JP2007336728A - インバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置 - Google Patents

インバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置 Download PDF

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直樹 桜井
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Abstract

【課題】チップ上に製造されたポリシリコンダイオードを使用しても高精度な温度測定ができ、信頼性の向上したインバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置を提供することにある。
【解決手段】
パワー半導体素子SW上に形成された温度測定用のダイオードDを備える。演算器28は、メモリ24の保持された基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1と、メモリ26に保持された測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2との差である順方向電圧降下差を算出し、この差からダイオードの温度を測定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置に係り、特に、ハイブリッド自動車等において用いるに好適なインバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置に関する。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)は、鉄道やハイブリッド自動車の輸送機器の分野でも広く使われるようになってきている。ここで、ハイブリッド自動車では、エンジンの近くにインバータが置かれるため、産業機器に比べて高い温度で使用される。
ところで、IGBTは、npnp構造とMOSFETの複合構造であり、内部に寄生サイリスタを有する。このため、大電流領域で寄生サイリスタ動作が起き、ラッチアップを起こすとゲートで電流を制御できなくなり、素子が破壊する可能性がある。ラッチアップは高温になるほど起こりやすいため、IGBTを安全に使用するためには、絶対最大接合温度以下で動作させる必要がある。このため、IGBTの温度を測定する必要がある。
従来は、IGBTチップを冷却するフィンに、サーミスタを取付け、その抵抗値から温度を測定していた。しかしながら、この方法では、発熱体であるIGBTを温度検知のサーミスタの距離が遠いため、急激な温度上昇を正確に測定することはできないという問題があった。
それに対して、IGBTチップ上に温度センサとなるダイオードを内蔵する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。温度検知用ダイオードは、ゲート電極と同じポリシリコンで作られており、イオン注入及び拡散でp層,n層が形成されている。温度検知用ダイオードの温度と、ある電流を流した時の順方向電圧降下VFは、直線関係を有し、順方向電圧降下VFを測定することで温度を測定できる。
PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON POWER DEVICES&ICs , P449-452
しかしながら、チップ上に製造されたポリシリコンダイオードは、通常の単結晶上に製造されたものに比べて、結晶構造のばらつきなどから順方向電圧降下VFの絶対値がばらつく。このため、順方向電圧降下VFのみで温度を測定していた場合、順方向電圧降下VFばらつきが温度ばらつきとして測定されるため、高精度の温度測定ができないという問題があった。したがって、このダイオードを用いてIGBTの温度を測定した場合、IGBTを用いたインバータ装置の信頼性が低下するという問題がある。
本発明の目的は、チップ上に製造されたポリシリコンダイオードを使用しても高精度な温度測定ができ、信頼性の向上したインバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数のパワー半導体素子を有し、直流を交流に変換するインバータ装置であって、前記パワー半導体素子上に形成された温度測定用のダイオードと、基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1と、測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2との差である順方向電圧降下差から前記ダイオードの温度を測定する温度測定手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、高精度な温度測定ができ、信頼性を向上し得るものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記温度測定手段は、基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1を保持する保持手段と、測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2と、前記保持手段に保持された温度T1における順方向電圧降下VF1とを減算し、順方向電圧降下差を算出する減算手段とを備え、この減算手段の出力により、前記ダイオードの温度を測定するようにしたものである。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記温度測定手段は、前記ダイオードのアノード電圧をディジタル信号に変換するAD変換器と、前記AD変換器によりディジタル信号に変換された前記測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2を保持する第2の保持手段を備え、前記減算手段は、前記AD変換器によりディジタル信号に変換された前記順方向電圧降下VF1を保持する保持手段に保持された順方向電圧降下VF1と、前記第2の保持手段に保持された順方向電圧降下VF2とを減算し、順方向電圧降下差を算出するようにしたものである。
