JP2009238820A - 半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、N側電極とP側電極同士が接触した状態で押さえつけられて、保護膜の成膜時に熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなることを可能にする。
【解決手段】レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11と、前記本体部11のN側半導体14側に形成されたN側電極45と、前記本体部のP側半導体12側に形成されたP側電極41を有し、前記P側電極41の最表面および前記N側電極45の最表面のうち、一方の電極の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成され、他方の電極の最表面は白金もしくは白金合金で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置およびその製造方法に関するものである。
半導体レーザ装置を作製するには、ウエハに複数の半導体レーザ素子の本体部を形成した後、その本体部のP側にP側電極を形成し、またN側にN側電極を形成する。このP側電極、N側電極の最表面は、金で形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
次いで、上記ウエハから、複数個の半導体レーザ素子が1列に配列した状態で切り出して、図12(1)に示すように、複数個の半導体レーザ素子111が1列に配列してなる製品バー115を形成する。このとき、切り出し面115Fが半導体レーザ素子111のレーザ光の放出面になっている。当然、切り出し面115Fの反対側の面はレーザ光の反射面となる切り出し面115Rとなっている。
その後、図12(2)に示すように、成膜治具201にウエハから切り出された製品バー115を複数本重ね合わせて詰める。
そして、図13(3)に示すように、製品バー115の最上部に蓋211を配置し、製品バー115がはずれないように、例えば上記蓋211を製品バー115側に押し圧する。この押し圧は、例えばばね力を利用することができる。
次いで、図13(4)に示すように、上記複数本は重ねられた製品バー115の各切り出し面115F、115Rに、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の保護膜(図示せず)を、例えば蒸着法によって形成する。切り出し面115Fおよびその反対側の切り出し面115R(図示せず)に形成される保護膜の膜種がことなるので、例えば、先に切り出し面115F側に保護膜を形成し、その後切り出し面115R側に保護膜を形成する。
上記保護膜を形成した後、成膜治具201(前記図13参照)から上記製品バー115を取り出す。
上記成膜治具には、製品バーを複数本重ね合わせて、かつ固定するために押さえつけられて詰められているため、保護膜の成膜時の熱によって、図14に示すように、製品バー115から蓋211は剥がれても、製品バー115と製品バー115のP側電極141とN側電極145同士が密着して剥がれなくなる場合がある。このように電極同士が密着した場合には、保護膜を形成した後に製品バーを容易に一つ一つ剥がすことが困難になり、作業性が悪化する。また、密着した製品バーを剥がした際に製品バーが損傷する恐れがあり、歩留まりの低下をきたす。
特開2002−76433号公報
解決しようとする問題点は、複数個の半導体レーザ素子が1列に配列してなる製品バーを複数本重ね合わせた状態で、半導体レーザ素子のレーザ光の誘導放出面に保護膜を形成したとき、N側電極とP側電極同士が密着して、剥がしにくくなる点である。
本発明は、P側電極とN側電極同士が接触した状態で押さえつけられて、保護膜の成膜時に熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなることを可能にする。
本発明の半導体レーザ装置は、レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部と、前記本体部のP側半導体側に形成されたP側電極と、前記本体部のN側半導体側に形成されたN側電極を有し、前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成され、他方の電極の最表面は白金もしくは白金合金で形成されている。
本発明の半導体レーザ装置では、P側電極の最表面および前記N側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成され、他方の電極の最表面は白金もしくは白金合金で形成されている。このことから、N側電極とP側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極とN側電極の最表面の電極材料が異なるので、熱圧着しにくくなるためである。
本発明の半導体レーザ装置は、レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部と、前記本体部のP側半導体側形成されたP側電極と、前記本体部のN側半導体側に形成されたN側電極を有し、前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面に形成されている。
本発明の半導体レーザ装置では、前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面で形成されている。このことから、N側電極とP側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極とN側電極の最表面の接触面積が少なくなるので、熱圧着しにくくなるためである。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体基板に複数の半導体レーザ素子の本体部を形成する工程と、前記各本体部のP側半導体側にP側電極を形成する工程と、前記各本体部のN側半導体側にN側電極を形成する工程と、前記半導体基板から前記本体部の発光端面が露出するように、前記本体部を1列に切り出して製品バーを形成する工程と、前記製品バーを複数積み上げて前記各本体部の発光端面に保護膜を形成する工程と、前記製品バーを個々の半導体レーザ素子に分割する工程を有し、前記本体部のP側電極の最表面およびN側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成し、他方の電極の最表面を白金もしくは白金合金で形成する。