JP2009234380A - 車両のフードストッパ部構造及び車両前部構造 - Google Patents

車両のフードストッパ部構造及び車両前部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】フード閉止時の支持反力を確保しながら、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際のフードの変形ストロークを確保することができる車両のフードストッパ部構造及び車両前部構造を得る。
【解決手段】ストッパゴム40には、フード24の閉止状態でフード24側に配置される第一構成部42と、フード24の閉止状態でラジエータサポートアッパ20側に配置される第二構成部44と、の境界部48にスライド機構部50が設けられており、スライド機構部50は、フード24の閉止状態でフード24に車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に、第一構成部42を第二構成部44に対して車両斜め後方下側へ安定的にスライドさせる。このため、第一構成部42の車両下方側への変位に応じてフード24には、変形ストロークがもたらされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両前部にフード閉止時の緩衝用となるストッパゴムが設けられた車両のフードストッパ部構造及び車両前部構造に関する。
自動車のフードストッパ構造においては、車体側部材(車体骨格部材)に設けられた支持ブラケットにストッパが取り付けられた構造がある。このような構造では、例えば、フード閉止時の支持反力の確保と歩行者保護性能との両立を図るために、ストッパに略鉛直方向の荷重が入力された場合の支持ブラケットの支持剛性を、ストッパに斜め前方上側から荷重が入力された場合の支持ブラケットの支持剛性に比べて高い値に設定している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−96282公報
しかし、この構造は、支持ブラケットが車体側部材に取り付けられた構造となっているため、衝突体が車両斜め前方上側から衝突した際のフードの変形ストローク(変形可能なストローク)は、例えば、支持ブラケットを介さずに車体側部材にストッパを直接取り付けてストッパ位置を下げかつフードアウタパネルの位置を変えないような構造の場合とさほど変わらず、十分な変形ストロークを確保しにくい。
本発明は、上記事実を考慮して、フード閉止時の支持反力を確保しながら、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際のフードの変形ストロークを確保することができる車両のフードストッパ部構造及び車両前部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造は、エンジンルームを開閉可能に覆うフードと、前記フードの閉止状態で前記フードの車両下方側に位置する車体骨格部材と、を備えた車両前部に適用され、前記フード側及び前記車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられると共に前記フードの閉止時に前記フードと前記車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能とされた緩衝用のストッパゴムを有し、前記ストッパゴムには、前記フードの閉止状態で前記フード側に配置される第一構成部と、前記フードの閉止状態で前記車体骨格部材側に配置される第二構成部と、前記第一構成部と前記第二構成部との境界部に設けられ、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に前記第一構成部を前記第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるスライド機構部と、が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造によれば、フード側及び車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられた緩衝用のストッパゴムは、フードの閉止時にフードと車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能となっているので、このストッパゴムの弾性反力によってフード閉止時の衝撃が緩和される。
ここで、ストッパゴムには、フードの閉止状態でフード側に配置される第一構成部と、フードの閉止状態で車体骨格部材側に配置される第二構成部と、の境界部にスライド機構部が設けられており、スライド機構部は、フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に第一構成部を第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるので、第一構成部の車両下方側への変位に応じて、フードには、変形ストロークがもたらされる。従って、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際には、フードに変形ストロークがもたらされ、フードが前記変形ストロークに応じて荷重作用方向へ変形して効果的に荷重を吸収する。
請求項2に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造は、請求項1記載の構成において、前記ストッパゴムは、前記第一構成部と前記第二構成部とが一体で成形されて一部が繋がっていることを特徴とする。
請求項2に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造によれば、ストッパゴムは、第一構成部と第二構成部とが一体で成形されて一部が繋がっているので、フードの開閉が繰り返されてストッパゴムに荷重が繰り返し入力されても、繋がっている部分によって、フードの開閉に起因した第一構成部のスライドが効果的に防止又は抑制される。このため、フード閉止時の支持反力がより安定的に確保される。
