JP2009236804A - 角速度センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】素子部における振動の伝達過程における枠状の固定部の変形を防止して、素子部において効率良く駆動系から検出系の振動腕へ振動を伝達させることにより、検出出力を高めることができる角速度センサ素子を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る角速度センサ素子2は、枠状の固定部21と、固定部21の枠内に固定され、駆動系及び検出系の振動腕22〜24を備えた素子部20と、固定部21上であって少なくとも固定部21と素子部20との連結部位に形成された、固定部21を補強する接着剤26(補強材)と、を有する。
【選択図】図11

Description

本発明は、物体の角速度を検出する角速度センサ素子に関する。
従来から、角速度センサ素子は、船舶、航空機、ロケット等の姿勢を自律制御する技術に使用されているが、最近では、カーナビゲーションシステム、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話等の小型の電子機器にも搭載されるようになってきた。それに伴い、角速度センサ素子の更なる小型化、及び低背化(薄型化)が要請されている。
これに対し、振動型角速度センサの振動腕を、圧電材料の機械加工によって切削・成形して作製することが広く行なわれているが、その機械加工精度には自ずと限界があり、上述したような更なる小型化及び低背化という要求に応えることは困難であった。
そこで、角速度センサの更なる小型化及び低背化を企図して、単結晶薄板を微細加工することにより振動腕を形成する技術が提案されている。例えば、特許文献1の図21には、振動腕を備える素子と、当該素子に固定された枠状の固定部とを備えた角速度センサ素子が開示されている。
特開平11−72334号公報
しかしながら、このような角速度センサ素子では、十分な検出出力を得ることができない場合があった。本発明者等は鋭意研究の末、素子部の駆動腕から検出腕へと振動が伝達される過程において、本来静止状態を前提とする枠状の固定部が大きく変形し、駆動振動が効率良く検出腕に検出振動として伝達されていないことが明らかになった。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素子部における振動の伝達過程における枠状の固定部の変形を防止して、素子部において効率良く駆動系から検出系の振動腕へ振動を伝達させることにより、検出出力を高めることができる角速度センサ素子を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の角速度センサ素子は、枠状の固定部と、固定部の枠内に固定され、駆動系及び検出系の振動腕を備えた素子部と、固定部上であって少なくとも固定部と素子部との連結部位に形成された、固定部を補強する補強材と、を有する。
このような構成では、補強材により、固定部の少なくとも素子部との連結部位が補強されることから、この連結部位における変形が防止される。したがって、駆動系の振動腕から検出系の振動腕へと振動が伝達される過程において、信号となるべき振動のエネルギーが固定部の枠の変形エネルギーへと変換されることが防止され、素子部の内部の系において効率良く信号が伝達される。この結果、信号となるべき振動のエネルギーの減衰が防止されることから、検出系の振動腕による出力が高められる。このような補強材として、例えば、接着剤又は金属板を好適に用いることができる。
例えば、素子部は、固定部に両端が固定された、第1方向に延在する伝達腕と、伝達腕に連結された、第1方向と交差する第2方向に延在する片持ち梁状の駆動腕と、駆動腕とは異なる位置において伝達腕に連結された、第2方向に延在する片持ち梁状の検出腕と、を有する。このような素子部の構造では、駆動腕が第1方向に振動している状態において、回転角速度が加わると、駆動腕に第2方向のコリオリ力が働き、このコリオリ力により伝達腕の第2方向への振動が誘起される。この伝達腕の振動が、検出腕の第1方向の振動を誘起させ、最終的に検出腕の振動が信号として出力される。上記の信号の伝達過程において、伝達腕が振動した際に、この伝達腕の固定端となる固定部の連結部位が補強されていることから、この固定部の連結部位のしなり、捩れといった変形が防止される。この結果、信号となるべき振動が効率よく検出腕に伝達される。
