JP2009089728A - ミシンのモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DCモータを採用したミシンにおいて、電源回路の容量の増大を図ることなく、モータの回転数に関わらず十分な貫通力を得られる電力を供給するとともに、電源装置の出力を十分に活用するミシンのモータ制御装置を提供する。
【解決手段】ミシンモータ11を制御するミシンのモータ制御装置20において、速度検出手段41と、コントローラ18と、PID演算手段42と、制限値テーブル45と、余力カウンタ44と、操作量制限手段43と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】ミシンモータ11を制御するミシンのモータ制御装置20において、速度検出手段41と、コントローラ18と、PID演算手段42と、制限値テーブル45と、余力カウンタ44と、操作量制限手段43と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ミシンのモータ制御装置に関する。
従来のミシンモータ制御装置は、ミシン主軸を駆動するミシンモータについて、その回転数をミシンモータの回転軸に設けたエンコーダによって検出しながら、設定した回転数になるようフィードバックしていた。
また、上述の回転数が低い状態で厚布に対するミシン針の貫通力を得るために、検出した回転数が一定以下になった場合にミシンモータへの通電時間を増加する(特許文献1)、あるいは印加電圧を一時的に増加することが行われていた(特許文献2)。
また、上述の回転数が低い状態で厚布に対するミシン針の貫通力を得るために、検出した回転数が一定以下になった場合にミシンモータへの通電時間を増加する(特許文献1)、あるいは印加電圧を一時的に増加することが行われていた(特許文献2)。
ところで、最近はDCモータのミシンへの採用が進められている。DCモータを採用したミシンは、商用電源電圧が異なる海外仕向け地における利用について、交流モータを採用したミシンに比べて設計および調整が容易であり、交流モータを用いた際に発生する位相制御による不快な振動や騒音が無いといった利点がある。なお、位相制御とは交流の0V近辺で電力供給をオフし、電圧が上昇する途中でオンして通電時間を制御するものであり、電源周波数50Hzでは100Hz、60Hzでは120Hzの振動を発生する特性がある。
特開2001−286692号公報
特開2006−149429号公報
しかしながら、従来のミシンにおけるモータ制御装置では、ミシンモータの回転数が低い状態(例えば、通常の縫製における主軸回転数が150[rpm]から1500[rpm] 程度のミシンにおいて、50[rpm]前後)で厚布に対するミシン針の貫通力を得るために、交流モータならば商用電源から十分な貫通力を得られるだけの電力を従来技術で容易に供給できたが、DCモータでは電源装置の出力定格によって供給できる電力が制限されてしまい、十分な貫通力を得るために出力容量の大きな電源装置が必要となり、電源装置のサイズが大きくなってしまう上にコスト高となってしまう問題があった。特にロックミシンにおいては、カバーステッチとオーバーロックステッチを同時に行うために5本のミシン針を設けることもあるので、複数のミシン針が同時に厚布に対して十分な貫通力を得るための電力を供給する電源装置が搭載できず、DCモータを採用できなかった。
一方で、DCモータを採用したミシンにおいて、モータの回転数が低い状態でも厚布に対してミシン針が十分な貫通力を得られる電源装置を搭載すると、電源装置が大型化することによってミシンの小型化が制限されるだけでなく、回転数が低い状態を除いて電源容量がミシンに要求される性能に対してオーバースペックとなり、高価な電源装置の性能が有効に活用されないといった問題点があった。
また、通常の出力容量の電源装置において、電源の最大容量となる電力を供給する高負荷状態が継続的に発生すると、高負荷による発熱によって電源装置が破損することがあった。特に、ミシンの設計上の想定を超える利用のされ方がなされやすい家庭用ミシンにおいて該当し得る問題であった。
さらに、ミシン針の曲がりや、縫製する布が厚すぎるために過剰な貫通抵抗が生じた等の理由によってDCモータの回転が急に止まると、モータ逆起電力が急激に減少することによって電源装置に過電流がもたらされ、電源装置が破損したり、ヒューズが切れたりする問題があった。
本発明は上述の問題点に鑑み、DCモータを採用したミシンにおいて、電源回路の容量の増大を図ることなく、モータの回転数に関わらず十分な貫通力を得られる電力を供給するとともに、電源装置の出力を十分に活用するミシンのモータ制御装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、縫い針を上下させる主軸の回転運動を行うミシンモータを制御するミシンのモータ制御装置において、主軸の回転速度を検出する速度検出手段と、縫い速度を指定する速度設定手段と、検出した回転速度と指定した縫い速度との偏差に基づいて操作量を算出する制御演算手段と、連続的に出力可能な定格電力及び所定の制限時間内で出力可能な最大電力が定められ、前記ミシンモータに前記算出された操作量に基づいて電力の供給を行う直流電源手段と、前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別する供給量判別手段と、前記直流電源手段による電力供給量が定格電力を超える状態である場合に、当該定格電力を超える電力を供給する時間をカウントする余力管理手段と、前記余力管理手段によるカウント時間が前記最大電力で出力可能な制限時間を超える前に前記直流電源手段による供給電力を低減する電力制限手段と、を備えることを特徴とする。
上述の「速度設定手段」において主軸の回転速度の指定は、主軸の回転速度そのものを指定する場合に限らず、結果的に主軸の回転速度が定まる他のパラメータを指定する場合(例えば、モータの回転速度の指定や縫い速度の指定、或いは布送り速度が一定である場合に縫いピッチを指定する場合等)も含むものとする。
また、「速度検出手段」についても同様に主軸の回転速度そのもの検出する場合に限らず、結果的に主軸の回転速度を検出することができる他のパラメータを検出する場合(例えば、モータの回転速度の検出等)も含むものとする。
また、「速度検出手段」についても同様に主軸の回転速度そのもの検出する場合に限らず、結果的に主軸の回転速度を検出することができる他のパラメータを検出する場合(例えば、モータの回転速度の検出等)も含むものとする。
