JP2009239874A - 中継用パッシブアンテナシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】基地局と移動端末との間の無線通信を中継する中継用パッシブアンテナシステムにおいて、アンテナの数を必要最小限に抑えつつ良好な中継を実現できるようにする。
【解決手段】携帯電話の基地局4と、この基地局4からの電波が届かない不感エリア内の携帯端末6との間で、デジタル通信用の無線電波を中継する中継アンテナシステム2において、基地局4との間で電波を送受信する基地局側アンテナ10を水平スタックアンテナにて構成することにより、基地局側アンテナ10を、携帯端末6との間で電波を送受信する端末側アンテナ20に比べて、アンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナとする。この結果、基地局側アンテナ10により、システム全体の中継利得を高めて、基地局側アンテナ10が不要な電波を受信するのを防止することができ、しかも、端末側アンテナ20が携帯端末6と送受信可能なエリアを広くすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】携帯電話の基地局4と、この基地局4からの電波が届かない不感エリア内の携帯端末6との間で、デジタル通信用の無線電波を中継する中継アンテナシステム2において、基地局4との間で電波を送受信する基地局側アンテナ10を水平スタックアンテナにて構成することにより、基地局側アンテナ10を、携帯端末6との間で電波を送受信する端末側アンテナ20に比べて、アンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナとする。この結果、基地局側アンテナ10により、システム全体の中継利得を高めて、基地局側アンテナ10が不要な電波を受信するのを防止することができ、しかも、端末側アンテナ20が携帯端末6と送受信可能なエリアを広くすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、基地局と移動端末との間で行われる無線通信を中継するのに好適な中継用パッシブアンテナシステムに関する。
従来、基地局と、基地局からの電波が届かない不感エリア内の移動端末との間の無線通信を中継する中継システムとして、基地局との間で電波を送受信する基地局側アンテナと、不感エリア内の移動端末との間で電波を送受信する端末側アンテナとの2種類のアンテナを設置し、これらを同軸ケーブル等で単に接続することにより中継を行う中継用パッシブアンテナシステムが知られている。
この中継用パッシブアンテナシステムは、信号を増幅する増幅装置やチャンネル変換装置を設ける必要がなく、構成、メンテナンス等が簡単になるため、送受信する電波の強度が低くなっても通信が可能なデジタル通信用の中継システムとして利用することが考えられている。
また、中継用パッシブアンテナシステムでは、システム全体のアンテナ利得(中継利得)が低いと、中継可能エリアが狭くなるため、基地局側アンテナと端末側アンテナとからなる一対の中継用アンテナを複数組設置し、各組毎に中継用の信号を異なる遅延量で遅延させることで、疑似的なマルチパス信号を発生させ、受信側では受信信号を合成することで、中継利得を見かけ上大きくすることが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2005−12608号公報
上記提案の中継用パッシブアンテナシステムは、受信側で所謂レイク受信を行うことによって、中継利得を見かけ上大きくして、受信側の受信電力を確保しているが、このレイク受信を実現するには、上記のように基地局側アンテナと端末側アンテナとを複数組設置しなければならず、これら複数のアンテナの設置場所を確保するのが難しいという問題があった。
一方、アンテナの数を増加させることなく中継利得を高めるためには、基地局側アンテナ及び端末側アンテナに、高利得のアンテナを使用すればよいが、これら各アンテナの利得を単に上げただけでは、中継可能な不感エリアが狭くなるとか、中継すべき基地局とは異なる基地局からの電波も中継してしまい、良好な中継を実現できなくなる、という問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、基地局と移動端末との間で行われる無線通信を中継する中継用パッシブアンテナシステムにおいて、中継に用いるアンテナの数を必要最小限に抑えつつ良好な中継を実現できるようにすることを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、基地局との間で電波を送受信可能なエリアに設置された基地局側アンテナと、基地局からの電波が届かないエリア内の移動端末との間で電波を送受信するための端末側アンテナと、これら各アンテナを接続する伝送線とからなり、前記基地局と前記移動端末との間で送受信される電波を中継する中継用パッシブアンテナシステムであって、前記基地局側アンテナを、前記端末側アンテナよりもアンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナにて構成したことを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の中継用パッシブアンテナシステムにおいて、前記基地局側アンテナを、一対のアンテナを間隔を空けて水平に配置したスタックアンテナにて構成したことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の中継用パッシブアンテナシステムにおいて、前記伝送線には、中継対象外の不要な信号の通過を阻止するフィルタが設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の中継用パッシブアンテナシステムにおいては、基地局側アンテナと端末側アンテナとのアンテナ特性が異なり、基地局側アンテナには、端末側アンテナに比べて、アンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナが使用される。