請求項3に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記フードの外板を構成するフードアウタパネルと、前記フードアウタパネルに対してフード下方側へ配置されて前記フードの内板を構成するフードインナパネルと、の間に前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側とを連結して前記フードアウタパネル側からの荷重を前記フードインナパネル側へ伝達する荷重伝達部材が設けられ、前記荷重伝達部材の前記フードインナパネル側への接合部は、前記フードの閉止状態で前記ストッパゴムの直上となる位置に配設されていることを特徴とする。
請求項3に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造によれば、フードアウタパネル側とフードインナパネル側とが、荷重伝達部材によって連結されているので、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際には、荷重伝達部材が荷重を支持することによって、衝突初期の発生荷重がある程度高められ、衝突時のエネルギーが早期に吸収される。このため、衝突体の侵入をより早く止めることが可能になる。
ここで、荷重伝達部材のフードインナパネル側への接合部は、フードの閉止状態でストッパゴムの直上となる位置に配設されているので、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際には、フードアウタパネル側からの荷重は、荷重伝達部材を介してフードインナパネル側のストッパゴムの直上の部位へ伝達される。このとき、荷重伝達部材は、フードインナパネルを挟んでストッパゴムの第一構成部を押圧し、この押圧力によって、第一構成部は、第二構成部に対して車両斜め後方下側へ効率的にスライドする。その結果、フードには、変形ストロークがもたらされる。
請求項4に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造は、請求項3記載の構成において、前記荷重伝達部材には、前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側との連結方向の中間部に、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に曲げ変形の起点となる脆弱部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造によれば、荷重伝達部材には、フードアウタパネル側とフードインナパネル側との連結方向の中間部に、フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に曲げ変形の起点となる脆弱部が設けられているので、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突して所定値以上の荷重が入力された場合には、荷重伝達部材は脆弱部を起点として安定した変形モードで曲げ変形してエネルギーを吸収する。また、この局部変形によって、衝突初期においてある程度高められた発生荷重が急激に下げられる。
請求項5に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造は、請求項3又は請求項4に記載の構成において、前記荷重伝達部材は、前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側との連結方向がフード下方へ向けてフード後方側に傾斜していることを特徴とする。
請求項5に記載する本発明の車両のフードストッパ部構造によれば、荷重伝達部材は、フードアウタパネル側とフードインナパネル側との連結方向がフード下方へ向けてフード後方側に傾斜しているので、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突して所定値以上の荷重が入力された場合には、車両斜め前方上側からの入力荷重は、その荷重作用方向を殆ど変えずに荷重伝達部材によって車両斜め後方下側へ効率的に伝達される。また、これによって、荷重伝達部材側からフードインナパネルを介してストッパゴムの第一構成部側へは、ストッパゴムの第一構成部を第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせる荷重が効率的に伝達され、第一構成部が前記荷重に応じて安定的にスライドする。
請求項6に記載する本発明の車両前部構造は、エンジンルームを開閉可能に覆うフードと、前記フードの閉止状態で前記フードの車両下方側に位置する車体骨格部材と、前記フード側及び前記車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられ、前記フードの閉止時に前記フードと前記車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能とされた緩衝用のストッパゴムと、を有し、前記ストッパゴムには、前記フードの閉止状態で前記フード側に配置される第一構成部と、前記フードの閉止状態で前記車体骨格部材側に配置される第二構成部と、前記第一構成部と前記第二構成部との境界部に設けられ、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に前記第一構成部を前記第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるスライド機構部と、が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載する本発明の車両前部構造によれば、フードの閉止状態では、車体骨格部材がフードの車両下方側に位置しており、フード側及び車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられた緩衝用のストッパゴムは、フードの閉止時にフードと車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能となっているので、このストッパゴムの弾性反力によってフード閉止時の衝撃が緩和される。