(4)上記(2)において、好ましくは、前記温度測定手段は、前記ダイオードのアノード電圧と三角波発生回路からの発生信号を比較する電圧比較回路と、前記電圧比較回路の出力パルスをカウントするカウンタと、前記カウンタによりカウントされた前記測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2を保持する第2の保持手段を備え、前記減算手段は、前記カウンタによりカウントされた前記順方向電圧降下VF1を保持する保持手段に保持された順方向電圧降下VF1と、前記第2の保持手段に保持された順方向電圧降下VF2とを減算し、順方向電圧降下差を算出するようにしたものである。
(5)上記(2)において、好ましくは、前記温度測定手段は、電圧を可変できる定電圧源を備え、前記減算手段は、前記定電圧源とダイオードのアノード電圧の差分を増幅する差動増幅回路である。
(6)また、上記目的を達成するために、本発明は、モータと、複数のパワー半導体素子を有し、直流を交流に変換して、前記モータに電力を供給するするインバータ装置と、前記モータ及び前記インバータ装置を制御する制御手段とを有するモータ駆動装置であって、前記パワー半導体素子上に形成された温度測定用のダイオードと、基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1と、測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2との差である順方向電圧降下差から前記ダイオードの温度を測定する温度測定手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、高精度な温度測定ができ、信頼性を向上し得るものとなる。
本発明によれば、チップ上に製造されたポリシリコンダイオードを使用しても高精度な温度測定ができ、信頼性を向上することができる。
以下、図1〜図4を用いて、本発明の一実施形態によるインバータ装置及びそれを用いたモータ駆動装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成を示すシステム構成図である。
車載用インバータ装置は車載電動機の駆動を制御するものであり、車載電源を構成する車載バッテリから供給された直流電力を交流電力に変換し、得られた交流電力を車載電動機に供給するものである。車載用インバータ装置と、車載電動機とを制御するコントロールユニットによって、モータ駆動装置が構成される。
図示の車両は、電動車両の1つであるハイブリッド自動車(HEV)である。HEVは、2つの動力システムを備えている。第1の動力システムは、内燃機関であるエンジンENGを動力源としたエンジンシステムである。エンジンシステムは、主としてHEVの駆動源として用いられる。第2の動力システムは、第1のモータジェネレータMG1を動力源とした電機システムである。電機システムは、主としてエンジンENGのアシスト源並びにHEVの電力発生源として用いられる。
車体のフロント部には、前輪車軸FDSが回転可能に軸支されている。前輪車軸FDSの両端には、1対の前輪FLW,FRWが設けられている。また、車体のリア部には、両端に1対の後輪が設けられた後輪車軸RRW,RLWが後輪車軸RDSによって回転可能に軸支されている。
本実施形態のHEVは、前輪駆動方式を採用している。このため、前輪車軸FDSの中央部にはデファレンシャルギアDEFが設けられている。前輪車軸FDSには、デファレンシャルギアDEFの出力側が機械的に接続されている。デファレンシャルギアDEFの入力側には、変速機T/Mの出力側が機械的に接続されている。デファレンシャルギアDEFは動力分配機構であり、変速機T/Mから伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸FDSに分配するものである。変速機T/Mは動力伝達機構であり、変速機T/Mに伝達された回転駆動力を変速してデファレンシャルギアDEFに伝達するものである。変速機T/Mに伝達される回転駆動力は、エンジンENG及び第1のモータジェネレータMG1から伝達されるものである。第2のモータジェネレータMG2は、エンジンENGによって駆動され、主として、発電機として用いられる。
モータジェネレータMG1は、専ら、モータジェネレータMG2の発電電力或いはバッテリBATの出力電力をインバータ装置INVを介して受けて電動機として動作し、車両を駆動するための回転駆動力を発生すると共に、駆動車軸FDSからの回転力を受けて発電機として動作し、発電した電力をインバータ装置INVを介してバッテリBATに供給する。モータジェネレータMG2は、専ら、エンジンENGの回転駆動力を受けて発電機として動作し、発電した電力をインバータ装置INVを介してバッテリBAT或いはモータジェネレータMG1に供給する。本実施形態のモータジェネレータMG1,MG2は三相交流同期式のもの、すなわち回転子の鉄心の内部に複数の永久磁石を埋め込んだ或いは回転子の鉄心の外周表面に複数の永久磁石を配置した永久磁石回転電機である。尚、モータジェネレータMG1,MG2としては、三相交流誘導式回転電機やリラクタンス式回転電機などのものを用いてもよいものである。