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法では、本体部のP側電極の最表面およびN側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成し、他方の電極の最表面を白金もしくは白金合金で形成する。このことから、N側電極とP側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極とN側電極の最表面の電極材料が異なので、熱圧着しにくくなるためである。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、半導体基板に複数の半導体レーザ素子の本体部を形成する工程と、前記各本体部のP側半導体側にP側電極を形成する工程と、前記各本体部のN側半導体側にN側電極を形成する工程と、前記半導体基板から前記本体部の発光端面が露出するように、前記本体部を1列に切り出して製品バーを形成する工程と、前記製品バーを複数積み上げて前記各本体部の発光端面に保護膜を形成する工程と、前記製品バーを個々の半導体レーザ素子に分割する工程を有し、前記N側電極を形成する工程は、前記N側半導体側を研削によって削って前記本体部を薄くする工程と、前記薄くした本体部の研削面をエッチングにより梨地面に形成する工程と、前記梨地面にN側電極を形成する工程を有する。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法では、N側電極を形成する工程は、N側半導体側を研削によって削って本体部を薄くする工程と、薄くした本体部の研削面をエッチングにより梨地面に形成する工程と、梨地面にN側電極を形成する工程を有する。このことから、N側電極とP側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極とN側電極の最表面の接触面積が少なくなるので、熱圧着しにくくなるためである。
本発明の半導体レーザ装置は、P側電極とN側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士が剥がれやすくなる。このため、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、P側電極とN側電極同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。このため、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
本発明の半導体レーザ装置に係る一実施の形態の一例(第1実施形態)を、図1の概略構成斜視図によって説明する。
図1に示すように、半導体レーザ装置1は、レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11を有する。この本体部11は、P側半導体12とN側半導体14との間に活性層を含む層13が挟まれた構成を有する。上記本体部11の詳細例については、後述する。
上記本体部11のP側半導体12にはP側電極41が形成されている。また上記本体部11のN側半導体14にはN側電極45が形成されている。
上記P側電極41は、最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成されている。
例えば上記P側半導体12側から、例えばチタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層からなる積層構造を成している。ここで、金層の代わりに金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層を用いることができる。上記チタン層は、P側電極41をP側半導体12に密着させるための金属層であり、例えば50nmの膜厚で形成される。また上記白金層は例えば100nmの膜厚で形成され、上記金層は例えば200nmの膜厚で形成されている。上記各膜厚は上記値に限定されることはなく、適宜、変更が可能である。また、金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層の場合の膜厚も金属層と同等である。
上記のようにP側電極41の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成した場合、上記N側電極45は、その最表面が白金もしくは白金合金で形成されている。
例えば上記N側半導体14側から、金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層を順に積層した構造を成している。上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層が160nm、ニッケル(Ni)層が30nm、金(Au)層が1000nm、チタン(Ti)層が50nm、白金(Pt)層が30nmである。
また、最表面を白金層の代わりに白金合金層で形成することもでき、その場合の膜厚は白金層と同等とすることができる。
また、チタン(Ti)層と白金(Pt)もしくは白金合金層との間に、チタン(Ti)層側から順に100nmの白金(Pt)層と、400nmの金(Au)層を積層させてもよい。
また、上記各層の膜厚は、適宜変更することができる。また、各層間の材料は適宜、別の金属系材料に代えることもできる。
上記金合金について、以下に説明する。
上記金合金は、例えば金(Au)と、チタン(Ti)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)もしくはゲルマニウム(Ge)との合金である。金以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、金に含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
上記アルミニウム合金について、以下に説明する。
上記アルミニウム合金は、例えばアルミニウム(Al)と、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)もしくは亜鉛(Zn)との合金である。アルミニウム以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、アルミニウムに含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