ここで、ストッパゴムには、フードの閉止状態でフード側に配置される第一構成部と、フードの閉止状態で車体骨格部材側に配置される第二構成部と、の境界部にスライド機構部が設けられており、スライド機構部は、フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に第一構成部を第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるので、第一構成部の車両下方側への変位に応じて、車両前部の一部を構成するフードには、変形ストロークがもたらされる。従って、車両前部において、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際には、フードに変形ストロークがもたらされ、フードが前記変形ストロークに応じて荷重作用方向へ変形して効果的に荷重を吸収する。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両のフードストッパ部構造によれば、フード閉止時の支持反力を確保しながら、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際のフードの変形ストロークを確保することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両のフードストッパ部構造によれば、フードの開閉が繰り返されてストッパゴムに荷重が繰り返し入力されても、フードの開閉に起因した第一構成部のスライドを効果的に防止又は抑制することができ、フード閉止時の支持反力をより安定的に確保することができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両のフードストッパ部構造によれば、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際に、衝突時のエネルギーを早期に吸収することができると共に、ストッパゴムの第一構成部側に効率的に荷重を伝えることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両のフードストッパ部構造によれば、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突して所定値以上の荷重が入力された場合に、荷重伝達部材が脆弱部を起点として安定した変形モードで曲げ変形してエネルギーを吸収することができると共に、この局部変形によって、衝突初期においてある程度高められた発生荷重を急激に下げることができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の車両のフードストッパ部構造によれば、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突して所定値以上の荷重が入力された場合に、その荷重作用方向を殆ど変えずにストッパゴムの第一構成部側へ荷重を伝達することができ、第一構成部を一層安定的にスライドさせることができるという優れた効果を有する。
請求項6に記載の車両前部構造によれば、フード閉止時の支持反力を確保しながら、衝突体が車両斜め前方上側からフードに衝突した際のフードの変形ストロークを確保することができるという優れた効果を有する。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造について図1〜図7を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。また、フード閉止状態では、フード前方側は車両前方側と同じ方向であり、フード上方側は車両上方側と同じ方向である。
図1には、自動車(車両)10の車両前部12が斜視図にて示されている。図1に示されるように、車両前部12には、車両幅方向両端側の上部に車体前後方向に沿ってエプロンアッパメンバ14が配設されている。また、エプロンアッパメンバ14の前端部は、ラジエータサポートアッパサイド18の後端部に結合されている。ラジエータサポートアッパサイド18は、その後端部から車両前方側へ車両幅方向内側に斜めに延びている。
ラジエータサポートアッパサイド18の前端部は、車体骨格部材としてのラジエータサポートアッパ20の車両幅方向の両端部に結合されている。ラジエータサポートアッパ20は、車体前端側の上部において車両幅方向を長手方向として配置され、ラジエータ(図示省略)の上部を支持している。図1の2−2線に沿った拡大断面図である図2に示されるように、ラジエータサポートアッパ20は、車両下方側が開放された断面略ハット形状に形成されている。
なお、図1に示されるラジエータサポートアッパサイド18とラジエータサポートアッパ20とを備えたラジエータサポート16は、正面視で略矩形枠状に構成されているが、図示を省略する。また、前述した車体骨格部材とは、車体の骨組みを構成する部材であって、例えば、図1に示されるエプロンアッパメンバ14、ラジエータサポート16(ラジエータサポートアッパサイド18、ラジエータサポートアッパ20)、ピラー、サイドメンバ等が含まれる。
エプロンアッパメンバ14、ラジエータサポートアッパサイド18及びラジエータサポートアッパ20は、エンジンルーム22内に配置されている。エンジンルーム22は、フード24(エンジンフード、広義には開閉扉として把握される要素である。)によって開閉可能に覆われている。すなわち、フード24は、後端部に配設されたヒンジ(図示省略)を介してエプロンアッパメンバ14に取り付けられており、前記ヒンジの車両幅方向のヒンジ軸回りに回転移動してエンジンルーム22を開閉できるようになっている。また、フード24の閉止状態では、エプロンアッパメンバ14、ラジエータサポートアッパサイド18及びラジエータサポートアッパ20は、フード24の車両下方側に位置している。
