JP2009239602A - 差動増幅器、ローカルバッファ回路及び無線通信装置 - Google Patents

差動増幅器、ローカルバッファ回路及び無線通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】差動増幅機能に加えて高周波成分が低下することを補正する補正機能を有する回路をきわめて簡単な回路で構成する。
【解決手段】第1及び第2のトランジスタQ1,Q2を備えた差動増幅器25は、トランジスタQ1のエミッタにアノードが接続され、トランジスタQ2のエミッタにカソードが接続された第1のダイオードD1と、トランジスタQ1のエミッタにカソードが接続され、トランジスタQ2のエミッタにアノードが接続された第2のダイオードD2のうちの少なくとも1つを備える。これにより、差動増幅器25は、入力信号を増幅しかつそのスパイク波形を生成してスパイク波形を有する出力信号を出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばスパイク波形などの急峻な信号波形を発生することができる差動増幅器と、上記差動増幅器を用いたローカルバッファ回路と、上記ローカルバッファ回路を用いた無線通信装置とに関する。
近年、移動体通信に用いられるディジタル直交変調方式では、周波数の利用効率を高めるために、互いに90度の位相差を有する2つのべ−スバンド信号を送受信時に使用する。この2つのべ−スバンド信号は、I信号、Q信号と呼ばれる。無線送信機において、互いに90度の位相差を有する2つの搬送波信号を、これらのI信号及びQ信号に従って、例えばQAM変調方式などでディジタル変調された後送信される。一方、無線受信機において、受信された無線信号をディジタル復調することにより、ベースバンド信号であるI信号及びQ信号を得る。このとき、無線受信機では、I信号とQ信号の90度の位相差を正確に実現する90度移相器を備えたディジタル復調器が必要となる。ディジタル復調器で復調するために使用する局部発振I信号及び局部発振Q信号は、シンセサイザで構成された局部発振器で生成された局部発振信号に基づいて、90度移相器を用いて生成し、ローカルバッファ回路を介して、復調器のスイッチングに十分な振幅に増幅して使用する手法が一般的に用いられている。
図9は従来技術に係る無線通信装置10Aの構成を示すブロック図であり、図10は図9のローカルバッファ回路23Aの構成を示す回路図である。また、図11は図10のローカルバッファ回路23Aへの入力信号Sia’,Sqa’の波形図であり、図12は図10のローカルバッファ回路23Aからの出力信号Sib’,Sqb’の波形図である。なお、各信号Sia’,Sqa’,Sib’,Sqb’において、その信号の符号の添字の第1文字はI信号とQ信号の別を表し、第2文字は信号検出の位置を表し、以下、同様である。また、図11及び図12において、VDCは所定のDC電圧であり、図12において、Vthはハイレベルのしきい値電圧であり、Vth−はローレベルのしきい値電圧である。
図9において、従来技術に係る無線通信装置10Aは、アンテナ11と、デュプレクサ12と、ベースバンドデジタル信号処理回路13と、無線送信回路14と、無線受信回路15Aとを備えて構成される。ここで、無線受信回路15Aは、低雑音増幅器16と、復調器である混合器17と、ローカルシンセサイザと呼ばれる局部発振器21と、90度移相器22と、ローカルバッファ回路23Aと、可変利得増幅器18と、低域通過フィルタ19と、A/D変換器20とを備えて構成される。無線受信回路15Aにおいて、アンテナ11により受信された無線信号は、デュプレクサ12及び低雑音増幅器16を介して、混合器17に入力される。混合器17では、入力された無線信号と、局部発振器21から90度移相器22及びローカルバッファ回路23Aを介して入力されかつ互いに90度の位相差を有する局部発振I信号及びQ信号とが乗算されて混合されることにより、ベースバンドI信号及びQ信号に復調される。
図10のローカルバッファ回路23Aでは、局部発振I信号と局部発振Q信号のいずれかで用いられる差動増幅器を示しており、実際には、局部発振I信号と局部発振Q信号に対してそれぞれ必要であるので、図10の2つの差動増幅器を必要とする。図10において、差動増幅器は、入力端子T1,T2と出力端子T3,T4との間に、2つのNPNトランジスタQ1,Q2からなる差動トランジスタ対TP1を備え、その電源電圧VDD側には負荷抵抗R1,R2が接続される一方、接地側には電流源S11が接続される。