エンジンENGには、インジェクタ,スロットバルブ,点火装置,吸排気バルブ(いずれも図示省略)などの複数のコンポーネント機器が設けられている。インジェクタは、エンジンENGの気筒内に噴射される燃料の供給量を制御するための燃料噴射弁である。スロットバルブは、エンジンENGの気筒内に供給される空気の供給量を制御するための絞り弁である。点火装置は、エンジンENGの気筒内の混合気を燃焼させる火種を供給するための火源である。吸排気バルブは、エンジンENGの気筒の吸気側及び排気側に設けられた開閉弁であり、エンジンENGの作動サイクルに応じて開閉タイミングが制御されるものである。
各コンポーネント機器は、エンジン制御装置ECUによって制御される。エンジン制御装置ECUは、各コンポーネント機器を作動させるための制御信号(制御値)を、上位制御装置から出力された指令信号(指令値)、各種センサや他の制御装置などから出力された出力信号(各種パラメータ値)、予め記憶装置に記憶されているデータやマップなどから演算する。演算された制御信号(制御値)は、各コンポーネント機器の駆動装置に出力される。これにより、各コンポーネント機器の作動が制御され、エンジンENGの作動が制御される。
変速機T/Mには、変速機構が設けられている。変速機構は複数のギアから構成されたものであり、回転駆動力を入力軸から出力軸に伝達するギアの伝達経路を、車両の運転状態に応じて変えることにより、複数のギア比が得られるものである。変速機構は、変速機制御装置TCUによって制御される。変速機制御装置TCUは、変速機構を作動させるための制御信号(制御値)を、上位制御装置から出力された指令信号(指令値)、各種センサや他の制御装置などから出力された出力信号(各種パラメータ値)、予め記憶装置に記憶されているデータやマップなどから演算する。演算された制御信号(制御値)は、変速機構の駆動装置に出力される。これにより、変速機構の作動が制御され、変速機T/Mの作動が制御される。
モータジェネレータMG1,MG2の作動は、インバータ装置INVによって制御される。固定子の固定子巻線には、インバータ装置INVによって制御された三相交流電力が供給される。これにより、固定子は回転磁界を発生することができる。固定子巻線に供給される三相交流電力は、インバータ装置INVによって制御されたものであり、固定子巻線に供給された電流の作る固定子の起磁力の合成ベクトルが回転子の補助磁極の磁極中心位置よりも回転方向に向いたものである。固定子に回転磁界が発生すると、回転子には、永久磁石の磁束によるトルクと、補助磁極を通る磁束によるリラクタンストルクが発生する。これにより、回転子には、三相交流電力に応じた回転駆動力が発生する。すなわちモータジェネレータMG1,MG2は電動機として動作することができる。
インバータ装置INVは、高圧バッテリBATから供給された直流電力を三相交流電力に変換する電力変換装置であり、パワーモジュールPMU,駆動回路装置DCU及び電動機制御装置MCUを備えている。
パワーモジュールPMUは、インバータ装置INVの変換用主回路を構成しており、複数のパワー半導体素子を備えている。電動機制御装置MCUは、インバータ装置INVの制御部を構成しており、複数のパワー半導体素子をスイッチング動作(オン・オフ)させるための制御信号(制御値)を、上位制御装置から出力された指令信号(指令値)、各種センサや他の制御装置から出力された出力信号(各種パラメータ値)、予め記憶装置に記憶されているデータやマップなどに基づいて演算する。演算された制御信号(制御値)は、駆動回路装置DCUに出力される。駆動回路装置DCUはインバータ装置INVの駆動部を構成しており、複数のパワー半導体素子をスイッチング動作させるための駆動信号を、電動機制御装置MCUから出力された制御信号(制御値)に基づいて発生する。発生した駆動信号は、パワーモジュールPMUに出力される。
高圧バッテリBAT(高電圧系電源)は、インバータ装置INVの入力(直流)側に電気的に接続されている。これにより、高圧バッテリBAT(高電圧系電源)とインバータ装置INVは、相互に直流電力の授受を行うことができる。高圧バッテリBAT(高電圧系電源)に蓄えられた直流電力がインバータ装置INVに供給され、三相交流電力に変換される。
高圧バッテリBATは、バッテリ制御装置BCUによって充放電が制御され、また、寿命などが管理される。バッテリ制御装置BCUには、各バッテリの充放電制御や寿命管理のために、高圧バッテリBATの電圧値及び電流値などが入力される。
エンジン制御装置ECU,変速機制御装置TCU,電動機制御装置MCU及びバッテリ制御装置BCUは、車載用ローカルエリアネットワークLANを介して相互に電気的に接続されていると共に、総合制御装置GCUと電気的に接続されている。これにより、各制御装置間では双方向の信号伝送が可能になり、相互の情報伝達,検出値の共有などが可能になる。総合制御装置GCUは、車両の運転状態に応じて各制御装置に指令信号を出力するものである。例えば、総合制御装置GCUは、運転者の加速要求に基づいたアクセルの踏み込み量に応じて車両の必要トルク値を算出し、この必要トルク値を、エンジンENGの運転効率が良くなるように、エンジンENG側の出力トルク値と第1のモータジェネレータMG1側の出力トルク値とに分配する。分配されたエンジンENG側の出力トルク値はエンジントルク指令信号としてエンジン制御装置ECUに、分配された第1のモータジェネレータMG1側の出力トルク値はモータトルク指令信号として電動機制御装置MCUにそれぞれ出力される。