図2には、フードストッパ部30を含む車両前端側の縦断面図が示されている。図2に示されるように、フード24は、フード24の外板(閉止状態で上部となる外側部)を構成するフードアウタパネル26と、このフードアウタパネル26に対してフード下方側へ配置されてフード24の内板(閉止状態で下部となる内側部)を構成するフードインナパネル28と、を含んで構成されている。フードアウタパネル26の外周縁部26Aとフードインナパネル28の外周縁部28Aとは、ヘミング加工によって互いに結合されている。
フードアウタパネル26とフードインナパネル28との間には、板状の荷重伝達部材32(荷重伝達ブラケット)が設けられている。荷重伝達部材32は、フードアウタパネル26とフードインナパネル28との間を掛け渡すように配置される本体部34を備えると共に、この本体部34の上端から略フード前方側へ延設された上端フランジ部35と、本体部34の下端から略フード後方側へ延設された下端フランジ部36と、を備えている。
荷重伝達部材32は、上端フランジ部35がフードアウタパネル26に溶接によって接合されていると共に接合部としての下端フランジ部36がフードインナパネル28に溶接によって接合されている。これによって、荷重伝達部材32は、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側とを連結してフードアウタパネル26側からの荷重をフードインナパネル28側へ伝達するようになっている。ここで、荷重伝達部材32のフードインナパネル28側への接合部である下端フランジ部36は、フード24の閉止状態で、ラジエータサポートアッパ20に固定されたストッパゴム40(詳細後述)の直上となる位置に配設されている。
荷重伝達部材32は、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)、換言すれば、側断面視における本体部34の延在方向がフード下方へ向けてフード後方側に傾斜している。この本体部34の傾斜角度θ2(水平面に対する傾斜角度)は、予め想定される衝突体60の衝突角度θ1(水平面に対する衝突方向線の傾斜角度)に合わせて設定されている。つまり、側断面視における本体部34の延在方向が予め想定される衝突体60の衝突方向に平行(略平行)となる方向に配置されている。
また、荷重伝達部材32の本体部34には、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)の中間部(本実施形態では、略中央部)に、脆弱部としてのノッチ38(広義には「曲げ変形促進手段」として把握される要素である。)が形成されている。このノッチ38は、側断面視でV字状とされ、フード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に曲げ変形の起点となるように設定されている(図6参照)。
図1及び図2に示されるように、ラジエータサポートアッパ20の車両幅方向両端側の上部には、緩衝用のストッパゴム40(クッションゴムともいい、広義には「緩衝体」として把握される要素である。)が取り付けられている。ラジエータサポートアッパ20に支持されるストッパゴム40は、フード24の閉止時には、フード24とラジエータサポートアッパ20との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能とされている。
図3には、ストッパゴム40の外観斜視図が示されている。図3に示されるように、ストッパゴム40は、全体としては略円柱状のゴム体であり、下部外周部には、所定のピッチで螺子溝40Aがストッパゴム40の軸線回りに形成されている。図2に示されるストッパゴム40が取り付けられるラジエータサポートアッパ20には、上壁部20Aに取付孔20Bが貫通形成されており、この取付孔20Bには、ストッパゴム40の下部外周部(螺子溝40A)が螺合可能、換言すれば、ストッパゴム40が取付け可能となっている。
ストッパゴム40には、外観視でストッパゴム40を上下に分割するように切り込み状の境界線48Lが形成されており、この境界線48Lを挟んで上下に第一構成部42と第二構成部44とが設けられている。第一構成部42は、フード24の閉止状態でフード24側に配置され、第二構成部44は、フード24の閉止状態でラジエータサポートアッパ20側に配置されている。図4には、ストッパゴム40の形状が図示されている。図4(A)は車両上方側から見た平面図、図4(B)は側面図(図2と同じ方向から見た図)、図4(C)は図4(A)の4C−4C線に沿った拡大断面図(上端側及び下端側の図示省略)である。なお、図中の矢印FR、矢印UP、矢印INは、ストッパゴム40を配置した状態における方向を示している。これらの図に示されるストッパゴム40は、第一構成部42と第二構成部44とが一体で成形されて一部(二箇所)のみが繋ぎ部46で繋がっており(一体構造)、それ以外の部分は、分断された構造になっている(図4(A)及び図4(C)参照)。
図5には、第一構成部42と第二構成部44との繋ぎ部46を切断してストッパゴム40を第一構成部42と第二構成部44とに上下に分解した斜視図が示されている。図2及び図5に示されるように、第一構成部42と第二構成部44との境界部48は、全体として傾斜状となっている。図2に示されるように、ストッパゴム40をラジエータサポートアッパ20へ取り付けた状態では、境界部48が車両下方へ向けて車両後方側に傾斜する向きとなるようにストッパゴム40が配置されている。
図5に示されるように、ストッパゴム40においては、第一構成部42と第二構成部44との境界部48にスライド機構部50が設けられている。スライド機構部50は、第一構成部42における第二構成部44との対向面42Aに形成されてこの対向面42A(境界部48)の傾斜方向に沿う方向に直線状に延在する左右一対のガイド凸部52と、第二構成部44における第一構成部42との対向面44Aに形成されてこの対向面44A(境界部48)の傾斜方向に沿う方向に直線状に延在する左右一対のガイド凹部54と、を含んで構成されている(凹凸構造)。図4(C)に示されるように、左右一対のガイド凸部52は、左右一対のガイド凹部54と対向配置されており、ガイド凸部52は、ガイド凹部54内に配設されている。また、ガイド凸部52の一部とガイド凹部54の一部とは、繋ぎ部46によって繋がれている。繋ぎ部46は、図2に示されるフード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合(衝突体60の衝突時)に容易に破断するように設定されている。