上記白金合金について、以下に説明する。
上記白金合金は、例えば白金(Pt)と、銅(Cu)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)もしくはゲルマニウム(Ge)との合金である。白金以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、白金に含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
通常、P側電極41側に金線を用いたワイヤボンディングを行うため、金線の接着性を確保するためにP側電極41の最表面は、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金とすることが好ましい。しかしながら、金線によるワイヤボンディングを行わない場合には、上記P側電極41の最表面を白金もしくは白金合金で形成することができる。この場合、上記N側電極45の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成される。
上記P側電極41の最表面をN側電極45の最表面と異なる材質の白金層で形成した理由は、以下の通りである。
すなわち、上記半導体レーザ装置1のP側電極41上に別の半導体レーザ装置1のN側電極45を接触させるように積み上げて、200℃ないし300℃程度の熱を加えた場合に、P側電極41とN側電極45とが熱圧着しないようにするためである。
そのようにするには、最表面の白金層が連続膜で形成されていることが必要である。したがって白金層の膜厚は、例えば0.5nm以上とすることが求められる。
また、白金層の膜厚は100nm以下とする。白金層は150nm程度の厚さで、膜応力によって例えばP側半導体12にクラックを生じさせてしまうことがある。そこで、クラックの発生を生じさせないように、白金層の膜厚は例えば100nm以下とした。
さらに白金は高価な材料であるため、コスト面からもできうる限り薄く形成することが好ましい。
また、上記本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fには保護膜51が形成されていて、レーザ光が反射される端面11Rには保護膜52が形成されている。
上記保護膜51、52は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム等から適宜選択される積層膜で形成される。
次に、上記半導体レーザ装置の本体部11の構成の一例について、以下に説明する。
例えば、赤色発光の半導体レーザ装置の場合、n型GaAs基板21上に、N側半導体14、活性層を含む層13、P側半導体12が順に積層されている。
N側半導体14として、n型GaAs基板21側よりn型GaInPバッファ層、n型AlInPクラッド層の順に形成されている。
また、活性層を含む層13として、N側半導体14側よりノンドープAl0.6GaInP光ガイド層、ノンドープGaInP活性層、ノンドープAl0.6GaInP光ガイド層の順に形成されている。
さらに、P側半導体12として、活性層を含む層13側よりp型AlInPクラッド層、p型GaInPエッチングストップ層、p型AlInPクラッド層、p型GaInP中間層、p型GaAsコンタクト層の順に形成されている。
各層の膜厚は、一例として、n型GaInPバッファ層が30nm、n型AlInPクラッド層が0.8μmである。
また、ノンドープAl0.6GaInP光ガイド層が120nm、ノンドープGaInP活性層が12nm、ノンドープAl0.6GaInP光ガイド層が120nmである。
さらに、p型AlInPクラッド層が0.25μm、p型GaInPエッチングストップ層が15nm、p型AlInPクラッド層が0.55μm、p型GaInP中間層が30nm、p型GaAsコンタクト層が0.26μmである。
これらの材質、膜厚は一例であって、本発明は、いかなる半導体レーザ装置にも適用できる。例えば、AlGaInP系の半導体レーザ装置、AlGaAs系の半導体レーザ装置、GaN系の半導体レーザ装置等、種々の半導体レーザ装置に適用することができる。
また、上記P側半導体12はP型半導体で形成され、また電流狭窄層やノンドープ半導体層が含まれていてもよい。また、上記N側半導体14はN型半導体で形成され、またノンドープ半導体層が含まれていてもよい。
上記半導体レーザ装置1では、P側電極41の最表面およびN側電極45の最表面のうち、一方の電極の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成され、他方の電極の最表面は白金もしくは白金合金で形成されている。このことから、P側電極41とN側電極45同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極41とN側電極45の最表面の電極材料が異なるので、熱圧着しにくくなるためである。
よって、半導体レーザ装置1の構成とすることで、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
次に、本発明の半導体レーザ装置に係る一実施の形態の一例(第2実施形態)を、図2(1)の概略構成断面図および図2(2)の平面図によって説明する。
図2に示すように、半導体レーザ装置1は、レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11を有する。この本体部11は、P側半導体12とN側半導体14との間に活性層13が挟まれた構成を有する。上記本体部11の詳細例については、前述した通りである。
上記本体部11のP側半導体12にはP側電極41が形成されている。また上記本体部11のN側半導体14にはN側電極45が形成されている。
上記P側電極41の最表面および上記N側電極45の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面で形成されている。
図面では一例として、N側電極45が形成されるN側半導体14表面も梨地面で形成されている状態を示した。例えば、このN側半導体14の梨地面がN側電極45の表面に転写されて、N側電極45の最表面が梨地面で形成されている。もちろん、N側半導体14の電極形成面は平滑面であり、N側電極45の表面のみ梨地面に形成されていてもよい。