また、前記直流電力供給手段における「定格電力」とは、連続した電力供給を行ったとき、当該直流電力供給手段に生じる負荷によって生じる発熱によって当該直流電力供給手段そのものを破損するおそれのない一定の電力供給量の上限であり、「最大電力」とは、既知である一定の制限時間内であれば電源装置に異常を生じないで供給できる最大の電力供給量である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンのモータ制御装置において、前記電力制限手段は、前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が、前記供給量判別手段によって定格電力を超える状態であると判別された場合であって、前記カウント時間が前記制限時間を超えない場合には前記操作量に基づく電力をミシンモータに供給し、超える場合には定格電力をミシンモータに供給することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1あるいは2記載のミシンのモータ制御装置において、前記供給量判別手段は、前記速度検出手段が検出する主軸の回転速度によって定格電力で可能な最大操作量を算出すると共に、前記制御演算手段で求めた操作量と比較することで当該操作量に基づく電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンのモータ制御装置において、前記余力管理手段は、前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が、前記供給量判別手段によって定格電力を超えない状態であると判別された場合に、前記カウント時間を復帰させることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、定格電力を超えて電力供給が行われている状態が生じたとしても、前記電力制限手段によって、前記余力管理手段によるカウント時間が前記最大電力で出力可能な制限時間を超える前に電源装置による供給電力を低減することで、電源装置に破損するほどの発熱を伴う高負荷状態を継続させることなく、安全に電源装置の最大電力を活用してモータを駆動できるようにしたので、電源装置の性能を十分に活用することができ、従来技術に比べ電源装置の出力定格の小さな電源装置でも十分な電力を得られるようになることから、低コストでサイズの小さいミシンを構成することができる。
また、厚布に対して十分な貫通力を要する等の理由によりモータが大電力を必要とする際に、電源装置の定格を超えた電力を供給できるようにしたので、DCモータに固有のパワー不足を補うことができ、ミシン針が複数設けられたロックミシンであってもDCモータを採用することができる。
また、厚布に対して十分な貫通力を要する等の理由によりモータが大電力を必要とする際に、電源装置の定格を超えた電力を供給できるようにしたので、DCモータに固有のパワー不足を補うことができ、ミシン針が複数設けられたロックミシンであってもDCモータを採用することができる。
請求項2記載の発明によれば、前記操作量に基づく電力供給量が定格電力を超える場合であって、前記カウント時間が前記制限時間を超えない場合には前記操作量に基づく電力をミシンモータに供給するとともに、前記カウント時間が前記制限時間を超える場合には定格電力をミシンモータに供給するようにしたので、従来技術においてオペレータが電源装置に想定を超えた高負荷を発生させるような操作を行った状態であっても、電源装置が想定を超えた高負荷を負うことなくミシンモータの操作量に応じた電力を供給できるようになり、ミシンの操作性及び信頼性が大幅に向上する。
請求項3記載の発明によれば、主軸の回転速度によって定格電力で可能な最大操作量を算出すると共に、前記制御演算手段で求めた操作量と比較することで当該操作量に基づく電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別するので、主軸の回転速度に最適な電力をモータに供給することができ、電源装置を効率的に活用することができる。
請求項4記載の発明によれば、電力供給量が定格電力を超えない場合に前記カウント時間を復帰させるので、前記カウント時間が一度は制限時間を越えたことによって、電源装置が定格電力を超える電力を供給できなくなっても、定格電力以下の電力を供給する時間を間に設けることによって電源装置の負荷が低減し、再び定格電力を超える電力を供給できる状態になった際に、前記カウント時間が復帰しているので、その後に前記操作量に基づく電力供給量が定格電力を超えた場合には、再び前記操作量に基づく電力を供給できるようになり、電源装置の性能を十分活用できるとともに、ミシンの操作性が大幅に向上する。
(ミシンのモータ制御装置に接続されるミシンの構成部)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態たるミシンのモータ制御装置20を示すブロック図である。
ミシンのモータ制御装置20は、図示しないミシンの主軸の回転運動を往復の直動動作に変換するクランク機構を介して、周知のように針を上下動させるとともに布送りを行うミシンにおいて、主軸を回転させる動力として機能するミシンモータ11と、主軸の回転数を検出する「速度検出手段」としてのエンコーダ12と、「速度設定手段」として指令速度CV[rpm]を設定するコントローラ18及び半針スイッチ16と、ミシンのモータ制御装置20の出力に基づきミシンモータ11を駆動するスイッチング駆動回路29と、と接続されている。コントローラ18は、主軸の回転速度を150[rpm]〜1500[rpm]に制御する無段階のスイッチであり、例えばミシンのペダルが相当する。半針スイッチ16は、ミシンに備えられたスイッチであり、半針スイッチを入れるとコントローラ18の操作に関わらず主軸の回転速度を65[rpm]に制御する。また、ミシンモータ11は、DCモータである。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態たるミシンのモータ制御装置20を示すブロック図である。
ミシンのモータ制御装置20は、図示しないミシンの主軸の回転運動を往復の直動動作に変換するクランク機構を介して、周知のように針を上下動させるとともに布送りを行うミシンにおいて、主軸を回転させる動力として機能するミシンモータ11と、主軸の回転数を検出する「速度検出手段」としてのエンコーダ12と、「速度設定手段」として指令速度CV[rpm]を設定するコントローラ18及び半針スイッチ16と、ミシンのモータ制御装置20の出力に基づきミシンモータ11を駆動するスイッチング駆動回路29と、と接続されている。コントローラ18は、主軸の回転速度を150[rpm]〜1500[rpm]に制御する無段階のスイッチであり、例えばミシンのペダルが相当する。半針スイッチ16は、ミシンに備えられたスイッチであり、半針スイッチを入れるとコントローラ18の操作に関わらず主軸の回転速度を65[rpm]に制御する。また、ミシンモータ11は、DCモータである。
(ミシンのモータ制御装置)