これらによって、スライド機構部50は、フード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に第一構成部42を第二構成部44に対して車両斜め後方下側(矢印D方向参照)へスライドさせるようになっている(図6参照)。ここで、予め想定される衝突体60のフード24への衝突時の荷重fの殆ど全てを、第一構成部42をスライドさせる方向の荷重とするために、第一構成部42をスライドさせる方向となるスライド傾斜角度θ3(水平面に対するスライド方向線の傾斜角度)は、予め想定される衝突体60の衝突角度θ1(水平面に対する衝突方向線の傾斜角度)に合わせて設定され、同時に荷重伝達部材32の本体部34の傾斜角度θ2(水平面に対する傾斜角度)に合わせて設定されている。つまり、スライド機構部50によって、第一構成部42が予め想定される衝突体60の衝突方向に平行(略平行)な方向で、かつ側断面視における本体部34の延在方向に平行(略平行)な方向にスライドできるようになっている。なお、第一構成部42のスライド状態を示す図6において、二点鎖線の第一構成部42は、スライド前の状態(位置)を示している。
また、図4等に示されるスライド機構部50において、フード24の閉止時に第一構成部42をスライドさせず、かつ、衝突体60(図6参照)のフード24への衝突時に第一構成部42をスライドさせるための荷重調整(チューニング)は、繋ぎ部46の破断性(破断力)やガイド凸部52とガイド凹部54との噛み合い代(摩擦力)によって調整している。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造では、図2に示されるように、ラジエータサポートアッパ20側に取り付けられた緩衝用のストッパゴム40は、フード24の閉止時にフード24とラジエータサポートアッパ20との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能となっているので、例えば、フード24の強閉時(フード24を強く閉めた時又はフード24を高い位置から自由落下させて閉めた時)に垂直荷重(強閉荷重)Fが作用した場合には、このストッパゴム40の十分な弾性反力によってフード24の衝撃が緩和される。
ここで、ストッパゴム40には、フード24の閉止状態でフード24側に配置される第一構成部42と、フード24の閉止状態でラジエータサポートアッパ20側に配置される第二構成部44と、の境界部48にスライド機構部50が設けられており、スライド機構部50は、図6に示されるように、フード24の閉止状態でフード24の前部(ストッパゴム40の直上近傍)に車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に、第一構成部42を第二構成部44に対して車両斜め後方下側へ安定的に(横転しないように)スライドさせる。このため、第一構成部42の車両下方側への変位に応じて(変位前後の差分b参照)、フード24には、変形ストロークがもたらされる。従って、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突した際には、フード24に十分な変形ストロークが確保され、フード24が前記変形ストロークに応じて荷重作用方向へ変形して効果的に荷重を吸収する。
フード24の強閉時と衝突体60の衝突時とにそれぞれ作用する荷重について補足すると、図2に示されるフード24の強閉時の強閉荷重(強閉力)Fは、衝突体60の衝突荷重fに対して十分に小さく(f>>F)、かつ、フード24の強閉時における第一構成部42をスライドさせる方向の荷重は、強閉荷重Fの分力F1(図2ではF1=Fsinθ4)となる。このように、フード24の強閉時においては、第一構成部42をスライドさせる方向には比較的小さな荷重しか作用しないので、ストッパゴム40にスライド機構部50が設けられていても第一構成部42はスライドしない。
また、図4に示されるように、ストッパゴム40は、第一構成部42と第二構成部44とが一体で成形されて一部が繋ぎ部46(図4(C)参照)で繋がっているので、図2に示されるフード24の開閉が繰り返されてストッパゴム40に垂直荷重(強閉荷重)Fが繰り返し入力されても、繋ぎ部46(図4(C)参照)によって、フード24の開閉に起因した第一構成部42のスライドがより効果的に防止又は抑制される。このため、フード24の閉止時の支持反力がより安定的に確保される。なお、ストッパゴム40が一体成形(一つの型で成形)されることで、生産コストの低減も可能になる。
また、フード24の変形ストロークの確保について、対比構造と比較しながら、補足説明すると、例えば、車体骨格部材に支持ブラケットを介してストッパゴムが取り付けられた対比構造であって、該ストッパゴムに垂直荷重が入力された場合の支持ブラケットの支持剛性を、該ストッパゴムに斜め前方上側から荷重が入力された場合の支持ブラケットの支持剛性に比べて高い値に設定したような構造の場合、衝突体が車両斜め前方上側から衝突した際のフードの変形ストロークは、例えば、支持ブラケットを介さずに車体骨格部材にストッパゴムを直接取り付けてストッパゴムの位置を下げかつその分フードインナパネルをストッパゴム側へ膨出させると共にフードアウタパネルの位置を変えないような他の対比構造の場合とさほど変わらない。なぜなら、衝突体が衝突する付近におけるフードアウタパネルから、ストッパゴムが直接又は支持ブラケットを介して取り付けられた車体骨格部材までの距離が同じで、かつストッパゴムの大きさが同じであるとすると、フードアウタパネルから車体骨格部材までの距離からストッパゴムの高さ分を引いた差分距離は、前記二つの対比構造はともに同じであり、基本的には、両者の違いは、前記差分距離の範囲において、フード及び支持ブラケットが変形するか、フードアウタパネルのみが変形するか、の違いである。