総合制御装置GCUは、運転者から発進合図の信号(例えばブレーキの踏み込みの解除を示す信号)が入力された場合、電動機制御装置MCUに回転数指令信号n* (回転数指令値)を出力する。これにより、インバータ装置INVは、次に示す直流−交流変換動作を行う。
電動機制御装置MCUは、パワーモジュールPMUのパワー半導体素子を動作させるための制御信号(制御値)を、総合制御装置GCUから出力された回転数指令信号n* (回転数指令値)に基づいて演算する。演算された制御信号(制御値)は、駆動回路装置DCUに出力される。駆動回路装置DCUは、パワーモジュールPMUのパワー半導体素子を動作させるための駆動信号を、電動機制御装置MCUから出力された制御信号(制御値)に基づいて発生する。発生した駆動信号は、パワーモジュールPMUに出力される。パワーモジュールPMUのパワー半導体素子は、駆動回路装置DCUから出力された駆動信号に基づいてスイッチング動作(オン・オフ)し、高圧バッテリBATから供給された直流電力を三相交流電力に変換する。
インバータ装置INVの変換動作で得られた三相交流電力は、モータジェネレータMG1,MG2の固定子に出力される。これにより、モータジェネレータMG1,MG2は電動機として作動し、パワーモジュールPMUから出力された三相交流電力に応じた回転駆動力を発生する。
総合制御装置GCUからエンジン制御装置ECUに出力されるトルク指令信号(トルク指令値)は、要求トルクτd に対応したエンジン回転数に相当する値である。エンジン制御装置ECUは、エンジンENGの各コンポーネント機器を制御するための制御信号(制御値)を、総合制御装置GCUから出力されたトルク指令信号(トルク指令値)に基づいて演算する。演算された制御信号(制御値)は、エンジンENGの各コンポーネント機器の駆動装置に出力される。これにより、エンジンENGの各コンポーネント機器の作動が制御され、エンジンENGの混合気の空燃比などが制御される。この制御により、エンジンENGは、要求トルクτd に対応する回転駆動力を出力する。
図1に示すハイブリッド自動車では複数の運転モードを有し、各運転モードに応じてエレクトリックパワートレインの駆動を制御している。まず、車両の発進時や低速走行時においては、主にモータジェネレータMG1を電動機として動作させ、モータジェネレータMG1で発生した回転駆動力を、デファレンシャルギアDEFを介して駆動車軸FDSに伝達する。これにより、駆動車軸FDSがモータジェネレータMG1の回転駆動力によって回転駆動されて前輸FRW,FLWが回転駆動し、車両が走行する、この時、モータジェネレータMG1には、バッテリBATからの出力電力(直流電力)がインバータ装置INVによって三相交流電力に変換されて供給される。
次に、車両の通常走行時(中速,高速走行時)においては、エンジンENGとモータジェネレータMG1を併用し、エンジンENGで発生した回転駆動力と、モータジェネレータMG1で発生した回転駆動力とを、デファレンシャルギアDFFを介して駆動車軸FDSに伝達する。これにより、駆動車軸FDSがエンジンENGとモータジェネレータMG1の回転駆動力によって回転駆動されて前輪FRW,FLWが回転駆動し、車両が走行する。また、エンジンENGで発生した回転駆動力の一部はモータジェネレータMG2に供給される。この動力の分配により、モータジェネレータMG2は、エンジンENGで発生した回転駆動力の一部によって回転駆動され、発電機として動作し、発電する。モータジェネレータMG2によって発電された三相交流電力はインバータ装置INVに供給され、一旦直流電力に整流された後、再び三相交流電力に変換し、モータジェネレータMG1に供給する。これにより、モータジェネレータMG1は回転駆動力を発生する。
次に、車両の加速時、特にエンジンENGに供給される空気量を制御するスロットル弁の開度が全開になる急加速時(例えば急勾配坂の登坂時で、アクセルの踏み込み量が大きい時)においては、前述した通常走行時の動作に加え、バッテリBATからの出力電力をインバータ装置INVによって三相交流電力に変換してモータジェネレータMG1に供給し、モータジェネレータMG1によって発生する回転駆動力を増加させる。
次に、車両の減速・制動時においては、前輪FRW,FLWの回動による駆動車軸FDSの回絵駆動力をデファレンシャルギアDFF、減速機RGを介してモータジェネレータMG1に供給して、モータジェネレータMG1を発電機として動作させ、発電させる、発電によって得られた三相交流電力(回生エネルギー)は、インバータ装置INVによって直流電力に整流され、バッテリBATに供給される。これにより、バッテリBATは充電される。車両の停止時は、基本的にはエンジンENG及びモータジェネレータMG1,MG2の駆動は停止されるが、バッテリBATの残量が少ない場合には、エンジンENGを駆動してモータジェネレータMG2を発電機として動作させ、得られた発電電力をインバータ装置INVを介してバッテリBATに供給する。
