JP2009240024A - 温度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度に応じて電圧降下量を変化させる感温ダイオードSD1〜SD3に、特性ばらつきが存在すること。
【解決手段】加算回路60及び減算回路70を備えて構成される平均値回路によって、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧の平均値が算出され、これと各感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧とのずれが差動増幅回路80,82,84によって算出される。そして、差動増幅回路80、82,84の出力電圧は、電源電圧VBの立ち上がりに同期してサンプルホールド86,88,90に取り込まれる。電流調節部92,94,96では、サンプルホールド86,88.90の出力に応じて、感温ダイオードSD1〜SD3に供給する電流を調節する。
【選択図】 図7
【解決手段】加算回路60及び減算回路70を備えて構成される平均値回路によって、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧の平均値が算出され、これと各感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧とのずれが差動増幅回路80,82,84によって算出される。そして、差動増幅回路80、82,84の出力電圧は、電源電圧VBの立ち上がりに同期してサンプルホールド86,88,90に取り込まれる。電流調節部92,94,96では、サンプルホールド86,88.90の出力に応じて、感温ダイオードSD1〜SD3に供給する電流を調節する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、スイッチング素子近傍の温度を検出する温度検出装置に関する。
この種の温度検出装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、電気負荷に負荷電流を流すトランジスタの近傍に感温ダイオードを配置し、感温ダイオードに定電流を流す際のダイオードによる電圧降下量に基づき、トランジスタ近傍の温度を検出するものも提案されている。これにより、トランジスタの過度の温度上昇を監視することができる。
特開平10−94163号公報
ところで、近年、車載インバータ等の電力変換回路にあっては、大電流を扱う関係上、複数のスイッチング素子を並列に設ける(パラ接続する)ことで、扱うことのできる電流量を倍増させることも提案され、実用化されている。ただし、この場合、各スイッチング素子のそれぞれの近傍の温度を感知する感温ダイオードを各別に備えることとするなら、これら各感温ダイオードの出力特性のばらつきが温度の検出精度の低下を招くおそれがある。
これに対し、製品出荷に先立ち、各感温ダイオードの出力特性を補正する処理を行う場合には、製造工数が大きく増加する。
なお、上記パラ接続されたスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度を感知するものに限らず、複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度に応じて電圧降下量を変化させる複数個の感温手段を備えるものにあっては、これらの出力特性のばらつきに起因して不都合が生じるこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度に応じて電圧降下量を変化させる複数個の感温手段を備えるものにあって、それらの特性ばらつきを好適に低減することのできる温度検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、複数個のスイッチング素子のそれぞれ毎に各別に設けられて且つ対応するスイッチング素子近傍の温度に応じて電圧降下量を変化させる感温手段のそれぞれに電流を出力する電流出力手段と、前記複数個のスイッチング素子が互いに同一温度にあると想定される状況下、前記感温手段の電圧降下量のばらつきを低減するように前記電流出力手段の出力電流を調節する調節手段とを備えることを特徴とする。
複数個のスイッチング素子の温度が互いに同一であるなら、対応する複数個の感温手段の電圧降下量も同一であることが望ましい。そしてこのときに電圧降下量にばらつきがあるなら、これは各感温手段間の特性ばらつきであると考えられる。一方、感温手段の電圧降下量は、これに供給される電流量に応じて変化する。このため、各感温手段の電圧降下量が相違する状況下、供給される電流量を互いに相違させることで電圧降下量を同一にすることができる。上記発明ではこの点に鑑み、同一温度であると想定される状況下、電圧降下量のばらつきを低減するように出力電流を調節することで、感温手段間の特性ばらつきを好適に低減することができる。
なお、前記電流出力手段は、前記調節手段によって調節された電流値を所定期間保持すること又は、半永久的に保持することを特徴とすることが望ましい。また、前記所定期間とは、前記調節手段によって再度の調節がなされるまでの間、又は当該温度検出装置に対する電力供給が遮断されるまでの間とすることが望ましい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記調節手段は、前記状況下における前記複数個の感温手段のそれぞれの電圧降下量のばらつきに応じた信号を保持する保持手段と、前記保持手段の出力に応じて前記電流出力手段の出力する電流を設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、保持手段を備えることで、上記状況下において調節された電流を、上記状況にない場合であっても感温手段に供給することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記状況下、前記出力電流を調節するための調節期間を設定する調節期間設定回路を備えることを特徴とする。
上記発明では、調節期間設定回路を備えることで、上記状況下に限って上記調節を行うことができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子が停止状態とされている場合に前記調節を行うことを特徴とする。