特開昭62−159983号公報。 特開2003−060441号公報。
しかしながら、上記従来技術に係る無線受信回路15Aでは、局部発振器21から90度移相器22及びローカルバッファ回路23Aを介して混合器17までの局部発振信号線において、寄生抵抗や寄生容量などの寄生成分が発生することで、矩形パルスの局部発振信号Sia’,Sqa’の高周波成分が低下して局部発振信号の波形の立ち上がりを鈍らせ(図11の信号Sia’,Sqa’(図11の入力端子T1,T2での局部発振信号)及び図12の信号Sib’,Sqb’(図11の出力端子T3,T4での局部発振信号)参照。)、混合器17では、正確な90度の位相差で復調することが難しくなり、復調されるベースバンドI信号及びQ信号において波形劣化をもたらし、これにより、例えばビットエラーレートの低下などの無線通信品質の劣化を招いてしまうという問題点があった。なお、図12において、αは90度からの誤差である。
ここで、例えばローカルバッファ回路23Aなどにおいて用いる差動増幅器では、差動増幅機能を有しているが、矩形パルスの局部発振信号Sia’,Sqa’の高周波成分が低下することを補正する補正機能を有していないので、上述のように、局部発振信号において波形劣化をもたらす。
図13は特許文献1において開示された従来技術に係るビデオ信号補正回路の構成を示す回路図である。図13において、ビデオ信号補正回路は、入力端子81と出力端子88との間に、キャパシタ82及び抵抗83にてなる微分回路84と、ダイオード89とバイアス直流電源90にてなるクランプ回路85と、加算器87とを備えて構成される。当該ビデオ信号補正回路では、微分回路84が低域通過フィルタを構成しているので、例えば、当該補正回路をローカルバッファ回路23Aにおいて用いた場合には、時定数が比較的大きく、入力される信号の高周波成分を低下させ遅延を発生させるので、上述と同様に、局部発振信号において波形劣化をもたらすという問題点があった。
本発明の第1の目的は以上の問題点を解決し、差動増幅機能に加えて高周波成分が低下することを補正する補正機能を有する回路をきわめて簡単な回路で構成することができる差動増幅器を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は以上の問題点を解決し、差動増幅機能及び補正機能を有する差動増幅器を用いたローカルバッファ回路及び、上記ローカルバッファ回路を用いた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係る差動増幅器は、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタにてなるエミッタ接地の差動トランジスタ対を備え、電源電圧源が第1の負荷部と上記第1のトランジスタと第1の電流源とを介して接地されるとともに、第2の負荷部と上記第2のトランジスタと第2の電流源とを介して接地されてなり、上記第1及び第2のトランジスタの各ベースを入力端子とし、上記第1及び第2のトランジスタの各コレクタを出力端子とする差動増幅器において、
上記第1のトランジスタのエミッタにアノードが接続され、上記第2のトランジスタのエミッタにカソードが接続された第1のダイオードと、
上記第1のトランジスタのエミッタにカソードが接続され、上記第2のトランジスタのエミッタにアノードが接続された第2のダイオードのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする。
また、第2の発明に係るローカルバッファ回路は、
上記差動増幅器である第1の差動増幅器と、
上記入力端子に入力される入力信号を差動増幅して出力する第2の差動増幅器と、
上記第1の差動増幅器からの出力信号と、上記第2の差動増幅器からの出力信号とを加算して、加算結果の信号を出力する加算回路とを備えたことを特徴とする。
さらに、第3の発明に係る無線通信装置は、受信された無線信号を、局部発振器により発生される互いに直交する局部発振I信号及び局部発振Q信号と乗算することにより混合してベースバンドI信号及びベースバンドQ信号を発生する混合器を備えた無線通信装置において、