次に、図2を用いて、本実施形態によるインバータ装置INVの回路構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態によるインバータ装置INVの回路構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態のインバータ装置INVは、パワーモジュールPMU,駆動回路装置DCUから構成されている。なお、図2では、第1のモータジェネレータMG1に対するインバータ装置INVの構成のみを示しているが、インバータ装置INVは、第2のモータジェネレータMG2に対するパワーモジュール,駆動回路装置も備えており、それらの構成は、図2に示すものと同様である。
パワーモジュールPMUは、電力変換用の主回路を構成している。パワーモジュールPMUは、駆動回路装置DCUから出力された駆動信号を受けて動作し、高圧バッテリBATから供給された直流電力を三相交流電力に変換し、モータジェネレータMG1の固定子巻線に供給する。パワーモジュールPMUの主回路は3相ブリッジ回路であり、3相分のパワー半導体素子の直列回路(U相アームAu,V相アームAv,W相アームAw)が高圧バッテリBATの正極Pと負極Nとの間に電気的に並列に接続されて構成されている。直列回路はアームとも呼ばれ、2つのパワー半導体素子によって構成されている。
各アームは、上アーム側のパワー半導体素子と下アーム側のパワー半導体素子とが電気的に直列に接続されて構成されている。本実施形態では、パワー半導体素子として、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いている。IGBTは、別途、コレクタ電極とエミッタ電極との間にダイオード素子を電気的に接続する必要がある。IGBTは、コレクタ電極とエミッタ電極の他にゲート電極を備えている。各パワー半導体素子(IGBT)は、そのチップ上に、温度センサとなるダイオードDpu,Dnu,Dpv,Dnv,Dpw,Dnwを内蔵している。
パワー半導体素子としては、スイッチング半導体素子であるnチャネルのMOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ)を用いてもよいものである。MOSFETを構成する半導体チップは、ドレイン電極,ソース電極及びゲート電極の3つの電極を備えている。また、ドレイン電極とソース電極との間には、ソース電極からドレイン電極に向かう方向が順方向である寄生のダイオードが電気的に接続されている。
U相アームAuは、上アーム側のパワー半導体素子のエミッタ電極と下アーム側のパワー半導体素子のコレクタ電極が電気的に直列に接続されて構成されている。なお、V相アームAv及びW相アームAwもU相アームAuと同様であり、上アーム側のパワー半導体素子のエミッタ電極と下アーム側のパワー半導体素子のコレクタ電極が電気的に接続されて構成されている。
上アーム側のパワー半導体素子のコレクタ電極は、高圧バッテリBATの高電位側(正極側)に電気的に接続されている。下アーム側のパワー半導体素子のエミッタ電極は、高圧バッテリBATの低電位側(負極側)に電気的に接続されている。U相アームAuの中点(上アーム側パワー半導体素子のエミッタ電極と下アーム側パワー半導体素子のコレクタ電極との接続部分)は、モータジェネレータMG1のU相の固定子巻線に電気的に接続されている。V相アームAv,W相アームAwの中点もu相アームAuの中点と同様に、モータジェネレータMG1のV相,W相の固定子巻線に電気的に接続されている。
高圧バッテリBATの正極側と負極側との間には、パワー半導体素子の動作によって生じる直流電圧の変動を抑制するために、平滑用の電解コンデンサSECが電気的に接続されている。
パワーモジュールPMUは、ケースによって囲われたベース上に絶縁基板を介して半導体チップが実装され、三相ブリッジ回路が形成されるように、半導体チップ間、半導体チップと入力端子との間、半導体チップと出力端子との間がアルミワイヤや板状導体などの接続導体によって電気的に接続されて構成されている。ベースは、銅やアルミニウムなどの熱伝導性部材によって構成されている。ベースの下面は空気或いは冷却水などの冷却媒体によって冷却されるようになっている。ベースの下面には、冷却媒体による冷却効率を向上させるために、フィンなどが設けられている。絶縁基板は、窒化アルミニウムなどの絶縁部材からなるものである。半導体チップは、前述したIGBTを構成するものであり、両面に電極を有している。ベースと絶縁基板との間、絶縁基板と半導体チップとの間は、半田などの接合部材によって接合されている。
駆動回路装置DCUは、U相,V相,W相の各アームの上アーム側及び下アーム側のパワー半導体素子のゲート電極に電気的に接続されている。電動機制御装置MCUから出力された上アームパワー半導体素子の制御信号Vpu* (Vpv*,Vpw*)を受けて、受けた制御信号Vpu* (Vpv*,Vpw*)を、上アームパワー半導体素子を駆動するための駆動信号Vpu(Vpv,Vpw)として、上アームパワー半導体素子のゲート電極に出力される。
電動機制御装置MCUから出力された下アームパワー半導体素子の制御信号Vnu* (Vnv*,Vnw*)を受けて、受けた制御信号Vnu* (Vnv*,Vnw*)を、下アームパワー半導体素子を駆動するための駆動信号Vnu(Vnv,Vnw)として、下アームパワー半導体素子のゲート電極に出力される。
電動機制御装置MCUは、パワーモジュールPMUのパワー半導体素子を動作させるための制御値を、入力された複数の入力信号に基づいて演算し、演算された制御値を制御信号Vpu*〜Vnw*として駆動回路装置DCUに出力するものであり、制御値の演算を行うマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と称する)を備えている。