このため、本発明によれば、基地局側アンテナのアンテナ利得によって、中継利得を高めることができると共に、基地局側アンテナの指向性を鋭くすることにより、基地局側アンテナが、中継すべき基地局とは異なる基地局からの電波を受信して中継してしまい、移動端末側で混信が発生するのを防止できる。
また、本発明によれば、端末側アンテナのアンテナ利得を低くして、その指向性を広くすることができるので、端末側アンテナが移動端末と送受信可能なエリアを広くして、当該システムによる中継可能エリアを広げることができる。
よって、本発明によれば、中継に用いるアンテナの数を必要最小限に抑えつつ、良好な中継を実現できるようになる。
ここで、基地局側アンテナは、一つのアンテナにて構成してもよいが、アンテナ単体で利得を高め、指向特性を鋭くするには限界があるため、請求項2に記載のように、一対のアンテナを間隔を空けて水平に配置したスタックアンテナにて構成してもよい。
ここで、基地局側アンテナは、一つのアンテナにて構成してもよいが、アンテナ単体で利得を高め、指向特性を鋭くするには限界があるため、請求項2に記載のように、一対のアンテナを間隔を空けて水平に配置したスタックアンテナにて構成してもよい。
また、本発明の中継用パッシブアンテナシステムは、基地局側アンテナと端末側アンテナとを単に接続して、各アンテナで受信した電波を他方のアンテナから送信するものであるため、中継対象外の通信システムで送受信される電波が各アンテナで送受信可能な周波数であれば、その電波についても中継してしまうことになり、他の通信システムに悪影響を与えることも考えられる。
このため、このような問題が生じる虞がある場合には、基地局側アンテナと端末側アンテナと接続する伝送線に、中継対象外の不要な信号の通過を阻止するフィルタを設ける用にしてもよい。
なお、このフィルタは、他の通信システムで双方向に送受信される2種類の信号のうち、一方の信号のみを遮断するようにすれば、他の通信システムでの無線通信に影響を与えるのを防止できる。
以下に本発明の一実施形態を図面と共に説明する
図1は、本発明が適用された実施形態の中継用パッシブアンテナシステム(以下、単に中継アンテナシステムという)2の概略構成を表す説明図である。
図1は、本発明が適用された実施形態の中継用パッシブアンテナシステム(以下、単に中継アンテナシステムという)2の概略構成を表す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の中継アンテナシステム2は、デジタル通信方式の携帯電話の基地局4と、この基地局4からの電波が届かない不感エリア(図に点線で示す)内の携帯端末(携帯電話、携帯型情報端末等)6との間で、デジタル通信用の無線電波を中継するためのものであり、基地局4との間で電波を送受信する基地局側アンテナ10と、不感エリア内の携帯端末6との間で電波を送受信する端末側アンテナ20と、これら両アンテナ間を接続する伝送線(同軸ケーブル)とから構成されている。
また、本実施形態の基地局側アンテナ10は、図2に示すように、2つのアンテナ装置12を、所定間隔を開けて水平に配置したスタックアンテナから構成されており、端末側アンテナ20は、図3に示すように、一つのアンテナ装置22にて構成されている。
このため、基地局側アンテナ10と端末側アンテナ20とを接続する伝送線には、基地局側アンテナ10を構成する2つのアンテナ装置12からの受信信号を混合して、端末側アンテナ20を構成するアンテナ装置22に出力する分配・合成器8が設けられている。なお、この分配・合成器8は、端末側アンテナ20を構成するアンテナ装置22からの受信信号を2分配して、基地局側アンテナ10を構成する2つのアンテナ装置12に出力する分配器としても機能する。
次に、基地局側アンテナ10及び端末側アンテナ20を構成するアンテナ装置12、22は、図4に示すように構成されている。
すなわち、上記各アンテナ装置12、22は、スリーブアンテナからなる放射器32と、送受信する電波の波長に対し略1/2の長さ(2分の1波長)を有する導体棒を所定間隔で平行に並べた導波器34とからなり、これらを、発砲スチロールで形成した半円柱形の保持体36、37で挟み、半円筒形のケース部材38、39の開口部を互いに嵌合することで円筒形に形成されるケース内に収納することにより構成されている。
すなわち、上記各アンテナ装置12、22は、スリーブアンテナからなる放射器32と、送受信する電波の波長に対し略1/2の長さ(2分の1波長)を有する導体棒を所定間隔で平行に並べた導波器34とからなり、これらを、発砲スチロールで形成した半円柱形の保持体36、37で挟み、半円筒形のケース部材38、39の開口部を互いに嵌合することで円筒形に形成されるケース内に収納することにより構成されている。
このケースは、放射器32及び導波器34を保護するためのものであり、アンテナ特性に影響を与えることのないよう、耐久性に優れた合成樹脂にて構成されている。そして、このケースにおいて、放射器32が設けられた後端側には、放射器32に同軸ケーブルを接続するための端子40が突設されている。
また、携帯電話では、2GHz帯の電波が利用されるので、放射器32を構成するスリーブアンテナの長さや、導波器34を構成する導体棒の長さ、或いは、基地局側アンテナ10を構成する一対のアンテナ装置22の間隔等は、この電波の波長に応じて設定されている。