ミシンのモータ制御装置20は、エンコーダ12から出力されるパルスに基づき、所定の周期でパルスカウント値及び周期カウント値を処理部40に出力すると共に、コントローラ18及び半針スイッチ16によって設定された主軸の回転速度を処理部40に出力する入力インターフェイス21と、入力インターフェイス21から出力されたパルスカウント値及び周期カウント値、及び主軸の回転速度に基づき、ミシンモータ11への電力供給量を制御し、処理結果を出力インターフェイス26に出力する処理部40と、処理部40の出力に基づき、ミシンモータ11が駆動するためのPWMパルス信号をスイッチング駆動回路29に出力する出力インターフェイス26とを備えている。
処理部40は、CPU32、ROM33、RAM34によって構成され、主要な処理として、CPU32がROM33に格納された各種のプログラム及びデータを呼び出して各種の処理と制御を実行する。ROM33は不揮発性のメモリであり、CPU32が呼び出す各種のプログラム及びデータを記憶する。RAM34は、書き換え可能なメモリであり、CPU32が行う各種の処理において、一時的なパラメータを格納する。
ミシンのモータ制御装置20は、エンコーダ12から出力されるパルスに基づき、所定の周期でパルスカウント値及び周期カウント値を処理部40に出力すると共に、コントローラ18及び半針スイッチ16によって設定された主軸の回転速度を処理部40に出力する入力インターフェイス21と、入力インターフェイス21から出力されたパルスカウント値及び周期カウント値、及び主軸の回転速度に基づき、ミシンモータ11への電力供給量を制御し、処理結果を出力インターフェイス26に出力する処理部40と、処理部40の出力に基づき、ミシンモータ11が駆動するためのPWMパルス信号をスイッチング駆動回路29に出力する出力インターフェイス26とを備えている。
処理部40は、CPU32、ROM33、RAM34によって構成され、主要な処理として、CPU32がROM33に格納された各種のプログラム及びデータを呼び出して各種の処理と制御を実行する。ROM33は不揮発性のメモリであり、CPU32が呼び出す各種のプログラム及びデータを記憶する。RAM34は、書き換え可能なメモリであり、CPU32が行う各種の処理において、一時的なパラメータを格納する。
(エンコーダ)
エンコーダ12は、図示しないミシンの主軸に取り付けた円盤と光学センサによって構成されている。円盤には円周に沿って等間隔にスリットが開けられており、光学センサは円盤を挟んで配置された光源と受光素子とを備えている。そして、図示しないミシン主軸が1回転すると光源からの光の透過と遮断との繰り返しにより受光素子からパルス信号が発生する。このエンコーダ12では、主軸一回転につき光学センサが180パルスを発生するように設計されている。エンコーダ12が出力するパルス信号PSは、後述する入力インターフェイス21のパルスカウンタ22に入力される。
エンコーダ12は、図示しないミシンの主軸に取り付けた円盤と光学センサによって構成されている。円盤には円周に沿って等間隔にスリットが開けられており、光学センサは円盤を挟んで配置された光源と受光素子とを備えている。そして、図示しないミシン主軸が1回転すると光源からの光の透過と遮断との繰り返しにより受光素子からパルス信号が発生する。このエンコーダ12では、主軸一回転につき光学センサが180パルスを発生するように設計されている。エンコーダ12が出力するパルス信号PSは、後述する入力インターフェイス21のパルスカウンタ22に入力される。
(入力インターフェイス)
図2は、ミシンモータ制御装置20とその制御に関連する構成を含む機能ブロック図である。図2に示すように、入力インターフェイス21内には、エンコーダ出力のカウントを行う構成部として、パルス信号PSをカウントするパルスカウンタ22と、パルスカウンタ22のカウント期間を決定する基準信号SSを所定間隔(周期8[ms])で出力する検出間隔タイマ25と、検出間隔タイマ25よりも微細な間隔(周期400[ns])周期信号TSを出力する周期タイマ24と、パルスカウンタ22のカウント期間に周期信号TS(周期400ns)をカウントする周期カウンタ23とを備えている。
図2は、ミシンモータ制御装置20とその制御に関連する構成を含む機能ブロック図である。図2に示すように、入力インターフェイス21内には、エンコーダ出力のカウントを行う構成部として、パルス信号PSをカウントするパルスカウンタ22と、パルスカウンタ22のカウント期間を決定する基準信号SSを所定間隔(周期8[ms])で出力する検出間隔タイマ25と、検出間隔タイマ25よりも微細な間隔(周期400[ns])周期信号TSを出力する周期タイマ24と、パルスカウンタ22のカウント期間に周期信号TS(周期400ns)をカウントする周期カウンタ23とを備えている。
図3は速度検出タイミング図である。図示のように、エンコーダ出力のカウントを行う構成部では、検出間隔タイマ25から一定の周期で出力される基準信号SS(周期8[ms])が入力されると、パルスカウンタ22は基準信号SSの入力後のパルス信号PSの入力タイミングでのパルス数のカウントを開始すると共に、次の基準信号SSでパルスカウント値PCを処理部40に入力してカウントをクリアする。
また、周期カウンタ23はパルスカウンタ22のカウント開始からクリアまでの間、周期タイマ24から入力される周期信号TS(周期400[ns])をカウントし、パルスカウンタ22のカウンタクリアのタイミングで、周期カウント値TCを処理部40に入力してカウンタクリアする。
また、周期カウンタ23はパルスカウンタ22のカウント開始からクリアまでの間、周期タイマ24から入力される周期信号TS(周期400[ns])をカウントし、パルスカウンタ22のカウンタクリアのタイミングで、周期カウント値TCを処理部40に入力してカウンタクリアする。
図4は、主軸の各回転数において検出されるパルスカウント値PC及び周期カウント値TCの値を示す図表である。
基準信号SSの周期で検出されるパルスカウント値PCは、主軸回転数が一定でもパルス信号PSのタイミングによって、少ない場合(一つ少なくなる場合)と多い場合(そうでない場合)とがある。
例えば、ミシン主軸が50[rpm]で多い場合にはパルスカウント値PCが2、周期カウント値でTCが33333になり(図3)、少ない場合にはパルスカウン卜値PCが1、周期カウント値TCが16666になる。また、ミシン主軸が900[rpm]の時は、パルスカウント値PCが21又は22、周期カウン卜値TCが19444又は20370になる。
しかし、いずれの場合であっても、パルスカウント値PCを周期カウント値TCで除算することで主軸回転数に比例した数値を得ることができる。
なお、図4においては主軸の回転数が900[rpm]までの記載にとどまっているが、900[rpm]より高い回転数においても同様の手順によることは言うまでもない。
基準信号SSの周期で検出されるパルスカウント値PCは、主軸回転数が一定でもパルス信号PSのタイミングによって、少ない場合(一つ少なくなる場合)と多い場合(そうでない場合)とがある。