前記駆動腕及び前記伝達腕が振動している場合における、駆動腕の第1方向の振動の振幅(a)と、固定部の第2方向の振動の振幅(b)が、式b/a≦0.01で表される関係を満たすように、補強材が設けられている。b/aが0.01以下となるように、補強材により固定部の振動を抑制することにより、検出腕からの出力が格段に高められる。
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の角速度センサ素子は、枠状の固定部と、固定部の枠に両端が固定された、第1方向に延在する伝達腕と、伝達腕に連結された、第1方向と交差する第2方向に延在する片持ち梁状の駆動腕と、駆動腕とは異なる位置において伝達腕に連結された、第2方向に延在する片持ち梁状の検出腕と、を有し、前記駆動腕及び前記伝達腕が振動している場合における、駆動腕の第1方向の振幅(a)と、固定部の第2方向の振幅(b)が、式b/a≦0.01で表される関係を満たすように、固定部の枠のうち伝達腕との連結部位における幅が規定されている。
このような構成では、駆動腕が第1方向に振動している状態において、回転角速度が加わると、駆動腕に第2方向のコリオリ力が働き、このコリオリ力により伝達腕の第2方向への振動が誘起される。この伝達腕の振動が、検出腕の第1方向の振動を誘起し、最終的に検出腕の振動が信号として出力される。上記の信号の伝達過程において、b/aが0.01以下となるように、固定部の枠の幅を設定して固定部の第2方向への振動を抑制することにより、検出腕からの出力が格段に高められる。このように固定部の枠の幅を規定した場合には、少なくとも固定部の枠のうち伝達腕との連結部位における幅は、伝達腕の幅に比べて広くなる。
本発明によれば、素子部における振動の伝達過程における枠状の固定部の変形を防止することができることから、素子部において効率良く駆動系から検出系の振動腕へ振動を伝達させることができ、この結果、検出出力を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る角速度センサ装置1の内部構成を分解して表す斜視図であり、図2は角速度センサ装置1のII―II線断面図である。
この角速度センサ装置1は、互いに重ね合わされたケース4および上蓋部5により形成される内部空間G(図2参照)に角速度センサ素子2および集積回路素子3を配置したものである。
角速度センサ素子2は、後述するように、角速度センサ素子2の各駆動腕に設けられた各圧電素子に駆動信号を送信するとともに、角速度センサ素子2の各検出腕に設けられた各圧電素から出力される検出信号を受信するためのものである。ケース4は、例えば複数のセラミック薄板を積層して形成されており、角速度センサ素子2および集積回路素子3を収容することの可能な階段状の窪みを有している。また、上蓋部5は、例えばケース4と同様のセラミック材料により形成されている。
図1に示したように、ケース4の窪みの最も深いところに環状の集積回路支持部41が形成されており、この集積回路支持部41上に集積回路素子3が配置されている。また、この集積回路支持部41の周囲であって、かつ集積回路支持部41よりも浅いところに環状のセンサ素子支持部42が形成されており、このセンサ素子支持部42上に角速度センサ素子2が配置されている。また、このセンサ素子支持部42の周囲には、窪みの外縁をなす環状の上蓋部支持部43が形成されており、この上蓋部支持部43と上蓋部5とがケース4の窪みを外部から密閉し、内部空間G(図2参照)を形成するように互いに重ね合わされている。
角速度センサ素子2は、図1および図2に示したように、ケース4のセンサ素子支持部42を含む面と平行な面内に沿って形成されたものである。つまり、この角速度センサ素子2は、いわゆる横置き型の素子である。
図3は角速度センサ素子2の上面構成の一例を示す平面図である。
この角速度センサ素子2は、枠状の固定部21と、固定部21の枠内に配置され、伝達腕22、駆動腕23及び検出腕24(駆動系及び検出系の振動腕)を備えた素子部20とを備えている。