上記局部発振器により発生される局部発振I信号及び局部発振Q信号をそれぞれ請求項2記載の各ローカルバッファ回路により信号処理した後、上記混合器に出力することを特徴とする。
本発明に係る差動増幅器によれば、第1および第2のトランジスタの各ベース端子に入力信号が入力されることにより生じる上記第1のトランジスタのベース・エミッタ間電圧と上記第2のトランジスタのベース・エミッタ間電圧との間の電位差を打ち消すための、第1のトランジスタのエミッタ電圧と第2のトランジスタのエミッタ電圧との間の電位差を変化させる第1のダイオード又は第2のダイオードのうち少なくとも1つを備えている。上記第1および第2のトランジスタの各ベース端子に入力信号が入力された瞬間は、上記第1および第2のダイオードのアノード・カソード間の電位差はゼロであるため、上記第1および第2のダイオードはオフ状態であり、差動増幅器は、通常の動作となる。その後、上記第1および第2のトランジスタの各ベース端子に入力信号が入力されてから一定時間たつと、上記第1および第2のダイオードのアノード・カソード間には電位差があるため、上記第1又は第2のダイオードは徐々にオン状態となり、上記第1又は第2のダイオードには、それぞれ順方向の電流が流れるため、上記第1および第2のダイオードには電圧降下が生じ、上記第1のトランジスタのベース・エミッタ間電圧と上記第2のトランジスタのベース・エミッタ間電圧との間の電位差をゼロに戻すため、上記差動増幅器の出力信号では、信号波形の立ち上がりまたは立下りの急峻なスパイク形状の出力波形を生成することができる。
従って、差動増幅機能に加えて高周波成分を低下させることなくスパイク波形を発生する機能を有する回路を、きわめて簡単な回路で構成することができる。特に、2つのトランジスタと少なくとも1つのダイオードで構成しているので、特許文献1の補正回路のように高周波成分を低下させることなく、高速でスイッチングさせて急峻なスパイク波形を発生することができる。
また、上記差動増幅器を用いてローカルバッファ回路を構成することにより、信号波形の立ち上がり又は立ち下がりが急峻な局部発振信号を生成することができるため、局部発振信号線において寄生成分が存在しても、信号波形の立ち上がり又は立下がりの劣化を低減することができる。
さらに、上記ローカルバッファ回路を用いて無線通信装置を構成することにより、より正確な所定の位相差を実現した局部発振信号を発生させて、無線信号と混合するので、回線品質の劣化を防止することができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置10の構成を示すブロック図であり、図2は図1のローカルバッファ回路23の構成を示す回路図である。
図1において、本実施形態に係る無線通信装置10は、アンテナ11と、デュプレクサ12と、ベースバンドデジタル信号処理回路13と、無線送信回路14と、無線受信回路15とを備えて構成される。ここで、無線受信回路15は、低雑音増幅器16と、復調器である混合器17と、ローカルシンセサイザと呼ばれる局部発振器21と、90度移相器22と、ローカルバッファ回路23と、可変利得増幅器18と、低域通過フィルタ19と、A/D変換器20とを備えて構成される。無線受信回路15において、アンテナ11により受信された無線信号は、デュプレクサ12及び低雑音増幅器16を介して、混合器17に入力される。混合器17では、入力された無線信号と、局部発振器21から90度移相器22及びローカルバッファ回路23を介して入力されかつ互いに90度の位相差を有する局部発振I信号及びQ信号Sib,Sqbとが乗算されて混合されることにより、ベースバンドI信号及びQ信号Sid,Sqdに復調される。
図2のローカルバッファ回路23では、局部発振I信号Siaと局部発振Q信号Sqaのいずれかで用いられる回路を示しており、実際には、局部発振I信号Siaと局部発振Q信号Sqaに対してそれぞれ必要であるので、図2の2つの回路を必要とする。図2において、図2のローカルバッファ回路23は、入力端子T1,T2と出力端子T3,T4との間に、
(A)第1の差動増幅器25を構成するための、電流源S1,S2、負荷抵抗R1,R2及びエミッタ接地の差動トランジスタ対TP1(NPNトランジスタQ1,Q2にてなる)と、
(B)差動増幅された信号においてスパイク波形を生成するためのスパイク波形生成回路26(互いに逆方向で並列接続された2つのダイオードD1,D2にてなる)と、