例えば、ミシン主軸が50[rpm]で多い場合にはパルスカウント値PCが2、周期カウント値でTCが33333になり(図3)、少ない場合にはパルスカウン卜値PCが1、周期カウント値TCが16666になる。また、ミシン主軸が900[rpm]の時は、パルスカウント値PCが21又は22、周期カウン卜値TCが19444又は20370になる。
しかし、いずれの場合であっても、パルスカウント値PCを周期カウント値TCで除算することで主軸回転数に比例した数値を得ることができる。
なお、図4においては主軸の回転数が900[rpm]までの記載にとどまっているが、900[rpm]より高い回転数においても同様の手順によることは言うまでもない。
(処理部)
処理部40は、図2に示すように、パルスカウント値PCと周期カウント値TCから主軸の検出速度SVを算出する速度検出手段41と、検出速度SVとコントローラ18あるいは半針スイッチ16により設定された指令速度CVとの偏差に基づいてPID演算を行い、算出された差分時比率から操作量Tを求める「制御演算手段」としてのPID演算手段42と、主軸の回転速度ごとにミシンモータ11に供給される電力が定格電力である場合の操作量と同値となる定格制限値と最大電力である場合の操作量と同値となる最大制限値とをテーブル形式で記憶する制限値テーブル45と、図示しない電源装置が最大電力を出力可能な制限時間をカウントする「余力管理手段」としての余力カウンタ44と、検出速度SVに基づいて制限値テーブル45から得られた定格制限値及び最大制限値とPID演算手段42により算出された操作量Tとを比較して、比較の結果と余力カウンタ44のカウント値Cとに基づいて、電力供給量を制限する制限する必要があれば操作量Tに制限を加えた操作量DRを出力インターフェイス26に出力する「供給量判別手段」及び「電力制限手段」として機能する操作量制限手段43と、を備える。
これら処理部40の各構成は、実際には、制御回路20のCPU32がROM33内の所定のプログラムを実行することで実現され、制限値テーブル45はROM33に記憶され、余力カウンタ44はRAM34に格納される。
処理部40は、図2に示すように、パルスカウント値PCと周期カウント値TCから主軸の検出速度SVを算出する速度検出手段41と、検出速度SVとコントローラ18あるいは半針スイッチ16により設定された指令速度CVとの偏差に基づいてPID演算を行い、算出された差分時比率から操作量Tを求める「制御演算手段」としてのPID演算手段42と、主軸の回転速度ごとにミシンモータ11に供給される電力が定格電力である場合の操作量と同値となる定格制限値と最大電力である場合の操作量と同値となる最大制限値とをテーブル形式で記憶する制限値テーブル45と、図示しない電源装置が最大電力を出力可能な制限時間をカウントする「余力管理手段」としての余力カウンタ44と、検出速度SVに基づいて制限値テーブル45から得られた定格制限値及び最大制限値とPID演算手段42により算出された操作量Tとを比較して、比較の結果と余力カウンタ44のカウント値Cとに基づいて、電力供給量を制限する制限する必要があれば操作量Tに制限を加えた操作量DRを出力インターフェイス26に出力する「供給量判別手段」及び「電力制限手段」として機能する操作量制限手段43と、を備える。
これら処理部40の各構成は、実際には、制御回路20のCPU32がROM33内の所定のプログラムを実行することで実現され、制限値テーブル45はROM33に記憶され、余力カウンタ44はRAM34に格納される。
上述の速度検出手段41では、パルスカウント値PC及び周期カウント値TCが入力されると、次式(1)により検出速度SV[rpm]を演算して求める。
SV=K×PC/TC …(1)
ここで、係数K=分当たりの秒数/(ミシン主軸1回転のパルス数×周期タイマ)、であり、具体的にはK=833333.3333である。尚、処理部40で扱うデータ形式は整数データと固定小数データである。
そして、速度検出手段41で算出した検出速度SVはPID演算手段42及び操作量制限手段43に送られる。
SV=K×PC/TC …(1)
ここで、係数K=分当たりの秒数/(ミシン主軸1回転のパルス数×周期タイマ)、であり、具体的にはK=833333.3333である。尚、処理部40で扱うデータ形式は整数データと固定小数データである。
そして、速度検出手段41で算出した検出速度SVはPID演算手段42及び操作量制限手段43に送られる。
PID演算手段42では、指令速度CVと検出速度SVとの偏差に基づいてPID演算を行い、ミシンモータ11の操作量Tを算出する。
PID演算手段42では、一般的な、比例P、積分I、微分D演算、つまり、所定の比例要素のゲインを乗じた偏差と、所定の積分要素のゲインを乗じた偏差の積分値と、所定の微分要素のゲインを乗じた偏差の微分値との合計から差分時比率(前回、操作量制限手段43から出力された操作量DRに基づく時比率からの差)を算出し、差分時比率に指令速度CVに基づく必要な時比率を加算して現在の検出速度SVを指令速度CVにするための時比率を求めた後、PWM信号発生用に所定の数値(600)を乗算した値を操作量として算出することで「制御演算手段」として機能する。
算出した新たな操作量Tは操作量制限手段43に出力される。
PID演算手段42では、一般的な、比例P、積分I、微分D演算、つまり、所定の比例要素のゲインを乗じた偏差と、所定の積分要素のゲインを乗じた偏差の積分値と、所定の微分要素のゲインを乗じた偏差の微分値との合計から差分時比率(前回、操作量制限手段43から出力された操作量DRに基づく時比率からの差)を算出し、差分時比率に指令速度CVに基づく必要な時比率を加算して現在の検出速度SVを指令速度CVにするための時比率を求めた後、PWM信号発生用に所定の数値(600)を乗算した値を操作量として算出することで「制御演算手段」として機能する。
算出した新たな操作量Tは操作量制限手段43に出力される。
制限値テーブル45は、上述の定格制限値及び最大制限値について、検出速度SVの値が0〜1750[rpm]の場合について、50[rpm]ごとに予め算出し、テーブル形式でROM33に記憶している。
ここで、定格制限値の算出方法について説明する。
まず、ミシンモータ11に対する入力電圧は、次式(2)によって求める。
V=Ra×I+Vs …(2)
このとき、Ra(0.16[Ω])はミシンモータ11の電機子巻線抵抗、Iはミシンモータ11に流れる電流、Vsはミシンモータ11の逆起電力である。
上述の式のうち、逆起電力Vsは次式(3)によって求める。
Vs=Ke×ω …(3)
このとき、Ke(0.0088[V/rad])はミシンモータ11の逆起電力定数、ωはミシンモータ11の角速度である。角速度ωは検出速度SVから、次式(4)によって求める。
ω=SV×G/T×R …(4)
このとき、Gはミシンモータ11と主軸の減速比(11.3)、Tは検出速度SVの時間単位である分を、角速度の時間単位である秒に単位変換するための所定の数値(60[s])、Rは角速度の単位であるラジアン毎秒に単位変換するための所定の数値(6.2832[rad/s])である。
また、電流Iは、次式(5)によって求める。