固定部21は、伝達腕22、駆動腕23および検出腕24からなる振動腕に対して所定のクリアランス(間隔)を空けた枠状に加工されている。また、固定部21の底部は、ケース4のセンサ素子支持部42の上面と接している。好ましくは、固定部21の底部の少なくとも一部は、センサ素子支持部42に接着剤等を用いて固定されている。
この固定部21の最も重要な役割は、素子部20を連結部21aにおいて強固に支持ないし固定して、素子部20の内部の系の振動エネルギーが外部へ発散することを防止し、素子部20の閉じた系において効率よく振動を伝達させる点にある。このため、図1及び図3に示す通り、枠状の固定部と素子部は、同一基板をエッチング工法により一体に形成されることが好ましい。この場合、特に、伝達腕22の固定端となる連結部21aの変形や振動を防止する必要がある。本実施形態では、連結部21aの変形や振動を防止すべく、この連結部21aの幅Wを所定の大きさ以上に確保している。ここで、連結部21aの幅とは、伝達腕22との境界部から、固定部21の枠の外縁までの距離のことを指す。
また、固定部21の他の役割は、伝達腕22、駆動腕23および検出腕24からなる振動腕の振動範囲を制限することにある。振動腕の振動範囲を制限するため、固定部21は、伝達腕22、駆動腕23および検出腕24に対して均一な間隔を空けて配置されていることが好ましい。
伝達腕22は、枠状の固定部21にその両端が連結されている。このため、伝達腕22は、その端部を固定端として、上下方向(伝達腕22の延在方向と直交する方向)に振動することが可能となっている。
駆動腕23は、伝達腕22にその一端が連結され、上下方向に延在する片持ち梁からなる。本例では、合計4つの駆動腕23が、伝達腕22に連結されている。伝達腕22の一の点に2つの駆動腕23が連結され、伝達腕22の他の点に残りの2つの駆動腕23が連結されている。駆動腕23が連結される伝達腕22上の2点は、伝達腕22の長さを4等分した場合において、中心点の両隣の2点に相当する。伝達腕22の一の点または他の点から延びる2つの駆動腕23は、伝達腕22を基準線として線対称となっている。このように、各駆動腕23は、その一端のみが伝達腕22に連結され、他端が自由端となっている。駆動腕23は、自由端となっている端部を左右方向(伝達腕22の延在方向と平行な方向)に振動させることが可能となっている。
検出腕24は、伝達腕22にその一端が連結され、上下方向に延在する片持ち梁からなる。本例では、合計2つの検出腕24が伝達腕22に連結されている。本例では、伝達腕22の長さを2等分する中心点に、2つの検出腕24が連結されている。これら2つの検出腕24は、伝達腕22を基準線として線対称となっている。検出腕24は、自由端となっている端部を左右方向に振動させることが可能となっている。
ここで、角速度センサ素子2は、一体的に形成されており、たとえば、シリコンからなる。この角速度センサ素子2は、例えば、シリコン基板のうち角速度センサ素子2として残す部位以外の部位を物理的又は化学的にエッチング等して除去することにより、一括形成することが可能である。このように形成された角速度センサ素子2は、低背化の要求に応えたものとなる。
各駆動腕23および各検出腕24の表面には、それぞれ一対の圧電素子が配置されている。図4は、圧電素子の配置を説明するための、角速度センサ素子2の要部を示す図である。図4では、固定部21を省略している。
図4に示すように、各駆動腕23の表面には、駆動腕23の延在方向と平行な方向を長手方向とする一対の圧電素子30a,30bが形成されている。一対の圧電素子30a,30bは、駆動腕23を角速度センサ素子2を含む面と平行な面に沿って振動させるためのものであり、各駆動腕23の延在方向と交差する方向に配列されていることが好ましい。また、圧電素子30a,30bは、駆動腕23が最も大きく歪む箇所に配置されていることが好ましく、例えば、図4に示すように、駆動腕23の伝達腕22に対する連結部分の近傍に形成されていることが好ましい。
同様に、各検出腕24の表面には、検出腕24の延在方向と平行な方向を長手方向とする一対の圧電素子30a,30bが形成されている。一対の圧電素子30a,30bは、検出腕24が角速度センサ素子2を含む面と平行な面に沿って振動したときに、その振動を検出するためのものであり、検出腕24の延在方向と交差する方向に配列されていることが好ましい。また、圧電素子30a,30bは、検出腕24が最も大きく歪む箇所に配置されていることが好ましく、例えば、図4に示すように、検出腕24の伝達腕22に対する連結部分の近傍に形成されていることが好ましい。