上記スイッチング素子が駆動状態にある場合、複数個のスイッチング素子の発熱量のばらつきに起因してこれら近傍の温度にばらつきを生じやすい。この点、上記発明では、複数個のスイッチング素子が停止状態にある場合に調節を行うことで、上記状況下にあると想定される際に調節を行うことができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記複数個のスイッチング素子が停止状態から駆動状態へと移行するときであるか否かを予測する予測手段を更に備え、前記調節手段は、前記予測手段によって停止状態から駆動状態へと移行するときであると予測される場合に前記調節を行うことを特徴とする。
複数個のスイッチング素子が全て停止状態にある場合には、これらスイッチング素子は、周囲との熱的な平衡状態へと移行していく。そして、熱的な平衡状態となることで、全てのスイッチング素子の温度は変化しなくなり、これらは互いに同一となると考えられる。上記発明では、この点に鑑み、各スイッチング素子が周囲との間で熱的な平衡状態を実現しこれらの温度が全て等しくなると想定される状況であるか否かを、適切に判断することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記予測手段は、当該温度検出装置に対する電力供給開始時であるか否かに基づき前記予測を行うことを特徴とする。
上記発明では、電力供給開始時であるか否かに基づき、スイッチング素子が停止状態から駆動状態へと移行するときであるか否かを適切に予測することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記調節手段は、該調節手段による出力電流の調節を指示する指示信号が入力されることで前記調節を行うことを特徴とする。
上記発明では、指示信号に基づき調節を行うこととすることで、自身では複数個のスイッチング素子の温度を検出する機能を有しなくても、これらの温度が同一となっているか否かについての判断能力を有する外部の力を借りて、上記調節を適切に行うことができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記感温手段は、供給される電流の変化によって電圧降下量が線形に変化する電流領域を有し、前記電流出力手段の出力電流を、前記線形に変化する電流領域内に制限する制限手段を更に備えることを特徴とする。
上記発明では、上記電流領域内で電流の調節がなされるために、電流の変化によって電圧降下量のばらつきを容易に低減することができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子のうちの特定のものの近傍の温度を感知する感温手段の電圧降下量に、残りの感温手段の電圧降下量が一致するように前記出力電流を調節することを特徴とする。
上記発明では、複数個の感温手段間の特性ばらつきを好適に補償することができる。特に、特定のスイッチング素子の特性を記憶しておくなら、これに基づき各スイッチング素子近傍の温度を高精度に検出することが可能となる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度を感知する感温手段のそれぞれの電圧降下量が、これらの平均値に一致するように前記出力電流を調節することを特徴とする。
上記発明では、複数個の感温手段間の特性ばらつきを好適に低減することができる。特に、感温手段の特性がその平均的な特性(中央特性)を中心とする正規分布によってばらつく場合には、調節によって各感温手段の特性が中央特性へと近づく可能性が高くなる。
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発明において、前記感温手段は、感温ダイオード又はサーミスタであることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発明において、前記複数個のスイッチング素子は、互いに同一の電位レベルとされるものであることを特徴とする。
上記発明では、温度検出装置に過度の電圧が加わることを回避することなどができる。
請求項13記載の発明は、請求項1〜12のいずれか1項に記載の発明において、前記複数個のスイッチング素子及び当該温度検出装置は、車載高圧システムを構成するものであることを特徴とする。
上記発明では、温度検出装置のみを低圧システム側とする場合と比較して、高圧システム及び低圧システム間の通信手段の数を低減することができる。
請求項14記載の発明は、請求項1〜13のいずれか1項に記載の発明において、前記複数個のスイッチング素子は、回転機に接続されるインバータ又はDCDCコンバータのいずれかを構成するものであることを特徴とする。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる温度検出装置をハイブリッド車に搭載される温度検出装置に適用した第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる温度検出装置をハイブリッド車に搭載される温度検出装置に適用した第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるモータジェネレータ10は、車載駆動系を構成する3相回転機である。モータジェネレータ10には、インバータIVが接続されている。インバータIVは、スイッチング素子Sup及びスイッチング素子Sunの直列接続体と、スイッチング素子Svp及びスイッチング素子Svnの直列接続体と、スイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの直列接続体とを備えて構成されている。そして、スイッチング素子Sup及びスイッチング素子Sunの直列接続体の接続点、スイッチング素子Svp及びスイッチング素子Svnの直列接続体の接続点、及びスイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの直列接続体の接続点のそれぞれが、モータジェネレータ10のU,V,W相に接続されている。なお、本実施形態では、これらスイッチング素子Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IBGT)を例示している。そして、これらには、ダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnがそれぞれ逆並列に接続されている。