I={−Vs+√[Vs2−4×Ra×(−W)]}/2Ra …(5)
このとき、Wは「直流電源手段」としての図示しない直流電源の定格電力(103.2[W])である。
上述の式(2)〜(5)に基づき、定格電力を供給した場合のミシンモータ11に対する入力電圧を求める。
まず、ミシンモータ11に対する入力電圧は、次式(2)によって求める。
V=Ra×I+Vs …(2)
このとき、Ra(0.16[Ω])はミシンモータ11の電機子巻線抵抗、Iはミシンモータ11に流れる電流、Vsはミシンモータ11の逆起電力である。
上述の式のうち、逆起電力Vsは次式(3)によって求める。
Vs=Ke×ω …(3)
このとき、Ke(0.0088[V/rad])はミシンモータ11の逆起電力定数、ωはミシンモータ11の角速度である。角速度ωは検出速度SVから、次式(4)によって求める。
ω=SV×G/T×R …(4)
このとき、Gはミシンモータ11と主軸の減速比(11.3)、Tは検出速度SVの時間単位である分を、角速度の時間単位である秒に単位変換するための所定の数値(60[s])、Rは角速度の単位であるラジアン毎秒に単位変換するための所定の数値(6.2832[rad/s])である。
また、電流Iは、次式(5)によって求める。
I={−Vs+√[Vs2−4×Ra×(−W)]}/2Ra …(5)
このとき、Wは「直流電源手段」としての図示しない直流電源の定格電力(103.2[W])である。
上述の式(2)〜(5)に基づき、定格電力を供給した場合のミシンモータ11に対する入力電圧を求める。
また、ミシンモータ11に入力される入力電圧Vは、出力インターフェイス26のPWM信号発生部27から直流電源の電圧をPWM信号として出力し、スイッチング駆動回路29を介してミシンモータに入力される。このときの入力電圧Vは、次式(6)によって求める。
V=Ve×Duty …(6)
このとき、Veは直流電源が備える固定の電源電圧(24[V])、Dutyは時比率である。 時比率Dutyは直流電源からPWM信号によってミシンモータ11に電圧を入力する場合において、PWM信号によって周期的に発生するパルス波のデューティー比を変化させることで入力電圧を変化させる際のデューティー比を数値化したものである。時比率は0〜1の数値であり、時比率0のとき入力電圧は0となり、時比率1の時、入力電圧は電源電圧の最大値(24[V])となる。
つまり、式(2)〜(6)によって定格電力の時比率Dutyを求めることができる。
定格制限値は上述の式で求めた時比率Dutyに対し、PWM信号発生用に所定の値(600)を乗算した値である。
また、最大制限値の算出については、定格制限値の算出において式(4)で用いるWの値を定格電力である103.2[W]から最大電力である192[W]へと置き換えればよい。
V=Ve×Duty …(6)
このとき、Veは直流電源が備える固定の電源電圧(24[V])、Dutyは時比率である。 時比率Dutyは直流電源からPWM信号によってミシンモータ11に電圧を入力する場合において、PWM信号によって周期的に発生するパルス波のデューティー比を変化させることで入力電圧を変化させる際のデューティー比を数値化したものである。時比率は0〜1の数値であり、時比率0のとき入力電圧は0となり、時比率1の時、入力電圧は電源電圧の最大値(24[V])となる。
つまり、式(2)〜(6)によって定格電力の時比率Dutyを求めることができる。
定格制限値は上述の式で求めた時比率Dutyに対し、PWM信号発生用に所定の値(600)を乗算した値である。
また、最大制限値の算出については、定格制限値の算出において式(4)で用いるWの値を定格電力である103.2[W]から最大電力である192[W]へと置き換えればよい。
図5はミシンの主軸回転数に応じたモータ角速度ω、定格制限値、最大制限値、及び定格制限値及び最大制限値の場合におけるモータ回転数、モータ逆起電力、モータ電流、モータ電圧、時比率を示した表である。
図5に示すように、主軸回転数に応じたモータ定格電流とモータ定格電圧との積は定格電力となり、モータ最大電流とモータ最大電圧との積は最大電力となる。また、定格時比率に対し、PWM信号発生用に所定の数値(600)を乗算した値が定格制限値となり、最大時比率に当該所定の数値(600)を乗算した値が最大制限値となる。また、主軸回転数に基づきモータ回転数、及びモータの角速度、モータの逆起電力が得られる。このことから、検出速度SVに応じた定格制限値、最大制限値を求めることができる。
図5に示すように、主軸回転数に応じたモータ定格電流とモータ定格電圧との積は定格電力となり、モータ最大電流とモータ最大電圧との積は最大電力となる。また、定格時比率に対し、PWM信号発生用に所定の数値(600)を乗算した値が定格制限値となり、最大時比率に当該所定の数値(600)を乗算した値が最大制限値となる。また、主軸回転数に基づきモータ回転数、及びモータの角速度、モータの逆起電力が得られる。このことから、検出速度SVに応じた定格制限値、最大制限値を求めることができる。
余力カウンタ44は、図示しない電源装置が最大電力を出力可能な制限時間を数値でカウントするためのカウンタであり、初期値は250である。
電源装置が定格電力を超えた電力供給量を出力する場合において、電源装置を破損させることなく安全に出力可能な制限時間は0.2[s]であり、一度制限時間に達してから再び定格電力を超えた電力供給量を制限時間いっぱいまで出力するまでに定格電力以下の出力を行わなければならない間隔時間は2[s]である。また、パルスカウンタ22から出力されるパルスの間隔は8[ms]であるため、検出速度SVの算出から操作量DRの出力までの一連の制御も8[ms]ごとに行われる。このとき、定格電力を超えた出力を行うたびに操作量制限手段43の出力に従い、カウンタを−10し、定格電力以下の出力であるときにカウンタを+1(但し250まで)する。つまり、カウントの進行速度に対して復帰速度は10分の1となる。このように余力をカウントして監視することにより、制限時間及び間隔時間を効率的に管理することができる。よって余力カウンタ44は「余力管理手段」として機能する。
電源装置が定格電力を超えた電力供給量を出力する場合において、電源装置を破損させることなく安全に出力可能な制限時間は0.2[s]であり、一度制限時間に達してから再び定格電力を超えた電力供給量を制限時間いっぱいまで出力するまでに定格電力以下の出力を行わなければならない間隔時間は2[s]である。また、パルスカウンタ22から出力されるパルスの間隔は8[ms]であるため、検出速度SVの算出から操作量DRの出力までの一連の制御も8[ms]ごとに行われる。このとき、定格電力を超えた出力を行うたびに操作量制限手段43の出力に従い、カウンタを−10し、定格電力以下の出力であるときにカウンタを+1(但し250まで)する。つまり、カウントの進行速度に対して復帰速度は10分の1となる。このように余力をカウントして監視することにより、制限時間及び間隔時間を効率的に管理することができる。よって余力カウンタ44は「余力管理手段」として機能する。