マイコンには、入力信号として、トルク指令信号(トルク指令値)τ* ,回転数指令信号(回転数指令値)n* ,検知信号(u相〜w相の電流値)iu〜iw及び検知信号(回転子の磁極位置)θが入力される。
トルク指令信号(トルク指令値)τ* 及び回転数指令信号(回転数指令値)n* は、車両の運転モードに応じて総合制御装置GCUから出力される。検知信号(u相〜w相の電流値)iu〜iwは電流センサCu〜Cwから出力される。検知信号(回転子の磁極位置)θは磁極位置センサから出力される。
電流センサCu〜Cwは、インバータ装置INV(パワーモジュールPMU)からモータジェネレータMG1,MG2の固定子の固定子巻線に供給されるu相〜w相電流iu〜iwを検知するためのものであり、シャント抵抗器,変流器(CT)などから構成されたものである。
磁極位置センサは、モータジェネレータMG1,MG2の回転子の磁極位置θを検出するためのものであり、レゾルバ,エンコーダ,ホール素子,ホールICなどから構成されたものである。
マイコンは、d軸,q軸の電流指令値Id*,Iq*を入力信号に基づいて演算し、演算された電流指令値Id*,Iq*に基づいて電圧制御値Vu〜Vwを演算し、演算された電圧制御値Vu〜Vwを、パワーモジュールPMUのパワー半導体素子を動作させるための制御信号(PWM信号(パルス幅変調信号))Vpu*〜Vnw*として駆動回路装置DCUに出力する。
電動機制御装置MCUは、温度測定手段TPを備えている。温度測定手段TPは、温度センサとなるダイオードDpu,Dnu,Dpv,Dnv,Dpw,Dnwの順方向電圧降下を測定するものであり、その詳細構成については、図3以降を用いて後述する。電動機制御装置MCUは、温度測定手段TPによって測定されたパワー半導体素子の温度が第1の所定温度T1以上になると、モータジェネレータMG1の各相コイルに流す電流を制限する。さらに、温度測定手段TPによって測定されたパワー半導体素子の温度が第1の所定温度T2(>T1)以上になると、モータジェネレータMG1の各相コイルに流す電流を遮断する。すなわち、第1の所定温度T1以上になった場合には、モータジェネレータMG1への通電電流を制限することで、とりあえず、モータジェネレータMG1は動作可能であるが、パワー半導体素子の温度がそれ以上上昇するのを阻止しようとする。ただし、第2の所定温度T2以上になると、パワー半導体素子の破壊の恐れもあるので、モータジェネレータMG1への通電を遮断する。
次に、図3及び図4を用いて、本実施形態によるインバータ装置INVに用いる温度測定手段TPの構成及び動作について説明する。
図3は、本発明の一実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。なお、図1,図2と同一符号は、同一部分を示している。図4は、本発明の一実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段による測定原理の説明図である。
パワー半導体素子(IGBT)SWは、そのチップ上に、温度センサとなるダイオードDを内蔵している。破線で示す範囲が、パワー半導体素子(IGBT)のチップである。
3相分のパワー半導体素子の直列回路(U相アームAu,V相アームAv,W相アームAw)において、各アームは、上アーム側のパワー半導体素子と下アーム側のパワー半導体素子とから構成されるが、ここでは、その一つのパワー半導体素子(IGBT)SWについてのみ図示しているが、他のパワー半導体素子(IGBT)SW及び温度センサとなるダイオードDも同様の構成である。
温度測定手段TPは、定電流源10と、マイコン20とから構成されている。定電流源10は、温度検知用ダイオードDの両端に接続されている。温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧は、マイコン20のAD変換器22に入力する。
マイコン20は、AD変換器22と、メモリ24,26と、演算器28とを備えている。AD変換器22によってディジタル信号に変換された電圧値は、初期温度T1での順方向電圧降下VF1を記憶する第1メモリ24と、測定温度T2での順方向電圧降下VF1を記憶する第2のメモリ26に記憶される。メモリ24,26の値は、演算器28にて、後述するように演算される。初期温度T1での順方向電圧降下VF1は、IGBTチップの製造時などにおいて、予め計測された値を記憶するようにしてもよいものである。IGBTチップの製造は、常温(例えば20℃)の環境で行われるため、このとき、温度T1と順方向電圧降下VF1の関係を計測することができる。
ここで、図4を用いて、本実施形態による温度測定手段TPによるチップ温度の測定原理について説明する。図4は、2つの温度検知用ダイオード(サンプルA,B)の温度と順方向電圧降下の関係を示している。順方向電圧降下の絶対値はサンプルによって変化する。しかしながら、本願発明者らは、温度Ta→Tbに変化した時の順方向電圧降下差(ΔVF)はサンプルが変化しても変わらないことを見出した。本発明では、この原理をもとに温度Ta→Tbに変化した時の順方向電圧降下差(ΔVF)を検知することで高精度な温度測定を行うようにしている。