インバータIVの入力端子には、コンバータCVが接続されている。コンバータCVは、高圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の高電圧(例えば「666V」)に昇圧するためのものである。詳しくは、コンバータCVは、スイッチング素子Sp1及びスイッチング素子Sn1の直列接続体と、スイッチング素子Sp2及びスイッチング素子Sn2の直列接続体と、スイッチング素子Sp3及びスイッチング素子Sn3の直列接続体との並列接続体を備えている。そしてこれら各直列接続体の接続点は、コイル16を介して高圧バッテリ12の正極に接続されている。更に、コンバータCVは、高圧バッテリ12に並列接続されるコンデンサ14を備えている。なお、本実施形態では、これらスイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3としてIGBTを例示している。そして、これらには、ダイオードDp1〜Dp3、Dn1〜Dn3がそれぞれ逆並列に接続されている。
ここで、スイッチング素子Sp1〜Sp3は、互いに同一の操作信号にて操作されるものであり、スイッチング素子Sn1〜Sn3は、互いに同一の操作信号にて操作されるものである。このように、コンバータCVを互いに同一の信号にて操作される3つのスイッチング素子を備えて構成することで、各スイッチング素子の定格のわりにコンバータCVの扱える電流量を増大させることができる。
上記スイッチング素子Sp1〜Sp3、Sn1〜Sn3の近傍には、その温度を感知する感温ダイオードSDp1〜SDp3、SDn1〜SDn3がそれぞれ配置されている。これら感温ダイオードSDp1〜SDp3、SDn1〜SDn3のそれぞれは、温度の感知対象となるスイッチング素子の出力端子(エミッタ)をグランドとして利用して動作するものである。詳しくは、感温ダイオードSDp1〜SDp3、SDn1〜SDn3のそれぞれは、そのカソードがスイッチング素子の出力端子に接続されるものである。そして、互いに同電位を基準に動作する感温ダイオードSDp1〜SDp3と、感温ダイオードSDn1〜SDn3とのそれぞれの出力信号は、温度検出ユニット18p,18nにそれぞれ取り込まれる。換言すれば、ダイオードSDp1〜SDp3と、ダイオードSDn1〜SDn3とのそれぞれのアノードは、温度検出ユニット18p,18nのそれぞれに接続されている。
感温ダイオードSDp1〜SDp3、SDn1〜SDn3の出力電圧は、温度検出ユニット18p,18n及びインターフェース20を介して、所定の低電圧(例えば「12V」)電源(低圧バッテリ22)を電源とするマイクロコンピュータ(マイコン24)に取り込まれる。マイコン24では、上記出力電圧に応じて、コンバータCVの温度を把握しつつ、コンバータCVを操作する。
図2に、上記各温度検出ユニット18p,18nに取り込まれる3つの出力電圧VOH1,VOH2,VOH3と温度との関係を示す。図示されるように、温度検出ユニット18p,18nが取り込む感温ダイオードSDp1〜SDp3(SDn1〜SDn3)の出力電圧の特性には、個体差等に起因するばらつきが生じ得る。そこで本実施形態では、温度検出ユニット18p,18nに、これら出力特性のばらつきを低減する機能を付与する。図3に、温度検出ユニット18p、18nのうちの上記出力特性のばらつきを低減する機能に関する構成を示す。なお、以下の説明では、高電位側の感温ダイオードSDp1〜SDp3及び温度検出ユニット18pと、低電位側の感温ダイオードSDn1〜SDn3及び温度検出ユニット18nとを総括して、感温ダイオードSD1〜SD3及び温度検出ユニット18と表記する。
本実施形態にかかる温度検出ユニット18では、特定の感温ダイオード(感温ダイオードSD1)の出力特性を基準として、残りの感温ダイオード(感温ダイオードSD2、SD3)の出力特性を感温ダイオードSD1の出力特性にあわせるための処理を行う。このため、温度検出ユニット18は、特定の感温ダイオード(感温ダイオードSD1)の出力電圧に対する残りの感温ダイオード(感温ダイオードSD2、SD3)のそれぞれの出力電圧の差を検出する差動増幅回路30,32を備えている。
ここで、差動増幅回路30は、オペアンプ30aを備えて構成されている。詳しくは、オペアンプ30aの出力端子と反転入力端子とが抵抗体30bを介して接続されており、オペアンプ30aの反転入力端子には、抵抗体30cを介して感温ダイオードSD1の出力電圧が印加され、非反転入力端子には、抵抗体30dを介して感温ダイオードSD2の出力電圧が印加される。更に、オペアンプ30aの非反転入力端子は、抵抗体30eを介して接地されている。なお、差動増幅回路32についても、同様の構成を有しており、上記の説明において、感温ダイオードSD2を感温ダイオードSD3と読み替えて且つ、「30」を「32」とすることで、差動増幅回路32の説明となる。
差動増幅回路30,32の出力電圧は、それぞれサンプルホールド34,36に取り込まれる。ここで、サンプルホールド34は、オペアンプ34aを備えて構成されている。詳しくは、オペアンプ34aの出力端子と反転入力端子とが抵抗体34b及びコンデンサ34cの並列接続体によって接続されている。一方、オペアンプ34aの非反転入力端子には、抵抗体34d及びスイッチング素子34fを介して入力電圧(差動増幅回路30の出力電圧)が印加される。更に、オペアンプ34aの非反転入力端子及び接地間には、コンデンサ34eが接続されている。なお、サンプルホールド36についても、その構成は同様であり、上記の説明において、差動増幅回路30を差動増幅回路32と読み替えて且つ、「34」を「36」とすることで、サンプルホールド36の説明となる。
サンプルホールド34,36の出力は、残りの感温ダイオード(感温ダイオードSD2,SD3)のそれぞれに供給する電流を調節する電流調節部(電流調節部38,50)に取り込まれる。電流調節部38は、サンプルホールド34の出力に基づき、感温ダイオードSD2に供給する電流IOH2を調節するものである。換言すれば、感温ダイオードSD1の出力電圧に対する感温ダイオードSD2の出力電圧の差に基づき、感温ダイオードSD2に供給する電流IOH2を調節するものである。
電流調節部38は、カレントミラー部46を備えている。カレントミラー部46は、一対のバイポーラトランジスタ46a及び抵抗体46bとバイポーラトランジスタ46c及び抵抗体46dとを備え、これらバイポーラトランジスタ46a,46cのコレクタが互いに接続されて且つ、抵抗体46b、46dが接地されている。更に、カレントミラー部46は、互いにベースが接続された一対のバイポーラトランジスタ46e,46fを備えており、これら一対のバイポーラトランジスタ46e,46fのエミッタは、電源46gに接続されている。そして、バイポーラトランジスタ46eのコレクタには、バイポーラトランジスタ46a,46cのコレクタが接続されている。また、バイポーラトランジスタ46cのベースには、定電流源46hから電流が供給されており、バイポーラトランジスタ46aのベースには、ボルテージフォロワ42、非反転増幅回路40を介して、サンプルホールド34の出力電圧が印加される。これにより、カレントミラー部46は、感温ダイオードSD1の出力電圧に対する感温ダイオードSD2の出力電圧のずれに応じて、感温ダイオードSD2に供給する電流IOH2を調節して出力する。