操作量制限手段43は、速度検出手段41から検出速度SVが入力されると、制限値テーブル45から検出速度SVに応じた定格制限値を呼び出す。また、PID演算手段42から操作量Tが入力されると、当該定格制限値と操作量Tとを比較する。
このとき、操作量Tが定格制限値以下である場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cに+1した値を余力カウンタ44の値CとしてRAM34に格納し、操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。ただし、余力カウンタの値は250を超えることはない。
操作量Tが定格制限値を超える場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを呼び出す。このとき、余力カウンタが9以下である場合、操作量制限手段43は定格制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。余力カウンタが10以上である場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cから−10した値を余力カウンタ44の値CとしてRAM34に格納し、制限値テーブル45から検出速度SVに応じた最大制限値を呼び出し、操作量Tと比較する。このとき、操作量Tが最大制限値以下である場合は、操作量制限手段43は操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。操作量Tが最大制限値を超える場合は、最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。
このとき、操作量Tが定格制限値以下である場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cに+1した値を余力カウンタ44の値CとしてRAM34に格納し、操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。ただし、余力カウンタの値は250を超えることはない。
操作量Tが定格制限値を超える場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを呼び出す。このとき、余力カウンタが9以下である場合、操作量制限手段43は定格制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。余力カウンタが10以上である場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cから−10した値を余力カウンタ44の値CとしてRAM34に格納し、制限値テーブル45から検出速度SVに応じた最大制限値を呼び出し、操作量Tと比較する。このとき、操作量Tが最大制限値以下である場合は、操作量制限手段43は操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。操作量Tが最大制限値を超える場合は、最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。
上述の操作量制限手段43の処理により、操作量Tが定格制限値以下である、つまりミシンモータ11に供給されている電力が直流電源の定格電力を超えない場合は操作量Tに制限を加えることなく出力インターフェイス26に操作量Tを操作量DRとして出力し、操作量Tが定格制限値を超える、つまりミシンモータ11に供給されている電力が直流電源の定格電力を超える場合は、余力カウンタ44の値Cによって直流電源が定格電力以上の電力供給を行えるかどうかを判別し、直流電源が定格電力以上の電力供給を行えない場合は操作量Tに基づいてミシンモータ11が駆動し続けると直流電源を破損させかねない過負荷が発生する恐れがあるため、直流電源の定格電力に基づく操作量である定格制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する。つまり、操作量DRは直流電源を破損させかねない過負荷を発生させることのない、制限を受けた操作量である。
よって、操作量制限手段43は、操作量Tを定格制限値と比較することで「供給量判別手段」として機能すると共に、操作量Tが定格制限値を超える場合は余力カウンタ44の値Cに基づいて操作量Tを定格制限値に置き換えることで制限を加える「電力制限手段」として機能する。
よって、操作量制限手段43は、操作量Tを定格制限値と比較することで「供給量判別手段」として機能すると共に、操作量Tが定格制限値を超える場合は余力カウンタ44の値Cに基づいて操作量Tを定格制限値に置き換えることで制限を加える「電力制限手段」として機能する。
また、上述の実施例に示すように、操作量Tが定格制限値を超える場合に、操作量Tと最大制限値とを比較し、操作量Tが最大制限値を超える場合は最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力するようにしてもよい。最大制限値を超える操作量Tに基づいてミシンモータ11が駆動し続けると、直流電源の最大電力を上回る電力供給が行われることによって直流電源を破損させかねない過負荷が発生する恐れがあるので、操作量Tが最大制限値を超える場合は、最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力することで、さらに安全に電源の最大電力を活用できる。
(出力インターフェイス)
出力インターフェイス26は、操作量制限手段43から入力された操作量Tあるいは操作量DRに基づき、PWM信号を発生させ、スイッチング駆動回路29に出力するPWM信号発生手段27と、PWM基準信号SGを所定の間隔(50[ns])でPWM信号発生手段27に出力するPWMタイマ28とを備える。
PWM信号発生手段27は、操作量Tあるいは操作量DRが入力されると、操作量Tあるいは操作量DRの値(0〜600)に基づいてPWM信号のパルス波のデューティー比を決定し、PWM信号を出力する。このとき、PWM信号のパルス波の波長はPWM基準信号SGが600回入力される間隔(30[μs])であり、操作量Tあるいは操作量DRの値(0〜600)を時比率(0〜1)に再度変換することなく、PWM信号のデューティー比として利用できる。
出力インターフェイス26は、操作量制限手段43から入力された操作量Tあるいは操作量DRに基づき、PWM信号を発生させ、スイッチング駆動回路29に出力するPWM信号発生手段27と、PWM基準信号SGを所定の間隔(50[ns])でPWM信号発生手段27に出力するPWMタイマ28とを備える。