これに対して、本実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造では、ストッパゴム40の第一構成部42が第二構成部44に対して車両斜め後方下側へスライドすることによって、ストッパゴム40の高さ寸法が短くなるので(図6の差分b参照)、フードアウタパネル26からラジエータサポートアッパ20(車体骨格部材)までの距離からストッパゴム40の高さ分を引いた差分距離が短くなり、上記二つの対比構造に比べてフード24の変形ストロークが長くなる。
また、図2に示されるように、本実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造では、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側とが、荷重伝達部材32によって連結されているので、衝突体60が車両斜め前方上側から(矢印f方向参照)フード24に衝突した際には、荷重伝達部材32が衝突荷重fを支持することによって、衝突初期の発生荷重がある程度高められ、衝突時のエネルギーが早期に吸収される。このため、衝突体60の侵入をより早く止めることが可能になる。
ここで、荷重伝達部材32のフードインナパネル28側への接合部となる下端フランジ部36は、フード24の閉止状態でストッパゴム40の直上となる位置に配設されているので、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突した際には、フードアウタパネル26側からの荷重は、荷重伝達部材32を介してフードインナパネル28側のストッパゴム40の直上の部位へ伝達される。
また、荷重伝達部材32は、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)、換言すれば、側断面視における本体部34の延在方向がフード下方へ向けてフード後方側に傾斜しているので、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突して所定値以上の荷重fが入力された場合には、車両斜め前方上側からの入力荷重fは、その荷重作用方向を殆ど変えずに荷重伝達部材32によって車両斜め後方下側へ効率的に伝達される。
これらによって、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突した際に、荷重伝達部材32は、フードインナパネル28を挟んでストッパゴム40の第一構成部42を効率的に押圧する。すなわち、荷重伝達部材32側からフードインナパネル28を介してストッパゴム40の第一構成部42側へは、ストッパゴム40の第一構成部42を第二構成部44に対して車両斜め後方下側へスライドさせる荷重Dが効率的に伝達される。その結果として、第一構成部42が安定的にスライドする。
さらに、本実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造では、荷重伝達部材32の本体部34には、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)の中間部(本実施形態では略中央部)に、フード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に曲げ変形の起点となるノッチ38が設けられているので、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突して所定値以上の荷重fが入力された場合には、図6に示されるように、荷重伝達部材32はノッチ38を起点として安定した変形モードで曲げ変形してエネルギーを吸収する。また、この局部変形によって、衝突初期においてある程度高められた発生荷重が急激に下げられる。
次に、本実施形態に係る車両前部構造の荷重−ストローク特性(F−S特性)を対比構造と対比しながら示す。図7は、本実施形態に係る車両前部構造及び対比構造のF−S特性、すなわち、衝突体のストローク量(S)と衝突体発生荷重(F)との関係をグラフ化したものである。図7の実線は、本実施形態に係る車両前部構造のF−S特性を示し、図7の点線は、対比構造のF−S特性を示す。ここで、対比構造は、本実施形態に係る車両前部構造の荷重伝達部材(30)が設けられておらず、かつ、ストッパゴムが衝突体のフードへの衝突時に分離しない(すなわち、本実施形態に係る車両前部構造のスライド機構部(50)が設けられていない)構造である。
図7に示されるように、本実施形態に係る車両前部構造では、荷重伝達部材(30)が設けられていることで、対比構造に比べて初期荷重(一次ピーク)が高められており、また、荷重伝達部材(30)にノッチ(38)が形成されていることで、ある程度高められた発生荷重が急激に下げられている。また、本実施形態に係る車両前部構造では、スライド機構部(50)が設けられていることで、衝突体が底付きするのを回避でき、対比構造に比べてストロークを長くすることができる。
図7において、対比構造のストローク(図7のストロークA)は、フードの潰れ変形によってもたらされたストローク(概ね図2の寸法aのギャップを小さくした分に応じた長さ)であり、本実施形態に係る車両前部構造のストロークと対比構造のストロークとの差分(図7の差分B)は、第一構成部(42)のスライドによってもたらされた差分(図6の差分bに応じた長さ)である。なお、対比構造の衝突後期において本実施形態に係る車両前部構造よりも荷重が高くなっているのは、底付き状態でのストッパゴムの潰れ荷重によるものである。