なお、電流調節部50についても、その構成は同一であり、上記説明のうち、サンプルホールド34をサンプルホールド36とし、感温ダイオードSD2を感温ダイオードSD3とし、感温ダイオードSD2に供給する電流IOH2に代えて感温ダイオードSD3に供給する電流IOH3とすることで、電流調節部50の説明となる。
一方、基準となる特性を有する感温ダイオードSD1には、定電流源51から電流IOH1(例えば「200μA」)が供給されている。この電流IOH1は、図4に示されるように、感温ダイオードの供給電流の変化に対して電圧降下量が線形に変化する領域内に設定されている。これにより、感温ダイオードSD2、SD3に供給する電流IOH2,IOH3が電流IOH1からずれたとしても、電流IOH2、IOH3(例えば「180〜220μA」)を上記領域内とすることが可能となる。このため、出力電圧のずれに比例して電流量を変化させることでこのずれを解消することができるため、ずれの低減処理が容易となる。なお、定電流源51からの電流IOH1は、上記領域の中央近傍(より望ましくは、中央)とすることが望ましい。
本実施形態では、上記電流調節部38,50による電流IOH2,IOH3の調節を、感温ダイオードSD1、SD2,SD3近傍の温度が互いに等しくなると想定される状況において行う。詳しくは、本実施形態では、コンバータCVのスイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3が停止状態から駆動状態へと移行する直前に行う。これは、このタイミングにおいては、スイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3が周囲と熱的な平衡状態となっており、それらの温度が互いに等しいと考えられることによる。
こうした処理を実現すべく、図3に示されるように、温度検出ユニット18は、その電源の電圧VBを基準電源54の電圧である閾値Vthと比較するコンパレータ52と、コンパレータ52の出力を遅延させる遅延回路56と、遅延回路56の出力の立ち上がりエッジに同期してワンショットパルスを出力するワンショットパルス生成部58とを備えている。そして、ワンショットパルス生成部58がワンショットパルスを出力する期間において、サンプルホールド34、36では、入力電圧を取り込み、これを保持する。詳しくは、ワンショットパルスの出力期間の間、スイッチング素子34f、36fがオン状態とされる。
図5に、本実施形態にかかる特性ばらつきの低減処理態様を示す。詳しくは、図5(a)に、電源電圧VBの推移を示し、図5(b)に、ワンショットパルスを示し、図5(c)に、電流IOH1〜IOH3の推移を示し、図5(d)に、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧VOH1〜VOH3の推移を示す。図示されるように、温度検出ユニット18に対する電力供給が開始されることで、電源電圧VBが上昇する。そして、電源電圧VBが閾値Vth以上となってから遅延回路56による遅延時間だけ経過した後、ワンショットパルスが生成される。これにより、感温ダイオードSD2、SD3の出力電圧VOH2,VOH3を感温ダイオードSD1の出力電圧VOH1に一致させるように、電流IOH2,IOH3が調節される。これにより、ワンショットパルスの立ち下がり後においても、電流調節部38,50では、それぞれ電流IOH2,IOH3を出力するようになり、これにより、図6に示すように、感温ダイオードSD2,SD3の出力特性を、感温ダイオードSD1の特性に好適に一致させることができる。
このため、先の図1に示したマイコン24では、感温ダイオードSD1の特性についての情報を所有するのみで、感温ダイオードSD1〜SD3の感知する温度を高精度に把握することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)複数個のスイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)が互いに同一温度にあると想定される状況下、感温ダイオードSD1〜SD3の電圧降下量のばらつきを低減するように、感温ダイオードSD2,SD3に供給する電流IOH2,IOH3を調節した。これにより、感温ダイオードSD1〜SD3間の特性ばらつきを好適に低減することができる。
(2)複数個のスイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)が互いに同一温度にあると想定される状況下における上記電圧降下量のばらつきに応じた信号を保持する保持手段(サンプルホールド34,36)を備えた。これにより、上記状況下において調節された電流を、上記状況にない場合であっても感温ダイオードSD2,SD3に供給することができる。
(3)スイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3が停止状態から駆動状態へと移行すると予測される場合に、電流IOH2,IOH3を調節した。これにより、複数個のスイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)が互いに同一温度にあると想定される状況であるか否かを、適切に判断することができる。
(4)温度検出ユニット18に対する電力供給開始時であるか否かに基づき、上記予測をした。これにより、スイッチング素子が停止状態から駆動状態へと移行するときであるか否かを適切に予測することができる。
(5)感温ダイオードSD1〜SD3を、供給される電流の変化によって電圧降下量が線形に変化する電流領域にて駆動した。これにより、電流の変化による電圧降下量のばらつきの低減処理を容易に行うことができる。
(6)複数個のスイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)のうちの特定のものの近傍の温度を感知する感温ダイオードSD1の電圧降下量に、残りの感温ダイオードSD2、SD3の電圧降下量が一致するように電流IOH2,IOH3を調節した。これにより、感温ダイオードSD1〜SD3間の特性ばらつきを好適に低減することができる。