ここでいう梨地面の電荷表面とは、電極表面に像が写る鏡面、像は写るが曇りを生じていて写る像がぼやける、いわゆる亜鏡面ではなく、像が写らないような面をいう。例えば、表面粗さが最大粗さ(Rmax)で0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上とする。ただし、粗すぎても電極としての電気的接続に不都合が生じるので、例えば最大粗さ(Rmax)で1.0μm以下とする。この程度の粗さであれば、ボンディング等による電気的接続に不都合を生じることはない。
また、上記P側電極41は、最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成されている。
例えば上記P側半導体12側から、例えばチタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層からなる積層構造を成している。ここで、金層の代わりに金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層を用いることができる。上記チタン層は、P側電極41をP側半導体12に密着させるための金属層であり、例えば50nmの膜厚で形成される。また上記白金層は例えば100nmの膜厚で形成され、上記金層は例えば200nmの膜厚で形成されている。上記各膜厚は上記値に限定されることはなく、適宜、変更が可能である。また、金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層の場合の膜厚も金属層と同等である。
また上記N側電極45は、その最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成されている。または第1実施形態と同様に、白金もしくは白金合金で形成されていてもよい。
例えば上記N側半導体14側から、金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層を順に積層した構造を成していてもよい。上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層が160nm、ニッケル(Ni)層が30nm、金(Au)層が1000nm、チタン(Ti)層が50nm、白金(Pt)層が100nm、金(Au)層が400nmである。
または、第1実施形態と同様に、金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層を順に積層した構造を成していてもよい。上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層が160nm、ニッケル(Ni)層が30nm、金(Au)層が1000nm、チタン(Ti)層が50nm、白金(Pt)層が30nmである。
また、最表面を白金層の代わりに白金合金層で形成することもでき、その場合の膜厚は白金層と同等とすることができる。
また、チタン(Ti)層と白金(Pt)もしくは白金合金層との間に、チタン(Ti)層側から順に100nmの白金(Pt)層と、400nmの金(Au)層を積層させてもよい。
また、上記各層の膜厚は、適宜変更することができる。また、各層間の材料は適宜、別の金属系材料に代えることもできる。
上記金合金、アルミニウム合金、白金合金は、前記第1実施形態と同様な合金を用いることができる。
また、上記第1実施形態と同様に、P側電極41側に金線を用いたワイヤボンディングを行うため、金線の接着性を確保するためにP側電極41の最表面は、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金とすることが好ましい。しかしながら、金線によるワイヤボンディングを行わない場合には、上記P側電極41の最表面を白金もしくは白金合金で形成することができる。この場合、上記N側電極45の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成される。または白金もしくは白金合金で形成することもできる。
また、上記本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fには保護膜51が形成されていて、レーザ光が反射される端面11Rには保護膜52が形成されている。
上記保護膜51、52は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム等から適宜選択される積層膜で形成される。
上記半導体レーザ装置の本体部11の構成は、上記第1実施形態で説明したように、例えばAlGaInP系の半導体レーザ装置、AlGaAs系の半導体レーザ装置、GaN系の半導体レーザ装置等、種々の半導体レーザ装置の構成を採用することができる。
上記半導体レーザ装置2では、上記P側電極41の最表面および上記N側電極45の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面で形成されている。このことから、P側電極41とN側電極45同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極41とN側電極45の最表面の接触面積が少なくなるので、熱圧着しにくくなるためである。
よって、半導体レーザ装置2の構成とすることで、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
次に、本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を、図3、図5〜図9の斜視図(一部断面図、部分平面図)および図4の概略構成断面図によって説明する。一例として、赤色発光の半導体レーザ装置の作製例を説明する。なお、各図間の縮尺は必ずしも一致させていない。
図3(1)に示すように、半導体基板10を用意する。この半導体基板10には、例えばn型GaAs基板を用いる。
次に、図3(2)に示すように、上記半導体基板10上に、エピタキシャル成長技術によって、N側半導体、活性層を含む層、P側半導体を順に形成し、複数の半導体レーザ素子の本体部11を形成する。この段階では、半導体基板10の全面に本体部が形成され、複数の半導体レーザ素子には分割されていない。
具体的には、例えば、図4に示すように、n型GaAs基板21上に、エピタキシャル成長技術によって、N側半導体14、活性層を含む層13、P側半導体12を順に積層して、半導体レーザ素子の本体部11を形成する。