図5は、図4のV−V線断面図である。
図5に示すように、圧電素子30a,30bは、駆動腕23および検出腕24上に、絶縁層31と、下部電極32と、圧電体33と、上部電極34とをこの順に積層して形成されたものである。図4に示すように、各圧電素子30aと各圧電素子30bとは、互いに別体に形成されている。
絶縁層31は、例えばZrO2膜およびY23膜をこの順に積層して形成されている。下部電極32は、例えばPt(100)配向膜からなる。圧電体33は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含んで形成されている。また、上部電極34は、例えばPt(100)配向膜からなる。
次に、上記の角速度センサ素子2の動作について説明する。図6〜図8は、伝達腕22、駆動腕23および検出腕24の動作を模式的に説明するための平面図である。図6〜図8においては、振動形態をわかりやすく表現するために、各振動腕は簡略化して線で表している。また、各動作について、説明に不要な振動腕は省略している。
図6は、駆動振動を説明する図である。駆動振動は、駆動腕23の矢印Aで示す屈曲振動であって、実線で示す振動姿態と、点線で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返している。このとき、2本の検出腕24を中心線として、その両側の一対の駆動腕23が線対称の振動を行なっているので、伝達腕22および検出腕24はほとんど振動しない。
駆動腕23が図6に示した駆動振動を行なっている状態で、角速度センサ素子2を含む面と直交する方向を回転軸とする回転角速度ωが加わったとき、駆動腕23に矢印Bで示すコリオリ力が働く。コリオリ力は、検出腕24を基準線とした両側の一対の駆動腕23にそれぞれ反対向きに働く。
この結果、図7に示すように、伝達腕22のS字屈曲振動が誘起される。伝達腕22の屈曲振動は、伝達腕22の中心部および両端部を節とし、駆動腕23の連結部を腹とする振動である。
この伝達腕22の屈曲振動が検出腕24に伝達されると、図8に示すように、検出腕24の検出振動が誘起される。検出腕24の検出振動は、矢印Cで示す屈曲振動であって、実線で示す振動姿態と、点線で示す振動姿態を所定の周波数で繰り返している。このときの検出腕24の振動に応じた検出信号を圧電素子30a,30bから取り出すことにより、回転角速度が検出される。
ところで、駆動腕23から伝達腕22の振動を介して検出腕24へと振動が伝達される過程において、伝達腕22の固定端となる固定部21の連結部21aの振動を抑制することが重要となる。従来、固定部21は接着剤によりセンサ素子支持部42に固定していたことから、固定部21の連結部21aは当然静止しているものと考えられていたが、本願発明者らは、動作中においてこの連結部21aがB方向に僅かに振動しており、この振動が出力を低下させる要因となっていることを見出した。
そして、図9に示すように、本願発明者らは、駆動腕23の自由端のA方向の振動の振幅(a)に対する固定部21の連結部21aのB方向の振動の振幅(b)の比(b/a、変位の比という。)を所定の値に抑えることが、検出腕24による検出出力を高めることに繋がるという知見を得た。
図10は、この変位の比(b/a)と、出力電位との関係を示す図である。
図10に示すように、変位の比b/aを0.1から0.01へと低減することにより、出力電位が急激に高まることがわかる。変位の比を0.01よりもさらに小さくしても出力電位は上がるものの、変位の比の増加に対する出力電位の増加の傾きは小さい。なお、変位の比が0.001以下では、ほぼ一定の出力電位が得られていることがわかる。