(7)互いに同一の電位レベルにある複数個のスイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)近傍の温度を検出する感温ダイオードSD1〜SD3のばらつきを補償するようにした。これにより、温度検出ユニットに過度の電圧が加わることを回避することなどができる。
(8)温度検出ユニット18を車載高圧システムを構成するものとした。これにより、温度検出ユニット18を低圧システム側とする場合と比較して、高圧システム及び低圧システム間の通信手段の数を低減することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図7に、本実施形態にかかる温度検出ユニット18のうち特に感温ダイオードSD1〜SD3の特性ばらつきを低減する部分の構成を示す。なお、図7において、先の図3に示した部材に対応する部材の一部については、便宜上、同一の符号を付している。
本実施形態では、複数の感温ダイオード(感温ダイオードSD1〜SD3)の各特性を、これらの平均的な特性に一致させるための処理を行う。こうした処理を行うべく、本実施形態では、平均値回路を備えている。この平均値回路は、加算回路60及び減算回路70を備えて構成されている。加算回路60は、オペアンプ64を備えて構成されている。そして、オペアンプ64の反転入力端子には、抵抗体61〜63のそれぞれを介して、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧が印加されている。また、オペアンプ64の非反転入力端子には、電圧値Vinの電圧が印加されている。そして、オペアンプ64の出力端子と反転入力端子とは、抵抗体65を介して接続されている。そして、オペアンプ64の出力端子は、抵抗体66,67の直列接続体を介して接地されている。そして、抵抗体66,67の接続点には、上記減算回路70が接続されている。減算回路70は、オペアンプ71を備えて構成されている。そして、オペアンプ71の出力端子と反転入力端子とは、抵抗体72によって接続されている。また、オペアンプ71の反転入力端子は、抵抗体73を介して抵抗体66,67の接続点に接続されている。また、オペアンプ71の非反転入力端子は、電圧値「Vin・2/3」の電圧が印加されている。
ここで、抵抗体61〜63、65は同一の抵抗値R1を有する。このため、オペアンプ64の出力は、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧VOH1〜VOH3の和に「−1」を乗算したものと、「4:(感温ダイオードSD1〜SD3の数)+1」に電圧値Vinを乗算したものとの和となる。そして、抵抗体66の抵抗値R2と抵抗体67の抵抗値R3とは、「R3/(R2+R3)=1/3:感温ダイオードSD1〜SD3の数分の1」となるように設定されている。これにより、抵抗体66及び抵抗体67の接続点の電圧は、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧VOH1〜VOH3の平均値に「−1」を乗算したに、電圧値Vinの「4/3」倍を加算したものとなる。このため、抵抗体72の抵抗値R4と抵抗体73の抵抗値R5とを「同一の抵抗値R4を有するものとして且つ、オペアンプ71の非反転入力端子に「{Vin・4/3}÷2」の電圧を印加することで、減算回路70の出力(平均値回路の出力)は、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧VOH1〜VOH3の平均値となる。
一方、差動増幅回路80、82,84は、それぞれ平均値回路の出力電圧に対する感温ダイオードSD1、SD2,SD3の出力電圧のずれに応じた電圧信号を出力する。これら差動増幅回路80,82,84は、先の図3に示した差動増幅回路30,32と同一の構成を有する。そして、差動増幅回路80,82,84の出力電圧は、それぞれサンプルホールド86,88,90に取り込まれる。これらサンプルホールド86,88,90の構成は、先の図3に示したサンプルホールド34,36と同一である。そして、サンプルホールド86,88,90の出力電圧は、それぞれ電流調節部92,94.96に印加される。これら電流調節部92,94.96の構成は、先の図3に示した電流調節部38の構成と同一である。ただし、電流調節部92,94,96は、それぞれ感温ダイオードSD1、SD2、SD3に電流IOH1,IOH2,IOH3を供給するものである。
こうした構成によれば、ワンショットパルスが出力される期間において、感温ダイオードSD1,SD2,SD3の出力電圧を、これらの平均値に一致させる処理がなされる。こうした温度検出ユニット18を備えることで、図8に示されるように、製品出荷される感温ダイオードの特性ばらつきの分布を、平均的な特性(中央特性)を有するものの数がより多くなる分布へと修正することができる。すなわち、製品出荷される感温ダイオードは、これらの平均的な特性である中央特性となるものの数が最も多く、上限又は下限へと近づくに従い指数関数的にその数が減少する正規分布を有すると考えられる。このため、製品出荷される感温ダイオードの任意の1つを取り出すと、その特性が中央特性となる確率は、正均分布に従った確率となる。このため、任意の3つの感温ダイオードの平均値が中央特性となる確率は、任意の1つの感温ダイオードの特性が中央特性である確率よりも大きくなる。したがって、温度検出ユニット18にて補正された感温ダイオードSD1〜SD3の特性は、中央特性に近似するものと考えられる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(5)、(7)、(8)の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(9)複数個の感温ダイオードSD1〜SD3のそれぞれの電圧降下量が、これらの平均値に一致するように供給電流IOH1〜IOH3を調節した。これにより、感温ダイオードSD1〜SD3間の特性ばらつきを好適に低減することができる。更に、感温ダイオードSD1〜SD3の特性を中央特性に近づけることもできる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第2の実施形態では、コンバータCVが停止状態から駆動状態へと移行する直前の低温状態において特性ばらつきを低減する処理を行った。