以上説明したように、本実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造によれば、図2に示されるフード24の閉止時の支持反力を確保しながら、衝突体60が車両斜め前方上側からフード24に衝突した際のフード24の変形ストロークを確保することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両のフードストッパ部構造が適用された車両前部構造について、図8を用いて説明する。図8には、本発明の第2の実施形態に係る車両前部構造に用いられるストッパゴム70の形状が第1の実施形態における図4に相当する図にて示されている。図8(A)は車両上方側から見た平面図、図8(B)は側面図(図2と同じ方向から見た図)、図8(C)は図8(A)の8C−8C線に沿った拡大断面図(上端側及び下端側の図示省略)である。なお、図中の矢印FR、矢印UP、矢印INは、ストッパゴム70を配置した状態における方向を示している。これらの図に示されるように、本発明の第2の実施形態に係る車両前部構造に用いられるストッパゴム70は、繋ぎ部46(図4(C)参照)を備えずに二部品構成とされている点で、第1の実施形態に係る車両前部構造とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図8に示されるストッパゴム70の取付け状態は、第1の実施形態におけるストッパゴム40(図2参照)の取付け状態と同様である(図8(B)参照)。図8に示されるように、ストッパゴム70は、上下別体とされている。すなわち、図8(B)に示されるように、ストッパゴム70には、フード24の閉止状態でフード24側に配置される第一構成部72と、この第一構成部72と別体とされてフード24の閉止状態でラジエータサポートアッパ20側に配置される第二構成部74と、が設けられている。
第一構成部72と第二構成部74との境界部78は、全体として傾斜状となっている。ストッパゴム70をラジエータサポートアッパ20へ取り付けた状態では、境界部78が車両下方へ向けて車両後方側に傾斜する向きになるようにストッパゴム70が配置されている。
図8(C)に示されるように、ストッパゴム70においては、第一構成部72と第二構成部74との境界部78にスライド機構部80が設けられている。スライド機構部80は、第一構成部72における第二構成部74との対向面72Aに形成されてこの対向面72A(境界部78)の傾斜方向(図8(B)参照)に沿う方向に直線状に延在する左右一対のガイド凸部82と、第二構成部74における第一構成部72との対向面74Aに形成されてこの対向面74A(境界部78)の傾斜方向に沿う方向(図8(B)参照)に直線状に延在する左右一対のガイド凹部84と、を含んで構成されている。左右一対のガイド凸部82は、左右一対のガイド凹部84と対向配置されており、ガイド凸部82は、ガイド凹部84内に係合状態で配設されている。
これによって、スライド機構部80は、フード24(図2及び図8(B)参照)の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に第一構成部72を第二構成部74に対して車両斜め後方下側へスライドさせるようになっている。このような構成によっても、前述した第1の実施形態とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、緩衝用のストッパゴム40、70がラジエータサポートアッパ20側に取り付けられているが、ストッパゴムは、フード(24)側に取り付けられてもよい。
また、例えば、図1に示されるエプロンアッパメンバ14側に取り付けられたストッパゴム58が上記実施形態のストッパゴム40、70と同様に第一構成部(42、72)と第二構成部(44、74)とスライド機構部(50、80)とを備えた構成の車両のフードストッパ部構造(車両前部構造)としてもよい。
また、上記実施形態では、図4(C)及び図8(C)等に示されるように、スライド機構部50、80が第一構成部42、72にガイド凸部52、82を備え、第二構成部44、74にガイド凹部54、84を備えているが、スライド機構部は、例えば、第一構成部(42、72)にガイド凹部(54、84)を備え、第二構成部(44、74)にガイド凸部(52、82)を備えているような構成としてもよい。なお、ストッパゴムにおける境界部の高さ位置や傾斜角度は、上記実施形態において図2等に図示したものに限定されない。
また、上記実施形態では、図6に示されるように、フード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に第一構成部72を第二構成部74から脱落させていないが、フード24の閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重fが入力された場合に第一構成部72を第二構成部74から脱落させてもよい。
さらに、上記実施形態では、図2に示されるように、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側とを連結する荷重伝達部材32が設けられており、このような構成が好ましいが、このような荷重伝達部材(32)を備えない構成の車両のフードストッパ部構造(車両前部構造)としてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、荷重伝達部材32には、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)の中間部に脆弱部としてのノッチ38が設けられており、このような構成が好ましいが、荷重伝達部材(32)にこのような脆弱部(ノッチ38)が設けられない構成の車両のフードストッパ部構造(車両前部構造)としてもよい。