(C)第2の差動増幅器を構成するための、電流源S3及びエミッタ接地の差動トランジスタ対TP2(NPNトランジスタQ3,Q4にてなる)と、
(D)2つの差動増幅器からの各出力信号を緩衝増幅して加算する加算回路を構成するためのエミッタ接地のトランジスタ対TP3(NPNトランジスタQ5,Q6にてなり、エミッタフォロワー回路を構成する)とを備えて構成される。
図2において、入力端子T1は、各トランジスタQ1,Q3の各ベースに接続され、入力端子T2は、各トランジスタQ2,Q4の各ベースに接続される。直流電圧源VDDは負荷抵抗R1と、トランジスタQ1のコレクタ及びエミッタと、ダイオードD1のアノードと、ダイオードD2のカソードと、電流源S1とを介して接地される。また、直流電圧源VDDは負荷抵抗R2と、トランジスタQ2のコレクタ及びエミッタと、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のアノードと、電流源S2とを介して接地される。ここで、抵抗R1とトランジスタQ1のコレクタとの接続点からの出力信号Sic又はSqcの正側信号はトランジスタQ5のベースに印加され、抵抗R2とトランジスタQ2のコレクタとの接続点からの出力信号Sic又はSqcの負側信号はトランジスタQ6のベースに印加される。さらに、直流電圧源VDDは、トランジスタQ5のコレクタ及びエミッタと、トランジスタQ3のコレクタ及びエミッタと、電流源S3とを介して接地され、直流電圧源VDDは、トランジスタQ6のコレクタ及びエミッタと、トランジスタQ4のコレクタ及びエミッタと、電流源S3とを介して接地される。ここで、トランジスタQ5のエミッタとトランジスタQ3のコレクタとの間の接続点から出力信号Sib又はSqbの正側信号が出力端子T3に出力され、トランジスタQ6のエミッタとトランジスタQ4のコレクタとの間の接続点から出力信号Sib又はSqbの負側信号が出力端子T3に出力される。
図3は図2のローカルバッファ回路23の各箇所における局部発振信号Sia,Sqa,Sic,Sqc,Sib,Sqbの波形図であり、図4はローカルバッファ回路23を図1のように実際の無線通信装置に使用した場合に、ローカルバッファ回路23から伝送線路2を経て混合器17へ入力される直前の局部発振信号Sid,Sqdの波形図である。なお、図3及び図4などの図面において、VDCは所定のDC電圧をいう。
以上のように構成されたローカルバッファ回路23においては、以下のように信号処理がなされる。入力端子T1,T2に入力される正負両極の矩形パルスの局部発振I信号Sia又は局部発振Q信号Sqa(図3(a)参照)を差動トランジスタ対TP1を含む差動増幅器25により差動増幅した後、当該信号の立ち上がり時又は立ち下がり時にスパイク波形生成回路26によりそれぞれ「急峻に立ち上がり又は急峻に立ち下がるスパイク波形」(図3(b)参照)を生成してトランジスタ対TP3の加算回路に出力する一方、入力される局部発振I信号Sia又は局部発振Q信号Sqaを差動トランジスタ対TP2を含む差動増幅器により差動増幅した後、トランジスタ対TP3の加算回路に出力する。そして、トランジスタ対TP3の加算回路は入力される2つの差動信号を加算して、加算結果の信号Sib又はSqb(図3(c)参照)を出力端子T3,T4に出力する。
ここで、ローカルバッファ回路23の差動増幅器25は、スパイク波形生成回路26を備えたことを特徴としている。ここで、差動増幅器25における差動トランジスタTP1及びスパイク波形生成回路26の動作を以下に詳細説明する。
入力端子T1,T2に入力される矩形パルスの局部発振I信号Sia又は局部発振Q信号Sqaが図3(a)に示すように、入力端子T1に入力される入力信号が急峻な立ち上がり波形を有する(差動信号入力のため、入力端子T2へは急峻な立下り波形を有する)とき、トランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧Vbe1はトランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧Vbe2よりも高くなる(すなわちVbe1>Vbe2の状態となる)。入力端子T1への入力信号が立ち上がった瞬間は、ダイオードD1のアノード・カソードは同電位のためオフ状態であり、電流は流れず、差動増幅器25は通常の増幅動作をする。その後、徐々にダイオードD1のアノード・カソード間に電位差が生じ、ダイオードD1がオン状態になるので、ダイオードD1の順方向に電流が流れて、Vbe1=Vbe2の状態に変化することになる。すなわち、差動増幅器25の出力信号Sic又はSqcは、図3(b)のように、急峻な立ち上がり波形を検出した後、所定電位に戻るように変化する。