PWM信号発生手段27は、操作量Tあるいは操作量DRが入力されると、操作量Tあるいは操作量DRの値(0〜600)に基づいてPWM信号のパルス波のデューティー比を決定し、PWM信号を出力する。このとき、PWM信号のパルス波の波長はPWM基準信号SGが600回入力される間隔(30[μs])であり、操作量Tあるいは操作量DRの値(0〜600)を時比率(0〜1)に再度変換することなく、PWM信号のデューティー比として利用できる。
(フローの説明)
次に、ミシンのモータ制御装置20によってミシンモータ11に供給される電力が制御される仕組みについて、図6のフローに基づいて説明する。
オペレータによってミシンの電源が投入されると(ステップS1)、ミシンのモータ制御装置20のCPU32は余力カウンタ44の初期値を250として設定する(ステップS2)。オペレータによってミシンの電源が切られると、モータ制御装置20の制御は終了し、そうでなければステップS4以降の処理へと進む(ステップS3)。
次に、ミシンのモータ制御装置20によってミシンモータ11に供給される電力が制御される仕組みについて、図6のフローに基づいて説明する。
オペレータによってミシンの電源が投入されると(ステップS1)、ミシンのモータ制御装置20のCPU32は余力カウンタ44の初期値を250として設定する(ステップS2)。オペレータによってミシンの電源が切られると、モータ制御装置20の制御は終了し、そうでなければステップS4以降の処理へと進む(ステップS3)。
オペレータによりコントローラ18あるいは半針スイッチ16が操作されることで、CPU32は主軸回転速度を指令速度CVとして設定する(ステップS4)。指令速度CVに従ってミシンモータ11が回転すると(ステップS5)、エンコーダ12からパルス信号PSが出力され、入力インターフェイス21はエンコーダ12から入力されたパルス信号PSに基づき、パルスカウント値PC及び周期カウント値TCを処理部40へ出力する。処理部40の速度検出手段41は、パルスカウント値PC及び周期カウント値TCから検出速度SVを算出し(ステップS6)、PID演算手段42及び操作量制限手段43へと出力する。
PID演算手段42は検出速度SV及び指令速度CVの偏差に基づくPID演算を行い、操作量Tを算出し(ステップS7)、操作量制限手段43に出力する。
PID演算手段42は検出速度SV及び指令速度CVの偏差に基づくPID演算を行い、操作量Tを算出し(ステップS7)、操作量制限手段43に出力する。
操作量制限手段43は、検出速度SVに応じた定格制限値を制限値テーブルから呼び出し(ステップS8)、定格制限値と操作量Tとを比較する(ステップS9)。このとき操作量Tが定格制限値以下だった場合は余力カウンタ44の値Cを+1(上限250まで)し(ステップS10)、操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。
操作量Tが定格制限値を超えた場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを呼び出す。余力カウンタ44の値Cが9以下だった場合は、操作量制限手段43は定格制限値を操作量DRとし(ステップS12)、操作量DRを出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。余力カウンタ44の値Cが10以上だった場合は、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを−10し(ステップS13)、制限値テーブル45から検出速度SVに応じた最大制限値を呼び出し(ステップS14)、最大制限値と操作量Tとを比較する(ステップS15)。このとき操作量Tが最大制限値以下だった場合、操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。操作量Tが最大制限値を超えた場合、最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。
操作量Tが定格制限値を超えた場合、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを呼び出す。余力カウンタ44の値Cが9以下だった場合は、操作量制限手段43は定格制限値を操作量DRとし(ステップS12)、操作量DRを出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。余力カウンタ44の値Cが10以上だった場合は、操作量制限手段43は余力カウンタ44の値Cを−10し(ステップS13)、制限値テーブル45から検出速度SVに応じた最大制限値を呼び出し(ステップS14)、最大制限値と操作量Tとを比較する(ステップS15)。このとき操作量Tが最大制限値以下だった場合、操作量Tを操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。操作量Tが最大制限値を超えた場合、最大制限値を操作量DRとして出力インターフェイス26に出力する(ステップS17)。
出力インターフェイス26は、操作量DRを入力されると、操作量に基づいたPWM信号をスイッチング駆動回路29に出力し(ステップS18)、ステップS3に戻る。
上述の処理はミシンの電源が切られるまで行われ、スイッチング駆動回路29は、PWM信号に基づきミシンモータ11を駆動する。
上述の処理はミシンの電源が切られるまで行われ、スイッチング駆動回路29は、PWM信号に基づきミシンモータ11を駆動する。
(作用効果)
上述の実施例によれば、操作量Tが定格制限値を超えたとしても、操作量制限手段43によって、余力カウンタ44の値Cが直流電源が定格電力を超えて出力可能な制限時間を超える前に操作量Tを定格制限値に置き換えることで、直流電源に破損するほどの発熱を伴う高負荷状態を継続させることなく、安全に直流電源の最大電力を活用してミシンモータ11を駆動できるようにしたので、直流電源の性能を十分に活用することができ、従来技術に比べ出力定格の小さな直流電源でも十分な電力を得られるようになることから、低コストでサイズの小さいミシンを構成することができる。
また、厚布に対して十分な貫通力を要する等の理由によりミシンモータ11が大電力を必要とする際に、直流電源の定格を超えた電力を供給できるようにしたので、DCモータに固有のパワー不足を補うことができ、ミシン針が複数設けられたロックミシンであってもDCモータを採用することができる。
上述の実施例によれば、操作量Tが定格制限値を超えたとしても、操作量制限手段43によって、余力カウンタ44の値Cが直流電源が定格電力を超えて出力可能な制限時間を超える前に操作量Tを定格制限値に置き換えることで、直流電源に破損するほどの発熱を伴う高負荷状態を継続させることなく、安全に直流電源の最大電力を活用してミシンモータ11を駆動できるようにしたので、直流電源の性能を十分に活用することができ、従来技術に比べ出力定格の小さな直流電源でも十分な電力を得られるようになることから、低コストでサイズの小さいミシンを構成することができる。