まず、上記N側半導体14を、例えば、半導体基板10(n型GaAs基板21)側よりn型バッファ層22、n型クラッド層23の順に積層して形成する。
上記n型バッファ層22は例えばn型GaInP層で形成され、上記n型クラッド層23は例えばn型AlInP層で形成される。
各層の膜厚は、一例として、n型GaInPバッファ層が30nm、n型AlInPクラッド層が0.8μmとした。
続いて活性層を含む層13を、N側半導体14側より光ガイド層24、活性層25、光ガイド層26の順に積層して形成する。
上記光ガイド層24は例えばノンドープAl0.6GaInP層で形成され、上記活性層25は例えばノンドープGaInP層で形成され、上記光ガイド層26は例えばノンドープAl0.6GaInP層で形成される。
各層の膜厚は、一例として、光ガイド層24のノンドープAl0.6GaInP層が120nm、ノンドープGaInP層が12nm、光ガイド層26のノンドープAl0.6GaInP層が120nmである。
続いてP側半導体12を、活性層を含む層13側よりp型クラッド層27、p型エッチングストップ層28、p型クラッド層29、p型中間層30、p型コンタクト層31の順に積層して形成する。
上記p型クラッド層27は例えばp型AlInP層で形成され、上記p型エッチングストップ層28は例えばp型GaInP層で形成され、上記p型クラッド層29は例えばp型AlInP層で形成される。また上記p型中間層30は例えばp型GaInP層で形成され、上記p型コンタクト層31は例えばp型GaAs層で形成される。
各層の膜厚は、一例として、p型クラッド層27のp型AlInP層が0.25μm、p型エッチングストップ層28のp型GaInP層が15nm、p型クラッド層29のp型AlInP層が0.55μmである。また、p型中間層30のp型GaInP層が30nm、p型コンタクト層31のp型GaAs層が0.26μmである。
上記説明した各層の材質、膜厚は一例であって、本発明は、いかなる半導体レーザ装置にも適用される。例えば、AlGaInP系の半導体レーザ装置、AlGaAs系の半導体レーザ装置、GaN系の半導体レーザ装置等、種々の半導体レーザ装置に適用される。
また、上記P側半導体12はP型半導体で形成され、また電流狭窄層やノンドープ半導体層が含まれていてもよい。また、上記N側半導体14はN型半導体で形成され、またノンドープ半導体層が含まれていてもよい。
次に、図3(3)に示すように、各半導体レーザ素子の本体部11に対応する位置のP側にP側電極41を形成する。
上記P側電極41は、最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成される。
例えば、蒸着法、スパッタ法等の成膜方法によって、上記P側半導体12側から、例えばチタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層からなる積層構造を形成する。このとき、成膜面上にマスクを設置しておく。
ここで、金層の代わりに金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層を用いることもできる。
上記各層の膜厚は、一例として、上記チタン層は、P側電極41をP側半導体12に密着させるための金属層であり、例えば50nmの膜厚で形成される。また上記白金層は例えば100nmの膜厚で形成され、上記金層は例えば200nmの膜厚で形成されている。上記各膜厚は上記値に限定されることはなく、適宜、変更が可能である。また、金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層の場合の膜厚も金属層と同等である。
次に、図3(4)に示すように、いわゆる裏面研削によって、上記半導体基板10の裏面側(本体部11を形成するための半導体層を積層した側とは反対側)を研削して、半導体基板10の厚さを、例えば0.2μm程度の薄さにする。次いで、鏡面研磨およびエッチングにより半導体基板10の裏面を鏡面加工する。
次いで、図3(5)に示すように、半導体基板10の裏面の各半導体レーザ素子の本体部11のP側半導体上に形成したP側電極41対応する位置のN側にN側電極45を形成する。
このN側電極45は、上記のようにP側電極41の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成した場合、その最表面を白金もしくは白金合金で形成する。
例えば蒸着法、スパッタ法等の成膜方法によって、上記N側半導体14側から、例えば金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層を順に積層して形成する。このとき、成膜面上にマスクを設置しておく。
上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層を160nm、ニッケル(Ni)層を30nm、金(Au)層を1000nm、チタン(Ti)層を50nm、白金(Pt)層を30nmで形成する。
また、最表面を白金層の代わりに白金合金層で形成することもでき、その場合の膜厚は例えば白金層と同等とする。
また、チタン(Ti)層と白金(Pt)もしくは白金合金層との間に、チタン(Ti)層側から順に100nmの白金(Pt)層と、400nmの金(Au)層を積層させてもよい。
また、上記各層の膜厚は、適宜変更することができる。また、各層間の材料は適宜、別の金属系材料に代えることもできる。
上記金合金について、以下に説明する。
上記金合金は、例えば金(Au)と、チタン(Ti)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)もしくはゲルマニウム(Ge)との合金で形成する。金以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、金に含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
上記アルミニウム合金について、以下に説明する。
上記アルミニウム合金は、例えばアルミニウム(Al)と、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)もしくは亜鉛(Zn)との合金で形成する。アルミニウム以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、アルミニウムに含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