また、入力端子T1,T2に入力される矩形パルスの局部発振I信号Sia又は局部発振Q信号Sqaが図3(a)に示すように、入力端子T1に入力される入力信号が急峻な立ち下がり波形を有する(差動信号入力のため、入力端子T2へは急峻な立ち上がり波形を有する)とき、トランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧Vbe2はトランジスタQ1のベース・エミッタ間電圧Vbe1よりも高くなる(すなわちVbe2>Vbe1の状態となる)。入力端子T1への入力信号が立ち下がった瞬間は、ダイオードD1のアノード・カソードは同電位のためオフ状態であり、電流は流れず、差動増幅器25は通常の増幅動作をする。その後、徐々にダイオードD1のアノード・カソード間に電位差が生じ、ダイオードD2がオン状態になるので、ダイオードD2の順方向に電流が流れて、Vbe1=Vbe2の状態に変化することになる。すなわち、差動増幅器25の出力信号Sic又はSqcは、図3(b)のように、急峻な立ち下がり波形を検出した後、所定電位に戻るように変化する。
以上のように変化する差動増幅器25の出力信号Sic又はSqcを、入力される矩形パルスの信号Sia又はSqaと上記加算回路により加算することにより、図3(c)のように、立ち上がり時に立ち上がりスパイクを有しかつ立ち下がり時に立ち下がりスパイクを有する信号Sib又はSqbを出力することができる。本実施形態では、図3(c)の信号Sib又はSqbを局部発振信号として用いることにより、局部発振信号線で寄生成分により高周波成分が低下しても混合器17の入力端で矩形パルスの形状を維持できるので、混合器17に入る直前の局部発振信号としては、図4に示すように、実質的に矩形パルス形状である出力信号Sid,Sqdを得ることができ、これにより、正確な90度の位相差で復調することができ、復調されるベースバンドI信号及びQ信号における波形劣化を防止するように波形整形でき、これにより、例えばビットエラーレートの低下などの無線通信品質の劣化を防止できる。
特に、ローカルバッファ回路23内の差動増幅器25において、2つのダイオードD1,D2を用いてきわめて簡単な回路でスパイク波形生成回路26を構成できる。また、2つのトランジスタQ1,Q2と少なくとも1つのダイオードD1,D2で構成しているので、特許文献1の補正回路のように高周波成分を低下させることなく、高速でスイッチングさせて急峻なスパイク波形を発生することができる。
なお、本実施形態では、差動増幅器25のトランジスタとして、バイポーラトランジスタを用いたが、ゲート、ソース及びドレインを有するMOSトランジスタ(MOS電界効果トランジスタ)に替えてもよい。
第2の実施形態.
図5は本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置において用いるローカルバッファ回路23Bの構成を示す回路図である。また、図6は図5の差動増幅器25からの出力信号Sic,Sqcの波形図である。本実施形態に係るローカルバッファ回路23Bは、図2のローカルバッファ回路23に比較して、ダイオードD2を削除したことを特徴としている。当該ローカルバッファ回路25Bの差動増幅器25では、入力信号の立ち上がりのみを検出する1つのダイオードD1のみなので、図6に示すように、差動増幅器25からの信号Sic,Sqcに基づいて急峻な立ち上がり波形を検出した後、所定電位に低下するように変化した後、他の半周期では入力の矩形パルスの負側信号波形がそのまま出力される。以上のように構成することにより、正側の立ち上がり波形のスパイク波形のみを生成できる。
第2の実施形態では、スパイク波形生成回路26はダイオードD1のみを備えるが、本発明はこれに限らず、スパイク波形生成回路26がダイオードD2のみを備えるときは、差動増幅器25からの信号Sic,Sqcに基づいて、まず、入力矩形パルスの正側信号波形がそのまま出力された後、急峻な立ち下がり波形を検出した後、所定電位に上昇するように変化する。これにより、負側の立ち下がり波形のスパイク波形のみを生成できる。
第3の実施形態.