次に、上記のように円柱形に構成されたアンテナ装置12、22の後端側(つまり、放射器32の導波器34とは反対側)には、夫々、支柱に固定するための固定部材14、24が設けられている(図2、図3参照)。
そして、図3に示すように、1つのアンテナ装置22で構成される端末側アンテナ20は、アンテナ装置22に設けられた固定部材24を介して、設置点の支柱に取り付けられる。
また、図2に示すように、一対のアンテナ装置12にてスタックアンテナとして構成される基地局側アンテナ10には、これら一対のアンテナ装置12を、所定間隔を開けて平行に配置するためのスタックブーム16が設けられている。
このスタックブーム16は、支柱として使用されるパイプをコの字状に曲げたものであり、一対のアンテナ装置12は、後端に設けられた固定部材14を介してスタックブーム16の両端に固定することで、間隔を開けて平行に配置される。
そして、基地局側アンテナ10は、設置点において、このスタックブーム16の中央を、固定部材18を介して支柱に固定することで、基地局に向くよう配置される。
なお、図2及び図3において、(a)は各アンテナ10、20の平面図、(b)は各アンテナ10、20の正面図、(c)は各アンテナ10、20の側面図である。
なお、図2及び図3において、(a)は各アンテナ10、20の平面図、(b)は各アンテナ10、20の正面図、(c)は各アンテナ10、20の側面図である。
以上説明したように、本実施形態の中継アンテナシステム2においては、基地局側アンテナ10が、端末側アンテナ20と同一構成のアンテナ装置12を、一対、水平に配置したスタックアンテナにて構成されている。このため、基地局側アンテナ10は、端末側アンテナ20に比べて、アンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナとなる。
従って、本実施形態によれば、基地局側アンテナ10のアンテナ利得によって、中継アンテナシステム2全体の中継利得を高めることができると共に、基地局側アンテナ10の指向性を鋭くすることにより、基地局側アンテナ10が、中継すべき基地局とは異なる基地局からの電波を受信して中継してしまうのを防止できる。
また、本実施形態によれば、端末側アンテナ20のアンテナ利得を低くして、その指向性を鈍くすることができるので、端末側アンテナ20が携帯端末6と送受信可能なエリアを広くして、当該システムによる中継可能エリアを広げることができる。
よって、本実施形態によれば、中継に用いるアンテナ装置の数を必要最小限に抑えつつ、良好な中継を実現できるようになる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、基地局側アンテナ10と端末側アンテナ20とは、受信信号を合成/分配する分配・合成器8を介して接続されるものとして説明したが、図1に点線で示すように、分配・合成器8と端末側アンテナ20との間の伝送線(若しくは分配・合成器8内)に、中継対象となる信号のみを通過させ、中継対象外の不要な信号の通過を阻止するフィルタ9を設けるようにしてもよい。
つまり、当該中継アンテナシステム2で中継する携帯電話の電波は、電話会社毎に周波数が異なるものの、現在、その電波の周波数帯は、全て2GHz帯となっているので、当該中継アンテナシステム2では、中継対象となる電話会社とは異なる電話会社の電波をも中継してしまい、その電話会社の通信網に悪影響を与えることも考えられるが、上記のようにフィルタ9を設けて、中継対象となる信号以外は中継しないようにすれば、こうした問題を防止できる。
なお、このようにフィルタ9を設けて、他の電話会社で使用される電波を中継するのを防止する際には、必ずしも、携帯端末から基地局側への上り方向の信号と基地局側から携帯端末への下り方向の信号との両方を遮断する必要はなく、何れか一方の信号を遮断するようにすればよい。つまり、このようにすれば、携帯電話による通話ができなくなるので、他の電話会社の通信に悪影響を与えるのを防止できる。
また次に、上記実施形態では、本発明を、携帯電話用の中継アンテナシステム2に適用した場合について説明したが、本発明は、携帯電話用に限らず、移動する端末(移動端末)と基地局との間で双方向の無線通信を行うシステムであれば、上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
2…中継アンテナシステム、4…基地局、6…携帯端末、8…分配・合成器、9…フィルタ、10…基地局側アンテナ、20…端末側アンテナ、12,22…アンテナ装置、14,24…固定部材、16…スタックブーム、18…固定部材、32…放射器、34…導波器、36,37…保持体、38,39…ケース部材、40…端子。
Claims (3)
- 基地局との間で電波を送受信可能なエリアに設置された基地局側アンテナと、
基地局からの電波が届かないエリア内の移動端末との間で電波を送受信するための端末側アンテナと、
これら各アンテナを接続する伝送線とからなり、
前記基地局と前記移動端末との間で送受信される電波を中継する中継用パッシブアンテナシステムであって、
前記基地局側アンテナを、前記端末側アンテナよりもアンテナ利得が高く、指向性の鋭いアンテナにて構成したことを特徴とする中継用パッシブアンテナシステム。 - 前記基地局側アンテナを、一対のアンテナを間隔を空けて水平に配置したスタックアンテナにて構成したことを特徴とする請求項1に記載の中継用パッシブアンテナシステム。
- 前記伝送線には、中継対象外の不要な信号の通過を阻止するフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中継用パッシブアンテナシステム。
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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