これにより、コンバータCVが駆動されて高温状態となる際においても、感温ダイオードSD1〜SD3の特性ばらつきを低減することができると考えられる。ただし、図9に示されるように、温度変化に対する電圧降下量の変化の傾きについての感温ダイオードSD1〜SD3の個体差が無視できない場合には、高温状態において特性ばらつきがかえって大きくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、図10に示されるように、温度検出ユニット18が、調節指令信号をワンショットパルス生成部58の入力として取り込む。なお、図10において、先の図7に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。これにより、感温ダイオードSD1〜SD3近傍の温度を同一とする環境が整えられる際に、調節指令信号が入力されることで、所望の温度において感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧のばらつきを低減することができる。ここで、調節指令信号は、例えば製品出荷前やメンテナンス時に工場の作業員によって入力されることとすればよい。これにより、予め所望の温度となるように、感温ダイオードSD1〜SD3の環境を整えた状態で調節指令信号を入力することで、所望の温度における感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧を一致させることができる。
ここで、所望の温度としては、感温ダイオードSD1〜SD3の温度感知精度として最も高い精度が要求される温度とすればよい。すなわち、例えば感温ダイオードSD1〜SD3が、スイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)の温度が過度に高い温度となるか否かを監視するものである場合、この過度に高い温度近傍(より望ましくは、これを判断するための閾値温度)とすればよい。なお、調節指令信号が入力される際には、スイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3が停止状態にあることが望ましい。これにより、これらスイッチング素子Sp1〜Sp3,Sn1〜Sn3の発熱が生じないため、これらの温度を高精度に一致させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)、(2)、(5)、(7)、(8)に準じた効果及び第2の実施形態の上記(9)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(10)調節指示信号が入力されることで、感温ダイオードSD1〜SD3の電圧降下量を一致させるように、これらに供給する電流IOH1〜IOH3を調節した。これにより、スイッチング素子Sp1〜Sp3(Sn1〜Sn3)近傍の温度が所望の温度であるときに、上記調節を行うことができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第4の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図11に、本実施形態にかかる温度検出ユニット18のうち特に感温ダイオードSD1〜SD3の特性ばらつきを低減する部分の構成を示す。なお、図11において、先の図7に示した部材に対応する部材の一部については、便宜上、同一の符号を付している。
本実施形態では、先の図7に示した平均値回路、差動増幅回路80,82,84及びサンプルホールド86,88,90の機能を、中央処理装置(CPU)及びメモリからなる処理部100にて実現する。更に、処理部100では、調節される電流IOH1〜IOH3が、電流の変化に対して感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧が線形に変化する領域から外れる場合には、補正を禁止する処理を行う。
図12に、本実施形態にかかる感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧のばらつき低減処理の手順を示す。この処理は、処理部100によって、ワンショットパルス生成部58の出力するワンショットパルスをトリガとして実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、感温ダイオードSD1〜SD3の出力電圧VOH1〜VOH3を取り込む。続くステップS12においては、出力電圧VOH1〜VOH3の平均値Vavを算出する。続くステップS14では、特性の調節対象となる感温ダイオードを指定する変数iを「1」とする。そして、ステップS16においては、感温ダイオードSDiに供給される電流IOHiを調節するために温度調節部に出力する調節信号Viを算出する。ここでは、出力電圧VOHiと、上記ステップS12において算出された平均値Vavとの差に基づき、調節信号Viを算出する。
続くステップS18においては、調節信号Viが下限値α以上であるか否かを判断し、ステップS20においては、調節信号Viが上限値β以下であるか否かを判断する。ここで、下限値αは、電流調節部の出力する電流を、上記電流の変化に対して出力電圧が線形に変化する領域の下限値とするものである。また、上限値βは、電流調節部の出力する電流を、上記電流の変化に対して出力電圧が線形に変化する領域の上限値とするものである。そして、下限値α未満である場合には、ステップS22において、調節信号Viを下限値αとする。また、上限値βよりも大きい場合には、ステップS24において、調節信号Viを上限値βとする。
このようにガード処理を施した後、ステップ26では、変数iが「3」であるか否かを判断する。この処理は、感温ダイオードSD1〜SD3の全てについて特性補正処理が完了したか否かを判断するものである。そして、変数iが「3」でない場合には、ステップS28において変数iをインクリメントして、ステップS16に戻る。これに対し、ステップS26において変数iが「3」であると判断される場合には、ステップS30において調節信号V1〜V3をメモリに書き込み、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、先の第2の実施形態の効果に準じた効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(11)感温ダイオードSD1〜SD3に供給される電流IOH1〜IOH3が、電流の変化によって出力電圧が線形に変化する電流領域から外れないようにガード処理を施した。これにより、電流の変化が上記領域から外れることに起因した出力電圧のばらつき低減の制御性の低下を回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1の実施形態では、差動増幅回路30,32の出力をサンプルホールド34,36に取り込んだが、これに限らない。例えば、感温ダイオードSD1,SD2,SD3の電圧降下量をサンプルホールドに取り込み、これら3つのサンプルホールドの出力値のうちのダイオードSD1、SD2の組に対応するもの及びダイオードSD1、SD3の組に対応するもののそれぞれを差動増幅回路30,32に取り込むようにしてもよい。この場合、差動増幅回路30,32の出力を電流調整部38,50に直接取り込む。