図7は本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置において用いるローカルバッファ回路23Cの構成を示す回路図である。以上の第1及び第2の実施形態では、差動増幅構成を有しているが、差動信号ではない不平衡信号を処理するローカルバッファ回路23Cを構成するために、入力端子T2においてバイアス電圧源29を接続したことを特徴とする。これにより、不平衡信号に基づいてスパイク波形を生成して矩形パルス信号に加算することができる。
第4の実施形態.
図8は本発明の第4の実施形態に係る、正負両極の矩形パルスのベースバンド信号をベースバンド伝送するための有線伝送システムの構成を示すブロック図である。図8において、有線送信機は、差動増幅器25を有するローカルバッファ回路23−1(図2のローカルバッファ回路23と同様の構成を有する。)と、差動電力増幅器27とを備えて構成され、有線受信機は、差動増幅器25を有するローカルバッファ回路23−2(図2のローカルバッファ回路23と同様の構成を有する。)と、差動低雑音増幅器28とを備えて構成される。有線伝送ケーブル30は2本の芯線31,32と、その周囲を取り巻く接地導体(網線)33とを備えて構成される。
以上のように構成された実施形態では、有線送信機側で、ローカルバッファ回路23−1により送信信号の立ち上がり時に立ち上がりスパイク波形が生成されかつ送信信号の立ち下がり時に立ち下がりスパイク波形が生成される一方、有線受信機側で、ローカルバッファ回路23−2により送信信号の立ち上がり時に立ち上がりスパイク波形が生成されかつ送信信号の立ち下がり時に立ち下がりスパイク波形が生成される。これにより、有線伝送ケーブル30において高周波成分を低下する寄生成分が存在しても、高周波成分を強調して送信し、受信側でも高周波成分を強調できるので、有線伝送後の矩形パルス信号を実質的に矩形波に近い形状で波形整形して受信できる。これにより、有線ベースバンド伝送における伝送品質の劣化を大幅に低下できる。
以上詳述したように、本発明に係る差動増幅器によれば、差動増幅機能に加えて高周波成分を低下させることなくスパイク波形を発生する機能を有する回路を、きわめて簡単な回路で構成することができる。特に、2つのトランジスタと少なくとも1つのダイオードで構成しているので、特許文献1の補正回路のように高周波成分を低下させることなく、高速でスイッチングさせて急峻なスパイク波形を発生することができる。
また、上記差動増幅器を用いてローカルバッファ回路を構成することにより、信号波形の立ち上がり又は立ち下がりが急峻な局部発振信号を生成することができるため、局部発振信号線において寄生成分が存在しても、信号波形の立ち上がり又は立下がりの劣化を低減することができる。
さらに、上記ローカルバッファ回路を用いて無線通信装置を構成することにより、より正確な所定の位相差を実現した局部発振信号を発生させて、無線信号と混合するので、回線品質の劣化を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置10の構成を示すブロック図である。 図1のローカルバッファ回路23の構成を示す回路図である。 図2のローカルバッファ回路23の各箇所における局部発振信号Sia,Sqa,Sic,Sqc,Sib,Sqbの波形図である。 図1の混合器17へ入力される直前の局部発振信号Sid,Sqdの波形図である。 本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置において用いるローカルバッファ回路23Bの構成を示す回路図である。 図5の差動増幅器25からの出力信号Sic,Sqcの波形図である。 本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置において用いるローカルバッファ回路23Cの構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る有線伝送システムの構成を示すブロック図である。 従来技術に係る無線通信装置10Aの構成を示すブロック図である。 図9のローカルバッファ回路23Aの構成を示す回路図である。 図10のローカルバッファ回路23Aへの入力信号Sia’,Sqa’の波形図である。 図10のローカルバッファ回路23Aからの出力信号Sib’,Sqb’の波形図である。 従来技術に係るビデオ信号補正回路の構成を示す回路図である。
符号の説明
10…無線通信装置、
11…アンテナ、
12…デュプレクサ、
13…ベースバンドデジタル信号処理回路、
14…無線送信回路、
15…無線受信回路、