上記白金合金について、以下に説明する。
上記白金合金は、例えば白金(Pt)と、銅(Cu)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)もしくはゲルマニウム(Ge)との合金で形成する。白金以外の元素の含有率は、0.0atomic%より多く、20atomic%よりも少ない。また、白金に含有される上記元素は、1種類であっても、複数種類であってもよい。
通常、P側電極41側に金線を用いたワイヤボンディングを行うため、金線の接着性を確保するためにP側電極41の最表面は、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金とすることが好ましい。しかしながら、金線によるワイヤボンディングを行わない場合には、上記P側電極41の最表面を白金もしくは白金合金で形成することができる。この場合、上記N側電極45の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成する。
上記P側電極41の最表面をN側電極45の最表面と異なる材質の白金層で形成した理由は、前記第1実施形態で説明したのと同様な理由からである。
次に、図5(5)に示すように、上記半導体基板10から上記半導体レーザ素子の本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fおよびその反対側のレーザ光が反射される端面11Rが切り出し面となって露出するように、上記本体部11を1列に切り出して製品バー15を形成する。なお、上記切り出し面は、例えばへき開によって形成される面である。
次に、図6(6)に示すように、成膜治具201にウエハから切り出された製品バー15を複数本重ね合わせて詰める。
そして、図6(7)に示すように、製品バー15の最上部に蓋211を配置し、成膜治具201から製品バー15がはずれないように、例えば上記蓋211を製品バー15側に押し圧する。この押し圧は、例えばばね力を利用することができる。
次いで、図7(8)、(9)に示すように、上記複数本は重ねられた製品バー15の各端面11Fに保護膜51を形成し、上記各端面11Rに保護膜52を形成する。
上記保護膜51、52は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム等から適宜選択される積層膜で形成される。その成膜方法は、例えば従来方法と同様に、蒸着法、スパッタ法等を用いることができる。
また、上記端面11Rをレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面としてもよい。
上記保護膜51、52を形成した後、図8(10)に示すように、成膜治具201(前記図7(8)参照)から上記製品バー15を取り出す。このとき、製品バー15同士は用意に剥がれる。また蓋211も製品バー15から容易に剥がれる。
その後、図9(11)に示す上記製品バー15を個々の半導体レーザ装置に分割し、図8(12)に示すような、半導体レーザ装置1を得る。
すなわち、上記半導体レーザ装置1は、P側半導体12とN側半導体14との間に活性層を含む層13が挟まれた構成を有するレーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11を有する。この本体部11のP側半導体12には、最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成されているP側電極41が形成されている。また上記本体部11のN側半導体14には、最表面が白金もしくは白金合金で形成されているN側電極45が形成されている。さらに、上記本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fには保護膜51が形成されていて、レーザ光が反射されるもしくはレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Rには保護膜52が形成されているものである。
上記半導体レーザ装置の製造方法では、本体部11のP側電極41の最表面およびN側電極45の最表面のうち、一方の電極の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成し、他方の電極の最表面を白金もしくは白金合金で形成する。このことから、N側電極45とP側電極41同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜51、52の成膜時の200℃〜300℃程度の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極41とN側電極45の最表面の電極材料が異なので、熱圧着しにくくなるためである。
よって、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置1の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
次に、本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第4実施形態)を、図10の斜視図および断面図、および前記図5(5)、図6〜図9によって説明する。一例として、赤色発光の半導体レーザ装置の作製例を説明する。なお、各図間の縮尺は必ずしも一致させていない。
図10(1)に示すように、前記図3(1)〜(3)および図4によって説明した製造方法の一例によって、半導体基板10に、レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11を形成する。さらに、上記本体部11のP側半導体上にP側電極41を形成する。
上記P側電極41は、最表面が金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成される。
例えば上記本体部11のP側半導体側から、例えばチタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層からなる積層構造を成している。ここで、金層の代わりに金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層を用いることができる。上記チタン層は、P側電極41を本体部11のP側半導体に密着させるための金属層であり、例えば50nmの膜厚で形成される。また上記白金層は例えば100nmの膜厚で形成され、上記金層は例えば200nmの膜厚で形成されている。上記各膜厚は上記値に限定されることはなく、適宜、変更が可能である。また、金合金層、アルミニウム層、アルミニウム合金層の場合の膜厚も金属層と同等である。