なお、上記実施形態では、荷重伝達部材32は、フードアウタパネル26側とフードインナパネル28側との連結方向(矢印C方向)が、予め想定される衝突体60の衝突方向に平行(略平行)で、第一構成部42、72のスライド方向に平行(略平行)に設定されており、このような構成が好ましいが、荷重伝達部材によるフードアウタパネル側とフードインナパネル側との連結方向が、予め想定される衝突体の衝突方向や第一構成部のスライド方向に対して、非平行(非略平行)に設定されてもよく、また、荷重伝達部材によるフードアウタパネル側とフードインナパネル側との連結方向がフード上下方向となるように設定されていてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る車両前部構造が適用された車両前部を示す斜視図である。 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態におけるストッパゴムを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態におけるストッパゴムの形状を示す図である。図4(A)は車両上方側から見た平面図、図4(B)は側面図(図2と同じ方向から見た図)、図4(C)は図4(A)の4C−4C線に沿った拡大断面図(上端側及び下端側の図示省略)である。 本発明の第1の実施形態におけるストッパゴムを上下に切断して分離した状態で示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態におけるフードへ衝突体が衝突した状態を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両前部構造のF−S特性を対比構造と対比しながら示すグラフである。 本発明の第2の実施形態におけるストッパゴムの形状を示す図である。図8(A)は車両上方側から見た平面図、図8(B)は側面図(図2と同じ方向から見た図)、図8(C)は図8(A)の8C−8C線に沿った拡大断面図(上端側及び下端側の図示省略)である。
符号の説明
10 自動車(車両)
12 車両前部
20 ラジエータサポートアッパ(車体骨格部材)
22 エンジンルーム
24 フード
26 フードアウタパネル
28 フードインナパネル
30 フードストッパ部
32 荷重伝達部材
36 下端フランジ部(フードインナパネル側への接合部)
38 ノッチ(脆弱部)
40 ストッパゴム
42 第一構成部
44 第二構成部
48 境界部
50 スライド機構部
70 ストッパゴム
72 第一構成部
74 第二構成部
78 境界部
80 スライド機構部
C フードアウタパネル側とフードインナパネル側との連結方向

Claims (6)

  1. エンジンルームを開閉可能に覆うフードと、前記フードの閉止状態で前記フードの車両下方側に位置する車体骨格部材と、を備えた車両前部に適用され、
    前記フード側及び前記車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられると共に前記フードの閉止時に前記フードと前記車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能とされた緩衝用のストッパゴムを有し、前記ストッパゴムには、
    前記フードの閉止状態で前記フード側に配置される第一構成部と、
    前記フードの閉止状態で前記車体骨格部材側に配置される第二構成部と、
    前記第一構成部と前記第二構成部との境界部に設けられ、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に前記第一構成部を前記第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるスライド機構部と、
    が設けられていることを特徴とする車両のフードストッパ部構造。
  2. 前記ストッパゴムは、前記第一構成部と前記第二構成部とが一体で成形されて一部が繋がっていることを特徴とする請求項1記載の車両のフードストッパ部構造。
  3. 前記フードの外板を構成するフードアウタパネルと、前記フードアウタパネルに対してフード下方側へ配置されて前記フードの内板を構成するフードインナパネルと、の間に前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側とを連結して前記フードアウタパネル側からの荷重を前記フードインナパネル側へ伝達する荷重伝達部材が設けられ、
    前記荷重伝達部材の前記フードインナパネル側への接合部は、前記フードの閉止状態で前記ストッパゴムの直上となる位置に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両のフードストッパ部構造。
  4. 前記荷重伝達部材には、前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側との連結方向の中間部に、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に曲げ変形の起点となる脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の車両のフードストッパ部構造。
  5. 前記荷重伝達部材は、前記フードアウタパネル側と前記フードインナパネル側との連結方向がフード下方へ向けてフード後方側に傾斜していることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両のフードストッパ部構造。
  6. エンジンルームを開閉可能に覆うフードと、
    前記フードの閉止状態で前記フードの車両下方側に位置する車体骨格部材と、
    前記フード側及び前記車体骨格部材側のいずれか一方側に取り付けられ、前記フードの閉止時に前記フードと前記車体骨格部材との間に介在されてかつ略車両上下方向へ弾性変形可能とされた緩衝用のストッパゴムと、
    を有し、前記ストッパゴムには、
    前記フードの閉止状態で前記フード側に配置される第一構成部と、
    前記フードの閉止状態で前記車体骨格部材側に配置される第二構成部と、
    前記第一構成部と前記第二構成部との境界部に設けられ、前記フードの閉止状態で車両斜め前方上側から所定値以上の荷重が入力された場合に前記第一構成部を前記第二構成部に対して車両斜め後方下側へスライドさせるスライド機構部と、
    が設けられていることを特徴とする車両前部構造。
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