16…低雑音増幅器、
17…混合器、
18…可変利得増幅器、
19…低域通過フィルタ、
20…A/D変換器、
21…局部発振器、
22…90度移相器、
23,23B,23C,23−1,23−2…ローカルバッファ回路、
25…差動増幅器、
26…スパイク波形生成回路、
27…差動電力増幅器、
28…差動低雑音増幅器、
29…バイアス直流電源、
30…平衡型有線伝送ケーブル、
31,32…芯線、
33…接地導体、
D1,D2…ダイオード、
Q1,Q2,Q3,Q4…NPNトランジスタ、
R1,R2…負荷抵抗、
S1,S2,S3…電流源、
T1,T2…入力端子、
T3,T4…出力端子、
TP1,TP2…差動トランジスタ対、
TP3…トランジスタ対。

Claims (6)

  1. 第1のトランジスタ及び第2のトランジスタにてなるエミッタ接地の差動トランジスタ対を備え、電源電圧源が第1の負荷部と上記第1のトランジスタと第1の電流源とを介して接地されるとともに、第2の負荷部と上記第2のトランジスタと第2の電流源とを介して接地されてなり、上記第1及び第2のトランジスタの各ベースを入力端子とし、上記第1及び第2のトランジスタの各コレクタを出力端子とする差動増幅器において、
    上記第1のトランジスタのエミッタにアノードが接続され、上記第2のトランジスタのエミッタにカソードが接続された第1のダイオードと、
    上記第1のトランジスタのエミッタにカソードが接続され、上記第2のトランジスタのエミッタにアノードが接続された第2のダイオードのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする差動増幅器。
  2. 請求項1記載の差動増幅器である第1の差動増幅器と、
    上記入力端子に入力される入力信号を差動増幅して出力する第2の差動増幅器と、
    上記第1の差動増幅器からの出力信号と上記第2の差動増幅器からの出力信号とを加算して加算結果の信号を出力する加算回路と、
    を備えたことを特徴とするローカルバッファ回路。
  3. 受信された無線信号を、局部発振器により発生される互いに直交する局部発振I信号及び局部発振Q信号と乗算することにより混合してベースバンドI信号及びベースバンドQ信号を発生する混合器を備えた無線通信装置において、
    上記局部発振器により発生される局部発振I信号及び局部発振Q信号をそれぞれ請求項2記載の各ローカルバッファ回路により信号処理した後、上記混合器に出力することを特徴とする無線通信装置。
  4. 第1のトランジスタ及び第2のトランジスタにてなるソース接地の差動トランジスタ対を備え、電源電圧源が第1の負荷部と上記第1のトランジスタと第1の電流源とを介して接地されるとともに、第2の負荷部と上記第2のトランジスタと第2の電流源とを介して接地されてなり、上記第1及び第2のトランジスタの各ゲートを入力端子とし、上記第1及び第2のトランジスタの各ドレインを出力端子とする差動増幅器において、
    上記第1のトランジスタのソースにアノードが接続され、上記第2のトランジスタのソースにカソードが接続された第1のダイオードと、
    上記第1のトランジスタのソースにカソードが接続され、上記第2のトランジスタのソースにアノードが接続された第2のダイオードのうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする差動増幅器。
  5. 請求項4記載の差動増幅器である第1の差動増幅器と、
    上記入力端子に入力される入力信号を差動増幅して出力する第2の差動増幅器と、
    上記第1の差動増幅器からの出力信号と上記第2の差動増幅器からの出力信号とを加算して加算結果の信号を出力する加算回路と、
    を備えたことを特徴とするローカルバッファ回路。
  6. 受信された無線信号を、局部発振器により発生される互いに直交する局部発振I信号及び局部発振Q信号と乗算することにより混合してベースバンドI信号及びベースバンドQ信号を発生する混合器を備えた無線通信装置において、
    上記局部発振器により発生される局部発振I信号及び局部発振Q信号をそれぞれ請求項5記載の各ローカルバッファ回路により信号処理した後、上記混合器に出力することを特徴とする無線通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018207452A (ja) * 2017-06-09 2018-12-27 住友電気工業株式会社 駆動回路

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