・上記第2の実施形態に対する第3の実施形態の変更点によって、先の第1、第4の実施形態を変更してもよい。
・上記第1〜第3の実施形態においても、先の第4の実施形態のように、電流調整部の出力する電流の上限値及び下限値を設けてこれらの範囲内で調節を行う構成としてもよい。
・電圧降下量のばらつきの低減対象となる感温ダイオードの数としては、上記各実施形態で例示したものに限らず、任意の複数個としてよい。
・各スイッチング素子の電圧降下量の平均値を算出する手段としては、先の図7、図11に例示したものに限らない。例えば先の図7に示した加算回路60の出力側に減算回路70を直結させて且つ、減算回路70の出力を抵抗体66,67にて分圧してもよい。ただし、この場合、減算回路70の非反転入力端子には、電圧値Vinに、「2:{(感温ダイオードSD1〜SD3の数)+1}/2」を乗算した値の電圧を印加する。また、先の図7及び図10においては、単電源を用いて平均値回路を構成することを前提としたために、加算回路60を構成するオペアンプ64の非反転入力端子にオフセット電圧(電圧値Vin)を印加したが、正及び負の電圧を生成可能な電源を用いる場合には、オフセット電圧を印加しなくても平均値回路を構成することができる。
・複数個のスイッチング素子が停止状態から駆動状態へと移行するときであるか否かを予測する予測手段としては、温度検出ユニットが電源に接続された直後であるか否かを判断する手段に限らない。例えば、インバータIV及び高圧バッテリ12間を開閉する手段(リレー等:図示略)によってこれらが遮断状態から導通状態に切り替えられた直後であるか否かに応じて上記予測を行うものであってもよい。
・電圧降下量のばらつきに応じた信号を保持する保持手段としては、先の図3に示したサンプルホールド34,36に限らない。例えば、図13に示すサンプルホールド110であってもよい。ここでは、入力信号は、スイッチング素子112を介してアナログ/デジタル変換器(A/D変換器114)に取り込まれる。A/D変換器114の出力は、メモリ116に格納される。メモリ116に格納された値は、デジタル/アナログ変換器(D/A変換器118)、スイッチング素子120を介して外部に出力される。こうした構成によれば、ワンショットパルスの出力期間に限ってスイッチング素子112をオン状態とすることで、このときにサンプルホールド110に入力される信号を保持することができる。そして、ワンショットパルスの出力がなされない場合には、スイッチング素子112をオフ状態として且つ、スイッチング素子120をオン状態とすることで、保持した値を出力することができる。
また、上記第1、第2、第4の実施形態にかかる保持手段としては、複数のスイッチング素子が駆動状態となってから、次回駆動状態となるまでの期間に渡って電圧降下量のばらつきに応じた信号を保持するものに限らない。例えば、上記信号を一旦取り込んだ後にはこれをもはや更新及び消去せず半永久的に保持すべく、常時記憶保持装置に記憶する手段としてもよい。ここで、常時記憶保持装置とは、温度検出装置が主電源に接続されているか否かにかかわらず給電状態が維持されるバックアップRAMや、給電の有無にかかわらず記憶を保持するEEPROM等の不揮発性メモリのことである。
・電圧降下量のばらつきを低減すべく、感温ダイオードへの出力電流を調節する調節期間を設定する調節期間設定回路としては、上記ワンショットパルス生成部58を備えて構成されるものに限らない。例えば先の第1、第2、第4の実施形態において、遅延回路56に並列接続されて且つこれよりも遅延時間の長い別の遅延回路と、その出力を論理反転する論理反転回路(インバータ)と、これら論理反転回路及び遅延回路56の出力の論理積信号を生成するAND回路とを備えて構成されるものであってもよい。この場合、コンパレータ52の出力の立ち上がりタイミングに対して遅延回路56による遅延時間の経過時から別の遅延回路の遅延時間の経過時までの期間が調節期間となる。また、先の第3の実施形態において、ワンショットパルス生成部58を割愛し、調節指令信号をサンプルホールド82,88,94に直接印加することで、調節指令信号の入力期間を調節期間としてもよい。
・電流調節部の構成としては、先の図3に示したものに限らない。例えば、図14に示すものであってもよい。ここでは、互いにベースが接続された一対のバイポーラトランジスタ132,134のエミッタに電源130が接続されて且つ、バイポーラトランジスタ132のコレクタは、バイポーラトランジスタ136のコレクタに接続されている。バイポーラトランジスタ136のベースには、定電流源137からの電流が供給されている。一方、バイポーラトランジスタ136のエミッタは、抵抗体138を介して接地されている。そして、抵抗体138には、抵抗体140a,140b,140c…とスイッチング素子142a,142b,142c…との直列接続体が接続されている。そして、スイッチング素子142a,142b,142c…は、サンプルホールドの出力に応じて操作される。すなわち、サンプルホールドの値に応じて、スイッチング素子142a,142b,142c…のうちのいくつがオン状態とされるかが決定される。こうした構成によれば、サンプルホールドの出力に応じて、バイポーラトランジスタ134のコレクタから出力される電流量を調節することができる。ちなみに、スイッチング素子142a,142b,142c…の操作は、例えば、スイッチング素子142a,142b,142c…毎に相違する基準電圧とサンプルホールドの出力との大小関係を比較するコンパレータの出力に基づき行うことができる。