次に、図10(2)に示すように、いわゆる裏面研削によって、上記半導体基板10の裏面側(本体部11を形成するための半導体層を積層した側とは反対側)を研削して、半導体基板10の厚さを、例えば0.2μm程度の薄さにする。次いで、エッチングにより半導体基板10の裏面を加工する。このようにして、半導体基板10の裏面(N側半導体のN側電極の形成面)を梨地面に形成する。
ここでいう梨地面とは、その表面に像が写る鏡面、像は写るが曇りを生じていて写る像がぼやける、いわゆる亜鏡面ではなく、像が写らないような面をいう。例えば、表面粗さが最大粗さ(Rmax)で0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上とする。ただし、粗すぎても後に形成される電極表面の電気的接続に不都合が生じるので、例えば最大粗さ(Rmax)で1.0μm以下とする。この表面粗さは、その後に形成されるN側電極がこの表面粗さを転写して形成される場合である。また、この程度の粗さであれば、その表面に形成された電極に対して行うボンディング等での電気的接続に不都合を生じることはない。
次いで、図10(3)に示すように、半導体基板10の裏面の各半導体レーザ素子の本体部11のP側半導体上に形成したP側電極41対応する位置のN側半導体にN側電極45を形成する。
例えば上記N側半導体(半導体基板10)側から、金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層、金(Au)層を順に積層した構造を成していてもよい。上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層が160nm、ニッケル(Ni)層が30nm、金(Au)層が1000nm、チタン(Ti)層が50nm、白金(Pt)層が100nm、金(Au)層が400nmである。
または、第1実施形態と同様に、金ゲルマニウム(AuGe)層、ニッケル(Ni)層、金(Au)層、チタン(Ti)層、白金(Pt)層を順に積層した構造を成していてもよい。上記各層の膜厚は、一例として、金ゲルマニウム(AuGe)層が160nm、ニッケル(Ni)層が30nm、金(Au)層が1000nm、チタン(Ti)層が50nm、白金(Pt)層が30nmである。
また、最表面を白金層の代わりに白金合金層で形成することもでき、その場合の膜厚は白金層と同等とすることができる。
また、チタン(Ti)層と白金(Pt)もしくは白金合金層との間に、チタン(Ti)層側から順に100nmの白金(Pt)層と、400nmの金(Au)層を積層させてもよい。
また、上記各層の膜厚は、適宜変更することができる。また、各層間の材料は適宜、別の金属系材料に代えることもできる。
上記金合金、アルミニウム合金、白金合金は、前記第1実施形態と同様な合金を用いることができる。
また、上記第1実施形態と同様に、P側電極41側に金線を用いたワイヤボンディングを行うため、金線の接着性を確保するためにP側電極41の最表面は、金、金合金、アルミニウム、アルミニウム合金とすることが好ましい。しかしながら、金線によるワイヤボンディングを行わない場合には、上記P側電極41の最表面を白金もしくは白金合金で形成することができる。この場合、上記N側電極45の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成される。または白金もしくは白金合金で形成することもできる。
上記のように、半導体基板10側の梨地面(裏面)上に形成されたN側電極45の表面は、梨地面の表面粗さをほぼ転写した状態で形成されていく。ただし、成膜の膜厚が厚くなるに従い平坦化されていく性質があるような成膜では、出来上がりのN側電極45の表面が梨地面になるように、N側電極45が形成される表面は出来上がりのN側電極45の表面よりも粗く形成しておくことが好ましい。例えば、1.5倍から2倍程度の粗さに形成しておくことが好ましい。
次に、前記図5(5)によって説明したのと同様に、上記半導体基板10から上記半導体レーザ素子の本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fおよびその反対側のレーザ光が反射される端面11Rが切り出し面となって露出するように、上記本体部11を1列に切り出して製品バー15を形成する。なお、上記切り出し面は、例えばへき開によって形成される面である。
次に、前記図6(6)によって説明したのと同様に、成膜治具201にウエハから切り出された製品バー15を複数本重ね合わせて詰める。
そして、前記図6(7)によって説明したのと同様に、製品バー15の最上部に蓋211を配置し、製品バー15がはずれないように、例えば上記蓋211を製品バー15側に押し圧する。この押し圧は、例えばばね力を利用することができる。
次いで、前記図7(8)によって説明したのと同様に、上記複数本は重ねられた製品バー15の各端面11Fに保護膜51を形成し、上記各端面11Rに保護膜52を形成する。
上記保護膜51、52は、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム等から適宜選択される積層膜で形成される。その成膜方法は、例えば従来方法と同様に、蒸着法、スパッタ法等を用いることができる。
また、上記端面11Rをレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面としてもよい。
上記保護膜51、52を形成した後、前記図8(10)によって説明したのと同様に、成膜治具201(前記図7(8)参照)から上記製品バー15を取り出す。
その後、前記図9(11)に示す上記製品バー15を個々の半導体レーザ装置に分割し、図9(12)によって説明したのと同様に、半導体レーザ装置1を得る。
すなわち、上記半導体レーザ装置1は、P側半導体12とN側半導体14との間に活性層を含む層13が挟まれた構成を有するレーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部11を有する。この本体部11のP側半導体12にはP側電極41が形成されている。また上記本体部11のN側半導体14には表面が梨地面のN側電極45が形成されている。さらに、上記本体部11のレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Fには保護膜51が形成されていて、レーザ光が反射されるもしくはレーザ光が放出されかつ一部が反射される端面11Rには保護膜52が形成されているものである。