そこで、本実施形態の温度測定手段TPでは、初期温度T1での温度検知ダイオードDの順方向電圧降下VF1を測定し、第1のメモリ24に記憶する。次に測定温度T2での温度検知ダイオードDの順方向電圧降下VF2を測定し、第2のメモリ26に記憶する。演算器28は、第1のメモリ24に記憶された順方向電圧降下VF1と、第2のメモリ26に記憶された順方向電圧降下VF2とを読み出し、両者の減算を行い、順方向電圧の差分ΔVF(=VF1−VF2)を計算する。前述したように、温度Ta→Tbに変化した時の順方向電圧降下差(ΔVF)はサンプルが変化しても変わらないので、差分ΔVFより温度変化ΔTが求められる。そして、測定したい第2の温度T2は、T1+ΔTとして、温度が正確に測定できる。通常は、IGBTチップの温度を連続して測定する必要があるため、逐次検出された温度検知ダイオードDの順方向電圧降下VFを、第2メモリ26に書き込み、演算器28は、第2メモリ26に書き込まれた順方向電圧降下VFを用いて、そのときのチップ温度を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、温度測定用ダイオードにおける順方向電圧降下の差分を用いることで、順方向電圧降下の絶対値のばらつきを補正できるため正確な温度測定ができ、温度計測誤差が小さくなることから、インバータ装置を構成するパワー半導体素子の温度が高温になる自体を防止して、インバータ装置の信頼性を向上することができる。
次に、図5を用いて、本発明の他の実施形態によるインバータ装置INVに用いる温度測定手段TP’の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態によるインバータ装置INVの回路構成は、図2に示したものと同様である。
図5は、本発明の他の実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。なお、図1,図2,図3と同一符号は、同一部分を示している。
温度測定手段TP’は、定電流源10と、マイコン20’と、電圧比較回路30と、三角波発生回路32とから構成されている。定電流源10は、温度検知用ダイオードDの両端に接続されている。温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧は、電圧比較回路30の一方の入力端子に入力する。電圧比較回路30の他方の入力端子には、三角波発生回路32が発生する三角波電圧が入力する。電圧比較回路30は、温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧と、三角波発生回路32が発生する三角波電圧を比較することで、温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧を、パルス幅の信号に変換する。
ここで、図3に示したように、マイコンのAD変換器に直接ダイオードのアノードを接続して順方向電圧を測定すると、IGBTのスイッチングなどで、順方向電圧信号にノイズ信号が重畳し、正確に測定できない場合がある。それに対して、電圧比較回路30により、温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧を、パルス幅の信号に変換することで、ノイズ耐量が改善される。
マイコン20’は、カウンタ23と、メモリ24,26と、演算器28とを備えている。電圧比較回路30の出力パルス信号は、マイコン20’のカウンタ23に入力され、電圧をパルスに変えることで、マイコン入力のノイズ耐性を向上することができる。さらにAD変換に対してカウンタは高速なので、温度測定期間も短縮できる。
演算器28は、第1のメモリ24に記憶された順方向電圧降下VF1と、第2のメモリ26に記憶された順方向電圧降下VF2とを読み出し、順方向電圧の差分ΔVF(=VF1−VF2)を計算し、差分ΔVFより温度変化ΔTが求められる。そして、測定したい第2の温度T2は、T1+ΔTとして、温度が正確に測定できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、温度測定用ダイオードにおける順方向電圧降下の差分を用いることで、順方向電圧降下の絶対値のばらつきを補正できるため正確な温度測定ができ、温度計測誤差が小さくなることから、インバータ装置を構成するパワー半導体素子の温度が高温になる自体を防止して、インバータ装置の信頼性を向上することができる。また、温度測定期間を短縮することができる。
次に、図6を用いて、本発明のその他の実施形態によるインバータ装置INVに用いる温度測定手段TP”の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態によるインバータ装置INVの回路構成は、図2に示したものと同様である。
図6は、本発明のその他の実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。なお、図1,図2,図3,図5と同一符号は、同一部分を示している。
温度測定手段TP”は、定電流源10と、電圧比較回路30と、三角波発生回路32と、差動増幅器34と、電圧可変の定電圧源36とから構成されている。定電流源10は、温度検知用ダイオードDの両端に接続されている。温度検知用ダイオードDのアノード端子の出力電圧は、差動増幅器34の一方の入力端子に入力する。差動増幅器34の一方の入力端子には、電圧可変の定電圧源36から一定電圧が供給される。差動増幅器34の出力は、電圧比較回路30の一方の入力端子に入力する。電圧比較回路30の他方の入力端子には、三角波発生回路32が発生する三角波電圧が入力する。電圧比較回路30は、電圧比較回路30の出力電圧と、三角波発生回路32が発生する三角波電圧を比較することで、電圧比較回路30の出力電圧を、パルス幅の信号に変換する。