・上記各実施形態では、コンバータCVの高電位側のスイッチング素子Sp1,Sp2,Sp3近傍の温度を感知する感温ダイオードSDp1,SDp2,SDp3や、低電位側のスイッチング素子Sn1,Sn2,Sn3近傍の温度を感知する感温ダイオードSDn1,SDn2,SDn3の特性ばらつきを低減したがこれに限らない。図15に、インバータIVの各相を2つのスイッチング素子の並列接続体にて構成する場合について、これら各相の上側アーム及び下側アームのそれぞれに対応する感温ダイオードの特性ばらつきを低減する場合を例示する。ここでは便宜上、インバータIVのW相の高電位側のスイッチング素子Swp1、Swp2の温度を感知する感温ダイオードSDp1、SDp2の特性ばらつきを低減するための温度検出ユニット150p及び低電位側のスイッチング素子Swn1,Swn2の温度を感知する感温ダイオードSDn1,SDn2の特性ばらつきを低減するための温度検出ユニット150nのみを明示している。
更に、例えば先の図1に示したインバータIVの低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnの温度を感知する感温ダイオード(図示略)について、これらの特性ばらつきを低減する場合に本発明を適用してもよい。
・上記各実施形態では、感温ダイオードに供給する電流量を、感温ダイオードの電流変化に対して電圧降下量の変化が線形性を有する電流領域内としたがこれに限らない。たとえ非線形性を有する場合であっても、電圧降下量のばらつきに応じて電流量を調節することで上記ばらつきを低減することはできる。
・温度に応じて電圧降下量を変化させる感温手段としては、感温ダイオードに限らず、例えばサーミスタ等であってもよい。
・感温ダイオードによってその近傍の温度の検出対象となる複数個のスイッチング素子としては、上記インバータIVやコンバータCVを構成するものに限らない。複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度を検出する感温手段を各別に備える場合、例えば先の第1,2の実施形態のように、温度検出ユニットに電力が供給された直後であれば、複数個のスイッチング素子は互いに同一の温度にあると想定されるため、これらの特性ばらつきを補償することができる。
・温度検出ユニットとしては、ハイブリッド車に搭載されるものに限らず、例えば電気自動車に搭載されるものであってもよい。
10…モータジェネレータ、18…温度検出ユニット(温度検出装置の一実施形態)、34,36…サンプルホールド(保持手段の一実施形態)、38,50…電流調節部、CV…コンバータ、SD1〜SD3…感温ダイオード。
Claims (14)
- 複数個のスイッチング素子のそれぞれ毎に各別に設けられて且つ対応するスイッチング素子近傍の温度に応じて電圧降下量を変化させる感温手段のそれぞれに電流を出力する電流出力手段と、
前記複数個のスイッチング素子が互いに同一温度にあると想定される状況下、前記感温手段の電圧降下量のばらつきを低減するように前記電流出力手段の出力電流を調節する調節手段とを備えることを特徴とする温度検出装置。 - 前記調節手段は、前記状況下における前記複数個の感温手段のそれぞれの電圧降下量のばらつきに応じた信号を保持する保持手段と、前記保持手段の出力に応じて前記電流出力手段の出力する電流を設定する設定手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の温度検出装置。
- 前記状況下、前記出力電流を調節するための調節期間を設定する調節期間設定回路を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の温度検出装置。
- 前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子が停止状態とされている場合に前記調節を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記複数個のスイッチング素子が停止状態から駆動状態へと移行するときであるか否かを予測する予測手段を更に備え、
前記調節手段は、前記予測手段によって停止状態から駆動状態へと移行するときであると予測される場合に前記調節を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度検出装置。 - 前記予測手段は、当該温度検出装置に対する電力供給開始時であるか否かに基づき前記予測を行うことを特徴とする請求項5記載の温度検出装置。
- 前記調節手段は、該調節手段による出力電流の調節を指示する指示信号が入力されることで前記調節を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記感温手段は、供給される電流の変化によって電圧降下量が線形に変化する電流領域を有し、
前記電流出力手段の出力電流を、前記線形に変化する電流領域内に制限する制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度検出装置。 - 前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子のうちの特定のものの近傍の温度を感知する感温手段の電圧降下量に、残りの感温手段の電圧降下量が一致するように前記出力電流を調節することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記調節手段は、前記複数個のスイッチング素子のそれぞれの近傍の温度を感知する感温手段のそれぞれの電圧降下量が、これらの平均値に一致するように前記出力電流を調節することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記感温手段は、感温ダイオード又はサーミスタであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記複数個のスイッチング素子は、互いに同一の電位レベルとされるものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記複数個のスイッチング素子及び当該温度検出装置は、車載高圧システムを構成するものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の温度検出装置。
- 前記複数個のスイッチング素子は、回転機に接続されるインバータ又はDCDCコンバータのいずれかを構成するものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の温度検出装置。
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