また、厚布に対して十分な貫通力を要する等の理由によりミシンモータ11が大電力を必要とする際に、直流電源の定格を超えた電力を供給できるようにしたので、DCモータに固有のパワー不足を補うことができ、ミシン針が複数設けられたロックミシンであってもDCモータを採用することができる。
また、操作量Tが定格制限値を超える場合であって、余力カウンタ44の値Cが10以上の場合には操作量Tに基づく電力をミシンモータに供給するとともに、余力カウンタ44の値Cが9以下の場合には定格制限値に基づく定格電力をミシンモータに供給するようにしたので、従来技術においてオペレータが直流電源に想定を超えた高負荷を発生させるような操作を行った状態であっても、直流電源が想定を超えた高負荷を負うことなくミシンモータ11の操作量に応じた電力を供給できるようになり、ミシンの操作性及び信頼性が大幅に向上する。
また、検出速度SVに基づいて定格電力で可能な定格制限値を算出すると共に、PID演算手段42で求めた操作量Tと比較することで操作量Tに基づく電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別するので、検出速度SVに最適な電力をモータに供給することができ、直流電源を効率的に活用することができる。
さらに、電力供給量が定格電力を超えない場合に余力カウンタ44の値Cを+1することで余力カウンタ44の値Cを復帰させるので、余力カウンタ44の値Cが一度は9以下になったことによって、直流電源が定格電力を超える電力を供給できなくなっても、定格電力以下の電力を供給する時間を間に設けることによって直流電源の負荷が低減し、再び定格電力を超える電力を供給できる状態になった際に、余力カウンタ44の値Cが10以上に復帰しているので、その後に操作量Tに基づく電力供給量が定格電力を超えた場合には、再び操作量Tに基づく電力を供給できるようになり、直流電源の性能を十分活用できるとともに、ミシンの操作性が大幅に向上する。
(その他)
なお、実施例では式(3)及び(4)によって逆起電力Vsを算出しているが、ミシンモータ11に検流計を儲け、検流計が検出した電流Iを入力インターフェイス21に出力することによって逆起電力Vsを算出するようにしてもよい。
この場合、逆起電力Vsは次式(7)によって求める。
Vs=V−Ra×I …(7)
このとき、Vはミシンモータ11に対する入力電圧、Raはミシンモータ11の電機子巻線抵抗である。
なお、実施例では式(3)及び(4)によって逆起電力Vsを算出しているが、ミシンモータ11に検流計を儲け、検流計が検出した電流Iを入力インターフェイス21に出力することによって逆起電力Vsを算出するようにしてもよい。
この場合、逆起電力Vsは次式(7)によって求める。
Vs=V−Ra×I …(7)
このとき、Vはミシンモータ11に対する入力電圧、Raはミシンモータ11の電機子巻線抵抗である。
また、上述の実施例において処理部40の各機能はソフトウェアによって実現しているが、各処理ごとに同様の機能を果たす専用部品やアナログ回路によって実現してもよい。
また、コントローラ18は、ミシンの主軸の回転速度を設定できればよく、例えばミシンに設けられたボリュームや、入力表示装置6から回転速度を設定してもよい。
また、コントローラ18は、ミシンの主軸の回転速度を設定できればよく、例えばミシンに設けられたボリュームや、入力表示装置6から回転速度を設定してもよい。
11 ミシンモータ
12 エンコーダ
16 半針スイッチ
18 コントローラ
20 モータ制御装置
21 出力インターフェイス
26 入力インターフェイス
29 スイッチング駆動回路
12 エンコーダ
16 半針スイッチ
18 コントローラ
20 モータ制御装置
21 出力インターフェイス
26 入力インターフェイス
29 スイッチング駆動回路
Claims (4)
- 縫い針を上下させる主軸の回転運動を行うミシンモータを制御するミシンのモータ制御装置において、
主軸の回転速度を検出する速度検出手段と、
縫い速度を指定する速度設定手段と、
検出した回転速度と指定した縫い速度との偏差に基づいて操作量を算出する制御演算手段と、
連続的に出力可能な定格電力及び所定の制限時間内で出力可能な最大電力が定められ、前記ミシンモータに前記算出された操作量に基づいて電力の供給を行う直流電源手段と、
前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別する供給量判別手段と、
前記直流電源手段による電力供給量が定格電力を超える状態である場合に、当該定格電力を超える電力を供給する時間をカウントする余力管理手段と、
前記余力管理手段によるカウント時間が前記最大電力で出力可能な制限時間を超える前に前記直流電源手段による供給電力を低減する電力制限手段と、
を備えることを特徴とするミシンのモータ制御装置。 - 前記電力制限手段は、前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が、前記供給量判別手段によって定格電力を超える状態であると判別された場合であって、前記カウント時間が前記制限時間を超えない場合には前記操作量に基づく電力をミシンモータに供給し、超える場合には定格電力をミシンモータに供給することを特徴とする請求項1に記載のミシンのモータ制御装置。
- 前記供給量判別手段は、前記速度検出手段が検出する主軸の回転速度によって定格電力で可能な最大操作量を算出すると共に、前記制御演算手段で求めた操作量と比較することで当該操作量に基づく電力供給量が定格電力を超える状態かどうかを判別することを特徴とする請求項1あるいは2に記載のミシンのモータ制御装置。
- 前記余力管理手段は、前記算出された操作量に基づく前記直流電源手段による電力供給量が、前記供給量判別手段によって定格電力を超えない状態であると判別された場合に、前記制限時間を上限として、定格電力を超えない状態の発生頻度又は継続時間に応じて前記カウント時間を徐々に復帰させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシンのモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007260125A JP2009089728A (ja) | 2007-10-03 | 2007-10-03 | ミシンのモータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017176830A (ja) * | 2016-03-28 | 2017-10-05 | 宣泰 陳 | 機械ミシンの閉ループ制御装置及びその制御方法 |
-
2007
- 2007-10-03 JP JP2007260125A patent/JP2009089728A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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