図3にて説明したように、同じ温度Taでも、ダイオードの順方向電圧降下VFは、サンプルA,Bによって異なる。そこで、本実施形態では、たとえば出荷時に電圧比較器30のパルス幅が所定の値になるように、定電圧源36の電圧を調整する。これにより、順方向電圧降下のばらつき補正ができるため、以降マイコンを使用しなくても、パルス幅を測定すれば正確な温度が測定できる。すなわち、調整された後の定電圧源36は、温度T1における順方向電圧降下VF1を保持し出力するものに相当するため、図3における第1のメモリ24に相当するものである。
以上説明したように、本実施形態によれば、温度測定用ダイオードにおける順方向電圧降下の差分を用いることで、順方向電圧降下の絶対値のばらつきを補正できるため正確な温度測定ができ、温度計測誤差が小さくなることから、インバータ装置を構成するパワー半導体素子の温度が高温になる自体を防止して、インバータ装置の信頼性を向上することができる。また、マイコンを使用しないでも、温度測定が可能となる。
本発明の一実施形態によるモータ駆動装置を搭載したハイブリッド自動車の構成を示すシステム構成図である。 本発明の一実施形態によるインバータ装置INVの回路構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段による測定原理の説明図である。 本発明の他の実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。 本発明のその他の実施形態によるインバータ装置に用いる温度測定手段の構成を示す回路図である。
符号の説明
SW…IGBT
D…ダイオード
10…定電流源
20…マイコン
22…A/D変換器
24,26…メモリ
28…演算器
23…カウンタ
30…電圧比較回路
32…三角波発生回路
34…差動増幅回路
36…定電圧回路

Claims (6)

  1. 複数のパワー半導体素子を有し、直流を交流に変換するインバータ装置であって、
    前記パワー半導体素子上に形成された温度測定用のダイオードと、
    基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1と、測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2との差である順方向電圧降下差から前記ダイオードの温度を測定する温度測定手段とを備えることを特徴とするインバータ装置。
  2. 請求項1記載のインバータ装置において、
    前記温度測定手段は、
    基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1を保持する保持手段と、
    測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2と、前記保持手段に保持された温度T1における順方向電圧降下VF1とを減算し、順方向電圧降下差を算出する減算手段とを備え、
    この減算手段の出力により、前記ダイオードの温度を測定することを特徴とするインバータ装置。
  3. 請求項2記載のインバータ装置において、
    前記温度測定手段は、
    前記ダイオードのアノード電圧をディジタル信号に変換するAD変換器と、
    前記AD変換器によりディジタル信号に変換された前記測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2を保持する第2の保持手段を備え、
    前記減算手段は、前記AD変換器によりディジタル信号に変換された前記順方向電圧降下VF1を保持する保持手段に保持された順方向電圧降下VF1と、前記第2の保持手段に保持された順方向電圧降下VF2とを減算し、順方向電圧降下差を算出することを特徴とするインバータ装置。
  4. 請求項2記載のインバータ装置において、
    前記温度測定手段は、
    前記ダイオードのアノード電圧と三角波発生回路からの発生信号を比較する電圧比較回路と、
    前記電圧比較回路の出力パルスをカウントするカウンタと、
    前記カウンタによりカウントされた前記測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2を保持する第2の保持手段を備え、
    前記減算手段は、前記カウンタによりカウントされた前記順方向電圧降下VF1を保持する保持手段に保持された順方向電圧降下VF1と、前記第2の保持手段に保持された順方向電圧降下VF2とを減算し、順方向電圧降下差を算出することを特徴とするインバータ装置。
  5. 請求項2記載のインバータ装置において、
    前記温度測定手段は、
    電圧を可変できる定電圧源を備え、
    前記減算手段は、前記定電圧源とダイオードのアノード電圧の差分を増幅する差動増幅回路であることを特徴とするインバータ装置。
  6. モータと、
    複数のパワー半導体素子を有し、直流を交流に変換して、前記モータに電力を供給するするインバータ装置と、
    前記モータ及び前記インバータ装置を制御する制御手段とを有するモータ駆動装置であって、
    前記パワー半導体素子上に形成された温度測定用のダイオードと、
    基準となる温度T1における前記ダイオードの順方向電圧降下VF1と、測定温度T2における前記ダイオードの順方向電圧降下VF2との差である順方向電圧降下差から前記ダイオードの温度を測定する温度測定手段とを備えることを特徴とするモータ駆動装置。
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