図10に示す結果から、b/aが0.01以下となるように、固定部21の連結部21aの幅Wを広げることにより、伝達腕22の振動のエネルギーが固定部21の枠の変形エネルギーへと変換されることを防止でき、伝達腕22の振動のエネルギーが効率良く検出腕24へ伝達されることがわかる。この結果、検出腕24による出力を格段に高めることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る角速度センサ素子2によれば、駆動腕23の振動の振幅(a)に対する固定部21の連結部21aの振動の振幅(b)の比(b/a)が0.01以下になるように、固定部21の連結部21aの幅Wを調整することにより、検出腕24からの出力を格段に高めることができる。このように固定部21の枠の幅を規定した場合には、少なくとも固定部21の枠のうち伝達腕22との連結部位21aにおける幅Wは、伝達腕22の幅に比べて広くなる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る角速度センサ素子は、固定部21の連結部21aの振動ないし変形を防止すべく、連結部21aの幅を広げる代わりに接着剤を設けた以外は、第1実施形態と同様である。図11は、第2実施形態に係る角速度センサ素子2aの構成を示す上面図である。
図11に示すように、本実施形態では、固定部21の連結部21a上に接着剤(補強材)26が設けられている。この接着剤26は、固定部21の連結部21aの振動ないし変形を防止する補強材としての役割を果たす。接着剤26としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの樹脂を好適に用いることができる。
好ましくは、第1実施形態で説明したように、駆動腕23の振動の振幅(a)に対する固定部21の連結部21aの振動の振幅(b)の比(b/a)が0.01以下になるように、接着剤26の厚さ及び面積が設定される。
図12は、接着剤の有無による検出電位を比較した結果を示す図である。図12において、横軸はFs(検出周波数)/Fd(駆動周波数)であり、縦軸は検出電位(出力電位)である。図12において、接着剤26を設けた実施例の結果をCV1で示し、接着剤26を設けない比較例の結果をCV2で示している。
図12に示す結果は、有限要素法を用いたシミュレーションにより得られたものである。シミュレーションでは、角速度センサ素子全体の長さ6.17mm、幅10mm、厚さ0.3mmとし、駆動腕23及び検出腕24の長さ3mm、幅0.2mmとし、伝達腕22の長さ10mm、幅0.17mmと設定した。
図12に示すように、接着剤26を設けない場合に比べて、接着剤26を設けた場合の方が、Fs(検出周波数)/Fd(駆動周波数)が0.7以上1.2以下の広い領域において、検出電位が格段と高いことがわかる。また、Fs(検出周波数)/Fd(駆動周波数)が1付近に現われる検出電位のピーク位置においても、比較例に比べて本実施例の方が高い検出電位が得られていることがわかる。
以上説明したように、本実施形態に係る角速度センサ素子2aによれば、接着剤26により、固定部21の素子部20との連結部21aが補強されることから、この連結部21の振動ないし変形が防止される。したがって、駆動腕23から伝達腕22を介して検出腕24へと振動が伝達される過程において、信号となるべき振動のエネルギーが固定部21の枠の振動エネルギーないし変形エネルギーへと変換されることが防止され、素子部の内部の系において効率良く信号が伝達される。この結果、信号となるべき振動のエネルギーの減衰が防止されることから、検出腕24による出力を高めることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る角速度センサ素子2bは、接着剤26の代わりに金属板27を設けた以外は、第2実施形態と同様である。図13は、第3実施形態に係る角速度センサ素子2の構成を示す上面図である。
図13に示すように、本実施形態では、固定部21の連結部21a上に金属板(補強材)27が設けられている。この金属板27は、固定部21の連結部21aの振動ないし変形を防止する補強材としての役割を果たす。なお、伝達腕22から固定部21にかけて、圧電素子に接続する不図示の配線が形成されることから、配線を被覆する絶縁膜を形成した後に、金属板27を形成することが好ましい。
好ましくは、第1実施形態で説明したように、駆動腕23の振動の振幅(a)に対する固定部21の連結部21aの振動の振幅(b)の比(b/a)が0.01以下になるように、金属板27の厚さ及び面積が設定される。