上記説明では、N側電極45の表面を梨地面に形成したが、N側電極45と同様に、P側電極41の表面を梨地面に形成することもできる。この場合は、P側電極41の表面を荒すようなエッチングを行うことで、梨地面を形成することができる。
上記半導体レーザ装置2の製造方法では、N側電極45を形成する工程は、本体部11の研削面をエッチングにより梨地面に形成し、その梨地面にN側電極45を形成する。このことから、N側電極45とP側電極41同士が接触した状態で押さえつけられて保護膜51、52の成膜時の熱が加えられても、電極同士を剥がしやすくなる。これは、P側電極41とN側電極45の最表面の接触面積が少なくなるので、熱圧着しにくくなるためである。
よって、密着した電極同士を剥がす手間がなくなるので作業性が向上され、半導体レーザ装置1の損傷がなくなるので歩留まりが向上できるとともにコストダウンに寄与するという利点がある。
そして、上記製造方法によって形成された半導体レーザ装置1,2は、例えば図11に示すようなパッケージ101に収納される。このとき、P側電極41には例えばワイヤボンディングによって配線が接続され、N側電極45は、P側電極を兼ねるヒートシンクに直接接続される。
本発明の半導体レーザ装置に係る一実施の形態の一例(第1実施形態)を示した概略構成斜視図である。 本発明の半導体レーザ装置に係る一実施の形態の一例(第2実施形態)を示した概略構成断面図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図(一部断面図)である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した概略構成断面図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図(一部平面図)である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第3実施形態)を示した斜視図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法に係る一実施の形態の一例(第4実施形態)を示した斜視図(一部断面図)である。 パッケージの一例を示した斜視図である。 従来の半導体レーザ装置の製造方法に係る一例を示した斜視図である。 従来の半導体レーザ装置の製造方法に係る一例を示した斜視図である。 従来の半導体レーザ装置の課題を示した斜視図である。
符号の説明
1…半導体レーザ装置、11…本体部、41…P側電極、45…N側電極45

Claims (6)

  1. レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部と、
    前記本体部のP側半導体側に形成されたP側電極と、
    前記本体部のN側半導体側に形成されたN側電極を有し、
    前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面は金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成され、他方の電極の最表面は白金もしくは白金合金で形成されている
    半導体レーザ装置。
  2. 前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面で形成されている
    請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. レーザ光を誘導放出する半導体レーザ素子の本体部と、
    前記本体部のN側に形成されたN側電極と、
    前記本体部のP側に形成されたP側電極を有し、
    前記P側電極の最表面および前記N側電極の最表面の少なくとも一方の最表面が梨地面に形成されている
    半導体レーザ装置。
  4. 半導体基板に複数の半導体レーザ素子の本体部を形成する工程と、
    前記各本体部のP側半導体側にP側電極を形成する工程と、
    前記各本体部のN側半導体側にN側電極を形成する工程と、
    前記半導体基板から前記本体部の発光端面が露出するように、前記本体部を1列に切り出して製品バーを形成する工程と、
    前記製品バーを複数積み上げて前記各本体部の発光端面に保護膜を形成する工程と、
    前記製品バーを個々の半導体レーザ素子に分割する工程を有し、
    前記本体部のP側電極の最表面およびN側電極の最表面のうち、一方の電極の最表面を金、金合金、アルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成し、他方の電極の最表面を白金もしくは白金合金で形成する
    半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記N側電極を形成する工程は、
    前記半導体基板のN側半導体側を研削によって削って前記本体部を薄くする工程と、
    前記薄くした本体部の研削面をエッチングにより梨地面に形成する工程と、
    前記梨地面にN側電極を形成する工程を有する
    請求項4記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 半導体基板に複数の半導体レーザ素子の本体部を形成する工程と、
    前記各本体部のP側半導体側にP側電極を形成する工程と、
    前記各本体部のN側半導体側にN側電極を形成する工程と、
    前記半導体基板から前記本体部の発光端面が露出するように、前記本体部を1列に切り出して製品バーを形成する工程と、
    前記製品バーを複数積み上げて前記各本体部の発光端面に保護膜を形成する工程と、
    前記製品バーを個々の半導体レーザ素子に分割する工程を有し、
    前記N側電極を形成する工程は、
    前記半導体基板のN側半導体側を研削によって削って前記本体部を薄くする工程と、
    前記薄くした本体部の研削面をエッチングにより梨地面に形成する工程と、
    前記梨地面にN側電極を形成する工程を有する
    半導体レーザ装置の製造方法。
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