧を互いに等しく低減することが可能となり、トルクリップルによる振動の発生をより効果的に抑制することが可能となる。
(その他)
なお、上記構成からなるミシンモータ制御装置10は、ロックミシンへの適用に限らず、交流電源で駆動するモータを使用するいずれの形式のミシンに採用しても良いことは言うまでもない。
また、ミシンモータ制御装置10ではいわゆるI−PD制御を採用しているが、これに限定されるものではなく、通常のPID制御、PD制御、PI制御を採用しても良い。
また、前オン期間を固定値とするか否かの場合分けを操作量に応じて行っているが、速度に応じて行っても良いし、一貫して前オン期間を固定値とする或いは前オン期間と後オン期間とを均等する処理を行っても良い。
ミシンモータ制御装置としての制御回路を搭載したミシンの斜視図である。 制御回路の構成を示すブロック図である。 ミシンモータの整流された電源電圧波形であり、図3(A)は制御演算部によるモータ操作量と閾値がほぼ等しいであって回転数150[rpm]の場合を示し、図3(B)は閾値を上回る場合であって図3(A)より高速の場合を示し、図3(C)は閾値を下回る場合を示す。 ミシンモータ制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 オン期間を二分しないでオン期間とオフ期間とを繰り返す従来のオンオフ制御の電圧波形図である。
符号の説明
11 ミシンモータ
12 エンコーダ(速度検出手段)
14 主軸
16 半針スイッチ(速度設定手段)
18 コントローラ(速度設定手段)
19 ゼロクロス検出回路(ゼロクロス検出手段)
30 モータ通電回路(半導体駆動手段)
40 処理部(モータ出力制御手段)
43 位相角変換部

Claims (3)

  1. 縫い針を上下動させる主軸の回転駆動を行うミシンモータのモータ制御装置であって、
    交流電源から前記ミシンモータへ供給される電力をオン−オフの切り替えにより制御する半導体スイッチング手段と、
    前記交流電源の電源電圧のゼロクロスを検出するゼロクロス検出手段と、
    前記ミシンモータの速度を設定する速度設定手段と、
    前記ミシンモータの現在速度を検出する速度検出手段と、
    前記速度設定手段の設定速度と前記速度検出手段の現在速度との速度偏差に基づいて電源電圧正弦波形に対する前記電力供給のオン期間を定めるモータ出力制御手段と、
    前記モータ出力制御手段の定めるオン期間に基づいて前記半導体スイッチング手段のオン−オフ動作させる半導体駆動手段とを備えるミシンのモータ制御装置において、
    前記モータ出力制御手段は、ゼロクロスの検出間隔を一周期とした場合に、当該一周期の前端側と後端側とに二分して前記オン期間を定めることを特徴とするミシンのモータ制御装置。
  2. 前記モータ出力制御手段は、前記一周期の前端側と後端側とに均等に二分して前記オン期間を定めることを特徴とする請求項1記載のミシンのモータ制御装置。
  3. 前記モータ出力制御手段は、少なくとも、前記ミシンモータの駆動条件が所定の条件を満たす場合に前記一周期の前端側と後端側とに二分して前記オン期間を定めることを特徴とする請求項1又は2記載のミシンのモータ制御装置。
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JP2008087756A Pending JP2009240383A (ja) 2008-03-28 2008-03-28 ミシンのモータ制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013537030A (ja) * 2010-09-01 2013-09-26 ザ パワーワイズ グループ,インコーポレイテッド 回転質量又は往復質量を有する装置における改善されたエネルギー節約方法

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