第3実施形態に係る角速度センサ素子2bによれば、金属板27により、固定部21の素子部20との連結部21aが補強され、素子部20の変形を防止することができることから、素子部20において効率良く駆動腕23から伝達腕22を介して検出腕24へ振動を伝達させることができ、この結果、検出出力を高めることができる。この金属板は圧電素子の下部電極と同時成膜可能であり、それにより角速度センサ素子のプロセスを短縮することが可能である。
なお、上述したとおり、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、素子部20を構成する伝達腕22、駆動腕23及び検出腕24の配置および形状に限定はなく、角速度の検出原理にも限定はない。また、駆動腕23及び検出腕24への圧電素子の配置や構成に限定はない。さらに、接着剤26及び金属板27の材料に限定はない。
本発明の角速度センサ素子は、角速度の検知が必要なあらゆる装置および機器に搭載することができ、例えば、ビデオカメラの手振れ検知や、バーチャルリアリティ装置における動作検知や、カーナビゲーションシステムにおける方向検知などに利用することができる。
第1実施形態に係る角度速度センサ装置の分解斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の角速度センサ素子の構成を示す上面図である。 圧電素子の配置を示すための角速度センサ素子の拡大図である。 図4のV−V線断面図である。 駆動腕23の駆動振動を示す図である。 伝達腕22の屈曲振動を示す図である。 検出腕24の検出振動を示す図である。 角速度センサ素子を示す模式図である。 変位の比と出力電圧との関係を示す図である。 第2実施形態に係る角速度センサ素子2aの構成を示す上面図である。 接着剤の有無による出力を比較した結果を示す図である。 第3実施形態に係る角速度センサ素子2bの構成を示す上面図である。
符号の説明
1…角速度センサ装置、2,2a,2b…角速度センサ素子、3…集積回路素子、4…ケース、5…上蓋部、20…素子部、21…固定部、21a…連結部、22…伝達腕、23…駆動腕、24…検出腕、26…接着剤、27…金属板、30a,30b…圧電素子、31…絶縁層、32…下部電極、33…圧電体、34…上部電極、41…集積回路支持部、42…センサ素子支持部、43…上蓋部支持部、G…内部空間。

Claims (6)

  1. 枠状の固定部と、
    前記固定部の枠内に固定され、駆動系及び検出系の振動腕を備えた素子部と、
    前記固定部上であって少なくとも前記固定部と前記素子部との連結部位に形成された、前記固定部を補強する補強材と、
    を有する角速度センサ素子。
  2. 前記補強材は、接着剤又は金属板である、
    請求項1記載の角速度センサ素子。
  3. 前記素子部は、
    前記固定部に両端が固定された、第1方向に延在する伝達腕と、
    前記伝達腕に連結された、前記第1方向と交差する第2方向に延在する片持ち梁状の駆動腕と、
    前記駆動腕とは異なる位置において前記伝達腕に連結された、前記第2方向に延在する片持ち梁状の検出腕と、
    を有する請求項1に記載の角速度センサ素子。
  4. 前記駆動腕及び前記伝達腕が振動している場合における、前記駆動腕の第1方向の振動の振幅(a)と、前記固定部の第2方向の振動の振幅(b)が、下記式
    b/a≦0.01
    で表される関係を満たすように、前記補強材が設けられている、
    請求項3記載の角速度センサ素子。
  5. 枠状の固定部と、
    前記固定部の枠に両端が固定された、第1方向に延在する伝達腕と、
    前記伝達腕に連結された、前記第1方向と交差する第2方向に延在する片持ち梁状の駆動腕と、
    前記駆動腕とは異なる位置において前記伝達腕に連結された、前記第2方向に延在する片持ち梁状の検出腕と、を有し、
    前記駆動腕及び前記伝達腕が振動している場合における、前記駆動腕の第1方向の振幅(a)と、前記固定部の第2方向の振幅(b)が、下記式
    b/a≦0.01
    で表される関係を満たすように、前記固定部の枠のうち前記伝達腕との連結部位における幅が規定されている、
    角速度センサ素子。
  6. 少なくとも前記固定部の枠のうち前記伝達腕との連結部位における幅は、前記伝達腕の幅に比べて広い、
    請求項5記載の各速度センサ素子。
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